JPH08236983A - 超電導磁気シールド方法 - Google Patents

超電導磁気シールド方法

Info

Publication number
JPH08236983A
JPH08236983A JP7346992A JP34699295A JPH08236983A JP H08236983 A JPH08236983 A JP H08236983A JP 7346992 A JP7346992 A JP 7346992A JP 34699295 A JP34699295 A JP 34699295A JP H08236983 A JPH08236983 A JP H08236983A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
superconducting
magnetic shield
layer
magnetic field
shield
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7346992A
Other languages
English (en)
Inventor
Ikuo Ito
郁夫 伊藤
Toyotaka Manabe
豊孝 眞鍋
Hiroaki Otsuka
広明 大塚
Tsutomu Sasaki
勉 佐々木
Mitsuru Sawamura
充 澤村
Masami Hasebe
政美 長谷部
Takashi Tsushima
孝 対馬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP7346992A priority Critical patent/JPH08236983A/ja
Publication of JPH08236983A publication Critical patent/JPH08236983A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)
  • Regulation Of General Use Transformers (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 超電導コイル等の磁気発生体の周囲を超電導
磁気シールド筒形で覆って、効率よく磁気シールドす
る。 【構成】 超電導層と常電導金属層を厚さ方向に各々少
なくとも1層交互に積層させた構造の一部底を有する2
個の円筒を逆向きに突き合わせて超電導コイルを覆い、
外部に漏れてくる磁気のシールドを行う。 【効果】 強磁性体ではシールド不可能な2テスラ以上
の高磁場でも高効率のシールド特性を有し、単位特性当
たりの材料の重量比で約2桁の軽減をはかることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はMRI(核磁気共鳴
医療診断装置)、粒子加速器、超電導電力貯蔵システ
ム、または融液の流動制御のために磁場を印加した融液
からの種結晶引上法(チョコラルスキー法)による単結
晶引上装置などにおけるような強い磁気発生体の周囲を
超電導筒形で覆って効率よく磁気シールドでき、かつM
RI等においては変動磁場シールドの要求に応え、また
磁場印加単結晶引上においては建屋構造体や周囲の装置
に使用される鉄製の梁や部材の影響を受けることなく装
置設計を可能とするような超電導磁気シールド方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、超電導コイル等の強磁気発生体は
主として強磁場を発生させることが目的であり、そのた
め周辺にもかなり強い磁場がつくられていた。そこで超
電導コイルの周囲に磁気シールドの能力を有する材料を
配し、磁気がその外に漏れるのをできるだけ減らそうと
の試みが行われてきた。最もポピュラーなのが図3に示
すように、鋼板等の強磁性体3で超電導コイル2を覆う
方法でセルフシールド方式である。また同じく図3に示
すように超電導コイルからかなり離れた場所、たとえば
部屋の壁や天井、床等に強磁性体3Aを埋め込む方法も
ある。これらの方法はMRI(核磁気共鳴医療診断装
置)や粒子加速器等に広く使われている。
【0003】また主にMRIで使われているのが図4に
示すように超電導コイル2の外側に別の超電導コイル4
を置き、外部電源からの強制電流を主コイル2とは逆向
きに流して逆向きの磁場を発生させ磁気シールドを行う
方法であり、アクティブシールド方式と呼ばれる。上記
の2つの方法以外に、超電導コイルの周囲を覆ってその
発生する磁気をシールドする方法は未だ実用化されてい
ない。
【0004】しかし未だ実用化されていないがその可能
性があるものとして次のような方法も研究されている。
すなわち図5の断面図に示すように絶縁していない裸の
超電導線5をボビン6にコイル状に巻き、半田7をその
隙間に含浸させてコイル円筒8を形成する。図6の断面
図に示すようにコイル円筒8で超電導コイル2を覆って
磁気シールドするものである(宮本、西嶋、岡田、吉
和、岩田:低温工学 21(1986)205)。この
場合超電導線の両端末は開放されており、かつアクティ
ブシールドとは異なりコイルに輸送電流は流さない。磁
束9の侵入により発生する超電導遮蔽電流10が流れて
パッシブにシールドするのでセルフシールドといえる。
【0005】また図7に示すようにドーナツ円板状の超
電導金属の薄膜または板11と常電導金属の薄膜または
板12を、その厚さ方向に両者が交互になるように積層
し、できあがった円筒13の内部空間(ボア)14に超
電導コイルを置いて磁気シールドする方法も研究されて
いる(小川、吉竹、多田、佐治、新保、杉岡、井上:真
空 30(1987)254)。これも図6に示すよう
に磁束9の侵入により発生する超電導遮蔽電流10が流
れるのでセルフシールドである。
【0006】以上図4、図5、図7の超電導材料を用い
る方法では、図には示されていないがいずれも冷媒(液
体Heや液体窒素等)中に浸漬されており、そのための
容器であるクライオスタット内に格納されている。半導
体や酸化物の単結晶引上においても、例えば特開昭56
−104791号公報や特開昭57−149894号公
報、および超電導磁場印加結晶引上技術として特開昭6
0−137895号公報などに示されるような磁場印加
方法および装置が用いられるが、安全対策上の磁場シー
ルドは特にされていないか、強磁性体による磁気シール
ドが普通であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】強磁性体による磁気シ
ールドは現在最も広く普及している方法である。その最
大の理由は特性もさることながら常温で利用でき、液体
He等の冷媒およびそれを入れるための特別な容器が必
要ないことである。しかしながらこの強磁性体はそのほ
とんどが鉄系の材料であり、十分な磁気シールド特性を
出すためにはかなりの厚さが必要となり、重量も大きな
ものとなる。たとえば上述のセルフシールド方式のMR
Iの場合、一般に超電導マグネットの数倍の重量の鋼板
が必要であるといわれる。鋼板だけで10トンまたはそ
れ以上ともいわれ、一般病院等への普及を妨げる原因の
一つになっている。また特性的にも材料中の磁場が2T
(テスラ)付近で飽和してしまい、それ以上の磁場にお
いてはシールド効率は大幅に低下する。
【0008】図4に示すMRIで利用されている超電導
コイルによるアクティブシールド方式であるが、磁気シ
ールド特性に優れ、かなりの軽量化も実現されている。
しかしシールド専用に新たな超電導コイルが必要とな
り、長尺線材の巻線工程が増えること、コイル巻用の大
型ボビンが新規に必要になる等、かなり高価につく。さ
らにMRI等では重要な特性であるが、鋼板では外部変
動磁場(電車、車やエレベーター等が原因)に対するシ
ールド効果がかなりあるのに比べ、本方法ではこの特性
がきわめて低い。これは以下に示す図5の方法と同じ理
由によるが、金属線をコイルにしたものは、特にその半
径方向からの変動磁場に対して、それと垂直な面上にシ
ールド電流となる渦電流が流れにくい構造であることに
よる。
【0009】図5に示す超電導線を巻いた半田含浸コイ
ルによるセルフシールド方式であるが、この場合上記ア
クティブシールド方式と同様、図8(a)に示すように
巻きボビンの軸15と平行な磁場16Aに対しては超電
導遮蔽電流10Aが超電導線の方向と一致するので良い
シールド特性が得られる。しかし図8(b)に示すよう
にそれと垂直な磁場16Bに対しては遮蔽電流10Bの
方向が線と垂直になる箇所があり、半田を介して多数の
線間を横切ることになるので、線間に存在する各種の電
気抵抗によって遮蔽電流はきわめて流れにくく、シール
ド特性もほとんどない。また高価な超電導線を使用する
のでコストも高い。
【0010】図7に示すドーナツ円板状の超電導金属薄
膜または板11と常電導金属薄膜または板12をその厚
さ方向に交互に積層させて円筒状にしたものは、図9
(a)に示すように円筒の軸15と平行な磁場16Aに
対しては超電導遮蔽電流10Aが円板面の方向と一致す
るので良いシールド特性が得られる。しかし図9(b)
に示すようにそれと垂直な磁場16Bに対しては遮蔽電
流10Bの方向が垂直になる箇所があり、常電導金属を
介して多数の超電導層間を横切ることになるので、層間
に存在する各種の電気抵抗によって遮蔽電流はしだいに
弱くなって消滅し、シールド特性もそれに従う。また中
空部の穴が大きくなるほどシールド特性のみならず材料
歩留りも低下する。
【0011】また、MRIでは、既述のように直流強磁
場をシールドするほかに変動磁場をシールドしたい要求
もある。MRIの測定空間では時間的に非常に安定な定
常磁場が必要であるが(<0.1ppm/hr)、電
車、自動車、エレベーターといった鉄の構造物が動く、
あるいは大電流が非定常に流れる等の理由で磁場安定性
が乱されるので、低周波変動磁場シールドが重要な問題
である。また外部より侵入する高周波電波ノイズ(TV
等)、特に測定中のNMR信号と同一周波数帯のものは
厳重にシールドする必要がある。これに対し、鉄ヨーク
は上記低周波変動磁場に対しては比較的良いシールド特
性を有するが、高周波電波ノイズシールドはほとんどで
きない。また図4、図5、図7に示す超電導線材や超電
導薄膜を用いたシールド法はすでに記した理由により半
径方向にベクトル成分を有する磁場に対しては、直流磁
場はもとより全周波数帯の変動磁場に対してシールド特
性は低い。
【0012】半導体や酸化物の単結晶引上における超電
導磁場印加結晶引上技術では、鉄製部材を用いた台車が
強力磁場に吸引される事故を防止する安全対策や操作盤
等の計器類の狂いや故障の防止、またモーター類の機能
保護のため、磁場発生装置からの漏洩磁場をシールドす
る必要がある。また装置が位置する建屋の梁に使用され
ている鉄材や電源ケーブルの影響を受けて引上炉内の印
加磁場分布が変化するのを防止する必要がある。これら
の問題を解決するために強磁性体等によるシールド方法
があるが、重量が大きいこととシールド性能が不十分で
あるという問題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、超電導層と常電導金属層が厚さ方向
に各々少なくとも1層交互に積層され、かつその全積層
界面が接合状態にある構造を有し、周方向および軸方向
に継目および切れ目が全く無く、底部の全面または一部
に底を有する筒形、または全く底を有しない筒形であっ
て、その少なくとも1個以上をもって磁気発生体の周囲
を覆って磁気シールドを行うことを特徴とする超電導磁
気シールド方法である。
【0014】また底を有する筒形において、筒壁の軸方
向に2種類以上の異なる厚さを有し、その筒壁部の厚さ
が底部に比べて小さい部分を少なくとも1箇所有するこ
と、底を有する筒形または底を有しない筒形において、
磁気シールド特性向上のための材料厚さの増大を目的と
して、その全面または一部が重なり合うように、相似形
状を有する筒形を同心状に2層以上重ね合わせること、
底部の全面または一部に底を有する筒形において、磁気
シールド特性向上のための材料厚さの増大を目的とし
て、前記底部の全面または一部に前記超電導層と常電導
金属層とが交互に積層された板を少なくとも1枚重ね合
わせることも特徴とする。
【0015】またさらに超電導層がNb−Ti系合金、
Nb3 Sn化合物系、Bi系酸化物系の各超電導材のい
ずれかであること、超電導層がNb−Ti系合金であ
り、常電導金属層とNb−Ti系合金層の間にNbまた
はTaまたは両者の合金からなる層が必ず有ること、常
電導金属層がCu、AlまたはAgのうちの1つである
ことも特徴とする。
【0016】また本発明は前述の超電導磁気シールド方
法により、直流強磁場のシールドと鉄製構造物や電源ケ
ーブル等からの外部磁場による変動磁場や高周波電波ノ
イズを効率よくシールドし、磁場印加単結晶引上を安全
にかつ周囲の影響を受けずに行なう方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明はたとえば図1(a)の断
面(端面)図および(b)の斜視図に示すように底面の
中心の一部に穴のあいた複合多層円筒1を2個突き合わ
せて、超電導コイル2を取り囲むように配して磁気シー
ルドを行う。またこれら2個だけでは軸方向の長さが足
りない時は、図2(a)および(b)にそれぞれ断面図
と斜視図を示したように底を有さない複合多層円筒1A
を間に入れてつなぐこともできる。この円筒1Aの個数
はもちろん2個以上でも可能である。図1および図2に
おいて20は継ぎ目である。また上記複合多層とは後に
も図14により説明するように超電導層と常電導金属層
が厚さ方向に各々少なくとも1層交互に積層され、かつ
その金属層界面が接合状態にある構造をいう。
【0018】また図10に示すように、底を有さない円
筒1A1個だけの場合や、図11に示すように、底を有
さない円筒1A2個またはそれ以上を突き合わせた場合
も可能である。さらには図12および図13に示すよう
に底を有さない円筒1Aや一部底のある円筒1を突き合
わせずに間隔をおいて配することも可能である。さらに
は図12および図13に示すように底を有さない円筒1
Aや一部底のある円筒1を突き合わせずに間隔をおいて
配することも可能である。このほか全面的に底を有する
円筒をコイルの片端に配したり、場合によっては両端に
配してしまうことも可能である。この底を有する円筒と
底を有さない円筒または一部底を有する円筒を適当に組
み合わせることも自由である。上記筒形は、筒の断面形
状が円筒でもよく、四角等の多角形の筒形ももちろん含
まれる。
【0019】Nb−Ti等の実用超電導材料はその超電
導状態において磁束が材料中に侵入してきた場合、超電
導遮蔽電流がその磁場を打ち消す向きに環状に流れて、
その環の中の空間の磁場を低下させる効果がある。筒形
状の超電導体の場合、外から磁場が印加されるとそれを
打ち消す向きに筒形材料中を環状に遮蔽電流が流れる。
外部磁界の強さがある値以下で、筒の軸方向の長さが無
限であれば、筒の内部空間の磁場は完全に0に保たれ
る。
【0020】同様のことが内部に磁気発生源がある場合
にも適用できる。すなわち内部磁場の強さがある値以下
で、筒の軸方向の長さが無限であれば、外部空間への筒
の内部からの磁気漏洩を完全になくすことができる。現
実には無限長の筒を作ることは不可能であるが、たとえ
ば円筒でその軸方向の長さに対する直径の比が0.5程
度で外部磁界をかけた場合、その円筒の中心部では90
%以上の効率で磁気シールドすることが可能である。さ
らに長さを大きくすれば両端の開口部からの漏洩磁場は
減少してシールド効率をもっと上げることができ、高効
率のシールド空間も広がる。
【0021】上記筒形の超電導材料としてNb−Ti系
合金を使用した場合、液体He中において10T以上の
比較的高い臨界磁場(BC2)、および磁場中での比較的
高い、実用的な臨界電流密度(JC )を有しており、こ
のことは良好な磁気シールド特性につながる。すなわち
遮蔽電流密度は臨界電流密度に等しく大変大きいので、
鉄系の強磁性体が飽和する磁場2Tよりかなり高い、た
とえば超電導マグネットが通常発生する磁場5〜8T付
近でも大きなJC 値を有している。したがって2T以下
で同程度の磁気シールド特性を得るためのシールド体の
厚さを、強磁性体に比べて2桁程度低減することができ
る上、鉄では不可能な2Tをはるかに越えた高磁場での
磁気シールドも可能である。
【0022】また超電導コイル等から発生する強い磁気
を、その周囲を周方向および軸方向に継目、切れ目の全
く無い超電導筒形で覆った場合、磁場のかなり大部分の
向きに対して環状の遮蔽電流が流れ、有効に磁気シール
ドを行うことがきる。周方向に継目、切れ目がある場
合、抵抗を有していたり、超電導部ではあってもその特
性が大幅に劣ることがほとんどで、通常の超電導部と同
等以上の特性を持たせることは不可能に近い。したがっ
て図8(b)および図9(b)に示すように、上記環状
に流れる遮蔽電流がこれら継目、切れ目を横切る時、遮
蔽電流が時間とともに減衰し超電導磁気シールド特性も
同様に減衰する。したがって本発明によればこのような
継目が全くないので、円筒の全周長にわたって閉ループ
状に超電導遮蔽電流が減衰することなく流れることがで
き、高い磁気シールド特性が半永久的に得られる。
【0023】また超電導筒形の軸方向にも継目、切れ目
が全く無いということで、既述の理由により、筒形の軸
に垂直な方向(円筒での半径方向)の磁場に対してもそ
れと垂直面内に渦電流が流れることができるので、良好
な磁気シールド特性を発揮できる。したがって、軸方向
はもとよりそれと垂直な方向の両ベクトル成分の磁気シ
ールドができることで、すなわち全方向磁場に対して磁
気シールドが可能ということになる。
【0024】底の有無は空間的な意味での磁気シールド
特性に影響する。すなわち形状、サイズ等の条件が同じ
なら、底を有する方が磁気発生体を覆う面積比率が増
え、底を有さない場合に比べてシールド特性は向上す
る。超電導マグネット等ではその中心部の中空部(ボ
ア)において高磁場となり、その空間を測定や診断等の
ため被験体等の出し入れや通過をさせる必要があり、ボ
アの出入口を開口させるため円筒の底に穴をあけ、一部
底を有する形体としている。また円筒は材料の加工性等
の問題から軸方向の長さ限界がコイルの長さに対して小
さい場合があり、その場合は図2、図11に示すように
円筒の長さ方向に継ぎ足して磁気シールド特性を向上さ
せうる。
【0025】また図15の断面図に示すように、これら
筒形1Bを印加磁場に応じてその軸方向に壁厚を変えれ
ば材料の有効な利用が可能になる。通常超電導マグネッ
トの構造上、筒形の底部には壁部より高磁場が印加され
るので、底部よりは壁部の厚さを薄くする。また同じ壁
部でも軸方向の位置によって印加磁場が異なることが多
いので、その大小に応じて厚さを段階的に変えること
は、さらなる超電導材料の有効利用になる。
【0026】また同じ目的であるが、図16に示すよう
に、これら相似形状を有する筒形1を印加磁場に応じて
軸方向の全部にわたり、または磁場の相対的に高い所で
部分的に同心状に積層させれば、おおむね積層厚さに比
例して磁気シールド特性が向上するので、材料の有効利
用の観点から上記方法と同様の効果が得られる。場合に
よっては図17に示すように、筒形1の底部の一部また
は全面にわたって超電導板19を重ね合わせることで、
印加磁場に応じて底部の厚さを段階的に変えることが可
能になり、材料の有効利用ができる。
【0027】これら筒形シールドの超電導材にはNb−
Ti系合金、Nb3 Sn化合物系、Bi系酸化物系を利
用する場合、鉄ヨークでは不可能な高磁場中でのJC
性がいずれも非常に高く、良好な磁気シールド特性を得
ることが可能になる。これらをさらに図14に示すよう
に常電導金属と交互に重ねることにより超電導状態を安
定に維持することが可能になる。また常電導金属がCu
やAl、Agのような高導電金属の場合、超電導層中に
フラックスジャンプ等で常電導の芽が出た時に超電導電
流のバイパスとして、またはその熱伝導性の良さによる
放熱媒体として安定性の向上に寄与する。このためには
これらの全積層界面は接合状態として、電流や熱の移動
を確保する必要がある。図14は底なし円筒1Aの例を
示しており、一部拡大図において17,17AはCu層
などの常電導金属層、18はNb−Ti層などの超電導
層を示している。
【0028】これら筒形シールドの超電導材にNb−T
i系合金を利用する場合、そのJC特性は、通常300
〜450℃程度の温度での長時間にわたる時効析出熱処
理によって大幅に向上させることができる。この時常電
導金属とNb−Ti系合金中のTiとが拡散しあってC
u−TiやAl−Tiの化合物相を形成し、その後の加
工や超電導特性に対して悪影響を及ぼす。したがって超
電導金属層がNb−Ti系合金の場合、常電導金属層と
の間の全界面に拡散バリヤーとしてのNbまたはTaま
たは両者の合金からなる薄層を配することが上記不都合
の防止に有効であり、かつさらに高いシールド特性を求
めうる。
【0029】半導体や酸化物の単結晶引上における超電
導磁場印加結晶引上は、溶融液の対流を抑え、温度変動
が小さく、るつぼ表面や溶融液表面からの不純物の対流
を防ぐ効果があることが知られている。これに対し本発
明の磁気シールドを組合わせることによって、超電導磁
石から発生する強力な磁場を狭い範囲に閉じこめること
ができ、鉄製の工具等が磁場に引き寄せられる等の安全
上の問題を解決できる。また、装置の近傍に建屋の鉄製
の梁がある場合でも、本発明の磁気シールド体を組み合
わせた結晶引上炉では、印加した磁場が鉄製の梁に乱さ
れることなく設計通りの磁場を得ることができる。
【0030】
【実施例】
(実施例1)図14に示すように厚さ30μmのCu層
17が9層とNb−Ti層18の10層を交互に積層
し、最表面は両側とも厚さ100μmのCu層17Aと
した厚さ0.77mmのCu/Nb−Ti多層複合円筒
1Aを製作した。すなわちクラッド積層および圧延加工
してできた板を深絞り加工により内径200mm、長さ
200mmの底を有さない円筒を得た。加工性は良好で
途中での材料破損や欠損は発生しなかった。
【0031】ついでこれを図10に示すようにソレノイ
ド型超電導コイル2の外周に円筒の軸15とコイル軸が
平行になるように配置し、これらを液体He中に浸漬
し、周囲に漏洩する磁場分布をホール素子で計測して磁
気シールド特性を調べた。5G(ガウス)ラインの広が
る領域の面積で評価したところ、比較材としての鋼板製
円筒と同じ5G領域面積になった時の鋼円筒の厚さは8
0mmであり、約100分の1の厚さで同程度のシール
ド特性を得た。
【0032】(実施例2)実施例1と同様の方法で図1
に示すような、厚さ0.77mmのCu/Nb−Ti多
層複合円筒を製作し、内径200mm、長さ100m
m、直径100mmの穴があいた一部底を有する円筒2
個を得た。これらを図1のように超電導コイル2の周囲
に配し、実施例1と同様の方法で磁気シールド特性を調
べたところ、5G領域面積は実施例1の両端開口円筒の
場合に比べて30%減少させることができた。
【0033】(実施例3)実施例2と同様の方法で図1
に示すような、厚さ0.77mmのCu/Nb−Ti多
層複合円筒を製作し、内径200mm、長さ100m
m、直径100mmの穴があいた一部底を有する円筒2
個と、内径202mm、長さ101mmであるほかは全
く同じ形状の円筒2個を得た。これらにより図1と同じ
形状のものを同心状に2層積層させて超電導コイル2の
周囲に配し、実施例1と同様の方法で磁気シールド特性
を調べたところ、実施例2に比べて特性が向上した。す
なわち外周部のある地点での磁場が実施例2と同じにな
るのは、超電導マグネットの発生磁場が実施例2のほぼ
2倍になるときであった。すなわち2層の積層化によっ
て特性もほぼ2倍になったといえる。
【0034】(実施例4)図14においてCu層17お
よび17AとNb−Ti層18のすべての層間にバリヤ
ーとして厚さ0.1μmのNb層を設けた厚さ0.79
mmの板において実施例1と同様の方法で評価したとこ
ろ、より長時間の熱処理が可能になってJC が向上し、
ほぼ同等の結果が得られた。バリヤー層がTaまたはN
b−Ti合金の場合でもほぼ同等の結果であった。
【0035】(実施例5)実施例1において常電導金属
層にAlまたはAgを用いたほかは、同様の方法で評価
したところ、ほぼ同様の結果が得られた。
【0036】(実施例6)図18に半導体や酸化物など
の単結晶引上に用いられる磁場印加単結晶引上装置に本
発明の磁気シールドを組み合わせた例を示す。図中2が
超電導コイルで1Aが本発明の複合多層円筒であり、2
1は単結晶引上炉、23はるつぼ、22は種結晶、Sは
単結晶、Mは原料融液である。マグネットの軸上中心部
に4000ガウスの磁場を印加したときの漏洩磁場を本
発明の磁気シールドがない場合、ある場合についてそれ
ぞれ図19、図20に示した。図中27は漏洩磁場20
ガウスを示す範囲である。
【0037】本発明の磁気シールドを使用した場合、漏
洩磁場範囲は大幅に減少し、その結果周囲の作業者にと
って安全であることがわかった。また、同様の磁気シー
ルドを強磁性体を使って行なう場合、磁気シールド重量
は約3トンであるのに対し、本発明の磁気シールド材の
総重量は400kgと大幅に減少することができた。さ
らに引上炉の中心から2mの距離の床に鉄製の梁がある
場合、磁気シールドがない場合、磁場の軸対称性が乱れ
るのに対し、本発明の磁気シールド体を図18のように
配した場合、磁場の軸対称性は変化しないことがわかっ
た。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の超電導多
層複合筒形により、超電導コイル等の磁気発生体の周囲
を前述のように覆って従来の方法では容易に得られなか
った高性能な磁気シールドを行うことができ、その工業
的な利用価値は非常に高いものである。特に半導体や酸
化物の単結晶引上における超電導磁場印加結晶引上装置
に本発明の磁気シールドを組み合わせることにより、漏
洩磁場の範囲が狭まり、安全な作業環境を確保できた。
また、引上炉同士も間隔を狭めて配置することができる
などスペースの有効利用が可能となった。さらに、建屋
に使われている鉄製構造物の磁場分布に対する影響も抑
制され、磁場印加中で引き上げた半導体結晶の品質の安
定性が高まった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超電導磁気シールド方法の例を示す
(a)断面図および(b)斜視図
【図2】本発明の超電導磁気シールド方法の例を示す
(a)断面図および(b)斜視図
【図3】超電導コイルの従来の磁気シールド方法を示す
【図4】超電導コイルの従来の磁気シールド方法を示す
【図5】超電導コイルの従来の磁気シールド方法を示す
【図6】図5および図7の磁気シールド方法における作
用を説明する断面図
【図7】超電導コイルの従来の磁気シールド方法を示す
【図8】図5の磁気シールド方法における超電導遮蔽電
流を説明する図で、(a)は外部磁界の向きが軸に平行
な場合、(b)は同じく直角な場合
【図9】図7の磁気シールド方法における超電導遮蔽電
流を説明する図で、(a)は外部磁界の向きが軸に平行
な場合、(b)は同じく直角な場合
【図10】本発明の超電導磁気シールド方法の例を示す
断面図
【図11】本発明の超電導磁気シールド方法の例を示す
断面図
【図12】本発明の超電導磁気シールド方法の例を示す
断面図
【図13】本発明の超電導磁気シールド方法の例を示す
断面図
【図14】超電導層と常電導金属層の積層状態を一部拡
大して示した複合多層円筒
【図15】本発明の超電導磁気シールド方法の例を示す
断面図
【図16】本発明の超電導磁気シールド方法の例を示す
断面図
【図17】本発明の超電導磁気シールド方法の例を示す
断面図
【図18】本発明の超電導磁気シールド方法を組み合わ
せた磁場印加単結晶引上装置の例を示す図
【図19】超電導磁気シールドがない場合の磁場印加単
結晶引上装置の漏洩磁場分布を示す図
【図20】超電導磁気シールドがある場合の磁場印加単
結晶引上装置の漏洩磁場分布を示す図
【符号の説明】
1 一部底を有する複合多層円筒 1A 底を有さない複合多層円筒 1B 底部、壁部の厚さが段階的に変えてある複合多層
円筒 2 超電導コイル 3、3A 強磁性体 4 超電導コイル(シールド用) 5 裸の超電導線 6 ボビン 7 半田 8 コイル円筒 9 磁束線 10、10A、10B 超電導遮蔽電流 11 超電導金属薄膜または板 12 常電導金属薄膜または板 13 円筒 14 内部空間 15 コイル軸 16A、16B 外部磁界 17 Cu層(常電導金属層) 17A 最表面Cu層(常電導金属層) 18 Nb−Ti層(超電導層) 19 超電導板 20 継ぎ目 21 単結晶引上炉 22 種結晶 23 るつぼ 24 ワイヤ 25 操作盤 26 オペレータ 27 漏洩磁場20ガウスを示す範囲 S 単結晶 M 原料融液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 勉 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 澤村 充 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 長谷部 政美 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 対馬 孝 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導層と常電導金属層が厚さ方向に各
    々少なくとも1層交互に積層され、かつその全積層界面
    が接合状態にある構造を有し、周方向および軸方向に継
    目および切れ目が全く無く、底部の全面または一部に底
    を有する筒形、または全く底を有しない筒形であって、
    その少なくとも1個以上をもって磁気発生体の周囲を覆
    って磁気シールドを行うことを特徴とする超電導磁気シ
    ールド方法。
  2. 【請求項2】 底を有する筒形において、筒壁の軸方向
    に2種類以上の異なる厚さを有し、その筒壁部の厚さが
    底部に比べて小さい部分を少なくとも1箇所有すること
    を特徴とする請求項1記載の超電導磁気シールド方法。
  3. 【請求項3】 底を有する筒形または底を有しない筒形
    において、磁気シールド特性向上のための材料厚さの増
    大を目的として、その全面または一部が重なり合うよう
    に、相似形状を有する筒形を同心状に2層以上重ね合わ
    せることを特徴とする請求項1記載の超電導磁気シール
    ド方法。
  4. 【請求項4】 底部の全面または一部に底を有する筒形
    において、磁気シールド特性向上のための材料厚さの増
    大を目的として、前記底部の全面または一部に前記超電
    導層と常電導金属層とが交互に積層された板を少なくと
    も1枚重ね合わせることを特徴とする請求項1または2
    記載の超電導磁気シールド方法。
  5. 【請求項5】 超電導層がNb−Ti系合金、Nb3
    n化合物系、Bi系酸化物系の各超電導材のいずれかで
    あることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の
    超電導磁気シールド方法。
  6. 【請求項6】 超電導層がNb−Ti系合金であり、常
    電導金属層とNb−Ti系合金層の間にNbまたはTa
    または両者の合金からなる層が必ず有ることを特徴とす
    る請求項1、2、3、4または5記載の超電導磁気シー
    ルド方法。
  7. 【請求項7】 常電導金属層がCu、AlまたはAgの
    うちの1つであることを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5または6記載の超電導磁気シールド方法。
  8. 【請求項8】 磁気発生体が、磁場印加チョコラルスキ
    ー法による単結晶引上装置に用いるマグネットであるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7
    記載の超電導磁気シールド方法。
JP7346992A 1994-12-16 1995-12-14 超電導磁気シールド方法 Pending JPH08236983A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7346992A JPH08236983A (ja) 1994-12-16 1995-12-14 超電導磁気シールド方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-333698 1994-12-16
JP33369894 1994-12-16
JP7346992A JPH08236983A (ja) 1994-12-16 1995-12-14 超電導磁気シールド方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08236983A true JPH08236983A (ja) 1996-09-13

Family

ID=26574600

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7346992A Pending JPH08236983A (ja) 1994-12-16 1995-12-14 超電導磁気シールド方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08236983A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008032575A (ja) * 2006-07-29 2008-02-14 Nippon Hihakai Kensa Kk 渦電流測定用プローブ及びそれを用いた探傷装置
JP2011058398A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Toshiba Corp 宇宙用超電導磁石装置および宇宙用推進装置
JP2013077698A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Seiko Epson Corp 磁気シールド
JP2014008155A (ja) * 2012-06-28 2014-01-20 Kyushu Univ 分離型磁気シールド装置
EP3493226A4 (en) * 2016-07-27 2020-01-22 Nippon Steel Corporation MASS MAGNET STRUCTURE AND MASS MAGNET SYSTEM FOR NMR
JP2021115914A (ja) * 2020-01-23 2021-08-10 近畿車輌株式会社 鉄道車両の磁界遮蔽構造

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008032575A (ja) * 2006-07-29 2008-02-14 Nippon Hihakai Kensa Kk 渦電流測定用プローブ及びそれを用いた探傷装置
JP2011058398A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Toshiba Corp 宇宙用超電導磁石装置および宇宙用推進装置
JP2013077698A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Seiko Epson Corp 磁気シールド
JP2014008155A (ja) * 2012-06-28 2014-01-20 Kyushu Univ 分離型磁気シールド装置
EP3493226A4 (en) * 2016-07-27 2020-01-22 Nippon Steel Corporation MASS MAGNET STRUCTURE AND MASS MAGNET SYSTEM FOR NMR
US10712411B2 (en) 2016-07-27 2020-07-14 Nippon Steel Corporation Bulk magnet structure and bulk magnet system for NMR
JP2021115914A (ja) * 2020-01-23 2021-08-10 近畿車輌株式会社 鉄道車両の磁界遮蔽構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6610790B2 (ja) バルクマグネット構造体及びnmr用バルクマグネットシステム
JPH0793211B2 (ja) 核磁気共鳴断層撮影設備の磁石コイル装置
JPH04225503A (ja) 冷凍剤不要の能動遮蔽型磁気共鳴磁石
Solovyov et al. Magnetic cloak for low frequency AC magnetic field
JPH08236983A (ja) 超電導磁気シールド方法
JP2000279394A (ja) シールドを有する開放型磁石
JPH04504065A (ja) 超伝導電磁石装置
JP3199888B2 (ja) 帯状超電導シートから形成された超電導磁気遮蔽体
US5355275A (en) Current limiting device for electromagnetic coil employing gap containing superconductive shield
CN111863373B (zh) 具有电磁保护部件的超导磁体
US5571602A (en) Superconducting joints for superconducting sheets
JP3328350B2 (ja) 外部磁気漏洩防止用の超電導磁気遮蔽体
JP3442923B2 (ja) 超電導装置
JP2018018924A (ja) バルクマグネット構造体及びnmr用バルクマグネットシステム
JP2014099440A (ja) 永久電流スイッチ、及びこの永久電流スイッチを備えた超電導マグネット装置
JP2019120517A (ja) 超伝導磁気シールド装置、及び脳磁計装置
JPH09326513A (ja) 磁気シールド体および超電導マグネット装置
JP3452707B2 (ja) 超電導磁気シールド体及び超電導マグネット体
JPH0666905A (ja) 超電導磁気干渉計
JP2000266417A (ja) 冷凍機用磁気シールド体
JPH01253689A (ja) 超電導磁気シールド装置
JPH0555782A (ja) 酸化物超電導磁気シールド分割体
JP3474659B2 (ja) 磁界発生源の超電導磁気シールド体
JPH07122884A (ja) 磁気シールド構造
JPH06132695A (ja) 超電導磁気シールド体及び超電導磁気シールド方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030311