JP2007215578A - 吸脂性粘着性物品及びその製造方法 - Google Patents

吸脂性粘着性物品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】皮脂の分泌の多い部位においても長時間にわたって貼付を続けられる粘着性物品を提供する。
【解決手段】吸脂性基材1に、粘着剤層が存在しない領域の面積が15%〜75%になるよう粘着剤層をパターン状に配置する。粘着剤層の形成には、ホットメルトダイコ−テングによりパタ−ンを形成する。吸脂性基材としては皮脂を吸収、保持するに適した多孔質プラスチックフィルム又はメルトブロ−ン不織布を使用し医療用粘着テープとする。
【選択図】図1

Description

本発明は吸脂性粘着性物品及びその製造方法に関する。
医療用粘着テープ、絆創膏などの粘着性物品は、通常、支持基材の裏面に粘着剤層を塗布したものであり、人の皮膚に直接貼付される。しかし、これらの粘着性物品が一定期間にわたって貼付されると、貼付部の皮膚にむれが生じやすい。またこのむれのため、痒みや皮膚炎症を起こすことがある。この課題に対し、基材として水蒸気透過性のある材質を使用するとともに、基材の裏面にパターン状の接着剤層を形成した粘着性製品が提案されている。
たとえば、特許文献1には、基材であるバッキング層の表面上にパターン状の感圧接着剤層を備え高い水蒸気伝達速度を有する医療用接着性物品が記載されている。バッキング層としては、織布、不織布、編織布や、開口されたフィルムなどから形成された通気性バッキング層が挙げられており、接着剤層がない領域から水蒸気の通過を可能にしている。
また、特許文献2には、支持体材料として水蒸気透過性フィルムを用いるとともに、その裏面にパターン状の接着剤を備えた医療用パッチ材料が記載されている。
一方、人の皮膚の状態は、たとえば、乾燥した皮膚、汗などにより濡れた皮膚、皮脂によって脂ぎった皮膚など、個体差や健康状態などによって様々である。また、体の部位によっても皮膚の状態は異なる。例えば鼻の頭や額などの皮脂の多い部位に粘着性物品(以下において、「粘着テープ」を例として記載)を貼らなければならない場合、皮膚のむれ以上に、皮膚表面からでる皮脂が問題を生じるときがある。例えば、皮膚表面の皮脂量が多いと、粘着テープが貼り付きにくい。また、貼付後に、皮脂によって粘着剤が軟化し、長時間の固定ができないといった問題がある。そのため、病院において、人命に関わる経口、経鼻チューブといったものを人体に固定する場合は、チューブの脱落を防止するために十分に粘着力の強いテープでもってチューブを顔面に固定する必要がある。さらに、皮脂による汚染のために粘着剤の接着力が低下するたびに、テープを交換する必要がある。このようなテープの交換は医療従事者にとって手間になるとともに、皮脂によって軟化した粘着剤が患者の皮膚に残る場合もある。皮膚に粘着剤が残った場合には、次のテープを貼り付ける前に皮膚を洗浄しなければならず、手間がかかるとともに、皮膚への負担にもなる。このように、医療従事者側から見れば、手間と粘着テープの使用量の増加によって、コストが嵩むこととなる。他方、患者側から見れば、テープの交換頻度が多いために、貼付部位の皮膚に損傷を蓄積しやすく、皮膚かぶれといった皮膚トラブルを誘発する危険性がある。そのため、皮脂の分泌の多い部位に長時間貼付を続けられ、かつ患者の皮膚に粘着剤が残らない粘着テープが望まれている。
特表2003−509121号公報(特許請求の範囲など) 特表平8−507711号公報(特許請求の範囲など)
そこで、本発明は、皮脂の分泌の多い部位においても長時間にわたって貼付を続けられ、かつ患者の皮膚に粘着剤が残りにくい粘着性物品を提供することを目的とする。
本発明は、1つの態様によると、(1)吸脂性基材と、前記吸脂性基材上にパターン状に配置された粘着剤層を含む、粘着性物品を提供する。
本発明は、さらなる態様によると、(2)ホットメルトダイコーティングによってパターン状の粘着剤層を吸脂性基材上に形成する工程を含む、上記(1)記載の粘着性物品の製造方法を提供する。
本発明の粘着性物品は、基材として吸脂性基材を使用し、この基材に粘着剤層をパターン状に配置しているので、皮膚から分泌される皮脂が、粘着剤層のない領域を通過して、吸脂性基材によって効率的に吸収される。結果として、粘着剤層の接着力が皮脂の影響を受けることが少なく、皮脂の分泌の多い部位においても安定した粘着力を発揮することができる。
以下において、本発明をその好適な態様に基づいて説明する。
本発明の粘着性物品は吸脂性基材を用いる。本明細書中において「吸脂性基材」とは、脂吸収能力が高い基材をいい、具体的には、少なくとも0.7mg/cm2以上の油吸収能力を有する基材をいう。なお、好ましくは0.8mg/cm2以上、より好ましくは0.9mg/cm2の油吸収能力を持つ。脂吸収能力が0.7mg/cm2未満では、接着剤への皮脂の影響を抑制することが困難となる。また、油吸収能力が6mg/cm2を超えると、むしろ皮膚への悪影響があり好ましくない。
なお、吸脂性基材は、高い脂吸収能力に加えて、透湿性や通気性をあわせ持っていてもよい。
吸脂性基材としては、皮脂を吸収し、そして保持するのに好適な空孔率や空孔径などを有する基材が用いられる。より詳細には、特定の多孔質プラスチックフィルム又はメルトブローン不織布は吸脂性基材として使用されうる。
吸脂性基材は、その基材の単位面積当たりの空隙体積が、次式:
単位面積当たりの空隙体積=〔基材の厚さ(cm)×1(cm)×1(cm)×空孔率(%)〕÷100
(ここで、空孔率は、基材中に占める空孔の割合である)で計算して、0.0001〜0.005cm3 の範囲にあることが好ましい。なお、「空孔率」は、その定義をさらに詳しく説明すると、吸脂性基材の空孔のすべてにその基材と同一組成の材料が充填された時、その充填材料の量の、対応の空孔を有しない基材に対する割合を意味する。また、空孔率は、「空隙率」ともいい、オイル含浸法等により測定できる。
この吸脂性基材の空孔率は、好ましくは5〜70%の範囲であり、より好ましくは20〜50%である。基材厚さは、好ましくは、5〜200μmの範囲であり、より好ましくは10〜100μmである。空孔率が5%を下回ると、吸脂量が低下してしまう。また、反対に70%を上回ると、吸脂された油脂分を保持することが困難になる。さらに、基材の厚さが5μm を下回ると、吸脂量が低下すると同時に、基材のこしがなくなり、所望しない部位に基材が付着して、取扱いが難しくなる。また、反対に200μm を上回ると、透湿性が低くなるとともに、基材が硬くなり、皮膚の形状になじまなくなる。
基材の空孔の平均孔径は概して3〜15μm、好ましくは3〜12μm、そして最も好ましくは4〜8μmである。孔径が3μmよりも小さい場合、油脂の吸収速度が低くなり、孔径が大きすぎると、吸収した油脂を孔中に保持することができなくなる。なお、「孔径」は、ASTM F−316−80に従って、FLUORINERT TM溶剤を湿潤液体として使用して気泡試験法を使用して、μmとして測定される。
吸脂性基材としての多孔質プラスチックフィルムは、たとえば、プラスチック材料の多孔質延伸フィルムである。多孔質延伸プラスチックフィルムは、プラスチック材料を出発物質として使用していろいろな手法に従って製造することができるが、好ましくは、結晶性熱可塑性樹脂に充填剤を添加して主原料とし、これを成膜してプラスチックフィルムとなし、さらにこのフィルムを延伸し、微細な空孔を付与することによって製造できる。このようにして得られる多孔質延伸プラスチックフィルムは、皮膚表面の皮脂分の吸脂性に優れており、また、したがって、単位面積当たりの吸脂量が顕著に大である。
多孔質延伸プラスチックフィルムを製造するに当たり、主たる原材料として使用する結晶性熱可塑性樹脂の好ましい例は、以下に列挙するものに限定されないが、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリ−4−メチルペンテン、エチレン−プロピレンブロック共重合体などを包含し、特に、成膜時に溶融強さを有する点において、変性ポリプロピレンが最適である。
また、微細な空孔の付与のために上記した熱可塑性樹脂と組み合わせて用いられる充填剤の好ましい例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないが、鉱油、グリセリン、石油ゼリー、低分子量ポリエチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサイド、軟質カルボワックス、そしてその混合物を包含する。これらの充填剤のなかで、鉱油は、それが比較的に安価であるため、より好ましい。
上記した充填剤は、フィルムの製造時、使用する原材料中で広い範囲で変更して使用することができる。充填剤の適当な添加量は、好ましくは、原材料の20〜60重量%の範囲であり、さらに好ましくは25〜40重量%の範囲である。ここで、原材料に対する充填剤の添加量が20重量%を下回ると、延伸後に得られるフィルムの空孔率が低下するために吸脂量が低下してしまい、反対に60重量%を上回ると、成膜が困難になり、脆いフィルムしか得ることができない。
さらに、多孔質延伸プラスチックフィルムを製造するに当たり、主原材料としての熱可塑性樹脂及び充填剤に加えて、必要に応じてその他の添加剤を添加してもよい。例えば、主原料の結晶化を容易にする目的で、有機核剤を添加してもよい。適当な有機核剤としては、例えば、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸等の有機酸、あるいは有機アルコールなどを挙げることができる。その他の適当な添加剤としては、例えば、無機又は有機の顔料、香料、界面活性剤、帯電防止剤などを挙げることができる。
充填剤含有プラスチックフィルムを得るため、上記したような主原料及び任意の添加剤を溶融混合して成膜する。この溶融混合工程及び引き続く成膜工程は、常法に従って行うことができる。例えば、適当な溶融混合法として、ニーダーなどによる混練などを挙げることができ、また、適当な成膜方法として、インフレーション法、キャスト法などを挙げることができる。例えば、インフレーション法は、上記した主原料等を溶融混合した後、円形のダイより吹き上げて筒状に成膜することができる。キャスト法は、主原料等を溶融混合した後、ダイよりチルロール(冷却ロール)上に押し出して成膜することができる。また、このキャスト法の1変形例として、溶融混合物をチルロール上に押し出した後、適当な溶剤で添加剤を洗い流すことによって除去することができる。
次いで、微細な空孔の付与のため、成膜後のプラスチックフィルムの延伸を行う。延伸も、成膜と同様、常法に従って一軸延伸あるいは二軸延伸で行うことができる。例えば、二軸延伸を行う場合、長手方向の延伸は駆動ロールの周速を変化させることで行うことができ、幅方向の延伸はフィルムの左右端をチャックでつかみ、機械的に横方向に引っ張ることで行うことができる。
フィルム延伸の条件は、特に限定されないというものの、空孔率が5〜70%の範囲及び延伸後のフィルムの厚さが5〜200μm の範囲となるように延伸するのが好ましい。フィルムの延伸時、空孔率が5%を下回ると、吸脂量が低下してしまい、また、反対に70%を上回ると、吸脂された油脂分を保持することが困難になる。さらに、フィルムの厚さが5μm を下回ると、吸脂量が低下すると同時に、所望しない部位にフィルムが付着してしまい、取扱いが難しくなり、また、反対に200μm を上回ると、通気性が低くなるとともに、フィルムが硬くなり、皮膚の形状になじまなくなる。
プラスチックフィルムの延伸倍率は、通常、1.5〜4.0の範囲であるのが好ましい。このような範囲であると、上述の孔径や空孔率を得ることができるからである。
吸脂性基材としての別の態様は熱可塑性ポリマーのメルトブローン不織布である。この合成繊維不織布は皮膚に対して非刺激性でもある。メルトブローンによる極微小の繊維は、熱可塑性ポリマーのストリームを高温高速繊細化気流中に押出しして直接形成される。次に極微小の繊維をウェブとして、捕集面に比較的低い基本重量(坪量)で捕集する。次にこのウェブに制御されたカレンダー掛けを行って、好ましくは、上述の空隙体積、空孔率、厚さ、孔径などを有する好適な吸脂性基材とすることができる。ウェブは、例えばポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリブチレンなどのポリオレフィンと、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルと、ポリウレタンあるいはナイロン6またはナイロン66などのポリアミドをはじめとする繊維形成熱可塑性材料から形成される。メルトブローン加工によって形成される繊維は、好ましくは10μmよりも小さい平均径を有し、好ましくは平均径7μm以下の極細繊維である。
吸脂性基材は、基材の少なくとも一方の表面に、親水性液体吸収物質が少なくとも部分的に分布せしめられていてもよい。かかる親水性液体物質は、皮膚からの汗、傷口からの体液などの、親水性液体を吸収するように作用する。親水性液体吸収物質は、それが所期の作用効果を奏し得る限りにおいて特に限定されないというものの、好ましくは、界面活性剤である。
親水性液体吸収物質として使用するのに適当な界面活性剤は、以下に列挙するものに限定されないが、例えば、陰イオン界面活性剤:アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステルなど、非イオン界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなど、陽イオン界面活性剤:アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩など、親水性ポリマー:ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど、を挙げることができる。このような界面活性剤のなかでも、親水性の付与に優れ、肌に対する安全性も良好であることから、ソルビタンモノラウレートに代表されるソルビタン脂肪酸エステルを特に有利に使用することができる。
上記のような親水性液体吸収物質から塗工液を調製する場合、適当な溶剤としては、以下に列挙するものに限定されないけれども、例えば、イソプロピルアルコール、エタノール、水、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル、ヘプタンなどを挙げることができる。このような溶剤のなかでも、イソプロピルアルコールは、液体吸収物質の溶解性が比較的に高いこと、揮発性が高いこと、などから、特に有利に使用することができる。
塗工液を吸脂性基材に塗工する際には、常法に従って塗工作業を行うことができる。適当な塗工方法として、例えば、グラビアコーティング、フレキソコーティング、スクリーンコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティングなどを挙げることができる。吸脂性基材の表面における塗工液の被覆量は、使用する液体吸収物質の種類や界面活性の度合い、所望とする効果などに応じて広く変更することができるけれども、通常、約0.1〜3g/m2の量で十分である。
本発明で用いられる粘着剤としては、医療用粘着剤の分野で公知の粘着剤を用いることができ、一般的には医療用のホットメルト塗布可能なアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤を用いることが好ましい。ホットメルトゴム系粘着剤としては、特に制限はなく、一般的に用いられているスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ゴムのような合成ゴムとロジン系粘着付与剤のような粘着付与剤との混合物を用いることができる。合成ゴムとしては、例えば、クレイトンポリマー社製Kraton 1107及びKraton 1112が挙げられ、粘着付与剤としてはHercules Inc., Wilmington DE製FORAL 85が挙げられる。他の合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリル−ブチルゴム(NBR)、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
ホットメルトアクリル系粘着剤としては、例えば(i)平均して少なくとも4個の炭素を有するアルキル基を含む、少なくとも1種のモノエチレン性不飽和(メタ)アクリル酸エステル(以下、「第一のモノマー」とする)と、(ii)少なくとも1種のモノエチレン性不飽和強化用モノマー(以下、「第二のモノマー」とする)とのコポリマーを用いることができる。
第一のモノマーは、アルキル基が平均して少なくとも4個の炭素原子を有する、モノエチレン性不飽和(メタ)アクリル酸エステル(すなわち、アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレート)である。(メタ)アクリレートのアルキル基は、4〜14個の炭素原子を有することが好ましい。このアルキル基は、場合により、ヘテロ原子を含んでもよく、線状であっても分枝状であってもよい。ホモ重合したとき、これらのモノマーは、一般に約10℃未満であるガラス転移温度を有する本質的に粘着性のポリマーを生じる。好ましいこのような(メタ)アクリレートモノマーは、次の一般式
Figure 2007215578
(上式中、R1はH又はCH3であって、後者は、(メタ)アクリレートモノマーがメタクリレートモノマーである場合に相当し、R2は、直鎖又は分枝鎖の炭化水素基から選択され、場合により1個以上のヘテロ原子を含む。R2基内の炭素原子数は、4〜14個であることが好ましく、さらに好ましくは4〜8個である)を有する。
第一のモノマーの例としては、2−メチルブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、4−メチル−2−ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、sec-ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−メトキシ−エチルアクリレート、2−エトキシ−エチルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、及びイソノニルアクリレート等が挙げられるが、その限りではない。第一のモノマーとして使用することができる好ましい(メタ)アクリレートとしては、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−メチルブチルアクリレート、及びn−ブチルアクリレート等がある。第一のモノマーとして分類される様々なモノマーの組み合せを使用して、本発明の粘着剤層のホットメルト粘着剤成分を作ることができる。
本発明の粘着剤層のホットメルトアクリル系粘着剤は、このホットメルトアクリル系粘着剤の総質量に基づいて、少なくとも85wt%の第一のモノマーを含むことが好ましく、さらに好ましくは、少なくとも90wt%、最も好ましくは、少なくとも95wt%の、第一のモノマーを含む。好ましくは、本発明の粘着剤層のホットメルトアクリル系粘着剤は、このホットメルトアクリル系粘着剤の総質量に基づいて、99wt%以下の第一のモノマーを含み、さらに好ましくは、98wt%以下、最も好ましくは、96wt%以下の、第一のモノマーを含む。
モノエチレン性不飽和強化用モノマーである第二のモノマーは、コポリマーのガラス転移温度を上昇させる。本明細書で使用する「強化用」モノマーは、粘着剤のモジュラスを上昇させ、それによって、強度を高めるものである。好ましくは、第二のモノマーは、少なくとも約10℃のホモポリマーガラス転移温度(Tg)を有する。なお、ガラス転移温度(Tg)はJIS-K7121にしたがって測定される。さらに好ましくは、第二のモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、及びアクリレートを含む、強化用モノエチレン性不飽和遊離基共重合可能な(メタ)アクリル系モノマーである。第二のモノマーの例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、アセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N、N−ジエチルアクリルアミド、N−エチル−N−アミノエチルアクリルアミド、N−エチル−N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N、N−ジメチロールアクリルアミド、N,N−ジヒドロキシエチルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、及び1,1,3,3−テトラメチルブチルアクリルアミド等のアクリルアミド類が挙げられるが、それらに限定されない。第二のモノマーのその他の例としては、アクリル酸及びメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、2,2−(ジエトキシ)エチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート又はメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート又はメタクリレート、メチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、2−(フェノキシ)エチルアクリレート又はメタクリレート、ビフェニリルアクリレート、t−ブチルフェニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジメチルアダマンチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、フェニルアクリレート、N−ビニルピロリドン、及びN−ビニルカプロラクタムなどが挙げられる。第二のモノマーとして使用することができる好ましい強化用一官能価アクリル系モノマーとしては、アクリル酸及びメタクリル酸などがある。第二のモノマーとして分類される様々な強化用一官能価モノマーの組み合わせを使用して、ホットメルトアクリル系粘着剤のコポリマーを作ることができる。
好ましくは、粘着剤層のホットメルトアクリル系粘着剤は、このホットメルトアクリル系粘着剤の総質量に基づいて、少なくとも1wt%の第二のモノマーを含み、さらに好ましくは、少なくとも2wt%、最も好ましくは、少なくとも6wt%の、第二のモノマーを含む。好ましくは、粘着剤層のホットメルトアクリル系粘着剤は、このホットメルトアクリル系粘着剤の総質量に基づいて、15wt%以下の第二のモノマーを含み、さらに好ましくは、10wt%以下、最も好ましくは、5wt%以下の、第二のモノマーを含む。
粘着剤層のためのホットメルトアクリル系粘着剤は、上記の第一のモノマー及び第二のモノマーに加え、これらと共重合可能な他のモノマー、例えばビニルエステル、及びN−ビニルラクタム類が存在していてもよい。その例としては、ポリスチレンマクロマー、ポリ(メチルメタクリレート)マクロマー、ポリ(メトキシ−エチレングリコール)マクロマー、4−(N、N−ジメチルアミド)ブチルアクリレート、N−ビニルピロリドン;N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニルラクタム類;及びN−ビニルホルムアミド等があるが、それらに限定されない。必要に応じて、これらのモノマーの様々な組み合せを使用することができる。好ましくは、この場合により存在しうるモノマーは、ホットメルトアクリル系粘着剤の2wt%〜20wt%の量で含まれることができる。
本発明で使用する粘着剤層は、場合により、フィルム形成成分を含んでもよい。フィルム形成成分は、フィルム形成成分は、常温において固体でありかつ粘着性を示さない熱可塑性樹脂、より好ましくは軟化点が25〜300℃の範囲にある熱可塑性樹脂より構成される。なお、軟化点はJIS-K7206に準拠して測定される。具体的には、この熱可塑性樹脂は、ポリビニル、ポリエステル、ポリウレタン、セルロース樹脂、ポリアミド及びアセタール樹脂からなる群より選ばれる。ポリビニルとしてはポリオレフィン及びアクリル樹脂が例示され、ポリオレフィンとしてはポリエチレン(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体が例示され、アクリル樹脂としてはアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチルが例示される。ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートが例示される。セルロース樹脂としてはセルロースアセテートが例示される。このフィルム形成成分はホットメルト粘着剤成分中に均一に分散されることが好ましい。
粘着剤層の、剪断強さ、凝集強さ、弾性率、及び初期タックもしくは初期粘着力を改良するために、粘着剤層を構成するコポリマー及びフィルム形成成分中のものを架橋してもよい。架橋剤は、第一のモノマー及び第二のモノマー並びに他のモノマーと共重合されるものであることが好ましい。架橋剤は、化学的架橋(たとえば、共有結合)を生じさせることができる。あるいは、架橋剤は、たとえば、相分離又は酸塩基相互作用による強化ドメインの形成に起因する物理的架橋を生じさせることができる。様々な架橋剤の組合わせを使用して、本発明で使用されるコポリマー成分を作ることができる。このような架橋剤としては、化学的架橋剤、物理的架橋剤及び金属架橋剤が挙げられる。
化学架橋剤としては、たとえば、多価アジリジン等の熱架橋剤などがある。その1例は、しばしば「ビスアミド」と呼ばれる、1,1′−(1,3−フェニレンジカルボニル)−ビス−(2−メチルアジリジン)である。このような化学的架橋剤は、重合後に酸官能基を含む溶剤系粘着剤に加え、塗布された粘着剤の炉乾燥中に、熱によって活性化させることができる。また、ヘキサンジオールジアクリレートなどの多官能アクリレートをモノマー中に少量で含有させると、重合時に架橋を行なうことができる。
この化学架橋剤は、オルト−芳香族ヒドロキシル基を含まない、共重合可能なモノエチレン性不飽和芳香族ケトンモノマーである。具体例としては、パラ−アクリルオキシベンゾフェノン、パラ−アクリルオキシエトキシベンゾフェノン、パラ−N−(メチルアクリルオキシエチル)−カルバモイルエトキシベンゾフェノン、パラ−アクリルオキシアセトフェノン、オルト−アクリルアミドアセトフェノン、アクリル化アントラキノン類等々がある。他の適当な架橋剤としては、架橋反応を実行するのに遊離基を頼みにする化学的架橋剤などがある。例えば、ペルオキシド類等の試薬は、遊離基の前駆体の役割を果たす。十分に加熱したとき、これらの前駆体は、ポリマー鎖の架橋反応をもたらす遊離基を生成する。
熱架橋剤又は感光性架橋剤を別にして、架橋は、例えば、紫外線、X線、γ線又は電子線等の放射線又は高エネルギー電磁放射線を使用して行うことができる。
物理架橋剤としては、ビニル官能基を含み、かつポリスチレン及びポリメチルメタクリレートを主成分とするもの等の、Tgの高いマクロマーが挙げられる。このようなビニル末端ポリマー架橋用モノマーは、高分子モノマー(すなわちマクロマー)と呼ばれることもある。一般に、このようなモノマーは陰イオン重合又は遊離基重合で調製される。
金属架橋剤としては、金属含有塩類又は他の金属含有化合物などが挙げられる。適当な金属としては、たとえば、亜鉛、チタンなどがある。金属含有化合物の例としては、酸化亜鉛、炭酸アンモニウム亜鉛、ステアリン酸亜鉛等々が挙げられる。
これらの架橋剤を使用する場合、粘着剤を架橋させて十分な凝集強さを提供し、被着体に対して所望の最終的接着力特性をもたらすのに十分な量を意味する有効な量で、架橋剤を使用する。使用する場合、モノマー100部を基準にして0.1部〜10部の量で架橋剤を使用することが好ましい。
粘着剤の特性を変えるために、その他の添加剤を、粘着剤形成成分及びフィルム形成成分に含めてもよく、あるいは、これらの2成分の混合物の配合時又は塗布時に加えてもよい。このような添加剤としては、可塑剤、粘着付与剤、顔料、補強剤、強化剤、難燃剤、酸化防止剤、及び安定剤などがある。添加剤は、所望の最終用途特性を得るのに十分な量で加えられる。また、ガラス又はポリマーのバブル又はビーズ(発泡であっても未発泡であってもよい)、繊維、疎水性又は親水性シリカ、ポリエステル、ナイロン、及びポリプロピレン等の細かく粉砕したポリマー粒子等の充填剤を添加してもよい。
また、(メタ)アクリレートと酸性コモノマーとの共重合を促進するために遊離基開始剤を加えることが好ましい。使用される開始剤のタイプは、重合方法によって異なる。モノマーの重合可能な混合物を重合するのに有用な光開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル又はベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル類、2−メチル−2−ヒドロキシプリピオフェノン等の置換ベンゾインエーテル類、2−ナフタレン塩化スルホニル等の芳香族塩化スルホニル類、及び1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム等の光活性な酸化物などがある。市販の光開始剤の一例は、IRGACURE 651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、Ciba-Geigy Corporationから市販)である。適当な熱開始剤の例としては、AIBN(2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル))、tert−ブチルヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド類、及びベンゾイルペルオキシド及びシクロヘキサンペルオキシド等のペルオキシド類などが挙げられる。一般に、開始剤は、共重合可能なモノマーの質量を基準にして、0.005wt%〜1wt%の量で存在する。
また、コポリマーの分子量を調節するために、連鎖移動剤も場合により含む。連鎖移動剤は、遊離基重合を制御する物質であり、一般に、当技術分野で周知である。適当な連鎖移動剤としては、アルコール類(たとえば、メタノール、エタノール及びイソプロパノール)、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素;ラウリルメルカプタン、ブチルメルカプタン、エタンチオール、イソオクチルチオグリコレート(IOTG)、2−エチルヘキシルチオグリコラート、2−エチルヘキシルメルカプトプリピオネート、2−メルカプトイミダゾール、及び2−メルカプトエチルエーテル等のイオウ化合物及びそれらの混合物などがある。有用な連鎖移動剤の量は、望ましい連鎖移動剤の分子量及びタイプによって異なる。非アルコール連鎖移動剤は、一般に、総モノマー100部当たり0.001〜10質量部の量で使用され、好ましくは、0.01部〜0.5部、最も好ましくは0.02部〜0.20部の量で使用され、アルコール含有系の場合には、もっと多くてもよい。
このコポリマーは、多種多様な従来の遊離基重合方法で重合することができる。
例えば、溶液重合方法では、アルキル(メタ)アクリレートモノマー及び酸性モノマーを、適当な不活性な有機溶剤、及び使用する場合、遊離基共重合可能な架橋剤と一緒に、スターラー、温度計、コンデンサー、添加用ロート、及びサーモウォッチ(商標)温度モニタを備えた4つ口反応容器に入れる。このモノマー混合物を反応容器に入れた後、濃縮した熱遊離基開始剤溶液を添加用ロートに加える。次いで、反応容器全体及び添加用ロート及びそれらの内容物を、窒素でパージし、不活性な雰囲気を作る。いったんパージしたら、容器内の溶液を加熱して、添加した熱開始剤を分解し、反応中ずっと混合物を攪拌する。一般に、約20時間で、約98〜約99%の転換が得られる。必要に応じて溶剤を除去し、ホットメルト塗布可能な粘着剤を生成する。必要であれば、適当な不活性な有機溶剤は、反応物及び生成物に対して不活性な有機液体であってもよく、そうでなければ反応に悪影響を及ぼさない。このような溶剤としては、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、及びそれらの混合物などがある。溶剤の量は、反応物(モノマー、架橋剤、開始剤)及び溶剤の総質量に基づいて、一般に約30wt%〜約80wt%である。
別の重合方法は、モノマー混合物の紫外線(UV)開始光重合である。この組成物は、適当な光開始剤及び架橋剤と共に、可撓性担体ウェブ上に塗布され、不活性な雰囲気、すなわち、窒素雰囲気等の無酸素雰囲気で重合される。十分に不活性な雰囲気を実現することができる。光活性な被覆層を、実質的に紫外線を通すプラスチックフィルムで覆い、一般に、約500ミリジュール/cm2の総線量を与える蛍光灯型の紫外線ランプを使用して、空気中で、そのフィルムを通して照射する。
押出機内での連続遊離基重合、バッチ反応器を使用した本質的に断熱的な重合方法;無溶媒重合方法を使用して、コポリマーを製造することも可能である。
前述したフィルム形成成分を含む場合、ホットメルト粘着剤との割合は、40〜98wt%のホットメルト粘着剤及び2〜60wt%のフィルム形成成分である。フィルム形成成分は粘着剤層に強度を与えるが、多すぎると、接着力が足りなくなる。
本発明の粘着性物品の粘着剤層は、パターン状に形成されており、粘着剤層が存在しない領域において、吸脂性基材が皮脂を吸収するようになっている。したがって、粘着剤層のパターンは、かかる目的を達成することができるかぎり、いかなるパターンであってもよい。図1には、考えられる粘着剤塗布パターンの概略上面図を示す。斜線部分は粘着剤存在領域を示し、斜線のない部分は粘着剤不在領域を示す。図1(a)は、格子形状の粘着剤不在領域を有するパターンを示し、図1(b)は波形ストライプ形状の粘着剤不在領域を有するパターンを示し、図1(c)はストライプ形状の粘着剤不在領域を有するパターンを示し、そして図4(d)は亀甲形状の粘着剤不在領域を有するパターンを示している。たとえば、図1(a)は粘着剤層を互いに交差する2つの直線状ストライプに形成して塗工して得ることができる。粘着剤層は皮膚に対する粘着性を発揮できるかぎりいかなる厚みでもかまわず、一般的に5〜1000μmの範囲、好ましくは10〜350μmの範囲であれば良い。粘着剤層の不在領域は、好ましくは、吸脂性基材の面積の15%〜75%、より好ましくは15%〜50%である。粘着剤層の不在領域が15%より少ないと、吸脂性基材と皮膚との接触面積が十分でなく、十分な吸脂性を達成できなくなり、75%を超えると、粘着性物品の粘着力が不十分になることがある。
図1(a)は平行四辺形(図示しているのはひし形)の開口部を設けた格子パターンを有し、この開口部の最長対角線長さ(A)の最短対角線長さ(B)に対する比は好ましくは15〜1であり、より好ましくは10〜1であり、最短対角線長さ(B)は好ましくは0.3〜7mmであり、さらに好ましくは1〜4mmであり、且つ、最短対角線長さ(B)に沿ったストライプ交差部の長さ(C)の最短対角線長さ(B)に対する比は好ましくは0.15〜1.5である。
このような寸法のパターンであると、360°どの方向にも伸縮する皮膚に対して追従できる。また、皮膚の表面パターンと類似しているので、皮膚追従性を付与して剥離時の痛みを抑制し、さらには貼付中や剥離時の機械刺激を緩和できる。
本発明の粘着性物品(たとえば、粘着テープ)は以下のとおりに製造される。まず、表面が剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの剥離フィルム上にホットメルト系粘着剤をパターン状にダイコートし、該粘着剤層を吸脂性基材上に転写することで製造できる。また、剥離フィルムは使用時に除去するまで保護フィルムとして作用することもできる。あるいは、吸脂性基材上に直接的にホットメルト系粘着剤をパターン状にダイコートすることで製造できる。
上記のとおり、本発明の粘着性物品の粘着剤層はダイコーティングにより形成することができる。ダイコーティングによると、粘着剤層を形成するように粘着剤塗布液を塗工する際に、粘着剤に対して延伸をかけることができ、粘着剤層を構成するポリマー分子を配向させることができる。このようなポリマー分子の配向により、粘着剤層に適度な強度をもたせることができる。
以下において、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例に限定されない。なお、特に指示がないかぎり、部は質量部を意味し、百分率は質量百分率を意味する。
<実施例1>
−吸脂性基材の製造
吸脂性基材を以下のとおりに製造した。下記の原料を記載の量で溶融混合した。
ポリプロピレン樹脂(ユニオン・カーバイド社から商品名「5D45」として入手可能)63.3部
鉱油(アモコ・オイル・アンド・ケミカル社から商品名「White Mineral Oil #31」として入手可能)34.0部
有機核剤(ヘキスト・セラネーズ社から商品名「BlueP−526」として入手可能)2.75部。
次いで、得られた溶融混合物を押し出しダイから冷却ロール上にキャストして成膜した。次いで、得られたフィルムを二軸延伸(長手方向に1.8倍、幅方向に1.8倍)し、下記の特徴を有する多孔質延伸プラスチックフィルムが得られた。
フィルムの厚さ 0.0035cm
空孔率 25%
単位面積当たりの空隙体積 0.000875cm3
なお、空隙体積と空孔率は次の手順により「オイル含浸法」を用いて測定した。
まず、多孔質延伸プラスチックフィルムから100mm×100mmのサンプルをダイカットし、0.001gの桁まで秤量した。3個のサンプルを測定して平均し、単位面積あたりの重量(g/m2)を測定した。次に、このサンプルを容器中の白色鉱物油に浸した。サンプルを1分後に白色鉱物油から取り出し、ティシュで、サンプル表面の過剰な油を注意深くぬぐい取った後、このサンプルを0.001gの桁まで秤量した。3個のサンプルを測定し、その平均を求めた。空孔率と単位面積あたりの空隙体積は、以下の式により求めた。
空孔率(%):{(D1−Do)/p}/V×100
単位面積あたりの空隙体積(cm3):フィルム厚さ(cm)×1(cm2)×空孔率/100
ここで、
o=初期サンプル重量(mg)
1=浸漬後サンプル重量(mg)
p=白色鉱物油の密度(mg/cm3
A=サンプル面積(cm2
V=フィルム容積(cm3)=A×フィルム厚さ
−粘着剤の製造
2リットルのフラスコに750gの脱イオン水を入れ、これに1.5gのZnO及び0.75gの親水性シリカを加えた。フラスコを窒素でパージし、ZnOとシリカが分散するまで55℃に加熱して、分散液を得た。一方、これとは別に、480gのイソオクチルアクリレート、20gのメチルメタクリレート及び1gのアクリルオキシベンゾフェノンの混合物に2.5gのVAZOTM64(E.I.DuPont社製の開始剤の商品名)及び0.5gのイソオクチルチオグリコレート(連鎖移動剤)を攪拌しながら加えた。このようにして得られた溶液に、上述の分散液を激しく攪拌しながら(700rpm)加え、懸濁液を得た。少なくとも6時間、窒素パージしながら反応を続け、その間、反応温度が70℃を超えないようにした。こうして形成したビーズをろ過により集め、脱イオン水で洗浄した。これを乾燥し、エクストルーダーにて165℃で押出し、ホットメルト粘着剤原料を得た。
−粘着テープの製造
次に、上記のとおりに製造した粘着剤原料を140℃にて、厚みが50μmとなるようにかつ図1(a)に示すようなパターンとなるように、ホットメルトダイコートプロセスにより、剥離紙の滑面に塗布して粘着剤層を形成し、その後、該粘着剤層を、上記のとおりに製造した吸脂性基材の片面に転写することで、粘着テープを形成した。なお、粘着剤層のパターンの構成は以下のとおりであった。
長手方向の開口部の長さ(図1(a)中、符号Aとして記載):4mm
横手方向の開口部の長さ(図1(a)中、符号Bとして記載):2mm
隣り合う開口部の距離(図1(a)中、符号Cとして記載):2mm
粘着剤不在領域:25%
<実施例2>
実施例1と同様に粘着テープを製造したが、以下のとおりの変更を行なった。
長手方向の開口部の長さ(図1(a)中、符号Aとして記載):4mm
横手方向の開口部の長さ(図1(a)中、符号Bとして記載):2mm
隣り合う開口部の距離(図1(a)中、符号Cとして記載):0.5mm
粘着剤不在領域:64%
<実施例3>
実施例1と同様に粘着テープを製造したが、以下のとおりの変更を行なった。
長手方向の開口部の長さ(図1(a)中、符号Aとして記載):4mm
横手方向の開口部の長さ(図1(a)中、符号Bとして記載):2mm
隣り合う開口部の距離(図1(a)中、符号Cとして記載):3mm
粘着剤不在領域:16%
<実施例4>
−粘着剤の製造
2−エチルヘキシル95部、アクリル酸5部、光開始剤0.04部(チバアディティブ製(Ciba Additives)のイルガキュア(IrgacureTM)184(商品名))、架橋剤0.005部(ヘキサンジオールジアクリレート)、連鎖移動剤0.03部(イソオクチルチオグリコレート)を混合した。前記組成物を数分間、気泡生成窒素ガス流を用いて脱気した。次に、前記組成物を、窒素ガス雰囲気下において40ワットの螢光ブラックライト(オスラムシルバニア(Osram Sylvania)から入手できる350BL(商品名))に露光して粘着剤原料を得た。
長手方向の開口部の長さ(図1(a)中、符号Aとして記載):4mm
横手方向の開口部の長さ(図1(a)中、符号Bとして記載):2mm
隣り合う開口部の距離(図1(a)中、符号Cとして記載):2mm
粘着剤不在領域:25%
<実施例5>
実施例4と同様に粘着テープを製造したが、以下のとおりの変更を行なった。
長手方向の開口部の長さ(図1(a)中、符号Aとして記載):4mm
横手方向の開口部の長さ(図1(a)中、符号Bとして記載):2mm
隣り合う開口部の距離(図1(a)中、符号Cとして記載):0.8mm
粘着剤不在領域:50%
<実施例6>
実施例4と同様に粘着テープを製造したが、以下のとおりの変更を行なった。
長手方向の開口部の長さ(図1(a)中、符号Aとして記載):4mm
横手方向の開口部の長さ(図1(a)中、符号Bとして記載):2mm
隣り合う開口部の距離(図1(a)中、符号Cとして記載):0.5mm
粘着剤不在領域:64%
<比較例1>
粘着剤を吸脂性基材の片面の全体に塗布することを除いては実施例4と同様に粘着テープを得た(すなわち、パターンなし、粘着剤不在領域0%)
<比較例2>
吸脂性基材の代わりに、吸脂性のないポリエチレンテレフタレート(PET)基材(フィルム厚さ0.005cm)を用いたことを除いては実施例4と同様に粘着テープを得た(粘着剤不在領域25%)。
<参考例>
実施例4と同様に粘着テープを製造したが、以下のとおりの変更を行なった。
長手方向の開口部の長さ(図1(a)中、符号Aとして記載):4mm
横手方向の開口部の長さ(図1(a)中、符号Bとして記載):2mm
隣り合う開口部の距離(図1(a)中、符号Cとして記載):0.2mm
粘着剤不在領域:80%
上記の実施例及び比較例について、吸脂性及び油性皮膚接着力の評価を行なった。
1.吸脂性
スチール板の上にオリーブオイルを一滴(0.2ml)たらし、2.5cm×7cmの範囲に延した。オリーブオイルが延されたスチール板に2.5cm×7cmの粘着テープを、粘着面がオリーブオイルに接触するように貼付し、2kgローラで300mm/分の速度で貼付されたテープの上を1往復させて圧着した。3分間の放置後に、テープをスチール板からはがし、スチール板の表面に残った、オリーブオイルの量を目視評価した。表1に結果を示す。表中、
+はスチール板にオリーブオイルが殆ど残っておらず、吸脂性が良好であることを意味する。
−はスチール板にオリーブオイルが残っており、吸脂性が不良であることを意味する。
2.油性皮膚接着力
健常人の背中にオリーブオイルを一滴(0.2ml)たらし、2.5cm×7cmの範囲に延した。オリーブオイルが延された皮膚に2.5cm×7cmの粘着テープを、粘着面がオリーブオイルに接触するように貼付し、2kgローラで300mm/分の速度で貼付されたテープの上を1往復させて圧着した。圧着後の所定時間の後(T0は圧着後1分間経過後、T48は圧着後48分間経過後の測定値)に、180度剥離角度で剥離速度150分/分で剥離したときの剥離強度を測定した。表1に結果を示す。
Figure 2007215578
本実施例の粘着性物品は、吸脂性があり、皮脂を十分に吸収することができるので、長時間の使用の後にも高い接着性を維持している。一方、粘着剤を基材全面に塗布した場合及び吸脂性のない基材を用いた比較例の粘着性物品の場合には、皮脂の影響によって、時間の経過とともに接着力が不十分になった。さらに、参考例の結果から、粘着剤不在領域が大きすぎると、接着力が不十分になることがあるので、粘着剤不在領域は、80%未満、さらには75%未満が好ましいことがわかった。
粘着剤塗布パターンの概略平面図を示す。

Claims (6)

  1. 吸脂性基材と、
    前記吸脂性基材上にパターン状に配置された粘着剤層を含む、粘着性物品。
  2. 前記吸脂性基材の面積に対し、前記粘着剤層が存在しない領域の面積が、15〜75%である、請求項1記載の粘着性物品。
  3. 前記吸脂性基材は、多孔質延伸プラスチックフィルム又はメルトブローン不織布である、請求項1または2記載の粘着性物品。
  4. 前記吸脂性基材は、その基材の単位面積当たりの空隙体積が、次式:単位面積当たりの空隙体積=〔フィルムの厚さ(cm)×1(cm)×1(cm)×空孔率(%)〕÷100(ここで、空孔率は、多孔質フィルム中に占める空孔の割合である)で計算して、0.0001〜0.005cm3 である、請求項1〜3のいずれか1項記載の粘着性物品。
  5. 前記粘着性物品は医療用粘着テープである、請求項1〜4のいずれか1項記載の粘着性物品。
  6. ホットメルトダイコーティングによってパターン状の粘着剤層を吸脂性基材上に形成する工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の粘着性物品の製造方法。
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