JP2007218739A - 印刷画像の耐擦性の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷用紙に求められる特性の一つである、印刷画像の耐擦性について、簡便な作
業で正確且つ客観的なデータを提供し得る印刷画像の耐擦性の評価方法を提供すること。
【解決手段】印刷前の印刷用紙の被印刷面にインク中に含まれる高沸点有機溶媒の液滴を
形成し、該印刷用紙の該液滴に対する接触角の経時変化を予め測定しておき、この測定結
果を参照して、液滴形成後からの経過時間が、評価対象である印刷画像の印刷後からの経
過時間に等しい時点における液滴の接触角を求め、該接触角の小さいものほど耐擦性に優
れる(臨界荷重が大きい)と評価する。
【選択図】図6

Description

本発明は、インクジェット記録用紙等の印刷用紙に求められる特性の一つである、印刷
画像の耐擦性の評価方法に関する。
印刷画像の耐擦性(インク色材の定着性)は、印刷用紙上に形成された印刷画像(イン
ク塗膜)の剥がれにくさを示す画像特性であり、耐擦性の優劣は、印刷に使用する印刷用
紙やインクの特性に大きく左右される。例えば、顔料系の色材を含む顔料インクを用いた
インクジェット記録においては、印刷用紙に着弾したインク滴に含まれる色材顔料が印刷
用紙の表層部に留まり、印刷用紙の内部まで入り込まないため、得られる印刷画像は耐擦
性に劣り、指で軽く擦っただけで色材顔料が脱落し、印刷画像に欠損や汚れが生じるとい
う問題がある。そこで、顔料インクや印刷用紙の各メーカーは、印刷画像の耐擦性の改良
を技術課題として掲げ、独自の耐擦性評価基準を設定して、該基準をクリアし得るインク
や印刷用紙等の開発を行っている。
ところで、印刷画像の耐擦性の評価方法としては、印刷画像の表面を、爪、指、布、消
しゴム等で、あるいはサザーランド耐擦性試験機を用いて、数回擦った後の状態を目視で
観察し、「◎:色落ちが全くなし」、「○:若干の色落ちはみられるが、画像としては気
にならない」等のように官能評価する方法が一般的である(例えば、特許文献1〜4参照
)。
しかし、このような従来の耐擦性評価方法は、評価基準が曖昧で、評価の正確性、客観
性の点で問題がある。また、従来の耐擦性評価方法は、例えば印刷用紙の性能の一つとし
て印刷画像の耐擦性を評価する場合、1種類のインクに対して複数種類の印刷用紙(評価
対象)を用意し、これらを用いて印刷物を作製し、各印刷物について複数回にわたって耐
擦性試験を行なうという煩雑な作業が必要であり、より簡便な耐擦性評価方法が望まれて
いた。
特開2002−137553号公報(段落番号〔0024〕) 特開2002−321451号公報(段落番号〔0217〕及び〔0218〕) 特開2004−262232号公報(段落番号〔0077〕) 特開2005−212458号公報(段落番号〔0058〕)
従って、本発明の目的は、印刷用紙に求められる特性の一つである、印刷画像の耐擦性
について、簡便な作業で正確且つ客観的なデータを提供し得る印刷画像の耐擦性の評価方
法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく種々検討した結果、印刷用紙上に形成された印刷
画像の耐擦性は、印刷用紙が有する、インク中に含まれるグリセリン等の高沸点有機溶媒
の吸収特性に大きく左右されることを知見すると共に、この高沸点有機溶媒の吸収特性は
、印刷用紙の、高沸点有機溶媒の液滴に対する接触角と相関性が高いことを知見した。
即ち、インクジェット記録等に使用される顔料インクには、水等の溶媒の他に、保湿や
吐出安定等の目的で通常、グリセリン等の高沸点有機溶媒が添加されているところ、高沸
点有機溶媒は、水等の他のインク溶媒が印刷直後に毛管作用によって印刷用紙に速やかに
吸収され、インク塗膜が形成された後も、該インク塗膜中にて色材顔料の近傍に長時間に
亘って残留する。印刷画像の耐擦性は、このインク塗膜中における高沸点有機溶媒の残留
量と相関があり、該残留量が少ないものほど、印刷画像の耐擦性が良好である。本発明者
らは、こうした知見を得た上で、インク塗膜中における高沸点有機溶媒の残留量と、印刷
用紙の高沸点有機溶媒の吸収特性と、印刷用紙の高沸点有機溶媒の液滴に対する接触角と
の関連性に着目し、本発明に想到したのである。
本発明はこうした知見に基づきなされたものであり、その技術的構成は以下の通りであ
る。
1)印刷用紙上にインクを用いて印刷された印刷画像の耐擦性の評価方法であって、印
刷前の印刷用紙の被印刷面にインク中に含まれる高沸点有機溶媒の液滴を形成し、該印刷
用紙の該液滴に対する接触角の経時変化を予め測定しておき、この測定結果を参照して、
液滴形成後からの経過時間が、評価対象である印刷画像の印刷後からの経過時間に等しい
時点における液滴の接触角を求め、該接触角の小さいものほど耐擦性に優れると評価する
印刷画像の耐擦性の評価方法。
2)印刷用紙上にインクを用いて印刷された印刷画像の耐擦性の評価方法であって、印
刷前の印刷用紙の被印刷面にインク中に含まれる高沸点有機溶媒の液滴を形成し、該印刷
用紙の該液滴に対する接触角の経時変化を予め測定しておき、この測定結果を参照して、
液滴形成後からの経過時間が、評価対象である印刷画像の印刷後からの経過時間に等しい
時点における液滴の接触角を求め、こうして求めた接触角と、種々の印刷用紙について下
記(測定A)及び下記(測定B)をそれぞれ行うことによって得られたデータに基づいて
予め算出された、接触角と臨界荷重との相関直線とを用いて、印刷画像の臨界荷重を算出
し、該臨界荷重を該印刷画像の耐擦性の指標値とする印刷画像の耐擦性の評価方法。
(測定A):印刷用紙の被印刷面に、印刷に使用するインク中に含まれる高沸点有機溶
媒の液滴を形成し、所定時間経過後、印刷用紙の該液滴に対する接触角を測定する。
(測定B):印刷用紙の被印刷面にインクを付着させ、所定時間経過後、付着部分に形
成されたインクの塗膜に対して荷重をかけたときの、該塗膜が印刷用紙から剥離する直前
の荷重を臨界荷重として測定する。
3)上記印刷用紙が、原紙の両面が樹脂層で被覆された樹脂被覆紙上に塗工層を有する
インクジェット光沢紙である上記1)又は上記2)記載の印刷画像の耐擦性の評価方法。
4)上記高沸点有機溶媒が、グリセリンである上記1)〜上記3)の何れかに記載の印
刷画像の耐擦性の評価方法。
本発明の印刷画像の耐擦性の評価方法によれば、印刷用紙に求められる特性の一つであ
る、印刷画像の耐擦性について、簡便な作業で正確且つ客観的なデータが得られる。
特に、上記1)の評価方法は、実質的な作業としては、評価対象である印刷用紙につい
て、予め高沸点有機溶媒の液滴との接触角の経時変化を測定しておくだけでよく、実際に
印刷を行わなくても、その印刷用紙上に形成される印刷画像の耐擦性を評価することが可
能であり、評価作業が極めて簡便である。
また、上記2)の評価方法は、印刷画像の耐擦性を臨界荷重で数値化して表すため、官
能評価によっていた従来の耐擦性評価方法に比して、データの正確性、客観性に優れる。
以下、本発明の印刷画像の耐擦性の評価方法(以下、単に、評価方法ともいう)につい
て詳細に説明する。
本発明の評価方法は、印刷用紙の特性の一つとして印刷画像の耐擦性を評価する際に適
用されるものであり、換言すれば、ある一定の組成のインクに対して、種々の印刷用紙が
印刷画像の耐擦性の点でどのような挙動を示すかについて評価するものである。
本発明の評価方法は、実質的な作業としては、印刷前の印刷用紙の被印刷面にインク中
に含まれる高沸点有機溶媒の液滴を形成し、該印刷用紙の該液滴に対する接触角の経時変
化を測定するだけでよく、印刷用紙に対して実際に印刷を行って印刷画像を作製しなくて
も、その印刷用紙についての印刷画像の耐擦性を評価することができる。これは、以下に
説明するように、高沸点有機溶媒の印刷用紙に対する接触角と、印刷画像の耐擦性との間
の高い相関性によるものである。
印刷画像の耐擦性は、印刷画像を構成するインクの塗膜が印刷用紙から剥離する現象で
あり、その具体的な剥離強度は、インクの塗膜に対して荷重をかけたときの、該塗膜が印
刷用紙から剥離する直前の荷重で表すことができる。この塗膜が剥離する直前の荷重を、
臨界荷重(Critical weight)といい、印刷画像の耐擦性は、臨界荷重を用いることで数
値化することができる。本発明で使用可能な臨界荷重測定器としては、例えば、新東科学
社製の荷重変動型磨耗試験機 HHS2000が挙げられる。
本発明者らは、印刷画像の耐擦性の評価方法について検討する中で、種々の印刷用紙に
ついて、図1に示すように、インクを用いた印刷によって印刷用紙上に形成されたインク
塗膜(印字から60分経過後のもの)に対して、切削ジグ刃を介して荷重をかけていき、
該インク塗膜が印刷用紙から剥離する直前の荷重を臨界荷重として測定する(測定B)と
共に、この剥離によって生じたインク塗膜の切削片に含まれるグリセリン(インク中に含
まれる高沸点有機溶媒)の濃度(グリセリン残留濃度)を熱分解ガスクロマトグラフィー
(PyGC)によって分析・測定したところ、図2に示すように、臨界荷重とグリセリン残留
濃度との間に相関関係があることを知見し、臨界荷重が大きく耐擦性に優れるものほど、
インク塗膜中に残留するグリセリン量が少ないことがわかった。グリセリンは高沸点有機
溶媒であり、評価試験が行われる常温常圧の環境下ではほとんど揮発しないので、インク
塗膜中に残留するグリセリンの量が少ないということは、印刷用紙のグリセリンの吸収性
が高いということ意味し、このことから、グリセリンの吸収性に優れる(グリセリンを素
早く内部に吸収する)印刷用紙は、印刷画像の耐擦性に優れるという結論に達した。
さらに、本発明者らは、煩雑なPyGC分析を要するグリセリン残留濃度に代えて、印刷用
紙のグリセリン吸収性を反映し且つより簡便な作業で求められるパラメータとして、印刷
用紙のグリセリンに対する接触角に注目し、種々の印刷用紙についての該接触角を、上記
(測定A)に従って測定し、得られた種々の印刷用紙についてのグリセリンに対する接触
角(液滴形成後、所定時間経過後の接触角)のデータと、印刷してから所定時間経過後に
おける印刷画像の上記臨界荷重のデータとの間の相関性について検討したところ、図3に
示すように、両者には相関関係があることを知見し、接触角の小さいものほど、臨界荷重
が大きく耐擦性に優れることがわかった。尚、図2及び図3に示す相関関係は、5種類の
印刷用紙(塗工印刷用紙)について、印刷してから60分経過した時点、あるいは液滴形
成(グリセリン滴下)後から60分経過した時点における各種データ(臨界荷重、グリセ
リン残留濃度、接触角)をプロットして得られたものである。
このように、印刷用紙の、インクに含まれる高沸点有機溶媒に対する接触角と、印刷画
像の耐擦性(臨界荷重)との間には強い相関関係があり、本発明は、両者の相関関係を利
用することで、従来の官能評価による耐擦性評価方法では困難な、「簡便な作業で正確且
つ客観的なデータが得られる」という効果を奏するようにしたものである。
本発明の評価方法についてより具体的に説明すると、印刷前の印刷用紙の被印刷面に、
インク中に含まれる高沸点有機溶媒を滴下して該溶媒の液滴を形成し、該印刷用紙の該液
滴に対する接触角の経時変化を測定する。接触角は、図4に示すように、試験片表面Qに
滴下された液滴Pの、試験片表面Qとの接触点X(厳密には、固体,液体及び気体の3相
の接触点)において、液滴Pに引いた接線の試験片表面Qとのなす角のうち、液滴P側の
角度θを指す。接触角θは、一般に、マイクロスコープ等を用いて液滴Pを側面から観察
して該液滴を拡大した写真を撮影し、撮影された液滴Pの側面像の試験片表面Qとの接触
点Xにおける接線の傾きを計測することで求められる。接触角の経時変化は、このような
接触角の測定を、液滴形成後(溶媒滴下直後)から一定時間経過毎に行なうことで求めら
れる。
尚、接触角を測定する際の温度は、特に限定はされないが、温度により接触角が左右さ
れるので、一定の温度下で測定する必要がある。通常、接触角の測定は、25℃の室温下
で行なわれる。
図5は、本発明の評価方法の実施によって得られる測定結果(高沸点有機溶媒の液滴の
印刷用紙に対する接触角の経時変化)の一例を示す図である。この例では、A〜Cの3種
類の印刷用紙についての該接触角の経時変化を示している。本発明の評価方法は、このよ
うな測定結果のグラフを参照することでなされる。例えば、評価対象である印刷画像が、
印刷してからR時間が経過したものである場合、図5を参照して、液滴形成後からの経過
時間がR時間である時点(図5中、Rで示す時点)における各印刷用紙A〜Cの接触角を
求める。こうして求めた接触角(液滴形成後からR時間が経過した時点における接触角)
は、大きい順にA、B、Cとなっているので、印刷後R時間が経過した時点における印刷
画像の耐擦性は、接触角の大きさの順とは逆にC、B、Aの順で優れる(Cが最も耐擦性
に優れる)ということになる。また、評価対象である印刷画像が、印刷してからS時間が
経過したものである場合における耐擦性評価も、上記と同様に図5を参照して図5中、S
で示す時点における各印刷用紙の接触角を求めることで行われ、この場合、耐擦性はB、
C、Aの順で優れることがわかる。
また、本発明の評価方法では、図5に示す如き「接触角の経時変化の測定結果」と、種
々の印刷用紙について上記(測定A)及び上記(測定B)を行なうことによって得られた
データに基づいて予め算出された、図3に示す如き「接触角と臨界荷重との相関直線」と
を用いることにより、評価対象である印刷画像の耐擦性を、臨界荷重の測定値として数値
化することが可能である。即ち、予め求めておいた「接触角の経時変化の測定結果」を参
照して、該測定結果における液滴形成後からの経過時間が、評価対象である印刷画像の印
刷後からの経過時間に等しい時点における液滴の接触角を求め、こうして求めた接触角を
、予め算出しておいた「接触角と臨界荷重との相関直線」に代入することにより、該印刷
画像の臨界荷重を算出する。こうして算出された臨界荷重の数値は、耐擦性評価の対象で
ある印刷画像の耐擦性の指標値となる。
上述した本発明の評価方法は、普通紙、塗工紙等、種々の印刷用紙の耐擦性評価に適用
することができる。中でも、被印刷面の平滑性(光沢性)が高い、いわゆる光沢紙は、印
刷画像の耐擦性が問題となることが多く、本発明の評価方法は、このような光沢紙につい
ての印刷画像の耐擦性の評価に最適である。該光沢紙としては、例えば、原紙の両面が樹
脂層で被覆された樹脂被覆紙上に、塗工層(インク受容層)を有するインクジェット光沢
紙が挙げられる。
また、本発明の評価方法は、上記印刷用紙上に、水を主成分とする水性溶媒に染料や顔
料等の色材を含有させた水性インクを用いて印刷された印刷画像の耐擦性評価に特に有効
である。とりわけ、本発明の評価方法は、インクジェット記録用の水性インクを用いる場
合に有効であり、中でも、印刷画像の耐擦性が問題となるインクジェット記録用の水性顔
料インクを用いる場合に有効である。
本発明の評価方法で用いる高沸点有機溶媒は、インク中に含まれる、常温常圧では殆ど
揮発しない有機溶媒であり、具体的には、常圧で沸点が120℃以上の有機溶媒である。
高沸点有機溶媒は、例えばインクジェット記録用の水性インクにおいて、インクの保湿剤
、吐出安定剤等として使用されている。本発明で用いられる高沸点有機溶媒の具体例とし
ては、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロパンジオール
、ブタンジオール、2−ピロリドン、トリエチレングリコールモノノルマルプロピルエー
テル等のジオール、トリオール、エーテル、アルコール等が挙げられる。特にグリセリン
は、インクジェット記録用の水性インクに一般的に含有されているものであり、該水性イ
ンクを用いた印刷画像の耐擦性評価を行なう場合に適している。
以下に、本発明の実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は斯かる実
施例により何等制限されるものではない。
〔実施例〕
25℃の室温下、下記に示す市販のインクジェット光沢紙A〜Eの各被印刷面(インク
受容層表面)にそれぞれグリセリンを滴下して液滴を形成し、接触角測定器(Data Phisi
cs社製、Contact angle system OCA / High speed camera HS2)を用いて該液滴の経時変
化を測定した。グリセリンの滴下条件は、1滴15μl、滴下速度3μl/秒とした。こ
の測定結果をプロットしたグラフを図6に示す。
(インクジェット光沢紙) A;コニカミノルタ社製、フォトライクQP デラックス、
B;富士写真フィルム社製、画彩アドバンス Hi、C;セイコーエプソン社製、写真用
紙光沢、D;ピクトリコ社製、ハイグロス、E;イルフォード社製、galerie
図6に示す測定結果を参照することにより、インクジェット光沢紙A〜Eについて、印
刷後からの経過時間に応じた印刷画像の耐擦性を評価することができる。例えば、各イン
クジェット光沢紙についての印刷後60分経過時点における印刷画像の耐擦性を評価する
場合、図6に示す測定結果によれば、液滴形成後60分経過時点におけるグリセリン接触
角は小さい順に、(小)B、E、C、D、A(大)であるので、該耐擦性もこの順で優れ
る(Bが最も耐擦性に優れる)と評価できる。
また、上述したように、図6に示す如き測定結果(グリセリン液滴の接触角の経時変化
)と共に、図3に示す如き「接触角と臨界荷重との相関直線」を予め求めておくことによ
り、各インクジェット光沢紙の、印刷後からの経過時間に応じた印刷画像の耐擦性の具体
的強度を、臨界荷重の数値として求めることが可能である。
〔参考例〕
25℃の室温下、インクジェットプリンタ(セイコーエプソン製、PX−G900)を
用いて、上記インクジェット光沢紙A〜Eの被印刷面に対して水性顔料インクのベタ印刷
を行い、印刷物を作製した。こうして得られた印刷物を25℃の室温下で60分間放置し
た後、JIS−K5701に従い、サザーランド耐擦性試験機(東洋精機製NO.468
)を用いて、該印刷物の印刷画像(ベタ印刷部)を20往復摩擦し、摩擦後の印刷画像の
状態を目視で観察して、印刷画像の摩擦による傷の程度を評価(傷が無いものが最高評価
で、傷が少ないほど評価が高い)したところ、印刷画像の耐擦性は、良好な順に、(優)
B、E、C、D、A(劣)となり、上記〔実施例〕の評価結果と同じ結果であった。
インク塗膜の臨界荷重の測定(測定B)の説明図である。 臨界荷重とグリセリン残留濃度との間の相関関係を示す図である。 接触角と臨界荷重との間の相関関係を示す図である。 接触角の測定方法の説明図である。 本発明の実施によって得られる接触角の経時変化の測定結果の一例を示す図である。 本発明の実施例で得られた接触角の経時変化の測定結果を示す図である。

Claims (4)

  1. 印刷用紙上にインクを用いて印刷された印刷画像の耐擦性の評価方法であって、
    印刷前の印刷用紙の被印刷面にインク中に含まれる高沸点有機溶媒の液滴を形成し、該
    印刷用紙の該液滴に対する接触角の経時変化を予め測定しておき、この測定結果を参照し
    て、液滴形成後からの経過時間が、評価対象である印刷画像の印刷後からの経過時間に等
    しい時点における液滴の接触角を求め、該接触角の小さいものほど耐擦性に優れると評価
    する印刷画像の耐擦性の評価方法。
  2. 印刷用紙上にインクを用いて印刷された印刷画像の耐擦性の評価方法であって、
    印刷前の印刷用紙の被印刷面にインク中に含まれる高沸点有機溶媒の液滴を形成し、該
    印刷用紙の該液滴に対する接触角の経時変化を予め測定しておき、この測定結果を参照し
    て、液滴形成後からの経過時間が、評価対象である印刷画像の印刷後からの経過時間に等
    しい時点における液滴の接触角を求め、こうして求めた接触角と、種々の印刷用紙につい
    て下記(測定A)及び下記(測定B)をそれぞれ行うことによって得られたデータに基づ
    いて予め算出された、接触角と臨界荷重との相関直線とを用いて、印刷画像の臨界荷重を
    算出し、該臨界荷重を該印刷画像の耐擦性の指標値とする印刷画像の耐擦性の評価方法。
    (測定A):印刷用紙の被印刷面に、印刷に使用するインク中に含まれる高沸点有機溶媒
    の液滴を形成し、所定時間経過後、印刷用紙の該液滴に対する接触角を測定する。
    (測定B):印刷用紙の被印刷面にインクを付着させ、所定時間経過後、付着部分に形成
    されたインクの塗膜に対して荷重をかけたときの、該塗膜が印刷用紙から剥離する直前の
    荷重を臨界荷重として測定する。
  3. 上記印刷用紙が、原紙の両面が樹脂層で被覆された樹脂被覆紙上に塗工層を有するイン
    クジェット光沢紙である請求項1又は2記載の印刷画像の耐擦性の評価方法。
  4. 上記高沸点有機溶媒が、グリセリンである請求項1〜3の何れかに記載の印刷画像の耐
    擦性の評価方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103242711A (zh) * 2013-05-30 2013-08-14 珠海保税区天然宝杰数码科技材料有限公司 稀释单体在制备低腐蚀性喷墨墨水的应用
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