JP2007221005A - 磁気シールド部材 - Google Patents

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明 伊丹
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Abstract

【課題】磁気に対して効率の良いシールドを行う磁気シールド部材を提供する。
【解決手段】一方のリボン形状Co基非晶質合金基材3を経糸のように用い、他方のリボン形状Co基非晶質合金基材3を緯糸のように用いて実質的に隙間の無いように平織した編成磁気シールド部材4。Co基非晶質合金基材3の保磁力(Hc)が0.4A/m以下、飽和磁歪定数が10のマイナス6乗以下のものを用い、これを板厚方向へ複数枚重畳した磁気シールド部材として用いる。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、SQUID等を使用して生体から発生する微弱磁場を計測する生体磁場計測装置、各種の理化学機器、或いは電子ビームを使用する半導体加工装置に使用する磁気シールド装置に使用できる磁気シールド部材に関するものである。
SQUID等により心臓や脳から発生する微弱磁場を計測する生体磁場計測装置では、検出磁場強度は10のマイナス10乗テスラ(T)程度の弱いものであるために、30マイクロテスラ(μT)程度の地磁気は大きな障害となる。このために、地磁気を最低限でも50dB減衰させるような磁気シールド装置が必要とされている。これに必要とする磁気シールド部材としては、Fe−Ni合金である高透磁率のパーマロイ板やケイ素鋼板、或いは、結晶粒界の大きさが100nm以下の超微細結晶組織を持つ軟磁性合金の薄膜とポリマーシートとを積み重ねて接着した磁性積層部材が磁気シールドシート材として提案されている。
磁気シールド装置の基本構造の一例としては、アルミニウム等で構成する箱型の構造フレームに、壁材や床材としてFe−Ni合金である高透磁率のパーマロイ板やケイ素鋼板を磁気シールド部材として隙間なくボルト等で固定して磁気シールド空間を画定しているもの(例えば、特許文献1参照)がある。また、パーマロイ板に代えて結晶粒界の大きさが100nm以下の超微細結晶組織を持つ軟磁性合金の薄膜とポリマーシートとを積み重ねて接着した磁気シールドシート材を磁気シールド部材として用いることも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−183288号公報(第2頁、図1) 特開2000−077890号公報(第3頁、図6)
特許文献1に開示される磁気シールド装置では、磁気シールド部材として高透磁率のパーマロイ板を用い、磁気シールドすべき空間を囲む構造をとっている。この場合、パーマロイ板は約1mm程度の厚さが必要とされ、磁気シールド装置の組み立て構造に合せて、切断、折り曲げなどの部品加工を行う。しかし、パーマロイ板は、部品加工の際に加わる外力のために機械的強度には影響がないものの、磁気特性が極端に劣化すると言う欠点がある。また、据付後、地震等による外力が磁気シールド装置に加わった場合にもパーマロイ板の磁気特性は大幅に低下する。また、パーマロイ板を用いた磁気シールド装置は、各層で使用するパーマロイの板厚が約1mm以上必要であり、2m×2m×2m程度の大きさの磁気シールド装置でも数百Kg以上の重量に達してしまう。更に、磁気シールド率を高めるためには、パーマロイ板の1層構造では十分でなく多層構造が必要であり、この場合には、磁気シールド装置は1トン以上もの重量にもなってしまい、磁気シールド装置の移動等に困難を生ずるという問題がある。一方、特許文献2に開示される磁気シールド装置では、磁気シールド部材としてパーマロイ板に代えて結晶粒界の大きさが100nm以下の超微細結晶組織を持つ軟磁性合金の薄膜とポリマーシートとを積み重ねて接着した磁気シールドシート材を用いることが提案されている。この場合には、パーマロイ板と異なり多少の外力が加わっても磁気特性が劣化することは無いが、超微細結晶組織を持つ合金部分は機械的強度が弱く外力により容易に破断してしまう。地震等があった場合には、外見上は影響がないように見えても内部の超微細結晶組織を持つ合金部分には機械的破壊が生ずる。
従って、本発明の目的は、上記課題を解決し、外力に強く軽量であり、かつ、30マイクロテスラ(μT)程度の地磁気を効果的にシールドするために用いることが出来る磁気シールド部材を提供することである。特に、30マイクロテスラ(μT)程度の地磁気を最低限50dB減衰させることができる磁気シールド装置に使用できる磁気シールド部材を提供することにある。
上記目的を達成するための技術的手段として、一方のリボン形状Co基非晶質合金基材を経糸のように用い、他方のリボン形状Co基非晶質合金基材を緯糸のように用いて実質的に隙間の無いように平織した編成磁気シールド材の複数枚を板厚方向へ重畳した磁性積層体の両面に直接或いは間接に各々シートを配置し、少なくとも相対向する二縁において前記積層体の縁から延出せしめ、当該延出部のシート同士を少なくとも部分的に接合した磁気シールド部材を提案する。本明細書では、リボン形状とは、長尺形状に限らず、幅広の短尺形状に切断したリボン形状も含める。用いるシートとしては、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂シートなどを使用しても良いし、樹脂に金属フレークを混ぜ合わせたシート、或いは薄膜金属シートを使用しても良い。接合のやり方としては、接着剤による接合でも良いし、延出部を加熱圧着するなど、色々の手段を採る事が出来る。
前記Co基非晶質合金基材としては、保磁力(Hc)が0.4A/m以下、飽和磁歪定数が10のマイナス6乗以下、直流最大透磁率を10,000以上のものとすることが好ましい。
前記Co基非晶質合金の合金成分が、組成式:(Co1-x-y-zFexMnyNiz)100-a-b-cMaSibBc[ただし、Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Cu、Ag、Au、Y、希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素]で表され、かつ、xが0〜0.1、yが0〜0.1、zが0〜0.2、aが0〜6、bが8〜18、cが7〜18、(b+c)が18〜30であることが好ましい。
経糸或いは緯糸のように用いる前記リボン形状Co基非晶質合金基材の少なくとも一方が、複数枚のCo基非晶質合金リボン材を重ねたものとすることができる。
前記の重畳した編成磁気シールド部材の間を少なくとも製造過程において、少なくとも部分的に保持或いは固定することが有利である。例えば、スポット溶接によって編成磁気シールド部材の間を固定しておくことも出来るし、粘着テープで端部を仮止しておくこともできる。熱処理に際して金属製のトレーで重畳した編成磁気シールド部材を上下から挟み込んでおき、熱処理後、シートで包み込む前に外すこともできる。
前記磁性積層体の両面には、当該磁性積層体と同様の平面形状を有する補強板を介してシートを配置することもできる。補強板は、磁性積層体の機械的強度を増加するもので、Al薄板やステンレス薄板などを使用することができる。
磁性積層体としては、リボン形状Co基非晶質合金基材の複数枚をリボン幅方向に突き合せて平面状に敷き詰め、かつ、当該突合せ部が少なくとも隣接する上下間では重ならないように積み重ねてなる磁性積層体を用いることが出来る。
製造を簡略にするために、難しい配列をすること無く、幅方向にも配置したリボン形状Co基非晶質合金基材を板厚方向に積み重ねてなる磁性積層体の両面に直接或いは間接に各々シートを配置し、少なくとも相対向する二縁において前記積層体の縁から延出せしめ、当該延出部のシート同士を少なくとも部分的に接合した磁気シールド部材としても良い。
磁性積層体を平面形状が長方形のものとし、その両面に直接或いは間接に各々シートを配置し、相対向する二縁の全部において前記積層体の縁から延出せしめ、当該延出部のシート同士を少なくとも部分的に接合した磁気シールド部材とすることも出来る。
本発明の磁気シールド部材では、基材として結晶粒界が存在しない非晶質合金を用いるので、超微細結晶組織を持つ合金を使用する場合とは相違して、多少の外力が加わっても合金の機械的強度が大きいので破断するようなことは殆どない。地震等があった場合にも、基材の非晶質合金部分に機械的破壊が生ずることは殆どない。
本発明に従って作られる磁気シールド部材は、機械的強度に優れ、軽量であり、30マイクロテスラ(μT)程度の地磁気を最低限50dB減衰させることができる磁気シールド装置を作るための部材として用いることができる。地震等の外力が加わった場合でもCo基非晶質合金基材の磁気特性の劣化は殆ど発生することが無い。本発明に従って、あらかじめパネル部材を作り上げておき、これを組み合わせることにより磁気シールド装置を製作することは、製作工程を簡略化でき、組み立て時間も早くできる。
本発明の特徴のひとつは、30マイクロテスラ(μT)程度の地磁気をシールドするための磁性材料としてリボン形状のCo基非晶質合金を用いることである。磁気をシールドするための磁性材料としては、ケイ素鋼板、パーマロイ、Fe基非晶質合金、Co基非晶質合金、結晶粒界の大きさが100nm以下の超微細結晶組織を持つ軟磁性Fe基合金、結晶粒界の大きさが100nm以下の超微細結晶組織を持つ軟磁性Co基合金などがあるが、ケイ素鋼板やFe基非晶質合金は、1kHz以下の低周波磁気或いは静磁気をシールドするには、透磁率が小さ過ぎるためにかなり肉厚の厚い板とする必要があり、このために重量が大きくなりすぎて実用的ではない。
結晶粒界の大きさが100nm以下の超微細結晶組織を持つ軟磁性合金の透磁率は、ケイ素鋼板やFe基非晶質合金に比べるとかなり大きく、1kHz以下の低周波磁気或いは静磁気をシールドする磁気特性の面では好ましい材料であるが、非晶質合金薄帯を結晶化するために結晶化温度に近い温度での熱処理を経るため、超微細結晶組織を持つ合金部分の機械的強度が比較的弱く外力によって容易に破断してしまう。地震等があった場合には、外見上は影響がないように見えても超微細結晶組織を持つ合金部分には材料の破断等が生ずる場合がある。
パーマロイは、加工の際に加わる外力のために磁気特性が極端に劣化し、また、地震等による外力が磁気シールド装置に加わった場合には、大幅に磁気特性が低下するという問題がある。磁気特性の劣化したパーマロイ板の特性を回復するには再度熱処理をするなどの手段を取る必要がある。また、パーマロイ板を用いた磁気シールド装置は、使用するパーマロイの板厚が約1mm以上必要であり2m×2m×2m程度の大きさの磁気シールド装置でもでも場合によっては1トン以上の重量に達してしまうという問題がある。本発明は、30マイクロテスラ(μT)程度の地磁気をシールドするための磁性材料として、特にCo基非晶質合金が優れるとの知見に基づくものである。
心臓の健康状態をチェックするための心磁計を使用するような大容積の磁気シールド装置を構成する壁に用いる磁気シールド部材としては、大面積であり、かつ、板厚の大きいもの(例えば、320μm)が作業を簡略化するためにも望まれるが、現在のところ、リボン形状のCo基非晶質合金は、長尺(例えば30,000m)ではあるが、リボン幅は最大で200mm程度、板厚は最大で20μm〜50μm程度のものしか得られない。大面積であり、かつ、板厚の大きい磁気シールド部材とするために、リボンを幅方向に多数並べ幅方向端部同士を接合し大面積の薄板とした上で、これら薄板を多層に重畳し樹脂等で層間を接着することにより、大面積であり、かつ、板厚の大きい磁気シールド部材とすることも考えられるが、大変な作業となる。
本発明では、例えば、鋳造したまま、或いは熱処理したCo基非晶質合金の長尺リボンのスプールを使用して実質的に隙間無く平織すれば、リボン厚の約2倍の厚みを有し、幅は望むまま広く、かつ、長尺(例えば30,000m)の編成磁気シールド材を得る。通常の布織機と同様の原理による専用織機により、効率良く編成磁気シールド材を生産することが出来る。Co基非晶質合金の弾性が熱処理前の方が大きいので、専用織機により、編成磁気シールド材した後に、トレー内で積層体として熱処理(通常は、400℃〜430℃で、1〜2時間加熱する)をすることが良い。熱処理後は、積層体を樹脂等のシートによりラップ(WRAP)して、シートの延出部を熱圧着などする。これら作業を連続して行うことにより長尺の磁気シールド部材を製造できる。磁気シールド装置の施工に際しては、切断して用いることができる。
磁気シールド率を高めるために、平織する際に、リボンを複数枚重ねたものを一方の経糸のように用い、同様にリボンの複数枚を重ねたものを他方の緯糸のように用いて実質的に隙間の無いように平織することにより、板厚がリボン板厚の約4倍以上の編成磁気シールド部材を得ることも出来る。このようにして作成した編成磁気シールド材を板厚方向へ重畳することによりリボン板厚の10倍〜60倍の板厚の積層体を容易に得ることができる。この積層体の両面に直接或いはAl板などを介して間接に樹脂シートなどを各々配置し、例えば、幅方向の少なくとも相対向する二縁において前記積層体の縁から延出せしめ、当該延出部のシート同士を部分的或いは全面的に接合し磁気シールド部材とする。このような磁気シールド部材は、磁気シールドルームの壁材等に用いて十分な磁気シールド特性を持つ。
磁気シールド部材としては、Co基非晶質合金リボン材が15層以上の多層構造となるようにすることが磁気シールド特性を十分なものとする為には好ましい。パーマロイの磁気シールド板と比較して、Co基非晶質合金リボン材を重ね合わせて形成した本発明の磁気シールド部材は、軽量でありながらパーマロイ以上の磁気シールド効果を発揮することができる。磁気シールド空間を画定する磁気シールド部材を壁材として多重に配置し、磁気シールド効果を最大限に発揮させる場合にも同様の事情である。アルミニウム等の軽量金属材を骨組部材として組み合わせて構成することにより、磁気シールド装置全体の軽量化も図ることができる。
磁気シールド空間を画定する磁気シールド部材を壁材として多重に配置する場合には、磁気シールド部材間の間隙には、例えば、発泡スチロールを充当して磁気シールド効果を高めるとともに磁気シールドルームの機械的強度を高め、更に、磁気シールドルーム内部空間の空調効率を高めることができる。壁材内に配置したCo基非晶質合金リボン材の合計積層数を、30層以上とすることにより、容易に、30マイクロテスラ(μT)程度の地磁気を最低限50dB減衰させることができる。さらに高いシールドの効率(性能)が要求される脳磁計測装置等に必要な磁気シールド装置では、さらに積層数を増やして30層よりも多くすることや、3重以上の多重シールド配置とすることで、必要なシールドの効率(性能)を得ることが可能であり、このような方法は、本技術を応用することで可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて更に説明する。
図1は、本発明の磁気シールド部材例の正面図であり、図2は図1に示した磁気シールド部材に用いる編成磁気シールド材の斜視図であり、図3は、本発明による編成磁気シールド材の拡大正面図である。図1、図2に示すように、本発明の磁気シールド部材例は、周辺部を積層体の上下面に配置するPET樹脂シートの延出部同士を加熱接着し複数枚の編成磁気シールド部を一体的に保持する構成とした物である。例えば、20μmの厚さであり、幅30mmのCo基非晶質合金リボンを平織した編成磁気シールド材を15枚重畳し、部分的に編成磁気シールド材間をスポット溶接により固定した後に、420〜440℃で熱処理した後に、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂でラップ(WRAP)して磁気シールド部材とする。磁性積層体の機械的強度を増加させるために、Al板を介してラップ(WRAP)することもできる。
これら磁気シールド部材をアルミニウム製の軽量金属骨組部材に固定し、磁気シールドルーム用パネル部材とすることにより磁気シールドルームなどの磁気シールド装置の組立工程を簡便化できる。このようなパネルとしての磁気シールド部材を壁厚方向に二重に配置して形成する壁厚方向間隙には、例えば、発泡スチロール板を充当することにより、重量を殆ど増加することなくパネルの機械的強度を高めると共に断熱効果を高めることができる。配置する磁気シールド部材間の間隙は、好ましくは10mm〜200mmとすることにより、2枚の磁気シールド部材が相まって磁気シールドの効率を高める。
これらパネルにより磁気シールド空間を画定し、内周壁は化粧材で仕上げをすることが好ましい。本発明を利用した磁気シールドルームは、通常の家屋のようにアルミニウムの軽量金属材の骨組部材でルーム骨格を形成した後、この骨格に磁気シールド部材を張り合わせることが工法を簡便化し磁気シールドルームを形成できる。
このようにして形成した磁気シールドルームの磁気シールド空間に心磁計や脳磁計を設置して心臓や脳から発生する磁場をSQUIDを使用して測定し、心臓や脳に流れる電流の分布を画像として捉える等の手段により、生体の健康状態を把握することができる。磁気シールド装置の一側面には、人の出入り或いは医療機材搬入のために使用する扉(図示せず)を設ける。
軽金属の骨組部材としては、アルミニウム材が適切であるが、マグネシウム材など他の軽金属材を用いることもできる。骨組部材を中空構造化することにより強度は落とさずに軽量化をすることもできることは、通常の建築と同様である。軽金属の骨組部材は、磁気シールド装置の全体強度を高める。
骨組部材で磁気シールドルームの骨格を形成した後、本発明の磁気シールド部材を内壁、外壁を形成するように貼り合わせて磁気シールド空間を画定することもできる。また、骨組部材を使用してパネル部材の骨組とし、これらを予め作成しておいてパネルの両面に磁気シールド部材を貼り合わせて磁気シールドルームとすることもできる。磁気シールドルームの外面を保護し、清潔感を持たせるため化粧板を外面仕上げ材として配置することが好ましい。
リボン形状のCo基非晶質合金基材は、Co基合金の溶解物を急速に回転する冷却ロールの表面に射出することにより、一般には、厚さ8μm〜80μm、通常は、16μm〜40μmの非晶質合金として得られるが、幅は、一般には5mm〜200mmものとして得る。Co基非晶質合金薄板の1kHzに於ける透磁率は約80000以上のものを得る。合金組成としては、好ましくは、組成式:(Co1-x-y-zFexMnyNiz)100-a-b-cMaSibBc[ただし、Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Cu、Ag、Au、Y、希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素]で表され、かつ、xが0〜0.1、aが0〜6、(b+c)が18〜30、yが0〜0.2、bが8〜18、zが0〜0.13、cが7〜18を満足するものである。本発明で使用するCo基非晶質合金薄板は、結晶粒界は無く、全くの非晶質の金属組織を有する。前記Co基非晶質合金基材の保磁力(Hc)が0.001Oe以下、磁歪が10のマイナス6乗以下、直流最大透磁率を10,000以上とすることにより磁気シールド特性の優れた磁気シールド部材を得る。
本発明を利用した磁気シールドルームの壁には、貫通口又は通気口等を設け、外部からの空気を取り入れたり、電子機器用のケーブル類を通すことができる。貫通口としては、本発明の磁気シールド部材を丸めて形成した管を挿入することで形成することもできる。このようにすれば、磁気シールド率を劣化させずに、空気の取り入れができるし、ケーブル類を通すことができる。
従来技術で使用されてきたパーマロイの代わりに、Co基非晶質合金を用いた磁気シールド部材は、重畳構造にもよるが、一般には、厚さ80μm〜300μmの高透磁率の磁性積層体となる。この磁気シールド部材は、パーマロイに比較して軽量であり、磁気シールド率も高く、また、外力が加わっても磁気特性や機械的強度の劣化は無い。磁気シールド装置の移動や地震等に遭遇しても、大丈夫である。折り曲げ、切り取り加工も容易であり、壁紙を扱うように取り扱うこともできる。
従来技術では、壁構造体の主要な部材としてパーマロイ板を用いて、磁気シールド空間を画定していたが、本発明では、磁気シールド装置の骨組部材としてアルミニウム等の軽金属材を使用し、磁気シールド空間の凡そを画定した後に、本発明の磁気シールド部材を使用すれば、磁気シールドルームを簡便に構築することができる。
Co基非晶質合金リボンを多層したものになっているので、厚さ1mm程度のパーマロイと同等以上の磁気シールド率を実現ができる。重ねるCo基非晶質合金リボンの枚数は10以上が好ましいが、更に好ましくは、積層数が20層〜50層である多層構造としたものである。
従来技術のパーマロイを磁気シールド板とする磁気シールドルームは、重量が大きく、組み立て、移動に困難があるが、本発明を利用した磁気シールドルームは軽量であり、病院内の設置場所の変更に対応できる。また、外力に対して、磁気特性面でも機械的強度の面でも強く、その製作工法も簡便なものとすることができる。内部に設置する機器と外部を結ぶ貫通孔の設置、或いは扉の設置も、切断しやすい材料であるので、容易である。ボルト、着剤材等による装置の組み立ても簡単であるので、産業上の利用性は高い。本発明の磁気シールド装置は軽量なので、床強度もさほど必要は無いので、その構造や材質の選択をする任意性が拡大する。
本発明の磁気シールド部材例の正面図。 図1に示した磁気シールド部材に用いる編成磁気シールド材の積層体の斜視図。 本発明による編成磁気シールド材の正面図。
符号の説明
1…磁気シールド部材、2…積層体、3…リボン形状のCo基アモルファス合金基材、4…編成磁気シールド材、6…樹脂接合周縁部。

Claims (9)

  1. 一方のリボン形状Co基非晶質合金基材を経糸のように用い、他方のリボン形状Co基非晶質合金基材を緯糸のように用いて実質的に隙間の無いように平織した編成磁気シールド材の複数枚を板厚方向へ重畳した磁性積層体の両面に直接或いは間接に各々シートを配置し、少なくとも相対向する二縁において前記積層体の縁から延出せしめ、当該延出部のシート同士を少なくとも部分的に接合したことを特徴とする磁気シールド部材。
  2. 請求項1において、前記Co基非晶質合金基材の保磁力(Hc)が0.4A/m以下、飽和磁歪定数が10のマイナス6乗以下、直流最大透磁率を10,000以上とした磁気シールド部材。
  3. 前記Co基非晶質合金の合金成分が、組成式:(Co1-x-y-zFexMnyNiz)100-a-b-cMaSibBc[ただし、Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Cu、Ag、Au、Y、希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素]で表され、かつ、xが0〜0.1、yが0〜0.1、zが0〜0.2、aが0〜6、bが8〜18、cが7〜18、(b+c)が18〜30である請求項1記載の磁気シールド部材。
  4. 経糸或いは緯糸のように用いる前記リボン形状Co基非晶質合金基材の少なくとも一方が、複数枚のCo基非晶質合金リボン材を重ねたものである請求項1記載の磁気シールド部材。
  5. 請求項1において、重畳した編成磁気シールド部材の間を少なくとも製造過程において、少なくとも部分的に保持或いは固定することを特徴とする磁気シールド部材。
  6. 前記磁性積層体の両面に、当該磁性積層体と同様の平面形状を有する補強板を介してシートを配置したことを特徴とする請求項1記載の磁気シールド部材。
  7. リボン形状Co基非晶質合金基材の複数枚をリボン幅方向に突合せて平面状に敷き詰め、かつ、当該突合せ部が少なくとも隣接積層間では上下に重ならないように、板厚方向にこれらを積み重ねてなる磁性積層体の両面に直接或いは間接に各々シートを配置し、少なくとも相対向する二縁において前記積層体の縁から延出せしめ、当該延出部のシート同士を少なくとも部分的に接合したことを特徴とする磁気シールド部材。
  8. 前記磁性積層体の平面形状を長方形とし、その両面に直接或いは間接に各々シートを配置し、相対向する二縁の全部において前記磁性積層体の縁から延出せしめ、当該延出部のシート同士を少なくとも部分的に接合したことを特徴とする請求項1或いは請求項7記載の磁気シールド部材。
  9. リボン形状Co基非晶質合金基材の複数枚を板厚方向に積み重ねてなる磁性積層体の両面に直接或いは間接に各々シートを配置し、少なくとも相対向する二縁において前記積層体の縁から延出せしめ、当該延出部のシート同士を少なくとも部分的に接合したことを特徴とする磁気シールド部材。
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