JPH06132695A - 超電導磁気シールド体及び超電導磁気シールド方法 - Google Patents

超電導磁気シールド体及び超電導磁気シールド方法

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JPH06132695A
JPH06132695A JP4304385A JP30438592A JPH06132695A JP H06132695 A JPH06132695 A JP H06132695A JP 4304385 A JP4304385 A JP 4304385A JP 30438592 A JP30438592 A JP 30438592A JP H06132695 A JPH06132695 A JP H06132695A
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JP
Japan
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superconductor
shield
magnetic
magnetic shield
superconducting
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JP4304385A
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English (en)
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Tsutomu Sasaki
勉 佐々木
Ikuo Ito
郁夫 伊藤
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 超電導体の臨界電流密度から期待される以上
の磁気シールド特性を有する超電導磁気シールド体と、
それを用いた磁気シールド方法を提供する。 【構成】 第2種超電導体と非超電導体とが周期的に積
層された層状構造の超電導磁気シールド体であって、磁
場をシールドしたときの遮蔽電流の電流密度は前記第2
種超電導体自体の臨界電流密度(Jc)を越えるもので
あることを特徴とする。これを用いて量子磁束線が移動
する方向に対し平行でない方向に超電導体と非超電導体
との界面を配置してシールドを行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超電導体を用いた磁気シ
ールド方法において、超電導体の臨界電流密度が小さく
ても高いシールド効果が得られ、人為的にシールド効果
を制御することが可能な超電導磁気シールド体及び磁気
シールド方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超電導マグネットなどが発生する強磁場
を利用するシステム、例えば、粒子加速器、リニアモー
ターカー、MRI(核磁気共鳴イメージングという人体
などの断層撮影装置)は近年増加の一途を辿っており、
人体の磁場被曝防止やCRTディスプレイなど機器の保
護等が課題となっている。これらの課題を解決する有効
な手段の一つが超電導体を利用した磁気シールドであ
る。
【0003】中・強磁場(〜0.01T以上:1T〔テ
スラ〕=104 G)を対象とした磁気シールド方法は、
(1)キャンセルコイルによって磁場を打ち消す能動的
シールド法、(2)物質の電磁気的性質を利用した受動
的なシールド方法、の二つに大きく分類される。前者
(1)は直流成分のシールドについては比較的容易に磁
界解析を用いたコイル設計が可能であるという利点があ
るが、新たにコイルを製作する必要があること、2系統
の電源が必要であることなど、経済的に、また設置の観
点から重量・容積に関して欠点があり、また、交流成分
についてはあまり有効ではない。
【0004】これに対し後者(2)は受動的であるため
設計には注意が必要であるが、新たな制御系が不用とい
う点では簡便かつ経済的であり、交流成分に対し有効で
あるようなシールド体設計も可能である。(2)はさら
に次の二つの物性を利用するシールド法に分類される。 (A)高透磁率(パーマロイ、鉄など高透磁率材を用い
る) (B)超電導(NbTi,Nb3 Sn,Y系,Bi系等
第2種超電導体を使用)
【0005】(A)の高透磁率強磁性体を用いた磁気シ
ールドについては、磁性体内部の磁束密度が飽和すると
シールド特性も飽和してしまうため強磁場シールドには
あまり適さないこと、対象磁場が強くなるとシールド体
の重量が大きくなる、等の問題点が指摘されている。そ
れに比べ、冷却の必要性という不利はあるが、超電導磁
気シールドには原理的にはこのような欠点はなく、適当
な材料を選ぶことで強磁場まで使用可能、かつ軽量化が
可能である。酸化物超電導体発見以前は、シールド体を
超電導状態に冷却するのに必要かつ妥当な寒剤が高価な
液体ヘリウムである為その用途は比較的限られていた
が、酸化物超電導体発見以後は比較的安価な液体窒素が
寒剤として使用可能となり、実用化ひいてはその応用範
囲の拡大も期待されている。
【0006】以下(B)の超電導体による中・強磁場の
磁気シールドについて、その原理を説明するが、まず、
超電導磁気シールドは対象とする磁場の大きさによって
異なった原理によって立つものであることを指摘せねば
ならない。すなわち、弱磁場(せいぜい数10G程度以
下)の磁気シールドについてであるが、対象磁場強度
が、第1種超電導体ならばその臨界磁場(BC )以下、
第2種超電導体ならばその下部臨界磁場(BC1)以下と
なるような超電導体を用い、それら超電導体が示す表面
反磁性電流によるマイスナー効果を用いるものである。
この場合シールド体の形状と磁場によって、得られるシ
ールド効果はほとんど決定されてしまう。これは生体磁
気計測等、環境の雑音磁場を軽減し、微少な磁場の空間
を生み出す用途に用いられており、弱磁場に対する磁気
シールドと呼ばれている。
【0007】本発明で対象とする中・強磁場(0.01
〜数十T)に対する磁気シールド(以下、強磁場シール
ドと略称する)では、対象磁場強度が通常知られている
第1種超電導体のBC や第2種超電導体のBC1以上であ
るのが普通なのでマイスナー効果は発現しない。そこ
で、対象磁場強度が上部臨界磁場(BC2)以下である第
2種超電導体を用い、それがBC1以上の磁場を遮蔽しよ
うとする混合状態において示す磁束ピンニング特性、即
ち、臨界電流密度を第2種超電導体が有することを利用
するものである。これは超電導体中の量子化磁束線と常
電導析出物や粒界などピンニングセンターとの引力的な
相互作用によるものである。一般的に、臨界電流密度が
高い程、シールド特性も高く、また、より少ない体積の
シールド体で所定の磁場をシールドするという目的を達
成できる。
【0008】ここで形状が例えば円筒などの筒型の第2
種超電導体を用い、外部磁場を加えると、それを打ち消
すような向きの磁場を発生するように筒型超電導体中を
超電導遮蔽電流が、環状に、閉ループを描くように流れ
る。この超電導遮蔽電流は材料の臨界電流密度が大きい
ほど大きく、また、外部磁場を打ち消そうとする磁場は
円筒の肉厚が大きいほど強い。同様のことが、シールド
体内部に磁場発生源がある場合にも適用される。このよ
うなシールド体全体を流れる超電導遮蔽電流が十分な大
きさでないと実用的なシールド効果は得ることができな
い。つまり、シールド体全体を流れ得る超電導遮蔽電流
の大きさがシールド特性を支配することになる。
【0009】以上見てきたように超電導体による強磁場
シールドは超電導体の持つ臨界電流密度(JC )によっ
て行うものであり、JC はピンニングセンターの量、形
状、分布に、すなわち材料の微細組織に依存するため、
材料上あるいは製法上の制約を受け易い。材料中へのピ
ンニングセンターの適当な導入の可否が、得られるシー
ルド特性を決定することになる。以下、実例を挙げて説
明する。
【0010】金属系材料では、例えばNbTiではシー
ルド特性を高めるように、すなわちJC を高めるため常
電導相であるαTiを析出させるため、製法上に制約
(加工率や熱処理条件の最適化など)があり、通常熱処
理と冷間加工を組み合わせた複雑な工程な最終形状での
長時間熱処理など、製造条件の最適化に労力を費やす必
要がある。
【0011】酸化物系では、そもそもJC が低いか、高
C 材であったとしても、(たとえばQMG(Quen
eh and Melt Growh)材、Y系やBi
系の単結晶膜)その大型化が現状では困難と言わざるを
得ない。酸化物系においては、焼結体など通常得られる
ものは多結晶体であり、超電導体全体を流れる超電導遮
蔽電流を阻害する弱結合である粒界を含んでいる。粒間
の臨界電流密度は、77K,1Tの磁場下で数十A/c
2 と低いことが知られている。これは、実用に要求さ
れる臨界電流密度(104 〜106 A/cm2 )に比べ
著しく小さい。
【0012】これまでに検討されてきた結果、焼結体等
多結晶体では、数10〜数100G程度までの外部磁場
しかシールドできていない(“IEEE Transa
c−tions on magnetics”,Vo
l.25,No.2,March 1989,P250
6〜2510)。シールド体全体を流れる遮蔽電流が小
さく、そのため、強磁場シールドとして酸化物超電導体
を液体窒素温度(77K)等比較的高温領域で用いるこ
とは不可能であるとされてきた。また、Y系やBi系の
単結晶薄膜などで、77K等の高温において磁場中でも
高い臨界電流密度を有するものも知られているが、強磁
場磁気シールドには厚さあるいは体積が必要である。例
えば、十分長い円筒で1Tの外部磁場をシールドするに
は104 A/cm2 の材料として見積ると10mm程度
の肉厚が必要である。このように実用上必要な形状の磁
気シールド体を現状の薄膜作製方法で得るのは経済的に
不利である。溶融法により得られるバルク材も高温・磁
場中で高いJC を示すが、薄膜と同様に実用に必要な大
きさのシールド体を得るのは現状では難しい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記の現
状から、このような製法上、材料上の課題解決が超電導
磁気シールドの工業的応用には不可欠であり、そのため
には、製法、材料の制約を受けないピンニングセンター
を導入すれば良いのであるという観点から本発明に至っ
た。本発明は材料上、製法上の制約が著しく小さく、か
つ、材料自身のJC から単純に予想されるシールド特性
よりも高いシールド特性が得られる超電導磁気シールド
体と超電導磁気シールド方法を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、第2種超電導体と非超電導体とが周
期的に積層された層状構造の超電導磁気シールド体であ
って、磁場をシールドしたときの遮蔽電流の電流密度は
前記第2種超電導体自体の臨界電流密度(Jc)を越え
るものであることを特徴とする超電導磁気シールド体で
ある。ここにおいて前記非超電導体は良電導体であるこ
と、高透磁率材であること、または自由空間であること
も特徴とする。また、超電導磁気シールド体は底付き中
空筒型または底無し中空筒型であって、超電導体層は周
方向に切れ目または接続部を有さず、かつ同心状に積層
されていることを特徴とする。
【0015】また、これらの超電導磁気シールド体を用
いる磁気シールド方法であって、磁気シールド体内部の
量子化磁束線が移動する方向に対し垂直方向に超電導体
と非超電導体の界面を配置して行うことを特徴とする超
電導磁気シールド方法である。
【0016】
【作用】本発明の超電導磁気シールド体は、第2種超電
導体と非超電導体とが周期的に積層された層状構造であ
り、超電導体層そのものの臨界電流密度と、超電導層と
非超電導層との界面によって層状構造に付与される臨界
電流密度とで、磁気シールドを行う。すなわち前述した
ように、超電導体による中・強磁場に対する磁気シール
ドは超電導体中にピンニングセンターが存在することに
よって発現する磁束ピンニングセンター特性、即ち臨界
電流密度(JC )によるものである。本発明では材料中
のピンニングセンターだけでなく、人工的なピンニング
センターを導入し必要なJC を得ることによって高い磁
気シールド特性を得ることが可能である。本発明では、
人工ピンとして、超電導体と非超電導体の界面、または
超電導体表面(言い換えれば超電導体と自由空間との界
面)を導入する。
【0017】図2のように、超電導体のJC が0である
とき、厚さtの円筒に外部から磁場を印加しても磁気シ
ールド特性はみられない。すなわち図2は従来の方法に
おいて円筒の磁気シールド体である超電導体1を通して
磁場をかけたときの内外の磁束密度を示している。しか
しながら、JC が0である同じ総厚tの超電導体を用い
ても、図1のように、超電導体1と非超電導体2の界面
を配置すれば、磁気シールド効果が発揮される。すなわ
ち図1は本発明の方法において図2と同様に円筒の磁気
シールド体を通して磁場をかけたときの内外の磁束密度
を示すもので、図中D,2dは後に述べる式(1),
(2)におけるものを示している。山藤らの論文〔K.
Yamafuji et al.:Cryogenic
s 31(1991)431〕を参考に界面によるJC
を導出すると、以下の式のようになる。
【0018】
【数1】
【0019】また、Maxwell方程式rotH=J
とB=μ0 Hなる構成則より、 rotB=μ0 J ……(2) であるので、1次元の場合(1)式を(2)式に代入し
積分をすると、(3)式が得られる。
【0020】
【数2】
【0021】これを満たすようにすれば、たとえJC
0でも、遮蔽すべき磁場Hm に対して必要な磁気シール
ド特性を持つ磁気シールド体が得られる。
【0022】ここで、2d(m):超電導体層と非超電
導体層との1層ずつの積層方向の厚さの和(図1参照) D(m) :全体の積層方向の厚さ(図1参照) BC (T):第2種超電導体の熱力学的臨界磁場 BC2(T):第2種超電導体の上部臨界磁場 ξ(m) :第2種超電導体のコヒーレンス長 π :円周率 μ0 (H/m):真空の透磁率 Hm (A/m):外部磁場の最大値 である。
【0023】したがってある大きさの磁場をシールドし
たときに下部臨界磁場BC1以上において第2種超電導体
に流れる遮蔽電流の電流密度がその材料自体の臨界電流
密度(JC )を越えていてもこのような層状構造により
有効な磁気シールドが可能となる。JC は材料の組織に
大きく依存し、加工、熱処理等の履歴によって変わる
が、本発明の手段をとることにより、材料の加工手段な
どの選択の幅が広がることになる。このように本発明に
おいては第2種超電導体と非超電導体との界面を磁束の
ピンニングセンターとして利用するわけであるが、材料
自体に存在するピンニングセンターも有効なことは当然
である。したがって実際の材料においては、作用の説明
の冒頭で述べたように超電導層そのものの臨界電流密度
と、超電導層と非超電導層との界面によって層状構造に
付与される臨界電流密度の両方で磁気シールドが行われ
ることになる。
【0024】ここにおいて超電導磁気シールド体の表面
は超電導であるか、非超電導であるかを問わない。非超
電導体としては、安定化の面からは銅,アルミ,銀など
の良導体が好ましく、また、高透磁率材である鉄などを
用いると磁気シールド効果をさらに高めることが可能で
ある。また、非超電導体は自由空間であってもよく、気
体、液体などで満たされていてもよい。
【0025】特に、超電導体層は、周方向に切れ目また
は接続部を有さず、かつ同心状に積層された底付き中空
筒型構造体または底無し中空筒型構造体であると良好な
シールド特性を発揮できる。ここで筒型の断面形状は、
円形、多角形等自由である。
【0026】本発明による磁気シールド体を用いる際、
量子化磁束の移動する方向が界面に垂直であるときに最
も高いシールド効果が得られる。これは、ピンである界
面と量子化磁束との鎖交する体積が最も大きいからであ
る。したがって、超電導体を同心に積層した円筒でその
内部の磁場発生源から周りへの漏洩磁場を減少させると
きや、円筒外部の磁場発生源から円筒内部を遮蔽する場
合などがこれにあたる。遮蔽対象磁場の方向が複雑であ
る場合、各々の方向に対して上記の条件をそれぞれ満た
すように本発明の超電導磁気シールド体を配置する磁気
シールド方法も可能である。
【0027】また、本発明による多層構造を有する線材
をマグネットの巻線として用いることも可能である。あ
るいは、本発明による多層構造を有する円筒によって、
磁場下冷却などによって、円筒中空部に磁場をトラップ
させて、マグネットとして使用することも可能である。
【0028】
【実施例】クラッド圧延により作製した厚さ0.75m
mのNbTi/Nb/Cu多層板を、深絞りによって内
径21mm、高さ21mmの両端開口中空円筒とした。
NbTiは1層あたり10μmであり、層数は30であ
る。式(1)あるいは(3)における2dは23μm、
Dは690μmである。円筒に加工した後、溶体化処理
(850℃,4時間の熱処理後、水焼き入れ)をした。
この処理によってNbTi層のピンニングセンターαT
iをほとんど消失させることができ、NbTiそのもの
のJC を非常に小さくすることができる。この円筒を超
電導ソレノイドマグネットのボアー中(液体Heで満た
されている)に設置し、軸方向に平行に磁場を印加し
た。軸上中心での軸方向の磁束密度BをHall素子に
より検出した。
【0029】比較例として、市販のNbTiインゴット
から、内径21mm、高さ21mm、厚さ0.5mmの
両端開口中空円筒を切りだした。この円筒に上記と同様
の溶体化処理を施し、上記と同様の方法で磁気シールド
特性を評価した。
【0030】両者の磁気シールド曲線を図3に示す。す
なわち図3は本発明および比較例の円筒状磁気シールド
体の外部に磁場を印加したときの内部の磁束密度を示し
ている。図中黒丸,白丸はそれぞれ本発明材、比較材の
実測値、実線は本発明材の理論予測値である。図中の矢
印は磁場の変化の方向を示し、ヒステリシスを生じてい
る。本発明の材料、比較例の材料それぞれの磁束密度の
立上り点A,Bがそれぞれの磁気シールド体の能力を示
している。
【0031】比較例であるNbTi単層円筒の磁気シー
ルド特性で、ヒステリシスはJC にほぼ比例することか
ら強磁場側でJC がほとんど0であることが読み取れ
る。本発明によるNbTiの多層円筒は、NbTi層そ
のもののJC は比較例同様ほとんど0であるにもかかわ
らず、図3のような磁場シールド特性を有しており、明
らかに界面がピンニングセンターとして機能しているこ
とがわかる。しかも、式(1),(2)より予測される
シールド曲線と本発明のシールド曲線はよく一致してい
る。
【0032】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば超電導
磁気シールドを行うにあたっての製法上及び材料上の制
約は大幅に緩和あるいは解消されるものであり、臨界電
流密度JC が低い材料を用いても高い磁気シールド特性
を得ること、超電導材料の持つJC だけから期待される
以上のシールド効果を得ること、かつシールド特性をシ
ールド体の構造によって人工的に制御すること、が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を説明するための模式図で磁束密
度の空間分布を示す図
【図2】従来の磁気シールド円筒のシールド効果を説明
する図で磁束密度の空間分布を示す図
【図3】本発明の一実施例とその予測、および比較例の
シールド体、それぞれの磁気シールド曲線を比較したグ
ラフ
【符号の説明】
1 超電導体 2 非超電導体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第2種超電導体と非超電導体とが周期的
    に積層された層状構造の超電導磁気シールド体であっ
    て、磁場をシールドしたときの遮蔽電流の電流密度は前
    記第2種超電導体自体の臨界電流密度(Jc)を越える
    ものであることを特徴とする超電導磁気シールド体。
  2. 【請求項2】 非超電導体は良電導体であることを特徴
    とする請求項1記載の超電導磁気シールド体。
  3. 【請求項3】 非超電導体は高透磁率材であることを特
    徴とする請求項1または2記載の超電導磁気シールド
    体。
  4. 【請求項4】 非超電導体は自由空間であることを特徴
    とする請求項1記載の超電導磁気シールド体。
  5. 【請求項5】 超電導磁気シールド体は底付き中空筒型
    または底無し中空筒型であって、超電導体層は周方向に
    切れ目または接続部を有さず、かつ同心状に積層されて
    いることを特徴とする請求項1ないし4記載の超電導磁
    気シールド体。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5記載の超電導磁気シー
    ルド体を用いる磁気シールド方法であって、磁気シール
    ド体内部の量子化磁束線が移動する方向に対し垂直方向
    に超電導体と非超電導体の界面を配置して行うことを特
    徴とする超電導磁気シールド方法。
JP4304385A 1992-10-19 1992-10-19 超電導磁気シールド体及び超電導磁気シールド方法 Pending JPH06132695A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013183090A (ja) * 2012-03-02 2013-09-12 Nippon Steel & Sumitomo Metal 超電導バルク磁石部材

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JP2013183090A (ja) * 2012-03-02 2013-09-12 Nippon Steel & Sumitomo Metal 超電導バルク磁石部材

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