JP2023171255A - 印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 十分な光沢と良好な滑り性を有する印刷物を提供すること。【解決手段】 印刷が施される表面1aを有する被印刷物1と、上記表面1a上に設けられたインキ層3と、インキ層3を覆うように設けられたニス層5と、を備え、ニス層5が、エマルジョン型水性ニスの乾燥物を含み、ニス層5のヤング率が3.60GPa以下である、印刷物。【選択図】図1

Description

本開示は、印刷物に関する。
印刷物の表面には、表面の艶感を高めるために、表面保護層が設けられることが多い。表面保護層は、従来、UV硬化性樹脂組成物からなる塗膜をUV照射によって硬化させることで形成されていたが、近年の環境意識への高まりから、水性ニスを用いて表面保護層を形成する技術の開発が進められている(例えば特許文献1参照。)。
特開2003-340357号公報
しかしながら、水性ニスにより形成される層の表面は、必ずしも表面の光沢が十分ではなく、艶感に欠けることがある。また、印刷物の製造工程においては、印刷物同士が適度に滑りやすいことが求められるが、表面保護層を水性ニスにより形成した場合、印刷物の滑り性が悪くなる傾向にある。
そこで、本開示の一側面は、十分な光沢と良好な滑り性を有する印刷物を提供することを目的とする。
本開示は、少なくとも下記[1]~[4]を提供する。
[1]
印刷が施される表面を有する被印刷物と、
前記表面上に設けられたインキ層と、
前記インキ層を覆うように設けられたニス層と、を備え、
前記ニス層が、エマルジョン型水性ニスの乾燥物を含み、
前記ニス層のヤング率が3.60GPa以下である、印刷物。
[2]
前記ニス層のヤング率が2.30GPa以上である、[1]に記載の印刷物。
[3]
前記エマルジョン型水性ニスが、異なる樹脂を組み合わせたエマルジョン型水性ニスである、[1]又は[2]に記載の印刷物。
[4]
前記水性ニスが、シリコーン系樹脂とアクリル系樹脂とを含む、[3]に記載の印刷物。
本開示の一側面によれば、十分な光沢と良好な滑り性を有する印刷物を提供することができる。
図1は本開示に係る印刷物の一実施形態を模式的に示す断面図である。 図2は、図1の印刷物の製造方法の一実施形態を模式的に示す断面図である。
本明細書中、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、明記しない限り、「~」の前後に記載される数値の単位は同じである。本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。また、個別に記載した上限値及び下限値は任意に組み合わせ可能である。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
実施形態の印刷物は、印刷が施される表面を有する被印刷物と、上記表面上に設けられたインキ層と、インキ層を覆うように設けられたニス層と、を備え、ニス層が、エマルジョン型水性ニスの乾燥物を含む。
一態様では、ニス層のヤング率が3.60GPa以下である。ニス層のヤング率が3.60GPa以下である場合、印刷物が良好な滑り性を有する。
他の一態様では、ニス層のナノインデンテーション硬さが0.13~0.16GPaである。ニス層のナノインデンテーション硬さが0.13~0.16GPaである場合、印刷物が適度な滑り性を有しながら表面への疵のつきにくさを有する。
以下、図1を参照して、実施形態の印刷物について詳細に説明する。
図1に示す印刷物10は、印刷が施される表面(被印刷面)1aを有する被印刷物1と、表面1a上に設けられたインキ層3と、インキ層3を覆うように設けられたニス層5とを備える。印刷物10は、被印刷物1とニス層5との間にインキ層3が存在する絵柄領域7と、被印刷物1とニス層5との間にインキ層3が存在しない非絵柄領域8とを有する。ただし、本開示の印刷物は、非絵柄領域8を有しなくてもよい。印刷物10は、例えば、食品等の包装用容器である。
被印刷物1は、例えば、紙である。被印刷物1が紙であると、エマルジョン型水性ニスによって上記目的のヤング率及びナノインデンテーション硬さを有するニス層が形成されやすい。紙の具体例として、上質紙、特殊上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、模造紙及びクラフト紙が挙げられる。紙の単位面積あたりの質量は、例えば、20~500g/mであり、25~400g/mであってもよい。被印刷物1は、例えば、紙と樹脂材料とを含む複合材料で構成されていてもよい。
インキ層3は、インキ(例えば油性インキ)で形成された層であり、インキの硬化物(例えば乾燥物)を含む。インキ層3は、オフセット印刷法によって形成された層であってよい。
インキ層3を形成するために用いられるインキは、例えば、着色剤とバインダー樹脂とを含む。インキとしては、例えば、植物油インキを使用することができる。植物油インキの代わりにバイオマスインキを用いてもよい。バイオマスインキは、例えば、着色剤と、ポリオール化合物及びイソシアネート化合物(又はこれらの硬化物)とを含む。この場合、ポリオール化合物及びイソシアネート化合物の少なくとも一方がバイオマス由来成分である。バイオマスインキは、UV硬化型バイオマスインキであってもい。すなわち、インキ層3は、UV硬化型バイオマスインキの硬化物を含む層であってもよい。
インキは、ニス層の表面がより平滑となり、より優れた光沢とより良好な滑り性が得られやすくなる観点から、油性インキであることが好ましい。このような効果が得られる理由は明らかではないが、インキが油性インキである場合、インキ層を形成するための工程(例えばインキの乾燥工程)に要する時間が長くなることで、油性インキがレベリングしてインキ層の表面が平滑になりやすいため、ニス層の表面状態がインキ層の表面状態の影響を受けてより平滑化されると推察される。
インキ中の着色剤の含有量は、インキの固形分全量を基準として、10質量%以上であってよく、50質量%以下であってよく、10~50質量%であってよい。着色剤の含有量が上記範囲にあるインキを使用することで、鮮明な絵柄が得られやすい。なお、上記含有量はインキの固形分全量を基準とする含有量であることから、インキ層中の着色剤の含有量(インキ層の固形分全量基準)がとり得る範囲も上記と同じ範囲である。
インキは、通常、着色剤及びバインダー樹脂の他に溶媒を更に含む。溶媒は、例えば、トルエン、酢酸エチル、キシレン、酢酸nブチル、シクロヘキサノール、イソブチルアルコール等の揮発性有機化合物(VOC)である。インキは、鮮明な絵柄が得られやすくなる観点から、コンクインキであってもよい。コンクインキは、通常のインキよりも溶媒量が少ない(例えば60質量%以下である)インキである。インキ中の溶媒の含有量は、油性インキの全量を基準として、60質量%以下であってよく、30質量%以上であってよく、30~60質量%であってよい。なお、上記溶媒の含有量は、インキ層の形成に用いられるインキ中の溶媒の含有量であり、インキ層自体は溶媒を含まないことが好ましい。
インキ層3の厚さは、特に限定されないが、0.1~1.8μmであってよく、0.2~1.5μm、0.4~1.3μm、又は0.6~1.2μmであってもよい。なお、上記インキ層3の厚さは、図1においてTで示される部分の厚さであり、被印刷物1の表面1aからインキ層3の表面3aまでの距離を意味する。上記インキ層3の厚さは、光学顕微鏡を使用し、光の干渉現象を利用した干渉分光法によって求めることができる。
ニス層5は、エマルジョン型水性ニスの乾燥物を含む。ニス層5は、エマルジョン型水性ニスを用いて塗膜を形成した後、該塗膜を乾燥させることで形成することができる。ニス層5は、インキ層3と同様に、オフセット印刷法により形成された層であってよい。ここで、「エマルジョン型水性ニス」とは、水と、該水中に乳化分散した樹脂とを含む水性ニスを意味する。エマルジョン型水性ニスは界面活性剤等を更に含んでいてもよい。
エマルジョン型水性ニスが含む樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。アクリル系樹脂は、アクリルモノマーをモノマー単位として含む樹脂のみでなく、メタクリルモノマーをモノマー単位として含む樹脂も含む。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。エマルジョン型水性ニスは、より優れた光沢が得らやすくなる観点、及び、ニス層のヤング率を低減しやすくなり、より良好な滑り性が得られやすくなる観点では、2種以上の樹脂を含んでいてよい。すなわち、エマルジョン型水性ニスは、異なる樹脂を組み合わせたエマルジョン型水性ニスであってよい。樹脂の組み合わせとしては、例えば、アクリル系樹脂とウレタン系樹脂との組み合わせ、アクリル系樹脂とシリコーン系樹脂との組み合わせ、ウレタン系樹脂とシリコーン系樹脂との組み合わせ、及び、スチレン系樹脂とアクリル系樹脂との組み合わせが挙げられる。これらの中でも、シリコーン系樹脂を含む組み合わせであるとニス層のヤング率をより低減しやすくなり、アクリル系樹脂を含む組み合わせであるとさらに優れた光沢が得らやすくなる。なお、「異なる樹脂の組み合わせ」には、2種以上の樹脂の混合による組み合わせの他、2種以上の樹脂の結合による組み合わせが含まれる。したがって、スチレン-アクリル系共重合体のように、2種以上の樹脂の組み合わせにより構成されるコポリマーを単独で含むエマルジョン型水性ニスも「異なる樹脂を組み合わせたエマルジョン型水性ニス」である。
ニス層5のヤング率は、例えば、3.60GPa以下である。水性ニス(特にエマルジョン型水性ニス)を用いた場合に滑り性が低下する原因として、水性ニスを用いて形成される層がUV硬化性樹脂組成物の硬化物からなる従来の表面保護層と比較して柔らかい(ナノインデンテーション硬さが小さい)ため、印刷物同士を所定の荷重で接触させた場合に表面同士が押し込まれやすくなり、印刷物同士がより密着することが考えられる。一方、ニス層のヤング率が3.60GPa以下である場合、ニス層の表面同士が強く押し込まれたとしても、反発力が小さく、大きな摩擦が生じないため、結果としてニス層が良好な滑り性を示すと考えられる。ニス層5のヤング率は、より良好な滑り性が得られる観点から、3.50GPa以下又は3.40GPa以下であってもよい。ニス層5のヤング率は、4.20GPa以下、3.80GPa以下であってもよい。ニス層5のヤング率は、印刷物同士が積層された際に、反発力が小さ過ぎることでニス層5の表面が押し込まれ過ぎて変形しやすくなることを防ぐ観点では、2.30GPa以上であってよく、2.80GPa以上、3.10GPa以上又は3.30GPa以上であってもよい。以上のことから、ニス層5のヤング率は、2.30~4.20GPa又は2.30~3.60GPaであってよく、2.80~4.20GPa、2.80~3.80GPa、2.80~3.60GPa、3.10~3.50GPa又は3.30~3.40GPaであってもよい。
ニス層5のナノインデンテーション硬さは、0.11~0.18GPaであってよく、適度な滑り性を有しつつも、印刷物の生産及び輸送時に瑕が付くことを防ぐ観点では、0.13~0.16GPaであってよい。ニス層5のナノインデンテーション硬さは、0.14GPa以上であってもよい。この場合、印刷物同士を接触させた際に一方の表面に微小な突出部が存在したとしても、該突出部が他方の表面に押し込まれて滑り性が低下するといった現象が起こり難くなる。また、ニス層5のナノインデンテーション硬さは、ヤング率が大きくなり過ぎることを防ぐ観点から、0.15GPa以下であってもよい。これらの観点から、ニス層5のナノインデンテーション硬さは、0.14~0.15GPaであってもよい。
上記ニス層のヤング率及びナノインデンテーション硬さは、例えば、ナノインデンターを用いて、10μm視野の形状像内から無作為に選択される5点での測定を約0.5mm間隔で4回実施し、得られた計20点の測定値を平均することで求められる平均値である。ニス層5のヤング率の標準偏差(20点の測定値から求められる標準偏差)は、0.18~0.32であってよい。ニス層5のナノインデンテーション硬さの標準偏差(20点の測定値から求められる標準偏差)は、0.01~0.03であってよい。ニス層のヤング率及びナノインデンテーション硬さの測定条件の詳細は実施例に記載のとおりである。
上記ヤング率及びナノインデンテーション硬さを有するニス層5は、例えば、エマルジョン型水性ニスの組成(例えばエマルジョン型水性ニスに含まれる樹脂の種類や配合量)、ニス層5の塗工条件等を調整することで作製することができる。特に、エマルジョン型水性ニスとして、異なる樹脂を組み合わせたエマルジョン型水性ニスを用いた場合(中でも、組み合わせる樹脂の1種としてシリコーン系樹脂を含むエマルジョン型水性ニスである場合)に、上記ヤング率のニス層5が得られやすい。また、エマルジョン型水性ニス中の樹脂の架橋度を下げることによってヤング率の小さいニス層を作製することは可能である。
ニス層5の厚さは、特に限定されないが、1.9~5.0μmであってよく、2.0~4.0μm又は2.5~3.0μmであってもよい。なお、上記ニス層5の厚さは、図1においてTで示される部分の厚さであり、インキ層3の表面3aからニス層5の表面5aまでの距離を意味する。ニス層5の厚さは光学顕微鏡を使用し、光の干渉現象を利用した干渉分光法によって求めることができる。
インキ層3の厚さとニス層5の厚さの合計は、特に限定されないが、2.0~6.8μmであってよく、2.1~4.5μm又は2.2~4.0μmであってもよい。
印刷物の総厚は、特に限定されないが、10~150μmであってよく、20~130μm又は25~100μmであってもよい。
以上説明した印刷物10は、ニス層5がエマルジョン型水性ニスの乾燥物を含むことから、十分な光沢(表面光沢)を有する。ニス層5の表面5aの光沢度は例えば50以上であり、好ましくは60以上であり、より好ましくは65以上であり、更に好ましくは70以上である。光沢度の上限は、例えば、85である。したがって、光沢度は、50~85、60~85、65~85又は70~85であってよい。ここでいう光沢度は、JIS Z8741-1997に記載の方法に準拠し、60度入射角で測定される値を意味する。光沢度は絵柄領域7と非絵柄領域8とで異なる場合があるが、この場合、光沢度が上記値以上であるとは、白地部分及び色地部分の両方の光沢度が上記値以上であることを意味する。
印刷物10は、例えば、以下の工程(A)、(B)及び(C)を少なくとも含む製造方法によって得ることができる。
(A)被印刷物1上にインキ含有層13を印刷する工程(図2の(a)参照。)
(B)インキ含有層13を覆うように、被印刷物1及びインキ含有層13の上に水性ニスの塗膜15を形成する工程(図2の(b)参照。)
(C)水性のニスの塗膜を乾燥させることにより、水性ニスの乾燥物を含むニス層5を形成する工程(図2の(c)参照。)
インキ含有層13は、インキ層3であってよく、乾燥によって、又は、加熱、UV照射等を起因とする反応によってインキ層3を形成する層であってもよい。インキとして溶媒を含む非硬化性のインキを用いる場合、インキ含有層13を乾燥させることによってインキ層3が得られる。インキとして熱硬化性のインキを用いる場合、インキ含有層13を加熱し、熱硬化させることによってインキ層3が得られる。インキとしてUV硬化性のインキ(例えばUV硬化型バイオマスインキ)を用いる場合、インキ含有層13にUVを照射し、UV硬化させるによってインキ層3が得られる。インキ含有層13が乾燥によって、又は、加熱、UV照射等を起因とする反応によってインキ層3を形成する層である場合、例えば、工程(C)における塗膜15の乾燥の前に、インキ含有層13をインキ層3とするための工程(例えば、インキ含有層13を乾燥する工程、インキ含有層13を加熱する工程、又は、インキ含有層13にUVを照射する工程)を行ってよい。インキ含有層13が乾燥によってインキ層3を形成する層である場合、工程(C)における水性ニスの乾燥によってインキ含有層13をインキ層3としてもよい。インキの乾燥及び水性ニスの乾燥は、上記表面性状を有するニス層5の表面を阻害しない条件で行えばよく、乾燥させるためにUVランプ等により加熱してもよい。インキ含有層13が加熱による反応によってインキ層3を形成する層である場合、工程(C)における水性ニスの乾燥を加熱により行い、該加熱によってインキ含有層13をインキ層3としてもよい。
上記工程(A)においてインキ含有層13の印刷にコンクインキを用いる場合、乾燥時間を短くすることができるという効果が奏される。
上記製造方法では、ロール方式によりインキ層3及びニス層5を形成してよく、チャンバー方式でインキ層3及びニス層5を形成してもよい。
以下、本開示の内容を実施例及び比較例を用いてより詳細に説明するが、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例に係る印刷部を作製するため、以下の材料を準備した。
(1)被印刷物
・コートボール紙(レンゴー株式会社製、310g/m
(2)インキ
・油性インキ:TOYO KING(登録商標)NEXシリーズ(東洋インキ株式会社製)
(3)ニス
・水性ニスA:固形分としてアクリル系樹脂とシリコーン系樹脂を含むエマルジョン型水性ニス
・水性ニスB:固形分としてアクリル系樹脂を含む水性ニス
・水性ニスC:固形分としてアクリル-スチレン共重合体を含むエマルジョン型水性ニス
<実施例1>
(印刷物の作製)
ロール方式で、コートボール紙の表面上にインキ層及びニス層を順次形成して印刷物を得た。この際、インキ層の形成には上記油性インキを用い、ニス層の形成には上記水性ニスAを用いた。また、インキ層はコートボール紙の表面上の全域には形成せず、印刷物が、コートボール紙とニス層との間にインキ層が存在する絵柄領域と、コートボール紙とニス層との間にインキ層が存在しない非絵柄領域とを有するようにした。インキ層の厚さは設計値で1.0μmとし、ニス層の厚さは2.5μmとした。
得られた印刷物のニス層のヤング率及びナノインデンテーション硬さを以下の方法で測定した。なお、ニス層のヤング率及びナノインデンテーション硬さは、理論上インキ層の影響を受けないため、代表的な測定領域として非絵柄領域におけるニス層のヤング率及びナノインデンテーション硬さを測定した。
まず、印刷物の非絵柄領域を2mm×4mmの大きさに切り出し、可視光硬化樹脂D-800に浸漬・硬化させて、樹脂に包埋された評価用試料を作製した。次いで、得られた評価用試料をウルトラミクロトーム(装置:EM UC,ライカマイクロシステムズ製、ダイヤモンドナイフ:LH-5.0MM,マイクロスター製)を用いて切削加工し、印刷物の厚さ方向の断面(ニス層を含む断面)を露出させた。仕上げ条件は速度1mm/sとし、切削厚さは100nmとした。切り出された包埋サンプルの断面に対し、ナノインデンター(TI Premier、ブルカー・ジャパン製)による硬さ試験を行い、ニス層のヤング率及びナノインデンテーション硬さを求めた。ナノインデンターの圧子にはダイヤモンド製のBerkovich圧子を使用し、試験条件は以下のとおりとした。測定結果を表1に示す。
[条件]
・最大深さ:50nm(表面検出荷重1μN、最大深さ40nmで設定した場合の実試験深さ)
・最大深さでの保持時間:1秒
・押込及び引抜速度:50 nm/s
・測定点数:10μm視野の形状像内から無作為に選択される5点での測定を約0.5mm間隔で4回実施(実施例1の試料に対し計20点測定)
・解析:引抜時の荷重20~95%の範囲をOliver-Pharr法で解析
<比較例1>
ニス層の形成に上記水性ニスBを用いたこと、及び、ニス層の厚さを2.2μmとしたこと以外は実施例1と同様にして、印刷物を得た。また、得られた印刷物のニス層のヤング率及びナノインデンテーション硬さを実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
<実施例2>
ニス層の厚さを2.1μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、印刷物を得た。
<実施例3>
水性ニスAに代えて水性ニスCを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、印刷物を得た。
<評価>
以下に示す方法で、実施例1~3及び比較例1の印刷物の評価(滑り性評価及び光沢評価)を行った。
(1)滑り性評価
測定にはAB-502摩擦角測定機(テスター産業株式会社製)を使用した。評価用試料として実施例1~3及び比較例1の印刷物を2つずつ準備した。同じ例の評価用試料のうち一方のコートボール紙の表面を摩擦角測定機の台上に両面テープで固定し、動かないようにした。もう一方の評価用試料のコートボール紙側に1000gのスレッドを両面テープで固定し、摩擦角測定機上に固定された評価用試料の上に、ニス層の表面同士が接するように載置した。この状態で台を徐々に傾けていき、一方の評価用試料が他方の評価用試料上を滑り始めるときの傾き角度(滑り角)を測定した。得られた測定値(滑り角)が20度以下である場合に滑り性が良好であると判断した。測定値(滑り角)を表1に示す。
(2)光沢評価
株式会社堀場製作所製の光沢計(商品名:ハンディ光沢計)を使用して、絵柄領域及び非絵柄領域における光沢度を60度入射角で測定した。測定は、10回繰り返し行い、その平均値を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2023171255000002
1…被印刷物、1a…被印刷物の表面、3…インキ層、3a…インキ層の表面、5…ニス層、5a…ニス層の表面、7…絵柄領域、8…非絵柄領域、10…印刷物。


Claims (4)

  1. 印刷が施される表面を有する被印刷物と、
    前記表面上に設けられたインキ層と、
    前記インキ層を覆うように設けられたニス層と、を備え、
    前記ニス層が、エマルジョン型水性ニスの乾燥物を含み、
    前記ニス層のヤング率が3.60GPa以下である、印刷物。
  2. 前記ニス層のヤング率が2.30GPa以上である、請求項1に記載の印刷物。
  3. 前記エマルジョン型水性ニスが、異なる樹脂を組み合わせたエマルジョン型水性ニスである、請求項1又は2に記載の印刷物。
  4. 前記水性ニスが、シリコーン系樹脂とアクリル系樹脂とを含む、請求項3に記載の印刷物。



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