JP2007217675A - 高分子電解質組成物及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】[1](a)強酸基を有する高分子電解質、(b)5価のリン原子を有する基を少なくとも1つ有する化合物、及び(c)酸化防止剤を含有することを特徴とする高分子電解質組成物。
[2]前記(b)が、下記式(6)で表される共重合体を含む[1]の高分子電解質組成物。
(式中、Zはスルホニル基又はカルボニル基を表し、Arは2価の芳香族基、R1及びR2は水素原子又は1価の有機基を表す)
[3]前記[1]又は[2]の高分子電解質組成物を用いてなる高分子電解質膜。
[4]前記[3]記載の高分子電解質膜を用いてなる燃料電池。
【選択図】なし
Description
高分子材料・技術総覧編集委員会編「高分子材料・技術総覧」,株式会社産業情報技術サービスセンター,518〜520頁,2004年9月7日発行 三田達監訳「高分子大辞典」,丸善,413頁,1994年9月20日発行
また、特許文献2に開示されている高分子電解質組成物から得られる高分子電解質膜は、優れたラジカル耐性を有するものであるが、酸化雰囲気下に曝露(Fenton試薬に浸漬)する時間を長くすると、重量減少率が高くなる、すなわち高分子電解質膜が劣化する場合があった。このように、益々、耐久性が要求される固体高分子燃料電池の高分子電解質膜として使用する場合、より強い酸化雰囲気に曝されたときにも、高水準のラジカル耐性を有する高分子電解質膜が切望されていた。
本発明の目的は、ラジカル耐性に優れる高分子電解質膜を得ることができる、高分子電解質組成物を提供し、さらには、該高分子電解質組成物を用いてなる高分子電解質膜、該高分子電解質膜を用いてなる高分子電解質型燃料電池を提供することにある。
[1]下記の成分(a)、(b)及び(c)を含有することを特徴とする高分子電解質組成物
(a)強酸基を有する高分子電解質
(b)5価のリン原子を有する基を少なくとも1つ有する化合物
(c)酸化防止剤
[2]成分(b)の成分(a)に対する重量比が0.1〜80.0重量%であることを特徴とする前記[1]記載の高分子電解質組成物
[3]成分(c)の成分(a)に対する重量比が0.05〜50.0重量%である前記[1]又は[2]記載の高分子電解質組成物
[4]成分(b)の含有量が、成分(c)の含有量よりも多いことを特徴とする前記[1]〜[3]の何れかに記載の高分子電解質組成物
[5]成分(b)が、下記式(1a)で示される化合物、又は式(1b)で示される基を有する化合物を含むことを特徴とする前記[1]〜[4]の何れかに記載の高分子電解質組成物
(式中、Ar0、Ar1は芳香族基を表す。Lは下記式(2)又は式(3)で示される基を表し、vは1以上4以下の整数であり、vが2以上である場合、複数あるLは同一でも異なっていてもよい。Lは、Ar0、Ar1の芳香環に直接結合している。*は結合手を表す。)
(式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を表す。)
[6]成分(b)が前記式(2)で示される基を有する化合物を含むことを特徴とする前記[5]に記載の高分子電解質組成物
[7]成分(b)が、前記式(2)で示される基及び/又は前記式(3)で示される基を有する高分子化合物を含む前記[5]に記載の高分子電解質組成物
[8]前記高分子化合物が、下記式(4)で表される構造単位を有する高分子化合物を含むことを特徴とする前記[7]記載の高分子電解質組成物
(式中、Arは炭素数4〜18の2価の芳香族基を表し、該芳香族基は置換基を有していてもよい。sはArに結合する前記式(2)で表される基の、該構造単位1個当りの平均置換基数であり、8以下の正の数を表す。R1、R2は前記と同義である。)
[9]前記高分子化合物が、下記式(5)で表される構造単位を有する高分子化合物を含むことを特徴とする前記[7]記載の高分子電解質組成物
(式中、X10は直接結合、酸素原子又は硫黄原子である。Ar、s、R1及びR2は前記と同義である。)
[10]前記(b)が、下記式(6)で表される共重合体を含むことを特徴とする前記[7]記載の高分子電解質組成物
(式中、Zはスルホニル基又はカルボニル基を表し、xとyは各構造単位の共重合体中のモル比率であり、0.01〜0.99を表し、xとyの合計は1である。Ar、s、R1及びR2は、前記と同義である。)
[11]成分(c)が、ヒンダードフェノール系化合物であることを特徴とする前記[1]〜[10]の何れかに記載の高分子電解質組成物
[12]成分(a)が、強酸基を有するブロックと、酸基を実質的に有さないブロックとからなるブロック共重合体であることを特徴とする前記[1]〜[11]の何れかに記載の高分子電解質組成物
[13]前記[1]〜[12]の何れかに記載の高分子電解質組成物を用いてなることを特徴とする高分子電解質膜
[14]前記[13]記載の高分子電解質膜を用いてなることを特徴とする固体高分子型燃料電池
を提供するものである。
本発明の高分子電解質組成物の成分(b)としては、5価リン原子を有する基を少なくとも1つ有する化合物である。ここで、5価のリン原子を有する基とは、リン酸基、リン酸モノエステル基、リン酸ジエステル基、ホスホン酸基、ホスホン酸モノエステル基、ホスホン酸ジエステル基の何れかを示すものである。
また、これらの基が結合する残基は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基のいずれでもよく、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とを共に有する基でもよい。また、脂肪族炭化水素基としては、鎖状、環状の何れでもよい。
また、リン酸又はリン酸エステル基を有する芳香族炭化水素化合物の製造方法は、前記の脂肪族アルコールをフェノール誘導体に置き換えて実施すればよく、ホスホン酸基、ホスホン酸エステル基を有する芳香族炭化水素化合物の製造方法は、前記の脂肪族ハロゲン化物を芳香族ハロゲン化物に置き換える手段や、カルボアニオン、アミン基又はメルカプト基を有する脂肪族化合物を、これらの基を有する芳香族化合物に置き換えて実施すればよい。
(式中、Ar0、Ar1は芳香族基を表す。Lは下記式(2)又は式(3)で示される基を表し、vは1以上4以下の整数であり、vが2以上である場合Lは互いに異なっていてもよい。Lは、Ar0、Ar1の芳香環に直接結合している。*は結合手を表す。)
(式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を表す。)
ここで、Ar0、Ar1はベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等の芳香環、ピリジン環、フラン環、ピロール環、ピリミジン環等の芳香族複素環、又はこれらの環に置換基(例えば、炭素数1〜4程度のアルキル基、炭素数2〜4程度のアルケニル基、炭素数2〜4程度のアルキニル基、炭素数1〜4程度のアルコキシ基、水酸基、チオール基等が挙げられる)を有する芳香環、芳香族複素環を有する基が挙げられる。
なお、式(1b)で示される基は、Lがv個、Ar1の芳香環に直接結合しているものであり、且つ、Ar1はL以外に、2個の結合手を有する基である。
さらに、本発明に適用するリン酸基及び/又はホスホン酸基を有する高分子化合物は、前記に例示する樹脂の構造単位が、ランダムに共重合体された樹脂であっても、交互共重合体であってもよく、また、グラフト共重合体やブロック共重合体であってもよい。これらは公知の方法を組み合わせることにより製造し得る。また、これらの重合度は特に制限は無いが、通常10〜104程度、分子量にして通常103から106程度のものが使用される。重合度が、10以上でれば、得られる膜の機械的強度が高くなる傾向にあり、成膜性がより良好となるため好ましく、また104以下では、溶媒への溶解性が向上する傾向にあり、キャスト製膜などの加工性、成形性がより良好となるので、いずれの場合も好ましい。
(式中、Arは炭素数4〜18の2価の芳香族基を表し、該芳香族基は置換基を有していてもよい。sはArを含む構造単位において、該構造単位1当りの平均置換基数であり、8以下の正の数を表す。R1、R2は水素原子あるいはアルキル基を表す。)
(式中、X10は直接結合、酸素原子又はイオウ原子を示す。Ar、s、R1及びR2は前記と同義である。)
このように高分子主鎖を形成する2価の芳香族基Arが、直接結合、エーテル結合又はスルフィド結合で結合しているものは、公知の重縮合によって容易に得ることができるため好ましい。
(式中、Zはスルホニル基又はカルボニル基を表し、xとyは各構造単位の共重合体中のモル比率であり、0.01〜0.99を表し、xとyの合計は1である。Ar、s、R1及びR2は前記と同等の定義である。)
成分(b)が前記(6)式で表される高分子化合物であると、高分子電解質のラジカル耐性向上の面から好適である。また、R1及びR2において、一方が水素原子であると好ましく、両方が水素原子であると、より好ましい。
本発明の高分子電解質組成物の成分(c)として用いられる酸化防止剤としては、非特許文献2にラジカル捕捉剤として挙げられているフェノール系化合物、アミン系化合物、又は、非特許文献2に過酸化物分解剤として挙げられている有機リン系化合物、有機硫黄化合物のいずれでもよく、これらの混合物でもよい。
該ヒンダードフェノール系化合物を成分(b)として用いると高分子電解質のラジカル耐性向上の面から好適である。
次に、本発明の高分子電解質組成物における成分(a)である強酸基を有する高分子電解質について説明する。
本発明における、強酸基を有する高分子電解質としては、強酸基を高分子の主鎖、側鎖又は末端に有するものが挙げられる。該強酸基としては、スルホン酸基(-SO3H)、スルホンアミド基(-SO2-NH2)、スルホニルイミド基(-SO2-NH-SO2-)、硫酸基(-OSO3H)、フルオロアルキレンスルホン酸基(例えば、-CF2SO3Hを挙げることができる)、下記式(7)で示される基が挙げられ、特にスルホン酸基が好ましい。高分子電解質のプロトン伝導度は、通常、1×10‐4S/cm以上であり、1×10‐3〜1S/cm程度のものが好ましく使用される。
(式中、X11及びX12は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子又は−NQ1−、Z11はカルボニル基、チオカルボニル基、−C(NQ2)−、置換基を有していてもよいアルキレン基又は置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。また、Q1及びQ2は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基を表す。pは、繰り返しの数を表わし、0〜10の整数を表わす。なお、pが2以上の場合、複数あるZ11はそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。)
上記(A)の高分子電解質としては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(α−メチルスチレン)スルホン酸、等が挙げられる。
(式中、Ar11は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数6〜10のアリールオキシ基で置換されていてもよい2価の芳香族基を表し、R11は、直接結合、オキシ基、チオキシ基、カルボニル基、スルフィニル基又はスルホニル基を示す。)
上述の構造単位の中でも、より機械強度に優れる高分子電解質を得る観点からは、10−1、10−9又は10−13が好ましい。
(式中、Ar21、Ar22、Ar23、Ar24、Ar25、Ar26及びAr27(以下、「Ar21〜Ar27」のように表記する)は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数6〜10のアリールオキシ基を有していてもよい2価の芳香族基を示し、Q21〜Q25は、それぞれ独立に、オキシ基又はチオキシ基を示し、R21、R22及びR23は、それぞれ独立に、カルボニル基又はスルホニル基を示す。)
(式中、R31は、カルボニル基又はスルホニル基を示し、w1及びw2は、それぞれ独立に0又は1であって少なくともいずれか一方が1であり、w3は0、1又は2であり、v1は1又は2である。)
ここで、kは0,1又は2であり、同一の構造単位にある複数のkは互いに同一でも異なっていてもよいが、同一の構造単位に少なくも1つのスルホン酸基があることを表す。
(式中、Ar41は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数6〜10のアリールオキシ基で置換されていてもよい2価の芳香族基を表し、R41は、直接結合、オキシ基、チオキシ基、カルボニル基、スルフィニル基又はスルホニル基を示す。)
(式中、Ar51、Ar52及びAr53は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数6〜10のアリールオキシ基を有していてもよい2価の芳香族基を示し、Q51及びQ52は、それぞれ独立に、オキシ基又はチオキシ基を示し、R51は、カルボニル基又はスルホニル基を示す。)
(式中、Ar61は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭
素数6〜10のアリール基又は炭素数6〜10のアリールオキシ基を有していてもよい2価の芳香族基を示し、Q61及びQ62は、それぞれ独立に、オキシ基又はチオキシ基を示し、T61及びT62は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数6〜10のアリールオキシ基を示し、R61は、カルボニル基又はスルホニル基を示し、i及びjは、それぞれ独立に、0〜4の整数である。)
例えば、両末端にヒドロキシ基を有する高分子化合物1と両末端にハロゲノ基を有する高分子化合物2とを塩基の作用下に求核置換的に縮合させる方法、両末端にヒドロキシ基とハロゲノ基を一つずつ有する高分子化合物1と両末端にヒドロキシ基とハロゲノ基を一つずつ有する高分子化合物2とを塩基の作用下に求核置換的に縮合させる方法、両末端にヒドロキシ基を有する高分子化合物1と両末端にヒドロキシ基を有する高分子化合物2とを4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、デカフルオロビフェニル、ヘキサフルオロベンゼン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンなど連結基として働く化合物を用いて結合させる方法、両末端にハロゲノ基を有する高分子化合物1と両末端に高分子化合物2を有する別のポリマーとを4、4’−ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4、4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンなど連結基として働く化合物を用いるか、脱ハロゲン縮合反応により結合させる方法などが例示される。また、上記反応と同様の素反応が起こりうる反応性基を有する高分子化合物及びモノマーを重合反応させる方法によってブロック共重合体を製造し得る。尚、ここにおける各ポリマーは公知の方法に準拠して製造し得る。
本発明の高分子電解質組成物は、前記成分(a)(以下(a)と略す)に、前記成分(b)(以下(b)と略す)及び前記成分(c)(以下(c)と略す)を含有せしめてなるものであるが、(b)の(a)に対する重量比率は、通常0.1〜80.0重量%から選ばれる。ここで、(a)に対する(b)の重量比率の最小値は、0.2重量%以上であると好ましく、0.3重量%以上であるとさらに好ましく、0.4重量%以上であるととりわけ好ましく、0.5重量%以上であると特に好ましい。一方、(a)に対する(b)の重量比率の最大値は、50.0重量%以下であると好ましく、40.0重量%以下であるとさらに好ましく、30.0重量%以下であるととりわけ好ましく、20.0重量%以下であると特に好ましい。すなわち、(a)に対する(b)の重量比率は0.2〜50.0重量%であると好ましく、0.3〜40.0重量%であるとさらに好ましく、0.4〜30.0重量%であるととりわけ好ましく、0.5〜20.0重量%であると特に好ましい。前記(b)の含有量が少なすぎると、高分子電解質組成物膜のラジカル耐性の効果が小さくなり好ましくなく、前記(b)の含有量が多すぎると、燃料電池用高分子電解質膜として使用する際に、十分なプロトン伝導性が発現されないことがあり好ましくない。
一方、前記(c)の、(a)に対する重量比率は、通常0.05〜50.0重量%から選ばれる。ここで、(a)に対する(c)の重量比率の最小値は、0.1重量%以上であると好ましく、0.2重量%以上であるとさらに好ましく、0.5重量%以上であると特に好ましい。一方、(a)に対する(c)の重量比率の最大値は、25.0重量%以下であると好ましく、10.0重量%以下であるとさらに好ましく、5.0重量%以下であると特に好ましい。すなわち、(a)に対する(c)の重量比率は0.1〜25.0重量%であると好ましく、0.2〜10.0重量%であるとさらに好ましく、0.5〜5.0重量%であると特に好ましい。(c)の含有量が少なすぎると、得られる高分子電解質膜のラジカル耐性の効果が小さくなり好ましくなく、酸化防止剤の含有量が多すぎると、固体高分子型燃料電池用高分子電解質膜として使用する際に、十分なプロトン伝導性が発現されないことがあり好ましくない。
(d−1)前記式(8)で示される構造単位にスルホン酸基を導入した構造単位を有する高分子電解質の一部に、前記式(2)もしくは(3)で示される部分構造を有する高分子電解質
(d−2)前記式(8)で示される構造単位にスルホン酸基を導入した構造単位を有する高分子電解質ブロックと、前記式(14)で示される高分子非電解質ブロックとのブロック共重合体の一部に、前記式(2)もしくは(3)で示される部分構造を有する高分子電解質
(d−3)下記式(17)で示される構造単位を有する高分子電解質
(式中、Ar71は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数6〜10のアリールオキシ基を有していてもよい2価の芳香族基を示し、M1は、前記式(2)又は式(3)で示される基を表し、M2は、スルホン酸基、スルホン酸アミド基、硫酸基、フルオロアルキルスルホン酸基又は前記式(7)で示される基を表す。f、gは、それぞれ独立に1以上3以下の整数を表し、f+gは2以上4以下の整数である。R71は直接結合、オキシ基、チオキシ基、カルボニル基、スルフィニル基又はスルホニル基を示す。)
また、前記成分(d)を、前記の(a)、(b)及び(c)に混合してもよい。
本発明の高分子電解質組成物を燃料電池に適用する際には、膜の状態とする事が好ましい。本発明の高分子電解質組成物を高分子電解質膜へ転化する方法に特に制限はないが、溶液状態より製膜する方法(溶液キャスト法)が好ましい。すなわち、該高分子電解質組成物を溶媒に溶解せしめた高分子電解質溶液を用いると好ましい。
具体的には、前記の、(a)、(b)及び(c)を適当な溶媒に溶解し、その溶液をガラス板上に流延塗布し、溶媒を除去することにより高分子電解質膜が作成される。製膜に用いる溶媒は、前記の、(a)高分子電解質を溶解可能であり、かつ前記の(b)及び(c)を溶解可能であるか、分散させることができ、その後に除去し得るものであるならば特に制限はなく、前記高分子電解質溶液に適用することができる。このような溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、あるいはジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好適に用いられる。これらは単独で用いることもできるが、必要に応じて2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。中でも、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドが、上述した成分(a)として好ましい高分子電解質に対して溶解性が高く好ましい。
次に本発明の燃料電池について説明する。
本発明の燃料電池は、本発明の高分子電解質組成物を用いて得られる高分子電解質膜(又は高分子電解質複合膜)を使用するものであり、この膜の両面に、触媒及び集電体としての導電性物質を接合することにより製造することができる。
該触媒としては、水素又は酸素との酸化還元反応を活性化できるものであれば特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、白金の微粒子を用いることが好ましい。白金の微粒子は活性炭や黒鉛などの粒子状又は繊維状のカーボンに担持されて用いることが好ましい。
集電体としての導電性物質に関しても公知の材料を用いることができるが、多孔質性のカーボン織布又はカーボンペーパーが、原料ガスを触媒へ効率的に輸送するために好ましい。
多孔質性のカーボン織布又はカーボンペーパーに白金微粒子又は白金微粒子を担持したカーボンを接合させる方法、及びそれを高分子電解質組成物フィルムと接合させる方法については、例えば、J. Electrochem. Soc.: Electrochemical Science and Technology, 1988, 135(9), 2209 に記載されている方法等の公知の方法を用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
高分子電解質膜を、3%過酸化水素と鉄イオンの濃度として4ppmもしくは20ppmの塩化第一鉄を含む60℃もしくは80℃の水溶液中に浸漬し、2時間経過後の膜の重量変化を測定することにより耐ラジカル性の評価を行った。重量維持率(%)は、2時間経過後の膜の重量を浸漬前の重量で除した値×100(%)で示している。
高分子膜を0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液に2時間浸漬し、残った水酸化ナトリウムを0.1Nの塩酸水溶液で滴定することで測定した。
プロトン伝導度(膜面方向)の測定
高分子膜について、温度80℃、相対湿度90%の条件で、交流法で測定した。
下記の表1〜表5に記載の略号は、下記の市販品を示す。
BHT :Sumilizer BHT(住友化学(株)製) 2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール
C1790 :Cyanox1790(サイテック社製):1,3,5-(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌル酸
I1330 :Irganox1330(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)
ベンゼン
I1010 :Irganox1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]
PEP36 :アデカスタブPEP-36(旭電化(株)製)
ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト
TSP :Sumilizer TSP(住友化学(株)製)
ジステアリル-3,3'-チオジプロピオネート
特開2005−139432号公報の実施例2に記載された方法に準拠し、2,6−ジヒドロキシナフタレンと4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンから誘導される酸基を有さないブロック、ヒドロキノンスルホン酸カリウムと4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウムから誘導されるスルホン酸基を有するブロック、とからなるブロック共重合体を製造した。
該ポリマーのイオン交換容量は1.85meq/g、プロトン伝導度は8.97×10-2S/cmであった。以下、該高分子電解質をE1と略記する。
WO2006−095919号公報の実施例1に記載された方法に準拠し、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウムと末端クロロ型であるポリエーテルスルホン(住友化学製スミカエクセルPES5200P)を2,2’−ビピリジル存在下ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を用いて反応を行い、下記ポリアリーレン系ブロック共重合体を得た。(式中のnおよびmは各構造単位の共重合体中のモル比率を表す。)
得られたポリマーのイオン交換容量は2.2meq/gであった。以下、該高分子電解質を高分子電解質E2とする。
特開2005−126684号公報の実施例5に記載された方法に準拠し、ヒドロキノンスルホン酸カリウム、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウムを反応させ、親水性オリゴマー溶液を得た。また、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンを反応させることで、疎水性オリゴマー溶液を得た。続いて、得られた親水性オリゴマー溶液と疎水性オリゴマー溶液を混合して反応させることで下記ブロック共重合体を得た。(式中のnおよびmは各構造単位の共重合体中のモル比率を表す。)
このポリマーのイオン交換容量は1.6meq/gであった。以下、該高分子電解質をE3と略記する。
特開平10−021943の方法に準拠し、溶媒としてジフェニルスルホン、炭酸カリウムの存在下、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンと4,4’−ジヒドロキシビフェニルと4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを7:3:10のモル比にて反応させることにより、下記のランダム共重合体を合成した。(式中の数字は各構造単位の共重合体中のモル比率を表す。)
次いで、特開2003−282096に記載の方法に準拠し、この共重合体をブロモ化、ホスホン酸エステル化、加水分解することにより、4,4’−ビフェノール由来のユニット1つに対してBrが約0.1個、ホスホン酸基が約1.2個置換された下記ホスホン酸基含有ポリマーを得た。(式中の数字は各構造単位の共重合体中のモル比率を表す。)
このようにして得られた高分子化合物をP1とする。
公知のアルカリ縮合法に準拠し、塩基として炭酸カリウム、反応溶媒としてN−メチルピロリドンを用い、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンと4,4'−ジヒドロキシビフェニルと4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを4:6:10のモル比にて反応させることにより、下記のランダム共重合体を調製した。(式中の数字は各構造単位の共重合体中のモル比率を表す。)
次いで、特開2003−282096に記載の方法に準拠しこの共重合体をブロモ化、ホスホン酸エステル化、加水分解することにより、4,4’−ビフェノール由来のユニット1つに対してBrが約0.05個、ホスホン酸基が約1.7個置換された下記ホスホン酸基含有ポリマーを得た。(式中の数字は各構造単位の共重合体中のモル比率を表す。)
製造例1で得られた高分子電解質E1をジメチルスルホキシドに溶解させ、E1の濃度が13重量%となる溶液を調製した。さらに、該溶液に製造例4で得られたP1及びSumilizer BHTを、E1に対するP1の割合が11重量%、E1に対するSumilizer BHTの割合が5重量%となるようにに加えて溶解し、高分子電解質溶液を調製した。この高分子電解質溶液をガラス板上に塗り広げ、溶媒を乾燥させ、高分子電解質膜を得た。このようにして得られた高分子電解質膜について、ラジカル耐性評価を行った。その際、鉄イオンの濃度を4ppm、水溶液の温度を60℃とした。結果を表1に示す。なお、表1に記載のP1、酸化防止剤の数値は、高分子電解質E1に対する高分子電解質組成物中の重量割合(重量%)を示す。
実施例1のSumilizer BHTをCyanox1790に変更した以外は、実施例1と同様に実施し、ラジカル耐性評価を行った。その際、鉄イオンの濃度を4ppm、水溶液の温度を60℃とした。結果を表1に示す。
成分(a)のみからなる高分子電解質膜について同様な試験を用い、ラジカル耐性評価を行った。
すなわち、高分子電解質E1をジメチルスルホキシドに溶解させ、E1の濃度が13重量%となる高分子電解質溶液を調製した。この高分子電解質溶液をガラス板上に塗り広げ、溶媒を乾燥させ、高分子電解質膜を得た。このようにして得られた高分子電解質膜について、ラジカル耐性評価を行った。その際、鉄イオンの濃度を4ppm、水溶液の温度を60℃とした。結果を表1に示す。
成分(a)と成分(b)のみからなる高分子電解質組成物について同様な試験を用い、ラジカル耐性評価を行った。
すなわち、高分子電解質E1をジメチルスルホキシドに溶解させ、E1の濃度が13重量%となる溶液を調製した。さらに、該溶液に製造例4で得られたP1を、E1に対するP1の割合が11重量%となるように高分子電解質溶液を調製した。この高分子電解質溶液をガラス板上に塗り広げ、溶媒を乾燥させ、高分子電解質膜を得た。このようにして得られた高分子電解質膜について、ラジカル耐性評価を行った。その際、鉄イオンの濃度を4ppm、水溶液の温度を60℃とした。結果を表1に示す。
鉄イオン濃度 : 4ppm
水溶液温度 : 60℃
成分(a)と成分(c)のみからなる高分子電解質組成物について同様な試験を用い、ラジカル耐性評価を行った。
すなわち、高分子電解質E1をジメチルスルホキシドに溶解させ、E1の濃度が13重量%となる溶液を調製した。さらに、当該溶液にSumilizer BHTを溶解させ、E1に対するSumilizer BHTの割合が5重量%となるように高分子電解質溶液を調製した。この高分子電解質溶液をガラス板上に塗り広げ、溶媒を乾燥させ、高分子電解質膜を得た。このようにして得られた高分子電解質膜について、ラジカル耐性評価を行った。その際、鉄イオンの濃度を4ppm、水溶液の温度を60℃とした。結果を表2に示す。
比較例3に記載のSumilizer BHT(E1に対して5重量%)を表2に示す酸化防止剤に変更した以外は比較例3と同様に実施し、ラジカル耐性評価を行った。その際、鉄イオンの濃度を4ppm、水溶液の温度を60℃とした。結果を表2に示す。
鉄イオン濃度 : 4ppm
水溶液温度 : 60℃
成分(a)と2種類の成分(c)のみからなる高分子電解質組成物について同様な試験を用い、ラジカル耐性評価を行った。
すなわち、高分子電解質E1をジメチルスルホキシドに溶解させ、E1の濃度が13重量%となる溶液を調製した。さらに、当該溶液にIrganox 1330、Irganox 1330をそれぞれE1に対して、1重量%、2重量%になるように混合し、高分子電解質溶液を調製した。この高分子電解質溶液をガラス板上に塗り広げ、溶媒を乾燥させ、高分子電解質膜を得た。このようにして得られた高分子電解質膜について、ラジカル耐性評価を行った。その際、鉄イオンの濃度を4ppm、水溶液の温度を60℃とした。結果を表3に示す。
比較例9に記載の、酸化防止剤の組合せを、表3に示す酸化防止剤及び配合量に変更した以外は比較例9と同様に実施し、ラジカル耐性評価を行った。その際、鉄イオンの濃度を4ppm、水溶液の温度を60℃とした。結果を表3に示す。
鉄イオン濃度 : 4ppm
水溶液温度 : 60
製造例2で得られた高分子電解質E2をジメチルスルホキシドに溶解させ、E2の濃度が10重量%となる溶液を調製した。さらに、該溶液に製造例5で得られたP2及びSumilizer BHTを、E2に対するP2の割合が11重量%、E2に対するSumilizer BHTの割合が1重量%となるようにに加えて溶解し、高分子電解質溶液を調製した。この高分子電解質溶液をガラス板上に塗り広げ、溶媒を乾燥させ、高分子電解質膜を得た。このようにして得られた高分子電解質膜について、ラジカル耐性評価を行った。その際、鉄イオンの濃度を20ppm、水溶液の温度を80℃とした。なお、表4に記載のP2および酸化防止剤の数値は、高分子電解質E2に対する重量割合(重量%)を示す。
実施例3に記載の酸化防止剤を、表4に示す酸化防止剤及び配合量に変更した以外は実施例3と同様に実施し、ラジカル耐性評価を行った。その際、鉄イオンの濃度を20ppm、水溶液の温度を80℃とした。結果を表4に示す。
製造例2で得られた高分子電解質E2をジメチルスルホキシドに溶解させ、E2の濃度が10重量%となる高分子電解質溶液を調製した。この高分子電解質溶液をガラス板上に塗り広げ、溶媒を乾燥させ、高分子電解質膜を得た。このようにして得られた高分子電解質膜について、ラジカル耐性評価を行った。その際、鉄イオンの濃度を20ppm、水溶液の温度を80℃とした。結果を表4に示す。
製造例2で得られた高分子電解質E2をジメチルスルホキシドに溶解させ、E2の濃度が10重量%となる溶液を調製した。さらに、該溶液に製造例5で得られたP2を、E2に対するP2の割合が11重量%となるように加えて溶解し、高分子電解質溶液を調製した。この高分子電解質溶液をガラス板上に塗り広げ、溶媒を乾燥させ、高分子電解質膜を得た。このようにして得られた高分子電解質膜について、ラジカル耐性評価を行った。その際、鉄イオンの濃度を20ppm、水溶液の温度を80℃とした。結果を表4に示す。
鉄イオン濃度 : 20ppm
水溶液温度 : 80℃
製造例3で得られた高分子電解質E3を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、E3の濃度が30重量%となる溶液を調製した。さらに、該溶液に製造例5で得られたP2及びSumilizer BHTを、E3に対するP2の割合が11重量%、E3に対するSumilizer BHTの割合が1重量%となるようにに加えて溶解し、高分子電解質溶液を調製した。この高分子電解質溶液をガラス板上に塗り広げ、溶媒を乾燥させ、高分子電解質膜を得た。このようにして得られた高分子電解質膜について、ラジカル耐性評価を行った。その際、鉄イオンの濃度を4ppm、水溶液の温度を60℃とした。結果を表5に示す。なお、表5に記載のP2および酸化防止剤の数値は、高分子電解質E3に対する重量割合(重量%)を示す。
実施例7に記載の酸化防止剤を、表5に示す酸化防止剤及び配合量に変更した以外は実施例7と同様に実施し、ラジカル耐性評価を行った。その際、鉄イオンの濃度を4ppm、水溶液の温度を60℃とした。結果を表5に示す。
製造例3で得られた高分子電解質E3を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、E3の濃度が30重量%となる高分子電解質溶液を調製した。この高分子電解質溶液をガラス板上に塗り広げ、溶媒を乾燥させ、高分子電解質膜を得た。このようにして得られた高分子電解質膜について、ラジカル耐性評価を行った。その際、鉄イオンの濃度を4ppm、水溶液の温度を60℃とした。結果を表5に示す。
製造例3で得られた高分子電解質E3を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、E3の濃度が30重量%となる溶液を調製した。さらに、該溶液に製造例5で得られたP2を、E3に対するP2の割合が11重量%となるように加えて溶解し、高分子電解質溶液を調製した。この高分子電解質溶液をガラス板上に塗り広げ、溶媒を乾燥させ、高分子電解質膜を得た。このようにして得られた高分子電解質膜について、ラジカル耐性評価を行った。その際、鉄イオンの濃度を4ppm、水溶液の温度を60℃とした。結果を表5に示す。
鉄イオン濃度 : 4ppm
水溶液温度 : 60℃
Claims (14)
- 下記の成分(a)、(b)及び(c)を含有することを特徴とする高分子電解質組成物。
(a)強酸基を有する高分子電解質
(b)5価のリン原子を有する基を少なくとも1つ有する化合物
(c)酸化防止剤 - 成分(b)の成分(a)に対する重量比が0.1〜80.0重量%であることを特徴とする請求項1記載の高分子電解質組成物。
- 成分(c)の成分(a)に対する重量比が0.05〜50.0重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高分子電解質組成物。
- 成分(b)の含有量が、成分(c)の含有量よりも多いことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の高分子電解質組成物。
- 成分(b)が前記式(2)で示される基を有する化合物を含むことを特徴とする請求項5に記載の高分子電解質組成物。
- 成分(b)が、前記式(2)で示される基及び/又は前記式(3)で示される基を有する高分子化合物を含むことを特徴とする請求項5に記載の高分子電解質組成物。
- 成分(c)が、ヒンダードフェノール系化合物であることを特徴とすることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の高分子電解質組成物。
- 成分(a)が、強酸基を有するブロックと、酸基を実質的に有さないブロックとからなるブロック共重合体であることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の高分子電解質組成物。
- 請求項1〜12の何れかに記載の高分子電解質組成物を用いてなることを特徴とする高分子電解質膜。
- 請求項13記載の高分子電解質膜を用いてなることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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