JP2007211429A - 弾性舗装材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用初期のみならず摩耗後においても、ウェット状態でのすべり抵抗性を確保することのできる弾性舗装材料を提供する。
【解決手段】ゴムチップおよび/またはゴム粉末と、骨材と、ウレタンバインダーとを含有する弾性舗装材料である。骨材としてゴムチップおよび/またはゴム粉末の平均粒径±50%の範囲内の粒径を有するものを5体積%以上含むか、または、ゴムチップおよび/またはゴム粉末の平均粒径が、前記骨材の平均粒径±70%の範囲内である。
【選択図】なし
【解決手段】ゴムチップおよび/またはゴム粉末と、骨材と、ウレタンバインダーとを含有する弾性舗装材料である。骨材としてゴムチップおよび/またはゴム粉末の平均粒径±50%の範囲内の粒径を有するものを5体積%以上含むか、または、ゴムチップおよび/またはゴム粉末の平均粒径が、前記骨材の平均粒径±70%の範囲内である。
【選択図】なし
Description
本発明は弾性舗装材料に関し、詳しくは、ウェット時におけるすべり抵抗性(ウェットμ)の改良に係る弾性舗装材料に関する。
従来、加硫ゴムを粉末またはチップ状にして利用する方法として、ウレタンやエポキシ等の硬化性樹脂をバインダーとして使用した低騒音弾性舗装が知られている。また、ゴムチップをバインダーと混合してプレス成形した弾性舗装体が、歩道や運動場で使用されている。
これらゴムチップを用いた弾性舗装は、ゴムチップの有する弾力性により歩行時の衝撃吸収性や転倒時の安全性といった優れた効果を奏するとともに、内部に空隙を有することから、排水性および通気性に加えて吸音性にも優れ、そのためタイヤと路面内で発生する騒音の低減にも有効であるため、都市部での交通騒音低減のための機能性弾性舗装材としても注目されている。
かかる弾性舗装材料に関しては、例えば、特許文献1に、マテリアルリサイクル推進を目的とする技術として、熱硬化性樹脂成形物の破砕物とゴムチップとを所定の混合比率で混合し、ウレタン樹脂をバインダーとしてブロック状または板状に成形してなる舗装材が提案されている。また、特許文献2には、ゴム、プラスチック等の軽量の廃棄物を適宜サイズに粉砕したものを骨材とし、この骨材とウレタン樹脂等のバインダーを混合してなる組成物を硬化して作製した舗装ブロックが開示されている。
特開2002−322602号公報(特許請求の範囲等)
特開2000−34702号公報(特許請求の範囲等)
しかしながら、上記硬化性樹脂の中でもウレタン樹脂をバインダーとして用いた弾性舗装においては、雨天時等のウェット状態でのすべり抵抗(ウェットμ)が低いという問題があった。これに対し、上記特許文献1に記載の舗装材においては、ウレタン樹脂のバインダーに対し熱硬化性樹脂成形物およびゴムチップを混合することで優れたすべり抵抗性が得られるとされているが、これは、未使用状態でのすべり抵抗のみを検討しているものであり、使用に伴う摩耗後においても、良好なウェット時すべり抵抗が得られる舗装の実現が望まれていた。
そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、使用初期のみならず摩耗後においても、ウェット状態でのすべり抵抗性を確保することのできる弾性舗装材料を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、骨材と、ゴムチップおよび/またはゴム粉末とについて、平均粒径が近いものを少なくとも一部用いることで、未使用時のみならず摩耗後においてもウェット時すべり抵抗の向上を図ることができることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の弾性舗装材料は、ゴムチップおよび/またはゴム粉末と、骨材と、ウレタンバインダーとを含有する弾性舗装材料において、前記骨材として、前記ゴムチップおよび/またはゴム粉末の平均粒径±50%の範囲内の粒径を有するものを5体積%以上含むことを特徴とするものである。
本発明において好適には、前記骨材として、前記ゴムチップおよび/またはゴム粉末の平均粒径±50%の範囲内の粒径を有するものを5〜30体積%含む。
また、本発明の他の弾性舗装材料は、ゴムチップおよび/またはゴム粉末と、骨材と、ウレタンバインダーとを含有する弾性舗装材料において、前記ゴムチップおよび/またはゴム粉末の平均粒径が、前記骨材の平均粒径±70%の範囲内であることを特徴とするものである。
また、本発明の弾性舗装材料は、好適には、前記ゴムチップおよび/またはゴム粉末を30〜60体積%、前記骨材を50〜5体積%、前記ウレタンバインダーを20〜35体積%にて夫々含有する。
本発明によれば、上記構成としたことにより、使用初期のみならず使用による摩耗後においても、ウェット状態でのすべり抵抗性を良好に確保することのできる弾性舗装材料を実現することが可能となった。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明の弾性舗装材料は、ゴムチップおよび/またはゴム粉末と、骨材と、ウレタンバインダーとを含有するものである。
本発明の弾性舗装材料は、ゴムチップおよび/またはゴム粉末と、骨材と、ウレタンバインダーとを含有するものである。
本発明においては、骨材が、ゴムチップおよび/またはゴム粉末の平均粒径±50%の範囲内の粒径を有するものを、5体積%以上、好適には5〜30体積%、より好適には7〜20体積%、さらに好適には10〜20体積%含むことが必要である。骨材として、ゴムチップおよび/またはゴム粉末の平均粒径に近い粒径を有するものを用いることで、舗装を形成した際に、使用に伴い骨材が飛散しにくくなり、結果として、摩耗後においても所望のウェット時すべり抵抗を確保することが可能となった。
また、本発明においては、上記とは逆に、ゴムチップおよび/またはゴム粉末の平均粒径を、骨材の平均粒径±70%の範囲内とすることによっても、同様の効果を得ることができる。即ち、ゴムチップおよび/またはゴム粉末として、骨材の平均粒径に近い平均粒径を有するものを用いることで、舗装を形成した際に、使用に伴いゴムチップおよび/またはゴム粉末と骨材とが共に飛散することとなる。即ち、舗装面が摩耗した際に、骨材のみが飛散してゴムのみが残るとウェット時すべり抵抗が低下してしまうが、本発明においては、骨材とゴムが一様に舗装面に残留することになるため、摩耗後においてもウェット時すべり抵抗の低下を引き起こすことがないのである。
なお、後述するように、一般に、骨材の粒径はゴムチップおよび/またはゴム粉末の粒径よりも小さいため、上記のうち、前者の技術については、骨材の一部を大きな粒径のものに置換することで実施することができ、また、後者の技術は、ゴムチップおよび/またはゴム粉末の粒径を小さくして骨材の大きさに近づけることで実施することができる。
本発明の弾性舗装材料においては、骨材の粒径とゴムチップおよび/またはゴム粉末の粒径との関係が上記条件を満足するものであればよく、それ以外の点については、常法に従い適宜構成することができ、特に制限されるものではない。
本発明に用いるゴムチップおよび/またはゴム粉末は、舗装面に弾力性を付与するために弾性舗装材料中に配合されるものであり、材質等については特に限定されず、天然ゴムやイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム等を利用することができる。かかるゴムチップおよび/またはゴム粉末は、ゴムタイヤ、ウェザーストリップ、ホース類等の使用済み加硫ゴム製品の廃材、成形の際に生成する不要の端材、成形不良品等から得ることもできる。また、ゴムチップおよび/またはゴム粉末の粒径としては、1mm以下の微細なものから10mm程度のものまでを適宜使用することができるが、特に、粒径1〜5mm程度のものが、弾力性及び空隙形成の点で有効であるためにより好ましい。
本発明の弾性舗装材料中におけるゴムチップおよび/またはゴム粉末の割合は、30〜60体積%、好適には40〜55体積%である。この割合が30重量%未満であると弾性舗装材料としての効果が十分ではなく、一方、60重量%を超えると、舗装に適用するために十分な物性が得られなくなる。
本発明において使用する骨材としては、特に制限はなく、川砂利、川砂等の天然の骨材や砕石、スラグ、コンクリート、ガラス、FRP等のリサイクル骨材を使用することができる。この骨材に使用する石材、砂等は、完成した舗装の強度、耐摩耗性を確保し、表面に露出して防滑作用を得るためのものである。石材は互いに噛み合って荷重を分散させる機能を持つことが好ましく、このため、砕石のような尖った形状で硬い物が適当である。また、粒径0.5〜30mmの粗粒骨材に対して、粒径0.5mm以下の細粒骨材を5体積%以上混合することが好ましい。粗粒骨材は、主として通水性を得るために多孔質構造を形成するものであり、互いに噛み合って隙間を形成するような、砕石のような尖った形状で硬いものが適当である。一方、細粒骨材は、大型の粗粒骨材の表面に付着してタイヤ等に対して防滑作用(サンドペーパーのような研磨効果)をもたらすこととなる。
本発明の弾性舗装材料における骨材の配合量は、50〜5体積%、好適には30〜10体積%である。弾性舗装材料中の骨材の割合が5体積%未満であると、強度が十分ではなく、一方、50体積%を超えると、十分な弾性および低音効果が得られなくなる。
ウレタンバインダーは、骨材やゴムチップ等を結着して舗装を形成するために用いられるものであり、特には2液性ウレタンバインダーとして、好ましくはイソシアネート基端末プレポリマーとポリオールとを水酸基/イソシアネート基の当量比で、例えば、0.2〜0.8にて混合したものを用いる。1液性ウレタンバインダーは、2液性ウレタンバインダーに比べて硬化時間の調整が非常に困難で汎用性がなく、硬化時間の短縮が図りにくい難点がある。
なお、2液性ウレタンバインダーのイソシアネート末端基プレポリマーの一例としては、イソシアネート含有量5〜25%、粘度1000〜5000cP(25℃)で、イソシアネート末端基プレポリマーの平均官能基数が2〜3のものが挙げられる。このプレポリマー用のイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネートがある。変性に用いる活性水素化合物としては、通常、分子量が1000〜3000程度のポリアルキレングリコールが用いられる。
一方、ポリオールの一例としては、平均官能基数が2〜6、平均分子量が1000以下のものであって、かつ、反応性の点から水酸基の半分以上が一級水酸基であることが好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレンエーテルグリコール等が挙げられる。
かかるウレタンバインダーの配合量としては、骨材の結着強度の観点から、20〜35体積%、好適には20〜30体積%である。
また、本発明の弾性舗装材料においては、有機シランを、ウレタンバインダーに対して0.1〜10体積%添加することで、ウレタンバインダーと骨材との結合力を高めて、強度や耐久性の向上を図ることができる。かかる有機シランとしては、エポキシ系、メルカプト系等の有機シランを用いることが可能である。
更に、本発明の弾性舗装材料には、ウレタンバインダーの硬化促進剤や、その他、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤が配合されていてもよい。
本発明の弾性舗装材料は、骨材と、ゴムチップおよび/またはゴム粉末との混合物に、ウレタンバインダーおよび必要に応じて添加される添加剤を混合することにより得ることができる。この場合の混合方法には特に制限はなく、これらが均一に混合できる方法であればよい。骨材へのウレタンバインダーの添加、混合時の温度は常温でよいが、低温の場合は硬化が遅れ、高温の場合は硬化が促進されるため、必要に応じて温度調節を行うことが好ましい。
かかる弾性舗装材料は、通常10〜50mm程度の厚さに、空隙率10〜40%程度の空隙が形成されるように施工し、硬化させる。
本発明の弾性舗装材料は、施工対象の路面に対して必要に応じてプライマー処理を施した後、直接敷設して舗装面を形成するもの(現場施工タイプ)であっても、または、あらかじめ金型にて所定形状に成形硬化させたブロック状のモールド成型品(プレス成型品)を、施工面に敷設するものであってもよく、特に制限されない。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
ウレタンバインダー(日本ポリウレタン(株)製)と、ゴム粉と、骨材としての、混合珪砂および砕石とを、それぞれ下記の表1中に示す配合にて混合し、混合機中に投入して、常温で5分間攪拌した。その後、これを型枠に充填し、2〜3日養生して、寸法50×50×2.5cmの直方体の試験体を作製した。
ウレタンバインダー(日本ポリウレタン(株)製)と、ゴム粉と、骨材としての、混合珪砂および砕石とを、それぞれ下記の表1中に示す配合にて混合し、混合機中に投入して、常温で5分間攪拌した。その後、これを型枠に充填し、2〜3日養生して、寸法50×50×2.5cmの直方体の試験体を作製した。
(DFT測定)
得られた試験体について、ダイナミックフリクションテスター(DFT)により、60km/h走行時におけるウェット状態でのすべり抵抗試験を行った。また、摩耗後のウェットμを測定するために、すえぎり試験機(ナカジマ技販製 載荷重50kg,タイヤ:小型トラック用、テーブル回転速度:17rpm(フリー)、タイヤ回転速度:10rpm)で2000回転させて試験体表面を摩耗させた後、再度、DFTにより同条件でのすべり抵抗測定を行った。
得られた試験体について、ダイナミックフリクションテスター(DFT)により、60km/h走行時におけるウェット状態でのすべり抵抗試験を行った。また、摩耗後のウェットμを測定するために、すえぎり試験機(ナカジマ技販製 載荷重50kg,タイヤ:小型トラック用、テーブル回転速度:17rpm(フリー)、タイヤ回転速度:10rpm)で2000回転させて試験体表面を摩耗させた後、再度、DFTにより同条件でのすべり抵抗測定を行った。
(施工性)
また、各弾性舗装材料の施工性の良否について評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:良好,×:施工困難(合材が硬くなる)
これらの結果を、下記の表1中に併せて示す。
また、各弾性舗装材料の施工性の良否について評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:良好,×:施工困難(合材が硬くなる)
これらの結果を、下記の表1中に併せて示す。
上記表1中に示すように、骨材のうち所定量をゴム粉の平均粒径と同じ平均粒径のものとした実施例1,2、および、ゴム粉の平均粒径を骨材の平均粒径に近づけた実施例3の弾性舗装材料においては、初期および摩耗後の双方において、ウェット状態でのすべり抵抗を向上することができることが確かめられた。これに対し、骨材とゴム粉の平均粒径が大きく異なる比較例の弾性舗装材料においては、初期については良好なウェット時すべり抵抗性が得られているものの、摩耗後のウェット時すべり抵抗性は低下する結果となっていることが分かる。
Claims (4)
- ゴムチップおよび/またはゴム粉末と、骨材と、ウレタンバインダーとを含有する弾性舗装材料において、前記骨材として、前記ゴムチップおよび/またはゴム粉末の平均粒径±50%の範囲内の粒径を有するものを5体積%以上含むことを特徴とする弾性舗装材料。
- 前記骨材として、前記ゴムチップおよび/またはゴム粉末の平均粒径±50%の範囲内の粒径を有するものを5〜30体積%含む請求項1記載の弾性舗装材料。
- ゴムチップおよび/またはゴム粉末と、骨材と、ウレタンバインダーとを含有する弾性舗装材料において、前記ゴムチップおよび/またはゴム粉末の平均粒径が、前記骨材の平均粒径±70%の範囲内であることを特徴とする弾性舗装材料。
- 前記ゴムチップおよび/またはゴム粉末を30〜60体積%、前記骨材を50〜5体積%、前記ウレタンバインダーを20〜35体積%にて夫々含有する請求項1〜3のうちいずれか一項記載の弾性舗装材料。
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2006
- 2006-02-07 JP JP2006030140A patent/JP2007211429A/ja active Pending
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