JP2007218741A - 酸素センサ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、焼結時のクラックの発生を効果的に抑制することの可能な酸素センサを提供することを目的としている。
【解決手段】本発明の酸素センサは、基体部100及び該基体部100の表面上に積層された機能層を有し、機能層が少なくとも酸素イオン伝導性の固体電解質層105と該固体電解質層105を挟む一対の電極層104,106とを備えており、機能層は各層がスクリーン印刷によって積層された後に焼成されて形成されており、固体電解質層105が複数回のスクリーン印刷105a〜105cによって積層形成されたことを特徴としている。本発明の酸素センサによれば、異種材料からなる機能層を一体焼結する際に、固体電解質層105が予め複数の層105a〜105cに分けて印刷されているため、それぞれの層ごとに応力を分散でき、クラックの発生を防止することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、基体部及び該基体部の表面上に積層された機能層を有し、機能層が少なくとも酸素イオン伝導性の固体電解質層とこの固体電解質層を挟む一対の電極層とを備えた酸素センサ、及び、その酸素センサの製造方法に関する。
従来より種々の酸素センサが提案されている。下記[特許文献1]は、その一例としての酸素センサを開示する。[特許文献1]に開示される酸素センサは、基体部上に形成されたヒータパターンを通電加熱することにより、当該基体部上に形成された酸素イオン伝導性の固体電解質層を活性化させ、当該固体電解質層を介して対向配置される電極間の電位差に基づいて酸素濃度を検出するものである。
特開2004−239688号公報
機能層は異種材料を積層させて焼結されるが、膜圧が厚いほど内部に応力集中が起こりやすく、焼成時にクラックが発生しやすくなる。従って、本発明の目的は、焼結時のクラックの発生を効果的に抑制することの可能な酸素センサ及びその製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の酸素センサは、基体部及び該基体部の表面上に積層された機能層を有し、機能層が少なくとも酸素イオン伝導性の固体電解質層と該固体電解質層を挟む一対の電極層とを備えており、機能層は、各層がスクリーン印刷によって積層された後に焼成されて形成されており、固体電解質層が、複数回のスクリーン印刷によって積層形成されたことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の酸素センサにおいて、固体電解質層の少なくとも一つの端部は、スクリーン印刷を階段状にずらして階段部が形成されており、固体電解質層上の電極層のリード部が該階段部上に印刷形成されていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の酸素センサにおいて、固体電解質層の複数の層は、基体部側ほど層厚さが厚くなるように形成されており、かつ、各層の層厚さが40μm以下であることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の酸素センサにおいて、基体部側の電極層と基体部との間に、センサ内部の空気を機能層に運ぶガス拡散層を備えていることを特徴としている。
請求項5に記載の酸素センサの製造方法は、基体部及び該基体部の表面上に積層された機能層を有し、機能層が少なくとも酸素イオン伝導性の固体電解質層と該固体電解質層を挟む一対の電極層とを備え、機能層の各層がスクリーン印刷によって積層された後に焼成されて形成される酸素センサの製造する方法であり、基体部上に一方の電極層を印刷形成する内側電極層印刷工程と、一方の電極層上に固体電解質層を複数回の印刷によって形成する固体電解質層印刷工程と、固体電解質層上に他方の電極層を印刷形成する外側電極層印刷工程とを備え、固体電解質層印刷工程において印刷される複数の層の各層厚さが異ならせてあることを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の酸素センサの製造方法において、固体電解質層印刷工程において印刷される複数の層の少なくとも一つの端部を階段状にずらして階段部を形成させ、外側電極層印刷工程において他方の電極層を固体電解質層の最上層のほぼ中央に印刷すると同時に、他方の電極層に連通するリード部を階段部上に印刷することを特徴としている。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の酸素センサの製造方法において、固体電解質層印刷工程において印刷される複数の層は、基体部側ほど層厚さが厚くなるように形成されており、かつ、各層の層厚さが40μm以下で印刷されることを特徴としている。
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7の何れか一項に記載の酸素センサの製造方法において、固体電解質層印刷工程以前に、基体部と基体部側の電極層と基体部との間にセンサ内部の空気を機能層に運ぶガス拡散層を印刷するガス拡散層印刷工程をさらに備え、固体電解質層印刷工程において固体電解質層はガス拡散層をシールするように印刷されることを特徴としている。
請求項1に記載の酸素センサによれば、異種材料からなる機能層を一体焼結する際に、固体電解質層が予め複数の層に分けて印刷されているため、それぞれの層ごとに応力を分散でき、クラックの発生を防止することができる。また、印刷層には、気泡やダストの影響でピンホールやクラックが生じることがある。この防止の為、印刷回数を分割して多層にして重ね塗り効果でピンホールなどを塞ぐことなどが可能となる。
請求項2に記載の酸素センサによれば、固体電解質層を複数回に分割して印刷するに際して、固体電解質層の端部を階段状に形成し、その上に電極層のリード部を印刷することでリード部の印刷面の落差が緩やかになり、リード層の断線や印刷かすれを防止することができる。
請求項3に記載の酸素センサによれば、固体電解質層の層厚さを基体部側であるほど厚くすることで、焼結時の応力を緩和してクラックの発生をより効果的に防止することができる。各層の層厚さを異ならせることによって、下層側との収縮率の差からくるひずみ応力が第一層目の接面のみで受けるため、分割して印刷した層のひずみが少なくなる。ここでは、最も厚い最下層がひずみを吸収する為(体積収縮が大きくひずみが最も大きくなる)、他の層はひずみが無くクラックが入りにくくなる。また、固体電解質層の複数の層の各層厚さを40μm以下とすることで、各層の内部に発生する応力集中をクラックを発生させない程度とすることができる。各層厚さが40μmを超えるようであると、内部応力が大きくなってクラックが発生しやすくなる。
請求項4に記載の酸素センサの製造方法によれば、ガス拡散層を設けることでセンサ内部の圧力変動に対応させて、機能層の各素子の破壊を防止することができる。
請求項5に記載の酸素センサの製造方法によれば、固体電解質層印刷工程において、固体電解質層を複数の層に分けて印刷するため、一体焼結する際に、各層ごとに応力を分散でき、クラックの発生を防止することができる。また、各層の層厚さを異ならせることによって、下層側との収縮率の差からくるひずみ応力が第一層目の接面のみで受けるため、分割して印刷した層のひずみが少なくなる。更に、最も厚い層がひずみを吸収する為(体積収縮が大きくひずみが最も大きくなる)、他の層はひずみが無くクラックが入りにくくなる。さらに、印刷層には、気泡やダストの影響でピンホールやクラックが生じることがある。この防止の為、印刷回数を分割して多層にして重ね塗り効果でピンホールなどを塞ぐことなどが可能となる。
請求項6に記載の酸素センサの製造方法によれば、固体電解質層印刷工程において、固体電解質層を複数回に分割して印刷する際に固体電解質層の端部を階段状に形成し、さらに外側電極層印刷工程において階段状部分の上に他方の電極層のリード部を印刷することでリード部の印刷面の落差が緩やかになり、リード層の断線や印刷かすれを防止することができる。
請求項7に記載の酸素センサの製造方法によれば、固体電解質層印刷工程において印刷される固体電解質層の各層の厚さを基体部側であるほど厚くすることで、焼結時の応力を緩和してクラックの発生をより効果的に防止することができる。また、固体電解質層の複数の層の各層厚さを40μm以下とすることで、各層の内部に発生する応力集中をクラックを発生させない程度とすることができる。各層厚さが40μmを超えるようであると、内部応力が大きくなってクラックが発生しやすくなる。
請求項8に記載の酸素センサの製造方法によれば、ガス拡散層印刷工程においてガス拡散層を設けることで、センサ内部の圧力変動に対応させて、機能層の各素子の破壊を防止することができる。また、固体電解質層印刷工程において印刷する固体電解質層によってガス拡散層をシールするようにすることで、ガス拡散層内の空気の漏れを確実に防止することができる。
以下、本発明の酸素センサの具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態における酸素センサは、内燃機関を自動車の排気管に装着された空燃比検出用の酸素センサである。図1に本実施形態の酸素センサの断面図を示す。
ホルダ4には、円筒状の素子挿入孔3が形成され、この素子挿入孔3に円柱ロッド状の検出素子2が嵌挿されている。検出素子2は、素子挿入孔3を貫通してホルダ4の軸方向の両端面から露出しており、その一端側には酸素測定部2bが、また他端側には電極2aが形成されている。酸素測定部2bは、ホルダ4に溶接やかしめ等で固定された有底円筒状で二重管構成のプロテクタ9内に挿入されている。内側および外側のプロテクタ9には、それぞれガス流通用の流通孔(円孔)9a,9bが形成されており、検出ガスは、これら流通孔9a,9bを経由してプロテクタ9内に進入し、酸素測定部2bの周囲に到達する。
一方、素子挿入孔3の電極2a側には拡径部10が形成されており、この拡径部10に設けられたシール部5により、素子挿入孔3と検出素子2との隙間における気密が保たれている。具体的には、拡径部10にセラミック粉(例えば未焼結のタルク等)12を充填し、これをスペーサ(例えばワッシャ等)13を用いて奥側に押し込むことで、当該隙間が埋められる。ホルダ4の電極2a側には有底円筒状の端子保持用碍子7が固定されており、この端子保持用碍子7により検出素子2の電極2a側が被覆されている。さらに、その端子保持用碍子7の外周を所定の間隙をもって覆うように、筒状のケーシング8が設けられている。このケーシング8は、ホルダ4の外周に全周レーザ溶接等で固定されており、当該レーザ溶接によってケーシング8とホルダ4との隙間における気密が確保されている。
また、ケーシング8の酸素測定部2bの反対側の端部には、略円柱状のシールラバー16が内装されており、このシールラバー16を複数(例えば4本)のリード線17が貫通して外部に導出されている。このシールラバー16はケーシング8のカシメ部8aによってケーシング8に固定されていると共に、このシールラバー16によってシールラバー16とリード線17との間、ならびに、シールラバー16とケーシング8との間の気密が確保されている。なお、シールラバー16としては、例えばフッ素ゴム等、耐熱性の高い材質を用いるのが好適である。各リード線17の内側端部には、端子6が接続されており、この端子6が端子保持用碍子7に保持されている。各端子6は、弾性体として構成され、その弾性力により、検出素子2の表面に形成される各電極2aに端子6がより確実に当接し、この部分でより確実な導通が得られるようにしてある。
かかる構成の酸素センサ1は、ホルダ4のネジ部4bを排気管30のネジ孔31に螺入することにより排気管30に固定され、プロテクタ9で覆われた箇所が排気管30内に突出された状態で配置される。酸素センサ1と排気管30との間は、ガスケット19によってシールされる。酸素センサ1の内部に形成される内部空間15は、シール部5、シールラバー16、および、ホルダ4とケーシング8との接合部分において、酸素センサ1外部に対して気密が確保されている。ただし、リード線17の内部における極めて微小な隙間(芯線と被覆との隙間等)を経由して酸素センサ1の外部と連通している。
上記構成の酸素センサ1において、排気管30内を流通する検出ガスがプロテクタ9の流通孔9a,9bより内部に流入すると、そのガス内の酸素が検出素子2の酸素測定部2b内に入り込む。すると、酸素測定部2bによって検出ガスの酸素濃度が検出され、当該酸素濃度を示す電気信号に変換される。そして、この電気信号の情報が電極2a、端子6およびリード線17を経由して外部に出力される。
円柱ロッド状の検出素子2の表面を展開した図を図2に示す。検出素子2は、円柱ロッド状の基体部100の周面上にヒータや検出部などからなる機能層を形成して構成されている。基体部100は、絶縁材料であるアルミナ等のセラミック材料により、中実または中空部を有する円柱状に形成される。これらの機能層は、順にスクリーン印刷した各層を焼成することで構築される。以下、ロッド表面上に印刷(曲面印刷となる)する順を追って各層を簡単に説明する。
まず、二対の電極と2aとヒータパターン101とからなる電極・ヒータ層が印刷される。ヒータパターン101は、タングステンや白金等の発熱性導体材料により形成される。その後、ヒータパターン101の上に、ヒータ部を保護する第一保護層102が印刷される。第一保護層102は、絶縁性材料により形成され、ヒータパターン101の電気的絶縁を確保する役割もある。ヒータは、内燃機関の冷間始動時などにセンサを早期に活性化温度にまで昇温させる際に通電されて発熱する。
一方の電極2a対は上述したヒータパターン101とつながっており、他方の電極2a対には、酸素検出部が接続される。ヒータ部の印刷に続いて、酸素検出部の印刷が行われる。まず、他方の電極2a対の一つに一端が達するように、ガス拡散層(緩和層)103が印刷される(ガス拡散層印刷工程)。ガス拡散層103の他端上には固体電解質層105が印刷されるが、この部分については図3〜図5を用いて追って詳しく説明する。ガス拡散層103は、焼結後に多孔質体となり、上述した内部空間15(図1参照)から固体電解質層105の下方まで空気を拡散させる役割を持つ。
次いで、ガス拡散層103上に内側(一方の)電極層104を印刷する(内側電極層印刷工程)。この内側電極層104の一端(リード部先端)は電極2a上にまで達している。内側電極層104の他端(内側電極部)上には固体電解質層105が印刷されるが、この部分については図3〜図5を用いて追って詳しく説明する。その後、内側電極層104の他端(内側電極部)上に固体電解質層105が印刷される(固体電解質層印刷工程)。固体電解質層印刷工程では、固体電解質層105は三層重ねて順次印刷される。
固体電解質層105は、例えば、ジルコニアの粉体中に所定重量%のイットリアの粉体を混合させてペースト状にしたものをパターニングしたものである。このとき、固体電解質層105の各層の厚さは、基体部100側ほど厚くなるように層厚さが異ならせてある。また、電極2aの側は、固体電解質層105の各層の端部がずらされており、階段状部分が形成されている。固体電解質層105は、その印刷範囲内において、ガス拡散層103をシールするように印刷される。
さらに、固体電解質層105の最上層の表面に外側(他方の)電極層106を印刷する(内側電極層印刷工程)。このとき、外側電極層106の一端(リード部先端)は電極2a上にまで達している。また、外側電極層106のリード部分は、上述した固体電解質層105の階段状部分の上面に印刷される。内側電極層104および外側電極層106は、それぞれ導電性を有し、かつ酸素が透過できる金属材料(例えば白金等)によって形成される。固体電解質層105は、内側電極層104と外側電極層106との間で、周囲の酸素濃度差に応じた起電力を発生させ、その厚さ方向に酸素イオンを輸送する。これら内側電極層104および外側電極層106には、4本のリード線17(図1)のうち2本が1本ずつ電気的に接続されており、内側電極層104と外側電極層106との間に生じた出力電圧がこれらリード線17間の電圧として検出できるようになっている。
その後、固体電解質層105と電極2a部分を除いた全範囲に対して第二保護層(緻密層)107が印刷される(ただし、第二保護層107は固体電解質層105の階段状部分に達している)。第二保護層107は、ヒータパターン101や検出部の配線(内側電極層104や外側電極層106のリード部)を保護すると共に、ガス拡散層103をシールする。第二保護層107によってガス拡散層103をシールすることで、ガス拡散層103内の空気の漏れを確実に防止することができる。なお、第二保護層107は、二回印刷されることで二層構造とされている。最後に、固体電解質層105部分も含めて、拡散層108が印刷される。拡散層108は、検出部を保護する役割を持つと共に、焼結後に多孔質体となり、内燃機関の排気管内の排気ガスを外側電極層106まで拡散させる役割を持つ。
本実施形態では、ガス拡散層103は、ジルコニアとアルミニウムの混合材料に、さらに例えばカーボン等の空孔形成材(消失材)を加えて混合したものをパターニングし、それを焼成することにより形成し、多孔質構造とする。したがって、固体電解質層105を通じて内側電極層104側に導入された酸素は、さらに、ガス拡散層103内に進入することができる。また、内側電極層104は、貴金属材料(例えば白金等)に例えばテオブロミン等の空孔形成材を加えて混合したものをパターニングし、それを焼成することにより形成する。このように空孔形成材を混合して形成することにより、焼成時に空孔形成材(消失剤)が焼き飛ばされて電極内に空孔ができ、電極を多孔質構造とすることができる。
第二保護層107は、検出ガス中の酸素が透過できない材料、例えばアルミナ等のセラミック材料によって形成されている。拡散層108は、検出ガス中の有毒ガスやダスト等は透過させないが、検出ガス中の酸素は透過させることのできる材質、例えばアルミナと酸化マグネシウムの混合物のような多孔質構造体によって形成されている。図示されていないが、拡散層108のさらに上側にスピネル保護層が形成される。スピネル保護層は、素子の外側全面を覆っており、検出ガス中の酸素を通過させることができ、拡散層108よりも粗い多孔質体によって形成されている。
検出部分の拡大展開図を図3に示す。図3には、固体電解質層105より内側のガス拡散層103及び内側電極層104についても、それぞれ一点鎖線及び点線で形状を示してある。また、図3中のIVa−IVa線断面図を図4(a)に、IVb−IVb線断面図を図4(b)に示す。さらに、図3中のVa−Va線断面図を図5(a)に、Vb−Vb線断面図を図5(b)に、Vc−Vc線断面図を図5(c)に示す。なお、図5においては、分かりやすくするため、基体部100の表面を平面(実際は曲面)として示す。
図3〜図5に示されるように、固体電解質層105(105a〜105c)は、三回のスクリーン印刷によって積層形成されている。このため、焼結させる際に内部に発生する応力を各層105a〜105c毎に分散させることができ、内部応力によるクラックの発生を防止できる。特に、本実施形態では、各層105a〜105cの層厚さta〜tcは、基体部100側であるほど厚くされており(ta>tb>tc)、このようにすることで、焼結時の応力を緩和してクラックの発生をより効果的に防止することができる。また、本実施形態では、固体電解質層105の複数の層105a〜105cの各層厚さta〜tcを40μm以下として印刷しており(焼結後も収縮するため40μm以下となる)、このようにすることで、各層105a〜105cの内部に発生する応力集中をクラックを発生させない程度とすることができる。
なお、固体電解質層105を含む印刷層は、材料によって焼結開始温度や収縮率が異なる。焼結時に、基体部100側の下層側から収縮開始温度となるように焼結させると、応力を緩和させることが可能となる。また、各層の膜圧が厚くなると、焼結時に収縮率が異なり、移動量が異なって応力ひずみが発生する。さらに、異種材料を多層で設ける場合、層厚さは可能な限り薄い方が有利である。しかし、上述したような空孔形成材を印刷ペーストに含有させる場合、均一層に印刷するためには含有粒子径の1.5倍の膜圧が必要である。固体電解質層105とその下地となるガス拡散層103との焼結収縮率の差は約3%あり、固体電解質層105の方が縮む。この為、ガス拡散層103や内側電極層104との接面にひずみ応力が生じやすい。このとき、上側を薄くするとこの薄い層は収縮体積が少ない為、上側から応力が少なくなり、表層のクラックが起こりにくくなる。
また、図4(a)に示されるように、固体電解質層105を複数回に分割して印刷するに際して、固体電解質層105の端部を階段状に形成し、その上に外側電極層106のリード部を印刷している。このようにすることでリード部の印刷面の落差が緩やかになり、リード層の断線や印刷かすれを防止することができる。このように階段状部分を設けなかった場合に外側電極層106を印刷した場合の図4(a)相当図を図6に例示する。図6に示されるように、固体電解質層105全体の落差が大きくなるため、外側電極層106をスクリーン印刷する際に図に示されるように外側電極層106のリード部がかすれて断線しまう。階段状部分を設けることで、このようなかすれによる断線を防止できる。
階段状にする場合でも、一段の段差が大きければ断線が生じやすい。ここでは、一段の落差が40μm以下となるようにされている。固体電解質層105の一層の層厚さと外側電極層106との層厚さの違いによるリード部の断線状況についての調査結果を図7に示す。図7中●で示されるものは断線しておらず、×で示されるものは断線してしまったものを示す。図7に示されるように、断線の有無は、外側電極層106の膜圧にはあまり左右されず、固体電解質層105の一層の層厚さが40μmを境に状況が異なる。即ち、固体電解質層105の一層の層厚さを40μm以下とすることで、外側電極層106のリード部の断線を効果的に防止することができる。
なお、本実施形態では、各層105a〜105cの層厚さを基体部100側であるほど厚くし、かつ、各層厚さを40μm以下としたが、これらはそれぞれ独立して採用してもそれぞれの効果がある。また、基体部100を円柱状としたが、断面が四角形の棒状のものとし、その表面に機能層をスクリーン印刷後の焼結によって構築してもよい。
また、上記実施形態では、階段状部分の段差部間の長さ(図4(a)におけるWaやWb)が300μm以上とされている(固体電解質層印刷工程において、段差部間の長さが300μm以上となるように固体電解質層の各層が印刷される)。このようにすることで、外側電極層106のリード部と固体電解質層105の各層105a〜105cとの接触面積が増え、リード部の剥離や断線を確実に防止することができる。
また、上記実施形態では、固体電解質層105の段差部の外側に保護層(第二保護層107)が形成されている(固体電解質層105の段差部の外側に保護層を印刷する保護層印刷工程を設けている)。固体電解質層105の段差部は、下段になるにつれて膜圧が薄くなる。そこで、段差部を保護層(第二保護層107)で被覆することで、固体電解質層105の段差部の剥離やクラックを防止することができる。
また、上記実施形態では、ガス拡散層103と第二保護層107との間の層厚さは30μm以上とされている。このようにすることで、ガス拡散層103と第二保護層107との間に位置する固体電解質層105にピンホールが生じた場合でも、ピンホール同士の結合を防止でき、そこから発生するクラックを防止することができる。
本発明の酸素センサの一実施形態の断面図である。 図1のセンサの検出素子周面の展開図である。 検出素子の検出部の拡大展開図である。 図3におけるIV−IV(IVa−IVa,IVb−IVb)線断面図である。 図3におけるV−V(Va−Va,Vb−Vb,Vc−Vc)線断面図である。 段差部を設けない場合の図4(a)相当図である。 固体電解質層の一層の層厚さと外側電極層との層厚さの違いによるリード部の断線状況についての調査結果である。
符号の説明
1 酸素センサ
2 検出素子
2a 電極
100 基体部
101 ヒータパターン
102 第一保護層
103 ガス拡散層
104 内側電極層
105 固体電解質層
106 外側電極層
107 第二保護層
108 拡散層

Claims (8)

  1. 基体部及び該基体部の表面上に積層された機能層を有し、前記機能層が少なくとも酸素イオン伝導性の固体電解質層と該固体電解質層を挟む一対の電極層とを備えた酸素センサにおいて、
    前記機能層は、各層がスクリーン印刷によって積層された後に焼成されて形成されており、前記固体電解質層が、複数回のスクリーン印刷によって積層形成されたことを特徴とする酸素センサ。
  2. 前記固体電解質層の少なくとも一つの端部は、スクリーン印刷を階段状にずらして階段部が形成されており、前記固体電解質層上の前記電極層のリード部が該階段部上に印刷形成されていることを特徴とする請求項1に記載の酸素センサ。
  3. 前記固体電解質層の複数の層は、前記基体部側ほど層厚さが厚くなるように形成されており、かつ、各層の層厚さが40μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸素センサ。
  4. 前記基体部側の前記電極層と前記基体部との間に、センサ内部の空気を前記機能層に運ぶガス拡散層を備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の酸素センサ。
  5. 基体部及び該基体部の表面上に積層された機能層を有し、前記機能層が少なくとも酸素イオン伝導性の固体電解質層と該固体電解質層を挟む一対の電極層とを備え、前記機能層の各層がスクリーン印刷によって積層された後に焼成されて形成される酸素センサの製造方法において、
    前記基体部上に一方の前記電極層を印刷形成する内側電極層印刷工程と、
    一方の前記電極層上に前記固体電解質層を複数回の印刷によって形成する固体電解質層印刷工程と、
    前記固体電解質層上に他方の前記電極層を印刷形成する外側電極層印刷工程とを備え、
    前記固体電解質層印刷工程において印刷される複数の層の各層厚さが異ならせてあることを特徴とする酸素センサの製造方法。
  6. 前記固体電解質層印刷工程において印刷される複数の層の少なくとも一つの端部を階段状にずらして階段部を形成させ、
    前記外側電極層印刷工程において他方の前記電極層を前記固体電解質層の最上層のほぼ中央に印刷すると同時に、他方の前記電極層に連通するリード部を前記階段部上に印刷することを特徴とする請求項5に記載の酸素センサの製造方法。
  7. 前記固体電解質層印刷工程において印刷される複数の層は、前記基体部側ほど層厚さが厚くなるように形成されており、かつ、各層の層厚さが40μm以下で印刷されることを特徴とする請求項5又は6に記載の酸素センサの製造方法。
  8. 前記固体電解質層印刷工程以前に、前記基体部と前記基体部側の前記電極層と前記基体部との間にセンサ内部の空気を前記機能層に運ぶガス拡散層を印刷するガス拡散層印刷工程をさらに備え、
    前記固体電解質層印刷工程において前記固体電解質層は前記ガス拡散層をシールするように印刷されることを特徴とする請求項5〜7の何れか一項に記載の酸素センサの製造方法。
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