JP2007218152A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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忍 釜田
Hiroshi Iwano
岩野  浩
Hiroshi Oba
大羽  拓
Kenji Ota
健司 太田
Hisanori Onoda
尚徳 小野田
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Abstract

【課題】内燃機関の熱効率を向上させる。
【解決手段】内燃機関の制御装置は、筒内での燃料の燃焼時間を内燃機関の要求駆動力に応じて演算する燃焼時間演算手段B4と、膨張行程における膨張速度を内燃機関の要求駆動力に応じて演算する膨張速度演算手段B2と、燃焼時間演算手段B4の演算結果に応じて筒内での燃料の燃焼時間を変更可能な燃焼時間変更手段B5と、膨張速度演算手段B2の演算結果に応じて膨張行程における膨張速度を内燃機関の回転数に関わらず変更可能な膨張速度変更手段B3と、を有する。これによって、燃焼時間と膨張速度とを最適とすることができ熱効率を向上させることができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1には、4サイクルの内燃機関において、圧縮行程及び排気行程における上死点付近のピストンモーションに対して、膨張行程及び吸気行程における上死点付近のピストンモーションを遅くすることで、燃焼の遅れによる等容度の低下を軽減している内燃機関が開示されている。換言すれば、特許文献1には、ピストン下降時間に比べて、ピストン上昇時間が相対的に短くなるよう構成された内燃機関が開示されている。
特開2003−83101号公報
しかしながら、この特許文献1においては、ピストンの動きのみで等容度を向上させる構成となっているため、膨張行程中の冷却損失が大きくなり、熱効率の向上に限界がある。
そこで、本発明の内燃機関の制御装置は、筒内での燃料の燃焼時間を内燃機関の要求駆動力に応じて演算する燃焼時間演算手段と、膨張行程における膨張速度を内燃機関の要求駆動力に応じて演算する膨張速度演算手段と、燃焼時間演算手段の演算結果に応じて筒内での燃料の燃焼時間を変更可能な燃焼時間変更手段と、膨張速度演算手段の演算結果に応じて膨張行程における膨張速度を内燃機関の回転数に関わらず変更可能な膨張速度変更手段と、を有する。
本発明によれば、燃焼時間と膨張速度とを最適とすることができ熱効率を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明が適用される内燃機関の一例を模式的に示した説明図である。
この第1の内燃機関の本体1(以下、機関本体1と記す)は、吸気行程と圧縮行程を行う吸気圧縮シリンダ2と、膨張行程と排気行程を行う膨張排気シリンダ3とを有し、吸気圧縮シリンダ2と膨張排気シリンダ3とが一対となって実質的に一つの気筒が構成されている。
吸気圧縮シリンダ2には、燃料噴射弁(図示せず)が配置された吸気ポート4が連結されており、吸気バルブ5を開弁動作させることで吸気圧縮シリンダ2内に吸気ポート4から混合気が導入される。
吸気圧縮シリンダ2は、隣接して対となる膨張排気シリンダ3に、連結通路6を介して接続されている。連結通路6の一端側、すなわち吸気圧縮シリンダ2と連結通路6との連結部分には、圧縮バルブ7が配置されている。
膨張排気シリンダ3には、排気ポート8が連結されており、排気バルブ9を開弁動作させることで膨張排気シリンダ3から排気が排出される。
吸気圧縮シリンダ2内には、吸気圧縮ピストン10が配置されている。吸気圧縮ピストン10は、吸気圧縮コンロッド11を介して燃焼圧を回転動力として伝達するクランクシャフト12のクランクピン12aに回転可能に連結されている。
膨張排気シリンダ3内には、膨張排気コンロッド13の一端に回転可能に連結された膨張排気ピストン14が配置されている。この膨張排気コンロッド13は、他端にカムローラ15を有し、このカムローラ15がクランクシャフト12のクランクジャーナル12bに外装された3次元カム16に回転可能に接触している。尚、図1中における17は点火プラグである。
クランクシャフト12の一端部には、膨張速度制御用アクチュエータ18が配置されている。この膨張速度制御用アクチュエータ18は、エンジン回転数(クランクシャフト12の回転数)に応じて、クランクシャフト12を、クランクシャフト12長手方向(図1における紙面垂直方向、図2における左右方向)に沿ってスライドさせるものである。尚、膨張速度制御用アクチュエータ18は、電動であっても油圧駆動であってもよい。
3次元カム16は、クランクジャーナル12bと一体となってに回転するものであって、カムローラ15が当接する外周面に、図3に示すように、クランクシャフト12の長手方向に沿って、複数のカムプロフィールが連続して形成された構成となっている。詳述すると、この3次元カム16は、エンジン回転数に応じた4つのカムプロフィールが連続して形成されたものであって、クランクシャフト12の他端側に位置するものほど低回転用のカムプロフィールとなっている。尚、各カムプロフィール間は、テーパ状に形成されており、クランクシャフト12を軸方向にスライドさせた際に、膨張排気コンロッド13のカムローラ15が円滑に追従するよう構成されている。また、3次元カム16は、カムプロフィールを4段階で変更するものであるが、クランクシャフト12をスライドさせることでカムプロフィールが無段階に変更できるように構成することも可能である。
この第1の内燃機関においては、吸気圧縮シリンダ2内で行われる吸気行程と圧縮行程は、クランクシャフト12が1回転することで実施される。圧縮行程終了時には、圧縮バルブ7が開かれ、圧縮された混合気が膨張排気シリンダ3に導入される。膨張排気シリンダ3内で行われる膨張行程と排気行程は、図4に示すように、クランクシャフト12が1回転することで実施される。そして、圧縮行程終了時と排気行程終了時とが同期して実行されるため、全体としては、吸気、圧縮、膨張、排気の4行程がクランクシャフト12の1回転で終了する。尚、この図4は、エンジン回転数が低回転のときに選択されるカムプロフィールを例に示したものである。
吸気圧縮ピストン10が下降する動作に合わせて吸気バルブ5が開かれる。吸気圧縮ピストン10が下死点に到達し再び上昇し始めると吸気バルブ5が閉じられる。吸気圧縮ピストン10が上死点に接近すると圧縮バルブ7が開かれ、膨張排気シリンダ3へ圧縮された混合気が送り込まれる。吸気圧縮ピストン10が上死点に到達すると圧縮バルブ7が閉じられ圧縮された混合気の逆流を防止する。圧縮された混合気は点火プラグ17によって点火されて燃焼し、膨張排気ピストン14を下降させる。このとき3次元カム16のプロフィールによって膨張排気ピストン14の膨張速度(下降速度)と筒内圧が変更される。膨張排気ピストン14が下死点から再び上昇を始めると排気バルブ9が開かれ排気する。
尚、吸気バルブ5の開閉タイミング及び排気バルブ8の開閉タイミングは、エンジン回転数に応じて適正化することが好ましい。また、膨張速度制御用アクチュエータ18とクランクシャフト12の間にトルク増幅器、トルク遮断機が配置されるように構成してもよい。そして、この第1の内燃機関においては、燃焼室を膨張排気シリンダ3内に設定しているが、燃焼室を吸気圧縮シリンダ2と膨張排気シリンダ3との間、すなわち連結通路6に設けることも可能である。
このように、第1の内燃機関は、吸気圧縮行程を行うシリンダと膨張排気行程を行うシリンダと分離し、膨張行程における膨張排気ピストン14の膨張速度と、膨張行程における膨張排気シリンダ3内の筒内圧とを3次元カム16により変更して動作させることができるものである。
図5及び図6は、本発明が適用される内燃機関の他例を模式的に示した説明図である。この第2の内燃機関の本体31(以下、機関本体31と記す)、吸気行程と圧縮行程を行う吸気圧縮シリンダ32と、膨張行程と排気行程を行う膨張排気シリンダ33とを有し、吸気圧縮シリンダ32と膨張排気シリンダ33とが一対となって実質的に一つの気筒が構成されている。
吸気圧縮シリンダ32には、燃料噴射弁(図示せず)が配置された吸気ポート34が連結されており、吸気バルブ35を開弁動作させることで吸気圧縮シリンダ32に吸気ポート34から混合気が導入される。
吸気圧縮シリンダ32は、隣接して対となる膨張排気シリンダ33に、連結通路36を介して接続されている。連結通路36の一端側、すなわち吸気圧縮シリンダ32と連結通路36との連結部分には、圧縮バルブ37が配置されている。
膨張排気シリンダ33には、排気ポート38が連結されており、排気バルブ39を開弁動作させることで膨張排気シリンダ33から排気が排出される。
吸気圧縮シリンダ32内には、吸気圧縮ピストン40が配置されている。吸気圧縮ピストン40は、吸気圧縮コンロッド41を介してクランクシャフト42のクランクピン(図示せず)に回転可能に連結されている。クランクシャフト42は、トランスミッション軸(図示せず)に連結されるものであって、一端側に、吸気圧縮1速ギヤ45と吸気圧縮2速ギヤ46が配置されている。吸気圧縮1速ギヤ45及び吸気圧縮2速ギヤ46は、クランクシャフト42のクランクジャーナル42bに固定されたものであって、クランクシャフト42のクランクジャーナル42bと一体となって回転する。尚、図5中の47は点火プラグである。
膨張排気シリンダ33内には、膨張排気ピストン44が配置されている。膨張排気ピストン44は、膨張排気コンロッド43を介して補助クランクシャフト52のクランクピン52aに回転可能に連結されている。補助クランクシャフト52は、クランクシャフト42と平行に配置されたものであって、一端側に、吸気圧縮一速ギヤ45に係合する膨張排気1速ギヤ48と、吸気圧縮2速ギヤ46に係合する膨張排気2速ギヤ49と、が配置されている。膨張排気1速ギヤ48は、第1クラッチ50を介して補助クランクシャフト52のクランクジャーナル52bに取り付けられている。膨張排気2速ギヤ49は、第2クラッチ51を介して補助クランクシャフト52のクランクジャーナル52bに取り付けられている。
この第2の内燃機関においては、吸気圧縮1速ギヤ45及び膨張排気1速ギア48は、補助クランクシャフト52がクランクシャフト42の回転数の2倍の回転数となるように設定されている。そして、吸気圧縮2速ギヤ46及び膨張排気2速ギア49は、補助クランクシャフト52がクランクシャフト42と同一回転数となるよう設定されている。
第1クラッチ50は、膨張排気1速ギヤ48と補助クランクシャフト52との間に介装されたものであって、膨張排気1速ギヤ48と補助クランクシャフト52との締結と解放を行い、締結時には両者は一体に回転可能となり、解放時には、膨張排気1速ギヤ48が補助クランクシャフト52から離間して、膨張排気1速ギア48と補助クランクシャフト52との間で動力の伝達が行われないようになっている。第2クラッチ51は、膨張排気2速ギヤ49と補助クランクシャフト52との間に介装されたものであって、膨張排気2速ギヤ49と補助クランクシャフト52との締結と解放を行い、締結時には両者は一体に回転可能となり、解放時には、膨張排気2速ギヤ49が補助クランクシャフト52から離間して、膨張排気2速ギア49と補助クランクシャフト52との間で動力の伝達が行われないようになっている。ここで、第1クラッチ50と第2クラッチ51は、どちらか一方が締結された状態では、他方が解放された状態となっている。尚、第1クラッチ50及び第2クラッチ51は、具体的には、湿式多板クラッチあるいはシンクロ機構を有したドグクラッチとすることが好ましい。また、この第2実施形態においては、補助クランクシャフト52の回転数がエンジン回転数に応じてクランクシャフト42の回転数と同じもしくは2倍となるよう2段階で切り替えられているが、補助クランクシャフト52の回転数がエンジン回転数に応じて2段階以上(多段階)に切り替えられるよう、ギヤ段(吸気圧縮1速ギヤ45、膨張排気1速ギア48、吸気圧縮2速ギヤ46、膨張排気2速ギア49)の数を増加させた構成とすることも可能である。
吸気圧縮ピストン40が下降する動作に合わせて吸気バルブ35が開かれる。吸気圧縮ピストン40が下死点に到達し再び上昇し始めると吸気バルブ35が閉じられる。吸気圧縮ピストン40が上死点に接近すると圧縮バルブ37が開かれ、膨張排気シリンダ33へ圧縮された混合気が送り込まれる。吸気圧縮ピストン40が上死点に到達すると圧縮バルブ37が閉じられ圧縮された混合気の逆流を防止する。圧縮された混合気は点火プラグ47によって点火されて燃焼し、膨張排気ピストン44を下降させる。
このとき、補助クランクシャフト52は、クランクシャフト42の回転数が低い場合にはクランクシャフト42の2倍の回転数となり(第1クラッチ:締結、第2クラッチ:解放)、クランクシャフト42の回転数が高い場合にはクランクシャフト42と同一の回転数となるよう(第1クラッチ:解放、第2クラッチ:締結)、制御される。
膨張排気ピストン44の膨張速度は第1クラッチ50と第2クラッチ51のどちらが締結状態となっているかで決定される。また吸気圧縮ピストン40と膨張排気ピストン44が同時に上死点となるように第1クラッチ50または第2クラッチ51のどちらか一方を締結する。膨張排気ピストン44が下死点から再び上昇を始めると排気バルブ39が開かれ排気する。また、エンジン回転数が低い場合は第1クラッチ50が締結状態となり(第2クラッチ51は解放状態)、膨張排気ピストン44が吸気圧縮ピストン40に比べて倍の周期で動作することになるので、このとき損失が生じないように、第1クラッチ50は吸気圧縮ピストン40が下死点から上昇した際の上死点と下死点との中間で係合させる。
尚、吸気バルブ35の開閉タイミング及び排気バルブ39の開閉タイミングは、エンジン回転数に応じて適正化することが好ましい。また、締結状態の第1クラッチ50は、膨張行程が終了した時点で解放することが好ましい。さらに、第1クラッチ50を締結状態として、吸気圧縮ピストン40が上死点もしくは圧縮バルブ37が開弁される前段階まで排気バルブ39を開いていても良い。そして、エンジン回転数が高い場合は、第2クラッチ51を行程にかかわらず係合状態とすることが好ましい。
このように、第2の内燃機関は、吸気圧縮行程を行うシリンダと膨張排気行程を行うシリンダと分離し、膨張行程における膨張排気ピストン44の膨張速度と、膨張行程における膨張排気シリンダ33内の筒内圧とを、ギヤ段(吸気圧縮1速ギヤ45、膨張排気1速ギア48、吸気圧縮2速ギヤ46、膨張排気2速ギア49)により変更して動作させることができるものである。
ここで、図7を用いて、図4中に示した保持クランク角と膨張クランク角について詳述する。上記保持クランク角とは上死点付近で膨張排気ピストンの位置が固定される期間に相当するクランクシャフト(第1の内燃機関におけるクランクシャフト12、第2の内燃機関におけるクランクシャフト42に相当)の回転角度であり、上記膨張クランク角とは上死点から下死点まで膨張排気ピストンの位置が変化する期間に相当するクランクシャフトの回転角度である。
そして、膨張行程において、クランクシャフトの回転角度に対する上死点からの膨張排気ピストンの作動(移動)距離をクランクシャフトの回転速度に応じて変更し、クランクシャフトの回転速度が低い場合、膨張行程において、クランクシャフトの回転角度に対する上死点からの膨張排気ピストンの作動(移動)距離を相対的に長くする。すなわち、膨張排気ピストンが下死点に向かって下降する際のピストンスピードを速くする。一方、クランクシャフトの回転速度が高い場合、膨張行程において、クランクシャフトの回転角度に対する上死点からの膨張排気ピストンの作動(移動)距離を相対的に短くする。すなわち、膨張排気ピストンが下死点に向かって下降する際のピストンスピードを相対的に遅くする。
上述した第1の内燃機関は、膨張行程において、膨張排気ピストン14に対してエンジン回転数に応じた保持クランク角及び膨張クランク角が設定されるものである。また、上述した第2の内燃機関は、膨張行程において、膨張排気ピストン44に対してエンジン回転数に応じた膨張クランク角が設定されるものである。
尚、上述した第1の内燃機関及び第2の内燃機関は、本発明を適用可能な内燃機関の具体例にすぎす、本発明は、膨張スピードを変更する全てのエンジンに対して本発明を適用することが可能である。
また、上述した第1の内燃機関においては、3次元カムにより膨張行程のカムプロフィールが変更されているが、エンジンの排気量、ストロークから他の行程を変更されるような内燃機関に対しても本発明は適用可能である。
図8は、本発明に係る内燃機関の制御装置の概略を示す制御ブロック図であり、図8中の内燃機関として、上述した第1及び第2の内燃機関等が適用される。
B1は要求駆動力とエンジン回転数から機関の運転状態を決定する機関運転状態制御手段である。
B4はエンジン回転数と機関運転状態制御手段B1で決定した目標負荷に応じた燃焼時間を決定する燃焼時間演算手段である。詳述すると、この燃焼時間演算手段B4は、筒内での燃料の燃焼時間を内燃機関の要求駆動力に応じて演算し、さらに後述する運転状態推定手段B7によって推定された内燃機関の状態量を用いて補正された燃焼時間を制御量として出力する。
B5は燃焼時間演算手段B4で決定した燃焼時間に応じて燃焼時間を変更する燃焼時間変更手段である。換言すると、この燃焼時間変更手段B5は、燃焼時間演算手段4の演算結果に応じて筒内での燃料の燃焼時間を変更可能にするものである。
B2はエンジン回転数と機関運転状態制御手段B1で決定した目標負荷に応じた膨張速度を決定する膨張速度演算手段である。換言すると、膨張速度演算手段B2は、膨張行程における膨張速度を内燃機関の要求駆動力に応じて演算するものである。
B3は後述する膨張速度補正制御手段B7で決定した膨張速度に応じて膨張速度を変更する膨張速度変更手段である。換言すると、膨張速度変更手段B3は、膨張速度演算手段B2の演算結果に応じて膨張行程における膨張速度を内燃機関の回転数に関わらず変更可能にするものである。
B7は内燃機関の運転状態を推定する運転状態推定手段である。B6は運転状態推定手段B7によって推定された内燃機関の状態量に応じて膨張速度演算手段B2で演算される膨張速度を補正する膨張速度補正制御手段である。
運転者が設定するアクセル開度(以下、APO)から要求駆動力が決定される。この要求駆動力とエンジン回転数から内燃機関に対する目標負荷が機関運転状態制御手段B1から出力される。目標負荷とエンジン回転数から予め設定された燃焼時間とするための制御量を燃焼時間演算手段B4が出力する。その制御量に応じて燃焼時間変更手段B5が駆動され燃焼時間が制御される。目標負荷とエンジン回転数からあらかじめ設定された膨張速度とするための制御量を膨張速度演算手段B2が出力する。その制御量に応じて膨張速度変更手段B3が駆動され膨張速度が制御される。
燃焼時間と膨張速度の組合せによって内燃機関で実際に発生している燃焼時間などの内燃機関状態量を運転状態推定手段B7で推定する。推定した燃焼時間に応じて膨張速度演算手段B2と燃焼時間演算手段B4の補正量が決定される。
図9に上述した機関運転状態制御手段B1の実施形態の一例を示す。
B11では、要求駆動力をエンジンに対する要求トルクに変換する。詳述すると、変速機(図示せず)の減速比を用い、要求駆動力から要求トルクを次式(1)を用いて計算する。
[数1]
要求エンジントルク=要求駆動力[N]×車輪半径[m]/(変速機減速比×最終減速比) …(1)
B12では、エンジン回転数とB11で変換された要求トルクから目標負荷として目標吸入空気量を決定する。すなわちB12はエンジン回転数と要求トルクから目標負荷として目標吸気量を決定する目標負荷(吸気量)MAPで構成されている。この目標負荷(吸気量)MAPは、予め実験から作成することが好ましい。また、目標エンジントルクとして吸気量以外に負荷を設定できるものであれば本発明を適用可能である。
図10は、上述した燃焼時間演算手段B4と燃焼時間変更手段B5の実施形態の一例を示す。
図10は、燃焼時間を可変とするための制御量として図示せぬスワールコントロールバルブ(以下、SCVと記す)の開度を可変制御した例である。つまり、この例では燃焼時間変更手段によりスワール強度が変更される。
B41では、エンジン回転数と目標負荷からスワールコントロールバルブ(以下、SCV)回転角度を決定する。すなわちB41は、エンジン回転数と目標負荷(吸気量)からSCV回転角度を決定するSCV開度マップで構成されている。
このSCV開度MAPは実験により適切にすることが好ましい。B42では、B41で算出されたSCV回転角度に対して、補正計算1(後述)を施している。B43は、補正されたSCV回転角度に回転駆動されるSCVである。ここで、B41及びB42は燃焼時間演算手段B4に相当するものであり、B43は燃焼時間変更手段B5に相当するものである。
尚、SCVは、SCVアクチュエータ(図示せず)により補正されたSCV回転角度に回転駆動される。つまり、B42から出力される制御量は、このSCVアクチュエータへの指令値である。
図11、図12及び図14は、上述した燃焼時間演算手段B4と燃焼時間変更手段B5の実施形態の他例をそれぞれ示すものである。
図11は、燃焼時間を可変とするための制御量として可変動弁機構(図示せず)により吸気弁のバルブリフト量を可変制御した例である。つまり、この例では燃焼時間変更手段により空燃比が変更される。この場合、適用される内燃機関は、吸気弁のリフト・作動角を連続的に拡大縮小制御可能な可変動弁機構を備えたものとなる。
B44では、エンジン回転数と目標負荷から吸気弁のリフト量を決定する。すなわちB44は、エンジン回転数と目標負荷(吸気量)から吸気弁のリフト量を決定する吸気弁バルブリフト量マップ(図示せず)で構成されている。この吸気弁バルブリフト量マップは、実験により適切にすることが好ましい。B45では、B44で算出された吸気弁のリフト量に対して、補正計算2(後述)を施している。B46は、補正されたリフト量となるよう駆動され可変動弁機構である。ここで、B44及びB45は燃焼時間演算手段B4に相当するものであり、B46は燃焼時間変更手段B5に相当するものである。
図12は、燃焼時間を可変とするための制御量としてインジェクタ(図示せず)による燃料噴射時間を可変制御した例である。
B47では、エンジン回転数と目標負荷からインジェクタからの燃料噴射時間を決定する。すなわちB47は、エンジン回転数と目標負荷(吸気量)からインジェクタの燃料噴射時間を決定する燃料噴射マップ(図示せず)で構成されている。この燃料噴射マップは、実験により適切にすることが好ましい。B48では、B47で算出された燃料噴射時間に対して、補正計算3(後述)を施している。B49は、補正された燃料噴射時間で燃料噴射を行うよう制御されるインジェクタである。ここで、B47及びB48は燃焼時間演算手段B4に相当するものであり、B49は燃焼時間変更手段B5に相当するものである。
ここで、上述した補正計算1、補正計算2および補正計算3の一例を図13に示す。この図13は、上述した運転状態推定手段B7によって推定された内燃機関の状態量である燃焼時間とエンジン回転数とから補正量を決定するマップであり、マップから読み取られた補正量をB41、B44またはB47で決定された値に乗ずることで補正を行われる。尚、図13に示すマップは、補正量を決定するマップの一例であり、補正の対象がSCV回転角度の場合と、吸気弁リフト量の場合と、燃料噴射時間の場合と、では補正の対象となるものの物理量が異なるため、実際はそれぞれ異なるマップが用いられる。
図14は、燃焼時間を可変とするための制御量としてEGR弁(図示せず)の開弁率を可変制御した例である。EGR弁の開弁率を可変することで、排気の還流量が調整され、ひいては筒内の燃焼ガスの残留量が変更されることになる。
B51では、エンジン回転数と目標EGR率からEGR弁の開弁率を決定する。すなわちB51は、エンジン回転数と目標EGR率からEGR弁の開弁率を決定するEGR弁開弁率マップ(図15を参照)で構成されている。このEGR弁開弁率マップは、エンジン回転数毎にEGR開弁率を操作してEGR率を計測することで作成されるものである。B52は、EGR弁開弁率マップから決定された開弁率となるよう制御されるEGR弁である。ここで、B51は燃焼時間演算手段B4に相当するものであり、B52は燃焼時間変更手段B5に相当するものである。
図16に上述した運転状態推定手段B7における燃焼速度の計算方法の一例を示す。
B71では、吸気量と吸気温度とクランク角から未燃ガス温度を計算する(計算方法の詳細は後述)。吸気量は、上述した図9に示す機関運転状態制御手段B1で計算された吸気量を用いるか、図示せぬ吸気量センサ(エアフローメータ)によって内燃機関に導入される空気量(吸気量)を直接計測してもよい。吸気温度は、吸気通路内に配置された温度センサ(図示せず)によって計測することがこのましい。クランク角は、点火直前での未燃ガス温度を予測するための計算区間を決定するために使用する。B72では、未燃ガス温度から燃焼速度を計算する(計算方法の詳細は後述)。
図17は上述したB71において未燃ガス温度を計算する際の制御の流れを示すフローチャートである。
ステップ(以下、Sと記す)11で吸気量の読み込みを行う。S12で吸気温度読み込みを行う。S13では吸気弁と排気弁の開閉状態を判定する。開閉状態は一定の閾値よりも吸排気弁のリフト量が小さい場合に閉状態と判定する。そして、S13にて吸気弁及び排気弁が伴に閉状態となっていればS14へ進み、そうでなければS11へ戻る
S14では、BDC(下死点)におけるシリンダ容積VBDCとポリトローフ指数nと吸気温度TBDCにより定数Cを決定する。ポリトローフ指数nは実験によりエンジン回転数との関係からMAPとして持つことが好ましい。
[数2]
C=TBDCBDC n-1 …(2)
S15では点火時期を判定するためにクランク角を読み込む。S16ではクランク角を基に点火されたかを判定する。S16で点火されていないと判定された場合はS15へ戻る。S16でで点火されたと判定した場合はS17へ進む。S17ではS14で計算した定数Cと点火時のシリンダ容積VTDCから点火時の未燃ガス温度TTDCを計算する。
[数3]
TDC=C/VTDC n-1 …(3)
点火時のシリンダ容積VTDCは、S15で得たクランク角からピストン位置を算出して計算する。
S18は、S17で得られた未燃ガス温度TTDCを上述した図16のB72へ送信する。
尚、未燃ガス温度を算出するにあたっては、例えば、図18に示す基準未燃ガス温度MAPと、図19に示す未燃ガス温度補正Tableで予測する方法でも良い。図18の基準未燃ガス温度MAPはエンジン回転数と吸気量(スロットル開度)から基準吸気温度における点火直前の基準未燃ガス温度を決定する。図19の未燃ガス温度補正Tableは吸気温度から未燃ガス温度補正値を決定する。つまり、図18で得られた基準未燃ガス温度に、図19で得られた未燃ガス温度補正値を乗ずることで未燃ガス温度を決定しても良い。この場合は図17のS13〜S17の処理は、図18及び図19を用いた未燃ガス温度の算出に置き換えられる。また、センサを直接筒内に設置して未燃ガス温度を検出するようにしても良い。
一方、図16のB72においては、層流燃焼速度SuL1(後述)に燃焼速度変換係数(後述)を乗じたものを燃焼速度Vb(後述)としている。
層流燃焼速度SuL1は、次式(4)から算出される。
[数4]
SuL1=K1+K2TDC γ …(4)
ここで、K1、K2、γは実験から最適となるものが選択された定数であり、特にγは、概ね2≦γ≦3の範囲の値を取り得るものである。
そして、燃焼速度変換係数は、エンジン回転数と図20に示す燃焼速度変換Tableを用いることにより算出される。燃焼速度変換係数は、エンジン回転数が大きくなるほど大きな値となる。
図21は、運転状態推定手段B7における燃焼速度の計算方法の他例を示している。B73では、筒内圧と吸気圧力とクランク角から燃焼速度を計算する。
図22は上述したB73において燃焼速度を計算する際の制御の流れを示すフローチャートである。
S31では吸気圧を読み込む。S32では吸気弁と排気弁の開閉状態を判定する。開閉状態は一定の閾値よりも吸排気弁のリフト量が小さい場合に閉状態と判定する。そして、S32にて吸気弁及び排気弁が伴に閉状態となっていればS33へ進み、そうでなければS31へ戻る
S33では筒内圧センサで検出した筒内圧を読み込む。S34ではクランク角を読み込む。S35ではS34で読み込んだクランク角から点火時期であるか否かを判定する。S35で点火時期でないと判定された場合はS33へ戻る。
S35で点火時期であると判定された場合は、S36へ進み燃焼速度計算を実行する。S36での燃焼速度計算は、上述した図16のB72に相当するものである。
このS36は、具体的には、層流燃焼速度SuL2(後述)に燃焼速度変換係数(後述)を乗じたものを燃焼速度Vb(後述)としている。
層流燃焼速度SuL2は、次式(5)によって算出される。
[数5]
SuL2=SuL0(P/P0)β …(5)
ここで、β、SuL0(燃料の吸気圧P0における層流燃焼速度)は実験から最適となるものを選択された定数であり、特にβは、概ね−0.35≦β≦0の範囲の値を取り得るものである。
そして、燃焼速度変換係数は、エンジン回転数と図20に示す燃焼速度変換Tableを用いることにより算出される。
ここで、上述した燃焼速度Vbは、[1/sec]または[1/deg]という単位で表せるものであり、燃焼速度Vbが燃焼終了までの平均燃焼速度を計算した場合は燃焼速度Vbの逆数が燃焼時間となる。燃焼速度Vbが単位時間当たりの燃焼速度として図16のB72や、図21のB73において逐次計算される場合は次式(6)が成立する。
Figure 2007218152
但し、燃焼終了時間Tb[sec]−点火時期Ts[sec]=燃焼時間とする。
図23は、上述した第1の内燃機関が適用された場合の膨張速度演算手段B2と膨張速度変更手段B3と膨張速度補正制御手段B6の実施形態である。
B21では、エンジン回転数と目標負荷から3次元カム16のスライド量、つまりクランクシャフト12のスライド量を決定する。すなわち、B21は、エンジン回転数と目標負荷(吸気量)から3次元カム16のスライド量、つまりクランクシャフト12のスライド量、を決定するカムスライド量マップで構成されている。
B21のカムスライド量マップは、熱効率を最高とするためエンジン回転数と目標負荷から3次元カム16のスライド量を決定しているが、エンジン回転数のみから決定しても熱効率向上効果を得ることができる。
B22では、カムスライド量MAPによって決定したカムスライド量に補正を加える補正計算を実施する。
このB22においては、内燃機関の状態として上述した運転状態推定手段B7で推定された燃焼速度、図示せぬ水温センサによって検出された冷却水温度に応じて補正値が計算され、この補正値をB21で算出されたカムスライド量に乗ずることで補正処理を行っている。
B23では、B22で補正されたカムスライド量となるようにカムスライド用アクチュエータである上述した膨張速度制御用アクチュエータ18を駆動する。
ここで、B21は膨張速度演算手段B2に相当するものであり、B22は膨張速度補正制御手段B6に相当するものであり、B23が膨張速度変更手段B3に相当するものである。
図24は、上述した第2の内燃機関が適用された場合の膨張速度演算手段B2と膨張速度変更手段B3と膨張速度補正制御手段B6の実施形態である。
B24では、エンジン回転数と目標負荷からエンジンの膨張速度を変更するためのギヤ段を選択する。すなわちB24は、エンジン回転数と目標負荷(吸気量)から補助クランクシャフト52の回転数がクランクシャフト42の回転数と同じにするかあるいは2倍となるようにするかを判定し、かつ判定結果に基づいてシフトアクチュエータとしての第1クラッチ50及び第2クラッチ51うちのどちらのクラッチを締結させるかを選択するシフトMAP選択ロジック(後述)によって構成されている。尚、第1クラッチ50及び第2クラッチ51には、湿式クラッチ、乾式クラッチなどのクラッチ機構を用いてもよいが、押し付け圧を確保するために必要とする定常的な油圧損失を削減するためにはドグクラッチ機構を使用することが好ましい。
B25では、内燃機関の状態として上述した運転状態推定手段B7で推定された燃焼速度、図示せぬ水温センサによって検出された冷却水温度に応じて補正値が計算され、この補正値が、B24でシフトMAP(後述)を変更する基準として使用される。
B26では、選択されたクラッチが締結されるように、第1クラッチ50と第2クラッチ51を制御する。すなわち、選択されたギヤ段となるようにシフトアクチュエータを駆動する。
図25は、上述したB24におけるシフトMAP選択ロジック及びB25における補正計算により膨張速度を変更するためのギヤ段を選択する際の制御の流れを示すフローチャートである。
S21では、上述した運転状態推定手段B7で推定した燃焼時間を読み込む。S22では、運転状態推定手段B7で検出した冷却水温度を読み込む。S23では、図26に示すような変換テーブルを用い、S21で得た燃焼時間とS22で得た冷却水温度で決められる範囲に合致するMAPを選択する。MAPの数は多いほど制御精度が向上するが、計算負荷が大きくなりコントローラコストが高くなる可能性もあるため適切に設定する。S24では、エンジン回転数を読み込む。S25では、要求エンジントルクを読み込む。要求エンジントルクは吸気量として読み込むか、直接エンジントルクとしても構わない。S26では、S23で選択した変速MAPにおいてエンジン回転数と目標負荷(要求エンジントルク)から検索を行う。図27に、変速MAPの一例を示す。図27中に実線で示す切換え線は、締結されるクラッチが第1クラッチ50から第2クラッチ51に切換えられる際の境界を示し、図27中に点線で示す切換え線は、締結されるクラッチが第2クラッチ51から第1クラッチ50に切換えられる際の境界を示している。
S27では、S26で決定した変速段となるように、第1クラッチ50及び第2クラッチ51に制御指令(変速段)を送信する。
以上説明してきたように、筒内での燃料の燃焼時間と、膨張行程における膨張速度を協調して制御することで、図28に示すように、熱効率を向上させることができる。詳述すると、膨張行程におけるピストンの膨張速度を従来の膨張速度(上述した図7を参照)とし、筒内での燃料の燃焼時間のみを変化させる場合に比べて、本発明のように、筒内での燃料の燃焼時間に合わせて、膨張行程における膨張速度を可変制御することで、内燃機関の熱効率を大幅に向上させることができる。
尚、上述した実施形態において、全ての制御ブロック図及び全てのフローチャートは気筒毎に計算するかサイクル毎に計算することが好ましい。また、全てのTableとMAPは実験によって最も適切な膨張クランク角と保持クランク角を決定することが好ましい。また、制御ブロックの演算は一定時間(例えば10msec)毎にすべて演算する。
上記実施形態から把握し得る本発明の技術的思想について、その効果とともに列記する。
(1) 筒内での燃料の燃焼時間を内燃機関の要求駆動力に応じて演算する燃焼時間演算手段と、膨張行程における膨張速度を内燃機関の要求駆動力に応じて演算する膨張速度演算手段と、燃焼時間演算手段の演算結果に応じて筒内での燃料の燃焼時間を変更可能な燃焼時間変更手段と、膨張速度演算手段の演算結果に応じて膨張行程における膨張速度を内燃機関の回転数に関わらず変更可能な膨張速度変更手段と、を有する。これによって、燃焼時間と膨張速度とを最適とすることができ熱効率を向上させることができる。
(2) 上記(1)に記載の内燃機関の制御装置において、内燃機関の運転状態を推定する運転状態推定手段を有し、燃焼時間演算手段で演算される燃焼時間と膨張速度演算手段で演算される膨張速度とは、内燃機関の運転状態に応じて補正されている。これによって、内燃機関の状態変化を考慮した詳細な制御を行うことが可能となり、より熱効率を向上させることができる。
(3) 上記(2)に記載の内燃機関の制御装置において、運転状態推定手段は、燃焼時間を推定するものであって、燃焼時間演算手段で演算される燃焼時間と膨張速度演算手段で演算される膨張速度とは、推定された内燃機関の燃焼時間に応じて補正されている。これによって、燃焼速度を正確に制御することにより燃焼時間と膨張速度を最適な関係に保つことが可能となり、熱効率を向上させることができる。
(4) 上記(2)または(3)に記載の内燃機関の制御装置において、運転状態推定手段は、冷却水温度を検出するものであって、膨張速度演算手段で演算される膨張速度は、運転状態推定手段で検出された内燃機関の冷却水温度に応じて補正されている。これによって、適切な膨張速度とすることが可能となり、熱効率を向上させることができる
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の内燃機関の制御装置において、燃焼時間変更手段は、筒内の燃焼ガス残留量を変更する。これによって、燃焼時間を正確に制御して燃焼時間と膨張速度を適切な関係に保つことが可能となり、熱効率を向上させることができる。
(6) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の内燃機関の制御装置において、燃焼時間変更手段は、スワール強度を変更するものである。これによって、燃焼時間を正確に制御して燃焼時間と膨張速度を適切な関係に保つことが可能となり、熱効率を向上させることができる。
(7) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の内燃機関の制御装置において、燃焼時間変更手段は、空燃比を変更するものである。これによって、安価な構成でありながら燃焼時間と膨張速度を適切な関係に保つことが可能となり、熱効率を向上させることができる。
(8) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の内燃機関の制御装置において、燃焼時間変更手段は、筒内圧を変更するものである。これによって、負荷に応じた燃焼時間と膨張速度を適切な関係に保つことが可能となり、熱効率を向上させることができる。
本発明が適用される内燃機関の一例を模式的に示した説明図。 本発明が適用される内燃機関の一例を模式的に示した説明図。 (a)は3次元カムを軸方向からみた説明図、(b)は3次元カムを半径方向からみた説明図。 膨張排気シリンダで行われる膨張行程及び排気行程と、3次元カムとの相関を模式的に示した説明図。 本発明が適用される内燃機関の他例を模式的に示した説明図。 本発明が適用される内燃機関の他例を模式的に示した説明図。 膨張排気ピストンの膨張行程におけるピストンモーションを示す説明図。 本発明に係る内燃機関の制御装置の概略を示す制御ブロック図。 機関運転状態制御手段B1の実施形態の一例を示す制御ブロック図。 燃焼時間演算手段B4と燃焼時間変更手段B5の実施形態の一例を示す制御ブロック図。 燃焼時間演算手段B4と燃焼時間変更手段B5の実施形態の他例を示す制御ブロック図。 燃焼時間演算手段B4と燃焼時間変更手段B5の実施形態の他例を示す制御ブロック図。 燃焼時間とエンジン回転数とから補正量を決定するマップ。 燃焼時間演算手段B4と燃焼時間変更手段B5の実施形態の他例を示す制御ブロック図。 エンジン回転数と目標EGR率からEGR弁の開弁率を決定するEGR弁開弁率マップ。 運転状態推定手段B7における燃焼速度の計算方法の一例を示す制御ブロック図。 未燃ガス温度を計算する際の制御の流れを示すフローチャート。 エンジン回転数と吸気量から基準吸気温度における点火直前の基準未燃ガス温度を算出する基準未燃ガス温度MAP。 吸気温から未燃ガス温度補正値を算出する未燃ガス温度補正Table。 エンジン回転数から燃焼速度変換係数を算出する燃焼速度変換Table。 運転状態推定手段B7における燃焼速度の計算方法の他例を示す制御ブロック図。 燃焼速度を計算する際の制御の流れを示すフローチャート。 第1の内燃機関が適用された場合の膨張速度演算手段B2と膨張速度変更手段B3と膨張速度補正制御手段B6の実施形態を示す制御ブロック図。 第2の内燃機関が適用された場合の膨張速度演算手段B2と膨張速度変更手段B3と膨張速度補正制御手段B6の実施形態を示す制御ブロック図。 膨張速度を変更するためのギヤ段を選択する際の制御の流れを示すフローチャート。 燃焼時間と冷却水温度から変速MAPを選択する変換テーブル。 変速MAPの一例を示す説明図。 燃焼時間と膨張速度と熱効率の相関関係を模式的に示した説明図。
符号の説明
14…膨張排気ピストン
16…3次元カム
18…膨張速度制御用アクチュエータ
44…膨張排気ピストン
50…第1クラッチ
51…第2クラッチ

Claims (8)

  1. 筒内での燃料の燃焼時間を内燃機関の要求駆動力に応じて演算する燃焼時間演算手段と、
    膨張行程における膨張速度を内燃機関の要求駆動力に応じて演算する膨張速度演算手段と、
    燃焼時間演算手段の演算結果に応じて筒内での燃料の燃焼時間を変更可能な燃焼時間変更手段と、
    膨張速度演算手段の演算結果に応じて膨張行程における膨張速度を内燃機関の回転数に関わらず変更可能な膨張速度変更手段と、を有することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 内燃機関の運転状態を推定する運転状態推定手段を有し、燃焼時間演算手段で演算される燃焼時間と膨張速度演算手段で演算される膨張速度とは、内燃機関の運転状態に応じて補正されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 運転状態推定手段は、燃焼時間を推定するものであって、
    燃焼時間演算手段で演算される燃焼時間と膨張速度演算手段で演算される膨張速度とは、推定された内燃機関の燃焼時間に応じて補正されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 運転状態推定手段は、冷却水温度を検出するものであって、膨張速度演算手段で演算される膨張速度は、運転状態推定手段で検出された内燃機関の冷却水温度に応じて補正されていることを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 燃焼時間変更手段は、筒内の燃焼ガス残留量を変更するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  6. 燃焼時間変更手段は、スワール強度を変更するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  7. 燃焼時間変更手段は、空燃比を変更するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  8. 燃焼時間変更手段は、筒内圧を変更するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
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