JP2007218091A - 内燃機関用またはマリン用の部品およびそれを備えた輸送機器 - Google Patents

内燃機関用またはマリン用の部品およびそれを備えた輸送機器 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関用部品やマリン用部品の耐食性を簡便に大きく向上させる。
【解決手段】本発明による内燃機関用部品は、少なくともクロムを含む金属材料から形成された部品本体5と、部品本体5の外側を覆うセラミックス膜10とを備えている。部品本体5は、内部よりもクロム濃度の高い表面層5aを有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関用の部品やマリン用の部品に関する。また、本発明は、そのような部品を備えた輸送機器にも関する。
自動二輪車には、内燃機関を露出させてその外観を自動二輪車の意匠に利用するものが多い。こうした自動二輪車では、内燃機関から排気ガスを導くための排気管も意匠に重要な役割を果たしている。また、内燃機関がカウルなどで覆われる場合であっても、排気管が完全にカウルやプロテクタで覆われることは少なく、排気管の少なくとも一部が外観に表れ、自動二輪車の意匠の一部を構成することが多い。
図10に、スポーツタイプの自動二輪車の一例を示す。図10に示す自動二輪車200は、V型エンジン201と、排気ガスを導くための排気管202とを備えている。排気管202は、V型エンジン201の2つのシリンダーのそれぞれから導かれて一本に集合され、車体後部から排気ガスを噴出させるように後輪側へ伸ばされている。本願明細書において、「排気管」とは、内燃機関からの排気ガスを導く流路を構成している部分全体を指し、消音器202aを構成している部分などを含む。
一般に、内燃機関201で発生した排気ガスを効率よく排出するために、排気管202は所定の太さを有していることが必要である。また、消音器202aを構成している部分では、消音のための構造を収納するために直径が大きくなる。このため、自動二輪車全体の外観に占める排気管の割合は大きく、排気管の形状や色が自動二輪車全体の意匠に及ぼす影響は大きい。
こうした理由から、排気管の形状や色は、自動二輪車全体の意匠を決定する上で重要な要素となる。このため、排気管を滑らかに曲げることによってボリュームのある力強い印象を創出したり、排気管の表面を光沢のある金属色で仕上げることによって他の構成部分との対比を強調したりすることが行われている。あるいは、排気管の表面を他の構成部分と類似した色調に仕上げることによって周囲の構造との一体性を持たせることも行われている。
排気管の材料としては、例えばステンレス鋼(SUS)が用いられる。ステンレス鋼は、クロムを含む鉄合金であり、表面にクロムの酸化皮膜が形成されるので耐食性に優れている。
ところが、排気管を通る排気ガスは、内燃機関から直接導かれるので温度が高い。そのため、排気ガスの通過によって排気管が高温となり、ステンレス鋼から形成された排気管の表面であっても、赤茶色に変色したり、劣化したりする。
このように、排気管の材料としてステンレス鋼を用いても、耐食性は必ずしも十分ではない。金属光沢のある排気管の表面に赤茶けた変色や劣化が生じると、自動二輪車全体の意匠の外観を損ねてしまう。特に、近年、内燃機関の性能が向上することにより、排気ガスの温度が上昇し、このような問題が生じやすくなっている。
排気管の耐食性を向上させる手法として、ステンレス鋼から形成された排気管の表面を電解研磨する方法が挙げられる。このような電解研磨法を行うと、排気管の表面から金属がイオンとして溶け出し、凸部が優先的に溶解されるので、排気管の表面が平滑化され、光沢が増す。また、クロムよりも鉄が優先的に溶け出すので、結果として排気管の表面におけるクロム濃度が高くなる。そのため、耐食性が向上する。
排気管の表面におけるクロム濃度を高くする手法としては、排気管の表面にクロムを直接注入したり、拡散浸透させたりする手法も考えられる。
また、本願発明者は、排気管の表面に酸化シリコン膜を形成し、排気管の変色を防止することを提案している(特許文献1)。特許文献1に開示されているように、ゾルゲル法を用いて酸化シリコン膜を0.05μm以上の厚さで排気管の表面に形成することにより、400℃程度に加熱されても変色の生じにくい排気管を得ることができる。
特開2002−332838号公報
しかしながら、本願発明者が検討を行ったところ、電解研磨法を用いたとしても耐食性を十分に向上させることは難しかった。また、電解研磨法は湿式法であるため、排水処理が必要となる。さらに、ステンレス鋼の表面からは多量の六価クロムイオンが溶出するので排出基準を満足させるための処理を行なわなくてはならず、また、作業環境に悪影響を及ぼすので排水のクローズド化が必要となる。しかも、六価クロムを用いてめっきを行う場合よりも排水中の六価クロムイオンが高濃度になるので、排水処理の負担が大きい。
また、排気管の表面にクロムを直接注入したり、拡散浸透させたりする手法は、大掛りな装置を必要とするので製造コストが上昇してしまう。
さらに、特許文献1に開示されている技術によって得られた排気管では、400℃を超える温度に晒されることによって、表面の変色が急激に生じることが分かった。このため、排気ガスの温度が高くなりやすい性能の高い内燃機関に特許文献1に開示されている排気管を用いても、十分に変色や劣化を防止できない場合がある。
なお、高い耐食性は、上述した排気管のような内燃機関用部品だけでなく、海水にさらされるマリン用部品(例えばハンドレールや釣具のヒンジ、ロープを固定するためのクリートなど)にも要求されるが、上述の手法を用いてもマリン用部品の耐食性を十分に向上させることはやはり難しい。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関用部品やマリン用部品の耐食性を簡便に大きく向上させることにある。
本発明による内燃機関用またはマリン用の部品は、少なくともクロムを含む金属材料から形成された部品本体と、前記部品本体の外側を覆うセラミックス膜とを備え、前記部品本体は、内部よりもクロム濃度の高い表面層を有しており、そのことによって上記目的が達成される。
ある好適な実施形態において、前記部品本体の前記表面層の厚さは10nm以上である。
ある好適な実施形態において、前記セラミックス膜は、前記部品本体の表面層に接触し前記部品本体の内部よりもクロム濃度の高い裏面層を有している。
ある好適な実施形態において、前記セラミックス膜の前記裏面層の厚さは10nm以上である。
あるいは、本発明による内燃機関用またはマリン用の部品は、少なくともクロムを含む金属材料から形成された部品本体と、前記部品本体の外側を覆うセラミックス膜とを備えており、前記セラミックス膜の前記部品本体側の一部および前記部品本体の前記セラミックス膜側の一部を含み前記部品本体の内部よりもクロム濃度の高いクロムリッチ層を有しており、そのことによって上記目的が達成される。
ある好適な実施形態において、前記クロムリッチ層の厚さは、10nm以上である。
ある好適な実施形態において、前記セラミックス膜の厚さは、10nm以上150nm以下である。
ある好適な実施形態において、前記セラミックス膜の厚さは、20nm以上50nm以下である。
ある好適な実施形態において、前記セラミックス膜は、シリコンおよび/またはアルミニウムを含む。
ある好適な実施形態において、前記セラミックス膜は、酸化物膜または窒化酸化物膜であり、前記セラミックス膜中の酸素濃度が30質量%以上70質量%以下である。
ある好適な実施形態において、前記セラミックス膜中の酸素濃度が30質量%以上50質量%以下である。
ある好適な実施形態において、前記セラミックス膜は、前記部品本体の表面に主として含まれる金属元素の含有率が0.5質量%以下である。
ある好適な実施形態において、前記セラミックス膜は、物理蒸着法により形成された膜である。
ある好適な実施形態において、前記金属材料はステンレス鋼である。
ある好適な実施形態において、本発明による部品は、内燃機関用の排気管である。
本発明による輸送機器は、上記構成を有する部品を備えており、そのことによって上記目的が達成される。
本発明による内燃機関用部品(あるいはマリン用部品)は、少なくともクロムを含む金属材料から形成された部品本体と、部品本体の外側を覆うセラミックス膜とを備えている。本発明によれば、部品本体が内部よりもクロム濃度の高い表面層を有しているので、耐食性にもっとも寄与するクロム酸化皮膜が安定的に生成される。また、部品本体の外側を耐酸性の高いセラミックス膜が覆っているので、クロム酸化皮膜が破られにくい。そのため、本発明による部品は、耐食性に優れている。また、本発明による部品は、製造のために大掛りな装置や特別な排水処理を必要としないので、本発明によれば簡便に部品の耐食性を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下では排気管を例として説明を行うが、本発明はこれに限定されず、排気管のカバーや吸気系の部品、エンジンのカバー部品などの内燃機関用部品に広く用いられる。また、本発明は、ハンドレールやヒンジ、クリートなどのマリン用部品にも用いられる。なお、マリン用部品とは、塩分を含む水域を航行する移動体の部品またはそのような移動体の搭載品として用いられ得るものであって、塩分を含む液体や気体に曝露される部品を言う。
図1は、本発明による内燃機関用排気管(以下では単に排気管とも称する。)が用いられた自動二輪車100を示している。自動二輪車100は、内燃機関1と、内燃機関1に接続された排気管2とを備えている。
排気管2は、内燃機関1で生じた排気ガスを車体後方から排出するために設けられている。この排気管2は、内燃機関1の前方から排出された排気ガスを後方へ導くように大きく曲がった排気経路を構成している部分2aと、消音器2bとを含む。排気管2は、一体的に1つの部品によって構成されていてもよいし、複数の部品を接合することにより構成されていてもよい。
本実施形態では、排気管2は自動二輪車100の外観に表れるよう全体が露出しており、自動二輪車100全体の意匠の一部を構成している。以下において詳細に説明するように、排気管2全体が露出しているほうが、長期にわたって排気管2の変色が生じず、新車のような外観を保つという本発明の効果が顕著に外観に表れる。しかし、排気管2の少なくとも一部が外観に表れる限り、自動二輪車の意匠によっては、排気管2の一部がカウルやプロテクタによって覆われていてもよい。また、自動二輪車の形状は図1に示すものに限られるわけではなく、例えば、図10に示したような構造を備えた自動二輪車に本発明による排気管を採用してもよい。
図2は、排気管2の一部(排気経路を構成している部分2a)を示す断面図である。排気管2は、排気ガスが通過する通路6を囲む金属管(排気管本体)5と、金属管5の外側を覆うセラミックス膜10とを含む。言い換えると、金属管5の内側には排気ガスが流れ、金属管5の外側にはセラミックス膜10が設けられている。
金属管5は、少なくともクロムを含む金属材料から形成されている。クロムを含む金属材料としては、例えばステンレス鋼(SUS)が用いられる。金属管5は、通路6を囲んでいればよく、通路6を直接囲む内管と内管の外側を囲むように保持された外管とから構成される二重管構造を採用していてもよい。ただし、通路6を直接囲む一重管構造の方が、金属管5の外側が高温になりやすいため、本発明を用いる効果が高い。
セラミックス膜10は、緻密であり、高温においても酸化したり分解したりしにくい非晶質の材料から形成されている。具体的には、セラミックス膜10は、シリコン(Si)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、バナジウム(V)などの元素の酸化物、窒化物、窒化酸化物またはホウ化物から選ばれる少なくとも1種以上を含む。これらの材料は必ずしも化学量論比で元素を含んでいなくてもよい。
なお、本願明細書における「セラミックス」は、金属または非金属の酸化物、窒化物、窒化酸化物などの固体材料を広く指し、旧来よく用いられてきた焼成工程を含む手法によって形成されたものだけでなく、後に詳述するようにスパッタリング法などの物理蒸着法によって形成されたものも勿論含む。
本実施形態における排気管2は、その厚さ方向(深さ方向)におけるクロム濃度の分布に特徴を有している。具体的には、図2中に排気管2の断面構造を拡大して示しているように、金属管5が、金属管5の内部5bよりもクロム濃度の高い表面層5aを有している。また、セラミックス膜10が、金属管5の表面層5aに接触し金属管5の内部よりもクロム濃度の高い裏面層10aを有している。
つまり、排気管2は、金属管5のセラミックス膜10側の一部(すなわち表面層5a)およびセラミックス膜10の金属管5側の一部(すなわち裏面層10a)を含むクロムリッチ層を有している。なお、本願明細書における「クロムリッチ」は、部品本体の内部(ここでは金属管5の内部5b)よりもクロム濃度が高いことを意味し、必ずしも層内においてクロムの濃度がもっとも高いことを意味するわけではない。
本発明による排気管2では、金属管5が内部5bよりもクロム濃度の高い表面層5aを有しているので、耐食性にもっとも寄与するクロム酸化皮膜が安定的に生成される。また、金属管5の外側を耐酸性の高いセラミックス膜10が覆っているので、クロム酸化皮膜が破られにくい。そのため、本発明による排気管2は、耐食性に優れている。また、本発明による排気管2は、後述するように製造のために大掛りな装置や特別な排水処理を必要としないので、本発明によれば簡便に排気管2の耐食性を向上させることができる。
上述したように、少なくとも金属管5がクロムリッチな表面層5aを有していることにより耐食性を向上することができる。さらに、本実施形態のようにセラミックス膜10がクロムリッチな裏面層10aを有していると、クロム酸化皮膜がいっそう安定的に生成されるので、耐食性がいっそう向上する。
耐食性を十分に確保するためには、金属管5の表面層5aの厚さは10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがさらに好ましい。また、セラミックス膜10の裏面層10aの厚さは10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがさらに好ましい。また、金属管5の表面層5aおよびセラミックス膜10の裏面層10aを含むクロムリッチ層全体の厚さは、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがさらに好ましい。
また、同じく耐食性の観点から、金属管5の表面層5a内のクロムの平均濃度は、金属管5の内部5bのクロムの平均濃度よりも1.5倍以上高いことが好ましく、2倍以上高いことがより好ましい。また、セラミックス膜10の裏面層10a内のクロムの平均濃度は、金属管5の内部5bのクロムの平均濃度よりも1.5倍以上高いことが好ましく、2倍以上高いことがより好ましい。
金属管5の外側を覆うセラミックス膜10は、金属管5の表面に主として含まれる(典型的には50%以上の比率で含まれる)金属元素(ただしクロムを除く)の含有率が0.5質量%よりも少ないことが好ましい。以下、この理由を説明する。
本願発明者は、特許文献1に開示されているゾルゲル法によって形成された酸化シリコン膜では排気管表面の変色や劣化を十分に防止できない原因について詳細に検討した。その結果、ゾルゲル法による酸化シリコン膜には、排気管の表面に主として含まれる金属元素が含まれており、この金属が高温において酸化することにより、排気管の変色が生じたり、表面の劣化が生じたりすることが分かった。
また、ゾルゲル法では、焼成中にシリコンと結合していた有機系化合物の気化や分解が生じるため、得られる酸化シリコン膜には微細な空隙が生成し、ガスに対するバリア性が低下していると考えられる。このため、排気管が高温にさらされると、排気管表面の金属が酸化シリコン膜中へ拡散し、外部の酸素と結合して酸化したり、酸化シリコン膜を酸素が透過して排気管表面で金属の酸化を引き起こしたりするものと考えられる。このように酸化シリコン膜中に金属が含まれていたり、酸化シリコン膜中に微細な空隙が生成したりしている場合、排気管を構成する金属のうちの鉄が表面に赤茶けた酸化物として析出し、排気管の美観を損ねてしまう。
本願発明者の検討によれば、金属管5表面の主成分元素(クロムを除く)がセラミックス膜10に0.5質量%よりも多く含まれる場合には、高熱によって、セラミックス膜10の表面からこの金属元素が酸化され、排気管の表面が変色する可能性があることがわかった。また、酸化した金属から金属管5内部へ酸化が進む可能性もある。これに対し、金属管5表面の主成分元素(クロムを除く)の含有率が0.5質量%以下であると、高熱による変色や酸化が防止される。セラミックス膜10に含まれる金属が酸化した場合の排気管2の外観を考慮すると、金属管5表面の主成分元素の含有率は0.4質量%以下であることがより好ましく、0.3質量%以下であることがさらに好ましい。
なお、金属管5表面の主成分元素(クロムを除く)の含有率は、セラミックス膜10内で局所的にばらつくことがあるが、少なくともセラミックス膜10の厚さ方向における中心部分において0.5質量%以下であることが好ましい。また、金属管5表面の主成分元素の含有率は、セラミックス膜10の内側(金属管5側)表面近傍および外側表面近傍(それぞれセラミックス膜10全体の厚さに対して10%の厚さを有する部分)を除いた部分(つまりセラミックス膜10全体の80%に相当する部分)において0.5質量%以下であることが好ましい。
金属管5表面の主成分元素(クロムを除く)の含有率を0.5質量%以下とするためには、セラミックス膜10を金属管5の外側に形成する際、金属管5表面の主成分元素(クロムを除く)がセラミックス膜10中に拡散しにくい方法を用いることが好ましい。本願発明者は、種々検討を重ねた結果、セラミックス膜10の形成にスパッタリング法やイオンプレーティング法などの物理蒸着法を用いると、金属管5表面の主成分元素(クロムを除く)がセラミックス膜10中に拡散しにくいことを見出した。また、物理蒸着法により形成されたセラミックス膜は緻密であるため、500℃程度の温度においても、高いガスバリア性を備え、金属管5の表面が酸化するのを防止することができることがわかった。
スパッタリング法を用いる場合には、DCスパッタリング装置、RFスパッタリング装置、マグネトロンスパッタリング装置、イオンビームスパッタリング装置などを用いることができる。また、これらの方法を用いる場合、セラミックス膜10を堆積する金属管5の表面にプラズマ粒子を衝突させ、金属管5の表面をエッチングすることができる。これを利用して、金属管5の表面に形成されている自然酸化膜を除去し、セラミックス膜10と金属管5との密着性を向上させることができる。つまり、セラミックス膜10と金属管5との間には、金属管5の表面に主として含まれる金属元素の酸化膜が実質的に形成されていないことが好ましい。プラズマを用いない堆積方法によってセラミックス膜10を形成する場合であっても、金属管5の表面に形成されている自然酸化膜を物理的あるいは化学的方法により、セラミックス膜10を形成する前に除去しておくことが好ましい。
スパッタリング法などの物理蒸着法により形成されたセラミックス膜10は基本的に非晶質膜であり、内燃機関の運転によって高温に加熱されても非晶質のままである。ここでいう非晶質膜とは、X線回折法により回折ピークとして観測されるような長周期構造を持たない膜をいう。なお、形成条件によっては、加熱された際に膜の一部が結晶化することもあるが、実用上ガスバリア性に問題はない。
さらに、本願発明者は、物理蒸着法を用いてセラミックス膜10を形成すると、金属管5表面の主成分元素(ステンレス鋼においては鉄)のセラミックス膜10への拡散が防止される一方で、金属管5の表面近傍やセラミックス膜10の裏面近傍のクロム濃度が高くなるという現象を発見した。この特異的な現象のメカニズムは明らかではないものの、物理蒸着法を用いてセラミックス膜10を形成することにより、金属管5にクロムリッチな表面層5aを形成したり、セラミックス膜10にクロムリッチな裏面層10aを形成したりすることができる。
セラミックス膜10は、シリコンおよび/またはアルミニウムを含む膜であること、つまり、シリコン系、アルミニウム系またはシリコンとアルミニウムとの複合系(シリコン/アルミニウム系)の膜であることが好ましい。例えばチタン窒化物膜のようなチタン系のセラミックス膜は、化学量論的な組成になりにくく、膜自体が疎であるため、酸素バリア性に劣っている。また、化学量論的な組成になりにくく、さらに、金属結合している部分が生じるため、膜自体の酸化が進行したり、内部への酸素の受け渡しが行われたりしてしまう。これに対し、シリコン系のセラミックス膜は、非金属元素の化合物で共有結合しており、膜自体を緻密に形成することが可能である。また、アルミニウムは金属元素と非金属元素との境に位置する元素であるので、アルミニウム系のセラミックス膜もシリコン系のセラミックス膜と同様に、膜自体を緻密に形成することが可能である。そのため、シリコン系、アルミニウム系、シリコン/アルミニウム系のセラミックス膜10は、酸素バリア性に優れる。
セラミックス膜10の厚さは、5nm以上150nm以下であることが好ましく、20nm以上50nm以下であることがより好ましい。厚さが5nm未満であると、十分な耐高温酸化性、耐高温変色性、耐食性を確保できないことがある。また、厚さが150nmを超えると、成膜時間が長くなり過ぎて生産性が低下したり、干渉色が濃くなり過ぎて商品性にそぐわない色になったり、金属管5の表面層5aやセラミックス膜10の裏面層10aへのクロムの拡散が抑制されたりすることがある。
また、本願発明者は、金属管5の表面近傍やセラミックス膜10の裏面近傍のクロム濃度を高くするための好ましい条件を詳細に検討した。その結果、セラミックス膜10を酸化物膜または窒化酸化物膜とし、これらの膜中の酸素濃度を30質量%以上70質量%以下とすることが好ましく、30質量%以上50質量%以下とすることがより好ましいことが実験的に確認された。この実験結果については後述することとする。
セラミックス膜10中の酸素濃度は、セラミックス膜10の成膜条件を変化させることによって調整することができる。例えばセラミックス膜10をスパッタリング法を用いて形成する場合、スパッタリング装置のチャンバ内に導入するガスの組成を変化させることにより、セラミックス膜10中の酸素濃度を調整することができる。表1に、ターゲットしてシリコンを用い、シリコン系のセラミックス膜10を形成する場合における、ガスの組成(体積比)と、セラミックス膜10中のシリコン、酸素および窒素の濃度との関係の一例を示す。
Figure 2007218091
表1から、雰囲気ガスの組成によってセラミックス膜10中の酸素濃度が変化することがわかる。また、雰囲気ガスの成分であるガスの種類が同じであれば、酸素ガスの濃度が高いほど、形成される膜中の酸素濃度も高いことがわかる。従って、雰囲気ガスの組成を適宜設定することにより、セラミックス膜10中の酸素濃度を所望の値にすることができる。
次に、排気管2の製造方法を説明する。以下の説明では、スパッタリング法によりセラミックス膜10を形成する例を説明する。
まず、部品本体である金属管5を用意する。金属管5の材料としてはステンレス鋼などの少なくともクロムを含む(ただし主成分がクロムではない)金属材料が用いられる。
次に、用意した金属管5をスパッタリング装置のチャンバ内に導入する。スパッタリング装置の一例を図3(a)および(b)に示す。図3(a)はスパッタリング装置20を模式的に示す側断面図であり、図3(b)はスパッタリング装置20を模式的に示す上断面図である。
スパッタリング装置20は、金属管5を懸架して保持するホルダ24をチャンバ21内に複数備えている。各ホルダ24は、回転軸23を中心に自転しながらチャンバ21内で公転する。チャンバ21の内径φ1はたとえば1200mmであり、膜の形成が可能な有効な領域は、たとえば、直径φ2が1080mmであり、高さ1800mmの円柱形状である。
ホルダ24が回転する軌道の外側には、複数のターゲット22が設けられている。セラミックス膜10としてシリコン系の膜を形成する場合には、シリコンのターゲット22を用いる。
上述した構造のスパッタリング装置20を用いることにより、立体的な形状を有する金属管5の外側全体に均一な厚さのセラミックス膜10を形成することができる。また一回のバッチで多くの金属管5を処理できる。
金属管5をホルダ24に配置し、チャンバ21内を図示しないポンプを用いて排気する。チャンバ21内の真空度が所定値に達したら、アルゴンをチャンバ21内に導入し、放電を開始する。ホルダ24を自転および公転させながら、放電により生成したプラズマ粒子が金属管5に衝突するようにバイアス電圧を印加し、逆スパッタにより金属管5の表面をエッチングする。逆スパッタは、金属管5の表面に形成されている自然酸化膜を完全に除去するまで行うことが好ましい。自然酸化膜の厚さは一般には2nmから3nmの範囲である。自然酸化膜を除去することによって金属管5とセラミックス膜10との密着性を高めることができる。
自然酸化膜を除去した後、チャンバ21内にアルゴンおよび酸素を導入し、放電を開始する。プラズマ粒子がターゲットに衝突するようにバイアス電圧を印加し、セラミックス膜10の堆積を開始する。本実施形態の場合、ターゲットから飛び出したシリコン粒子は酸素プラズマと反応し、酸化シリコン膜として、金属管5の表面に堆積する。堆積時間は、ターゲットの数や反応時の圧力、バイアス電圧などの条件を考慮した上で、生成するセラミックス膜の目標とする膜厚に応じて決定される。形成されるセラミックス膜10には、酸化シリコンの他、若干の窒化シリコンも含まれる。所定の時間、スパッタリングを行い、金属管5の外側に所定の厚さを有するセラミックス膜10を形成することによって、排気管2が得られる。
上述したようにして形成されたセラミックス膜10には、金属管5の表面に主として含まれる金属元素が0.5質量%以下しか含まれておらず、金属管5表面の主成分元素が実質的に含まれていないと言ってよい。このため、この金属元素が高温において酸化することによって排気管2の変色が生じたり、表面の劣化が生じたりすることがない。それ故、排気管2が高温の排気ガスにより変色することがなく、優れた外観を維持することができる。スパッタリング法により形成されたセラミックス膜10は緻密であるため、バリア性が高く、外部の酸素が金属管5に達したり、金属管5に含まれた鉄が酸化して表面で析出したりするのを効果的に防止することができる。
また、上述したようにしてセラミックス膜10を形成すると、金属管5表面の主成分元素(ステンレス鋼においては鉄)のセラミックス膜10への拡散が防止される一方で、加熱による拡散によって金属管5の表面近傍やセラミックス膜10の裏面近傍のクロム濃度が高くなる。つまり、セラミックス膜10を形成する工程において、金属管5の表面近傍にクロムリッチな表面層5aが形成され、また、セラミックス膜10の裏面近傍にクロムリッチな裏面層10aが形成される。そのため、金属管5の表面に対して電解研磨法を行ったり、クロムを直接注入したり、あるいは拡散浸透させたりしなくても、クロムリッチ層を形成することができる。そのため、特別に大掛りな装置や、特別な排水処理を必要とせず、簡便に排気管2の耐食性を向上することができる。
なお、金属管5の表面は、図4に示すように、セラミックス膜10の厚さに比べて大きな表面粗さを有していることが好ましい。具体的には、金属管5の表面の平均粗さRaは、0.4μm以上であることが好ましい。平均粗さが0.4μmよりも小さい場合、可視光が金属管5の表面で反射する際、隣り合う溝から反射した波面間の光路差が波長の整数倍のときに強め合って回折光が見られるようになり、排気管2の美観を損ねる可能性がある。また、平均粗さが小さくなり、金属管5の表面が平滑になると、セラミックス膜10の密着性が低下する可能性がある。金属管5表面の平均粗さRaの値に上限は特にないが、金属管5表面の平均粗さRaが3.2μm以上になると、光の反射率が低下し、商品性や美観を損なうので好ましくない。
(実施例)
まず、本発明による排気管における元素の深さ方向の分布を調べた。実施例として、SUS304から形成された金属管を用意し、この金属管の表面にスパッタリング法により酸化シリコン(SiO2)膜を形成した。具体的には、まず、800番バフによって研磨された金属管を反応性マグネトロンスパッタリング装置のチャンバ内に配置し、3×10-2〜-4Paの真空度に到達するまで排気を行った。次に、25sccmの流量でチャンバ内にアルゴンガスを導入し、4×10-1Paの圧力を保ちながら、500V、4A(2.0KW)のパワーを投入して1分間逆スパッタを行い、金属管表面の自然酸化膜を除去した。その後、シリコンをターゲットとし、5〜20体積%のアルゴン+80〜95体積%の酸素雰囲気または100体積%の酸素雰囲気下、3×10-1Paの圧力を保ちながら、2.5KWのパワーを投入して1分間スパッタリングを行い、金属管表面に厚さ20nmの酸化シリコン膜を形成した。
また、比較例として、SUS304から形成された金属管を用意し、ゾルゲル法によってセラミックス膜として厚さ170nmの酸化シリコン膜を形成した(比較例1)。さらに、別の比較例として、SUS304から形成された金属管の表面にセラミックス膜は形成せずに電解研磨法を施した(比較例2)。
実施例の排気管および比較例1、2の排気管を大気雰囲気の炉内で500℃で4〜8時間加熱した後、空冷を行った。その後、実施例の排気管の酸化シリコン膜を薄膜X線回折装置で分析したところ、非晶質であることが確認された。また、実施例の排気管および比較例1、2の排気管の深さ方向の元素分布をGDS法(グロー放電発光分光分析法)を用いて測定した。
図5(a)に、実施例の排気管の深さ方向における元素分布を示す。図5(a)からわかるように、実施例の排気管では、金属管の表面近傍のクロム濃度が金属管の内部のクロム濃度よりも高くなっており、金属管にクロムリッチな表面層が形成されている。具体的には、金属管の内部のクロム濃度が18質量%程度であるのに対し、表面層におけるクロム濃度は、18質量%を超え、高いところでは30質量%近くに達している。また、セラミックス膜の裏面近傍のクロム濃度も金属管の内部よりも高くなっており、セラミックス膜にクロムリッチな裏面層が形成されている。このように、実施例の排気管では、金属管の一部およびセラミックス膜の一部を含むクロムリッチ層が形成されている。
図5(b)に、図5(a)の排気管表面近傍に対応した部分を拡大して示す。図5(b)からわかるように、実施例の排気管では、セラミックス膜である酸化シリコン膜中に金属管表面の主成分元素である鉄はほとんど含まれていない。具体的には、酸化シリコン膜中の鉄の元素濃度は、図5(b)に示すように0.5質量%以下である。
図6(a)に、比較例1の排気管の深さ方向における元素分布を示す。図6(a)からわかるように、比較例1の排気管では、金属管の表面近傍のクロム濃度は金属管の内部のクロム濃度とほとんど同じであり、金属管にはクロムリッチな表面層は形成されていない。また、セラミックス膜の裏面近傍のクロム濃度も金属管の内部のクロム濃度とほとんど同じであり、セラミックス膜にはクロムリッチな裏面層は形成されていない。このように、比較例1の排気管では、金属管の内部よりもクロム濃度の高いクロムリッチ層は形成されなかった。
また、図6(b)に、図6(a)の排気管表面近傍に対応した部分を拡大して示す。図6(b)からわかるように、比較例の排気管では、ゾルゲル法で形成した酸化シリコン膜中に金属管表面の主成分金属である鉄が多く含まれている。具体的には、酸化シリコン膜中のクロムの元素濃度は、30質量%を超えている。
図7に、比較例2の排気管の深さ方向における元素分布を示す。図7からわかるように、比較例2の排気管では、電解研磨によって金属管の表面近傍のクロム濃度が金属管の内部のクロム濃度に比べてやや高くなっているものの、図5に示した実施例の排気管ほどには高くなっていない。具体的には、金属管の内部のクロム濃度が18質量%程度であるのに対し、表面近傍におけるクロム濃度は、もっとも高いところでも25質量%程度である。
実施例の排気管と、比較例1および比較例2の排気管とについて、塩水噴霧試験を96時間行ったところ、比較例1および比較例2の排気管の表面には赤錆が点々と発生したのに対し、実施例の排気管の表面には赤錆が全く発生しなかった。
実施例の排気管において赤錆が発生しなかったのは、(1)金属管の一部およびセラミックス膜の一部を含むようにクロムリッチ層が形成されていること、(2)金属管を覆うようにセラミックス層が形成されていること、および(3)セラミックス膜に金属管表面の主成分である鉄が実質的に含まれていないことに起因している。
一方、比較例1の排気管において赤錆が発生したのは、金属管の表面近傍やセラミックス膜の裏面近傍にクロムリッチ層が形成されていないために、クロム酸化皮膜が安定して生成されないためである。また、セラミックス膜に金属管表面の主成分である鉄が多く含まれており、この鉄が酸化してしまうことにも起因している。
また、比較例2の排気管において赤錆が発生したのは、電解研磨法のみでは金属管の表面近傍におけるクロム濃度を十分には高くできないことと、金属管の表面を覆うようなセラミックス膜が形成されていないこととに起因している。また、比較例2の排気管では、加熱した際に表面に鉄が拡散してきて外観が悪くなるし、また、それによって耐食性も低下してしまう。
次に、クロムリッチ層のクロム濃度とセラミックス膜中の酸素濃度との関係を検証した結果を説明する。本願発明者が詳細な検証を行った結果、金属管5の表面近傍やセラミックス膜10の裏面近傍のクロム濃度を高くするためには、セラミックス膜中の酸素濃度を30質量%以上70質量%以下とすることが好ましく、30質量%以上50質量%以下とすることがより好ましいことがわかった。検証結果の一部を図8および図9に示す。
図8は、スパッタリング法を用いて膜中の酸素濃度が約30%のセラミックス膜を形成したときの排気管の深さ方向の元素分布を示している。図8に示すように、金属管の表面近傍やセラミックス膜の裏面近傍に対応した部分において、クロム濃度が急激に高くなっており、高濃度のクロムリッチ層が形成されている。
図9に、スパッタリング法を用いて膜中の酸素濃度が約80%のセラミックス膜を形成したときの排気管の深さ方向の元素分布を示す。図9に示すように、金属管の表面近傍やセラミックス膜の裏面近傍に対応した部分において、クロム濃度はあまり高くなっていない。
本発明によると、金属材料から形成される部品の耐食性を簡便に大きく向上させることができる。本発明は、高温にさらされる内燃機関用部品や、海水にさらされるマリン用部品に好適に用いられる。本発明による部品は、自動二輪車や全天候型四輪車両などの車両をはじめ、船舶、飛行機などの種々の輸送機器に幅広く用いることができる。
本発明による内燃機関用排気管が用いられる自動二輪車の側面図である。 本発明の好適な実施形態における排気管の断面図である。 (a)および(b)は、排気管の製造に用いられるスパッタリング装置を模式的に示す図であり、(a)は側断面図、(b)は上断面図である。 排気管の表面近傍の構造を示す模式図である。 (a)および(b)は、本発明の実施例の排気管の深さ方向における元素分布を示すグラフである。 (a)および(b)は、比較例1の排気管の深さ方向における元素分布を示すグラフである。 比較例2の排気管の深さ方向における元素分布を示すグラフである。 スパッタリング法を用いて膜中の酸素濃度が約30%のセラミックス膜を形成したときの排気管の深さ方向の元素分布を示すグラフである。 スパッタリング法を用いて膜中の酸素濃度が約80%のセラミックス膜を形成したときの排気管の深さ方向の元素分布を示すグラフである。 自動二輪車の外観を示す側面図である。
符号の説明
1 内燃機関
2 排気管
5 金属管
5a 金属管の表面層
5b 金属管の内部
6 通路
10 セラミックス膜
10a セラミックス膜の裏面層
20 スパッタリング装置
21 チャンバ
22 ターゲット
23 軸
24 ホルダ
100 自動二輪車

Claims (16)

  1. 少なくともクロムを含む金属材料から形成された部品本体と、
    前記部品本体の外側を覆うセラミックス膜と、を備え、
    前記部品本体は、内部よりもクロム濃度の高い表面層を有している、内燃機関用またはマリン用の部品。
  2. 前記部品本体の前記表面層の厚さは10nm以上である請求項1に記載の部品。
  3. 前記セラミックス膜は、前記部品本体の表面層に接触し前記部品本体の内部よりもクロム濃度の高い裏面層を有している請求項1または2に記載の部品。
  4. 前記セラミックス膜の前記裏面層の厚さは10nm以上である請求項3に記載の部品。
  5. 少なくともクロムを含む金属材料から形成された部品本体と、
    前記部品本体の外側を覆うセラミックス膜と、を備えた内燃機関用またはマリン用の部品であって、
    前記セラミックス膜の前記部品本体側の一部および前記部品本体の前記セラミックス膜側の一部を含み前記部品本体の内部よりもクロム濃度の高いクロムリッチ層を有している、内燃機関用またはマリン用の部品。
  6. 前記クロムリッチ層の厚さは、10nm以上である請求項5に記載の部品。
  7. 前記セラミックス膜の厚さは、10nm以上150nm以下である請求項1から6のいずれかに記載の部品。
  8. 前記セラミックス膜の厚さは、20nm以上50nm以下である請求項1から6のいずれかに記載の部品。
  9. 前記セラミックス膜は、シリコンおよび/またはアルミニウムを含む請求項1から8のいずれかに記載の部品。
  10. 前記セラミックス膜は、酸化物膜または窒化酸化物膜であり、前記セラミックス膜中の酸素濃度が30質量%以上70質量%以下である請求項1から9のいずれかに記載の部品。
  11. 前記セラミックス膜中の酸素濃度が30質量%以上50質量%以下である請求項10に記載の部品。
  12. 前記セラミックス膜は、前記部品本体の表面に主として含まれる金属元素の含有率が0.5質量%以下である請求項1から11のいずれかに記載の部品。
  13. 前記セラミックス膜は、物理蒸着法により形成された膜である請求項1から12のいずれかに記載の部品。
  14. 前記金属材料はステンレス鋼である請求項1から13のいずれかに記載の部品。
  15. 内燃機関用の排気管である請求項1から14のいずれかに記載の部品。
  16. 請求項1から15のいずれかに記載の部品を備えた輸送機器。
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