JP2003083101A - 内燃機関 - Google Patents

内燃機関

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JP2003083101A JP2002106858A JP2002106858A JP2003083101A JP 2003083101 A JP2003083101 A JP 2003083101A JP 2002106858 A JP2002106858 A JP 2002106858A JP 2002106858 A JP2002106858 A JP 2002106858A JP 2003083101 A JP2003083101 A JP 2003083101A
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正剛 鈴木
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智司 飯嶌
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  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の混合気の燃焼時の等容度を高めて
熱効率の向上を図るとともに、そのシリンダの軸線方向
の寸法の小型化を図る。 【解決手段】 ピストン14およびクランクシャフト2
0を接続するコネクティング手段29は、両端がピスト
ンピン21および中間ピン23に枢支された第1コネク
ティングロッド22と、両端が中間ピン23およびクラ
ンクピン25に枢支された第2コネクティングロッド2
4と、両端が中間ピン23およびクランクシャフト20
の下方に位置する固定部27に枢支されたリンクアーム
26とから構成される。ピストン14が上死点にあると
きに、第1コネクティングロッド22はシリンダ13の
軸線L2にほぼ沿うとともに、第2コネクティングロッ
ド24は前記軸線L2に対してほぼ直交する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダに摺動自
在に嵌合するピストンをコネクティング手段を介してク
ランクシャフトに連接した内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】シリンダの軸線上にクランクシャフトの
軸線を配置し、ピストンおよびクランクシャフトを連結
するコネクティングロッドを、ピストン側の第1コネク
ティングロッドとクランクシャフト側の第2コネクティ
ングロッドとに2分割して中間ピンで枢支し、この中間
ピンと固定部とをリンクアームで連結した内燃機関が、
特開2000−55164号公報、特開平7−1197
1号公報により公知である。
【0003】上記特開2000−55164号公報に記
載されたものは、ピストンが上死点および下死点の中間
位置にあるときにピストン側の第1コネクティングロッ
ドがシリンダの軸線上に位置するようにし、ピストンお
よびシリンダ間の側圧を減少させて摩耗の低減を図って
いる。
【0004】また上記特開平7−11971号公報に記
載されたものはディーゼル内燃機関を前提とするもの
で、クランクシャフトに回転に伴ってピストンの上死点
が短い時間間隔で2回発生するようにし、最初の上死点
で燃料のパイロット噴射を行うとともに、2度目の上死
点で燃料の主噴射を行うようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで内燃機関の混
合気の燃焼時の等容度を高めて熱効率を向上させ、また
吸気効率の向上やポンピングロスの低減を図るために
は、膨張行程で上死点からピストンがゆっくりと下降す
ることが望ましい。一方、燃焼室内の混合気の攪拌を促
進して燃焼時間を短縮し、かつ圧縮時の熱損失を低減す
るためには、圧縮行程でピストンが速く上昇することが
望ましい。
【0006】しかしながら上記従来のものは、シリンダ
の軸線上にクランクシャフトの軸線が配置されているた
め、膨張行程および吸気行程のクランク角変化と、圧縮
行程および排気行程のクランク角変化とが共に180°
になり、上記二つの要請を満たすことが困難である。
【0007】また上記従来のものは、ピストンとクラン
クシャフトとを接続する第1、第2コネクティングロッ
ドがシリンダの軸線上に略直列に配置されているため、
内燃機関のシリンダの軸線方向の寸法が大型化する問題
がある。
【0008】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、内燃機関の混合気の燃焼時の等容度を高めて熱効率
の向上を図るとともに、そのシリンダの軸線方向の寸法
の小型化を図ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、シリンダに摺
動自在に嵌合するピストンをコネクティング手段を介し
てクランクシャフトに連接した内燃機関において、前記
コネクティング手段はピストンの下降時間に比べて上昇
時間が短くなるように構成されたことを特徴とする内燃
機関が提案される。
【0010】上記構成によれば、ピストンをクランクシ
ャフトに連接するコネクティング手段によりピストンの
下降時間に比べて上昇時間が短くなるため、膨張行程に
おいてクランク角の増加量に対するピストンの移動量
(燃焼室の容積の増加量)が小さくなり、混合気の燃焼
時の等容度が高まって内燃機関の熱効率が向上する。し
かも吸気行程の期間が通常の内燃機関の180°に比べ
て長くなるために吸気の流速が下がり、吸気効率の向
上、ポンピングロスの低減および吸気弁の小径化を図る
ことができる。更に圧縮行程の期間が通常の内燃機関の
180°に比べて短くなるため、燃焼室内の混合気の攪
拌を促進して燃焼時間を短縮するとともに、圧縮時の熱
損失を低減することができる。
【0011】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、前記コネクティング手段は、
一端がピストンピンに枢支されて他端に中間ピンを備え
た第1コネクティングロッドと、一端が中間ピンに枢支
されて他端がクランクピンに枢支された第2コネクティ
ングロッドと、一端が中間ピンに枢支されて他端が固定
部に枢支されたリンクアームとから構成され、ピストン
が上死点にあるときに、第1コネクティングロッドはシ
リンダの軸線にほぼ沿うとともに、第2コネクティング
ロッドはシリンダの軸線に対してほぼ直交し、かつリン
クアームの他端を枢支する固定部はクランクシャフトの
下方に位置することを特徴とする内燃機関が提案され
る。
【0012】上記構成によれば、第2コネクティングロ
ッドがシリンダの軸線に対して直交する方向に配置され
るので、第1、第2コネクティングロッドの両方をシリ
ンダの軸線に沿って配置した従来のものに比べて、前記
軸線方向の内燃機関の寸法を小型化することができる。
また通常の内燃機関に比べて膨張行程の初期での第1コ
ネクティングロッドの揺動角が小さくなり、しかも膨張
行程の初期でピストンの下降速度が小さいので、ピスト
ンとシリンダとの間のフリクションロスを低減すること
ができる。更に第1コネクティングロッドはシリンダの
軸線に対して片側にしか揺動しないため、ピストンのス
ラップ音の発生を低減することができる。
【0013】また請求項3に記載された発明によれば、
請求項2の構成に加えて、ピストンが上死点にあるとき
に、中間ピンの軸線を通ってシリンダの軸線に直交する
直線に対して、クランクシャフトの軸線が上方に位置す
ることを特徴とする内燃機関が提案される。
【0014】上記構成によれば、ピストンの上死点にお
いて、クランクシャフトの軸線が、中間ピンの軸線を通
ってシリンダの軸線に直交する直線に対して上方に位置
するので、ピストンが上死点から下降する膨張行程の初
期に第2コネクティングロッドに引張荷重が発生するよ
うになり、第2コネクティングロッドが強度上有利にな
って小径化が可能になる。
【0015】また請求項4に記載された発明によれば、
シリンダに摺動自在に嵌合するピストンをコネクティン
グ手段を介してクランクシャフトに連接し、ピストンの
往復動に応じて吸気弁および排気弁を開閉駆動する内燃
機関において、前記コネクティング手段はピストンの下
降時間に比べて上昇時間が短くなるように構成され、か
つ排気弁の実質開口面積が吸気弁の実質開口面積よりも
大きく設定されたことを特徴とする内燃機関が提案され
る。
【0016】上記構成によれば、ピストンをクランクシ
ャフトに連接するコネクティング手段によりピストンの
下降時間に比べて上昇時間が短くなるため、膨張行程に
おいてクランク角の増加量に対するピストンの移動量
(燃焼室の容積の増加量)が小さくなり、混合気の燃焼
時の等容度が高まって内燃機関の熱効率が向上する。し
かも吸気行程の期間が通常の内燃機関の180°に比べ
て長くなるために吸気の流速が下がり、吸気効率の向
上、ポンピングロスの低減および吸気弁の小径化を図る
ことができる。更に圧縮行程の期間が通常の内燃機関の
180°に比べて短くなるため、燃焼室内の混合気の攪
拌を促進して燃焼時間を短縮するとともに、圧縮時の熱
損失を低減することができる。更にまた、排気弁の実質
開口面積を吸気弁の実質開口面積よりも大きく設定した
ので、ピストンの下降時間に比べて上昇時間を短くした
ために排気行程開始時におけるピストンの動きが従来よ
り速くなっても、排気ガスを燃焼室からスムーズに排出
して排気損失を最小限に抑えることができる。
【0017】また請求項5に記載された発明によれば、
シリンダに摺動自在に嵌合するピストンをコネクティン
グロッドを介してクランクシャフトに連接し、ピストン
の上下動に応じて吸気弁および排気弁を開閉駆動する内
燃機関において、燃焼室が区画されるシリンダヘッドを
ピストンおよびクランクシャフト間に配置し、かつ排気
弁の実質開口面積が吸気弁の実質開口面積よりも大きく
設定されたことを特徴とする内燃機関が提案される。
【0018】上記構成によれば、内燃機関において燃焼
室が区画されるシリンダヘッドをピストンおよびクラン
クシャフト間に配置したので、燃焼室がピストンを挟ん
でクランクシャフトの反対側に配置された従来の内燃機
関に比べて、ピストンの上死点を基準としたクランク角
の増加量に対する燃焼室の容積の増加量を小さく抑える
ことができ、これにより混合気の燃焼時の等容度を高め
て熱効率を高めることができる。しかも膨張行程におい
てコネクティングロッドに引張荷重が加わるため、圧縮
荷重が加わる従来の内燃機関に比べて座屈に対する配慮
が不要になり、コネクティングロッドの強度を下げて重
量を軽減することができる。更に下死点の近傍でのピス
トンの移動速度が従来の内燃機関よりも速くなるが、排
気弁の実質開口面積を吸気弁の実質開口面積よりも大き
く設定したことにより、排気ガスを燃焼室からスムーズ
に排出して排気損失を最小限に抑えることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0020】図1〜図4は本発明の第1実施例を示すも
ので、図1は内燃機関の縦断面図(ピストンが上死点に
ある状態)、図2は内燃機関の縦断面図(ピストンが下
死点にある状態)、図3は図1の3−3線矢視図、図4
はクランク角に対するピストンのストロークの関係を示
すグラフである。尚、本明細書において、内燃機関Eの
ピストン14の上死点の方向および下死点の方向を、そ
れぞれ上方および下方と定義する。
【0021】図1に示すように、4サイクルの内燃機関
Eはシリンダブロック11およびシリンダヘッド12を
備えており、シリンダブロック11に設けたシリンダ1
3にピストン14が摺動自在に嵌合する。シリンダヘッ
ド12には、ピストン14の上面に臨む燃焼室15と、
燃焼室15に連なる吸気ポート16と、燃焼室15に連
なる排気ポート17と、吸気弁孔を開閉する吸気弁18
と、排気弁孔を開閉する排気弁19とが設けられる。
【0022】クランクシャフト20は、その軸線L1が
シリンダ13の軸線L2に対して一側方に偏倚するよう
に配置される。一端がピストンピン21に枢支されて下
方に延びる第1コネクティングロッド22の他端に中間
ピン23を介して第2コネクティングロッド24の一端
が枢支されており、中間ピン23から一側方に延びる第
2コネクティングロッド24の他端がクランクピン25
に枢支される。中間ピン23に一端を枢支されたリンク
アーム26は、その他端がクランクシャフト20の下方
に位置する固定部27に支点ピン28を介して枢支され
る。
【0023】ピストン14が上死点にあるとき、第1コ
ネクティングロッド22の軸線L3(つまりピストンピ
ン21の軸線L4と中間ピン23の軸線L5とを結ぶ線
分)はシリンダ13の軸線L2にほぼ一致しており、第
2コネクティングロッド24の軸線L6(つまり中間ピ
ン23の軸線L5とクランクピン25の軸線L7とを結
ぶ線分)は、第1コネクティングロッド22の軸線L3
にほぼ直交している。リンクアーム26の軸線L8(つ
まり中間ピン23の軸線L5と支点ピン28の軸線L9
とを結ぶ線分)は、第1コネクティングロッド22の軸
線L3に対して図中右下がりに傾斜している。
【0024】上記第1コネクティングロッド22、第2
コネクティングロッド24およびリンクアーム26は、
本発明のコネクティング手段29を構成する。
【0025】クランクシャフト20の回転方向は、ピス
トン14が上死点から下死点に下降する間に、クランク
ピン25が上昇した後に下降する方向に設定される。
【0026】図3から明らかなように、吸気弁18の直
径D1と排気弁19の直径D2との関係は従来の内燃機
関の逆であり、排気弁19の直径D2を吸気弁18の直
径D1よりも大きくすることで、つまり排気弁19の周
長を吸気弁18の周長よりも大きくすることで、排気弁
19の実質開口面積を吸気弁18の実質開口面積より大
きく設定している。本実施例では、燃焼室15の直径線
上に吸気弁18および排気弁19が配置されており、前
記直径線を挟むように2個の点火プラグ30,31が配
置される。
【0027】尚、排気弁19の実質開口面積を吸気弁1
8の実質開口面積よりも大きくするには、図5の変形例
に示すように、例えば1個の吸気弁18に対して2個の
排気弁19,19を配置し、2個の排気弁19の周長の
和を1個の吸気弁18の周長よりも大きくしても良い。
この変形例では、燃焼室15の直径線の一側に吸気弁1
8を配置するとともに他側に2個の排気弁19,19を
配置し、前記直径線上に2個の点火プラグ30,31を
配置している。
【0028】図2にはピストン14が下死点にあるとき
の状態が示される。ピストン14が上死点および下死点
間を移動するとき、第1コネクティングロッド22の下
端の中間ピン23の軸線L5は、リンクアーム26に拘
束されて支点ピン28の軸線L9を中心とする円弧A上
を移動する。その間、中間ピン23の軸線L5はシリン
ダ13の軸線L2よりも図中右側に出ることはない。
【0029】そしてピストン14が上死点から下死点に
移動する間にクランクシャフト20は216°回転し、
ピストン14が下死点から上死点に移動する間にクラン
クシャフト20は144°回転する。つまり、本実施例
の内燃機関Eは、膨張行程および吸気行程の期間(クラ
ンク角)が、圧縮行程および排気行程の期間(クランク
角)よりも長くなる。
【0030】図4はクランク角に対するピストンのスト
ロークの関係を示すもので、そのうちの鎖線は、シリン
ダ軸線上にクランクシャフトの軸線を配置してピストン
ピンとクランクピンとを1本のコネクティングロッドで
連接した従来の内燃機関の特性を示している。上記鎖線
の特性はサインカーブと類似のもので、上死点を中心に
して遅れ側(圧縮行程および排気行程)と進み側(膨張
行程および吸気行程)とが対称である。それに対して実
線で示す本実施例の特性は、上述したように膨張行程お
よび吸気行程の期間が圧縮行程および排気行程の期間よ
りも長くなるため、上死点を中心にして遅れ側と進み側
とが非対称になる。
【0031】上記特性により、本実施例の内燃機関E
は、従来の内燃機関に対して以下のような効果を発揮す
ることができる。
【0032】 内燃機関Eの熱効率を高めるには混合
気の燃焼時の等容度を高めることが望ましく、そのため
には膨張行程で上死点からピストン14が下降するとき
に、クランク角の増加量に対する燃焼室15の容積の増
加量が小さいほど前記等容度が高められて熱効率が向上
する。図4のグラフの膨張行程部分から明らかなよう
に、実線で示す本実施例の内燃機関Eの上死点からのピ
ストン14の下向きの変位は、鎖線で示す従来の内燃機
関のピストンの下向きの変位に比べて小さくなってお
り、従って膨張行程における等容度が高められて熱効率
が向上する。
【0033】 図4のグラフの吸気行程部分から明ら
かなように、実線で示す本実施例の内燃機関Eは吸気行
程の期間が従来例の180°に比べて216°と長くな
っているため、吸気の流速を下げて吸気効率の向上、ポ
ンピングロスの低減および吸気弁18の小径化を図るこ
とができる。
【0034】 図4のグラフの圧縮行程部分から明ら
かなように、実線で示す本実施例の内燃機関Eは圧縮行
程の期間が従来例の180°に比べて144°と短くな
っているため、燃焼室15内の混合気の攪拌を促進して
燃焼時間を短縮するとともに、圧縮時の熱損失(冷却損
失)を低減することができる。
【0035】また本実施例の内燃機関Eは、そのコネク
ティング手段29の構造により以下のような効果を発揮
することができる。
【0036】 第2コネクティングロッド24がシリ
ンダ13の軸線L2に対して直交する方向に配置される
ので、第1コネクティングロッド22および第2コネク
ティングロッド24を共にシリンダ13の軸線L2に沿
って配置する場合に比べて、シリンダ13の軸線L2方
向の内燃機関Eの寸法を小型化することができる。
【0037】 単一のコネクティングロッドを備えた
通常の内燃機関に比べて、特に燃焼室15の圧力が高い
状態(つまり膨張行程の初期)での第1コネクティング
ロッド22の揺動角が大幅に小さくなり、しかも燃焼室
15の圧力が高い膨張行程の初期にピストン14の下降
速度が小さいので、ピストン14の側圧によるフリクシ
ョンロスを低減することができる。
【0038】 第1コネクティングロッド22はシリ
ンダ13の軸線L2に対して片側にしか揺動しないた
め、ピストン14がシリンダ13に衝突するスラップ音
を低減することができる。
【0039】一般に従来の内燃機関は、排気弁の実質開
口面積が吸気弁の実質開口面積よりも小さく設定されて
いる。その第1の理由は、排気ガスは高温であるために
チョーキング限界マッハ数が高いことであり、第2の理
由は、上死点側に比べて下死点側でのピストンの動きが
遅いために排気ガスの排出に時間的余裕があることであ
る。
【0040】図4で説明したように、本実施例の内燃機
関Eは排気行程の期間が従来よりも短くなり、下死点付
近でのピストン14の動きが速くなるため、そのままで
は排気損失が増加する可能性がある。特に、排気弁は下
死点の手前位置で開弁するのが一般的であるが、膨張行
程を有効に利用するために排気弁を開くタイミングを下
死点付近まで遅らせた場合には、排気ガスのスムーズな
排出が阻害されて排気損失が一層増加する懸念がある。
しかしながら、本実施例では排気弁19の実質開口面積
を吸気弁18の実質開口面積よりも大きく設定したこと
により、排気弁を開くタイミングを可能な限り下死点に
近づけて膨張行程を有効に利用しながら、排気ガスのス
ムーズな排出を可能にして排気損失の増加を最小限に抑
えることができる。
【0041】ところで、上記第1実施例では、ピストン
14が上死点にあるとき、第2コネクティングロッド2
4がシリンダ13の軸線L2に対して直交する方向に延
びているが、図6に示す第2実施例では第2コネクティ
ングロッド24の軸線L6がシリンダ13の軸線L2に
直交する方向に対して僅かに斜め上方に延びており、ま
た図7に示す第3実施例では第2コネクティングロッド
24の軸線L6がシリンダ13の軸線L2に直交する方
向に対して僅かに斜め下方に延びている。
【0042】より具体的には、図6の第2実施例ではピ
ストン14が上死点にあるとき、シリンダ13の軸線L
2上にある中間ピン23の軸線L5の位置をQとし、ク
ランクシャフト20の軸線L1からシリンダ13の軸線
L2に下ろした垂線の足をSとしたとき、SはQの上側
にある。一方、図7の第2実施例では、SはQの下側に
ある。
【0043】図6および図7の実施例は、ピストン14
が上死点にあるときに第1コネクティングロッド22お
よび第2コネクティングロッド24が殆ど直角に配置さ
れているため、上記第1実施例の作用効果をそのまま達
成することができる。しかしながら、厳密に言うとSお
よびQの上下関係から、膨張行程でピストン14が図示
した上死点から下降するときに、図6に示す第2実施例
では第2コネクティングロッド24に引張荷重が作用す
るが、図7に示す第3実施例では第2コネクティングロ
ッド24に一瞬だけ圧縮荷重が作用する。従って、第2
コネクティングロッド24の強度上の観点からは、それ
に圧縮荷重が作用しない第2実施例(図6参照)の配置
の方が有利であり、第2実施例の配置を採用することで
第2コネクティングロッド24を小径化して重量の軽減
に寄与することができる。
【0044】次に、図8〜図11に基づいて本発明の第
4実施例を説明する。
【0045】第4実施例の構造は、図6で説明した第2
実施例の構造に類似しているが、クランクシャフト20
の軸線L1および支点ピン28の軸線L9が第2実施例
よりも僅かに高くなっている。ピストン14が上死点に
あるとき、第2コネクティングロッド24は中間ピン2
3の軸線L5に対してクランクシャフト20の軸線L1
側が高くなり、またリンクアーム26は中間ピン23の
軸線L5に対して支点ピン28の軸線L9側が低くなっ
ている。
【0046】この第4実施例によれば、前記第1実施例
および第2実施例の効果に加えて、以下のような格別の
効果を達成することができる。
【0047】即ち、ピストン14が上死点にある膨張行
程の初期に、燃焼室15での混合気の爆発による荷重は
ピストン14を介して第1コネクティングロッド22に
伝達され、第1コネクティングロッド22の下端の中間
ピン23に下向きの爆発荷重Fが作用する。前記爆発荷
重Fは、第2コネクティングロッド24を左下方向に引
っ張る引張荷重F1と、リンクアーム26を右下方向に
圧縮する圧縮荷重F2とに分解され、前記引張荷重F1
により第2コネクティングロッド24はΔL1だけ引き
伸ばされ、また前記圧縮荷重F2によりリンクアーム2
6はΔL2だけ押し縮められる。第2コネクティングロ
ッド24およびリンクアーム26が水平線と成す角度が
小さいことにより、爆発荷重Fに対して第2コネクティ
ングロッド24の引張荷重F1およびリンクアーム26
の圧縮荷重F2は拡大される。
【0048】図10において、第2コネクティングロッ
ド24がΔL1だけ引き伸ばされ、リンクアーム26は
長さが変化しないと仮定した場合、第1コネクティング
ロッド22の下端の中間ピン23の位置はΔL′だけ低
くなる。実際には、図11に示すように、第2コネクテ
ィングロッド24がΔL1だけ引き伸ばされ、かつリン
クアーム26がΔL2だけ押し縮められるため、第1コ
ネクティングロッド22の下端の中間ピン23の位置
は、前記ΔL′よりも更に大きいΔLだけ低くなる。
【0049】このようにして、膨張行程の初期に中間ピ
ン23の位置がΔLだけ低くなるとピストン14の位置
もΔLだけ低くなり、その分だけ燃焼室15の容積が増
加して圧縮比が減少する。ΔLの大きさは爆発荷重Fが
大きいほど大きくなるため、内燃機関Eの負荷が大きい
ほど圧縮比が減少率が大きくなり、その結果として、部
分負荷時の広い運転領域で高圧縮比による熱効率の高い
運転を可能にして燃料消費量を削減しながら、高負荷時
に圧縮比を下げてノッキングを防止することができる。
しかも、かかる可変圧縮比制御を、特別のアクチュエー
タや制御装置を必要とせずに、第1コネクティングロッ
ド22、第2コネクティングロッド24およびリンクア
ーム26のレイアウトだけで実現することができるの
で、極めて低コストである。
【0050】尚、爆発荷重Fによって第1コネクティン
グロッド22自体も圧縮されて長さが押し縮められれ、
その分だけピストン14の位置が下がって圧縮比が減少
するが、第2コネクティングロッド24およびリンクア
ーム26の伸縮に伴う圧縮比の減少は、それよりも遥か
に大きなものとなる。その理由は、上下方向に配置され
た第1コネクティングロッド22の収縮に伴うピストン
14の下降距離は、前記収縮量そのものであるが、略水
平方向に配置された第2コネクティングロッド24およ
びリンクアーム26の伸縮に伴うピストン14の下降距
離は、前記伸縮量を拡大したものとなるからである。
【0051】図12〜図16は本発明の第5実施例を示
すもので、図12は内燃機関の縦断面図(ピストンが上
死点にある状態)、図13は内燃機関の縦断面図(ピス
トンが下死点にある状態)、図14は図12の14−1
4線矢視図、図15は内燃機関の作用の説明図、図16
はクランク角θとピストン変位xとの関係を示すグラフ
である。
【0052】図12〜図15に示すように、内燃機関E
を備えた自動二輪車用のパワーユニットPの外郭はミッ
ションケース111と、ミッションケース111の前面
に締結されたシリンダヘッド112と、シリンダヘッド
112の前面に締結されたシリンダブロック113と、
シリンダブロック113の前面に締結されたカバー11
4とから構成される。シリンダブロック113の内部に
支持されたシリンダ115にピストン1116が摺動自
在に嵌合しており、このピストン116から前方に向け
て一体に突出する脚部116a,116aの前端にピス
トンピン117が支持される。ピストン116が図12
に示す上死点にあるとき、ピストンピン117との干渉
を回避するためのU字状の切欠115a,115aがシ
リンダ115の前端に形成される。
【0053】シリンダヘッド112およびミッションケ
ース111の合わせ面に支持されたクランクシャフト1
19は一対のクランクピン119a,119aを備えて
おり、これらクランクピン119a,119aに大端部
をニードルベアリング120,120で支持された一対
のコネクティングロッド121,121は、シリンダヘ
ッド112の開口112a,112aおよびシリンダブ
ロック113の開口(図示せず)を通って前記ピストン
ピン117の両端に連接される。
【0054】ピストン116の頂面に対向するようにシ
リンダヘッド112に燃焼室122が形成されており、
この燃焼室122から上方に延びる吸気ポート123お
よび下方に延びる排気ポート124は、V字状に配置さ
れた吸気弁125および排気弁126でそれぞれ開閉さ
れる。図14から明らかなように、排気弁126の実質
開口面積は吸気弁125の実質開口面積よりも大きく設
定される。燃焼室122には吸気弁125および排気弁
126と干渉しないように点火プラグ108が装着され
る。
【0055】ミッションケース111には吸気ロッカー
シャフト130および排気ロッカーシャフト131が支
持されており、吸気ロッカーシャフト130に揺動自在
に支持された吸気ロッカーアーム132が、カムシャフ
ト128に固定した吸気カム133および吸気弁125
のステムエンドに当接する。排気ロッカーシャフト13
1にはL字状の従動排気ロッカーアーム134の中間部
が揺動自在に支持されており、この従動排気ロッカーア
ーム134の一端部は排気弁126のステムエンドに当
接し、他端部は連結ロッド135の一端に連結される。
吸気ロッカーシャフト130には、前記吸気ロッカーア
ーム132に対して独立した駆動排気ロッカーアーム1
36が揺動自在に支持されており、この駆動排気ロッカ
ーアーム136にカムシャフト128に固定した排気カ
ム137が当接するとともに、前記連結ロッド135の
他端が連結される。
【0056】カムシャフト128の回転は、吸気カム1
33および吸気ロッカーアーム132を介して吸気弁1
25に伝達され、クランクシャフト119の2回転につ
き1回の割合で吸気弁125を開弁駆動する。またカム
シャフト128の回転は、排気カム137、駆動排気ロ
ッカーアーム136、連結ロッド135および従動排気
ロッカーアーム134を介して排気弁126に伝達さ
れ、クランクシャフト119の2回転につき1回の割合
で排気弁126を開弁駆動する。
【0057】次に、第5実施例の作用について説明す
る。
【0058】図15は本実施例の内燃機関Eを模式的に
示したもので、シリンダ115と、シリンダ115に摺
動自在に嵌合するピストン116と、シリンダ115に
結合されたシリンダヘッド112と、ピストン116に
臨むシリンダヘッド112の上面に形成された燃焼室1
22と、クランクシャフト119と、ピストン116を
クランクシャフト119に連接するコネクティングロッ
ド121,121とを備える。そしてシリンダヘッド1
12はピストン116とクランクシャフト119とに挟
まれた位置に配置される。
【0059】図15(A)はピストン116が上死点に
ある状態を示しており、このときのクランク角θは0°
である。図15(C)はピストン116が下死点にある
状態を示しており、このときのクランク角θは180°
である。図15(B)はピストン116が上死点および
下死点の中点にある状態を示しており、このときのクラ
ンク角θは90°にならず、90°よりも大きい角度θ
bとなる。その理由は、上死点および下死点ではコネク
ティングロッド121,121がシリンダ軸線L上にあ
るのに対し、前記中点ではシリンダ軸線Lに対してコネ
クティングロッド121,121が角度φだけ傾斜する
からである。
【0060】図16には上記内燃機関Eの上死点を基準
としたクランク角θと、上死点を基準としたピストン1
16の変位xとの関係が破線で示される。ここでピスト
ン116の上死点および下死点間のストロークは60m
mである。図15(B)で説明したように、ピストン1
16が上死点および下死点の中点(変位が−30mmの
点)にあるとき、クランク角θは90°よりも大きい角
度θbとなる。それに対して実線で示す余弦カーブで
は、ピストン116が上死点および下死点の中点にある
とき、クランク角θは90°となる。
【0061】このように、本実施例の内燃機関Eでは、
クランク角θに対するピストン116の変位xの関係を
示すライン(破線参照)が、実線で示す余弦カーブより
も上側に位置していることが分かる。このことは、膨張
行程においてピストンが上死点から下降するとき、クラ
ンク角θの増加量に対するピストン116の変位xの増
加量が余弦カーブの特性に比べて小さいことを意味して
いる。
【0062】内燃機関Eの熱効率を高めるには混合気の
燃焼時の等容度を高めることが望ましく、そのためには
膨張行程で上死点からピストン116が下降するとき
に、クランク角θの増加量に対する燃焼室122の容積
の増加量が小さいほど前記等容度が高められて熱効率が
向上する。図16のグラフのクランク角θが0°から1
80°までの膨張行程部分から明らかなように、破線で
示す本実施例の内燃機関Eの上死点からのピストン11
6の変位xは、鎖線で示す従来の内燃機関のピストンの
変位xに比べて小さくなっており、従って膨張行程にお
ける等容度が高められて熱効率が向上する。
【0063】また本実施例の内燃機関Eでは、クランク
角θに対するピストン116の変位xの関係を示すライ
ン(破線参照)が、実線で示す余弦カーブよりも上側に
位置していることで、排気行程においてピストンが下死
点から上昇するとき、クランク角θの増加量に対するピ
ストン116の変位xの増加量が余弦カーブの特性に比
べて大きくなり、単位時間当たりの排気ガスの排出量が
従来の内燃機関よりも増加する。しかしながら、排気弁
126の実質開口面積を吸気弁125の実質開口面積よ
りも大きく設定したことにより、排気ガスを燃焼室12
2からスムーズに排出して排気損失を最小限に抑えるこ
とができる。
【0064】またコネクティングロッド121,121
に最も大きな荷重が加わる膨張行程において、ピストン
116はクランクシャフト119から遠ざかる方向に移
動するため、コネクティングロッド121,121には
従来の内燃機関Eとは逆の引張荷重が作用する。このよ
うにコネクティングロッド121,121に引張荷重が
加わることにより、圧縮荷重が加わる場合に比べて強度
上有利になり、これによりコネクティングロッド12
1,121を細くして軽量化を図ることができる。
【0065】またコネクティングロッド121,121
を2本に分割し、ピストン116の両側を通してクラン
クシャフト119の軸方向両端側に連接したので、ピス
トン116に偏荷重が加わるのを防止して磨耗に対する
耐久性を高めることができる。しかもピストン116に
クランクシャフト119から遠ざかる方向に脚部116
a,116aを突出させ、この脚部116a,116a
に先端にピストンピン117を設けたので、コネクティ
ングロッド121,121の全長が従来の内燃機関Eに
比べて長くなる。その結果、シリンダ軸線Lに対するコ
ネクティングロッド121,121の揺動角φが小さく
なり、ピストン116が受けるサイドスラストが減少し
て磨耗に対する耐久性を高めることができる。
【0066】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱することなく種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0067】例えば、実施例では4サイクルの内燃機関
Eを例示したが、本発明は2サイクルの内燃機関に対し
ても適用することができる。
【0068】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、ピストンをクランクシャフトに連接するコネ
クティング手段によりピストンの下降時間に比べて上昇
時間が短くなるため、膨張行程においてクランク角の増
加量に対するピストンの移動量(燃焼室の容積の増加
量)が小さくなり、混合気の燃焼時の等容度が高まって
内燃機関の熱効率が向上する。しかも吸気行程の期間が
通常の内燃機関の180°に比べて長くなるために吸気
の流速が下がり、吸気効率の向上、ポンピングロスの低
減および吸気弁の小径化を図ることができる。更に圧縮
行程の期間が通常の内燃機関の180°に比べて短くな
るため、燃焼室内の混合気の攪拌を促進して燃焼時間を
短縮するとともに、圧縮時の熱損失を低減することがで
きる。
【0069】また請求項2に記載された発明によれば、
第2コネクティングロッドがシリンダの軸線に対して直
交する方向に配置されるので、第1、第2コネクティン
グロッドの両方をシリンダの軸線に沿って配置した従来
のものに比べて、前記軸線方向の内燃機関の寸法を小型
化することができる。また通常の内燃機関に比べて膨張
行程の初期での第1コネクティングロッドの揺動角が小
さくなり、しかも膨張行程の初期でピストンの下降速度
が小さいので、ピストンとシリンダとの間のフリクショ
ンロスを低減することができる。更に第1コネクティン
グロッドはシリンダの軸線に対して片側にしか揺動しな
いため、ピストンのスラップ音の発生を低減することが
できる。
【0070】また請求項3に記載された発明によれば、
ピストンの上死点において、クランクシャフトの軸線
が、中間ピンの軸線を通ってシリンダの軸線に直交する
直線に対して上方に位置するので、ピストンが上死点か
ら下降する膨張行程の初期に第2コネクティングロッド
に引張荷重が発生するようになり、第2コネクティング
ロッドが強度上有利になって小径化が可能になる。
【0071】また請求項4に記載された発明によれば、
ピストンをクランクシャフトに連接するコネクティング
手段によりピストンの下降時間に比べて上昇時間が短く
なるため、膨張行程においてクランク角の増加量に対す
るピストンの移動量(燃焼室の容積の増加量)が小さく
なり、混合気の燃焼時の等容度が高まって内燃機関の熱
効率が向上する。しかも吸気行程の期間が通常の内燃機
関の180°に比べて長くなるために吸気の流速が下が
り、吸気効率の向上、ポンピングロスの低減および吸気
弁の小径化を図ることができる。更に圧縮行程の期間が
通常の内燃機関の180°に比べて短くなるため、燃焼
室内の混合気の攪拌を促進して燃焼時間を短縮するとと
もに、圧縮時の熱損失を低減することができる。更にま
た、排気弁の実質開口面積を吸気弁の実質開口面積より
も大きく設定したので、ピストンの下降時間に比べて上
昇時間を短くしたために排気行程開始時におけるピスト
ンの動きが従来より速くなっても、排気ガスを燃焼室か
らスムーズに排出して排気損失を最小限に抑えることが
できる。
【0072】また請求項5に記載された発明によれば、
内燃機関において燃焼室が区画されるシリンダヘッドを
ピストンおよびクランクシャフト間に配置したので、燃
焼室がピストンを挟んでクランクシャフトの反対側に配
置された従来の内燃機関に比べて、ピストンの上死点を
基準としたクランク角の増加量に対する燃焼室の容積の
増加量を小さく抑えることができ、これにより混合気の
燃焼時の等容度を高めて熱効率を高めることができる。
しかも膨張行程においてコネクティングロッドに引張荷
重が加わるため、圧縮荷重が加わる従来の内燃機関に比
べて座屈に対する配慮が不要になり、コネクティングロ
ッドの強度を下げて重量を軽減することができる。更に
下死点の近傍でのピストンの移動速度が従来の内燃機関
よりも速くなるが、排気弁の実質開口面積を吸気弁の実
質開口面積よりも大きく設定したことにより、排気ガス
を燃焼室からスムーズに排出して排気損失を最小限に抑
えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る内燃機関の縦断面図(ピスト
ンが上死点にある状態)
【図2】上記内燃機関の縦断面図(ピストンが下死点に
ある状態)
【図3】図1の3−3線断面図
【図4】内燃機関のクランク角に対するピストンのスト
ロークの関係を示すグラフ
【図5】第1実施例の変形例に係る、前記図3に対応す
る図
【図6】第2実施例に係る内燃機関の縦断面図(ピスト
ンが上死点にある状態)
【図7】第3実施例に係る内燃機関の縦断面図(ピスト
ンが上死点にある状態)
【図8】第4実施例に係る内燃機関の縦断面図(ピスト
ンが上死点にある状態)
【図9】第4実施例に係る内燃機関の縦断面図(ピスト
ンが下死点にある状態)
【図10】上死点において第2コネクティングロッドが
伸びた場合の中間ピンの位置変化を説明する図
【図11】上死点において第2コネクティングロッドが
伸びてリンクアームが縮んだ場合の中間ピンの位置変化
を説明する図
【図12】第5実施例に係る内燃機関の縦断面図(ピス
トンが上死点にある状態)
【図13】第4実施例に係る内燃機関の縦断面図(ピス
トンが下死点にある状態)
【図14】図12の14−14線矢視図
【図15】内燃機関の作用の説明図
【図16】クランク角θとピストン変位xとの関係を示
すグラフ
【符号の説明】
13 シリンダ 14 ピストン 18 吸気弁 19 排気弁 20 クランクシャフト 21 ピストンピン 22 第1コネクティングロッド 23 中間ピン 24 第2コネクティングロッド 25 クランクピン 26 リンクアーム 27 固定部 29 コネクティング手段 112 シリンダヘッド 115 シリンダ 116 ピストン 119 クランクシャフト 121 コネクティングロッド 122 燃焼室 125 吸気弁 126 排気弁 L1 クランクシャフトの軸線 L2 シリンダの軸線 L5 中間ピンの軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊池 一紀 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 鈴木 正剛 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 飯嶌 智司 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3G092 AA12 BA02 DD06 EA25 FA00 FA01 FA14 FA25 FA50

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ(13)に摺動自在に嵌合する
    ピストン(14)をコネクティング手段(29)を介し
    てクランクシャフト(20)に連接した内燃機関におい
    て、 前記コネクティング手段(29)はピストン(14)の
    下降時間に比べて上昇時間が短くなるように構成された
    ことを特徴とする内燃機関。
  2. 【請求項2】 前記コネクティング手段(29)は、一
    端がピストンピン(21)に枢支されて他端に中間ピン
    (23)を備えた第1コネクティングロッド(22)
    と、一端が中間ピン(23)に枢支されて他端がクラン
    クピン(25)に枢支された第2コネクティングロッド
    (24)と、一端が中間ピン(23)に枢支されて他端
    が固定部(27)に枢支されたリンクアーム(26)と
    から構成され、 ピストン(14)が上死点にあるときに、第1コネクテ
    ィングロッド(22)はシリンダ(13)の軸線(L
    2)にほぼ沿うとともに、第2コネクティングロッド
    (24)はシリンダ(13)の軸線(L2)に対してほ
    ぼ直交し、かつリンクアーム(26)の他端を枢支する
    固定部(27)はクランクシャフト(20)の下方に位
    置することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関。
  3. 【請求項3】 ピストン(14)が上死点にあるとき
    に、中間ピン(23)の軸線(L5)を通ってシリンダ
    (13)の軸線(L2)に直交する直線に対して、クラ
    ンクシャフト(20)の軸線(L1)が上方に位置する
    ことを特徴とする、請求項2に記載の内燃機関。
  4. 【請求項4】 シリンダ(13)に摺動自在に嵌合する
    ピストン(14)をコネクティング手段(29)を介し
    てクランクシャフト(20)に連接し、ピストン(1
    4)の往復動に応じて吸気弁(18)および排気弁(1
    9)を開閉駆動する内燃機関において、 前記コネクティング手段(29)はピストン(14)の
    下降時間に比べて上昇時間が短くなるように構成され、
    かつ排気弁(19)の実質開口面積が吸気弁(18)の
    実質開口面積よりも大きく設定されたことを特徴とする
    内燃機関。
  5. 【請求項5】 シリンダ(115)に摺動自在に嵌合す
    るピストン(116)をコネクティングロッド(12
    1)を介してクランクシャフト(119)に連接し、ピ
    ストン(116)の上下動に応じて吸気弁(125)お
    よび排気弁(126)を開閉駆動する内燃機関におい
    て、 燃焼室(122)が区画されるシリンダヘッド(11
    2)をピストン(116)およびクランクシャフト(1
    19)間に配置し、かつ排気弁(126)の実質開口面
    積が吸気弁(125)の実質開口面積よりも大きく設定
    されたことを特徴とする内燃機関。
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