JP2020199466A - 塗装用ベルカップ及びこれを備えた回転霧化塗装装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】噴霧した塗料の飛散拡大を抑制して塗料ロスを低減し、所望の領域へ均一な塗料膜厚を形成することのできる塗装用ベルカップ及びこれを備えた回転霧化塗装装置を提供すること。【解決手段】ベル状に形成された拡径部1bを備え、前記拡径部の中心軸が回転軸に一致して配置されるとともに、軸周りに回転する際の遠心力により前記拡径部の内側面において塗料を引き伸ばしつつ微粒化して噴霧する塗装用ベルカップ1であって、前記拡径部は、その内面側の周縁端部に、それぞれ径方向に延設されるとともに周方向に沿って形成された複数の溝部10を有し、前記溝部は、前記拡径部の拡径方向に段差を形成する段差面10aと、前記段差面の下端から拡径部先端まで延びる溝底面10bとが形成されている。【選択図】図4
Description
本発明は、塗装用ベルカップ及びこれを備えた回転霧化塗装装置に関し、例えば2トーンの塗装において、噴霧した塗料が境界線を越えた他色側に付着することがなく、且つ塗料ロスを低減することのできる塗装用ベルカップ及びこれを備えた回転霧化塗装装置に関する。
自動車の製造工程において、例えば車体の表面に2色の塗装(2トーン塗装と称する)を施す場合、スプレーガンによる塗装では霧状に塗料が噴霧されるため、自動車の車体にマスキング処理を施し、その上からスプレーガンによる塗装を行い、境界線を出していた。
しかしながら、車体にマスキング処理を施し、塗装後にそれを除去する作業が煩わしく、作業効率が低下するという課題があった。
このような課題に対し、特許文献1(特許第3754632号)には、マスキング処理を行わずに2トーン塗装を可能とする塗布方法が開示されている。
このような課題に対し、特許文献1(特許第3754632号)には、マスキング処理を行わずに2トーン塗装を可能とする塗布方法が開示されている。
特許文献1に開示された塗装方法に用いる塗装ステージは、図8に示すように搬送コンベア51上を搬送される支持台52を備え、この支持台52上に被塗物である自動車ボディWが載置される。即ち自動車ボディWは、前記搬送コンベア51によって塗装ステージに搬入出される。
また、搬送コンベア51の左右両側には、該搬送コンベア51と平行に設けられたトラッキング装置53、54を備える。トラッキング装置53、54は、それぞれトラッキングレール53a、54aと、トラッキングレール53a、54a上を移動可能な移動台53b、54bと、を有し、前記移動台53b、54bには、それぞれ塗装用ロボット55、56が設けられている。このトラッキング装置53、54は、搬送コンベア51によって搬送される自動車ボディWに対し、塗装用ロボット55、56を順方向または逆方向に移動するものである。
また、搬送コンベア51の左右両側には、該搬送コンベア51と平行に設けられたトラッキング装置53、54を備える。トラッキング装置53、54は、それぞれトラッキングレール53a、54aと、トラッキングレール53a、54a上を移動可能な移動台53b、54bと、を有し、前記移動台53b、54bには、それぞれ塗装用ロボット55、56が設けられている。このトラッキング装置53、54は、搬送コンベア51によって搬送される自動車ボディWに対し、塗装用ロボット55、56を順方向または逆方向に移動するものである。
各塗装用ロボット55、56は、トラッキング装置53、54の移動台53b、54b上に旋回自在に配置された旋回台57と、旋回台57上に揺動可能に設けられた垂直アーム58と、垂直アーム58の上端に回動可能に設けられた水平アーム59と、水平アーム59の先端側に設けられた塗装機60とを備える。
塗装機60は、図9に示すように、く字状に屈曲した円筒状のケーシング61と、該ケーシング61の先端側に回転可能に配設されたベルカップ(回転霧化頭)62とを備えている。
塗装機60は、図9に示すように、く字状に屈曲した円筒状のケーシング61と、該ケーシング61の先端側に回転可能に配設されたベルカップ(回転霧化頭)62とを備えている。
前記ベルカップ62は、ケーシング61内に内蔵されたエアモータ(図示せず)の回転軸に取付けられ、該エアモータによって高速回転される。また、ケーシング61内には、基端側が塗料供給源に接続され、先端側が前記エアモータの回転軸内を延びてベルカップ62に向け開口したフィードチューブ(図示せず)が設けられている。このフィードチューブによって、ベルカップ62内に塗料が供給されるようになっている。
また、2トーン塗装における境界を形成可能な塗装ステージにおいては、図8に示すようにケーシング61から延びるステー63の先端側にエアノズル64が設けられ、ケーシング61の先端側の自動車ボディWに近接する位置には、前記エアノズル64から噴射されたエアを受ける整流板65が設けられている。
また、図9に示すように自動車ボディWの塗装面に対し塗装機60を下向きに70°程度傾け(α=70°)、ベルカップ62の周縁端62Aを塗装面側に例えば10mm程度まで接近させた状態となされる。
ベルカップ62は前記エアモータによって高速回転され、供給される塗料は、回転による遠心力によって、ベルカップ62の前方に径方向外側に広がって噴霧されることになる。また、エアノズル64から供給されるミスト抑制エアが整流板65によってベルカップ62の前方に導かれ、境界線の位置を狙った効果的なミスト抑制エアの流れが形成される。
ベルカップ62は前記エアモータによって高速回転され、供給される塗料は、回転による遠心力によって、ベルカップ62の前方に径方向外側に広がって噴霧されることになる。また、エアノズル64から供給されるミスト抑制エアが整流板65によってベルカップ62の前方に導かれ、境界線の位置を狙った効果的なミスト抑制エアの流れが形成される。
これにより、ベルカップ62の周縁端62Aのうち、自動車ボディWに近い部位から噴霧された塗料粒子は、その多くが自動車ボディWに付着する。また、それにより境界塗膜面の境界線の位置が厚膜に形成され、明瞭な境界線が形成される。したがって、この塗布方法によれば、速い速度で境界線のある塗布作業を行うことが可能となる。
ところで、前述したように特許文献1に開示された塗装機60にあっては、前記エアノズル64及び整流板65は自動車ボディW側に近接して配置されている。
しかしながら、前記ベルカップ62は先端に向けて広く拡径しているため、ベルカップ62の周縁端62Aのうち、自動車ボディWから離れた部位から噴霧された塗料粒子は空中の広い範囲に飛散することになる。そのため、空中に飛散する塗料が他色の塗装領域に付着する虞があった。
また、実際に自動車ボディWに塗着する塗料はベルカップ62から噴霧された噴霧量の一部であり、大部分は霧状に飛散するため、塗料のロスが多いという課題があった。
しかしながら、前記ベルカップ62は先端に向けて広く拡径しているため、ベルカップ62の周縁端62Aのうち、自動車ボディWから離れた部位から噴霧された塗料粒子は空中の広い範囲に飛散することになる。そのため、空中に飛散する塗料が他色の塗装領域に付着する虞があった。
また、実際に自動車ボディWに塗着する塗料はベルカップ62から噴霧された噴霧量の一部であり、大部分は霧状に飛散するため、塗料のロスが多いという課題があった。
また、上記のように塗料の飛散範囲が広すぎる場合には、拡径度の小さいベルカップを用いることによって、塗料の飛散範囲をある程度狭くすることができる。
しかしながら、図10にベルカップ周縁端62Aの一部拡大した斜視図を示すように、周縁端62Aの内面側には塗料霧化のための溝部62Bが周方向に複数形成され、それら溝部62Bはカップ先端に向かって拡径方向に斜面状に形成されているため、塗料の飛散領域が広がりやすく、飛散抑制効果が不十分であるという課題があった。
しかしながら、図10にベルカップ周縁端62Aの一部拡大した斜視図を示すように、周縁端62Aの内面側には塗料霧化のための溝部62Bが周方向に複数形成され、それら溝部62Bはカップ先端に向かって拡径方向に斜面状に形成されているため、塗料の飛散領域が広がりやすく、飛散抑制効果が不十分であるという課題があった。
また、塗料の飛散領域を狭くするには、ベルカップ62の回転数をより低速にすればよいが(例えば、高速の25000rpmを低速の15000rpmに変更)、遠心力不足により十分に微粒化されず、均一な塗料の膜厚が形成されないという課題があった。
本発明は、前記した点に着目してなされたものであり、噴霧した塗料の飛散拡大を抑制して塗料ロスを低減し、所望の領域へ均一な塗料膜厚を形成することのできる塗装用ベルカップ及びこれを備えた回転霧化塗装装置を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために、本発明に係る塗装用ベルカップは、ベル状に形成された拡径部を備え、前記拡径部の中心軸が回転軸に一致して配置されるとともに、軸周りに回転する際の遠心力により前記拡径部の内側面において塗料を引き伸ばしつつ微粒化して噴霧する塗装用ベルカップであって、前記拡径部は、その内面側の周縁端部に、それぞれ径方向に延設されるとともに周方向に沿って形成された複数の溝部を有し、前記溝部は、前記拡径部の拡径方向に段差を形成する段差面と、前記段差面の下端から拡径部先端まで延びる溝底面とが形成されていることに特徴を有する。
尚、前記溝部に形成された溝底面の径方向長さが1.5〜4.5mmであり、塗布面に対する前記段差面の傾斜角度θが少なくとも0°〜5°の範囲であることが望ましい。
尚、前記溝部に形成された溝底面の径方向長さが1.5〜4.5mmであり、塗布面に対する前記段差面の傾斜角度θが少なくとも0°〜5°の範囲であることが望ましい。
このように本発明に係る塗装用ベルカップによれば、周縁端に形成した複数の溝部において、塗料を着地させて、更に微粒化させるための段差部(段差面、溝底面)を設けた構成としている。これにより、ベルカップの回転力(遠心力)を低くして噴霧した塗料の飛散拡大を抑制しつつ、十分に微粒化し、膜厚を均一にすることができる。
また、前記した課題を解決するために、本発明に係る回転霧化塗装装置は、前記塗装用ベルカップを備える回転霧化塗装装置であって、前記塗装用ベルカップと、前記塗装用ベルカップを回転軸周りに回転可能に支持するとともに、シェーピングエアを噴出し、前記塗装用ベルカップの周縁端部から飛散した塗料を、前記シェーピングエアの流れに沿って導くシェーピングエアリングと、前記塗装用ベルカップを回転軸周りに回転させる回転駆動手段と、前記塗装用ベルカップに塗料を供給する塗料供給手段と、前記シェーピングエアリングに所定の圧力のエアを供給する圧力エア供給手段と、を備えることに特徴を有する。
このように本発明に係る回転霧化塗装装置によれば、ベルカップの周縁端に形成した複数の溝部において、塗料を着地させて、更に微粒化させるための段差部(段差面および溝底面)を設けた構成としている。これにより、ベルカップの回転力(遠心力)を低くして噴霧した塗料の飛散拡大を抑制しつつ、十分に微粒化し、膜厚を均一にすることができる。
本発明によれば、噴霧した塗料の飛散拡大を抑制して塗料ロスを低減し、所望の領域へ均一な塗料膜厚を形成することのできる塗装用ベルカップ及びこれを備えた回転霧化塗装装置を提供することができる。
以下、本発明にかかる塗装用ベルカップ及びこれを備えた回転霧化塗装装置の実施の形態につき、図面に基づいて説明する。本実施の形態に係る回転霧化塗装装置は、例えば自動車製造ラインにおける塗布工程に用いられ、(他色の塗装との境界線を有する)2トーン塗装のために塗料を噴霧するものである。
図1は、本実施の形態に係る回転霧化塗装装置としての塗装機100の概略構成を示す断面図であり、図2は、図1の塗装機100の先端部を拡大して示す断面図である。この塗装機100は、例えば図8に示したような塗装ラインにおいて、塗装用ロボットのアーム先端に取付けられて使用されるものである。
図1、図2に示す塗装機100は、被塗物に対して塗料を噴霧するための装置である。この塗装機100は、塗装機本体3と、前記塗装機本体3に連結されるシェーピングエアリング2と、前記シェーピングエアリング2に回転可能に装着されるベルカップ1(塗装用ベルカップ)とを備えている。
塗装機本体3は、塗装機100を所望の位置及び姿勢で変位させるためのロボットアームによって支持されるとともに、前述のようにベルカップ1やシェーピングエアリング2が付設される部位であり、エアモータ3a(回転駆動手段)が内蔵されている。このエアモータ3aの前面からは、回転を出力する回転軸3bが前方に向けて突設されている。
また、塗装機本体3には、図示しない塗料供給手段より塗料が供給され、ベルカップ1に塗料を供給するために軸中心に沿って設けられたフィードチューブ(図示せず)と、シェーピングエアリング2に空気を供給するためのエア供給配管3dと、塗装機本体3に高電圧を印加するための高電圧発生装置3e等が内蔵されている。
シェーピングエアリング2は、ベルカップ1からの塗料の噴霧方向を規制するためのシェーピングエアを吹き出す部材である。即ち、ベルカップ1の周端縁から飛散した塗料を、シェーピングエアの流れに沿って導くことによって、所望する塗布パターンとなるように噴霧方向を形成させるものである。
より具体的に説明すると、シェーピングエアリング2は、略リング状に形成されており、塗料の噴霧方向に対してベルカップ1よりも更に後部において、その軸心を軸心Pに一致させた状態で塗装機本体3に付設されている。
図1に示すようにシェーピングエアリング2のエア供給配管3dには、圧力エア源から所定圧のエアがバルブ4(圧力エア供給手段)を介して供給される。図1、図2に示すように、シェーピングエアリング2には、複数の吹出口2a、2bが形成され、前記エア供給配管3dに供給されたエアが、吹出口2a,2bから吹き出すことによりシェーピングエアが形成される。そして、このシェーピングエアによりベルカップ1から噴霧される塗料の噴霧方向が制御されるようになっている。
図1に示すようにシェーピングエアリング2のエア供給配管3dには、圧力エア源から所定圧のエアがバルブ4(圧力エア供給手段)を介して供給される。図1、図2に示すように、シェーピングエアリング2には、複数の吹出口2a、2bが形成され、前記エア供給配管3dに供給されたエアが、吹出口2a,2bから吹き出すことによりシェーピングエアが形成される。そして、このシェーピングエアによりベルカップ1から噴霧される塗料の噴霧方向が制御されるようになっている。
続いて、本発明に係る塗装用ベルカップ(ベルカップ1)の構造について更に図3乃至図5を用いて説明する。図3は、ベルカップ1の斜視図であり、図4は、図3のベルカップ1の断面図である。また、図5は、ベルカップ1の周縁端部の断面図である。
図3に示すベルカップ1は、その回転により、塗料に対して遠心力を作用させて塗料を拡散させるための部材である。
図3に示すようにベルカップ1は、外径が一定に形成された直胴部1aと、前記直胴部1aからベル状に拡径する拡径部1bとを有する。前記直胴部1aは、図2、図4に示すように筒状に形成され、その内面1a1側にエアモータ3aから突設された回転軸3bが挿入され、この回転軸3bの先端部が、直胴部1aと拡径部1bとを仕切る仕切り板1cの中央に形成された貫通孔1c1に嵌合するようになっている。
図3に示すようにベルカップ1は、外径が一定に形成された直胴部1aと、前記直胴部1aからベル状に拡径する拡径部1bとを有する。前記直胴部1aは、図2、図4に示すように筒状に形成され、その内面1a1側にエアモータ3aから突設された回転軸3bが挿入され、この回転軸3bの先端部が、直胴部1aと拡径部1bとを仕切る仕切り板1cの中央に形成された貫通孔1c1に嵌合するようになっている。
また、図3、図4に示すように、前記拡径部1bはベル状に形成されている。内側面1b1は、先端側に向かってテーパ状に拡径しており、中心軸(回転軸Pの軸心)に対して所定角度(例えば29°)傾斜している。
図2に示すようにベルカップ1は、その軸心を回転軸Pの軸心と一致させた状態で、回転軸P上に軸支され、塗料の噴霧方向における最前部に配置される。
前記拡径部1bの内側面1b1の後端側(仕切り板1c側)には、塗装機本体3の軸中心に沿って設けられたフィードチューブ(図示せず)からの塗料をカップ内部に供給するための塗料供給孔(図示せず)が形成されている。また、前記内側面1b1の後端側には、樹脂により形成された円盤状のハブ(図示せず)が着脱自在に取り付けられるようになっており、そのハブの周囲に形成された多数の塗料流出孔より流出した塗料がベルカップ1の内側面1b1に供給されるようになっている。
また、前記したように内側面1b1はテーパ状に拡径しており、ベルカップ1が中心軸P周りに回転することにより、カップ内に供給された塗料がカップ周縁端に向けて薄く引き伸ばされるようになっている。
前記拡径部1bの内側面1b1の後端側(仕切り板1c側)には、塗装機本体3の軸中心に沿って設けられたフィードチューブ(図示せず)からの塗料をカップ内部に供給するための塗料供給孔(図示せず)が形成されている。また、前記内側面1b1の後端側には、樹脂により形成された円盤状のハブ(図示せず)が着脱自在に取り付けられるようになっており、そのハブの周囲に形成された多数の塗料流出孔より流出した塗料がベルカップ1の内側面1b1に供給されるようになっている。
また、前記したように内側面1b1はテーパ状に拡径しており、ベルカップ1が中心軸P周りに回転することにより、カップ内に供給された塗料がカップ周縁端に向けて薄く引き伸ばされるようになっている。
また、図3に示すように前記拡径部1bの内側面1b1の先端には、内側面1b1で薄く引き伸ばされた塗料を微粒化するための所定幅の溝部10が周方向に沿って等間隔に複数(例えば240個)形成されている。
この溝部10は、図5に一部拡大して示すように、拡径部1bの拡径方向に段差を形成する段差面10aと、前記段差面10aの下端から拡径部1bの先端まで延びる溝底面10bとを有する。望ましくは、前記段差面10aの塗布面80に対する傾斜角θが0°〜5°であり、溝底面10bの径方向の長さdが、1.5mm〜4.5mmに形成されている。
この溝部10は、図5に一部拡大して示すように、拡径部1bの拡径方向に段差を形成する段差面10aと、前記段差面10aの下端から拡径部1bの先端まで延びる溝底面10bとを有する。望ましくは、前記段差面10aの塗布面80に対する傾斜角θが0°〜5°であり、溝底面10bの径方向の長さdが、1.5mm〜4.5mmに形成されている。
これにより、塗料の飛散拡大を抑えるためにベルカップ1を低速(例えば15000rpm)で回転させても、内側面1b1で引き伸ばされた塗料が図5に破線で示すように溝底面10bに一度着地し、その衝撃によって塗料が更に微粒化される。そして、溝底面10bに沿ってベルカップ1の前方に噴霧される。
尚、図6(a)に示すように、溝底面10bの径方向長さdが4.5mmより長過ぎると、ベルカップ1の回転が低速(例えば15000rpm)の場合、塗料が溝底面10bに複数回バウンドして着地し、微粒化された塗料が溝底面10b上で再統合され、粒径が大きくなる虞がある。
また、図6(b)に示すように、溝底面10bの径方向長さdが1.5mmより短すぎると、ベルカップ1の回転が低速であっても、内側面1b1からカップ周縁端に向けて引き伸ばされた塗料が溝底面10bに着地せず、そのままベルカップ1から前方に吐出される虞がある。
また、図6(c)に示すように、段差面10aの塗布面80に対する傾斜角度が0°より小さく、ベルカップ1の回転が低速(例えば15000rpm)の場合、段差面10aとの濡れにより、塗液が段差面10aに沿って進み、溝底面10bでの衝突が生じない虞がある。
このように構成された塗装機100にあっては、塗装機本体3において高電圧発生装置3eにより高電圧が印加され、エアモータ3aが駆動され、回転軸3bの回転によってベルカップ1が所定方向に低速の回転数(例えば15000rpm)で回転される。
また、塗装機100のエア供給配管3dに高圧のエアが供給され、シェーピングリング2の吹出口2a、2bからベルカップ1の周囲に対しシェーピングエアが所定の流量で吹き出された状態になされる。
また、塗装機100のエア供給配管3dに高圧のエアが供給され、シェーピングリング2の吹出口2a、2bからベルカップ1の周囲に対しシェーピングエアが所定の流量で吹き出された状態になされる。
一方、ロボットアームによって支持された塗装機100が塗布物(塗布面80)に近接するよう移動され、塗布面80に対してベルカップ1が所定の姿勢で配置される。
また、塗装機本体3の塗料供給配管から供給された塗料は、ベルカップ1の内側面1b1においてカップ先端(周縁端)に向けて引き伸ばされ、複数の溝部10によって微粒化され、前方へ噴霧される。このとき、内側面1b1から溝部10に進む塗料は、先ず、ベルカップ1周縁端に周方向に形成された複数の溝部10によって微粒化され、次いで、各溝部10の溝底面10bに着地することによって、更に微粒化されて噴霧される。尚、ベルカップ1は回転軸P周りに例えば15000rpmと低速で回転しているため、噴霧した塗料の飛散拡大が抑制される。
以上のように本発明に係る実施の形態によれば、ベルカップ1の周縁端に形成した複数の溝部10において、塗料を着地させて、更に微粒化させるための段差部(段差面10a及び溝底面10b)を設けた。これにより、ベルカップ1の回転力(遠心力)を低くして噴霧した塗料の飛散拡大を抑制しつつ、十分に微粒化し、塗料の膜厚を均一にすることができる。
尚、前記実施の形態においては、ベルカップ1の回転数を低速(例えば15000rpm)とするようにしたが、本発明にあってはベルカップ1の回転数を限定するものではなく、従来のように高速(例えば25000rpm)の場合であっても、噴霧した塗料の飛散拡大を従来よりも抑制することができる。
本発明に係る塗装用ベルカップ及びこれを備えた回転霧化塗装装置について、実施例に基づきさらに説明する。本実施例では、前記実施の形態に基づき以下の実験を行った。
実施例1〜36では、図5、図6に示したように、ベルカップ1の周縁端部に設けた複数の溝部10において、段差面10aと溝底面10bとを有するものとした。溝底面の長さd(mm)、段差面10aの塗布面に対する傾斜角度θ(°)、ベルカップの回転数(rpm)を条件として、塗装面への噴霧を実施した。
実施例1〜36では、図5、図6に示したように、ベルカップ1の周縁端部に設けた複数の溝部10において、段差面10aと溝底面10bとを有するものとした。溝底面の長さd(mm)、段差面10aの塗布面に対する傾斜角度θ(°)、ベルカップの回転数(rpm)を条件として、塗装面への噴霧を実施した。
また、比較例1〜9では、溝部が傾斜面のみからなる従来の構造(図10に示した形状)において、傾斜面の塗布面に対する傾斜角度(−30°、0°、5°)を条件として、塗装面への噴霧を実施した。
評価は、噴霧塗料が十分に微粒化できたか、及び塗料の飛散範囲の拡大を抑制できたかについて行い、それぞれ○、△、×で図7の表に示した。尚、塗料の微粒化について、○は十分な微粒化されたもの、×は微粒化が不十分なものを示す。また、塗料の飛散範囲について、○は飛散範囲を十分に狭く抑制できたもの、△は飛散範囲の拡大抑制効果が少なくとも認められたもの、×は飛散範囲が過大となったものを示す。
評価は、噴霧塗料が十分に微粒化できたか、及び塗料の飛散範囲の拡大を抑制できたかについて行い、それぞれ○、△、×で図7の表に示した。尚、塗料の微粒化について、○は十分な微粒化されたもの、×は微粒化が不十分なものを示す。また、塗料の飛散範囲について、○は飛散範囲を十分に狭く抑制できたもの、△は飛散範囲の拡大抑制効果が少なくとも認められたもの、×は飛散範囲が過大となったものを示す。
(実施例1〜9)
図7の表に示すように、実施例1〜9では、溝底面長さdを1mmと短く形成した。この場合、段差面の傾斜角度にかかわらず、ベルカップの回転数が10000rpmと低速であると(実施例1、4、7)、回転力(遠心力)不足により塗料がベルカップ内側面で十分に引き伸ばされず、微粒化ができなかったが、飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が15000rpmの場合(実施例2、5、8)、回転力不足であり、且つ溝底面の長さが短すぎて、塗料が溝底面に着地できず、十分な微粒化ができなかった。また、飛散範囲も広がった。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例3、6、9)、高速回転により塗料が十分に薄く引き伸ばされ、微粒化することができたが、飛散拡大は抑制することができなかった。
図7の表に示すように、実施例1〜9では、溝底面長さdを1mmと短く形成した。この場合、段差面の傾斜角度にかかわらず、ベルカップの回転数が10000rpmと低速であると(実施例1、4、7)、回転力(遠心力)不足により塗料がベルカップ内側面で十分に引き伸ばされず、微粒化ができなかったが、飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が15000rpmの場合(実施例2、5、8)、回転力不足であり、且つ溝底面の長さが短すぎて、塗料が溝底面に着地できず、十分な微粒化ができなかった。また、飛散範囲も広がった。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例3、6、9)、高速回転により塗料が十分に薄く引き伸ばされ、微粒化することができたが、飛散拡大は抑制することができなかった。
(実施例10〜18)
実施例10〜18では、溝底面長さdを1.5mmに形成した。
このとき実施例10〜12のように段差面の傾斜角度θを−5°とした場合、ベルカップの回転数が10000rpm(実施例10)或いは15000rpm(実施例11)と低速であると、回転力(遠心力)不足である上、塗料が段差面に沿って流れ、溝底面での衝撃が得られず微粒化されなかった。但し飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例12)、高速回転により塗料は微粒化されたが、飛散範囲が拡大した。
実施例10〜18では、溝底面長さdを1.5mmに形成した。
このとき実施例10〜12のように段差面の傾斜角度θを−5°とした場合、ベルカップの回転数が10000rpm(実施例10)或いは15000rpm(実施例11)と低速であると、回転力(遠心力)不足である上、塗料が段差面に沿って流れ、溝底面での衝撃が得られず微粒化されなかった。但し飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例12)、高速回転により塗料は微粒化されたが、飛散範囲が拡大した。
また実施例13〜15のように段差面の傾斜角度θを0°とした場合、ベルカップの回転数が10000rpmと低速であると(実施例13)、回転力(遠心力)不足により微粒化されなかったが、飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が15000rpmの場合(実施例14)、低速ではあるが、塗料が溝底面に着地し、その衝撃により塗料が微粒化された。また、飛散拡大も抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例15)、高速回転により塗料は微粒化されたが、飛散範囲が拡大した。
また、ベルカップの回転数が15000rpmの場合(実施例14)、低速ではあるが、塗料が溝底面に着地し、その衝撃により塗料が微粒化された。また、飛散拡大も抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例15)、高速回転により塗料は微粒化されたが、飛散範囲が拡大した。
また実施例16〜18のように段差面の傾斜角度θを5°とした場合、ベルカップの回転数が10000rpmと低速であると(実施例16)、回転力(遠心力)不足により微粒化されなかったが、飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が15000rpmの場合(実施例17)、低速ではあるが、塗料が溝底面に着地し、その衝撃により塗料が微粒化された。また、飛散拡大も抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例18)、高速回転により塗料は微粒化されたが、飛散範囲が拡大した。
また、ベルカップの回転数が15000rpmの場合(実施例17)、低速ではあるが、塗料が溝底面に着地し、その衝撃により塗料が微粒化された。また、飛散拡大も抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例18)、高速回転により塗料は微粒化されたが、飛散範囲が拡大した。
(実施例19〜27)
実施例19〜27では、溝底面長さdを4.5mmに形成した。
このとき実施例19〜21のように段差面の傾斜角度θを−5°とした場合、ベルカップの回転数が10000rpm(実施例19)或いは15000rpm(実施例20)と低速であると、回転力(遠心力)不足である上、塗料が段差面に沿って流れ、溝底面での衝撃が得られず微粒化されなかった。但し飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例21)、高速回転により塗料は微粒化された。また、溝底面が長いために飛散拡大の抑制効果が見られた。
実施例19〜27では、溝底面長さdを4.5mmに形成した。
このとき実施例19〜21のように段差面の傾斜角度θを−5°とした場合、ベルカップの回転数が10000rpm(実施例19)或いは15000rpm(実施例20)と低速であると、回転力(遠心力)不足である上、塗料が段差面に沿って流れ、溝底面での衝撃が得られず微粒化されなかった。但し飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例21)、高速回転により塗料は微粒化された。また、溝底面が長いために飛散拡大の抑制効果が見られた。
また実施例22〜24のように段差面の傾斜角度θを0°とした場合、ベルカップの回転数が10000rpmと低速であると(実施例22)、回転力(遠心力)不足により微粒化されなかったが、飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が15000rpmの場合(実施例23)、低速ではあるが、塗料が溝底面に着地し、その衝撃により塗料が微粒化された。また、飛散拡大も抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例24)、高速回転により塗料は微粒化された。また、溝底面が長いために飛散拡大が抑制された。
また、ベルカップの回転数が15000rpmの場合(実施例23)、低速ではあるが、塗料が溝底面に着地し、その衝撃により塗料が微粒化された。また、飛散拡大も抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例24)、高速回転により塗料は微粒化された。また、溝底面が長いために飛散拡大が抑制された。
また実施例25〜27のように段差面の傾斜角度θを5°とした場合、ベルカップの回転数が10000rpmと低速であると(実施例25)、回転力(遠心力)不足により微粒化されなかったが、飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が15000rpmの場合(実施例26)、低速ではあるが、塗料が溝底面に着地し、その衝撃により塗料が微粒化された。また、飛散拡大も抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例27)、高速回転により塗料は微粒化された。また、溝底面が長いために飛散拡大の抑制効果が見られた。
また、ベルカップの回転数が15000rpmの場合(実施例26)、低速ではあるが、塗料が溝底面に着地し、その衝撃により塗料が微粒化された。また、飛散拡大も抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例27)、高速回転により塗料は微粒化された。また、溝底面が長いために飛散拡大の抑制効果が見られた。
(実施例28〜36)
実施例28〜36では、溝底面長さdを5mmに形成した。
このとき実施例28〜30のように段差面の傾斜角度θを−5°とした場合、ベルカップの回転数が10000rpm(実施例28)或いは15000rpm(実施例29)と低速であると、回転力(遠心力)不足である上、塗料が段差面に沿って流れ、溝底面での衝撃が得られず微粒化されなかった。但し飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例30)、高速回転により塗料は微粒化された。また、溝底面が長いために飛散拡大の抑制効果が見られた。
実施例28〜36では、溝底面長さdを5mmに形成した。
このとき実施例28〜30のように段差面の傾斜角度θを−5°とした場合、ベルカップの回転数が10000rpm(実施例28)或いは15000rpm(実施例29)と低速であると、回転力(遠心力)不足である上、塗料が段差面に沿って流れ、溝底面での衝撃が得られず微粒化されなかった。但し飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例30)、高速回転により塗料は微粒化された。また、溝底面が長いために飛散拡大の抑制効果が見られた。
また実施例31〜33のように段差面の傾斜角度θを0°とした場合、ベルカップの回転数が10000rpmと低速であると(実施例31)、回転力(遠心力)不足により微粒化されなかったが、飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が15000rpmの場合(実施例32)、塗料が溝底面に複数回着地し、一度微粒化された塗料が溝底面上で結合して噴霧塗料は微粒化されなかった。但し、飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例33)、高速回転により塗料は微粒化された。また、溝底面が長いために飛散拡大の抑制効果が見られた。
また、ベルカップの回転数が15000rpmの場合(実施例32)、塗料が溝底面に複数回着地し、一度微粒化された塗料が溝底面上で結合して噴霧塗料は微粒化されなかった。但し、飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例33)、高速回転により塗料は微粒化された。また、溝底面が長いために飛散拡大の抑制効果が見られた。
また実施例34〜36のように段差面の傾斜角度θを5°とした場合、ベルカップの回転数が10000rpmと低速であると(実施例34)、回転力(遠心力)不足により微粒化されなかったが、飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が15000rpmの場合(実施例35)、塗料が溝底面に複数回着地し、一度微粒化された塗料が溝底面上で結合して噴霧塗料は微粒化されなかった。但し、飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例36)、高速回転により塗料は微粒化された。また、溝底面が長いために飛散拡大の抑制効果が見られた。
また、ベルカップの回転数が15000rpmの場合(実施例35)、塗料が溝底面に複数回着地し、一度微粒化された塗料が溝底面上で結合して噴霧塗料は微粒化されなかった。但し、飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmの場合(実施例36)、高速回転により塗料は微粒化された。また、溝底面が長いために飛散拡大の抑制効果が見られた。
(比較例1〜9)
比較例1〜9では、ベルカップ先端に向けてカップ周縁に拡径方向に複数切られた斜面状の溝の傾斜角度を溝形状の条件とした。
これら比較例の結果、溝斜面の傾斜角度にかかわらず、ベルカップの回転数が10000rpm(比較例1、4、7)、或いは15000rpm(比較例2、5、8)と低速の場合には、回転力(遠心力)不足により微粒化されなかったが、飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmと高速の場合(比較例3、6、9)には、塗料を微粒化できたが、飛散拡大を抑制できなかった。
比較例1〜9では、ベルカップ先端に向けてカップ周縁に拡径方向に複数切られた斜面状の溝の傾斜角度を溝形状の条件とした。
これら比較例の結果、溝斜面の傾斜角度にかかわらず、ベルカップの回転数が10000rpm(比較例1、4、7)、或いは15000rpm(比較例2、5、8)と低速の場合には、回転力(遠心力)不足により微粒化されなかったが、飛散拡大は抑制された。
また、ベルカップの回転数が25000rpmと高速の場合(比較例3、6、9)には、塗料を微粒化できたが、飛散拡大を抑制できなかった。
以上の結果、実施例のようにベルカップ周縁端の溝部に、段差面と溝底面とを有することにより、ベルカップ内周面で引き伸ばされた塗料を溝部の溝底面に着地させ、ベルカップの回転数が低速であっても更に微粒化することができることを確認した。特に、溝底面の長さdが1.5〜4.5mmであり、塗布面に対する段差面の傾斜角度θが少なくとも0°〜5°の場合には、十分に微粒化ができ、且つ塗料の飛散範囲の拡大を十分に抑制できることを確認した。
1 ベルカップ(塗装用ベルカップ)
1a 直胴部
1b 拡径部
2 シェーピングリング
3 塗装機本体
3a エアモータ(回転駆動手段)
3e 高電圧発生装置
4 バルブ(圧力エア供給手段)
10 溝部
10a 段差面
10b 溝底面
100 塗装機(回転霧化塗装装置)
1a 直胴部
1b 拡径部
2 シェーピングリング
3 塗装機本体
3a エアモータ(回転駆動手段)
3e 高電圧発生装置
4 バルブ(圧力エア供給手段)
10 溝部
10a 段差面
10b 溝底面
100 塗装機(回転霧化塗装装置)
Claims (3)
- ベル状に形成された拡径部を備え、前記拡径部の中心軸が回転軸に一致して配置されるとともに、軸周りに回転する際の遠心力により前記拡径部の内側面において塗料を引き伸ばしつつ微粒化して噴霧する塗装用ベルカップであって、
前記拡径部は、その内面側の周縁端部に、それぞれ径方向に延設されるとともに周方向に沿って形成された複数の溝部を有し、
前記溝部は、前記拡径部の拡径方向に段差を形成する段差面と、前記段差面の下端から拡径部先端まで延びる溝底面とが形成されていることを特徴とする塗装用ベルカップ。 - 前記溝部に形成された溝底面の径方向長さが1.5〜4.5mmであり、塗布面に対する前記段差面の傾斜角度θが少なくとも0°〜5°の範囲であることを特徴とする請求項1に記載された塗装用ベルカップ。
- 請求項1または請求項2に記載の塗装用ベルカップを備える回転霧化塗装装置であって、
前記塗装用ベルカップと、
前記塗装用ベルカップを回転軸周りに回転可能に支持するとともに、シェーピングエアを噴出し、前記塗装用ベルカップの周縁端部から飛散した塗料を、前記シェーピングエアの流れに沿って導くシェーピングエアリングと、
前記塗装用ベルカップを回転軸周りに回転させる回転駆動手段と、
前記塗装用ベルカップに塗料を供給する塗料供給手段と、
前記シェーピングエアリングに所定の圧力のエアを供給する圧力エア供給手段と、
を備えることを特徴とする回転霧化塗装装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019108961A JP2020199466A (ja) | 2019-06-11 | 2019-06-11 | 塗装用ベルカップ及びこれを備えた回転霧化塗装装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019108961A JP2020199466A (ja) | 2019-06-11 | 2019-06-11 | 塗装用ベルカップ及びこれを備えた回転霧化塗装装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020199466A true JP2020199466A (ja) | 2020-12-17 |
Family
ID=73742287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019108961A Pending JP2020199466A (ja) | 2019-06-11 | 2019-06-11 | 塗装用ベルカップ及びこれを備えた回転霧化塗装装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020199466A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3015587U (ja) * | 1995-03-08 | 1995-09-05 | 英世 本郷 | 回転スプレ−塗装機 |
-
2019
- 2019-06-11 JP JP2019108961A patent/JP2020199466A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP3015587U (ja) * | 1995-03-08 | 1995-09-05 | 英世 本郷 | 回転スプレ−塗装機 |
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