JP2007214313A - 発光ダイオード及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】組成式(AlXGa1-X)YIn1-YP(0≦X≦1,0<Y≦1)から成る発光層を含む発光部を有し、該発光部を含む化合物半導体層を透明基板と接合された発光ダイオードである。この発光ダイオードの主たる光取り出し面とは逆の面に第1の電極と、第1の電極と極性の異なる第2の電極とを有し、第1の電極側の表面には反射金属膜が形成され、第2の電極は第1電極と対向する側に露出させた化合物半導体層上の角の位置に形成されている。透明基板の側面は、発光層に近い側では発光層の発光面に対して略垂直である第1の側面と、発光層に遠い側では発光面に対して傾斜している第2の側面からなる。
【選択図】図2
Description
本発明は光り取り出し面とは逆の面に2つの電極を有する発光ダイオードにおいて、光取り出し効率が高く、高輝度の発光ダイオードを提供することを目的とする。
(1)組成式(AlXGa1-X)YIn1-YP(0≦X≦1,0<Y≦1)から成る発光層を含む発光部を有し、該発光部を含む化合物半導体層を透明基板と接合された発光ダイオードにおいて、発光ダイオードの主たる光取り出し面とは逆の面に第1の電極と、第1の電極と極性の異なる第2の電極とを有し、第1の電極側の表面には反射金属膜が形成され、第2の電極は第1の電極と対向する側に露出させた化合物半導体層上の角の位置に形成され、透明基板の側面は、発光層に近い側では発光層の発光面に対して略垂直である第1の側面と、発光層に遠い側では発光面に対して傾斜している第2の側面を有することを特徴とする発光ダイオード。
(2)第2の電極が、第2の側面の傾斜構造の下方に位置することを特徴とする上記(1)に記載の発光ダイオード。
(3)透明基板が、n型のGaPであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の発光ダイオード。
(5)透明基板の厚さが50μm〜300μmであることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか1項に記載の発光ダイオード。
(6)透明基板と接合される発光部の最表層の厚さが0.5〜20μmであることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか1項に記載の発光ダイオード。
(7)発光部の最表層がGaPであることを特徴とする上記(6)に記載の発光ダイオード。
(8)発光部の最表層がGaXP1-X(0.5<X<0.7)であることを特徴とする上記(6)に記載の発光ダイオード。
(9)第2の側面と発光面に平行な面とのなす角度が、55度〜80度の範囲内であることを特徴とする上記(1)〜(8)の何れか1項に記載の発光ダイオード。
(10)第1の側面の幅が、30μm〜100μmの範囲内であることを特徴とする上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の発光ダイオード。
(11)第1の電極が、幅10μm以下の線状電極であることを特徴とする上記(1)〜(10)の何れか1項に記載の発光ダイオード。
(12)発光部が、GaP層を含み、第2の電極が、該GaP層上に形成されていることを特徴とする上記(1)〜(11)の何れか1項に記載の発光ダイオード。
(14)透明基板の傾斜面が、粗面化されていることを特徴とする上記(1)〜(13)の何れか1項に記載の発光ダイオード。
(15)組成式(AlXGa1-X)YIn1-YP(0≦X≦1,0<Y≦1)から成る発光層を含む発光部を形成し、その後該発光部を含む化合物半導体層を透明基板と接合し、化合物半導体層透明基板と反対側の主たる光取り出し面とは逆の面に第1の電極と、第1の電極と極性の異なる第2の電極とを、第2の電極は第1の電極と対向する側に露出させた半導体層上の角に形成し、第1の電極側の表面に反射金属膜を形成し、透明基板の側面に、発光層に近い箇所では発光層の発光面に対して略垂直である第1の側面を形成し、発光層に遠い箇所では発光面に対して傾斜している第2の側面をダイシング法で形成することを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
(16)第1の側面をスクライブ・ブレーク法で形成することを特徴とする上記(15)に記載の発光ダイオードの製造方法。
(17)第1の側面をダイシング法で形成することを特徴とする上記(15)に記載の発光ダイオードの製造方法。
(18)上記(1)〜(14)に記載の発光ダイオードをフェイスダウン状態で実装した発光ダイオード。
透明な支持体層は、発光部を機械的に充分な強度で支持できる様に凡そ、50μm以上の厚みであるのが望ましい。また、接合後に透明な支持体層への機械的な加工を施し易くするため、約300μmの厚さを超えないものとするのが望ましい。(AlXGa1-X)YIn1-YP(0≦X≦1,0<Y≦1)から成る発光層を備えた化合物半導体LEDにあって、透明な支持体層を、厚さを約50μm以上で約300μm以下とするn型GaP単結晶体から構成するのが最適である。
また本発明では、透明基板の側面を、発光層に近い側の箇所では発光層の発光面に対して略垂直の第1側面とし、発光層に遠い側の箇所では発光面に対して傾斜させた第2側面とする。傾斜は図2のように半導体層の内側に向けて傾斜しているのが好ましい。本願発明において、このような構成とした理由は、発光層から透明基板側に放出された光を効率よく外部に取り出すためである。すなわち、発光層から透明基板側に放出された光のうち一部は第1の側面で反射され、第2の側面で取り出すことができる。また、第2の側面で反射された光は第1の側面で取り出すことができる。第1の側面と第2の側面の相乗効果により、光の取り出し確率を高めることが可能となる。
また、本願発明では、第1の側面の幅(厚さ方向)を、30μm〜100μmの範囲内とするのが好ましい。第1の側面の幅をこの範囲内にすることにより、反射金属膜で反射された光を、第1の側面の箇所で、効率よく第2の側面に導き、主たる光取り出し面から放出させることが可能となるため、発光ダイオードの発光効率を高めることが可能となる。
本発明では、第1の電極は幅10μm以下の線状電極で構成するのが好ましい。線状電極として格子状、網目状、櫛形などの形状とすることができる。このような構成とすることにより、高輝度化の効果が得られる。電極の幅を狭くすることにより、反射金属膜の開口面積を上げることができ、高輝度化が得られる。電極材料は公知のものでよく、好ましいのはAu−Ge合金である。電極材料は半導体層との接合界面で光の吸収層が生じ、光を反射しない。
そのため発光ダイオードの第1電極側の表面にはn電極とは別に反射金属膜が形成される。反射金属膜はAu、Pt、Ti、Alなどが用いられる。反射金属膜は電極部以外の表面全面に形成することが好ましく、第1の電極を覆うように電極上にも形成してもよい。
本発明では、第1の電極の極性をn型とし、第2の電極の極性をp型とするのが好ましい。このような構成とすることにより、高輝度化の効果が得られる。第1の電極をp型とすると、電流拡散が悪くなり、輝度の低下を招く。第1の電極をn型とすることにより、電流拡散が良くなり、高輝度化が得られる。
本発明では、透明基板の傾斜面を粗面化するのが好ましい。このような構成とすることにより、傾斜面での光取り出し効率を上げる効果が得られる。傾斜面を粗面化することにより、傾斜面での全反射を抑制して、光取り出し効率を上げることができる。粗面化は、例えば、燐酸過水(燐酸と過酸化水素と水の混合物)+塩酸の化学エッチングにより行うことができる。
先ずGaAs等の基板上に組成式(AlXGa1-X)YIn1-YP(0≦X≦1,0<Y≦1)から成る発光層を含む発光部を形成する。その後該発光部を含む化合物半導体層を透明基板と接合し、GaAs等の基板は除去する。この透明基板側を光の主たる取り出し面とする。基板を除去した後の主たる光取り出し面とは逆の面に第1の電極と、第1の電極と極性の異なる第2の電極とを形成する。第1の電極は基板を除去した表面に電極となる金属膜を蒸着し、その後フォトリソグラフィー手段を利用して所望のパターニングを施し、電極以外の部分を除去する。第2の電極は第1の電極と対向する側に露出させた半導体層上の角に形成する。第1の電極を形成後、第1の電極の表面側に反射金属膜を形成する。反射金属膜は第1の電極を覆うようにしてもよい。次に透明基板の側面に、発光層に近い箇所では発光層の発光面に対して略垂直である第1の側面を形成し、発光層に遠い箇所では発光面に対して傾斜している第2の側面をダイシング法で形成して発光ダイオードが得られる。
本発明では、第2の側面をダイシング法で形成することにより、製造歩留まりを向上させる効果が得られる。第2の側面は、ウェットエッチング、ドライエッチング、スクライブ法、レーザー加工などの方法を組み合わせて、作製できるが、形状の制御性、生産性の高いダイシング法が最適な製造方法である。
本願発明では、第1の側面をスクライブ・ブレーク法、または、ダイシング法で形成するのが好ましい。前者の製造方法を採用することにより、製造コストを低下させることができる。すなわち、この製造方法ではチップ分離の際、切りしろが必要ないため、数多くの発光ダイオードが製造でき、製造コストを下げることができる。後者では、高輝度化の効果が得られる。この製造方法を採用することにより、第1の側面からの光取り出し効率が上がり、高輝度化が得られる。
図1および図2は、本実施例で作製した半導体発光ダイオードを示した図で、図1はその平面図、図2は図1のI−I線に沿った断面図である。図3は、半導体発光ダイオードに用いられる半導体エピタキシャルウェーハの層構造の断面図である。
本実施例で作製した半導体発光ダイオード10は、AlGaInP発光部を有する赤色発光ダイオード(LED)である。
本実施例では、GaAs基板上に設けたエピタキシャル積層構造体(エピウェーハ)とGaP基板とを接合させて発光ダイオードを作製する場合を例にして、本発明を具体的に説明する。
コンタクト層131の表面に第1のオーミック電極15を形成するため、AuGeNi合金(Au87質量%、Ge12質量%、Ni1質量)で厚さが0.5μmの膜を真空蒸着法により形成した。一般的なフォトリソグラフィー手段を利用しこの膜に図1に示すような電極パターニングを施し、電極以外の膜を除去し、オーミック電極15とした。次いで膜を除去した領域及び電極上を覆うようにPtを0.2μm、Auを1μmの厚さにして真空蒸着法により反射金属膜17を形成した。 次に、p電極を形成する領域のエピ層131〜134を選択的に除去し、GaP層135を露出させた。GaP層の表面にAuBeを0.2μm、Auを1μm、Ptを0.2μm、Auを2.0μmとなるように真空蒸着法でp形オーミック電極16を形成した。
450℃で10分間熱処理を行い、合金化し低抵抗のp型およびn型オーミック電極を形成した。
次に発光ダイオードの表面をレジストで保護して傾斜面をリン酸過水+塩酸のエッチャントによりエッチングして粗面化した。粗面の凹凸は平均約500nmであった。
次に、裏面側からダイシングソーを用い350μm間隔で切断し、チップ化した。ダイシングによる破砕層および汚れを硫酸・過酸化水素混合液でエッチング除去し、半導体発光ダイオード(チップ)10を作製した。
上記の様にして作製したLEDチップ10を、図5及び図6に模式的に示す如く発光ダイオードランプ42に組み立てた。このLEDランプ42は、マウント用基板45にLEDチップ10のn型オーミック電極15とマウント基板45の表面に設けたn電極端子43とを、また、p型オーミック電極16とp電極端子44とをAuバンプ46にて接合、固定した後、一般的なエポキシ樹脂41で封止して作製した。
(比較例)
次に、表面側からダイシングソーを用い350μm間隔で切断し、チップ化した。ダイシングによる破砕層および汚れを硫酸・過酸化水素混合液でエッチング除去し、半導体発光ダイオード(チップ)10を作製した。
上記の様にして作製したLEDチップ10を、図5及び図6に模式的に示す如く発光ダイオードランプ42に組み立てた。このLEDランプ42は、マウント用基板45にLEDチップ10のn型オーミック電極15とマウント基板45の表面に設けたn電極端子43とを、また、p型オーミック電極16とp電極端子44とを金バンプ46にて接合、固定した後、一般的なエポキシ樹脂41で封止して作製した。
11 半導体基板
12 発光部
13 エピタキシャル成長層
130 緩衝層
131 コンタクト層
132 下部クラッド層
133 発光層
134 上部クラッド層
135 GaP層
141 接合層
142 第1側面
143 第2側面
14 GaP基板
15 第1の電極(n型オーミック)
16 第2の電極(p型オーミック)
17 反射金属膜
41 エポキシ樹脂
42 発光ダイオード
43 第1の電極端子
44 第2の電極端子
45 絶縁性基板
46 金バンプ
α 発光面に平行な面と第2側面とのなす角度
Claims (18)
- 組成式(AlXGa1-X)YIn1-YP(0≦X≦1,0<Y≦1)から成る発光層を含む発光部を有し、該発光部を含む化合物半導体層を透明基板と接合された発光ダイオードにおいて、発光ダイオードの主たる光取り出し面とは逆の面に第1の電極と、第1の電極と極性の異なる第2の電極とを有し、第1の電極側の表面には反射金属膜が形成され、第2の電極は第1の電極と対向する側に露出させた化合物半導体層上の角の位置に形成され、透明基板の側面は、発光層に近い側では発光層の発光面に対して略垂直である第1の側面と、発光層に遠い側では発光面に対して傾斜している第2の側面を有することを特徴とする発光ダイオード。
- 第2の電極が、第2の側面の傾斜構造の下方に位置することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
- 透明基板が、n型のGaPであることを特徴とする請求項1または2に記載の発光ダイオード。
- 透明基板の面方位が、(100)または(111)であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の発光ダイオード。
- 透明基板の厚さが50μm〜300μmであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の発光ダイオード。
- 透明基板と接合される発光部の最表層の厚さが0.5〜20μmであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の発光ダイオード。
- 発光部の最表層がGaPであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の発光ダイオード。
- 発光部の最表層がGaXP1-X(0.5<X<0.7)であることを特徴とする請求項6に記載の発光ダイオード。
- 第2の側面と発光面に平行な面とのなす角度が、55度〜80度の範囲内であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の発光ダイオード。
- 第1の側面の幅が、30μm〜100μmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の発光ダイオード。
- 第1の電極が、幅10μm以下の線状電極であることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の発光ダイオード。
- 発光部が、GaP層を含み、第2の電極が、該GaP層上に形成されていることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の発光ダイオード。
- 第1の電極の極性が、n型であり、第2の電極の極性がp型であることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の発光ダイオード。
- 透明基板の傾斜面が、粗面化されていることを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の発光ダイオード。
- 組成式(AlXGa1-X)YIn1-YP(0≦X≦1,0<Y≦1)から成る発光層を含む発光部を形成し、その後該発光部を含む化合物半導体層を透明基板と接合し、化合物半導体層透明基板と反対側の主たる光取り出し面とは逆の面に第1の電極と、第1の電極と極性の異なる第2の電極とを、第2の電極は第1の電極と対向する側に露出させた半導体層上の角に形成し、第1の電極側の表面に反射金属膜を形成し、透明基板の側面に、発光層に近い箇所では発光層の発光面に対して略垂直である第1の側面を形成し、発光層に遠い箇所では発光面に対して傾斜している第2の側面をダイシング法で形成することを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
- 第1の側面をスクライブ・ブレーク法で形成することを特徴とする請求項15に記載の発光ダイオードの製造方法。
- 第1の側面をダイシング法で形成することを特徴とする請求項14に記載の発光ダイオードの製造方法。
- 請求項1〜14に記載の発光ダイオードをフェイスダウン状態で実装した発光ダイオード。
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