JP2007216120A - 塗装装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
エア霧化塗装のように吐出量を増やせば塗着効率が低下するような方法を用いて塗装する場合でも、円形又は環状塗装パターンで塗装でき、塗着効率を維持したまま、吐出量を増やして、生産効率を向上できるようにする。
【解決手段】
偏平噴霧パターン(F〜F)を有する複数の霧化機構(N〜N)を所定回転数で回転駆動される回転ベース(4)に取り付け、少なくとも一以上の霧化機構(N)について、その偏平噴霧パターン(F)の長径方向を回転ベース(4)の回転により形成される塗装パターン(P)の中心から外縁に向う径方向に沿わせて配した。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の霧化機構から被塗物に向って偏平噴霧パターンで同時に塗料を吐出させ、単一の塗装パターンを形成して塗装する塗装装置に関する。
例えば、エア霧化塗装機は、霧化エアで塗料を微粒化した後、その塗装パターンをパターンエアで円形又は楕円形にして被塗物の方向へ噴出させるものである。
この塗装機を用いて、被塗物が樹脂製品の場合、塗着効率を向上させようとすれば静電のエア霧化塗装を行うのが好ましいが、その場合は、被塗物表面に導電性のプライマ塗料を塗装する必要がある。
しかしながら、プライマ塗料は高価であるため、塗装コストをかけられない被塗物については、多少塗着効率が低くても、非静電のエア霧化塗装を行わざるを得ない。
この場合に、塗着効率を50%程度に維持しようとすると100cc/min程度の低吐出量で塗装しなければならないため、静電塗装に比して生産効率はかなり劣る。
ここで、200cc/min以上の高吐出量で使用すると塗料の微粒化に悪影響を及ぼし、塗装不良を生ずるだけでなく、塗着効率が20〜30%と低くなってしまうため塗料の無駄が多く、生産効率も向上し得ないという問題がある。
エア霧化塗装機の塗装パターンを楕円形にしてその塗り幅を狭くし、かつ被塗装物と塗装機との距離を近づけて塗装すれば塗着効率をより向上させることはできるが、単位時間当たりの塗装面積が狭くなってしまう。
このため、複数台のエア霧化塗装機をロボットに配して、塗装面積を広くするようにした塗装装置も提案されている。
特開平11−309393号公報
この場合、図4に示すように、各塗装機21A、21Bの楕円形噴霧パターン22A、22Bを長径方向にその半径分ずつずらして重ねることにより偏平塗装パターン23を形成し、往路と復路で塗装パターンの両側が重なるようにずらしながら、短径方向に移動させて塗装している。
このため、単純な往復移動のみで塗装できる平面的な被塗物への塗装には適しているが、被塗物が立体的で複雑な形状をしている場合には、その形状に応じて塗装ロボットで塗装方向を変化させながら塗装しなければならないので、単なる偏平塗装パターン23では塗装しにくく、円形又は環状塗装パターンで塗装することが望ましい。
そこで本発明は、エア霧化塗装のように吐出量を増やせば塗着効率が低下するような方法を用いて塗装する場合でも、均一な塗装パターンで塗装でき、塗着効率を維持したまま、吐出量を増やして、生産効率を向上することを課題としている。
この課題を解決するために、請求項1の発明は、複数の霧化機構から被塗物に向って偏平噴霧パターンで同時に塗料を吐出させ、単一の塗装パターンを形成して塗装する塗装装置において、前記各霧化機構が、所定回転数で回転駆動される回転ベースに取り付けられると共に、少なくとも一以上の霧化機構について、その偏平噴霧パターンの長径方向が回転ベースの回転により形成される塗装パターンの中心から外縁に向う径方向に沿うように、その吐出方向が設定されたことを特徴としている。
請求項2の塗装装置は、夫々の偏平噴霧パターンが、前記塗装パターンの中心から外縁に向う径方向に沿って隙間なく配されるように前記各霧化機構の吐出方向が設定されている。
請求項3の塗装装置は、各霧化機構のうち任意の霧化機構を回転ベースに対して傾動させてその偏平噴霧パターンを前記塗装パターンの中心から近接離隔させることにより塗装パターンを拡縮させる塗装パターン径調整機構を備えている。
本発明によれば、回転ベースを回転させることにより、これに取り付けられた各霧化機構が回転するので、霧化機構から被塗物に向って吐出された夫々の偏平噴霧パターンがその回転軸を中心に回転され、夫々の偏平噴霧パターンのうち、少なくとも一以上は、その長径方向が回転ベースの回転により形成される塗装パターンの中心から外縁に向う径方向に沿って配されているので、確実に円形又は環状の塗装パターンが形成される。
したがって、被塗物が立体的で複雑な形状をしている場合に、その形状に応じて塗装ロボットで塗装方向を変化させながら塗装しても均一な塗装を行なうことができる。
また、複数の霧化機構を用いて略均一な円形又は環状の塗装パターンを形成することができるので、エア霧化塗装のように吐出量を増やせば塗着効率が低下するような方法を用いて塗装する場合でも、霧化機構の数が増えた分、塗着効率を低下させずに吐出量を増やすことができるので、塗着効率を維持したまま、生産効率を向上することができるという優れた効果がある。
このとき、請求項2の発明のように、夫々の偏平噴霧パターンが回転ベースを回転したときに形成される塗装パターンの中心から外縁に向う径方向に沿って隙間なく配されるように各霧化機構の吐出方向が設定されていれば、回転ベースを回転させたときに、隙間のないより均一な円形塗装パターンが形成される。
さらに、請求項3の発明のように、各霧化機構をベースに対して傾動させることにより吐出方向を調整し、偏平噴霧パターンを円形塗装パターンの半径方向に移動させれば、円形塗装パターンを拡縮させることができる。
本例では、エア霧化塗装のように吐出量を増やせば塗着効率が低下するような方法を用いて塗装する場合でも、円形又は環状塗装パターンで塗装でき、塗着効率を維持したまま、吐出量を増やして、生産効率を向上するという課題を達成するために、偏平噴霧パターンを有する複数の霧化機構を所定回転数で回転駆動される回転ベースに取り付け、少なくとも一以上の霧化機構について、その偏平噴霧パターンの長径方向が回転ベースの回転により形成される塗装パターンの中心から外縁に向う径方向に沿うように、その吐出方向を設定した。
図1は本発明に係る塗装装置の一例を示す説明図、図2はその断面図、図3は塗装パターンと偏平噴霧パターンの関係を示す説明図である。
本例の塗装装置1は、複数のエア霧化ノズル(霧化機構)N〜Nから被塗物に向って偏平噴霧パターンF〜Fで同時に塗料を吐出させ、単一の塗装パターンPを形成して塗装するようになっている。
各エア霧化ノズルN〜Nは、塗装機本体2に内蔵されたエアモータ3により所定回転数で回転駆動される回転ベース4に取り付けられている。
エア霧化ノズルNは、その偏平噴霧パターンFが、長径方向Lが回転ベース4の回転により形成される塗装パターンPの中心から外縁に向う径方向に沿って配されるように、その吐出方向が設定されている。
塗装機本体2には、各エア霧化ノズルN〜Nに供給される塗料、霧化エア、パターンエア、ノズル傾動用エアの流入ポート6A〜6Dが形成されており、夫々が流路7A〜7Dを介して、エアモータ3の回転軸5の外周面に掲載された凹溝8A〜8Dに連通されている。
凹溝8A〜8Dに供給された各流体は、回転軸5に形成された流路9A〜9Dを通って回転ベース4に供給され、回転ベース4に形成された分岐流路10A〜10Dを介して各エア霧化ノズルN〜Nに供給されるようになっている。
エア霧化ノズルN〜Nは、支軸S〜Sにより吐出方向を塗装パターンPの径方向に調整できるように傾動可能に配されており、前記各分岐流路10A〜10Dは支軸S〜S内を通って形成されている。
また、各エア霧化ノズルN〜Nには、夫々の偏平噴霧パターンF〜Fを塗装パターンPの径方向に移動させて、塗装パターンPを拡縮させるパターン径調整機構11を備えている。
このパターン径調整機構11は、各ノズルN〜Nの上端側に配されたエアシリンダ12で形成され、エアシリンダ12に所定圧力のノズル傾動用エアが供給されたときにピストン13が収縮されて、前記支軸S〜Sに内蔵されたスプリング(図示せず)の弾撥力により、夫々の偏平噴霧パターンF〜Fを塗装パターンPの径方向に沿って外側に移動させることができるようになっている。
また、ノズル傾動用エアの供給を停止したときにはピストン13が伸長され、スプリング(図示せず)の弾撥力に抗して、偏平噴霧パターンF〜Fを塗装パターンPの径方向に沿ってその中心側に移動させることができるようになっている。
なお、本例では、ノズルNは固定され、その他の二つのノズルN及びNを傾動させることにより、図3(a)〜(c)に示すように偏平噴霧パターンF及びFを塗装パターンの中心から近接離隔するように移動させて、塗装パターンPの直径を拡縮させることができるように成っている。
なお、図3(a)〜(c)に示すように、本例では、塗装パターンPの拡大に伴い偏平噴霧パターンF及びFは徐々に外側へ移動するものの、偏平噴霧パターンFは途中までは外側に向って移動し(図3(a)〜(b))、さらにパターン径を大きくしてもそれ以上移動しない(図3(b)〜(c))ので、このような場合は、ノズル傾動用エアの供給系を2系統設けるか、ノズルNのシリンダ12に内蔵されるスプリング強度を弱めに設定しておけばよい。
以上が本発明の一例構成であって、次にその作用について説明する。
まず、ノズル傾動用エアを供給しない状態では、図3(a)に示すように、偏平噴霧パターンF及びFが偏平噴霧パターンFに近接してその両側に並ぶように略平行に配されている。
この状態で、エアモータ3を回転させながら、塗料、霧化エア、パターンエアを供給して、各エア霧化ノズルN〜Nから塗料を噴霧すると、偏平噴霧パターンFの長径より短い長さを半径とする円形の最小塗装パターンPが形成されるので、被塗物が小さい場合に適している。
この場合、偏平噴霧パターンF〜Fが略平行に配されているので、各偏平噴霧パターンF〜Fのシェーピングエア同士が干渉しにくく塗装パターンPが乱れ難い。
次に、塗装パターンPを大きくする場合は、図3(b)に示すように、ノズル傾動用エアの圧力を調整して各エア霧化ノズルN〜Nを外側に傾け、偏平噴霧パターンF〜びFを塗装パターンPの中心から離隔させると、偏平噴霧パターンFの一端が塗装パターンPの略中心に位置すると共に、他の偏平噴霧パターンF及びFの外側端部が偏平噴霧パターンFを回転することにより形成される塗装パターンPに内接するように位置させる。
この状態で、エアモータ3を回転させながら、塗料、霧化エア、パターンエアを供給して、各エア霧化ノズルN〜Nから塗料を噴霧すると、偏平噴霧パターンFの長径を半径とする円形の均一な塗装パターンPが形成されるので、塗り幅をやや広くしたい場合にも対応できる。
さらに、塗装パターンより大きくする場合は、図3(c)に示すように、ノズル傾動用エアの圧力を調整して各エア霧化ノズルN及びNをさらに外側に傾け、偏平噴霧パターンF及びFを塗装パターンPの中心からさらに離隔させる。
この状態で、エアモータ3を回転させながら、塗料、霧化エア、パターンエアを供給して、各エア霧化ノズルN〜Nから塗料を噴霧すると、偏平噴霧パターンFで塗装パターンPの中央部(塗装パターンPに相当する部分)が塗装され、その外側が、偏平噴霧パターンF及びFで塗装される。
したがって、塗装パターンPの半径は、偏平噴霧パターンF〜Fの長径より長くなる。
また、このとき、各偏平噴霧パターンF〜Fは、塗装パターンPの半径方向に沿って隙間なく配されているので、回転ベース4を回転させることにより形成される塗装パターンPは隙間のない円形となる。
さらに、いずれの場合も、三つのノズルN〜Nから噴霧された夫々の偏平噴霧パターンF〜Fで重ね塗りされるので、同じ塗装面積を一台で塗装する場合に比して、同じ塗装時間で三倍の厚さの塗膜を形成することができ、厚塗りに適している。
なお、上述の説明ではいずれも、偏平噴霧パターンF〜Fを塗装パターンPの半径方向に隙間なく配して円形塗装パターンを形成する場合について説明したが、必要に応じて各偏平噴霧パターンF〜Fを塗装パターンPの外側に寄せて、環状塗装パターンPとしても良い。
また、偏平噴霧パターンF〜Fの配置は任意であり、例えば図3(d)及び(e)に示すように、各パターンF〜Fの長径方向がいずれも塗装パターンPの半径方向に沿って配されている場合でも良い。
以上述べたように、本発明は、エア霧化塗装のように吐出量を増やせば塗着効率が低下するような方法を用いて塗装する場合に、円形又は環状の塗装パターンにより、吐出量を増やし、且つ、高塗着効率で厚塗りをする用途に適用することができる。
本発明に係る塗装装置の一例を示す説明図。 その断面図。 塗装パターンと偏平噴霧パターンの関係を示す説明図。 従来装置を示す説明図。
符号の説明
1 塗装装置
〜N エア霧化ノズル(霧化機構)
〜F 偏平噴霧パターン
4 回転ベース
L 長径方向L
P 塗装パターンP
〜S 支軸
11 パターン径調整機構


Claims (3)

  1. 複数の霧化機構から被塗物に向って偏平噴霧パターンで同時に塗料を吐出させ、単一の塗装パターンを形成して塗装する塗装装置において、
    前記各霧化機構が、所定回転数で回転駆動される回転ベースに取り付けられると共に、少なくとも一以上の霧化機構について、その偏平噴霧パターンの長径方向が回転ベースの回転により形成される塗装パターンの中心から外縁に向う径方向に沿うように、その吐出方向が設定されたことを特徴とする塗装装置。
  2. 夫々の偏平噴霧パターンが、前記塗装パターンの中心から外縁に向う径方向に沿って隙間なく配されるように前記各霧化機構の吐出方向が設定された請求項1記載の塗装装置。
  3. 前記各霧化機構のうち任意の霧化機構を回転ベースに対して傾動させてその偏平噴霧パターンを前記塗装パターンの中心から近接離隔させることにより塗装パターンを拡縮させる塗装パターン径調整機構を備えた請求項1記載の塗装装置。
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