JP2009257162A - 制御装置、内燃機関制御装置、ハイブリッド車両制御装置、及び制御方法 - Google Patents

制御装置、内燃機関制御装置、ハイブリッド車両制御装置、及び制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】油圧制御弁の不感帯領域に温度や使用部品等に起因するばらつきがあっても、車両の走行に影響を及ぼすことなく不感帯領域を特定して、バルブタイミングを迅速に可変させることのできる制御装置を提供する
【解決手段】車両のエンジン1における、可変バルブ装置6の油圧制御弁73を制御する制御装置9であって、車両の温度検出部が検出する温度毎に学習された油圧制御弁73の不感帯領域情報を記憶する記憶部と、エンジン1のアイドリング制御または停止制御を実行する場合で、記憶部に記憶された温度毎に学習された不感帯領域情報と温度検出部からの温度情報に基づいて、不感帯領域を学習する必要があると判断する場合に、油圧制御弁73を制御して検出温度における不感帯領域を学習し、学習した検出温度における不感帯領域を記憶部へ記憶する制御部とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の内燃機関における可変バルブ装置の駆動油圧弁を制御する制御装置、内燃機関制御装置、ハイブリッド車両制御装置、及び制御方法に関する。
最近の車両等に搭載されている内燃機関としてのエンジンには、燃費やエンジンの出力効率を良くすることを目的として、吸気バルブや排気バルブ等のバルブの開閉タイミング(以下、バルブタイミングと記す。)を可変とする可変バルブ装置が設けられている。
可変バルブ装置は、駆動油圧弁において調整された駆動油圧に基づいて、バルブタイミングを早める(進角)または遅らせる(遅角)、つまりバルブタイミングを変位させる。
駆動油圧弁における駆動油圧の調整について詳述すると、駆動油圧弁を制御する制御手段において、目標のバルブタイミングと現在のバルブタイミングの差分に基づいて制御信号が算出され、駆動油圧弁は、当該制御信号に基づいてスプールを摺動させることで、可変バルブ装置に設けられている進角室と遅角室に供給するオイルの油圧を調整する。
駆動油圧弁には、その構造上、スプールの位置が所定範囲であるときに可変バルブ装置に供給する油圧が極めて小さくなる不感帯領域が存在する。よって、スプールを前記所定範囲に位置させるような制御信号が駆動油圧弁に入力されると、可変バルブ装置へ供給される油圧が小さくなるために、バルブタイミングの変位速度が極端に遅くなってしまう虞がある。
このような問題を解決するために、特許文献1には、エンジンの吸気バルブ及び/または排気バルブのバルブタイミング、リフト量、作用角等の少なくとも1つを可変する可変バルブ装置と、可変バルブ装置の駆動油圧を制御する駆動油圧弁としての油圧制御弁と、油圧制御弁を制御するための制御信号を出力する制御手段とを備え、油圧制御弁は、一部の制御領域に制御信号の変化に対して応答性が遅いかまたはほとんど応答しない制御領域(不感帯領域)を有する非線形の制御特性を持ち、制御手段が、制御信号が不感帯領域内のときに制御ゲインを大きくすることで、不感帯領域での制御対象の応答性を向上させることができる制御装置が開示されている。
特開2007−107539号公報
ところで、不感帯領域は、図11(a)、(b)に示すように、駆動油圧弁から可変バルブ装置に供給されるオイルの温度によって異なり、駆動油圧弁等に使用されている各部品の劣化度や種類によってばらつきがある。
そのため、可変バルブ装置を搭載した車両の出荷時に、予め不感帯領域を特定していたとしても、その後の車両の状態や車両周辺の環境の変化によって不感帯領域が変化してしまう虞があり、特許文献1に示されているような不感帯領域で制御ゲインを大きくする処理を実行しようにも、何れの領域で制御ゲインを大きくすればよいかの判断が困難である。
例えば、特許文献1に記載の制御装置では、不感帯領域の変動具合によっては、不感帯領域であるにもかかわらず、制御ゲインを大きくする処理が実行されずに、バルブタイミングの変位速度の遅さを解消できない虞がある。逆に、不感帯領域でないにもかかわらず、制御ゲインを大きくする処理が実行されてしまい、バルブタイミングを目標のバルブタイミングに対して過剰に進角または遅角させてしまう虞もある。
本発明の目的は、上述した従来の問題点に鑑み、駆動油圧弁の不感帯領域に温度や使用部品等に起因するばらつきがあっても、車両の走行に影響を及ぼすことなく不感帯領域を特定して、バルブタイミングを迅速に可変させることのできる制御装置、内燃機関制御装置、ハイブリッド車両制御装置、及び制御方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による制御装置の特徴構成は、車両の内燃機関における、可変バルブ装置の駆動油圧弁を制御する制御装置であって、車両の温度検出部が検出する温度毎に学習された駆動油圧弁の不感帯領域情報を記憶する記憶部と、内燃機関のアイドリング制御を実行する場合、または内燃機関の停止制御を実行する場合で、記憶部に記憶された温度毎に学習された不感帯領域情報と、車両の温度検出部からの温度情報に基づいて、不感帯領域を学習する必要があると判断する場合に、駆動油圧弁を制御して検出温度における不感帯領域を学習し、学習した検出温度における不感帯領域を記憶部へ記憶する制御部と、を備えた点にある。
上述の構成によれば、制御部が、不感帯領域情報と温度情報に基づいて、不感帯領域を学習する必要があると判断する場合に不感帯領域を学習する。不感帯領域を学習する必要があると判断する場合としては、例えば、現在温度が未だ不感帯領域の学習をされていない温度である場合、或は、ハイブリッド車両の車速が、電動機の駆動力のみによる走行から、エンジンの駆動力による走行への移行、または、電動機とエンジンの駆動力の併用走行への移行までの時間を十分確保できるような車速である場合等である。
以上説明した通り、本発明によれば、駆動油圧弁の不感帯領域に温度や使用部品等に起因するばらつきがあっても、車両の走行に影響を及ぼすことなく不感帯領域を特定して、バルブタイミングを迅速に可変させることのできる制御装置を提供することができるようになった。
以下、本発明による制御装置(以下、可変バルブ制御装置と記す。)が、内燃機関制御装置としての車両のエンジン制御用の電子制御装置に組み込まれて実現されている実施形態について説明する。
本実施形態において、車両の内燃機関としてのエンジンは、1サイクルが4ストロークからなるエンジンであって、♯1気筒、♯2気筒、♯3気筒、♯4気筒の4個の気筒からなり、夫々の気筒が1/4サイクルずつ異なる駆動を行なうように構成されている。尚、以下で説明する図1に示す車両のエンジン1は、上述の4気筒のうちの一つの気筒を抽出したものを示している。
図1に示すように、車両のエンジン1は、内燃部2と、内燃部2に連通した吸気部3及び排気部4とを備えて構成されている。
内燃部2は、気筒21の内部の燃焼室21aにおいて混合気(霧状にした燃料と空気を混合したもの)が燃焼するときの圧力で上下に往復運動するピストン22と、燃焼室21aへの混合気の吸入口を開閉する吸気バルブ23と、混合気が燃焼した後の燃焼ガスを排出するために排出口を開閉する排気バルブ24と、ピストン22の往復運動を回転運動に変えるクランクシャフト25と、ピストン22とクランクシャフト25を接続するコネクティングロッド26と、燃焼室21aに吸入された混合気に着火するための点火プラグ27と、最適な空燃比(混合気における空気と燃料の混合比)を得ることができるよう燃料噴射時期を特定するためにクランクシャフト25の角度位置(クランク角)を検出するクランク角センサ28と、エンジン1の冷却水の温度を検出する水温センサ29等を備えて構成されている。
クランク角センサ28は、クランクシャフト25に固設されたクランクロータの外周に形成された複数の歯281と、当該複数の歯を読み取る電磁ピックアップ282とで構成されている。
ここで、点火プラグ27は、ディストリビュータ51にて分配された点火信号に基づいて点火される。ディストリビュータ51は、イグナイタ52から出力される高電圧を、クランク角センサ28で検出されたクランク角に同期して各気筒の点火プラグ27に分配するために設けられている。
以下に詳述する。ディストリビュータ51には、クランクシャフト25の回転に連動して回転するロータ(図示せず)と、ロータの回転数を検出する電磁ピックアップ57とからなる回転数センサが、後述する排気カムシャフト245に連結して設けられている。回転数センサにおいて、ロータの回転数が検出されることで、クランクシャフト25の回転数、つまりエンジンの回転数が検出される。
また、ディストリビュータ51には、ロータ56の回転に応じてクランクシャフト25のクランク角基準位置を所定の割合で検出し、その基準位置信号を出力する気筒判別センサ58が設けられている。
そして、ディストリビュータ51は、回転数センサ及び気筒判別センサ58の検出値に基づいて、イグナイタ52から出力される高電圧を分配する各気筒の点火プラグ27を決定する。
吸気部3は、内燃部2に燃料を燃焼するために必要な燃料と空気とを送るためのもので、空気または燃料の通路となる吸気管31と、吸気バルブ23に燃料を噴射するための燃料噴射弁としてのインジェクタ32と、吸気口33から吸入する空気を浄化するエアフィルタ34と、吸入された空気の吸入量を検出するエアフロメータ35と、吸入する空気量を制御するスロットルバルブ36と、アクセル開度センサによって検出されたアクセルペダルの踏み込み量に基づいてスロットルバルブ36を駆動するスロットルバルブ駆動機構37と、スロットルバルブ駆動機構37によって駆動されたスロットルバルブ36の開度を検出するスロットル開度センサ38等を備えて構成されている。
排気部4は、内燃部2で燃焼されたガスを排気するためのもので、排気されたガスの通路となる排気通路41と、排気されたガスを浄化する触媒42と、排気中の酸素濃度を検出する酸素センサ43等を備えて構成されている。
以下に、吸気バルブ23及び排気バルブ24の吸気口及び排出口の開閉機構について詳述する。吸気バルブ23及び排気バルブ24は上方へ延びるステム231、241を備え、ステム231、241の上部にはスプリング232、242及びバルブリフタ233、243等が設けられている。そして、各バルブリフタ233、243に係合してカム234、244が設けられている。
吸気カムシャフト235及び排気カムシャフト245は、気筒21の上側を覆っているシリンダヘッダに、夫々複数の軸受にて回転可能に支持されている。カム234は吸気カムシャフト235を軸として一体形成されており、カム244は排気カムシャフト245を軸として一体形成されている。
そして、吸気バルブ23及び排気バルブ24は、スプリング232、242の付勢力によって上方、つまり吸気口及び排出口を閉じる方向へ付勢されている。
エンジン1の動作時のクランクシャフト25の回転による動力は、タイミングベルトを介してタイミングギヤ236、246に伝達され、カムシャフト235、245がそれぞれ回転駆動されてカム234、244がそれぞれ回転する。また、回転するカム234、244の側面の湾曲形状に従ってバルブリフタ233、243がスプリング232、242の付勢力に抗して押圧されることにより、吸気バルブ23及び排気バルブ24が下方へ移動して吸気口及び排気口がそれぞれ開かれる。
エンジン1は、吸気カムシャフト235の先端部に可変バルブ装置6を備えて構成されている。可変バルブ装置6は、油圧の大きさに基づいてクランクシャフト25の回転位相に対する吸気カムシャフト235の相対回転位相を変更することにより吸気バルブ23の開閉タイミングを変更可能に構成されている。
可変バルブ装置6は、図2(a)及び図2(b)に示すように、クランクシャフト25にタイミングベルト65を介して接続されたタイミングギヤ236に固定され、吸気カムシャフト235に対して相対回転するハウジング61と、ハウジング61の内部に設置され吸気カムシャフト235と一体回転するベーンロータ62と、ベーンロータ62の外周に設置されている複数のベーン63と、ハウジング61の内部に形成され油圧を導入する油室64とを備えて構成されている。そして、ハウジング61とベーンロータ62は一体回転するとともに相対回転するように構成されている。
油室64は、ベーン63、ベーンロータ62、及びハウジング61の内周面等によって区画され、ベーン63に対して吸気カムシャフト235の反回転方向に形成される遅角室64aと、ベーン63に対して吸気カムシャフト235の回転方向に形成される進角室64bとを備えて構成されている。
遅角室64a及び進角室64bには、後述するオイル循環装置7によりオイルが供給される油路64cが接続され、後述する駆動油圧弁としての油圧制御弁73により遅角室64a及び進角室64bに作用する油圧が調節されることにより、油室64に対するベーン63の相対位置を回転させ、吸気カムシャフト235の位相を連続的に可変させるように構成されている。
尚、本実施形態では、図1に示すように、排気カムシャフト245の先端部に、タイミングベルトを介してクランクシャフト25と連結され、排気カムシャフト245に対して一体回転するタイミングギヤ246が設けられているが、可変バルブ装置6は設けられていない。
可変バルブ装置6にオイルを供給するオイル循環装置7は、図1に示すように、オイルを溜めるためのオイルパン71と、オイルパン71のオイルを可変バルブ装置6等へ供給するためのオイルポンプ72と、油圧制御弁73等とを備え、可変バルブ装置6を含むエンジン1の各部にオイルを潤滑するように構成されている。可変バルブ装置6に供給されるオイルの油圧は、油圧制御弁73の開度に基づいて決定される。そして、この油圧の大きさによって、クランクシャフト25の回転位相に対する吸気カムシャフト235の相対回転位相が変わるのである。
オイルポンプ72は、クランクシャフト25に連結されたカムギヤ等の回転体を備えており、エンジン1の駆動に連動した前記回転体の駆動によって、各種ベアリング、各種ピストン、油圧制御弁73を含む各種バルブ、吸気カムシャフト235、及び排気カムシャフト245等の機器に、オイルパン71に溜められたオイルを循環させる機械式オイルポンプである。尚、オイルポンプ72は、カムギヤ等の回転体を備えており、車両のバッテリからの給電による前記回転体の駆動によってオイルを循環させる電動式オイルポンプであってもよい。
以下、油圧制御弁73について詳述する。油圧制御弁73は、図3(a)に示すように、シリンダ731と、シリンダ731内を摺動するスプール732と、可変バルブ制御装置9からの制御信号で駆動されるリニアソレノイド733と、リニアソレノイド733による駆動と反対方向にスプール732を付勢するスプリング734等とを備えて構成されている。
シリンダ731には、オイルポンプ72を介してオイルパン71と油路64cによって連通されたオイル供給ポート731a、オイルパン71と油路64cによって連通されたオイル排出ポート731b、遅角室64aと油路64cによって連通された油圧ポート731c、及び進角室64bと油路64cによって連通された油圧ポート731dが形成されている。
油圧制御弁73の開度は、リニアソレノイド733に供給される電流値で決定される。つまり、可変バルブ制御装置9は、前記電流値となるようなデューティ値のパルス信号である制御信号を生成してリニアソレノイド733に出力し、リニアソレノイド733は、前記制御信号に基づいてスプール732をシリンダ731内で摺動させる。
以下、図3(a)〜(c)に油圧制御弁74の代表的な状態を示し、図4に制御信号のデューティ値に対する可変バルブ装置6の変位速度の特性を示す。
図3(a)は、制御信号のデューティ値が約100%のときの油圧制御弁73の状態を示している。このとき、スプール732はリニアソレノイド733によってシリンダ731の左端付近に摺動される。そして、図中破線で示すように、進角室64bにオイルが供給され、遅角室64aからオイルが排出される。これにより、可変バルブ装置6では、油室64に対するベーン63の相対位置が、吸気バルブ23の開閉タイミング(以下、バルブタイミングと記す。)を早める位置に変位する。
この状態から、デューティ値を小さくしていくと、スプール732は右に摺動され、油圧ポート731c、731dの開放面積が小さくなっていく。そのため、図4の範囲Aに示すように、可変バルブ装置6の変位速度が低下していく。
図3(b)は、制御信号のデューティ値が約0%のときの油圧制御弁73の状態を示している。このとき、スプール732はリニアソレノイド733によってシリンダ731の右端付近に摺動される。そして、図中破線で示すように、遅角室64aにオイルが供給され、進角室64bからオイルが排出される。これにより、可変バルブ装置6では、油室64に対するベーン63の相対位置が、バルブタイミングを遅くする位置に変位する。
この状態から、デューティ値を大きくしていくと、スプール732は左に摺動され、油圧ポート731c、731dの開放面積が小さくなっていく。そのため、図4の範囲Bに示すように、可変バルブ装置6の変位速度が低下していく。
図3(c)は、制御信号のデューティ値が約50%のときの油圧制御弁73の状態を示している。このとき、スプール732はリニアソレノイド733によってシリンダ731の中央付近、つまり油圧ポート731c、731dが閉鎖される位置に摺動される。これにより、可変バルブ装置6では、油室64に対するベーン63の相対位置が、現状の状態に維持される。
しかし、油圧制御弁73では、スプール732が油圧ポート731c、731dを閉鎖する位置に摺動しても、その機械構造上、油圧ポート731c、731dが完全に閉鎖されることはなく、微量のオイルが油室64に供給または油室64から排出されている。そのため、スプール732が油圧ポート731c、731dを閉鎖する位置に摺動している状態である図4の範囲Cにおいて、可変バルブ装置6は、微小速度ながらバルブタイミングを速くまたは遅くする位置に変位する。つまり、この範囲Cが、油圧制御弁73の不感帯領域である。
エンジン1には、以上説明した各ブロックを駆動制御してエンジン1を動作させるための電子制御装置8が備えられている。
電子制御装置8は、図5に示すように、マイクロコンピュータ81と、各種センサ等からのアナログ信号やデジタル信号を入力する入力インタフェース回路82と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ83と、入力された信号に基づいてマイクロコンピュータ81で演算された結果としての信号を各種アクチュエータへ出力する出力インタフェース回路84等を備えて構成されている。
マイクロコンピュータ81は、CPU811と、CPU811で実行される制御プログラムが格納されたROM812及び/またはEEPROM814と、ワーキングエリアとして使用されるRAM813等とを備えている。ROM812、EEPROM814、RAM813で記憶部が構成される。
電子制御装置8は、入力インタフェース回路82を介して、上述したクランク角センサ28、水温センサ29、エアフロメータ35、スロットル開度センサ38、酸素センサ43、アクセル48、及びブレーキ49等による検出値を入力し、CPU811が、これら検出値からエンジン回転数やスロットル開度等のデジタル制御信号を演算する。
そして、電子制御装置8は、CPU811によって演算されたデジタル制御信号を、出力インタフェース回路84を介して、インジェクタ32、スロットルバルブ駆動機構37、イグナイタ52、及び油圧制御弁73等へ出力することで、エンジン1の燃料噴射量及び点火時期等を制御している。
電子制御装置8には、本発明による可変バルブ制御装置9が組み込まれている。可変バルブ制御装置9は、エンジン1のアイドリング時に、可変バルブ装置6の駆動油圧を調整する油圧制御弁73の不感帯領域を学習する学習制御部と、可変バルブ装置6が目標バルブタイミングとなるように、学習制御部により学習された学習値に基づいて油圧制御弁73を制御するバルブ制御部とで構成された制御部を備えている。
つまり、可変バルブ制御装置9は、車両のエンジン1における、可変バルブ装置6の油圧制御弁73を制御する。
尚、以下で説明する制御部の機能は、CPU811が制御プログラムを実行することによって実現されている。また、可変バルブ制御装置9が電子制御装置8に組み込まれている構成の他、電子制御装置8が可変バルブ制御装置9の同様の機能を実行する構成であってもよい。
学習制御部は、以下に説明するような処理を行ない、油圧制御弁73の不感帯領域の上端(図4のC2)及び下端(図4のC1)を算出することで、油圧制御弁73の不感帯領域を特定する。
学習制御部は、油圧制御弁73のリニアソレノイド733に、デューティ値を予め設定された所定値(例えば0(%))から一定値ずつ大きくしながら制御信号を出力し、各制御信号の場合における可変バルブ装置6の変位速度を測定すると共に、測定した変位速度と前回測定した変位速度との差分を算出する。そして、変位速度の差分が予め設定した所定値より小さくなった場合に、そのときのデューティ値が不感帯領域の下端(図4におけるC1)であると判断する。
同様に、学習制御部は、油圧制御弁73のリニアソレノイド733に、デューティ値を予め設定された所定値(例えば100(%))から一定値ずつ小さくしながら制御信号を出力し、各制御信号の場合における可変バルブ装置6の変位速度を測定すると共に、測定した変位速度と前回測定した変位速度との差分を算出する。そして、変位速度の差分が予め設定した所定値より小さくなった場合に、そのときのデューティ値が不感帯領域の上端(図4におけるC2)であると判断する。
尚、可変バルブ装置6の変位速度は、可変バルブ装置6が予め設定された所定の位相だけ変位するまでの時間によって計測される。
可変バルブ装置6の変位速度の計測について、以下に例示する。吸気カムシャフト235の近傍には、吸気バルブ23のバルブタイミングを検出するためのカム角センサが設けられている。
カム角センサは、吸気カムシャフト235に連結されており外周に複数の歯が等角度に形成されたロータ(図示せず)と、ロータの歯を読み取る電磁ピックアップ237とで構成されている。電磁ピックアップ237が、ロータに形成された歯を読み取ることで、吸気カムシャフト235の角度が検出される。
可変バルブ装置6の位相は、クランク角センサ28によって検出されるクランク角と、カム角センサによって検出される吸気カムシャフト235の角度とに基づいて算出される。
例えば、学習制御部は、吸気カムシャフト235の角度が入力されてから、圧縮上死点前(BTDC)の所定角度のクランク角が入力されるまでの時間を計測し、計測した時間を角度に換算することで、可変バルブ装置6の位相を算出する。
学習制御部は、上述の方法によって、可変バルブ装置6の最遅角を算出し、次いで、可変バルブ装置6の所定角度を算出する。そして、可変バルブ装置6が最遅角から所定角度に変位するまでの時間を計測することで、可変バルブ装置6の変位速度を計測する。
以上説明した油圧制御弁73の不感帯領域を特定する処理の一例を、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
エンジン1がアイドリング状態となると、可変バルブ制御装置9の学習制御部は、油圧制御弁73に出力する制御信号のデューティ値を算出するために使用する変数iを初期値(零)に設定すると共に(SA1)、デューティ値を初期値(0%)に設定する(SA2)。制御信号のデューティ値が0%に設定されているので、油圧制御弁73は図3(b)に示す状態となる。それによって、可変バルブ装置6が最遅角に到達する(SA3)。
学習制御部は、可変バルブ装置6の正側の変位速度であって前回計測したものを電子制御装置8のRAM813に格納する(SA4)。ここで、可変バルブ装置6の正側の変位速度とは、可変バルブ装置6において、油室64に対するベーン63の相対位置がバルブタイミングを早める位置に変位する速度のことである。尚、処理開始直後であって前回変位速度が存在しない場合には、出荷時等に予め設定しておいた初期変位速度を格納する。
学習制御部は、デューティ値を「80%−α×i」に設定する(SA5)。ここで、αは、可変バルブ装置6の変位速度を制御信号のデューティ値を変えながら連続して計測するに当たって、デューティ値をどれくらい細かく変化させるかを決定する変数である。つまり、αが小さい程、可変バルブ装置6の変位速度を多く測定することになるので、より正確に不感帯領域を特定することができる。例えば、α=5の場合、最初の測定ではデューティ値が80%、次の測定ではデューティ値が75%、以下同様に5%刻みで測定されることとなる。
学習制御部は、ステップSA5で設定されたデューティ値が油圧制御弁73のリニアソレノイド733に出力されることで、可変バルブ装置6が最遅角から予め設定された進角側の所定角度に変位するまでの速度を計測する(SA6)。
学習制御部は、ステップSA4でRAM813に格納した前回変位速度から、ステップSA5で計測した変位速度を減算する(SA7)。そして、減算結果が予め設定された所定値より小さければ、ステップSA5で設定されたデューティ値を不感帯領域上端としてRAM813に格納する(SA8)。
ステップSA5にて設定されたデューティ値の制御信号が油圧制御弁73のリニアソレノイド733に入力されると、可変バルブ装置6はバルブタイミングを早める位置に変位するので、可変バルブ装置6は前記進角側の所定角度位置に到達した後も変位を継続して、やがて最進角に到達する(SA9)。
学習制御部は、可変バルブ装置6の負側の変位速度であって前回計測したものを電子制御装置8のRAM813に格納する(SA10)。ここで、可変バルブ装置6の負側の変位速度とは、可変バルブ装置6において、油室64に対するベーン63の相対位置がバルブタイミングを遅くする位置に変位する速度のことである。尚、処理開始直後であって前回変位速度が存在しない場合には、出荷時等に予め設定しておいた初期変位速度を格納する。
学習制御部は、デューティ値を「20%−α×i」に設定する(SA11)。そして、学習制御部は、ステップSA11で設定されたデューティ値が油圧制御弁73に出力されることで、可変バルブ装置6が最進角位置から予め設定された遅角側の所定角度に変位するまでの速度を計測する(SA12)。
学習制御部は、ステップSA10でRAM813に格納した前回変位速度から、ステップSA12で計測した変位速度を減算する(SA13)。そして、減算結果が予め設定された所定値より小さければ、ステップSA11で設定されたデューティ値を不感帯領域下端としてRAM813に格納する(SA14)。
ステップSA11にて設定されたデューティ値の制御信号が油圧制御弁73のリニアソレノイド733に入力されると、可変バルブ装置6はバルブタイミングを遅くする位置に変位するので、可変バルブ装置6は前記遅角側の所定角度に到達した後も変位を継続して、やがて最遅角に到達する(SA15)。
学習制御部は、ステップSA4からステップSA15までの処理を、変数iをインクリメントさせながら変数iが予め設定しておいた値(MAX値)となるまで繰り返す(SA16、SA17)。ここで、MAX値は、例えば、変数iをMAX値としてデューティ値を演算したときに、デューティ値が50%となるような値に設定される。
つまり、学習制御部は、ステップSA4からSA8までは、デューティ値を所定値ずつ減らしながら可変バルブ装置6の変位速度を計測して、変位速度が突然大きく変化する場合、つまり図4において特性の傾きが大きく変わったときであるC2を不感帯領域の上端とし、ステップSA10からSA14までは、デューティ値を所定値ずつ増やしながら可変バルブ装置6の変位速度を計測して、変位速度が突然大きく変化する場合、つまり図4において特性の傾きが大きく変わる場合であるC1を不感帯領域の下端とする処理を行なっている。
尚、図6において、学習制御部は、不感帯領域を特定する処理を効率よく行なうために、変位速度の計測を正側と負側とで交互に行なっているが、交互に行なう構成に限るものではなく、例えば、正側または負側の変位速度の計測を連続して行なう構成であってもよい。
学習制御部は、予め設定された複数の温度領域毎に油圧制御弁73の不感帯領域を学習するように構成されている。
以下に詳述する。学習制御部は、複数の温度領域(例えば、エンジン1の水温に基づく温度領域T1〜T4の四領域)を設定し、各温度領域について不感帯領域の上端と下端(C1T1,C2T1,C1T2,C2T2,C1T3,C2T3,C1T4,C2T4)を電子制御装置8のRAM813に記憶するように構成されている。
つまり、記憶部は、車両の温度検出部が検出する温度毎に学習された油圧制御弁73の不感帯領域情報を記憶する。ここで、温度検出部は、車両の各部に設けられた温度センサのことであり、例えば、複数の温度領域がエンジン1の水温に基づいて設定されている場合、水温センサ29のことである。
各温度領域T1〜T4についての、制御信号のデューティ値に対する可変バルブ装置6の変位速度の特性の例を、図7(a)〜(d)に示す。
学習制御部は、エンジン1がアイドリング状態となる度に学習を実行し、学習によって特定された不感帯領域の上端と下端を、現在のエンジン1の水温が含まれる温度領域の不感帯領域の上端及び下端として、電子制御装置8のRAM813に記憶する。
例えば、制御信号のデューティ値に対する可変バルブ装置6の変位速度が図7(a)〜(d)に示す特性である場合、学習制御部は、エンジン1始動時のアイドリング時(エンジン1の水温が20度)に学習を実行し、特定された不感帯領域の上端と下端を、温度領域T1の不感帯領域の上端(C1T1)と下端(C2T1)として、電子制御装置8のRAM813に記憶する。その後、学習制御部は、車両の一時停止時等のアイドリング時(エンジン1の水温が90度)にも学習を実行し、特定された不感帯領域の上端と下端を、温度領域T3の不感帯領域の上端(C1T3)と下端(C2T3)として、電子制御装置8のRAM813に記憶する。
以上より、制御部は、エンジン1のアイドリング制御を実行する場合で、記憶部に記憶された温度毎に学習された不感帯領域情報と、車両の温度検出部からの温度情報に基づいて、不感帯領域を学習する必要があると判断する場合に、油圧制御弁73を制御して検出温度における不感帯領域を学習し、学習した検出温度における不感帯領域を記憶部へ記憶するように構成されている。
尚、エンジン1の水温が既に不感帯領域の上端と下端の記憶されている温度領域であるときに、エンジン1がアイドリング状態の場合、学習制御部は、学習を実行しない構成であってもよいし、学習を実行して新たな不感帯領域の上端と下端を記憶する構成であってもよい。また、上述の構成では、エンジン1の水温に基づいて複数の温度領域を設定する構成について説明したが、オイル温度等のエンジン1の水温以外の温度に基づいて複数の温度領域を設定する構成であってもよい。
上述の構成によれば、学習制御部が温度領域毎に異なる不感帯領域を特定するので、図7に示すように不感帯領域が温度によって異なっていても、不感帯領域を正確に特定することができる。
学習制御部は、不感帯領域が一定期間更新されていない場合に不感帯領域の学習を行なうように構成されている。例えば、学習制御部は、車両の運転開始から停止に到る一トリップを基準として所定トリップ数毎に学習を繰り返すように構成されている。
例えば、学習制御部は、毎回のトリップまたは三回に一回のトリップといった所定トリップ数毎の所定タイミングで、学習を実行する。
ここで、所定タイミングとしては、例えば、車両のスタータースイッチまたはスタートボタン等の始動部をオンに操作された車両の運転開始直後、スタータースイッチまたはスタートボタン等の始動部をオフに操作された車両の停止直前、車両の運転開始から初めてエンジン1がアイドリング状態となったとき、及びエンジン1がアイドリング状態となる度といったタイミングがある。
また、学習制御部が複数の温度領域毎に油圧制御弁73の不感帯領域を学習する構成である場合、学習制御部は、あるトリップで学習できなかった温度領域における油圧制御弁73の不感帯領域を、次回以降のトリップで学習する構成であってもよい。また、学習制御部は、エンジン1のアイドリング時に、未学習である温度領域の不感帯領域の学習を行なう構成であってもよい。
上述の構成によれば、学習制御部が所定トリップ数毎に学習を繰り返すので、車両の運転を繰り返すことによる油圧制御弁73の部品劣化等の車両の内部環境や、周辺温度等の車両の外部環境等に起因して不感帯領域に変動が生じても、不感帯領域を特定してバルブタイミングを迅速に可変させることができる。
バルブ制御部は、エンジン1の運転中に、吸気バルブ23の現在のバルブタイミング(以下、実バルブタイミングと記す。)VTcを所定タイミング毎に計測して、実バルブタイミングを目標バルブタイミングVTtgに一致させるように、以下に詳述するように油圧制御弁73をフィードバック制御する。
まず、バルブ制御部は、現在のエンジン1の回転数といった車両の運転状態により算出される目標バルブタイミングVTtgとバルブ制御部により計測される実バルブタイミングVTcとの差分ΔVTに基づいて、以下の数1に基づくPD制御を行なってデューティ補正値Drを算出する。
数1において、Kpは比例ゲインであり、Kdは微分ゲインであり、dtは検出周期を示す。
次に、バルブ制御部は、算出したデューティ補正値Drに現在のバルブタイミングVTcを保持するためのデューティ値Dcを加算して、新たに油圧制御弁73に出力する制御信号のデューティ値Dnを求める。
そして、バルブ制御部は、デューティ値Dnの制御信号を油圧制御弁73のリニアソレノイド733に出力する。以上の処理を繰り返すことにより、油圧制御弁73において、実バルブタイミングが目標バルブタイミングと一致するように、進角室64bと遅角室64aに供給されるオイル量が制御される。
バルブ制御部は、上述のフィードバック制御においてリニアソレノイド733にデューティ値Dnの電流を出力する際、不感帯領域に基づいて制御ゲインを切り替える。
以下に詳述する。本実施形態において、制御ゲインとは、上述した比例ゲインKp及び微分ゲインKdである。バルブ制御部は、算出したデューティ値Dnが不感帯領域の範囲内である場合、比例ゲインKp及び微分ゲインKdの双方または何れかを、算出したデューティ値Dnが不感帯領域の範囲外である場合よりも大きくする。そして、大きくした制御ゲインによって数1に基づくPD制御を行ない、新たに油圧制御弁73に出力する制御信号のデューティ値Dnを求める。
尚、制御ゲインを大きくする際の割合は、可変値であっても予め設定された固定値であってもよく、可変値は、例えば、算出されたデューティ値Dnと不感帯領域の端部との差分に基づいて設定される。ここで、不感帯領域の端部とは、後述する不感帯領域下端(図4におけるC1)または上端(図4におけるC2)のことである。
上述の構成によれば、デューティ値が不感帯領域の範囲内であるときには、バルブ制御部が制御ゲインを大きくするので、本発明による可変バルブ制御装置9では可変バルブ装置6の変位速度を制御ゲインを変更させない場合よりも速くすることができる。
また、バルブ制御部は、制御ゲインを大きくする代わりに、不感帯領域の端部近傍のデューティ値となるようにオフセットを付与する構成であってもよい。
以下に詳述する。バルブ制御部によって算出されたデューティ値Dnが、不感帯領域の範囲内であるとき、つまり不感帯領域下端C1より大きく且つ不感帯領域上端C2より小さいとき、制御部は、当該デューティ値Dnに以下に説明するようなオフセットを付与する。
つまり、可変バルブ装置6を進角側に変位させる処理が実行されている場合、バルブ制御部は、制御信号に「C2−Dn」の演算で算出されるオフセットを付与することで、制御信号のデューティ値をC2とする。また、可変バルブ装置6を遅角側に変位させる処理が実行されている場合、バルブ制御部は、制御信号に「C1−Dn」の演算で算出されるオフセットを付与することで、制御信号のデューティ値をC1とする。
上述の構成によれば、デューティ値が不感帯領域の範囲内であるときには、バルブ制御部がオフセットを付与することによって、デューティ値を即座に不感帯領域の端部近傍に変更するので、不感帯領域の範囲内で油圧制御弁73の制御が行なわれる状態を回避することができる。よって、可変バルブ装置6の変位速度をオフセットの付与を実行しない場合よりも速くすることができる。
更に、バルブ制御部は、制御ゲインの増加やオフセットの付与の代わりに、電流値の変化率を大きくする構成であってもよい。
以下に詳述する。本構成の場合、バルブ制御部は、
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(a)に実線または破線で示すマップデータによってデューティ値Dnを電流値に変換する。このマップデータは、不感帯領域で、デューティ値Dnに対する電流値の変化率が大きくなり、不感帯領域外で、電流値の変化率が小さくなるように設定されており、電子制御装置8のROM812またはEEPROM814に格納されている。
また、このマップデータは、学習制御部で特定された不感帯領域によって、異なるデータがROM812またはEEPROM814に格納されるように構成されている。例えば、このマップデータは、学習制御部で特定された不感帯領域が範囲C3の場合は、図8(a)に実線で示すデータであり、学習制御部で特定された不感帯領域が範囲C4の場合は、図8(a)に破線で示すデータである。
つまり、学習制御部が、温度領域毎に油圧制御弁73の不感帯領域を学習する構成等の場合は、マップデータが複数格納され、バルブ制御部は、エンジン1の水温に応じて複数のマップデータを選択使用する。尚、このマップデータは、学習制御部で未だ不感帯領域が特定されていない場合は、図8(a)に一点鎖線で示すデータであり、電流値の変化率の切替は行なわれない。
このようにすれば、
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(b)に実線で示すように、不感帯領域でデューティ値が変化するときでも、デューティ値の変化に対する可変バルブ装置6の変位速度を、図8(b)に破線で示す電流値の変化率の切替を実行しない場合よりも向上させることができる。
以上説明した可変バルブ制御装置9は、エンジン1のみで駆動する車両に搭載することはもちろん、エンジン1とモータジェネレータの併用で駆動するハイブリッド車両に搭載することもできる。以下に、可変バルブ制御装置9をハイブリッド車両に搭載した実施形態について説明する。
図9に示すように、ハイブリッド車両は、エンジン1、モータジェネレータMG、駆動輪100、バッテリ200、インバータ300、無段変速機構400、及び本発明による可変バルブ制御装置9が組み込まれたエンジン制御用の電子制御装置(以下、エンジン制御装置と記す。)8を含む複数の電子制御装置500等を備えて構成されている。
インバータ300は、複数の電子制御装置500のうちの後述する電動機制御装置としてのMG制御装置520によって制御され、バッテリ200から入力された直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータMGに出力するとともに、モータジェネレータMGから入力された交流電力を直流電力に変換してバッテリ200に出力する。
無段変速機構400は、遊星歯車機構でなる動力分割機構410と、リダクションギヤ等のギヤ機構420と、デファレンシャルギヤ機構430とを備えて構成されており、エンジン1のクランクシャフト25から入力された駆動力を、動力分割機構410を介してプロペラ軸440及び発電機MG1に伝達する。
また、プロペラ軸440を駆動する走行アシスト用の電動機MG2がギヤ機構420を介して動力分割機構410と接続され、プロペラ軸440がデファレンシャルギヤ機構430を介して駆動輪100に連結されている。
モータジェネレータMGは、発電機及び電動機の両方として機能し得るが、発電機MG1は名称のとおり主として発電機として動作し、電動機MG2は名称のとおり主として電動機として動作する。
発電機MG1は、動力分割機構410を介して伝達されたエンジン1からの駆動力によって回転駆動して発電する。発電機MG1による発電電力は、インバータ300を介してバッテリ200または電動機MG1に供給され、電動機MG2の駆動電力またはバッテリ200の充電電力として用いられる。
電動機MG2は、インバータ200から入力された交流電力によって回転駆動される。電動機MG2の回転駆動で生成された駆動力は、ギヤ機構420、プロペラ軸440、及びデファレンシャルギヤ機構430を介して駆動輪100へ伝達される。また、ハイブリッド車両の減速時、つまりモータジェネレータMGへの回生制動要求時には、電動機MG2の回転駆動による発電電力がインバータ300を介してバッテリ200に供給され、バッテリ200が充電される。
電子制御装置500は、バッテリ200の充電状態の監視を行なうバッテリ制御装置510と、エンジン1の吸気量及び燃料噴射量の制御等を実行するエンジン制御装置8と、モータジェネレータMGを制御するMG制御装置520と、動力分割機構410を介して接続されたエンジン1及びモータジェネレータMGをハイブリッド車両の要求パワーに基づいて制御するハイブリッド車両制御装置10等を備えて構成されている。
各電子制御装置500には、図5で説明したエンジン制御装置8と同様、CPUを備えたマイクロコンピュータ、CPUで実行される制御プログラムが格納されたROM及び/またはEEPROM、ワーキングエリアとして使用されるRAM、及び入出力回路等が設けられており、各電子制御装置500の各機能(例えば、ハイブリッド制御部や学習司令部の機能)は、CPUが制御プログラムを実行することで実現されている。尚、各電子制御装置500は相互に通信可能に接続されている。
ハイブリッド車両制御装置10は、動力分割機構410を介して接続されたエンジン1とモータジェネレータMGを車両の要求パワーに基づいて制御するハイブリッド制御部と、モータジェネレータMGによる単独走行が可能な走行条件で、エンジン1をアイドリング始動させ、アイドル運転状態で可変バルブ制御装置9に不感帯領域を学習するように指令する学習司令部とで構成された制御部を備えている。
ハイブリッド制御部は、アクセルポジションセンサから得られたアクセル開度、シフトポジションセンサから得られたシフト位置、及び車速センサから得られた車速情報等のハイブリッド車両の運転状態に基づいて、プロペラ軸440に出力すべき要求トルクを演算する。例えば、ハイブリッド制御部は、ハイブリッド車両の運転状態に対する要求トルクの配分を示すマップ情報をROMまたはEEPROMに記憶しており、前記マップ情報をハイブリッド車両の運転状態で検索することで要求トルクを導出する。また、ハイブリッド制御部は、バッテリ制御装置510でバッテリ200の残存容量等から算出されたバッテリ200が必要とする電力値をバッテリ制御装置510から受け取る。
そして、ハイブリッド制御部は、算出した要求トルクを実現するために必要な動力、及び、バッテリ200が必要とする電力値をバッテリ200に供給するために必要なモータジェネレータMGの動力の合計をハイブリッド車両の要求パワーとして、当該要求パワーをハイブリッド車両に供給できるように、換言すると、要求トルクがプロペラ軸440に出力されると共にバッテリ200が必要とする電力値がバッテリ200に供給されるように、エンジン制御装置8及びMG制御装置520を制御する。
つまり、ハイブリッド制御部は、エンジン制御装置8を制御してエンジン1を必要な回転数で駆動または停止させ、MG制御装置520を制御して発電機MG1及び電動機MG2を必要な回転数で駆動または停止させる。
以上より、ハイブリッド車両制御装置10は、外部から入力する車両の要求パワーに基づいて、エンジン1と電動機MG2が出力すべきパワーを算出し、算出したパワーに基づいてエンジン制御装置8へエンジン1を制御させ、MG制御装置520へ電動機MG2を制御させる。
ハイブリッド制御部による演算処理の結果、エンジン1を駆動させることなくモータジェネレータMGの駆動のみで、要求パワーをプロペラ軸440及びバッテリ200に供給することができる場合、通常、ハイブリッド制御部はエンジン制御装置8を制御してエンジン1を停止制御させる。
しかし、可変バルブ制御装置9が学習を必要とする場合、可変バルブ制御装置9の学習制御部はハイブリッド車両制御装置10の学習司令部に対してエンジン1のアイドリング要求を行なう。当該アイドリング要求を受け取った学習司令部は、エンジン制御装置8を制御して、停止しているエンジン1を駆動させる、または、エンジン1を停止させることなく駆動を継続する。つまり、学習司令部は、エンジン1をアイドリング始動させる。尚、可変バルブ制御装置9が学習を必要とする場合とは、例えば、現在のエンジン1の水温が不感帯領域を未学習の温度領域である場合がある。
そして、学習司令部は、可変バルブ制御装置9の学習制御部に学習開始指令を送信し、当該学習開始指令を受け取った学習制御部は学習を実行する。
以上より、制御部は、ハイブリッド車両制御装置10から、算出したパワーにおいて電動機MG2が出力すべきパワーが有り、エンジン1が出力すべきパワーがない旨の情報を受信する場合で、記憶部に記憶された温度毎に学習された不感帯領域情報と、車両の温度検出部からの温度情報に基づいて、不感帯領域を学習する必要があると判断する場合に、油圧制御弁73を制御して検出温度における不感帯領域を学習し、学習した検出温度における不感帯領域を記憶部へ記憶するように構成されている。
また、制御部は、更に車速検出部(例えば車速センサ)が検出する車速値が所定値以下の場合に、油圧制御弁73を制御して検出温度における不感帯領域を学習し、学習した検出温度における不感帯領域を記憶部へ記憶するように構成されている。
以下に詳述する。制御部は、ハイブリッド車両が電動機MG2の駆動力のみでの走行中(モータ単独走行中)の場合に、現在の車速値から即エンジン1を始動して車両を加速する可能性が低いか否かを判断する。そして、可能性が低いと判断した場合に、走行アイドリング可能と判断する。
例えば、ハイブリッド車両1において、モータ単独走行からエンジン単独走行または電動機MG2とエンジン1の併用走行へ移行する速度、つまりエンジン1の始動速度が所定値(例えば30(km/h))である場合、制御部は、現在の車速と当該エンジン1の始動速度とを比較して、差分が所定値(例えば10(km/h))より大きい、つまり現在速度が20(km/h)より低い場合に、可能性が低いと判断する。
上述の構成によれば、モータ単独走行であるために走行アイドリングが可能な状態、つまり不感帯領域の学習が可能な状態を、十分な時間確保することができる。
尚、車速値が所定値以下か否かの判定は、エンジン制御装置8でなくハイブリッド車両制御装置10にて実行されてもよい。
ハイブリッド車両は、走行中であってもエンジンのアイドリングが可能であり、エンジン1のみで駆動する車両と比べて、学習制御部による学習をより頻繁に行なうことができるので、本発明による可変バルブ制御装置9の好適な適用例である。
以下、可変バルブ制御装置9がハイブリッド車両に搭載されている場合の、学習制御部による学習処理及びバルブ制御部による制御ゲインの切替処理の一例を、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
ハイブリッド制御部による演算処理の結果、モータジェネレータMGの駆動のみで、要求パワーをプロペラ軸440に供給している場合、つまりハイブリッド車両がモータジェネレータMGの駆動力のみで走行している場合(SB1)、且つ、現在の車速が所定値より小さい場合(SB2)、可変バルブ制御装置9の学習制御部は学習司令部に対してエンジン1のアイドリング要求を行ない、当該アイドリング要求を受け取った学習司令部はエンジン1をアイドリング始動させる。ステップSB2の理由は、車速が高くなっていくとモータ走行ではトルク不足になり、近い将来、エンジン1が始動される可能性が高くなるため、走行アイドリングができないからである。
そして、学習司令部は、可変バルブ制御装置9の学習制御部に学習開始指令を送信し、当該学習開始指令を受け取った学習制御部は学習を実行する(SB3)。学習制御部は、学習完了後に、不感帯領域を特定されていることを示すモータ駆動時学習完了フラグをオンにしておく(SB4)。
ハイブリッド車両が、その走行にエンジン1の駆動力を使用している場合(SB1)、可変バルブ制御装置9のバルブ制御部は、以下に示す条件によって選択する制御ゲインを切り替える。
つまり、可変バルブ装置6が駆動されており(SB5)、既に学習制御部による学習が実行されてモータ駆動時学習完了フラグがオンにされており(SB6)、現在のデューティ値が不感帯領域内である場合(SB7)、バルブ制御部は、デューティ値を制御信号の電流値に変換する際に、不感帯領域内の制御ゲイン(例えば、図8(a)における範囲C3内の実線)を選択する(SB8)。
可変バルブ装置6が駆動されており(SB5)、既に学習制御部による学習が実行されてモータ駆動時学習完了フラグがオンにされているが(SB6)、現在のデューティ値が不感帯領域外である場合(SB7)、バルブ制御部は、デューティ値を制御信号の電流値に変換する際に、不感帯領域外の制御ゲイン(例えば、図8(a)における範囲C3外の実線)を選択する(SB9)。
可変バルブ装置6が駆動されているが(SB5)、未だ学習制御部による学習が実行されておらずモータ駆動時学習完了フラグがオフである場合(SB6)、バルブ制御部は、制御ゲインの切替を行なわない。つまり、図8(a)における一点鎖線に従ってデューティ値を制御信号の電流値に変換する(SB10)。
以上説明したとおり、本発明によるハイブリッド車両の制御方法は、動力分割機構410を介して接続されたエンジン1とモータジェネレータMGを車両の要求パワーに基づいて制御するハイブリッド車両の制御方法であって、モータジェネレータMGによる単独走行が可能な走行条件で、エンジン1をアイドリング始動させ、可変バルブ装置6の駆動油圧を調整する油圧制御弁73の不感帯領域をアイドル運転状態で学習する図6及び図10にフローチャートで示したような方法である。
以下、別実施形態について説明する。上述の実施形態では、可変バルブ制御装置9の学習制御部は、エンジン1のアイドリング時に、油圧制御弁73の不感帯領域を学習する構成について説明したが、学習制御部は、エンジン1の停止時に、油圧制御弁73の不感帯領域を学習する構成であってもよい。
つまり、可変バルブ制御装置9の制御部は、エンジン1の停止制御を実行する場合で、記憶部に記憶された温度毎に学習された不感帯領域情報と、車両の温度検出部からの温度情報に基づいて、不感帯領域を学習する必要があると判断する場合に、油圧制御弁73を制御して検出温度における不感帯領域を学習し、学習した検出温度における不感帯領域を記憶部へ記憶する構成であってもよい。
しかし、このような構成の場合、エンジン1が停止しているために、クランク角の検出ができず、可変バルブ装置6の位相が算出できない虞がある。つまり、可変バルブ装置6の変位速度が計測できない虞がある。
よって、このような構成の場合、クランク角を検出することなく、可変バルブ装置6の位相を検出する機構を設けることが好ましい。前記機構としては、例えば、可変バルブ装置6にエンコーダを取り付ける機構がある。
また、本構成の場合、可変バルブ装置6及び油圧制御弁73にオイルを供給するオイルポンプ72は、エンジン1の駆動に連動していない電動式オイルポンプを用いることが好ましい。
上述の実施形態では、吸気カムシャフト235の先端部に可変バルブ装置6が備えられている構成、つまり吸気側に可変バルブ装置6が設けられている構成について説明したが、排気側に可変バルブ装置6が設けられている構成、または、吸気側と排気側の双方に可変バルブ装置6が設けられている構成であってもよい。
上述の実施形態では、可変バルブ制御装置9が学習を必要とする場合に、可変バルブ制御装置9の学習制御部がハイブリッド車両制御装置10の学習司令部に対してエンジン1のアイドリング要求を行なう構成について説明したが、ハイブリッド車両制御装置10の学習司令部が、油圧制御弁73の不感帯領域の学習状況を管理して、可変バルブ制御装置9の学習制御部による学習の必要の有無を判断する構成であってもよい。
この場合、学習司令部は、学習の必要有りと判断すると、エンジン1をアイドリング始動させて、学習制御部に学習開始指令を送信する。
上述の実施形態では、可変バルブ制御装置9が、車両のエンジン制御装置8に組み込まれて実現されている構成について説明したが、可変バルブ制御装置9が、他の電子制御装置(例えば、ハイブリッド車両制御装置10)に組み込まれている構成、または、独立して設けられている構成であってもよい。
例えば、ハイブリッド車両制御装置10は、エンジン制御装置8が、車両の温度検出部が検出する温度毎に学習された、エンジン1における、可変バルブ装置6の油圧制御弁73の不感帯領域情報と、車両の温度検出部からの温度情報に基づいて、不感帯領域を学習する必要があると判断する場合に送信するその旨の情報を、受信して記憶する記憶部と、記憶部に不感帯領域を学習する必要がある旨の情報が記憶される場合で、算出したパワーにおいて、電動機MG2が出力すべきパワーが有り、エンジン1が出力すべきパワーが無い場合に、エンジン制御装置8に油圧制御弁73を制御させて、検出温度における不感帯領域を学習させる制御部とを備えた構成であってもよい。
以上より、本発明による制御方法は、車両のエンジン1における、可変バルブ装置6の油圧制御弁73を制御する制御方法であって、エンジン1のアイドリング制御を実行する場合、またはエンジン1の停止制御を実行する場合で、記憶部に記憶された車両の温度検出部が検出する温度毎に学習された油圧制御弁73の不感帯領域情報と、車両の温度検出部からの温度情報に基づいて、不感帯領域を学習する必要があると判断する場合に、油圧制御弁73を制御して検出温度における不感帯領域を学習し、学習した検出温度における不感帯領域を記憶部へ記憶させる制御方法である。
尚、上述した実施形態は本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において各ブロックの具体的構成等を適宜変更設計できることは言うまでもない。
エンジンの説明図 (a)は可変バルブ装置及び吸気カムシャフトの外観図、(b)は可変バルブ装置の外観図 (a)はデューティ値が約100%のときの油圧制御弁の状態を示す説明図、(b)はデューティ値が約0%のときの油圧制御弁の状態を示す説明図、(c)はデューティ値が約50%のときの油圧制御弁の状態を示す説明図 制御信号のデューティ値に対する可変バルブ装置の変位速度を示す説明図 エンジン制御用の電子制御装置の機能ブロック構成図 油圧制御弁の不感帯領域を特定する処理を説明するためのフローチャート (a)は温度領域T1についての制御信号のデューティ値に対する可変バルブ装置の変位速度を示す説明図、(b)は温度領域T2についての制御信号のデューティ値に対する可変バルブ装置の変位速度を示す説明図、(c)は温度領域T3についての制御信号のデューティ値に対する可変バルブ装置の変位速度を示す説明図、(d)は温度領域T4についての制御信号のデューティ値に対する可変バルブ装置の変位速度を示す説明図 (a)はデューティ値を電流値に変換する際に使用するマップデータを示す説明図、(b)は制御ゲインを切り替えた場合の制御信号のデューティ値に対する可変バルブ装置の変位速度を示す説明図 ハイブリッド車両の機能ブロック構成図 学習制御部による学習処理及びバルブ制御部による制御ゲインの切替処理を説明するためのフローチャート (a)は不感帯領域がオイルの温度によって異なる制御信号のデューティ値に対する可変バルブ機構の変位速度の特性を示す説明図、(b)は不感帯領域が部品によって異なる制御信号のデューティ値に対する可変バルブ機構の変位速度の特性を示す説明図
符号の説明
1:エンジン
6:可変バルブ装置
8:内燃機関制御装置(エンジン制御装置)
9:制御装置(可変バルブ制御装置)
10:ハイブリッド車両制御装置
73:駆動油圧弁(油圧制御弁)
410:動力分割機構
MG:モータジェネレータ

Claims (5)

  1. 車両の内燃機関における、可変バルブ装置の駆動油圧弁を制御する制御装置であって、
    車両の温度検出部が検出する温度毎に学習された駆動油圧弁の不感帯領域情報を記憶する記憶部と、
    内燃機関のアイドリング制御を実行する場合、または内燃機関の停止制御を実行する場合で、記憶部に記憶された温度毎に学習された不感帯領域情報と、車両の温度検出部からの温度情報に基づいて、不感帯領域を学習する必要があると判断する場合に、駆動油圧弁を制御して検出温度における不感帯領域を学習し、学習した検出温度における不感帯領域を記憶部へ記憶する制御部と、
    を備えた制御装置。
  2. 車両の内燃機関における、可変バルブ装置の駆動油圧弁を制御する内燃機関制御装置であって、
    車両の温度検出部が検出する温度毎に学習された駆動油圧弁の不感帯領域情報を記憶する記憶部と、
    外部から入力する車両の要求パワーに基づいて、内燃機関と電動機が出力すべきパワーを算出し、算出したパワーに基づいて内燃機関制御装置へ内燃機関を制御させ、電動機制御装置へ電動機を制御させるハイブリッド車両制御装置から、算出したパワーにおいて電動機が出力すべきパワーが有り、内燃機関が出力すべきパワーがない旨の情報を受信する場合で、記憶部に記憶された温度毎に学習された不感帯領域情報と、車両の温度検出部からの温度情報に基づいて、不感帯領域を学習する必要があると判断する場合に、駆動油圧弁を制御して検出温度における不感帯領域を学習し、学習した検出温度における不感帯領域を記憶部へ記憶する制御部と、
    を備えた内燃機関制御装置。
  3. 前記制御部は、更に車速検出部が検出する車速値が所定値以下の場合に、駆動油圧弁を制御して検出温度における不感帯領域を学習し、学習した検出温度における不感帯領域を記憶部へ記憶する請求項2記載の内燃機関制御装置。
  4. 外部から入力する車両の要求パワーに基づいて、内燃機関と電動機が出力すべきパワーを算出し、算出したパワーに基づいて内燃機関制御装置へ内燃機関を制御させ、電動機制御装置へ電動機を制御させるハイブリッド車両制御装置であって、
    内燃機関制御装置が、車両の温度検出部が検出する温度毎に学習された、内燃機関における、可変バルブ装置の駆動油圧弁の不感帯領域情報と、車両の温度検出部からの温度情報に基づいて、不感帯領域を学習する必要があると判断する場合に送信するその旨の情報を、受信して記憶する記憶部と、
    記憶部に不感帯領域を学習する必要がある旨の情報が記憶される場合で、算出したパワーにおいて、電動機が出力すべきパワーが有り、内燃機関が出力すべきパワーが無い場合に、内燃機関制御装置に駆動油圧弁を制御させて、検出温度における不感帯領域を学習させる制御部と、
    を備えたハイブリッド車両制御装置。
  5. 車両の内燃機関における、可変バルブ装置の駆動油圧弁を制御する制御方法であって、
    内燃機関のアイドリング制御を実行する場合、または内燃機関の停止制御を実行する場合で、記憶部に記憶された車両の温度検出部が検出する温度毎に学習された駆動油圧弁の不感帯領域情報と、車両の温度検出部からの温度情報に基づいて、不感帯領域を学習する必要があると判断する場合に、駆動油圧弁を制御して検出温度における不感帯領域を学習し、学習した検出温度における不感帯領域を記憶部へ記憶させる制御方法。
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