JP2007220602A - 対極及びその製造方法並びに光電変換素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電解質による侵食を抑えるとともに、基板と炭化物層との密着性を高めた対極を提供すること。
【解決手段】本発明に係る対極は、少なくとも一部に電解質層を介し作用極と対向して配される対極であって、基材と、該基材の前記作用極と対向する側の面上に設けられ、金属炭化物粒子からなる金属炭化物層と、を備えていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、対極及びその製造方法並びに光電変換素子及びその製造方法に関し、より詳細には、電解質による侵食を抑えた対極及びその製造方法、並びに、この対極を搭載することにより、長期安定性に優れた光電変換素子及びその製造方法に関する。
環境問題、資源問題などを背景に、クリーンエネルギーとしての太陽電池が注目を集めている。太陽電池としては単結晶、多結晶あるいはアモルファスのシリコンを用いたものがある。しかし、従来のシリコン系太陽電池は製造コストが高い、原料供給が不充分などの課題が残されており、大幅普及には至っていない。
また、Cu−In−Se系(CIS系とも呼ぶ)などの化合物系太陽電池が開発されており、極めて高い光電変換効率を示すなど優れた特徴を有しているが、コストや環境負荷などの問題があり、やはり大幅普及への障害となっている。
これらに対して、色素増感型太陽電池は、スイスのグレッツェルらのグループなどから提案されたもので、安価で高い光電変換効率を得られる光電変換素子として着目されている(非特許文献1を参照)。
図4は、従来の色素増感型太陽電池の一例を示す断面図である。
この色素増感型太陽電池600は、増感色素を担持させた多孔質半導体層603が一方の面に形成された第一基板601と、透明導電層604が形成された第二基板605と、これらの間に封入された例えばゲル状電解質からなる電解質層を主な構成要素としている。
第一基板601としては、光透過性の板材が用いられ、第一基板601の色素増感半導体層603と接する面には導電性を持たせるために透明導電層602が配置されており、第一基板601、透明導電層602および多孔質半導体層603により作用極608をなす。
第二基板605としては、電解質層606と接する側の面には導電性を持たせるために例えば炭素や白金などからなる導電層604が設けられ、第二基板および導電層604により対極609を構成している。
多孔質半導体層603と導電層604が対向するように、第一基板601と第二基板605を所定の間隔をおいて配置し、両基板間の周辺部に熱可塑性樹脂からなる封止材607を設ける。
そして、この封止材607を介して2つの基板601、605を貼り合わせてセルを積み上げ、電解液の注入口610を介して、両極608、609間にヨウ素・ヨウ化物イオンなどの酸化・還元極を含む有機電解液を充填し、電荷移送用の電解質層606を形成したものが挙げられる。
上述したような光電変換素子において、対極には、主に透明な導電性の電極基板または金属板に蒸着またはスパッタリングにより形成した白金膜を有する電極が用いられる。
白金膜を有する電極を対極として用いた場合、長期使用中に白金膜が脱理、溶解し発電特性が低下してしまうことがある。白金の他にカーボンも色素増感型光電変換素子の対極の触媒としてカーボンがある。カーボン粉末を含むペーストを基板に塗布し焼成させて作製した対極は、高温で焼成するとカーボンが酸化してしまうため、高温で焼成することができず、低温で焼成させなければならない。そのため基板とカーボン、カーボンとカーボンの密着力が低いという欠点がある。密着力を上げるために有機バインダー等を含むペーストもあるが、カーボン電極内にバインダーが残ってしまうため発電に必要なカーボンの面積が減ってしまうという問題がある。
O'Regan B, Gratzel M. A low cost, high-efficiency solar cell based on dye-sensitized colloidal TiO2 films, Nature 1991;353:737-739
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、電解質による侵食を抑えるとともに、基板と炭化物層との密着性を高めた対極及びその製造方法と、この対極を備えることにより、長期に亘って優れた発電特性を有する光電変換素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の対極は、少なくとも一部に電解質層を介し作用極と対向して配される対極であって、基材と、該基材の前記作用極と対向する側の面上に設けられ、金属炭化物粒子からなる金属炭化物層と、を備えていることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の対極は、請求項1において、前記基材は、前記金属炭化物層が含有する金属と同一の金属から構成されることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の対極の製造方法は、少なくとも一部に電解質層を介し作用極と対向して配される対極の製造方法であって、基材の前記作用極と対向する側の面上に、金属炭化物粒子を含有するペーストを塗布する工程と、前記基材を焼成することにより、金属炭化物粒子からなる金属炭化物層を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の光電変換素子は、窓極として機能する作用極と、少なくとも一部に電解質層を介して該作用極と対向して配される対極とを備えてなり、前記対極は、基材と、該基材の前記作用極と対向する側の面上に設けられ、金属炭化物粒子からなる金属炭化物層と、を備えていることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の光電変換素子は、請求項4において、前記基材は、前記金属炭化物層が含有する金属と同一の金属から構成されることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の光電変換素子の製造方法は、窓極として機能する作用極と、少なくとも一部に電解質層を介して該作用極と対向して配される対極とを備えてなる光電変換素子の製造方法であって、前記対極を製造するに際し、基材の前記作用極と対向する側の面上に、金属炭化物粒子を含有するペーストを塗布する工程と、前記基材を焼成することにより、金属炭化物粒子からなる金属炭化物層を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明では、金属炭化物粒子からなる金属炭化物層を設けることにより、電解質による侵食を抑えるとともに、基板と炭化物層との密着性を高めた対極及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明では、基板と炭化物層との密着性を高めた対極を用いることで、長期に亘って優れた発電特性を有する光電変換素子及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明に係る対極および光電変換素子の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る対極10の一実施形態を示す概略断面図である。
本発明の対極10は、少なくとも一部に電解質層を介し作用極と対向して配される対極であって、基材11と、該基材11の前記作用極と対向する側の面上に設けられ、金属炭化物粒子からなる金属炭化物層12と、を備えていることを特徴とする。
カーボンに代えて、金属炭化物粒子からなる金属炭化物層12を設けることで、基材と金属炭化物層との密着性が向上する。また、電解質による侵食が抑えられる。
前記基材11は、前記金属炭化物層12が含有する金属と同一の金属から構成されることが好ましい。基材11として、金属炭化物層12が含有する金属と同一の金属を用いることにより、基材11と金属炭化物層12との密着性をより向上させることができる。
金属炭化物層12を構成する金属炭化物粒子は、例えば、タングステン、モリブデン、ニッケル、銅、コバルト、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、マンガン、鉄、チタンの1種類以上を含む金属炭化物からなるものが挙げられる。このような金属炭化物として具体的には、例えば、WC、W 、NiC、CuC、CoC、VC、Mn、ZrC、NbC、CrC、MoC、TiCなどが挙げられる。
金属炭化物粒子の粒径としては、特に限定されるものではないが、例えば、5nm〜1μmであることが好ましい。金属炭化物粒子の粒径を前記範囲とすることにより、金属炭化物層12を好適に形成することができるほか、基材11と金属炭化物層12との密着性をさらに向上させることができる。
図2は、本発明に係る光電変換素子の一実施形態を示す概略断面図である。
図2において、符号10は対極、11は基材、12は金属炭化物層、13は作用極、14は透明基板、15は透明導電膜、16は多孔質酸化物半導体層、17は電解質層、18は封止部材、20は色素増感型光電変換素子をそれぞれ示している。
この光電変換素子20は、対極10と、作用極13と、これらの間に封入された電解質からなる電解質層17と、から概略構成されている。
対極10は、上述したように、基材11と、該基材11の前記作用極13と対向する側の面上に設けられた金属炭化物層12とから構成されている。
作用極13は、窓極として機能し、透明基材14と、該透明基材14の対極10と対向する側の面上に形成された透明導電膜15と、透明導電膜15上に形成され、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層16とから構成されている。
この光電変換素子20は、上述したように、対極10において、基板11と金属炭化物層12との密着性が高く、電解質による侵食が抑えられているので、このような対極を用いた光電変換素子20は、カーボンを塗布した対極を用いた場合よりも、長期に亘って優れた発電特性を有するものとなる。
透明基材14としては、光透過性の素材からなる基板が用いられ、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなど、通常、光電変換素子の透明基材として用いられるものであればいかなるものでも用いることができる。透明基材14は、これらの中から電解液への耐性などを考慮して適宜選択される。また、透明基材14としては、用途上、できる限り光透過性に優れる基板が好ましく、透過率が90%以上の基板がより好ましい。
透明導電膜15は、透明基材14に導電性を付与するために、その一方の面に形成された薄膜である。透明基材14の透明性を著しく損なわない構造とするために、透明導電膜15は、導電性金属酸化物からなる薄膜であることが好ましい。
透明導電膜15を形成する導電性金属酸化物としては、例えば、スズ添加酸化インジウム(ITO)、フッ素添加酸化スズ(FTO)、酸化スズ(SnO)などが用いられる。これらの中でも、成膜が容易かつ製造コストが安価であるという観点から、ITO、FTOが好ましい。また、透明導電膜15は、ITOのみからなる単層の膜、または、ITOからなる膜にFTOからなる膜が積層されてなる積層膜であることが好ましい。
透明導電膜15を、ITOのみからなる単層の膜、または、ITOからなる膜にFTOからなる膜が積層されてなる積層膜とすることにより、可視域における光の吸収量が少なく、導電率が高い透明導電膜を構成することができる。
また、前記透明導電膜15は、スプレー熱分解法により形成されたものであることが好ましい。透明導電膜15を、スプレー熱分解法により形成することで、容易にヘーズ率を制御することができる。また、スプレー熱分解法は、減圧システムが不要なため、製造工程の簡素化低コスト化を図ることができるので好適である。
多孔質酸化物半導体層16は、透明導電膜15の上に設けられており、その表面には増感色素が担持されている。多孔質酸化物半導体層16を形成する半導体としては特に限定されず、通常、光電変換素子用の多孔質酸化物半導体を形成するのに用いられるものであれば、いかなるものでも用いることができる。このような半導体としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化タングステン(WO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)などを用いることができる。
多孔質酸化物半導体層16を形成する方法としては、例えば、市販の酸化物半導体微粒子を所望の分散媒に分散させた分散液、あるいは、ゾル−ゲル法により調製できるコロイド溶液を、必要に応じて所望の添加剤を添加した後、スクリーンプリント法、インクジェットプリント法、ロールコート法、ドクターブレード法、スプレー塗布法など公知の塗布方法により塗布した後、このポリマーマイクロビーズを加熱処理や化学処理により除去して空隙を形成させ多孔質化する方法などを適用することができる。
増感色素としては、ピピリジン構造、ターピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポリフィリン、フタロシアニンなどの含金属錯体、エオニン、ローダミン、モロシアンなどの有機色素などを適用することができ、これらの中から、用途、使用半導体に適した挙動を示すものを特に限定なく選ぶことができる。
電解質層17は、多孔質酸化物半導体層16内に電解液を含浸させてなるものか、または、多孔質酸化物半導体層16内に電解液を含浸させた後に、この電解液を適当なゲル化剤を用いてゲル化(擬固体化)して、多孔質酸化物半導体層16と一体に形成されてなるもの、あるいは、イオン性液体、酸化物半導体粒子および導電性粒子を含むゲル状の電解質が用いられる。
上記電解液としては、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリ−ブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒に溶解されてなるものが用いられる。
この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などが挙げられる。
上記イオン性液体としては、特に限定されるものではないが、室温で液体であり、四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンまたはアニオンとした常温溶融性塩が挙げられる。
常温溶融性塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。
常温溶融塩のアニオンとしては、BF 、PF 、F(HF) 、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CFSO ]、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
イオン性液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンとヨウ化物イオンまたはビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオンなどからなる塩類を挙げることができる。
上記酸化物半導体粒子としては、物質の種類や粒子サイズなどが特に限定されないが、イオン性液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化させるようなものが用いられる。また、酸化物半導体粒子は、電解質の半導電性を低下させることがなく、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化物半導体粒子は、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような酸化物半導体粒子としては、TiO、SnO、WO、ZnO、Nb、In、ZrO、Ta、La、SrTiO、Y、Ho、Bi、CeO、Alからなる群から選択される1種または2種以上の混合物が好ましく、二酸化チタン微粒子(ナノ粒子)が特に好ましい。この二酸化チタンの平均粒径は2nm〜1000nm程度が好ましい。
上記導電性微粒子としては、導電体や半導体など、導電性を有する粒子が用いられる。この導電性粒子の比抵抗の範囲は、好ましくは1.0×10−2Ω・cm以下であり、より好ましくは、1.0×10−3Ω・cm以下である。また、導電性粒子の種類や粒子サイズなどは特に限定されないが、イオン性液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化するようなものが用いられる。さらに、電解質中で酸化被膜(絶縁被膜)などを形成して導電性を低下させることがなく、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合でも、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような導電性微粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられ、具体例としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子を例示できる。これらの物質の製造方法はいずれも公知であり、また、市販品を用いることもできる。
光電変換素子30において、電解質層17を作用極14と対極18で挟んでなる積層体20が、その外周部が封止部材18によって接着、一体化されて光電変換素子として機能する。
封止部材18としては、対極10および作用極13に対する接着性に優れるものであれば特に限定されないが、例えば、分子鎖中にカルボン酸基を有する熱可塑性樹脂からなる接着剤などが望ましく、具体的には、ハイミラン(三井デュポンリケミカル社製)、バイネル(三井デュポンリケミカル社製)、アロンアルファ(東亞合成社製)などが挙げられる。
次に、この実施形態の光電変換素子20の製造方法を、図3を参照して説明する。
まず、上述したような金属炭化物粒子と粘度調整剤と界面活性剤とを所定の比率で混ぜ合わせてペーストを作製する。
次に、得られたぺーストを、基材11上に塗布し、焼成する。
焼成においては、例えば、電気炉を用いおよそ30分間、500℃の温度にて焼成する方法が挙げられる。
これにより、図3(a)に示すように、基材11上に、金属炭化物粒子からなる金属炭化物層12が形成されて対極10が作製される。
この対極10には、その厚み方向に貫通する穴(図示略)を少なくとも2ヶ所設ける。この穴は、後述する電解液を注入する際の注入口である。
このようにして得られる対極は、基材と金属炭化物層との密着性が向上し、また、電解質による侵食が抑えられたものとなる。
一方、図3(b)に示すように、透明基材14の一方の面の全域を覆うように透明導電膜15を形成する。
透明導電膜15を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法、スプレー熱分解法(SPD法)、蒸着法などの薄膜形成法が挙げられる。
その中でも、前記透明導電膜15は、スプレー熱分解法により形成されたものであることが好ましい。透明導電膜15を、スプレー熱分解法により形成することで、容易にヘーズ率を制御することができる。また、スプレー熱分解法は、減圧システムが不要なため、製造工程の簡素化低コスト化を図ることができるので好適である。
次いで、図3(c)に示すように、透明導電膜15を覆うように、多孔質酸化物半導体層16を形成する。この多孔質酸化物半導体層16の形成は、主に塗布工程と乾燥・焼成工程からなる。
塗布工程とは、例えばTiO粉末と界面活性剤を所定の比率で混ぜ合わせてなるTiOコロイドのペーストを、親水性化を図った透明導電膜15の表面に塗布するものである。その際、親水性化を図った透明導電膜15の表面に塗布するものである。その際、塗布法としては、加圧手段(例えば、ガラス棒)を用いて前記コロイドを透明導電膜15上に押し付けながら、塗布されたコロイドが均一な厚さを保つように、加圧手段を透明導電膜15の上空を移動させる方法が挙げられる。
乾燥・焼成工程とは、例えば大気雰囲気中におよそ30分間、室温にて放置し、塗布されたコロイドを乾燥させた後、電気炉を用いおよそ30分間、350℃の温度にて焼成する方法が挙げられる。
次に、この塗布工程と乾燥・焼成工程により形成された多孔質酸化物半導体層16に対して色素担持を行う。
色素担持用の色素溶液は、例えばアセトニトリルとt−ブタノールを容積比で1:1とした溶媒に対して極微量のN719粉末を加えて調整したものを予め準備しておく。
シャーレ状の容器内に入れた色素溶媒に、別途電気炉にて120〜150℃程度に加熱処理した多孔質酸化物半導体層16を浸した状態とし、暗所にて一昼夜(およそ20時間)浸漬する。その後、色素溶液から取り出した多孔質酸化物半導体層16は、アセトニトリルとt−ブタノールからなる混合溶液を用い洗浄する。
上述した工程により、色素担持したTiO薄膜からなる多孔質酸化物半導体層1を透明基板上に設けてなる作用極10を得る。
そして、図3(d)に示すように、色素担持させたTiO薄膜からなる多孔質酸化物半導体層16が上方をなすように作用極13を配置し、この多孔質酸化物半導体層16と金属炭化物層12とが対向するように、対極10を作用極13に重ねて設けることにより積層体が形成される。その後、積層体の側部、すなわち作用極13と対極10の重なった外周付近を、例えばエポキシ樹脂からなる封止部材18で封止する。
封止部材18が乾いて固化した後、積層体の空隙、すなわち作用極13と対極10と封止部材18で囲まれた空間内に、対極10に設けた注入口から電解質溶液を注入する。これにより色素増感型の光電変換素子20が形成される。
このようにして得られる光電変換素子20は、対極10において、基板11と金属炭化物層12との密着性が高められ、電解質による侵食が抑えられているので、長期に亘って優れた発電特性を有するものとなる。
以上、本発明の対極および光電変換素子について説明してきたが、本発明は上記の例に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更が可能である。
(実施例1)
TiC(粒径1〜2μm)に対して、ポリエチレングリコール(分子量2000)を1重量%を混合し、NMP(M−メチル−2−ピロリドン)を適量加え、金属炭化物ペーストを作製した。このペーストをFTOガラス電極基板に塗布し、500℃で30分間焼成した。この金属炭化物膜を有する基板を対極として用いた。
一方、ガラス基板上に、透明導電膜として膜厚100nmのFTO膜を形成した。
次に、粒径約20nmの酸化チタン微粒子をアセトニトリルに分散してペーストとしたものをバーコード法により厚さ約20μmに塗布し、乾燥後450℃で1時間加熱焼成することにより、多孔質酸化物半導体層を形成した。さらにルテニウムビピリジン錯体(N3色素)のエタノール溶液中に16時間浸漬して色素担持させ作用極を作製した。
以上のようにして得られた対極と作用極を50μm厚の熱可塑性ポリオレフィン樹脂シートをスペーサーとして介在させた状態で対向させ、樹脂シートの溶融熱により両電極を固定した。この際、その隙間にヨウ素/ヨウ化物の電解液(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド)を充填して電界質層とし色素増感型光電変換素子を作製した。
(実施例2)
TiC(粒径1〜2μm)に対して、ポリエチレングリコール(分子量2000)を1重量%を混合し、NMP(M−メチル−2−ピロリドン)を適量加え、金属炭化物ペーストを作製した。このペーストをチタン基板に塗布し、500℃で30分間焼成した。この金属炭化物膜を有する基板を対極として用いたこと以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製した。
(比較例1)
メソカーボンマイクリビーズ(MCMB)(大阪ガス)に対して、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)を10重量%混合し、NMPを適量加えカーボンペーストを作製した、このペーストをチタン基板に塗布し、120℃で30分焼成した。このカーボン膜を有する基板を対極として用いたこと以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製した。
(比較例2)
チタン基板上に、白金からなる導電膜を蒸着法により形成して対極を作製した。
このようにして得られた対極を用いたこと以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製した。
以上のようにして得られた各実施例および比較例の光電変換素子について、対極の密着性、光電変換特性および長期安定性を評価した。
対極の密着性として、基板上に成膜した膜の密着力の評価は、クロスカット試験(JIS K 5600に準拠)により行った。マス目が9割以上残っている場合を○印、9割より少ない場合を×印として評価した。
長期安定性としては、作製直後のセルと、1000時間光照射後のセルとの光電変換効率の変化を評価した。1000時間光照射後の変換効率が、初期変換効率に対して低下率が10%以内の場合を「変化なし」と、10%を越える場合を「変化あり」とした。
各実施例および比較例の光電変換素子について、対極の密着性、光電変換特性および長期安定性の評価結果を表1に示す。
Figure 2007220602
表1から明らかなように、金属炭化物層を設けた実施例の光電変換素子においては、比較例に比べて、対極における密着力が高く、高い光電変換効率および優れた長期安定性を有していることがわかった。
本発明は、太陽電池に代表される光電変換素子およびその対極に適用可能である。
本発明に係る対極の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る光電変換素子の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る光電変換素子の製造方法を示す概略断面図である。 従来の光電変換素子の一例を示す断面図である。
符号の説明
10 対極、11 基板、12 金属炭化物層、 13 作用極、14 透明基板、15 透明導電膜、16 多孔質酸化物半導体層、17 電解質層、18 封止部材、20 光電変換素子。

Claims (6)

  1. 少なくとも一部に電解質層を介し作用極と対向して配される対極であって、
    基材と、
    該基材の前記作用極と対向する側の面上に設けられ、金属炭化物粒子からなる金属炭化物層と、を備えていることを特徴とする対極。
  2. 前記基材は、前記金属炭化物層が含有する金属と同一の金属から構成されることを特徴とする請求項1記載の対極。
  3. 少なくとも一部に電解質層を介し作用極と対向して配される対極の製造方法であって、
    基材の前記作用極と対向する側の面上に、金属炭化物粒子を含有するペーストを塗布する工程と、
    前記基材を焼成することにより、金属炭化物粒子からなる金属炭化物層を形成する工程と、を備えることを特徴とする対極の製造方法。
  4. 窓極として機能する作用極と、少なくとも一部に電解質層を介して該作用極と対向して配される対極とを備えてなる光電変換素子であって、
    前記対極は、基材と、
    該基材の前記作用極と対向する側の面上に設けられ、金属炭化物粒子からなる金属炭化物層と、を備えていることを特徴とする光電変換素子。
  5. 前記基材は、前記金属炭化物層が含有する金属と同一の金属から構成されることを特徴とする請求項4記載の光電変換素子。
  6. 窓極として機能する作用極と、少なくとも一部に電解質層を介して該作用極と対向して配される対極とを備えてなる光電変換素子の製造方法であって、
    前記対極を製造するに際し、
    基材の前記作用極と対向する側の面上に、金属炭化物粒子を含有するペーストを塗布する工程と、
    前記基材を焼成することにより、金属炭化物粒子からなる金属炭化物層を形成する工程と、を備えることを特徴とする光電変換素子の製造方法。
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JP2013182671A (ja) * 2012-02-29 2013-09-12 Nippon Steel & Sumikin Engineering Co Ltd 多孔質半導体電極およびその製造方法

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