JP2006196520A - 磁気シールド装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 0〜50Hzの周波数に対して磁気シールド特性がほぼ同等の合金薄帯をシールド材として磁気シールド空間を画定した生体磁場計測用の磁気シールド装置であり、磁気シールド特性(dB)は、シールド特性の最大値と最小値の差が、最大値に対して20%以内である。このシールド材はCo基非晶質合金薄帯を主原料とすることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
最近、高精度の磁場測定センサーを用いて、これら脳の活動や、心筋梗塞のマッピングを行う技術が開発され、臨床的に使用されるようになってきた。この原理は、多数の磁場測定センサーをマトリックス状に設置してその場所における磁場強度を測定、各磁場測定センサーからの情報を処理することにより、心臓や脳の活動状況をマッピング可能とする技術である。
従来の磁気シールド装置の基本構造としては、アルミニウムや軽量鉄骨等で構成する箱型の構造フレームに、壁材や床材としてFe−Ni合金である高比透磁率のパーマロイの板やケイ素鋼板を隙間なくボルト等で固定して磁気シールド空間を画定しており、例えば、特許文献1等に記載されている。
従来の磁気シールドルームは前述の如くパーマロイを高比透磁率材料として用いていたが、パーマロイは約40Hzを頂点としてその両側が急激に低下する磁気シールド特性を有しており、心磁計、脳磁計に用いる場合に問題を生じていた。たとえば、10Hzの磁気遮蔽能力を実現するには50Hzでの磁気遮蔽能力が過剰になり、必要以上の厚さのシールド材を設置してしまうなど最適設計が難しい。過剰磁気シールド材料によりシールドルームが重くなり、その結果病院などの上階に設置できないため、設置場所が限られてしまう。
磁気シールド特性(dB)はdB=20×log(シールド前の磁場強度/シールド後の磁場強度)で表され、例えば、シールドによって磁場が1/10になった場合を-20dB、1/100になった場合を-40dB、1/1,000になった場合を-60dB、1/10,000になった場合を-80dBと表現するものである。
さらに、本発明の磁気シールド装置は、機械的強度に優れ、軽量であり、30マイクロテスラ(μT)程度の地磁気を最低限50dB減衰させることができる磁気シールド装置を作ることができる。地震等の外力が加わった場合でも磁気特性の劣化は殆ど発生することが無い。本発明に従って、あらかじめパネル部材を作り上げておき、これを組み合わせることにより磁気シールド装置を製作することは、製作工程を簡単化でき、組み立て時間も早くできることとなる。
また、比較として同様に、厚み1mm、直径140mm、軸長470mmの円筒を(JISグレードPCの)パーマロイによって作成し、同様に上記ヘルムホルツコイルを用いて磁場を印加し、磁気シールド円筒の有無による、中央点における磁場強度の比較を行った。
磁場強度は磁気シールド円筒を設置しない場合に中央で40μTとなるように印加した。磁場の周波数は0.1Hzから100Hzまで変化させた。
測定された磁気シールド周波数特性を図1に示す。明らかにパーマロイを用いたシールド円筒では40Hz付近で磁気シールド周波数特性のピークを示すのに対し、コバルト系アモルファスシートを用いた場合にはほぼ平坦な磁気シールド周波数特性を示した。
15Hzより低い領域では、パーマロイの厚みが1mm、アモルファス磁性体の厚みが0.23mm相当と厚みに差があるにも関わらず、アモルファス磁性体で作成した円筒のほうがシールド率が高い結果となり、低周波数領域ではパーマロイで作成するシールド構造に比べてアモルファス磁性体で作成するシールド構造が、より薄い構成でより高いシールド率を得られる事が明らかになった。又、シールド率は磁性体厚みにほぼ比例することが知られており、アモルファス磁性体の厚みを当実験で使用したパーマロイと同じ1mmに合わせると、シールド率は約4倍、約12dB増加し、ほぼ67dBの値を取る。このシールド率はパーマロイのピーク値とほぼ同じ値で、しかも他の周波数においても同様な高いシールド率を得られるという利点があり、特に低周波領域でのシールド率の必要である心磁計や脳磁計等を含む生体磁気測定には大変有利である。
同様な周波数特性はシールドルーム等箱の形状でも同様に示される。又、同様な周波数特性はコバルト基以外の鉄基アモルファス、あるいは、ナノ結晶磁性材料においても見出せる
図3は、本発明の磁気シールド装置に使用するシールド材1の部分斜視図であり、図4は図3に示したシールド材1の層構造を示す部分縦断面図である。図3、図4に示すように、本発明の磁気シールド装置用シールド材1は、20μmの厚さのCo基非晶質合金薄板11と20μmの厚さの樹脂フィルム13とを接着剤12を介して順次積み重ねてCo基非晶質合金薄板について50層の多層構造としたものである。Co基非晶質合金薄板間の間隔を1μm〜160μmとすることが、磁気シールド効果を高める。この間隔が狭すぎても、逆に大き過ぎても磁気シールドの効率が低下する。シールド材1の上下両面には樹脂フィルム13が配置されるようにすれば美観も良く、耐食性も高めることができる。
Co基非晶質合金薄帯を多層化することにより、厚さ1mm程度のパーマロイと同等な磁気シールド率を実現ができる。ただ単に、複数枚のCo基非晶質合金薄帯を重ね合わせるだけでは磁気シールドの効率は向上しない。Co基非晶質合金薄帯の層間距離を10μm〜160μmとすることが大切である。重ねるCo基非晶質合金薄帯の枚数は10以上が好ましいが、更に好ましくは、積層数が30層〜300層である多層構造としたものである。
Claims (9)
- 0〜50Hzの周波数に対して磁気シールド特性がほぼ同等の合金薄帯をシールド材として磁気シールド空間を画定した生体磁場計測用の磁気シールド装置。
- 前記磁気シールド特性(dB)は、シールド特性の最大値と最小値の差が、最大値に対して20%以内であることを特徴とする請求項1に記載の磁気シールド装置。
- 前記シールド材はCo基非晶質合金薄帯を主原料とすることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気シールド装置。
- 前記シールド材はCo基ナノ結晶合金薄帯を主原料とすることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気シールド装置。
- 前記Co基合金薄帯の合金成分が、組成式:(Co1-x-y-zFexMnyNiz)100-a-b-cMaSibBc[ただし、Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Cu、Ag、Au、Y、希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素]で表され、かつ、xが0〜0.1、aが0〜6、(b+c)が18〜30、yが0〜0.2、bが8〜18、zが0〜0.13、cが7〜18を満足することを特徴とする請求項3または4に記載の磁気シールド装置。
- 前記磁気シールド装置は軽量金属材を骨組部材とし、前記シールド材は前記合金薄帯と樹脂フィルムを順次積み重ねて多層構造としたものであり、前記シールド材を10mm〜200mmの間隙を介して2層以上配置し、前記シールド材中の前記合金薄帯間の間隔を1μm〜160μmとしたことを特徴とする請求項1〜5に記載の磁気シールド装置。
- 前記シールド材における合金薄帯の積層数が15層以上である多層構造としたことを特徴とする請求項6に記載の磁気シールド装置。
- 前記シールド材の間隙には、断熱材を充当したことを特徴とする請求項6に記載の磁気シールド装置。
- 前記シールド材の各々において前記合金薄帯と樹脂フィルムを順次積み重ねて、前記合金薄帯の積層数が30層〜300層である多層構造としたことを特徴とする請求項6に記載の磁気シールド装置。
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