JP2007211501A - 断熱扉 - Google Patents
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Abstract
【課題】力を受けても、硬質断熱材の割れや亀裂の発生を低減することができる断熱扉を提供する。
【解決手段】表板1と、横枠2と、縦枠3と、裏板6からなる平板形状の外囲体と、前記外囲体に内包される断熱材とを備え、前記断熱材は、複数個に分割された硬質断熱材4と、前記硬質断熱材同士の隙間に埋められた熱膨張性断熱材5とを含む。
【選択図】図3
【解決手段】表板1と、横枠2と、縦枠3と、裏板6からなる平板形状の外囲体と、前記外囲体に内包される断熱材とを備え、前記断熱材は、複数個に分割された硬質断熱材4と、前記硬質断熱材同士の隙間に埋められた熱膨張性断熱材5とを含む。
【選択図】図3
Description
本発明は、硬質断熱材を有する断熱扉に関する。
火事になった場合に発生する炎や燃焼ガスの広がりを防ぐために、大きな建物には、断熱材を例えば金属の外囲体で囲んだ断熱扉が設置されている。断熱扉には、火災に対して発火しないこと(耐火性)、変形しないこと(耐熱性)や、熱を加えられた反対側の温度の上昇量が規定温度以下であること(断熱性)が要求される。
この断熱材を含んだ断熱扉の役割を、建物のスペース節約などの要請からエレベータの乗り場扉に持たせるようになってきている。エレベータの乗り場扉は、本来、エレベータが止まっていないときに閉まり、そこから物などが落下しないようにするために各階に設けられた扉である。特許文献1では、この乗り場扉に、耐火性、断熱性をもつ熱絶縁ハウジングを装着させることで、乗り場扉の耐火性、断熱性の向上を実現する発明が記載されている。この熱絶縁ハウジングは、微小孔を有する無機酸化物からなる硬質断熱材で主に構成されている。
断熱材には、硬質断熱材(ケイ酸カルシウム、無機酸化物、石膏ボード等)、繊維系断熱材(セラミックファイバー、グラスウール、ロックウール等)、軟質断熱材(発泡ウレタン等)、熱膨張性断熱材(熱膨張性黒鉛等)など様々な種類がある。このうち、硬質断熱材は、耐火性、断熱性の性能面と安価というコスト面に優れるため、乗り場扉に用いられるのが望ましい。しかし、乗り場扉は、台車の衝突や人のもたれ掛かりによる曲げ荷重などの多様な力を受けるが、硬質断熱材は力に弱く、割れやすいという性質がある。例えば、ケイ酸カルシウムでは曲げ強度が約0.3MPaである。また、火災発生時において、乗り場扉の加熱面側(例えば乗り場側)と非加熱面側(例えば昇降路側)には500〜600℃の温度差が発生するが、この温度差による熱応力によっても断熱材が破損する。これらによって割れや亀裂が一度生じると、その隙間から熱が伝わり、断熱性能が低下するという問題があった。
そこで、この発明の目的は、硬質断熱材の割れや亀裂の発生を低減できる断熱扉を提供することである。
請求項1に記載の断熱扉は、平板形状の外囲体と、前記外囲体に内包される断熱材とを備え、前記断熱材は、複数個に分割された硬質断熱材と、前記硬質断熱材同士の隙間に埋められた熱膨張性断熱材とを含む。
この発明によれば、断熱扉の硬質断熱材にかかる力を低減できるため、硬質断熱材の割れや亀裂の発生を低減できる。また、火災時には、熱を受けた熱膨張性断熱材が膨張することにより、硬質断熱材と熱膨張性断熱材の隙間をふさぐため、断熱効果を維持することができる。
<実施の形態1>
本発明に係る断熱扉は、エレベータの乗り場扉に限ったものではなく、断熱扉全般(防火扉等)に用いることができる。しかし、特許文献1のようにエレベータの乗り場扉に用いられることが好適であると考えられる。そこで、本実施例に係る断熱扉はエレベータの乗り場扉に用いられているものとして以下説明する。
本発明に係る断熱扉は、エレベータの乗り場扉に限ったものではなく、断熱扉全般(防火扉等)に用いることができる。しかし、特許文献1のようにエレベータの乗り場扉に用いられることが好適であると考えられる。そこで、本実施例に係る断熱扉はエレベータの乗り場扉に用いられているものとして以下説明する。
図1は本発明の実施の形態1による乗り場扉の昇降路側から見た図である。図2は乗り場扉の垂直断面図、図3は水平断面図である。図3の上側は昇降路側、下側は乗り場側である。
乗り場扉は、断熱材を、補強する役割を果たす表板1、横枠2、縦枠3の外囲体で囲んだ構造をとる。断熱材は、複数個に分割された硬質断熱材4を平面内に敷き詰め、その隙間に熱膨張性断熱材5を設けることで1層の断熱層を形成している。硬質断熱材4の材質は、ケイ酸カルシウム、無機酸化物、石膏ボードが用いられる。熱膨張性断熱材5は、熱が加えられたときに膨張する断熱材であり、例えば、熱膨張性黒鉛が用いられる。表板1、横枠2、縦枠3には、例えば金属板が用いられる。また、乗り場扉の昇降路側には、硬質断熱材4や熱膨張性断熱材5の落下や粉塵発散の防止を目的に、表板1、横枠2、縦枠3とともに外囲体を構成する裏板6を設けている。裏板6は鋼板でもよいが、表板1から横枠2、縦枠3に伝わる熱流の影響を抑制するため、例えばガラスクロスやセラミックペーパ等、断熱性を有した材料が望ましい。
以下にこの発明の効果を説明する。硬質断熱材を小片に切断した効果を調べるため、例えば、高さ2100mm×幅900mm×厚さ54mmの乗り場扉で、表板として鋼板2mm、硬質断熱材4としてケイ酸カルシウム50mm厚を使用し、幅方向、高さ方向に4分し、225mm×525mmの長方形に分割した場合を考える。乗り場扉の中央部に外荷重が加わる場合を想定し、これを長さ2100mmの両端固定梁(厚さ2mmの鋼板と厚さ50mmのケイ酸カルシウムが互いに剛に接着された幅900mmの梁)に置き換えて考える。そして、梁中央の鋼板側から500Nの外荷重を加え、鋼板の弾性率を200GPa、ケイ酸カルシウムの弾性率を100GPaと仮定して計算する。ケイ酸カルシウムが分割されていない場合、梁中央のケイ酸カルシウムには約0.3MPaの応力が発生し、破壊と亀裂の発生が予想される。しかし、ケイ酸カルシウムを前記サイズに分割した場合には、応力を約0.2MPaまで低減でき、亀裂発生を防ぐことができる。
同様に火災発生時には加熱面側と非加熱面側に温度差が生じ、乗り場扉に反りが発生する。この反りによっても硬質断熱材の破損が予想されるが、小片に分割することで、上記と同様の効果が期待できるため、亀裂発生を防止することができる。
このように硬質断熱材4にかかる力を低減できるのは、乗り場扉全体として力を受けた場合に、断熱層が硬質断熱材4の分割部分で自由に屈曲することができるためである。これにより、本発明に係る乗り場扉では、硬質断熱材4にかかる力を低減できるため、硬質断熱材4の割れや亀裂を防ぐことができる。さらに、硬質断熱材4と熱膨張性断熱材5の間に隙間が生じても、火災発生時には、熱を受けた熱膨張性断熱材5が膨張することによりその隙間を埋めるため、乗り場扉の断熱効果は損なわれることはない。
なお、図2にみられるように、本実施の形態では硬質断熱材4に四角形の平面板を用いているが、その形状は三角形でもよいし、多角形でもよい。また、分割する数は多ければ多いほど、硬質断熱材4にかかる応力を低減することができるが、熱膨張性断熱材5に対する硬質断熱材4の使用比率が小さくなることや、分割を増やすことにより製造工程面でも手間が増えることになる。このため、例えば高さ2100mm×幅900mmの乗り場扉では、幅方向には4〜8分割、高さ方向には4〜10分割程度にすることが望ましい。
<実施の形態2>
本実施の形態では、図4のように表板1の裏側、すなわち外囲体の内面に補強部材7が設けられている。この補強部材7は、乗り場扉のサイズが大きい場合に用いられる。そこで、硬質断熱材4同士の隙間だけでなく、補強部材7と硬質断熱材4との隙間にも熱膨張性断熱材5を埋めれば、実施の形態1と同じように、乗り場扉の断熱性向上が期待できる。
本実施の形態では、図4のように表板1の裏側、すなわち外囲体の内面に補強部材7が設けられている。この補強部材7は、乗り場扉のサイズが大きい場合に用いられる。そこで、硬質断熱材4同士の隙間だけでなく、補強部材7と硬質断熱材4との隙間にも熱膨張性断熱材5を埋めれば、実施の形態1と同じように、乗り場扉の断熱性向上が期待できる。
<実施の形態3>
図5に本実施の形態の乗り場扉の断面図を示す。昇降路側の断熱材は、ケイ酸カルシウムからなる硬質断熱材4同士の隙間に熱膨張性断熱材5を埋めた構成をとっている。乗り場側の断熱材は、硬質断熱材4よりもコストは高いが耐熱性の高いセラミックファイバーなどの繊維系断熱材8(非硬質断熱材)を分割しないで用い、昇降路側の断熱材の層と積層配置されている。
図5に本実施の形態の乗り場扉の断面図を示す。昇降路側の断熱材は、ケイ酸カルシウムからなる硬質断熱材4同士の隙間に熱膨張性断熱材5を埋めた構成をとっている。乗り場側の断熱材は、硬質断熱材4よりもコストは高いが耐熱性の高いセラミックファイバーなどの繊維系断熱材8(非硬質断熱材)を分割しないで用い、昇降路側の断熱材の層と積層配置されている。
このようにすれば、コストは高いが耐熱性の高い断熱材の層と、実施の形態1の断熱材の層とを積層して用いることにより、実施の形態1よりも高い耐熱性を実現しつつ、断熱材全体のコストをあまり上げないで済む。
なお、別の例として、乗り場側の断熱材は実施の形態1と同じ構成にし、昇降路側の断熱材はグラスウールなどの繊維系断熱材8を用い、それらを重ねた構成も考えられる。また、ここでは非硬質断熱材として繊維系断熱材8を用いたが、これに限られず、樹脂系断熱材を用いても良い。
<実施の形態4>
実施の形態3では硬質断熱材4と繊維質系断熱材5を積層配置した構成であったが、本実施の形態では、図6、図7のように硬質断熱材同士を積層配置した構成をとる。硬質断熱材同士の隙間には、実施の形態1と同じように熱膨張性断熱材5が埋められている。乗り場側には、昇降路側の硬質断熱材4と異なる耐熱性をもつ硬質断熱材9を用いている。
実施の形態3では硬質断熱材4と繊維質系断熱材5を積層配置した構成であったが、本実施の形態では、図6、図7のように硬質断熱材同士を積層配置した構成をとる。硬質断熱材同士の隙間には、実施の形態1と同じように熱膨張性断熱材5が埋められている。乗り場側には、昇降路側の硬質断熱材4と異なる耐熱性をもつ硬質断熱材9を用いている。
このように構成すれば、要求されるコストと耐熱性に応じて、異なった種類の硬質断熱材を組み合わせて用いることができる。なお、外荷重に対する強度を重視する場合は、図6のように、上層の硬質断熱材4同士の隙間の位置と下層の硬質断熱材9同士の隙間の位置が、断熱扉の面方向に沿って揃った位置となる構成が望ましい。また、断熱性を重視する場合は、図7のように上層の硬質断熱材4同士の隙間の位置と下層の硬質断熱材9同士の隙間の位置が、断熱扉の面方向に沿ってずらした位置となる構成が望ましい。
1 表板、2 横枠、3 縦枠、4 硬質断熱材、5 熱膨張性断熱材、6 裏板、7 補強部材、8 繊維系断熱材、9 硬質断熱材。
Claims (5)
- 平板形状の外囲体と、
前記外囲体に内包される断熱材とを備え、
前記断熱材は、
複数個に分割された硬質断熱材と、
前記硬質断熱材同士の隙間に埋められた熱膨張性断熱材とを含む、
断熱扉。 - 前記外囲体の内面に設けられた補強部材をさらに備え、
前記断熱材は、
前記硬質断熱材と前記補強部材との隙間に埋められた熱膨張性断熱材を含む、
請求項1に記載の断熱扉。 - 前記硬質断熱材は、
前記平板形状の厚さ方向に積層配置され、
上層の前記硬質断熱材同士の隙間と、下層の前記硬質断熱材同士の隙間が、位置を揃えて配置された、
請求項1に記載の断熱扉。 - 前記硬質断熱材は、
前記平板形状の厚さ方向に積層配置され、
上層の前記硬質断熱材同士の隙間と、下層の前記硬質断熱材同士の隙間が、位置をずらして配置された、
請求項1に記載の断熱扉。 - 前記断熱材は、
前記複数個に分割された硬質断熱材に積層して配置される非分割の非硬質断熱材を含む、
請求項1に記載の断熱扉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006033227A JP2007211501A (ja) | 2006-02-10 | 2006-02-10 | 断熱扉 |
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Family Applications (1)
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JP2006033227A Pending JP2007211501A (ja) | 2006-02-10 | 2006-02-10 | 断熱扉 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106437437A (zh) * | 2016-08-30 | 2017-02-22 | 广东金大田家居股份有限公司 | 一种钢质隔热防火门 |
KR101785607B1 (ko) * | 2015-03-31 | 2017-10-18 | (주) 벽두도어 | 차열 방화문 |
JP2018144908A (ja) * | 2017-03-01 | 2018-09-20 | 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 | エレベーター用ドアストッパ、及びエレベーター用ドアストッパの設置方法 |
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-
2006
- 2006-02-10 JP JP2006033227A patent/JP2007211501A/ja active Pending
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