JP2007218337A - 走行変速装置 - Google Patents

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Junichi Oshita
淳一 大下
Tetsuya Shiroshita
哲也 城下
Noriyuki Yamakawa
紀行 山川
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Abstract

【課題】主変速装置Bの変速目標の油圧クラッチC1〜C4の移行に関わる異常な二重噛合を防止できる、比較的安価な走行変速装置を提供すること。
【解決手段】変速比の異なる少なくとも第1から第4の変速段を油圧クラッチC1〜C4で実行する主変速装置Bと油圧クラッチC1(第1変速段)と油圧クラッチC3(第3変速段)を択一的に有効状態に切り換えることのできる油圧シリンダケース73と、油圧クラッチC2(第2変速段)と油圧クラッチC4(第4変速段)を択一的に有効状態に切り換えることのできる油圧シリンダケース83を備えており、シリンダケース73によって第1又は第3の変速段を有効状態としたときに、シリンダケース83による第2又は第4の変速段の有効状態への切り換えを牽制するパイロット弁113を設けているので、第1又は第3の変速段と第2又は第4の変速段が2重噛みをすることがない。
【選択図】図6

Description

この発明はフルクローラ型トラクタなどの作業車両の走行変速装置に関するものである。
従来、この種のフルクローラ型作業車両には、特開平8−338525号公報に記載の伝動系統図)されているように、エンジンからの動力を油圧多板式の主クラッチと、主変速装置及び第1副変速装置に伝達するように構成し、主変速装置の複数の油圧クラッチと第1副変速装置の複数の油圧クラッチのうちの1つに作動油を供給して、伝動遮断側から伝動側に操作することにより変速操作する油圧クラッチ切換式に構成し、また、第1副変速装置の下手側に、シフト部材のスライド操作により変速操作するギア変速式の第2副変速装置を配置して、この第2副変速装置により低速での走行を行うように構成している。
前記構成において、低速用でギア変速式の第2副変速装置の変速操作は一般に、車体を停止させた状態で行うことが多いが、第2副変速装置の変速操作を行う場合、一般に主クラッチを伝動遮断側に操作して車体を停止させた状態で、変速レバーによりシフト部材をスライド操作して第2副変速装置の変速操作を行うことになる。
上記構成において、第2副変速装置の変速操作を行う場合、一般に主クラッチを伝動遮断側に操作して車体を停止させた状態で、第2副変速装置の変速操作を行うことになるが、主クラッチを伝動遮断側に操作していても、油圧多板式の主クラッチではいわゆる摩擦板の連れ回り現象が生じて、エンジンの動力が主クラッチを介して下手側に少しずつ伝達され、主変速装置及び第1副変速装置から第2副変速装置に伝達されていくことがある。これにより、車体の停止により第2副変速装置の下手側の伝動軸は停止しているのに、第2副変速装置の上手側の伝動軸は、エンジンから少しずつ伝達されてくる動力によって回転しているという状態となる。
従って、変速レバーにより第2副変速装置のシフト部材をスライド操作しようとしても、上手側の伝動軸が回転しているため、伝動上手側と下手側の伝動軸の回転数差により、シフト部材のスライド操作がうまく行えず、変速レバーによる第2副変速装置の変速操作が重いものになることがある。
そこで、特開平8−338525号公報記載の発明では、車体を停止させて変速レバーで第2副変速装置を変速する際に、主変速装置の油圧クラッチを二重噛合させて伝動上手側の伝動軸の回転を停止させ、これにより変速レバーの変速操作を軽く行えるようにした上で、主変速装置で二重噛合を起こしている油圧クラッチが伝動遮断状態にならなかったときに、主クラッチの伝動側への移行を阻止して、変速目標の油圧クラッチが関わる新たな二重噛合の発生を防止できるようにした作業車の変速操作装置を採用している。
特開平8−338525号公報
上記特許文献1記載の走行変速装置は油圧クラッチをソフトウエア上で油圧制御することにより、主変速装置の変速目標の油圧クラッチを伝動側に移行させるときに、変速目標の油圧クラッチが関わる異常な二重噛合を防止できるが、各走行変速装置は多くの油圧クラッチを備えており、各油圧クラッチごとに油圧シリンダが設けられているので、当該油圧シリンダだけでなく油圧シリンダ用の高価な圧力センサとそれらの制御装置との配線などの設備コストがかさみ、高価な設備になる問題点がある。
本発明の課題は、主変速装置の変速目標の油圧クラッチの移行に関わる異常な二重噛合を防止できる、比較的安価な走行変速装置を提供することである。
上記本発明の課題は、次の解決手段により解決される。
請求項1記載の発明は、変速比の異なる少なくとも第1から第4の変速段を備えた主変速装置(B)と、前記第1及び第3の変速段を択一的に有効状態に切り換えることのできる第1油圧アクチュエータ(75a,75b)と、前記第2及び第4の変速段を択一的に有効状態に切り換えることのできる第2油圧アクチュエータ(85a,85b)と、前記第1油圧アクチュエータ(75a,75b)によって第1ないし第3の変速段を有効状態としたときに、前記第2油圧アクチュエータ(85a,85b)による第2ないし第4の変速段の有効状態への切り換えを牽制することのできる牽制手段(113,136など)を設けた走行変速装置である。
請求項2記載の発明は、前記第1油圧アクチュエータ(75a,75b)の2室への送油路間にシャトル弁(109)を設け、該シャトル弁(109)からのパイロット圧によって前記第2油圧アクチュエータ(85a,85b)への送油回路を遮断するようにして前記牽制手段(113,136など)を構成した請求項1記載の走行変速装置である。
請求項3記載の発明は、前記シャトル弁(109)に圧力センサ(110)を設け、該圧力センサ(110)により第1油圧アクチュエータ(75a,75b)の2室のうちの送油側の室に作用する油圧力を検出できるように構成した請求項2記載の走行変速装置である。
請求項1記載の発明によれば、第1油圧アクチュエータ(75a,75b)により第1又は第3の変速段を有効状態としたときに、牽制手段(113,136又は図示しないコントローラ)が第2油圧アクチュエータ(85a,85b)による第2ないし第4の変速段の有効状態への切り換えを牽制することのできるので第1又は第3の変速段のグループと第2又は第4の変速段のグループとにおける2重噛みを防ぐことができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、シャトル弁(109)からのパイロット圧によって前記第2油圧アクチュエータ(85a,85b)への送油回路を遮断するようにして前記牽制手段(113,136又は図示しないコントローラ)を構成したので、高価な油圧センサを各油圧アクチュエータ(75a,75b;85a,85b)の油路に用いる必要がないので、コスト的に有利である。
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加えて、油圧センサを一つ用いるだけで低コストで圧力異常を検知できる。
本発明の実施例の走行変速装置をクローラ式トラクタTに搭載した場合を説明する。
最初にトラクタTの全体構成について説明する。図1にはトラクタTの側面図であり、図2には操縦席周りのレバー類などを示す斜視図である。
トラクタTは、図1に示すように、車体前部にエンジン取付フレーム15を配し、同フレーム15に原動機となるエンジン11を取り付け、このエンジン11後部からエンジン出力軸(図示せず)を突設し、同軸の回転を車体前後方向に配した鋳物製ミッションケース12内の変速装置に伝達する構成となっている。
また前記変速装置により適宜減速された回転動力は、後述するベベルギア16(図3)及び図示しないベベルギア、左右アクスルケース内のスプロケット軸等を介して、左右のクローラ式走行装置1へ伝達する構成となっている。
前記ミッションケース12の上方には、前記フロア20を支持し、このフロア20上に、操向操作部となるステアリングハンドル4や、操縦席21、作業機Rの高さを調整するポジションレバー22、主変速レバー23a、副変速レバー23b、ブレーキペダル24、クラッチペダル9等を設ける構成となっている。
また前記主変速レバー23aと副変速レバー23bの回動基部には、図示しないスイッチ式の主変速センサ及び副変速センサをそれぞれ設け、変速位置を検出する構成となっている。また前記フロア20の左右両側部には、クローラの上方を覆うフェンダー25を設ける構成となっている。
ここで、前記フェンダー25について図1と図2に基づき説明する。左右のフェンダー25は、この上下中間高さに後方へ延設するテーブル状のタンク載置台25aを構成すると共に、この上方を開放して、この開放部に着脱式の燃料タンク10を取り付ける構成となっている。また前記燃料タンク10の上部形状は、前記フェンダー25に沿わせた形状とし、この上面に前後に伸びる取っ手26を設ける構成となっている。これにより、前記燃料タンク10を載置台25aに固定した時に、前記取っ手26がそのまま乗降用のハンドキャッチャーとなる構成となっている。
また、操縦席21下方や後方には、車体の傾斜角を検出するスロープセンサ37等を設ける構成となっている。また前記ミッションケース12の上面には、作業機昇降用アクチュエータとなる昇降用油圧シリンダ30を設け、同シリンダ30のピストンに接続したリフトアーム31を上下回動することにより、リンク機構を介して作業機Rを昇降する構成となっている。なお、リフトアーム31の回動基部にはリフトアーム角センサ33が設けられ、作業機Rの高さを間接的に検出する構成となっている。
また、車体後部のリンク機構の一部には、作業機ローリング用アクチュエータとしてローリング用油圧シリンダ34を取り付け、この作動量を前記シリンダ34に併設するストークセンサ(図示せず)により検出する構成となっている。
また、図1に示す構成例では、前記リンク機構にロータリ作業機Rを取り付ける構成となっている。そして前記ロータリ作業機Rには、このリヤカバー27の回動角度を検出して、トラクタT側の耕深センサへワイヤー(図示せず)を介して接続する連携機構を備える構成となっている。
次に、図3のトラクタTの動力伝達構造の機構図について説明する。
前記エンジン11の出力軸から入力軸14を介してミッションケース12内に入力された回転動力は、まず該入力軸14に設けた減速ギア40によりケース下部に伝達され、後方の主クラッチAへ伝達される。そして、前記主クラッチAにて入切操作された動力は、ミッションケース12内の主変速装置B及び副変速装置Dにより適宜減速され、ベベルギア16を有する副変速出力軸45へ伝達される。前記主クラッチAは主クラッチ軸43上を摺動可能、回転不能に取り付けられた多板式の摩擦板47と、同じく主クラッチ軸43上を摺動可能、回転可能に設けられた摺動部材48と、多板式の摩擦板47と摺動部材48との間に設けられるスプリング49と摺動部材48を多板式の摩擦板47方向に押圧または押圧解除するシフタ51で構成されている。該シフタ51はフロア20上の走行クラッチペタル9で操作される。
主変速装置Bは主クラッチ軸43を中心に3軸上に設けられ、該主クラッチ43の端部の凹部内にニードルベアリング42を介して軸受されている主変速駆動軸52と該主変速駆動軸52と平行位置にそれぞれ配置された第1主変速被駆動軸53と第2主変速被駆動軸54を有しており、また主クラッチ軸43の回転動力は該主クラッチ軸43の後端に設けた伝動ギア56に噛合する大径ギア57を備えた減速軸58に伝達され、該減速軸58の小径ギア60と噛合する主変速駆動軸52の伝動ギア61から該主変速駆動軸52に動力伝達される。
主変速駆動軸52にスプライン係合している大径ギア63と前記第2主変速被駆動軸54上にニードルベアリングを介して軸受された小径減速ギア65とが常時噛合し、前記主変速駆動軸52にスプライン係合している小径ギア44と前記第1主変速被駆動軸53にニードルベアリングを介して軸受されている減速ギア64とがそれぞれ常時噛合している。さらに第1主変速駆動軸52にスプライン係合している大径ギア67と第1主変速被駆動軸53にニードルベアリングを介して軸受されている増速ギア68とが常時噛合している。また、第1主変速駆動軸52にスプライン係合している大径ギア69と第2主変速被駆動軸54にニードルベアリングを介して軸受されている増速ギア71とが常時噛合している。
第1主変速被駆動軸53には、相対回転不能に固定したシリンダケース73が設けられている。該シリンダケース73は2重の円筒体形状をしており、その内側の円筒体73aと外側の円筒体73bとの間隔を保持する軸53に直交する方向に壁体73cを有しており、前記外側の円筒体73bと前記減速ギア64との間に複数の摩擦板が互いにスプライン係合して、軸方向に摺動可能に設けられたクラッチシリンダ(第1油圧アクチュエータ)が形成されている。このクラッチシリンダがエンジン駆動力の入力軸14側の1速用のクラッチC1を構成し、また外側の円筒体73bと前記増速ギア68との間に複数の摩擦板が互いにスプライン係合して、軸方向に摺動可能に設けられたクラッチシリンダが形成されており、このクラッチシリンダが出力軸45側の3速用のクラッチC3を構成している。
また1速用のクラッチC1には、シリンダケース73の中央の壁体73cの側にある入力軸14側のピストン75aが軸方向に摺動可能に設けられ、第1主変速被駆動軸53の中心軸部の油路から、シリンダケース73の壁体73cを経由して入る作動油が前記ピストン75aを壁体73cの側から入力軸14側に向けて複数の摩擦板を押圧することで主変速駆動軸52から小径ギア44、減速ギア64及びクラッチC1を経由してシリンダケース73を介して前記第1主変速被駆動軸53に駆動力が伝達される。
第1主変速被駆動軸53の後端部にスプライン係合している筒状部材76が設けられ、該筒状部材76の外周にはスプライン(又は爪部)77とギア90が設けられている。
また副変速装置Dには小径ギア78と大径ギア79からなる2段ギアが設けられ、この2段ギアが第1主変速被駆動軸53と同軸上にある副変速出力軸45にスプライン係合している。
副変速装置Dの小径ギア78の内周に形成されたスプライン(又は爪部)が筒状部材76の後端外周のスプライン(又は爪部)77に係合すると、第1主変速被駆動軸53の回転動力が出力軸45に出力される。
また、副変速装置Dの2段ギアのうちの大径ギア79は主変速駆動軸52の外周に設けられた外周軸80に固定のギア81に噛合可能に構成されているので、ギア79,81が噛合すると前記クラッチC1,C3に関係なく入力軸14からの動力は主変速駆動軸52から前記大径ギア79を経由して出力軸45に出力される。
また3速用のクラッチC3には、シリンダケース73の中央の壁体73cの出力軸45側にあるピストン75bが軸方向に摺動可能に設けられ、第1主変速被駆動軸53の中心軸部の油路から、シリンダケース壁体73cを経由して入る作動油が前記ピストン75bを壁体73cの側から出力軸45側に向けて複数の摩擦板を押圧することで主変速駆動軸52から大径ギア67、増速ギア68及びクラッチC3を経由してシリンダケース73を介して前記第1主変速被駆動軸53に伝達され、該第1主変速被駆動軸53の後端部に取り付けされた筒状部材76の後端外周のスプライン(又は爪部)77と副変速装置Dの小径ギア78の内周に形成されたスプライン(又は爪部)の係合で、出力軸45に出力される。
主変速駆動軸52と平行位置に配置された第1主変速被駆動軸53との間に設けられるギア伝達機構と同様の構成が、主変速駆動軸52と第2主変速被駆動軸54の間にも設けられていて、2速用のクラッチC2と4速用のクラッチC4を構成している。
ただし、主変速駆動軸52にスプライン係合している大径ギア63が第2主変速被駆動軸54にニードルベアリングを介して軸受されている小径減速ギア65と常時噛合し、第2主変速被駆動軸54に相対回転不能に固定した2重の円筒体形状のシリンダケース83を備えている。該シリンダケース83の内側の円筒体83aが第2主変速被駆動軸54にスプライン係合し、該内側の円筒体83aと外側の円筒体83bとの間隔を保持する軸54に直交する方向に壁体83cを有しており、前記外側の円筒体83bと前記小径減速ギア65との間に複数の摩擦板が互いにスプライン係合して、軸方向に摺動可能なクラッチシリンダ(第2油圧アクチュエータ)が設けられている。このクラッチシリンダが入力軸14側の2速用のクラッチC2を構成し、外側の円筒体83bと増速ギア71との間に複数の摩擦板が互いにスプライン係合して、軸方向に摺動可能なクラッチシリンダが設けられており、このクラッチシリンダが出力軸側の4速用のクラッチC4を構成している。
また、2速用のクラッチC2には、シリンダケース83の中央の壁体83cの側にある入力軸14側のピストン85aが軸方向に摺動可能に設けられ、第2主変速被駆動軸54の中心軸部の油路から、シリンダケース83の壁体83cを経由して入る作動油がピストン85aの壁体83cの側から入力軸14側に向けて複数の摩擦板を押圧することで主変速駆動軸52から大径ギア63、小径減速ギア65及びクラッチC2を経由して伝達された駆動力がシリンダケース83を介して第2主変速被駆動軸54に伝達される。
4速用のクラッチC4には、シリンダケース83の中央の壁体83cの側にある出力軸45側のピストン85bが軸方向に摺動可能に設けられ、第2主変速被駆動軸54の中心軸部の油路から、シリンダケース83の壁体83cを経由して入る作動油がピストン85bの壁体83cの側から副変速出力軸45側に向けて複数の摩擦板を押圧することで主変速駆動軸52から大径ギア69、増速ギア71及びクラッチC4を経由して伝達された駆動力がシリンダケース83を介して第2主変速被駆動軸54に伝達される。
また、第2主変速被駆動軸54の後端部にスプライン係合している筒状部材87が設けられ、筒状部材87の外周に設けたギア88は主変速駆動軸52の外周に設けられた外筒軸80に遊嵌したギア89と常時噛合し、さらに該ギア89は第1主変速被駆動軸53の後端部にスプライン係合した筒状部材76の外周に設けられたギア90とも常時噛合しており、ギア90と一体のスプライン(又は爪部)77が副変速装置Dの小径ギア78の内周に形成されたスプライン(又は爪部)と係合することで、第2主変速被駆動軸54から伝達される動力は副変速装置Dの2段ギアのうちの小径ギア78を経由して出力軸45に出力される。
なお、上記1速用のクラッチC1と3速用のクラッチC3とを作動させるピストン75a,75bを第1油圧アクチュエータと総称し、2速用のクラッチC2と4速用のクラッチC4とを作動させるピストン85a,85bを第2油圧アクチュエータと総称することにする。
次に左右のクローラ走行装置1,1の作動機構について説明する。
図4には、ミッションケース12の後部の側断面図を示し、図5(a)には図4のA−A線の断面図を、図5(b)に図4のB−B線の断面図を示す。リアミッションケース13の左右側方にはアクスルケース125があり、このアクスルケース125によりクローラ式走行装置1を支持している。前記リアミッションケース13の左右側壁間に支持軸132を枢着し、この支持軸132の図面の中央より偏った位置に前記副変速出力軸45のベベルギア107と噛み合うベベルギア127をスプライン係合し、このベベルギア127と左右対称位置にブレーキディスク128を設けている。
そして、ブレーキペダル24とブレーキディスク128をリンク機構(図示せず)で接続し、ブレーキペダル24の踏み込み操作によりブレーキディスク128を圧着することによって、支持軸132の回転、即ち左右クローラ走行装置1,1の回転を制動するように構成している。また、前記支持軸132の左右両端部には減速ギア組135を設け、この減速ギア組135を介して前記ベベルギア127の回転をアクスルケース125内の入力軸129に伝動する。
前記アクスルケース125の内部には正逆転切換装置137を配置してあり、この正逆転切換装置137は、前記入力軸129と、この入力軸129の一端部側に入力軸129に同軸に枢着された出力軸180と、入力軸129と出力軸180の間に介装された二段遊星歯ギア機構138と、この二段遊星歯ギア機構138のキャリア139に設けられた湿式多板型の正転用クラッチ140(車体外側)及び逆転用クラッチ141(車体内側)とから構成している。
なお、前記キャリア139は、対峙する2面間に二段遊星歯ギア機構138を構成している第一のキャリア139aと、正転用クラッチ140及び逆転用クラッチ141を設けている第二のキャリア139bとがボルト締めにて一体に構成している。
前記二段遊星歯ギア機構138の構成は、前記入力軸138aの一端部に入力側サンギア142を固着するとともに、前記出力軸180の一端部に出力側サンギア143を固着している。また、この入力軸138a及び出力軸180の軸周りに前記第一のキャリア139aを逆転自在に取り付けるとともに、この第一のキャリア139aには入力軸138aを中心とする同一円周上に複数本の第一キャリアピン144,144・・・を設ける。本実施例の形態では、同一円周上に等間隔で3本の第一キャリアピン144を設けている。
そして、それぞれの第一キャリアピン144に入力側プラネタリギア145ならびに出力側プラネタリギア146を同軸かつ一体に枢着する。更に、前記キャリア139には第一キャリアピン144と同数の第二キャリアピン147を同一円周上に等間隔で設け、それぞれの第二キャリアピン147にカウンタギア148を枢着し、このカウンタギア148を前記出力側プラネタリギア146と出力側サンギア143の双方に噛み合わせている。すなわち、第一のキャリア139aの対峙する二面間に第一及び第二のキャリアピン144,147を設けて、2段6軸の遊星歯ギア機構の構成としている(図5)。
なお、第一のキャリア139aの外側面にはキャリアピン固定プレート149をボルト締めしており、このキャリアピン固定プレート149の第一のキャリア139aの外形よりも大にして外縁部よりも外側へ張り出させるとともに、キャリアピン固定プレート149の先端を折り曲げて切り欠き部149aを設け、回転センサ(図示せず)により切り欠き部149aの回転を読み取るようにしている。従って、第一のキャリア139aの固定と回転の状態がダミーギアを用いずして、簡単に検出することができる。また、キャリアピン固定プレート149の先端を折り曲げてあるので、周囲の油が攪拌されて冷却性能を向上させることができる。
一方、前記正転用クラッチ140と逆転用クラッチ141は第二のキャリア139bの隔壁139cを挟んでそれぞれが反対側に設けられ、正転用クラッチ140の駆動ディスク140aは入力側サンギア142、すなわち入力軸129と一体に係合し、正転用クラッチ140の被駆動ディスク140bは第二のキャリア139bと一体に係合している。
また、前記駆動ディスク140aと被駆動ディスク140bを交互に重ね合わせて、その隔壁139c側に押圧板152を設け、この押圧板152と前記隔壁139cとの間にスプリング153を介装し、このスプリング153は、押圧板152を車体外側へ押して駆動ディスク140aと被駆動ディスク140bを圧着するように付勢されている。
これに対して、逆転用クラッチ141の駆動ディスク141aはアクスルケース125と一体に係合し、逆転用クラッチ141の被駆動ディスク141bは第二のキャリア139bと一体に係合している。
また、前記駆動ディスク141aと被駆動ディスク141bを交互に重ね合わせて、その隔壁139c側に押圧板154を設け、この押圧板154と前記隔壁139cとの間に油圧ピストン155を介装し、更に、前記正転用クラッチ140の押圧板152と逆転用クラッチ141の押圧板154とを連結棒156にて連結し、前記双方の押圧板152、154が一体に移動するように構成する。従って、油室157に圧力油が供給されると油圧ピストン155が押圧板154を車体内側へ押し、駆動ディスク141aと被駆動ディスク141bを圧着するように構成している。
アクスルケース125には油路176を設け、この油路176を入力軸129に設けた油路177へ接続し圧油を油室157へ送るようにしている。油路176の入口は、図示しない制御ブロックに連結したパイプに連結している。
なお、図示しないが前記クラッチ140,141作動用の左右の比例減圧弁は圧油を送油するためミッションケース12内に配置したパイプで連結している。
そして、前記出力軸180の他端部は、アクスルケース125の外側解放部を遮蔽する蓋体158と一体的に組み付ける構成となっており、この蓋体158は前記アクスルケース125と同様の鋳造製であって、前記アクスルケース125との接続用ボルト孔159・・・を有する外蓋部158aと、この外蓋部158aの内面にボルトにより取り付けて、面を覆う内蓋部138bと、前記外蓋部158aと内蓋部158b間に介在させるリングギア160等から構成されている。
また、前記外蓋部158aと内蓋部158bとの間にパック上の空間部161を形成し、この空間部161内には、出力軸150と同軸にアクスル41の一端部を枢着するとともに、前記出力軸150の回転を減速させてアクスル41へ伝達する遊星歯ギア機構163を内装してある。
この遊星歯ギア機構163は、前記出力軸150の他端部に固設されたサンギア164と、アクスル41の一端部に固設されたキャリア165と、該キャリア165に設けたキャリアピン166と、このキャリアピン166に枢着され且つ前記サンギア164並びにリングギア160の双方に噛合するプラネタリギア167とから構成されている。
また、この遊星歯ギア機構163は、ホイール仕様とクローラ仕様とを相互に変更する場合や、ホイール仕様の車輪径を変更する場合等、トラクタの仕様変更に応じて任意に減速比を変更できるような機構であってもよい。なお、出力軸には回転数検出用ギア168が固着され、該回転数検出用ギア168に対して非接触型の回転センサ169に近接配置し、左右クローラ走行装置1,1への出力回転数を検出できるように構成されている。
次に、前記正逆転切換装置137の動作について説明する。通常は前記スプリング153が押圧板152を介して正転用クラッチ140の各ディスク140a、140bを圧着しており、この状態では、正転用クラッチ140の駆動側ディスク140aと係合する入力側サンギア142と、被駆動ディスク140bと係合するキャリア139とが一体回転するので、前記入力軸129の回転が入力側サンギア142から出力側サンギア143へ1対1の回転比で伝達され、入力軸129と出力軸180とが同一方向へ同一回転数にて回転する。
一方 、前記逆転用クラッチ141の油室157へ圧力油を送り込むと、油圧ピストン155が押圧板154を押圧して、逆転用クラッチ141の各ディスク141a、141bを圧着する。この状態では、逆転用クラッチ141の駆動側ディスク141aと係合するアクスルケース125と、被駆動ディスク131bと係合するキャリア139とが一体となるので、該キャリア139が回転しない。
従って、前記入力軸129の回転は入力側サンギア142から入力側プラネタリギア145へ減速されて伝わり、更に、出力側プラネタリギア146からカウンタギア148を介して出力側サンギア143へ減速且つ逆回転で伝達され、入力軸129と出力軸180とが逆方向へ回転し、その回転数は2段階遊星歯ギア機構170の各ギア比に応じて所定回転数に減速される。
ここで、前記正転用クラッチ140が入り状態で、入力軸129と出力軸180とが同一方向で同一回転数にて回転している場合に、前記油圧ピストン155によって逆転用クラッチ141の押圧板154が押されたときには、該押圧板154と前記正転用クラッチ140の押圧板152とが連結棒156にて連結されているため、双方の押圧板152、154が一体に車体内側方向へ移動する。
従って、逆転用クラッチ141の各ディスク141a、141bが圧着されているのに伴い、正転用クラッチ140の各ディスク140a、140bはスプリング153の付勢に抗して徐々に解除していく。
すなわち、前記油室157へ供給する油圧の上昇に応じて、前記正転用クラッチ140に滑りが生じるとともに逆転用クラッチ141が半クラッチ状態で接続され、出力軸180の回転数が低下する。
こうして、片側のアクスル41の回転数が低下し、クローラ1の駆動速度が減速される。前記油室157へ圧力油を送り続けて、油圧ピストン155の移動量を図中車体内側に増加すると、前記正転用クラッチ140の駆動用ディスク140aと被駆動用ディスク140bの圧着が完全に解除されて前記出力側サンギア143の回転はゼロとなり、片側のクローラ1の回転が停止して正逆転切換装置137が正転状態から切り状態となる。
この切り状態を経て、更に前記油室157へ圧力油を送り続ければ、逆転用クラッチ141の駆動ディスク141aと被駆動側ディスク141bが徐々に圧着されて出力側サンギア143が逆回転し、片側のクローラ走行装置1が逆方向に駆動されて正逆転切換装置137が逆転状態になる。
次に、前記トラクタTの動力伝達構造の作動用の油圧回路について図6に基づき説明する。
油圧ポンプ92は、エンジン11の駆動により油圧タンクでもあるミッションケース12内の作動油を吸い上げ、この作動油を図示しない作業機操作系油圧回路L1と走行系油圧回路L2に分岐する構成なっている。
走行系油圧回路L2の作動油供給系の上流部には、減圧弁93が設けられており、作動油は減圧弁93の回路下手側から分岐されて、1速用と3速用のクラッチC1,C3を備えたシリンダケース73内へ切替弁94を介して送り込まれる油路96と該油路96から分岐して右旋回クラッチ用のシリンダケース98内に比例圧力制御弁99を介して送り込まれる油路100を備えた構成と、2速用と4速用のクラッチC2,C4を備えたシリンダケース83内へ切替弁101を介して送り込まれ油路103と該油路103から分岐して左旋回クラッチ用のシリンダケース104内に比例圧力制御弁105を介して送り込まれる油路106を備えた構成となっている。
また、1速用と3速用のクラッチC1,C3を備えたシリンダケース73の上手側であって切替弁94の下手側にはシリンダケース73内の左右の各油室への送油と排油を行う油路108,108を該左右の油室ごとに接続し、この中の高圧側となる油路から低圧側となる油路に作動油が送られないようにするシャトル弁109が設けられており、またシャトル弁109内の油路の作動油の圧力を検知する圧力センサ110が設けられている。
さらにシャトル弁109からシャトル弁パイロット油路112が設けられており、該シャトル弁パイロット油路112の油路103との交差部分には油路103の開閉を行うパイロット弁113が設けられている。このパイロット弁113には通常時には油路103を開放して2速用と4速用のクラッチC2,C4に送油可能とするが、シャトル弁109による1速用と3速用のクラッチC1,C3のうちのいずれか一方のクラッチへの送油が行われると、シャトル弁パイロット油路112内の圧力が高まり、パイロット弁113が油路103を閉じて2速用と4速用のクラッチC2,C4に送油できないように牽制する。なお、各クラッチC2,C4は、シリンダケース83内の左右の各油室への送油と排油を行うことで作動制御される。
また、1速用と3速用のクラッチC1,C3のうちのいずれか一方のクラッチを入り状態にしたときに、圧力センサ110が前記入り状態を検出し、図示しないコントローラの指示により同時に2速用と4速用のクラッチC2,C4への送油用の切替弁101の切り替えを牽制することができるように構成する。
本実施例の上記構成により、1速−3速クラッチC1,C3のシリンダケース73と2速−4速クラッチC2,C4のシリンダケース83に特開平8−338525号公報記載の走行変速装置に設置されているように各クラッチシリンダにそれぞれ高価な圧力センサを設ける必要がなくなる。更に、またパイロット弁113が作動しなくなる不具合が生じたときには、2速用と4速用のクラッチC2,C4への送油を切り替える切替弁101の切り替え作動を牽制することにより、クラッチC1〜C4の2重噛みを防ぐ2重の安全手段とすることができる。
本実施例の構成は、例えば1速−3速クラッチC1,C3のうちの一方の高圧側の油圧を圧力センサ110で検出すると同時にパイロット圧としてパイロット弁113に作動油を供給して2−4速クラッチ操作用の切替弁101側へは作動油が流れない構成であり、更に、前記圧力センサ110の検出結果によってクラッチC1とC3のうちのいずれかが入り状態になったことが判定されると、コントローラによってクラッチC2,C4への送油を切り換える切替弁101の送油位置への切り替え作動を牽制する構成である。
また、1速−3速クラッチC1,C3と2−4速クラッチC2,C4は両方ともソレノイドタイプの切替弁94,101で作動するため、1速−3速クラッチC1,C3と2−4速クラッチC2,C4共にそれぞれ一方のクラッチにしか作動油が流れない構成であるため、1速クラッチC1と3速クラッチC3の2重噛みと2速クラッチC2と4速クラッチC4の2重噛みをそれぞれ防止できる。
また、シャトル弁109とパイロット弁113で2−4速クラッチC2,C4の作動が牽制されても左旋回クラッチ104への作用油を送る油路106は、パイロット弁113が介在する油路103を迂回しているので車両の左旋回が可能である。
また、前記圧力センサ110により、1速−3速又は2−4速用の切替弁94,101のソレノイドバルブ出力に応じた1速−3速クラッチC1,C3と2−4速クラッチC2,C4が適切な油圧になっているかを判断してモニター又はブザー等のエラー表示手段によりオペレータへ伝達できる構成にしても良い。なお、この場合には2−4速クラッチC2,C4用の圧力センサ110を設けるが、図6には点線で示している。
なお、本実施例の構成では、圧力センサ110が無くても2重噛みは防止できるが、仮に2速−4速クラッチC2,C4の切替弁101のソレノイドバルブが作動しても1速−3速クラッチC1又はC3に圧油が供給されているときには、1速−3速クラッチC1,C3の作動だけでトラクタTが走行するだけである。そのため圧力センサ110を2速−4速クラッチC2,C4側に設けていないためにエラー表示ができないのでオペレータへ2−4速クラッチC2,C4の切替弁101のソレノイドバルブが作動していることを伝達できない。しかし、この場合には、2速−4速クラッチC2,C4の切替弁101のソレノイドバルブが作動していることを知らせる異常表示ランプを点滅させるなどの構成を採用することで対応できる。
前記図6に示す油圧回路における1速−3速クラッチC1,C3の切替弁94と2速−4速クラッチC2,C4の切替弁101の同時作動牽制用のパイロット弁113の詳細構成断面図を図7に示す。
シート面121aを有するカートリッジ形状ボデー121にポペット122とピストン123を内蔵し、ポペット122にはパイロット弁113に圧力が発生しない時(中立時という)にシート面121aとポペット122が離れるよう付勢スプリング124を止め輪123aにより支持させて、ピストン123の受圧面積がポペット122の受圧面積より大きくなるようにし、パイロット圧を受けてポペット122をカートリッジ形状ボデー121のシート面121aに当接するように作動させるように構成している。
前記シート面121aにポペット122が当接すると油路103が閉じる。また、カートリッジ六角部に油路126aが形成されるアダプタ126を装着し、該アダプタ126内の油路126aにシャトル弁109からの作動油を導入してアダプタ126の端面126bをピストン123のストッパとした構成である。
従ってシャトル弁109側からの作動油の油路126aに作動油が供給され、ピストン123を押圧し、該ピストン123の押圧力でポペット122がスプリング124の付勢力に抗して図面左側に移動すると油路103が閉じる。ピストン123の直径d1に比較して油路103の直径d2を小さくすると、シャトル弁109側からの作動油の押圧力で確実にポペット122が油路103を閉じる方向に移動する。
また図8に示すように、シャトル弁109とパイロット弁113の構成とこれらの弁109,113が設置されるハウジングH側の穴形状を同一形状とすることで、ハウジングHを共用化でき、ハウジングHの加工費、ハウジングHの作製工数等の低減化ができ、コストダウンが図れる。なお、ハウジングHの穴形状を同一形状とするとは、ハウジングHの穴の直径、穴の深さ(厚み)及びハウジングH内に設けるそれぞれ油路Y1、Y2と油路103、Y3の設置位置などを同じにすることである。
また図示しないが、前記パイロット弁113を構成するカートリッジ形状ボデー、ポペット122およびピストン123などを他のトラクタT又はトラクタT以外の他の機器で使用する部材を転用できる形状にすると、新規部品を新たに製造、調達することなく、コスト的に有利なパイロット弁113が得られる。
さらに、本実施例では圧力制御によって左右の車軸のうちのいずれか一方又は両方を減速させ、更に逆転にまで至らしめる旋回・リバースクラッチ98,104に圧力制御のために比例弁99,105とすることが必要であるが、1速−3速クラッチC1,C3又は2−4速クラッチC2,C4の切替弁は比例減圧弁とせず、単なるオンオフ切替弁94,101とすることで生産コストを低減させることができる。
図9には遊星ギアとクラッチの組合せによる前後進・旋回ができ、なおかつ主変速系にも油圧クラッチで変速するフルクローラのミッション構成の油圧回路として、減圧弁93と1速−3速クラッチC1,C3及び2速−4速クラッチC2,C4の各ソレノイドタイプの切替弁94,101と左右の各旋回クラッチ98,104の電磁比例減圧弁99,105の組合せを採用しても良い。
この油圧回路の構成では1速−3速クラッチC1,C3に各々に圧力センサ127,128が設けられており、2速−4速クラッチC2,C4に各々に圧力センサ130,131が設けられており、1速−3速クラッチC1,C3と2速−4速クラッチC2,C4の各圧力センサ値をそれぞれの圧力センサ127,128;130,131で検出する。これら圧力検出値に基づき図示しないコントローラにより、1速−3速クラッチC1,C3のいずれかが作動しているときには2速−4速クラッチC2,C4の作動を牽制でき、また2−4速クラッチC2,C4のいずれかが作動しているときには1速−3速クラッチC1,C3の作動を牽制できる。さらに1速−3速クラッチC1,C3と2−4速クラッチC2,C4とはそれぞれそれぞれがソレノイドタイプの切替弁94,101で1速と3速のクラッチC1,C3の間及び2速と4速のクラッチC2,C4の間でそれぞれクラッチ切り替えが行われるだけであるので、それぞれ2重噛みを防止できる。
また、各組のクラッチC1,C3とクラッチC2,C4でそれぞれ1つのクラッチのみが作動するようにソフトウエア上で牽制するが、2以上の圧力センサが所定値以上の油圧を検出すると、コントローラが異常と判断して、異常表示をすることもできる。
図10には、図3に示すミッション構成の油圧回路として、図9に示す油圧回路の1速−3速クラッチC1,C3及び2速−4速クラッチC2,C4の各ソレノイドタイプの切替弁94,101の下手側の油路にそれぞれ各ポート間に一方の圧力をパイロット圧として取り出すシャトル弁109,133と圧力センサ110,134をそれぞれ配置した油圧回路の構成を示す。また、本油圧回路では左右旋回用クラッチ98,104への作動油供給油路にはそれぞれ比例制御弁99,105を設けている。
図9に示す油圧回路では高価な圧力センサ127,128;130,131が多数個必要であり原価アップとなるが、図10に示す油圧回路では圧力センサ設置個数を半減することができ、しかも1速−3速クラッチC1,C3及び2速−4速クラッチC2,C4の2重噛みを防止することもできる。
図11には、図3に示すミッション構成の油圧回路として、油圧回路の1速−3速クラッチC1,C3及び2速−4速クラッチC2,C4に各ソレノイドタイプの切替弁94,101を配置し、これらの切替弁94,101に作動油の供給制御をする切替弁136を設けた油圧回路構成である。また、本油圧回路でも左右旋回用クラッチ98,104への作動油供給油路にはそれぞれ比例制御弁99,105を設けている。
この油圧回路でも高価な圧力センサを多数個設ける必要がなく、しかも1速−3速クラッチC1,C3及び2速−4速クラッチC2,C4の2重噛みを防止することもできる。
図12には、図11で説明した油圧回路の1速−3速クラッチC1,C3及び2速−4速クラッチC2,C4の各ソレノイドタイプの切替弁94,101の下手側の各油路のポート間に一方の圧力をパイロット圧として取り出すシャトル弁109,133をそれぞれ配置し、このパイロット圧により切替弁136を切替える油圧回路の構成を示す。
この構成でも高価な圧力センサ、シャトル弁を用いることなく、1速−3速クラッチC1,C3及び2速−4速クラッチC2,C4の2重噛みを防止することもできる。
この発明はフルクローラ型トラクタなどの作業車両の走行変速装置として有用である。
本発明の一実施例のトラクタTの側面図である。 図1のトラクタTの操縦席周りのレバー類などを示す斜視図である。 図1のトラクタTのミッションケース内の動力伝動構造の側断面図である。 図1のトラクタTのリアミッションケース内の動力伝動構造の側断面図である。 図5(a)は図4のA−A線の断面図であり、図5(b)は図4のB−B線の断面図である。 図3の動力伝動構造の油圧回路図である。 図6の油圧回路で用いるパイロット弁の概略側面図である。 図6の油圧回路で用いるパイロット弁とシャトル弁のボディへの取付構造図である。 図6の変形例の油圧回路図である。 図6の変形例の油圧回路図である。 図6の変形例の油圧回路図である。 図6の変形例の油圧回路図である。
符号の説明
1 クローラ式走行装置 4 ステアリングハンドル
9 クラッチペダル 10 燃料タンク 11 エンジン 12 ミッションケース
13 リアミッションケース 14 エンジン駆動力の入力軸
15 エンジン取付フレーム 16 ベベルギア
20 フロア 21 操縦席
22 ポジションレバー 23a 主変速レバー
23b 副変速レバー 24 ブレーキペダル
25 フェンダー 25a タンク載置台
26 取っ手 27 リヤカバー
30 昇降用油圧シリンダ 31 リフトアーム
33 リフトアーム角センサ 34 ローリング用油圧シリンダ
37 スロープセンサ 40 減速ギア
41 アクスル 42 ニードルベアリング
43 主クラッチ軸 45 副変速出力軸
47 摩擦板 48 摺動部材
49 スプリング 51 シフタ
52 主変速駆動軸 53 第1主変速被駆動軸
54 第2主変速被駆動軸 56 伝動ギア
57 大径ギア 58 減速軸
60〜71 ギア 73 シリンダケース
75a,75b ピストン 76 環状部材
77 スプライン 78,79 ギア
80 外周軸 81 外周ギア
83 シリンダケース 85a,85b ピストン 87 環状部材 88〜90 ギア
92 油圧ポンプ 93 減圧弁
94,101 切替弁 96 油路
98 右旋回クラッチ用のシリンダケース 98,104 旋回クラッチ
99,105 比例圧力制御弁 100,103 油路
104 左旋回クラッチ用のシリンダケース
106 油路 107 ベベルギア
108 油路 109,133 シャトル弁
110,134 圧力センサ 125 アクスルケース
127,128;130,131 圧力センサ
112 シャトル弁パイロット油路 113 パイロット弁
121 カートリッジ形状ボデー 121a シート面
122 ポペット 123 ピストン
123a 止め輪 124 スプリング
126 アダプタ 127 ベベルギア
128 ブレーキディスク 129 入力軸
132 支持軸 135 減速ギア組
136 切替弁 137 正逆転切換装置
138 二段遊星歯ギア機構 139 キャリア
139c 隔壁 140 正転用クラッチ
140a 駆動側ディスク 140b 被駆動ディスク
141 逆転用クラッチ 142 入力側サンギア
143 出力側サンギア 144 第一キャリアピン
145 入力側プラネタリギア 146 出力側プラネタリギア
147 第二キャリアピン 148 カウンタギア
149 キャリアピン固定プレート 149a 切り欠き部
152,154 押圧板 153 スプリング
155 油圧ピストン 156 連結棒
157 油室 158 蓋体 160 リングギア 161 空間部
163 遊星歯ギア機構 164 サンギア
165 キャリア 166 キャリアピン
167 プラネタリギア 168 回転数検出用ギア
169 回転センサ 170 2段階遊星歯ギア機構
176,177 油路 180 出力軸
C1 1速用のクラッチ C2 2速用のクラッチ
C3 3速用のクラッチ C4 4速用のクラッチ
D 副変速装置 L1 作業機操作系油圧回路
L2 走行系油圧回路 Y1,Y2,Y3 油路
T トラクタ R 作業機
A 主クラッチ B 主変速装置
H ハウジング

Claims (3)

  1. 変速比の異なる少なくとも第1から第4の変速段を備えた主変速装置(B)と、
    前記第1及び第3の変速段を択一的に有効状態に切り換えることのできる第1油圧アクチュエータ(75a,75b)と、
    前記第2及び第4の変速段を択一的に有効状態に切り換えることのできる第2油圧アクチュエータ(85a,85b)と、
    前記第1油圧アクチュエータ(75a,75b)によって第1ないし第3の変速段を有効状態としたときに、前記第2油圧アクチュエータ(85a,85b)による第2ないし第4の変速段の有効状態への切り換えを牽制することのできる牽制手段(113,136など)を設けたことを特徴とする走行変速装置。
  2. 前記第1油圧アクチュエータ(75a,75b)の2室への送油路間にシャトル弁(109)を設け、該シャトル弁(109)からのパイロット圧によって前記第2油圧アクチュエータ(85a,85b)への送油回路を遮断するようにして前記牽制手段(113,136など)を構成したことを特徴とする請求項1記載の走行変速装置。
  3. 前記シャトル弁(109)に圧力センサ(110)を設け、該圧力センサ(110)により第1油圧アクチュエータ(75a,75b)の2室のうちの送油側の室に作用する油圧力を検出できるように構成したことを特徴とする請求項2記載の走行変速装置。
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