JP7280578B2 - 耐摩耗被膜を備える摺動部材及び耐摩耗被膜の形成方法 - Google Patents

耐摩耗被膜を備える摺動部材及び耐摩耗被膜の形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7280578B2
JP7280578B2 JP2019129105A JP2019129105A JP7280578B2 JP 7280578 B2 JP7280578 B2 JP 7280578B2 JP 2019129105 A JP2019129105 A JP 2019129105A JP 2019129105 A JP2019129105 A JP 2019129105A JP 7280578 B2 JP7280578 B2 JP 7280578B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wear
sliding member
resistant coating
layer
sliding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019129105A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021014611A (ja
Inventor
翔子 小宮山
祐司 須藤
優太 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
IHI Corp
Original Assignee
Tohoku University NUC
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC, IHI Corp filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2019129105A priority Critical patent/JP7280578B2/ja
Publication of JP2021014611A publication Critical patent/JP2021014611A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7280578B2 publication Critical patent/JP7280578B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Supercharger (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Description

本開示は、耐摩耗被膜を備える摺動部材及び耐摩耗被膜の形成方法に関する。
過給機等の機械部品の摺動部材には、高温環境下での耐摩耗性の向上のために、耐酸化性に優れた硬質膜の適用が検討されている。このような硬質膜は、通常、Cr系化合物等からなるセラミックスで形成されている(特許文献1参照)。
特開2004-204311号公報
ところで、過給機等の機械部品において、高温環境下に曝される摺動部材には、耐食性等の向上のために、ステンレス鋼が用いられている。ステンレス鋼で形成される摺動部材の摺動面に、Cr系化合物等のセラミックスで形成される硬質膜を被覆した場合には、高温環境下(例えば、約700℃から900℃)に曝されると、ステンレス鋼の塑性変形に硬質膜が追従できなくなり、硬質膜が剥離する可能性がある。これにより、高温環境下での摺動部材の耐摩耗性が低下する場合がある。
そこで本開示の目的は、高温環境下において、ステンレス鋼で形成される摺動部材の耐摩耗性を向上させることが可能な耐摩耗被膜を備える摺動部材及び耐摩耗被膜の形成方法を提供することである。
本開示に係る耐摩耗被膜を備える摺動部材は、ステンレス鋼で形成される摺動部材と、前記摺動部材の摺動面に設けられる耐摩耗被膜と、を備え、前記耐摩耗被膜は、前記摺動部材の摺動面に設けられ、Cr含有窒素化合物で形成される硬質層を備え、前記摺動部材と、前記硬質層との間に設けられ、Cr炭化物で形成される界面反応層を有し、前記Cr含有窒素化合物は、AlCrNまたはCrNであることを特徴とする耐摩耗被膜を備えていることを特徴とする。
本開示に係る耐摩耗被膜を備える摺動部材において、前記界面反応層は、前記摺動部材の摺動面から摺動部材側に向けて凸状に入り込んで形成されていることを特徴とする。
本開示に係る耐摩耗被膜を備える摺動部材において、前記耐摩耗被膜は、前記硬質層の表面に、Cr炭化物層を有していることを特徴とする。Cr炭化物層は、Fe及びNiの少なくとも一方を含むCr23と、Fe及びNiの少なくとも一方を含むCrCとの少なくとも一方で形成されているとよい。
本開示に係る耐摩耗被膜を備える摺動部材において、前記耐摩耗被膜は、前記Cr炭化物層の表面に、Cr酸化物を含む酸化物層を有していることを特徴とする。
本開示に係る耐摩耗被膜を備える摺動部材において、前記界面反応層の厚みは、1μm以下であることを特徴とする。
本開示に係る耐摩耗被膜の形成方法は、ステンレス鋼で形成される摺動部材の摺動面に、Cr含有窒素化合物を被覆する被覆工程と、前記摺動面にCr含有窒素化合物を被覆した摺動部材を、900℃以上で熱処理する熱処理工程と、を備えることを特徴とする。
本開示に係る耐摩耗被膜の形成方法は、前記被覆工程において、前記Cr含有窒素化合物は、AlCrNまたはCrNであることを特徴とする。
本開示に係る耐摩耗被膜の形成方法において、前記熱処理工程は、酸化性雰囲気で熱処理することを特徴とする。
上記構成によれば、高温環境下においても、耐摩耗被膜と、ステンレス鋼で形成される摺動部材との密着性が向上するので、耐摩耗被膜を備える摺動部材の耐摩耗性が向上する。
本開示の実施の形態において、耐摩耗被膜を備える摺動部材の構成を示す断面図である。 本開示の実施の形態において、耐摩耗被膜の形成方法を示すフローチャートである。 本開示の実施の形態において、高温摩耗試験方法を説明するための模式図である。 本開示の実施の形態において、実施例1及び比較例1の供試体の高温摩耗試験結果を示すグラフである。 本開示の実施の形態において、実施例2及び比較例2の供試体の高温摩耗試験結果を示すグラフである。 本開示の実施の形態において、各供試体の最大摩耗深さを示すグラフである。 本開示の実施の形態において、各供試体のグロー放電発光分析結果を示す図である。 本開示の実施の形態において、実施例1の供試体のSEM観察結果を示す写真である。 本開示の実施の形態において、実施例1の供試体における硬質膜と基材との界面近傍の透過電子顕微鏡―エネルギー分散型X線分光法分析結果を示す図である。
以下に本開示の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、耐摩耗被膜を備える摺動部材10の構成を示す断面図である。耐摩耗被膜を備える摺動部材10は、摺動部材12と、摺動部材12の摺動面12aに設けられる耐摩耗被膜14と、を備えている。
摺動部材12は、例えば、ガスタービン部品等に用いられる摺動部材12である。ガスタービン部品は、航空機用のジェットエンジン部品、車両用の過給機(ターボチャージャ、スーパーチャージャ)、産業用のガスタービン部品等である。このような摺動部材12の摺動面12aには、高温環境下(例えば、約700℃から約900℃)で、面圧が負荷されて微小な繰り返し摺動を繰り返すフレッティング摩耗等が発生する。過給機に用いられる摺動部材12には、例えば、可変容量型ターボチャージャにおいて、ノズルと相対し、ノズルベーン端面と摺動する摺動部材がある。より詳細には、可変容量型ターボチャージャは、タービンハウジング内に、タービンインペラ側へ供給される排気ガスの流量を可変する可変ノズルユニットを備えている。可変ノズルユニットは、一対のリング状部材と、一対のリング状部材の間に回動可能に設けられている複数のノズルベーンを有するノズルと、を備えている。可変容量型ターボチャージャは、高温環境下でリンク機構によるノズルベーンの開閉を繰り返し行うため、ノズルと相対する各リング状部材の面は、ノズルベーンの端面と摺動する。このように、各リング状部材は、ノズルベーンの端面と摺動する摺動部材であり、高温環境下において良好な摩擦摩耗特性が求められている。
摺動部材12は、耐食性等を向上させるために、ステンレス鋼で形成されている。ステンレス鋼は、合金成分として、Fe(鉄)と、Cr(クロム)と、C(炭素)と、を含んでいればよく、更に、Ni(ニッケル)を含んでいることが好ましい。Cの含有率は、特に限定されないが、例えば、0.5質量%以下、0.15質量%以下、0.08質量%以下とすることが可能である。ステンレス鋼には、オーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、二相ステンレス鋼、析出硬化系ステンレス鋼等を用いることが可能である。ステンレス鋼には、例えば、安価で汎用性が高いことから、SUS310S等を用いるとよい。
耐摩耗被膜14は、摺動部材12の摺動面12aに設けられている硬質層16と、摺動部材12と、硬質層16との間に設けられる界面反応層18と、を備えている。
硬質層16は、摺動部材12の摺動面12aに設けられている。硬質層16は、Cr含有窒素化合物で形成されている。Cr含有窒素化合物は硬度が高いことから、硬くて耐摩耗性に優れた硬質層16を形成することができる。また、Cr含有窒素化合物はCrを含有していることから、高温環境下で耐酸化性に優れたCr等のCr酸化物被膜を形成することができる。Cr含有窒素化合物は、AlCrN(アルミクロムナイトライド)またはCrN(クロムナイトライド)とするとよい。硬質層16の厚みは、例えば、1μmから10μmとすることが可能である。
硬質層16は、硬質層16と、摺動部材12との界面から硬質層16の表面側に向けて凹凸状に形成された拡散部17を有していてもよい。拡散部17は、硬質層16のCr含有窒素化合物に含まれるCr等が摺動部材12側に拡散して形成される。例えば、硬質層16がAlCrNで形成されている場合には、拡散部17は、AlCrNに含まれるCrやAlが摺動部材12側に拡散して形成される。また、例えば、硬質層16がCrNで形成されている場合には、CrNのCrが摺動部材12側に拡散して形成される。硬質層16に拡散部17を設けることにより、高温環境下において、摺動部材12と、硬質層16との塑性変形量の差をより緩衝することができる。
界面反応層18は、摺動部材12と、硬質層16との間に設けられており、Cr炭化物で形成されている。界面反応層18は、摺動部材12と、硬質層16との界面に設けられているとよい。界面反応層18は、摺動部材12のステンレス鋼に含まれるCと、硬質層16のCr含有窒素化合物に含まれるCrとが相互拡散して界面反応することにより生成したCr炭化物で形成されている。これにより、摺動部材12と、硬質層16との間の密着性を向上させることができる。Cr炭化物は、Cr23、CrC、Cr、Cr等であるとよい。界面反応層18は、これらのCr炭化物単体で形成されていてもよいし、これらのCr炭化物を複数組み合わせて形成されていてもよい。また、Cr炭化物の硬さは、Cr含有窒素化合物の硬さと、ステンレス鋼の硬さとの中間の硬さであるので、高温環境下における摺動部材12と硬質層16との間の塑性変形の差を緩衝することができる。
界面反応層18の厚さは、例えば、1μm以下とするとよい。界面反応層18は、連続層で形成されていてもよいし、不連続層で形成されていてもよい。また、界面反応層18は、粒状に形成され、局所的に点在していてもよい。界面反応層18が不連続層や粒状に点在して形成されている場合には、界面反応層18にマイクロクラック等が発生した場合でもクラックの伝播が抑制されるので、摺動部材12と硬質層16との密着性が向上する。
界面反応層18は、摺動部材12の摺動面12aから摺動部材12側に向けて凸状に入り込んで形成されているとよい。界面反応層18が摺動部材12の摺動面12aから摺動部材12側へ食い込むように形成されていることで、楔止め効果等により摺動部材12と硬質層16との密着性を向上させることができる。
耐摩耗被膜14は、硬質層16の表面に、Cr炭化物層20を設けるようにしてもよい。Cr炭化物層20は、Cr23、CrC等であるとよく、摺動部材12を形成するステンレス鋼の構成元素であるFe及びNiの少なくとも一方を含んでも良い。Cr炭化物層20は、Fe及びNiの少なくとも一方を含むCr23と、Fe及びNiの少なくとも一方を含むCrCとの少なくとも一方で形成されているとよい。より詳細には、Cr炭化物層20は、Fe及びNiの少なくとも一方を含むCr23単体で形成されていてもよく、Fe及びNiの少なくとも一方を含むCrC単体で形成されていてもよい。また、Cr炭化物層20は、Fe及びNiの少なくとも一方を含むCr23と、Fe及びNiの少なくとも一方を含むCrCとの両方で形成されていてもよい。Cr炭化物層20の厚みは、例えば、1μmから2μmとするとよい。
耐摩耗被膜14は、Cr炭化物層20の表面に、Cr酸化物を含む酸化物層22を設けるようにしてもよい。Cr等のCr酸化物は、高温潤滑性や耐酸化性に優れているので、高温環境下での耐摩耗性を向上させることができる。酸化物層22は、更に、Al等のAl酸化物を含んでいてもよい。酸化物層22がCr酸化物とAl酸化物とを含んでいる場合には、酸化物層22は、酸化物層22の表面側から裏面側に向けてAl酸化物の比率が徐々に大きくなるように形成されているとよい。
なお、上記構成では、耐摩耗被膜14は、硬質層16の上にCr炭化物層20と、酸化物層22とを有しているが、勿論、耐摩耗被膜14は、Cr炭化物層20や酸化物層22を設けないで構成されていてもよい。例えば、耐摩耗被膜14は、酸化物層22を設けずに、硬質層16と、界面反応層18と、Cr炭化物層20とから構成されていてもよい。また、耐摩耗被膜14は、Cr炭化物層20と酸化物層22とを設けずに、硬質層16と、界面反応層18とから構成されていてもよい。
次に、耐摩耗被膜14の形成方法について説明する。図2は、耐摩耗被膜14の形成方法を示すフローチャートである。耐摩耗被膜14の形成方法は、被覆工程(S10)と、熱処理工程(S12)と、を備えている。
被覆工程(S10)は、ステンレス鋼で形成される摺動部材12の摺動面12aに、Cr含有窒素化合物を被覆する工程である。摺動部材12の摺動面12aにCr含有窒素化合物を被覆することにより、硬質層16を形成する。AlCrNやCrN等のCr含有窒素化合物は、摺動部材12の摺動面12aに、物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)等の一般的な被膜形成方法で被覆可能である。物理蒸着法(PVD)の場合には、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等を適用可能である。Cr含有窒素化合物を被覆する前に、摺動部材12の摺動面12aを有機溶剤等で脱脂等して洗浄するとよい。
次に、例として、アークイオンプレーティング法により摺動部材12の摺動面12aに、AlCrNやCrN等のCr含有窒素化合物を被覆する場合について説明する。アークイオンプレーティング法によれば、緻密で密着性の良い被膜を形成することができる。アークイオンプレーティング装置は、ワークを収容する真空チャンバと、ターゲット材(蒸発原料)を蒸発させるための蒸発源と、アーク電源と、ワークに負のバイアス電圧を印加するためのバイアス電源と、アルゴンガス等の不活性ガスや、窒素等のガスを真空チャンバ内に供給するためのガス供給装置と、を備えている。
まず、真空チャンバ内に摺動部材12を収容した後に真空引きし、真空チャンバ内を真空雰囲気にする。摺動部材12については、Cr含有窒素化合物を被覆する摺動面12a以外の部位を、予めマスキングしておくとよい。そして、摺動部材12にバイアス電圧を印加し、真空チャンバ内に窒素ガスを導入すると共に、ターゲット材(蒸発原料)を陰極として、真空中でアーク放電により蒸発させて、摺動部材12の摺動面12aにCr含有窒素化合物を成膜する。ターゲット材(蒸発原料)については、Crを含有する材料を用いるとよい。Cr含有窒素化合物としてAlCrNを成膜する場合にはAlCr合金を用いるとよく、CrNを成膜する場合には、Crを用いるとよい。
熱処理工程(S12)は、摺動面12aにCr含有窒素化合物を被覆した摺動部材12を900℃以上で熱処理する工程である。摺動面12aにCr含有窒素化合物を被覆した摺動部材12を900℃以上で熱処理することにより、摺動部材12のステンレス鋼に含まれるCと、硬質層16のCr含有窒素化合物に含まれるCrとが相互拡散することにより界面反応して、摺動部材12と硬質層16との界面にCr炭化物からなる界面反応層18が形成される。また、摺動部材12のステンレス鋼に含まれるC等が、更に、硬質層16の表面側まで拡散して偏析することにより、硬質層16の表面にCr炭化物層20が形成されるようにしてもよい。Cr炭化物層20は、Fe及びNiの少なくとも一方を含むCr23と、Fe及びNiの少なくとも一方を含むCrCとの少なくとも一方で形成されるとよい。例えば、摺動部材12のステンレス鋼の合金成分がFe、Cr,Ni及びCを含む場合には、Fe、Cr,Ni及びCが硬質層16の表面側まで拡散して、Fe及びNiの少なくとも一方を含むCr23と、Fe及びNiの少なくとも一方を含むCrCとからなるCr炭化物層20を形成することができる。
熱処理温度が900℃以上であるのは、熱処理温度が900℃より低いと、摺動部材12のステンレス鋼に含まれるCと、硬質層16のCr含有窒素化合物に含まれるCrとの相互拡散が小さくなり、Cr炭化物からなる界面反応層18が形成され難くなるからである。熱処理温度は、1000℃以上であることが好ましい。熱処理温度が1000℃以上では、摺動部材12のステンレス鋼に含まれるCと、硬質層16のCr含有窒素化合物に含まれるCrとの相互拡散が大きくなるので、界面反応層18がより多く形成されて密着性が向上するからである。例えば、熱処理温度は、900℃以上1100℃以下とすることが可能であり、1000℃以上1100℃以下とするとよい。
熱処理時間は、1時間以上とするとよく、5時間以上とすることが好ましい。熱処理時間が1時間より短い場合には、摺動部材12のステンレス鋼に含まれるCと、硬質層16のCr含有窒素化合物に含まれるCrとの相互拡散が小さくなるので、界面反応層18が形成され難くなるからである。熱処理時間は、例えば、1時間以上10時間以下とすることが可能である。
熱処理雰囲気は、真空雰囲気、アルゴンガス雰囲気等の不活性雰囲気、または大気雰囲気等の酸化性雰囲気とすることが可能である。熱処理雰囲気を酸化性雰囲気とすることにより、Cr炭化物層20の表面に、酸化物層22を形成することができる。より詳細には、硬質層16がCr含有窒素化合物で形成されていることや、Cr炭化物層20がCrを含む炭化物で形成されていることから、酸化性雰囲気で熱処理することにより、硬質層16及びCr炭化物層20の少なくとも一方から、Cr炭化物層20の表面側にCrが拡散して、高温潤滑性や耐酸化性に優れるCr等のCr酸化物が形成される。また、硬質層16が、AlCrN等のAlを含むCr含有窒素化合物で形成されている場合には、硬質層16からCr炭化物層20の表面側にAlが拡散して、Cr酸化物と共に、Al等のAl酸化物も形成されるので、高温潤滑性や耐酸化性が更に向上する。これにより、耐摩耗被膜を備える摺動部材10が実環境に曝される前に、耐摩耗被膜14の表面側には酸化物層22が設けられているので、耐摩耗性や耐酸化性を更に向上させることができる。熱処理装置には、一般的な真空炉、雰囲気炉、大気炉等を用いることが可能である。このようにして摺動部材12の摺動面12aに、耐摩耗被膜14を形成することができる。
次に、耐摩耗被膜14の作用について説明する。
耐摩耗被膜を備える摺動部材10が、高温環境下(例えば、約700℃から約900℃)で摩擦摩耗等に曝されると、まず、ステンレス鋼で形成されている摺動部材12の塑性変形量が大きくなる。より詳細には、高温環境下では、ステンレス鋼の降伏応力やヤング率が低下し、ステンレス鋼の塑性変形量が大きくなる。一方、硬質層16は、Cr含有窒素化合物からなるセラミックスで形成されているので、高温環境下に曝されても変形量が小さくなる。このことから、高温環境下では、摺動部材12と、硬質層16との変形量の差が大きくなる。
摺動部材12と硬質層16との間に界面反応層18が設けられていない場合には、摺動部材12の塑性変形に硬質層16が追従できずに、硬質層16が剥離する可能性がある。耐摩耗被膜14は、摺動部材12と硬質層16との間に、CとCrとの相互拡散により生成したCr炭化物で形成される界面反応層18を有しているので、界面反応層18が変形抵抗等となり密着性を向上させることができる。これにより、耐摩耗被膜14の剥離が抑制されて、耐摩耗被膜を備える摺動部材10の高温環境下での耐摩耗性を向上させることが可能となる。また、耐摩耗被膜14の表面側に酸化物層22が設けられている場合には、実環境に曝される前に、耐摩耗被膜14の表面側に酸化物層22を有しているので、耐摩耗被膜を備える摺動部材10の耐摩耗性や耐酸化性を更に向上させることができる。
以上、上記構成の耐摩耗被膜を備える摺動部材によれば、ステンレス鋼で形成される摺動部材と、摺動部材の摺動面に設けられる耐摩耗被膜と、を備え、耐摩耗被膜は、摺動部材の摺動面に設けられ、Cr含有窒素化合物で形成される硬質層を備え、摺動部材と硬質層との間に、Cr炭化物で形成される界面反応層を有しているので、高温環境下でも、耐摩耗被膜と摺動部材との間の密着性が向上して、耐摩耗被膜の剥離を抑制することが可能となる。これにより、高温環境下において、耐摩耗被膜を備える摺動部材の耐摩耗性を向上させることができる。
上記構成の耐摩耗被膜の形成方法によれば、ステンレス鋼で形成される摺動部材の摺動面に、Cr含有窒素化合物を被覆する被覆工程と、摺動面にCr含有窒素化合物を被覆した摺動部材を、900℃以上で熱処理する熱処理工程と、を備えていることから、耐摩耗被膜の密着性を熱処理により容易に向上させることが可能となる。
耐摩耗被膜の耐摩耗性について評価した。まず、実施例1,2及び比較例1,2の供試体の作製方法について説明する。各実施例及び比較例の基材は、いずれもステンレス鋼であるSUS310Sで形成した。SUS310Sは、Feと、Crと、Niと、約0.36原子%のCと、を含むステンレス鋼である。基材の形状は、矩形状とした(幅35mm×長さ12mm×板厚6mm)。
次に、各供試体の基材の表面に、Cr含有窒素化合物で硬質膜を被覆した。実施例1及び比較例1の供試体については、AlCrNで硬質膜を形成した。実施例2及び比較例2の供試体については、CrNで硬質膜を形成した。硬質膜の形成は、アークイオンプレーティング法により行った。硬質膜の膜厚は、約3μmとした。
実施例1,2の供試体については、硬質膜を被覆した後に、大気雰囲気中、1000℃で熱処理して耐摩耗被膜を形成した。比較例1,2の供試体については、硬質膜を被覆した後に、熱処理を行わず、成膜ままの状態(as-deposited)とした。
次に、各供試体について高温摩耗試験を行った。まず、高温摩耗試験方法について説明する。図3は、高温摩耗試験方法を説明するための模式図である。各供試体の被膜側の表面に、円柱体を配置した。円柱体には、硬質膜を被覆していないオーステナイト系ステンレス鋼を用いた。円柱体に荷重50Nを付加した状態で、円柱体を供試体の幅方向(長手方向)に沿って繰返し摺動させた。図3の矢印は、円柱体の摺動方向を示している。円柱体の寸法は、直径12mm×高さ20mmとした。高温摩耗試験の試験温度は、800℃とした。
次に、高温摩耗試験の結果について説明する。図4は、実施例1及び比較例1の供試体の高温摩耗試験結果を示すグラフである。図5は、実施例2及び比較例2の供試体の高温摩耗試験結果を示すグラフである。図4、5のグラフでは、横軸に試験時間を取り、縦軸に摩擦係数を取り、各供試体の試験時間に対する摩擦係数の変化を示している。なお、実施例1,2の供試体の摩擦係数を灰色で示し、比較例1,2の供試体の摩擦係数を黒色で示している。
図4に示すように、比較例1の供試体では、試験中に硬質膜の剥離が生じて、円柱体と基材表面とが直接摺動したことにより摩擦係数が大きくなった。これに対して、実施例1の供試体では、試験中に耐摩耗被膜の剥離が生じず、摩擦係数も小さく安定していた。また、図5に示すように、比較例2の供試体では、試験中に硬質膜の剥離が生じて、円柱体と基材表面とが直接摺動したことにより摩擦係数が大きくなった。これに対して、実施例2の供試体では、試験中に耐摩耗被膜の剥離が生じず、摩擦係数も小さく安定していた。
図6は、各供試体の最大摩耗深さを示すグラフである。図6のグラフでは、縦軸に最大摩耗深さを取り、各供試体の最大摩耗深さを黒色で示し、円柱体の最大摩耗深さを斜線で示し、各供試体と円柱体とを合わせた最大摩耗深さを白色で示している。実施例1の供試体の最大摩耗深さは、比較例1の供試体より小さくなった。円柱体の最大摩耗深さについても、実施例1の供試体を用いたものは、比較例1の供試体を用いたものより小さくなった。また、実施例2の供試体の最大摩耗深さは、比較例2の供試体より小さくなった。円柱体の最大摩耗深さについても、実施例2の供試体を用いたものは、比較例2の供試体を用いたものより小さくなった。
この高温摩耗試験結果から、実施例1、2の供試体は、高温環境下での耐摩耗性に優れていることがわかった。一方、比較例1,2の供試体は、高温環境下では硬質膜が剥離することにより、耐摩耗性が低下することがわかった。したがって、硬質膜の被覆後に熱処理して耐摩耗被膜を形成することにより基材との密着性が高められ、耐摩耗性が向上することが明らかとなった。
次に、実施例1、比較例1の供試体について、供試体断面のグロー放電発光分析(GD-OES)を行った。また、比較例3の供試体として、比較例1の供試体と同様にしてAlCrNを被覆した後に、800℃で熱処理して作製した供試体についても同様に分析を行った。図7は、各供試体のグロー放電発光分析結果を示す図である。図7(a)は、比較例1の供試体の分析結果であり、図7(b)は、比較例3の供試体の分析結果であり、図7(c)は、実施例1の供試体の分析結果である。なお、図7(a)から図7(c)の横軸には、各供試体の被膜表面からの距離(深さ)を取り、縦軸には、各元素(H,N,Ni,Al,O,C,Fe,Cr)の強度を取り、各元素の強度を実線等で示している。
実施例1の供試体では、硬質層と基材との界面に、CとCrとが偏析しており、Cr炭化物からなる界面反応層が形成されていた。実施例1の供試体では、硬質層の表面側にもCとCrとが偏析していることから、硬質層の表面にCr炭化物層が形成されていた。Cr炭化物層は、Fe及びNiの少なくとも一方を含むCr23と、Fe及びNiの少なくとも一方を含むCrCとから形成されていた。それらCr炭化物に含まれるFe、Ni及びCは、基材に含まれるFe、Ni及びCが硬質層中を拡散して硬質層の表面側に到達したものと考えられる。
Cr炭化物層の表面側では、酸素(O)が濃化しており、酸化物層が形成されていた。酸素(O)が濃化している箇所では、CrとAlとの偏析が認められることから、酸化物層は、Cr酸化物とAl酸化物とを含んで形成されていた。また、酸化物層は、酸化物層の表面側ではCr酸化物が主体で形成されており、酸化物層の表面側から裏面側に向けてAl酸化物の比率が徐々に大きくなるように傾斜して形成されていた。
これに対して、比較例1の供試体では、硬質膜と基材との界面には、CとCrとの偏析が認められなかった。比較例3の供試体では、硬質膜と基材との界面には、炭素Cの偏析が若干認められたものの、Crの偏析は認められなかった。このことから、比較例1、3の供試体では、硬質膜と基材との界面にはCr炭化物からなる界面反応層が形成されていなかった。また、比較例1、3の供試体では、硬質膜の表面側にも、Cの偏析が認められず、実施例1の供試体のようなCr炭化物層が形成されていなかった。更に、比較例1、3の供試体では、硬質膜の表面側に酸素(O)の濃化が認められず、実施例1の供試体のような酸化物層が形成されていなかった。
この分析結果から、硬質膜の被覆後に800℃で熱処理した場合には、硬質膜のCrと基材のCとの相互拡散が殆ど生じず、硬質膜と基材との間に、Cr炭化物からなる界面反応層が形成されないことがわかった。したがって、硬質膜のCrと基材のCとの相互拡散を生じさせて、硬質膜と基材との間に、Cr炭化物からなる界面反応層を形成するためには、熱処理温度を900℃以上とするとよく、1000℃以上とすることが好ましいことがわかった。
実施例1の供試体について、供試体断面のSEM観察を行った。試料は、集束イオンビーム(FIB)を用いて作製した。図8は、実施例1の供試体のSEM観察結果を示す写真である。図8に示すように、硬質層と基材との界面に、界面反応層が形成されているのが認められた。界面反応層は、硬質層と基材との界面に沿って不連続層で形成されていた。界面反応層は、硬質層と基材との界面から基材側へ向けて凸状に入り込んで楔状に形成されていた。界面反応層の厚みは、1μm以下であった。また、硬質層は、硬質層と基材との界面から硬質層の表面側に向けて凹凸状に形成され、Al、Cr等が拡散した拡散部を有していた。
次に、実施例1の供試体について、供試体断面における硬質層と基材との界面近傍を、透過電子顕微鏡―エネルギー分散型X線分光法(TEM-EDX)で分析した。図9は、実施例1の供試体における硬質層と基材との界面近傍の透過電子顕微鏡―エネルギー分散型X線分光法分析結果を示す図である。図9(a)は、イメージ像であり、図9(b)は、Fe像であり、図9(c)は、Cr像であり、図9(d)は、Al像であり、図9(e)は、N像であり、図9(f)は、C像であり、図9(g)は、O(酸素)像であり、図9(h)は、観察領域である。図9(c)のCr像に示されているように、界面反応層が形成されている箇所では、Crの濃化が認められた。また、図9(b)のFe像に示されているように、界面反応層が形成されている箇所では、Feは殆ど認められなかった。この結果からも界面反応層がCr炭化物で形成されていることが明らかとなった。
10 耐摩耗被膜を備える摺動部材
12 摺動部材
14 耐摩耗被膜
16 硬質層
17 拡散部
18 界面反応層
20 Cr炭化物層
22 酸化物層

Claims (8)

  1. 耐摩耗被膜を備える摺動部材であって、
    ステンレス鋼で形成される摺動部材と、
    前記摺動部材の摺動面に設けられる耐摩耗被膜と、
    を備え、
    前記耐摩耗被膜は、
    前記摺動部材の摺動面に設けられ、Cr含有窒素化合物で形成される硬質層を備え、
    前記摺動部材と、前記硬質層との間に設けられ、Cr炭化物で形成される界面反応層を有していることを特徴とする耐摩耗被膜を備える摺動部材であって、前記Cr含有窒素化合物は、AlCrNまたはCrNであることを特徴とする耐摩耗被膜を備える摺動部材
  2. 請求項1に記載の耐摩耗被膜を備える摺動部材であって、
    前記界面反応層は、前記摺動部材の摺動面から摺動部材側に向けて凸状に入り込んで形成されていることを特徴とする耐摩耗被膜を備える摺動部材。
  3. 請求項1からのいずれか1つに記載の耐摩耗被膜を備える摺動部材であって、
    前記耐摩耗被膜は、前記硬質層の表面に、Cr炭化物層を有していることを特徴とする耐摩耗被膜を備える摺動部材。
  4. 請求項に記載の耐摩耗被膜を備える摺動部材であって、
    前記耐摩耗被膜は、前記Cr炭化物層の表面に、Cr酸化物を含む酸化物層を有していることを特徴とする耐摩耗被膜を備える摺動部材。
  5. 請求項1からのいずれか1つに記載の耐摩耗被膜を備える摺動部材であって、
    前記界面反応層の厚みは、1μm以下であることを特徴とする耐摩耗被膜を備える摺動部材。
  6. 耐摩耗被膜の形成方法であって、
    ステンレス鋼で形成される摺動部材の摺動面に、Cr含有窒素化合物を被覆する被覆工程と、
    前記摺動面にCr含有窒素化合物を被覆した摺動部材を、900℃以上で熱処理する熱処理工程と、
    を備えることを特徴とする耐摩耗被膜の形成方法。
  7. 請求項に記載の耐摩耗被膜の形成方法であって、
    前記被覆工程において、前記Cr含有窒素化合物は、AlCrNまたはCrNであることを特徴とする耐摩耗被膜の形成方法。
  8. 請求項またはに記載の耐摩耗被膜の形成方法であって、
    前記熱処理工程は、酸化性雰囲気で熱処理することを特徴とする耐摩耗被膜の形成方法。
JP2019129105A 2019-07-11 2019-07-11 耐摩耗被膜を備える摺動部材及び耐摩耗被膜の形成方法 Active JP7280578B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019129105A JP7280578B2 (ja) 2019-07-11 2019-07-11 耐摩耗被膜を備える摺動部材及び耐摩耗被膜の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019129105A JP7280578B2 (ja) 2019-07-11 2019-07-11 耐摩耗被膜を備える摺動部材及び耐摩耗被膜の形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021014611A JP2021014611A (ja) 2021-02-12
JP7280578B2 true JP7280578B2 (ja) 2023-05-24

Family

ID=74531779

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019129105A Active JP7280578B2 (ja) 2019-07-11 2019-07-11 耐摩耗被膜を備える摺動部材及び耐摩耗被膜の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7280578B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023234570A1 (ko) * 2022-06-03 2023-12-07 주식회사 엘지에너지솔루션 레이저 커팅 장치

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000234185A (ja) 1999-02-12 2000-08-29 Kobe Steel Ltd 耐食性に優れた硬質被膜及びその製造方法
JP2005097651A (ja) 2003-09-22 2005-04-14 Seiko Epson Corp 装飾品の表面処理方法および装飾品
JP2005163835A (ja) 2003-11-28 2005-06-23 Nabtesco Corp 液圧シリンダのピストン
JP2005272978A (ja) 2004-03-26 2005-10-06 Sdc:Kk オーステナイトステンレス鋼の表面構造
US20190154153A1 (en) 2016-06-30 2019-05-23 Mahle Metal Leve S/A Sliding element for internal combustion engines

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0637897B2 (ja) * 1985-08-23 1994-05-18 光洋精工株式会社 ころがり軸受
JP2601045B2 (ja) * 1991-02-19 1997-04-16 住友金属鉱山株式会社 表面被覆鋼製品及びその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000234185A (ja) 1999-02-12 2000-08-29 Kobe Steel Ltd 耐食性に優れた硬質被膜及びその製造方法
JP2005097651A (ja) 2003-09-22 2005-04-14 Seiko Epson Corp 装飾品の表面処理方法および装飾品
JP2005163835A (ja) 2003-11-28 2005-06-23 Nabtesco Corp 液圧シリンダのピストン
JP2005272978A (ja) 2004-03-26 2005-10-06 Sdc:Kk オーステナイトステンレス鋼の表面構造
US20190154153A1 (en) 2016-06-30 2019-05-23 Mahle Metal Leve S/A Sliding element for internal combustion engines

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
オーステナイト系ステンレス鋼SUS304の低温プラズマ窒化と浸炭による複合処理,大阪府立産業技術総合研究所報告,No.19,2005年,91-96

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021014611A (ja) 2021-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3221892B2 (ja) ピストンリング及びその製造法
JP4400603B2 (ja) 硬質炭素被膜を有する部材
WO2017043022A1 (ja) 摺動部材及びピストンリング
Kumar et al. Enhancement of surface properties of austenitic stainless steel by nickel based alloy cladding developed using microwave energy technique
JP2004169137A (ja) 摺動部材
JP3356889B2 (ja) 耐久性に優れたハースロール
JP7280578B2 (ja) 耐摩耗被膜を備える摺動部材及び耐摩耗被膜の形成方法
Zhang et al. Effect of nitrogen on the formation and oxidation behavior of iron aluminide coatings
JP2006250348A (ja) 摺動部材
JP3697221B2 (ja) 耐高温酸化に優れた高耐摩耗性・高硬度皮膜
JP7284700B2 (ja) 摺動機構
JP2003301282A (ja) 高面圧下での摺動特性に優れる摺動部材
Dudziak et al. Multilayered coatings for high-temperature steam oxidation: TGA studies up to 1000 C
EP3527688B1 (en) Coated substrate
KR20160005150A (ko) 고온 저마찰성 코팅층 및 이의 제조방법
FR2813318A1 (fr) Formation d'un revetement aluminiure incorporant un element reactif, sur un substrat metallique
Kim et al. Cyclic Oxidation and Interdiffusion Behaviour of a NiCrAlY Coated Powder Metallurgy Beta Gamma TiAl–2Nb–2Mo Alloy
JP5674180B2 (ja) ステンレス材料の表面改質方法
Cui et al. The preparation and lubrication properties of a CrN/Cr multilayer using the double glow plasma surface alloying technique
JP2006265646A (ja) 摺動部材
JPH0525636A (ja) 装飾用乾式TiNめつきステンレス鋼材の製造方法
JPH06265023A (ja) 硬質被覆材およびそれを被覆した摺動部材ならびにその製造方法
Wellman et al. Pulsed electron beam treatment of MCrAlY bondcoats for EB PVD TBC systems part 2 of 2: Cyclic oxidation of the coatings
JP3212469B2 (ja) 耐高温酸化性表面処理方法
JP3452675B2 (ja) 摺動部材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220310

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230301

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7280578

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150