JP2001311714A - 積層型ガスセンサ素子及びその製造方法並びにガスセンサ - Google Patents

積層型ガスセンサ素子及びその製造方法並びにガスセンサ

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JP2001311714A
JP2001311714A JP2000130837A JP2000130837A JP2001311714A JP 2001311714 A JP2001311714 A JP 2001311714A JP 2000130837 A JP2000130837 A JP 2000130837A JP 2000130837 A JP2000130837 A JP 2000130837A JP 2001311714 A JP2001311714 A JP 2001311714A
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hole
gas sensor
ceramic layer
sensor element
ceramic
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JP2000130837A
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Keisuke Makino
圭祐 牧野
Toshikatsu Yasuda
年克 安田
Teppei Okawa
哲平 大川
Ryohei Aoki
良平 青木
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミック層の表裏面の導通を確実に図るこ
とができる積層型ガスセンサ素子及びその製造方法、並
びにこの素子を備えるガスセンサを提供する。 【解決手段】 表裏面に導体部が形成された長尺のセラ
ミック層が積層され、このセラミック層には厚さ方向に
貫通するスルーホールが設けられ、スルーホールは、開
口面に向かって、セラミック層の厚さ方向と直交する方
向における断面寸法が徐々に拡径していく部分を有し、
セラミック層の表裏面に形成された各々の導体部を導通
させるための導体膜が、スルーホールの内壁面に沿った
形態で形成されている積層型ガスセンサ素子を得る。ス
ルーホールは、表裏面の導通を要するセラミック層23
bの所定位置に、棒状部31と、これに続く、横断面に
おける寸法が徐々に大きくなっていく拡径部32とを有
するスルーホール形成用治具3を、棒状部31の前端面
から押し込むことにより形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車エンジン等
の内燃機関から排出される排ガス中における特定成分を
検出するための積層型ガスセンサ素子及びその製造方
法、並びにこの積層型ガスセンサ素子を備えるガスセン
サに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジン等の内燃機関において、
その空燃比制御等を目的として、排ガス等の測定対象と
なるガスに含まれる特定成分を検出するための各種ガス
センサ(酸素センサ、炭化水素センサ、NOxセンサな
ど)が開発されている。このようなガスセンサに備えら
れるガスセンサ素子としては種々の形態のものが知られ
ているが、表裏面に導体部を有する長尺のセラミック層
を少なくとも積層した積層型ガスセンサ素子(以下、単
に「素子」ともいう。)が開示されている。
【0003】ところで、このセラミック層の表裏面に形
成された各々の導体部の表裏面を導通する必要がある場
合には、このセラミック層の厚さ方向に貫通するスルー
ホールを設けるのが通常である。つまり、このスルーホ
ール内に導体膜を形成することにより表裏面の導通を図
るのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようにスルーホー
ル内に導体膜を形成するにあたっては、セラミック層と
なる未焼成セラミックシートにスルーホールとなる貫通
孔を穿設した後に、スルーホールの内壁面に沿うように
して導体膜となる導電性ペーストを塗布するのが通常で
ある。しかしながら、従来より、スルーホールの形状
は、セラミック層(未焼成セラミックシート)の厚さ方
向の全長に渡って略同一径の円筒形状となるように形成
する方式が踏襲されている。このために、スルーホール
(スルーホールとなる貫通孔)における開口端縁がエッ
ジ状に形成され易く、スルーホールに対して導電性ペー
ストを塗布する場合に、上記スルーホールの開口端縁に
おいて導電性ペーストからなる塗膜が途切れ易く、若し
くは薄くなりがちであった。そのために、スルーホール
を介しての表裏面の導通を確実に図ることができない恐
れがあった。
【0005】積層型ガスセンサ素子においては、素子の
早期活性化を促進するためにセラミックヒータを一体に
備えた構造が適用されることが多い(例えば、実公平7
−54852号公報参照)。このセラミックヒータは、
セラミック層の表面に発熱抵抗体(導体部)を配設し、
別のセラミック層にて発熱抵抗体を挟持することにより
形成される。また、この発熱抵抗体に電力供給するため
に当該セラミック層の発熱抵抗体が形成される面の反対
側の面に導通端子部を配設し、両者の導通をスルーホー
ルを介して行っているが、このスルーホールにおいて
も、上述したように開口端縁がエッジ状に形成されるこ
とがあると、発滅抵抗体を形成するための塗膜がスルー
ホールの開口端縁にて薄くなりがちである。そして、こ
のように薄くなった状態で発熱抵抗体が形成され、実使
用時において発熱抵抗体に電力供給がなされると、発熱
抵抗体自体が異常発熱を起こす可能性があり、ヒータの
破損を招く恐れがある。
【0006】本発明は、上記の従来の問題点を解決する
ものであり、セラミック層の表裏面の導通を図るに際し
てスルーホールを用いるときに、スルーホールに設けら
れる導体膜が途切れたり、若しくは薄くなることがな
く、確実にセラミック層の表裏面の導通を図ることがで
きる積層型ガスセンサ素子及びその製造方法、並びにこ
の素子を備えるガスセンサを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた第1発明の積層型ガスセンサ素子は、表裏
面に導体部が形成された長尺のセラミック層が少なくと
も積層された積層型ガスセンサ素子であって、上記セラ
ミック層には厚さ方向に貫通するスルーホールが設けら
れ、該スルーホールは、一方の開口面に向かって、上記
厚さ方向と直交する向きにおける断面寸法が徐々に拡径
していく部分を有し、上記セラミック層の上記表裏面に
形成された各々の上記導体部を導通させるための導体膜
が、上記スルーホールの内壁面に沿った形態で形成され
ていることを特徴とする。
【0008】かかる構成では、セラミック層の表裏面に
形成された導体部の導通を図るための上記「スルーホー
ル」が、少なくとも一方の開口面に向かって、セラミッ
ク層の厚さ方向と直交する向きにおける断面寸法が徐々
に拡径していく部分を有する点が着目すべき点である。
換言すると、スルーホールの両開口面を含む形態で断面
(厚さ方向と平行な向きの断面)をとったときに、当該
断面におけるスルーホールが少なくとも一方の開口面に
向かって徐々に拡径していく部分を有しているのであ
る。尚、この徐々に拡径していく部分の形状は特に限定
されるものではなく、テーパ状を呈して拡径されていて
もよいし、凸状のR面形状を呈して拡径されていてもよ
い。
【0009】かかる構成によれば、これまでの単なる円
筒形状のスルーホールに見られたエッジ状の開口端縁が
なくなることから、スルーホールの内壁面に沿った形態
で導体膜を形成するときに、スルーホールの開口端縁に
て塗膜が途切れたり、若しくは薄くなることがない。そ
の結果、セラミック層の表裏面の導通を確実に図ること
ができる。尚、スルーホールにおいて、セラミック層の
厚さ方向と直交する向きにおける断面寸法が徐々に拡径
していく部分は、一方の開口面に向かってのみ設けられ
る必要はなく、両方の開口面に向かって設けられてもよ
いことは言うまでもない。
【0010】上記「セラミック層」としては、その表裏
面に発熱抵抗体、及びその発熱抵抗体に電圧を印加する
ための通電端子部が形成されるもの(発熱抵抗体及び通
電端子部が導体部に相当する。)であって、セラミック
ヒータを構成するセラミック層を挙げることができる。
セラミックヒータを構成することになるセラミック層
は、ジルコニアを主体とする酸素イオン伝導性の固体電
解質にて構成されていてもよく、また、アルミナ等の絶
縁性セラミックから構成されていてもよい。
【0011】更に、このセラミック層としては、表裏面
に検知電極及び基準電極が形成されるもの(検知電極及
び基準電極が導体部に相当する。)であって、酸素濃淡
電池部(検知部)を構成するセラミック層を挙げること
ができる。酸素濃淡電池部を構成するセラミック層はジ
ルコニアを主体とする酸素イオン伝導性の固体電解質に
より構成されていてもよく、上述した絶縁性セラミック
からなるセラミックヒータを一体に備える場合には、上
記固体電解質に対してヒータを構成する絶縁性セラミッ
クを所定割合混合させたものにて構成させてもよい。
【0012】また、この第1発明では、セラミック層の
表裏面に形成される導体部の導通を図るための導体膜
が、スルーホールの内壁面に沿った形態で形成されてい
ることが重要となる。
【0013】ここで、上記スルーホールを用いてセラミ
ック層の表裏面に形成された導体部の導通を図るにあた
り、例えば、スルーホール内に導電材を充填して導通を
図ることが考えられる。この場合には、スルーホールと
なる貫通孔が形成されたセラミック層となる未焼成セラ
ミックシートを準備した後に、貫通孔内に導電性ペース
トを充填して焼成する必要がある。但し、貫通孔内に導
電性ペーストを充填した未焼成セラミックシートを焼成
するにあたっては、未焼成セラミックシートの焼成温度
に合わせて焼成する必要がある。
【0014】そのために、焼成過程における未焼成セラ
ミックシートと導電性ペーストとの収縮率が合わずに、
且つ貫通孔内に充填された導電性ペーストの収縮が未焼
成セラミックシートよりも起き難い場合には、焼成後の
セラミック層にクラックが発生してしまう可能性があ
る。そこで、第1発明では、スルーホールの内壁面に導
体膜が沿った形態で形成されるようにしたことから、上
述したように素子の製造(焼成)過程後において、セラ
ミック層にクラックが発生することを抑制することがで
き、信頼性の高い積層型ガスセンサ素子を提供すること
が可能となる。
【0015】ところで、上記第1発明において、表裏面
に導体部を有するセラミック層が、酸素イオン伝導性固
体電解質にて構成される(以下、固体電解質にて構成さ
れるセラミック層のことを「固体電解質層」という。)
場合には、固体電解質層自体が表裏面の導体部に対して
絶縁層の役目を果たすことになる。例えば、ジルコニア
を主体に構成される固体電解質層は、特定の温度域(2
00℃近傍)以下の温度では十分な絶縁性を有するもの
である。しかし、固体電解質層の温度が特定の温度域を
超えると、固体電解質の絶縁性は低下し、導体部に対し
て十分な絶縁性を保持できなくなる。すると、固体電解
質層の表裏面に配設される導体部間に大きな漏れ電流が
流れることがあり、ブラックニングを誘発し、固体電解
質層(ひいては素子)の耐久性を悪化させることが懸念
される。
【0016】とりわけ、積層型ガスセンサ素子を備える
ガスセンサでは、素子の前方側が内燃機関の排気管内に
位置するように取り付けられる関係上、素子の前方側は
かなりの高温雰囲気に晒される。また、近年では、排ガ
ス規制の強化等により、排気量の小さい内燃機関、例え
ば、二輪自動車においてもガスセンサを設置する必要が
生じ、それに伴いガスセンサ自身、ひいては素子の小型
化が要求されてきている。しかし、素子は小型化される
に従って、固体電解質層(素子)全体が高温雰囲気に晒
され易くなるために、固体電解質層全体が活性化し、ス
ルーホール近傍の固体電解質層の絶縁性が不十分となっ
て、ブラックニングを誘発する可能性が高くなってしま
う。
【0017】そこで、セラミック層が酸素イオン伝導性
固体電解質により構成されるときには、第2発明にある
ように、スルーホールの内壁面に沿った形態で形成され
る導体膜が、絶縁膜を介した状態で形成されるとよい。
【0018】かかる構成では、スルーホールの内壁面に
に沿った形態で絶縁膜が形成され、その絶縁膜上に導体
膜が形成されることから、スルーホール近傍の絶縁性を
高めることができる。その結果、スルーホール近傍の固
体電解質層内に生じる漏れ電流の影響によるブラックニ
ングの発生を有効に抑制することができる。尚、この絶
縁膜の組成としては、絶縁性を有する材料であれば特に
限定されないが、アルミナ、ムライトなどの絶縁性に優
れた材料を主体に構成することが好ましい。
【0019】更に、このように絶縁膜及び導体膜がスル
ーホールの内壁面に沿った形態で形成される場合にも、
上述したように、スルーホールが、少なくとも一方の開
口面に向かって、セラミック層の厚さ方向と直交する向
きにおける断面寸法が徐々に大きくなる部分を有してい
ることから、絶縁膜並びに導体膜がスルーホールの開口
端縁にて途切れたり、若しくは薄くなることがない。そ
の結果、固体電解質から構成されるセラミック層のスル
ーホール近傍における絶縁性と、セラミック層の表裏面
の導通を確実に図れるといった2つの利点を同時に得る
ことができる。
【0020】更に、第3発明のガスセンサは、ガス流通
管に固定される主体金具の内側に、第1発明又は第2発
明に記載の積層型ガスセンサ素子を配置してなることを
特徴とする。このガスセンサの構造や取り付け方法は特
に限定されるものではなく、例えば、積層型ガスセンサ
素子を主体金具の内側に配置してなり、主体金具の外周
面に形成される取り付けねじ部をガス流通管(例えば、
排気管等)に対して素子の前方側がそのガス流通管内に
突出するように固定し、使用に供されることになるもの
を挙げることができる。
【0021】ここで、少なくとも一方の開口面に向かっ
て、セラミック層の厚さ方向と直交する向きにおける断
面寸法が徐々に大きくなる部分を有するスルーホールに
ついては、第4発明のように、前方側に位置する一定の
径を有する棒状部と、この棒状部に続いて径が後方側に
向かって徐々に大きくなっていく拡径部とを備えるスル
ーホール形成用治具を、セラミック層となる未焼成セラ
ミックシートの表裏面の導通を要する部位に対して、棒
状部の前端面から所定位置まで押し込んだ後、引き抜く
工程を経ることにより形成することができる。このよう
な治具を用いてスルーホールを形成することで、第1発
明及び第2発明にある形状を有するスルーホールを容易
に、且つ効率よく形成することができる。このスルーホ
ール形成用治具の材質は特に限定されず、金属、プラス
チック、セラミック等からなるものを使用することがで
きる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の積層型ガスセンサ
素子及びそれを組み込んだガスセンサを実施例により更
に詳しく説明する。 (1)積層型ガスセンサ素子の構造 図1は、本発明の素子の一例である積層型酸素センサ素
子Aの分解斜視図である。素子Aは酸素濃淡電池部1と
ヒータ部2とを備える。酸素濃淡電池部1は、酸素イオ
ン伝導性を有する酸素濃淡電池用固体電解質層11を有
し、この固体電解質層11の一端側(図4において主体
金具4の先端より突出している側である。)の表裏面に
は検知電極部131a及び基準電極部131bが接して
配設されている。検知電極部131a、基準電極部13
1bの各々には、固体電解質層11の長さ方向にリード
部132a及びリード部132bがそれぞれ延設されて
いる。そして、固体電解質層11と、各リード部132
a、132bは、アルミナ系セラミック等からなる酸素
濃淡電池部第1絶縁層12a及び酸素濃淡電池部第2絶
縁層12bにより絶縁されている。尚、リード部132
aの末端部はそのまま電極端子部133aとして使用さ
れる。また、リード部132bの末端部は、電極用スル
ーホール111を介して電極端子14に導通されてい
る。
【0023】一方、ヒータ部2は、高融点金属(Pt又
はPt合金等)により形成される発熱抵抗体21を備え
る。この発熱抵抗体21は、アルミナ系セラミック等か
らなるヒータ部第1絶縁層22a及びヒータ部第2絶縁
層22bが表裏面に形成されたジルコニア等からなるヒ
ータ部第1本体層23aと、アルミナ系セラミック等か
らなるヒータ部第3絶縁層22c及びヒータ部第4絶縁
層22dが表裏面に形成されたジルコニア等からなるヒ
ータ部第2本体層23bと、により挟持されている。ま
た、発熱抵抗体21は、発熱抵抗体用スルーホール23
1及び231’を介して発熱抵抗体端子24及び24’
に導通されている。
【0024】(2)スルーホール形成用治具をセラミッ
ク層に押し込んだ状態、及びスルーホール形成用治具を
引き抜いた後に形成されるスルーホールの断面形状 上記(1)における発熱抵抗体用スルーホール231の
形成には、図2(a)のような縦断面を有するスルーホ
ール形成用治具3が用いられ、これがヒータ部第2本体
層23bを形成することになるセラミックグリーンシー
トに押し込まれる。また、スルーホール形成用治具3を
引き抜いた後に形成されるスルーホール231は、図2
(b)又は(c)のような縦断面を有する。
【0025】このスルーホール231(詳細にはスルー
ホール231となる焼成前の貫通孔)は、ステンレス鋼
製のスルーホール形成用治具3の前端面をグリーンシー
トの所定位置に当接させ、後端側から押圧して押し込ん
だ後、引き抜くことにより容易に形成することができ、
横断面における寸法が略一定の部分2311と、スルー
ホール形成用治具の拡径部32に対応するテーパー部2
312[セラミック層の厚さ方向(図中上下方向)と直
交する向きにおける断面寸法が徐々に拡径する面]とを
有する。
【0026】ここで、スルーホールにおいて、セラミッ
ク層の厚さ方向と直交する向きにおける断面寸法が徐々
に拡径していく部分については、図2(b)の縦断面に
示すように、一方のスルーホール231の開口面に向か
ってのみ設けられる必要はなく、図2(c)の縦断面に
示すように、両方の開口面に向かって設けることも可能
である。このような構成を図るにあたっては、例えば図
2(b)のように形成されたセラミックグリーンシート
のうち、テーパー部2312が設けられた面とは反対側
の面より、スルーホール形成用治具3(尚、このときの
スルーホール形成用治具の棒状部の外径は、図2(b)
のように一方にテーパー部2312を形成する際に用い
たスルーホール形成用治具の棒状部の外径よりも小径で
あることが、スルーホール231の形状を確実に保持う
えで好ましい。)を同様に押し込み、引き抜くことで、
図2(c)の縦断面に示すように、両面にスルーホール
形成用治具3の拡径部32に対応するテーパー部231
2及び2312’を形成することができる。
【0027】また、スルーホール231’も同様の方法
により形成することができ、同様にテーパー部を有する
スルーホール231’を形成することができる。尚、テ
ーパー部については、スルーホール231’の開口面の
一方の面に向かって形成されていてもよいし、両方の面
に向かって形成されていてもよい。
【0028】(3)セラミック層の表面及びスルーホー
ルの内壁面に形成される絶縁層及び導電層(導体膜)の
断面形状 図2(c)に示す縦断面におけるヒータ部第2本体層2
3bを形成することになるセラミックグリーンシートに
おいて、スルーホール231となる焼成前の貫通孔の内
壁面に絶縁用ペーストを塗布し、乾燥させた後、導電用
ペーストを塗布し、乾燥させて絶縁塗膜231i及び導
電塗膜231cが形成された縦断面は、図3(a)の模
式図のようになる[図3(a)にはスルーホールの一方
の内壁面及びその周辺の縦断面のみを示す。]。このよ
うにスルーホール231にテーパー部2312及び23
12’が形成された場合は、各塗膜231i及び231
cが途切れたり、薄くなったりすることがなく、焼成後
の素子においてセラミック層(ヒータ部第2本体層23
b)の表裏面を確実に導通させることができる。一方、
図3(b)は、テーパー部を有さない従来の円筒形のス
ルーホールの一方の内壁面及びその周辺の縦断面であ
り、表裏面のスルーホールの開口端縁近傍において絶縁
塗膜231iが途切れ、導電塗膜231cが薄くなって
いる。
【0029】(4)ガスセンサの構造 図4は、本発明の積層型ガスセンサ素子が組み込まれた
ガスセンサであり、内燃機関の排気管に取り付けられ、
排ガス中の酸素濃度の測定に使用されるλ型酸素センサ
と通称される酸素センサBの一例を示した断面図であ
る。
【0030】この酸素センサBに組み込まれる積層型の
酸素センサ素子Aは、その前方側が主体金具3の先端よ
り突出するように当該主体金具3に形成された挿通孔3
2に挿通されるとともに、挿通孔32の内面と素子Aの
外面との間が、ガラス(例えば、結晶化亜鉛シリカほう
酸系ガラス)を主体に構成される封着材層41により封
着されている。主体金具3の先端部外周には、素子Aの
突出部分を覆う金属製の二重のプロテクタ61、62が
レーザー溶接等によって固着されている。このプロテク
タ61、62は、キャップ状を呈するもので、その先端
や周囲に、排気管内を流れる排ガスをプロテクタ61、
62内に導く通気孔61a、62aが形成されている。
一方、主体金具3の後端部は外筒7の先端部内側に挿入
され、その重なり部分においては、周方向にレーザー溶
接等の接合が施されている。尚、主体金具3の外周部に
は、酸素センサB(主体金具3)を排気管にねじ込んで
取付けるための取付ねじ部31が螺設されている。
【0031】素子Aについては、第1コネクタ51、長
手状金属薄板52、さらに第二コネクタ部53及び絶縁
板(図示せず)(尚、これらを総称して「外部端子」と
いう。)と、リード線9とを介して、図示しない外部回
路と電気的に接続されている。また、都合4本のリード
線9は、外筒7の後端側に位置するグロメット8を貫通
して延びている。
【0032】尚、素子Aの長手方向(軸線方向)におい
て、封着材層41の少なくとも一方の側に隣接する形で
(本実施例では封着材層41の検出部Xに近い端面側に
隣接して)、多孔質無機物質(例えばタルク滑石の無機
物質粉末の圧粉成形体或いは多孔質仮焼体)で構成され
た緩衝層42が形成されている。この緩衝層42は、封
着材層41から軸方向に突出する素子Aを外側から包む
ように支持し、過度の曲げ応力や熱応力が素子Aに加わ
るのを抑制する役割を果たす。
【0033】(5)積層型ガスセンサ素子の製造 酸素濃淡電池部1となる第1組立体の作製 ジルコニア粉末を有機バインダとともに混練した生素地
を用いて、酸素濃淡電池用固体電解質層11となる、7
個の素子を切り出すことができる大きさの未焼成固体電
解質シートを形成した。このシートの素子7個分の検知
電極部131a及び基準電極部131bに対応する所定
の部位を除く表裏面に、アルミナを主成分とする絶縁用
ペーストを印刷し、乾燥させて、酸素濃淡電池部絶縁層
12a及び12bとなる絶縁塗膜を形成した。
【0034】その後、この絶縁塗膜が形成された未焼成
固体電解質シートの所定位置に、図2(a)に示す縦断
面形状を有するスルーホール形成用治具を表裏面から押
し込んで、表裏両面の開口端縁のそれぞれにテーパー面
が形成された電極用スルーホール111となる7個の貫
通孔を形成した。尚、スルーホール形成用治具3の棒状
部31の長さ方向と直交する方向と、拡径部32のテー
パ面とがなす角度α[図2(a)参照]は15〜75
°、特に20〜60°、更には45°程度とすることが
好ましい。
【0035】次いで、その一方の開口面から絶縁用ペー
ストを供給して塗布し、乾燥させ、他方の開口面からも
絶縁用ペーストを供給して塗布し、乾燥させた。その
後、形成された塗膜の表面に、同様に表裏面側から導電
用ペーストを供給して塗布し、乾燥させた。尚、これら
絶縁用ペースト及び導電用ペーストの塗布時には、ペー
ストを供給する開口面側とは反対側から吸引し、塗布が
容易に、且つ均一になされるようにした。次いで、この
未焼成固体電解質シートの表面に白金を主成分とする電
極用(導電用)ペーストを塗布し、乾燥させて、素子7
個分の検知電極部131a、基準電極部131b、リー
ド部132a、132b、電極端子となる末端部133
a及び電極端子14となる各パターンを形成した。これ
により酸素濃淡電池部1となる第1組立体を得た。
【0036】ヒータ部となる第2組立体の作製 ヒータ部第2本体層23bとなる、上述のと同様の未
焼成固体電解質シートを形成し、その表裏面に上述の
と同様の絶縁用ペーストを印刷、乾燥させて、ヒータ部
第3絶縁層22c及びヒータ部第4絶縁層22dとなる
塗膜を形成した。その後、これらの塗膜が形成された未
焼成固体電解質シートの所定位置に素子7個分の発熱抵
抗体用スルーホール231及び231’となる貫通孔
を、上述の電極用スルーホール形成の場合と同様にして
図2(a)に示す縦断面形状を有するスルーホール形成
用治具を用いて形成し、その貫通孔の内壁面に絶縁用ペ
ーストを印刷、乾燥させた。
【0037】更に、ヒータ部第3絶縁層22c及びヒー
タ部第4絶縁層22dとなる塗膜(スルーホール231
及び231’となる貫通孔上の絶縁用ペーストによる塗
膜を含む。)上の所要領域に、Ptを主成分とする発熱
抵抗体ペーストを所定のパターンに印刷、乾燥させ、発
熱抵抗体21、一対の発熱抵抗体端子24及び24’と
なる導体パターン(塗膜)とを各々形成した。そして、
ヒータ部第1絶縁層22aとなる塗膜を形成すべく、発
熱抵抗体21となる導体パターンが形成された第3絶縁
層22cとなる塗膜上に上記絶縁用ペーストを印刷し、
更にヒータ部第1本体層23aとなる上述のと同様の
未焼成固体電解質シートを積層、圧着した。これにより
ヒータ2となる第2組立体を得た。
【0038】尚、ヒータ部を構成するにあたり、アルミ
ナ等の絶縁性セラミックからなる未焼成絶縁性セラミッ
クシートを形成し、そのシートの一表面に発熱抵抗体と
なる導体パターンを印刷し、更にその導体パターンが形
成されたシートの一表面上にもう一枚同じ未焼成絶縁性
セラミックシートを重ねるようにして、発熱抵抗体を埋
設した構造を適用することも可能である。
【0039】組立、脱脂及び焼成工程 により得られた第2組立体にヒータ部第2絶縁層22
bとなる塗膜を形成すべく上記絶縁用ペーストを印刷
し、にて得られた第1組立体を積層し、減圧圧着し
て、未焼成積層体を得た。そして、この未焼成積層体を
素子Aとなるように所定のラインに沿って絶断機にて切
断し、7個分の未焼成素子積層体を切り出した。次い
で、この未焼成素子積層体を大気雰囲気下にて、毎時2
0℃で昇温して、最高温度450℃で1時間保持するこ
とにより脱脂(脱バインダ処理)を行い、その後、15
00℃で1時間焼成することにより積層型ガスセンサ素
子(積層型酸素センサ素子)Aを得た。
【0040】
【発明の効果】第1乃至第2発明によれば、スルーホー
ルの開口端縁において導体膜が途切れたり、薄くなった
りすることがなく、セラミック層の表裏面を確実に導通
させることができる。また、第3発明によれば、この素
子を組み込むことにより安定した性能のガスセンサとす
ることができる。更に、第4発明によれば、第1乃至第
2発明の素子を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型ガスセンサ素子を分解して示す
斜視図である。
【図2】スルーホール形成用治具をセラミック層に押し
込んだ状態の縦断面を示す断面図(a)と、それにより
片面の開口端縁にテーパー面が形成されたスルーホール
の縦断面を示す断面図(b)及び表裏両面の開口端縁に
テーパー面が形成されたスルーホールの縦断面を示す断
面図(c)である。
【図3】セラミック層に設けられたスルーホールの縦断
面形状及びその内壁面等に形成された絶縁層と導電層の
断面形状を、本発明の場合(a)と従来の場合(b)と
で比較して表す模式図である。
【図4】本発明のガスセンサの断面を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
A;積層型ガスセンサ素子、1;酸素濃淡電池部、1
1;酸素濃淡電池用固体電解質層、111;電極用スル
ーホール、12a;酸素濃淡電池部第1絶縁層、12
b;酸素濃淡電池部第2絶縁層、13a;検知電極、1
31a;検知電極部、13b;基準電極、131b;基
準電極部、132a、132b;リード部、133a;
電極端子部となる末端部、14;電極端子、2;ヒータ
部、21;発熱抵抗体、22a;ヒータ部第1絶縁層、
22b;ヒータ部第2絶縁層、22c;ヒータ部第3絶
縁層、22d;ヒータ部第4絶縁層、23a;ヒータ部
第1本体層、23b;ヒータ部第2本体層、231、2
31’;発熱抵抗体用スルーホール、231i;絶縁塗
膜、231c;導電塗膜、231c’;導電塗膜が途切
れている部分、2311;横断面における寸法が一定の
部分、2322;テーパー面、24、24’;発熱抵抗
体端子、3;スルーホール形成用治具、31;棒状部、
32;拡径部、B;ガスセンサ、4;主体金具、41;
取付けねじ部、42;加締め具、5;絶縁体、51;ガ
ラス封着材層、61;タルクリング、62;加締めリン
グ、71、第1プロテクタ、72;第2プロテクタ、
8;ケーシング、9;グロメット、10;リード線。
フロントページの続き (72)発明者 大川 哲平 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 青木 良平 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 2G004 BB04 BC02 BD04 BE04 BE13 BE22 BF18 BF27 BG05 BH09 BJ02 BM07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表裏面に導体部が形成された長尺のセラ
    ミック層が少なくとも積層された積層型ガスセンサ素子
    であって、上記セラミック層には厚さ方向に貫通するス
    ルーホールが設けられ、該スルーホールは、少なくとも
    一方の開口面に向かって、上記厚さ方向と直交する向き
    における断面寸法が徐々に拡径していく部分を有し、上
    記セラミック層の上記表裏面に形成された各々の上記導
    体部を導通させるための導体膜が、上記スルーホールの
    内壁面に沿った形態で形成されていることを特徴とする
    ガスセンサ素子。
  2. 【請求項2】 上記セラミック層は、酸素イオン伝導性
    を有する固体電解質により構成され、上記導体膜は、絶
    縁膜を介して上記スルーホールの内壁面に沿った形態で
    形成されている請求項1記載の積層型ガスセンサ素子。
  3. 【請求項3】 ガス流通管に固定される主体金具の内側
    に、請求項1又は2記載の積層型ガスセンサ素子が配置
    されていることを特徴とするガスセンサ。
  4. 【請求項4】 表裏面に導体部が形成された長尺のセラ
    ミック層が少なくとも積層された積層型ガスセンサ素子
    の製造方法であって、上記セラミック層となる未焼成セ
    ラミックシートの表裏面の導通を要する部位に、前方側
    に位置する一定の径を有する棒状部と、該棒状部に続い
    て径が後方側に向かって徐々に大きくなる拡径部とを備
    えるスルーホール形成用治具を、棒状部の前端面から所
    定位置まで押し込んだ後、引き抜くことにより、少なく
    とも一方の開口面に向かって、上記未焼成セラミックシ
    ートの厚さ方向と直行する向きにおける断面寸法が徐々
    に拡径していく部分を有するスルーホールとなる貫通孔
    を形成する工程を備えることを特徴とする積層型ガスセ
    ンサ素子の製造方法。
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