JP2007210471A - クローラ走行式の作業機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 クローラ走行装置における泥土の除去作業を容易化する。
【解決手段】 駆動スプロケット、テンション輪、および、複数個の接地転輪13にわたってクローラベルト15を巻回してなるクローラ走行装置を装備し、クローラベルト15の巻回ループ内に、クローラベルト15の内周面に摺接する泥掻き作用部43,44を備えた泥落とし具41を、脱着可能に構成してある。
【選択図】 図14
【解決手段】 駆動スプロケット、テンション輪、および、複数個の接地転輪13にわたってクローラベルト15を巻回してなるクローラ走行装置を装備し、クローラベルト15の巻回ループ内に、クローラベルト15の内周面に摺接する泥掻き作用部43,44を備えた泥落とし具41を、脱着可能に構成してある。
【選択図】 図14
Description
本発明は、クローラ走行装置で走行するよう構成された農作業機や土工機などのクローラ走行式の作業機に関する。
クローラ走行式の作業機は湿田やぬかるんだ作業地で使用されることも多く、クローラ走行装置には多量の泥土が付着することになり、作業の後、付着した泥土の除去作業が必要である。一般に、クローラ走行装置における泥土の除去作業においては、付着した泥土を棒や柄付きブラシなどを用いて手作業で掻き落としながら水を吹き付けて洗い流しており、多大な労力と時間を必要とするものである。
クローラ走行式の作業機の一例であるコンバインにおいては、湿田での作業走行中にクローラベルトの内部に入り込んだ泥土がクローラベルトの回動に伴って転がりながら土塊になり、この土塊がクローラ走行装置後端のテンション輪の前方においてしだいに大きく成長し、ある程度大きくなった土塊は機外に転がり出ることがある。未刈り側のクローラ走行装置においてこのような土塊が発生すると、未刈り作物の株元近くに土塊が転がり出ることになり、次の刈取り行程において刈取り装置がその土塊に食い込んで摩耗が発生しやすくなる。そこで、クローラベルトの内部での土塊の成長を防止するために、テンション輪の前方箇所にクローラベルトの内周面に近接してスクレーパを配備して、クローラベルトの内部に付着する泥土を走行しながら排除する手段(例えば、特許文献1参照)や、テンション輪の横外側にかご型に構成された回転体を配備して、クローラベルトの内部に付着する泥土を走行しながら崩して排除する手段(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
実開平4−51881号公報
特開平8−230728号公報
コンバインのクローラ走行装置に用いられる上記手段は、クローラベルト内の泥土が大きい土塊になる前に機外に排除するためのものであって、テンション輪付近での泥土の付着を多少は少なくなるが、作業後の清掃作業の労力を軽減できる機能は期待できないものであった。
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、クローラ走行装置における泥土の除去作業を容易化することを目的としてなされたものである。
第1の発明は、駆動スプロケット、テンション輪、および、複数個の接地転輪にわたってクローラベルトを巻回してなるクローラ走行装置を装備し、前記クローラベルトの巻回ループ内に、クローラベルトの内周面に摺接する泥掻き作用部を備えた泥落とし具を脱着可能に構成してあることを特徴とする。
上記構成によると、泥落とし具は通常は取外されており、湿田やぬかるんだ作業地を走行する場合に、泥落とし具がクローラベルトの巻回ループ内での泥の流れを妨げて走行抵抗となるようなことはない。
作業走行後の泥落とし作業時には、泥落とし具を装着したクローラ走行装置を空中に浮上させてクローラベルトを空転回動することで、クローラベルトの内周面に付着した泥土を連続して掻き落とすことができる。この場合、水をかけながら空転泥落としを行うことで、付着した泥土を一層的確に除去することができる。
従って、第1の発明によると、泥土の除去において労力を要する手作業は不要となり、クローラ走行装置における泥土の除去作業を容易、かつ、短時間に行うことが可能となった。
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記泥落とし具に、クローラベルトの内周面における接地転輪転動箇所の機体外側部位に摺接する泥掻き作用部と、クローラベルトの内周面における接地転輪転動箇所の機体内側部位に摺接する泥掻き作用部とを備えてあるものである。
前記泥落とし具に、クローラベルトの内周面における接地転輪転動箇所の機体外側部位に摺接する泥掻き作用部と、クローラベルトの内周面における接地転輪転動箇所の機体内側部位に摺接する泥掻き作用部とを備えてあるものである。
上記構成によると、クローラベルトの内周面の多くの部分を一挙に清掃することができ、泥土除去作業を短時間で能率よく行うことができる。
第3の発明は、上記第1または2の発明において、
前記泥掻き作用部を、クローラベルトの周方向に対して傾斜させてあるものである。
前記泥掻き作用部を、クローラベルトの周方向に対して傾斜させてあるものである。
上記構成によると、クローラベルトの空転回動に伴って泥掻き作用部で掻取った泥土を速やかに機外に案内排出することができ、泥土の持ち回りを少なくして作業時間を短くすることができる。
第4の発明は、上記第1〜3のいずれか一つの発明において、
泥掻き作用部を平面視において外方に向けて先細り形状に形成し、泥掻き作用部の前端辺および後端辺がクローラベルトの周方向に対して傾斜するよう構成してあるものである。
泥掻き作用部を平面視において外方に向けて先細り形状に形成し、泥掻き作用部の前端辺および後端辺がクローラベルトの周方向に対して傾斜するよう構成してあるものである。
上記構成によると、クローラベルトの正転あるいは逆転のいずれにおいても掻取った泥土の機外への案内排出機能を発揮させることができ、使い勝手の優れたものとなる。
第5の発明は、上記第1〜4のいずれか一つの発明において、
前泥掻き作用部を、弾性変形可能な掻取りプレートと掻取りブラシとをベルト周方向に並べて装備して構成してあるものである。
前泥掻き作用部を、弾性変形可能な掻取りプレートと掻取りブラシとをベルト周方向に並べて装備して構成してあるものである。
上記構成によると、掻取りプレートが掻取りブラシより先に泥掻き作用する方向にクローラベルトを空転回動させることで、大部分の泥土を掻取りプレートで除去し、残った泥土を掻取りブラシで除去することで、掻取りブラシが短時間で目詰まりしてしまうことなく効率良く泥落としを行うことができる。
第6の発明は、上記第1〜5のいずれか一つの発明において、
前記テンション輪および接地転輪群が装着されたトラックフレームを、機体フレーム側に上下に駆動揺動可能に配備された前後一対の揺動アームの遊端部に亘って連結支持し、前後の揺動アームを駆動下降させることでトラックフレームを機体フレームに対して強制下降可能に構成してあるものである。
前記テンション輪および接地転輪群が装着されたトラックフレームを、機体フレーム側に上下に駆動揺動可能に配備された前後一対の揺動アームの遊端部に亘って連結支持し、前後の揺動アームを駆動下降させることでトラックフレームを機体フレームに対して強制下降可能に構成してあるものである。
上記構成によると、左右のクローラ走行装置における各トラックフレームを同時に強制下降させることで、機体フレーム全体を上昇して走行機体の地上高さを高くすることができ、この状態で、走行機体にスタンドを装備する。その後、左右の各トラックフレームを同時に強制上昇させることで機体フレーム全体を下降させると、先ずスタンドが走行機体を接地支持し、更にトラックフレームを強制上昇させることで、クローラ走行装置が空中に浮上され、クローラベルトを空転駆動できる状態、つまり、上記泥落とし作業を行うことができる状態がもたらされる。
従って、第6の発明によると、走行機体の左右傾斜姿勢を調整するために備えられた機能を有効に利用することで、クローラ走行装置を浮上させるための専用のジャッキアップ装置が不要となり、清掃用器材のコスト低減に有効となる。
第7の発明は、上記第6の発明において、
前記泥落とし具を、一方の前記揺動アームと上昇操作された前記トラックフレームとの間に挟持固定するよう構成してあるものである。
前記泥落とし具を、一方の前記揺動アームと上昇操作された前記トラックフレームとの間に挟持固定するよう構成してあるものである。
上記構成によると、走行機体を持上げるために揺動アームを下降揺動させると、先下がり姿勢の揺動アームと略前後水平のトラックフレームとの間にV形の空間が形成されることになり、ここに泥落とし具を挿入する。その後、クローラ走行装置を浮上させるために揺動アームを上昇揺動させるに連れて揺動アームとトラックフレームとで形成されるV形の空間が狭くなり、装填された泥落とし具が揺動アームとトラックフレームとで挟持固定される。
従って、第7の発明によると、走行機体の左右傾斜姿勢を調整するために備えられた構造を有効に利用することで、特別な連結具材や連結操作を要することなく泥落とし具を装着固定することができ、取扱い性に優れたものとなる。
図1に、本発明に係るクローラ走行式の作業機の一例としての自脱型コンバインの全体側面が示されている。この自脱型コンバインは、左右のクローラ走行装置1を備えた走行機体2の前部に刈取り部3が揺動昇降自在に連結されるとともに、走行機体2に運転部4、脱穀装置5、および、搬出装置付きの穀粒回収タンク6、等が搭載された構造となっている。
図2,3に示すように、クローラ走行装置1は、前端の駆動スプロケット11、後端のテンション輪12、これらの間に配備された複数(この例では6個)の接地転輪13、および、キャリアローラ14とに亘ってゴム製のクローラベルト15を巻回張設して構成されている。クローラベルト15の内周面には左右一対づつの芯金突起16が前後一定ピッチで突設されており、接地転輪13は芯金突起16を左右から跨ぐ外転輪型に構成されるとともに、テンション輪12およびキャリアローラ14は左右の芯金突起16の間に係入する内転輪型に構成されている。
走行機体2の下部に備えられた機体フレーム9の左右下方には固定トラックフレーム18が配備されており、前記キャリアローラ14はこの固定トラックフレーム18に軸支装着されている。走行機体2の前部にはミッションケース7が連結支持さており、このミッションケース7の下部から左右に延出された円筒状の車軸ケース7aの延出部が固定トラックフレーム18の前端部18aに受け止め支持されている。車軸ケース7aには車軸8が挿通支持され、その端部に駆動スプロケット11が連結されている。
固定トラックフレーム18の前後には支点a,b周りに上下揺動可能に前後一対の揺動アーム21,22が後向きに枢支連結されており、これら揺動アーム21,22の遊端部に亘って枢支連結されたトラックフレーム23に、接地転輪13とテンション輪12が装着されている。
トラックフレーム23の側面には天秤揺動可能に3個の揺動ブラケット24が枢支連結され、各揺動ブラケット24に前後一対づつの接地転輪13が遊転自在に軸支装着されるとともに、各揺動ブラケット24の下部に、左右の芯金突起16の間に入り込む脱輪防止ガイド25が取付けられている。
前後の揺動アーム21,22の基端に連結された支軸21a,22aの機体内方端部からはそれぞれ操作アーム26,27が一体揺動可能に延出されるとともに、両操作アーム26,27が連係ロッド28で連動連結され、かつ、後方の操作アーム27と機体フレーム9とに亘って油圧シリンダ29が架設されている。
上記構成によると、油圧シリンダ29が伸長作動されることで、前後の揺動アーム21,22が同期して下方揺動されてトラックフレーム23が略平行に下方移動され、相対的に機体フレーム9の地上高が大きくなる。逆に、油圧シリンダ29が短縮作動されることで、前後の揺動アーム21,22が同期して上方揺動されてトラックフレーム23が略平行に上方移動され、相対的に機体フレーム9の地上高が小さくなる。従って、左右のクローラ走行装置1における各油圧シリンダ29を独立して作動制御することで、機体フレーム9の左右における地上高さを変更して走行機体2の左右傾斜姿勢を変更調節することができる。また、左右のクローラ走行装置1における各油圧シリンダ29を同時に伸長作動させることで、機体フレーム9全体を上昇して走行機体2の地上高さを高くすることができる。
以上のように構成されたコンバインにおいて、収穫作業後にクローラ装置装置1の泥落とし作業を容易化するために、以下のような工夫がなされている。
図4に示すように、前記ミッションケース7の下部にスタンド31が上下揺動可能に装着されるとともに、機体フレーム9の後端には左右一対のスタンド32が脱着可能に装着されている。
図5〜図7に示すように、前方のスタンド31は、下端に接地座部31bを備えた角パイプ製のスタンド本体31aの上部にU形アーム部31cを連設して構成されており、U形アーム部31cの上端部に半割り構造の連結ボス31dが備えられている。この連結ボス部31dが、ミッションケース7から左右に延出された左右の車軸ケース7aの基部に、車軸軸心p周りに上下揺動可能に外嵌装着されるようになっている。
スタンド本体31aの下部背面には、操作ロッド33が枢着連結されて走行機体2の下腹部を通って後方に延出されている。この操作ロッド33を機体後方から前方に移動させることでスタンド31を振り下げて鉛直の作用姿勢にし、操作ロッド33を後方に引くことでスタンド31を後方に振り上げて略水平の格納姿勢に切換えることができるよう構成されている。図8、9に示すように、操作ロッド33の後部には前向きの格納ロックピン34が備えられており、操作ロッド33を大きく後方に引き操作した後、操作ロッド33を少し前方に戻して、機体フレームの後端横メンバー9aから下方に延出された支持板9bのロック孔35に格納ロックピン34を後方から挿入係止することで、スタンド31を格納姿勢に固定できるようになっている。なお、操作ロッド33の後方部分33aは格納ロックピン34の直後方位置の支点pを介して横側方に折り畳んで、機体フレーム9の後端面に沿った邪魔にならない姿勢にしてバネクランプ40で係止保持しておくことができるようになっている。
図10,11に示すように、後方のスタンド32は、角パイプ製のスタンド本体32aの下端に接地座部32bが備えられるとともに、スタンド本体32aの上端と上下中間の側面に連結部32c,32dが備えられた構造となっており、各連結部32c,32dが、機体フレーム9の後端に横架された角パイプ製の横メンバー9aの左右開口に嵌合挿入できる角パイプ材で構成されている。
このスタンド32は、図11に示すように、上端の連結部32cを機体フレーム9における横メンバー9aの左および右の開口に挿入して、スタンド本体32aが鉛直となるスタンド作用姿勢にすることができるとともに、図10に示すように、上下中間の連結部32dを前記横メンバー9aの開口に挿入することで、スタンド32が前後方向に沿った格納姿勢にすることができるようになっている。この格納姿勢においては、スタンド32に備えたボス部36と横メンバー9aの後端面に備えたボス部37に亘って連結ピン38を挿入して、格納姿勢のスタンド32が抜け外れるのを防止するようになっている。
通常、これら前後のスタンド31,32はそれぞれ上記した格納姿勢に保持されており、泥落とし作業時には作用姿勢に切り換え操作される。スタンド31,32をスタンド作用姿勢に切り換え操作するには、先ず、図12に示すように、左右のクローラ走行装置1におけるトラックフレーム23をそれぞれ限界まで駆動下降させて接地部を強制下降させ、相対的に走行機体2を大きく持上げる。走行機体2が最大限持上げられた時の地上高は前後のスタンド高さよりも大きく設定されており、このように走行機体2を持上げた状態で、操作ロッド33を少し後方に引いてピンロックを外し、格納姿勢にある前方のスタンド31を自重により作用姿勢まで振り下ろす。また、連結ピン38を抜いて格納姿勢にある後方のスタンド32を一旦機体フレーム9から取り外した後、姿勢を変えて再度機体フレーム9に左右から挿入して作用姿勢にする。なお、振り下ろされた前方のスタンド31は、ミッションケース7の側面にと説されたストッパ39に受け止められることで、前方に振り出し過ぎることなく所定の作用姿勢に位置決めされる。
次に、前後のスタンド31,32を作用姿勢にした状態で、左右のクローラ走行装置1における各トラックフレーム23を駆動上昇させることで、走行機体2を相対下降させ、前後のスタンド31,32が接地して走行機体2が3点接地状態で安定支持される。走行機体2がスタンドを介して接地支持された後、更にトラックフレーム23を駆動上昇させることで、図13に示すように、クローラ走行装置1全体を空中に浮上させることができる。このように、浮上されたクローラ走行装置1のクローラベルト15を空転回動させながら泥落し作業を行う。
泥落し作業には、図18に示す泥落とし具41が利用される。この泥落とし具41は、横長の取付け金具42の左右両端部にそれぞれ泥掻き作用部43,44を脱着自在にボルト連結して構成されている。一方の泥掻き作用部43は、クローラベルト15の内周面における接地転輪転動箇所の機体外側部位に摺接作用し、他方の泥掻き作用部44はクローラベルト15の内周面における接地転輪転動箇所の機体内側部位に摺接作用するものである。
取付け金具42は断面形状が逆L形に形成された板金構造となっており、その縦辺部に形成された切欠き42aを介してトラックフレーム23の前端部に上方から外嵌係合するよう構成されるとともに、その左右両端部には縦壁状の取付け座42b,42cが備えられている。
図14,図16に示すように、外側の泥掻き作用部43は、平面視において外方に向けて先細り形状に形成されるとともに、先下がり傾斜した山形のブラケット45に、掻取りプレート46と掻取りブラシ47とを下向きに取付けて構成されており、ブラケット45から立設された連結片45aを取付け金具42の外側の取付け座42bに2本のボルト48で締め固定されるようになっている。なお、連結片45aのボルト挿通孔49は上下長孔に構成されており、取付け金具42に対する泥掻き作用部43の連結高さを調節して、掻取りプレート46と掻取りブラシ47をクローラベルト15の内周面へ適切に接触させることができるようになっている。
掻取りプレート46は弾性変形可能な樹脂材で構成され、ブラケット45の前後端辺に沿ってボルト連結されており、平面視において外方に向けて先細り形状に配置されている。掻取りブラシ47は、前後の掻取りプレート46で囲まれた三角空間に、掻取りプレート46の背面に沿って組み込まれている。
内側の泥掻き作用部44は、平面視において横長形状に形成されたブラケット51に、掻取りプレート46と掻取りブラシ47とを下向きに取付けて構成されており、ブラケッ51から立設された連結片51aを取付け金具42の外側の取付け座42cに2本のボルト52で締付け固定されるようになっている。掻取りプレート46は弾性変形可能な樹脂材で構成され、ブラケット51の前後端辺に沿って一対配置されるとともに、前後の掻取りプレート46の間に掻取りブラシ47が組み込まれている。なお、連結片51aのボルト挿通孔53も上下長孔に構成されており、取付け金具42に対する泥掻き作用部44の連結高さを調節して、掻取りプレート46と掻取りブラシ47をクローラベル15の内周面へ適切に接触させることができるようになっている。
泥落とし具41は以上のように構成されており、泥落とし作業時に以下のようにしてクローラ走行装置1の内部に装着される。
上記した機体持上げ工程において、走行機体2を持上げるために前後の揺動アーム21,22を下降揺動させると、図17中の実線に示すように、先下がり姿勢の揺動アーム21と略前後水平のトラックフレーム23との間に前方に向けて開かれたV形の空間sが形成されることになり、ここに泥落とし具41の取付け金具42を挿入し、トラックフレーム23に乗せ掛ける。この時、取付け金具42の切欠き42aがトラックフレーム23に外嵌係合されることで泥落とし具41の左右位置決めがなされ、トラックフレーム23の上面に揺動アーム連結用として突設された支点ブラケット54の前端に取付け金具42が接当されることで泥落とし具41の前後方向の位置決めがなされる。
その後、スタンド31,32を上記のように作用姿勢へ切換えるとともに、スタンド31,32を介して走行機体2を接地支持するために揺動アーム21,22を上昇揺動させるに連れて、揺動アーム21とトラックフレーム23とで形成されるV形の空間sが狭くなり、クローラ走行装置1が空中に浮上された状態では、図17中の仮想線で示すように、泥落とし具41の取付け金具42が揺動アーム21とトラックフレーム23とで強固に挟持固定される。
このようにクローラ走行装置1の浮上および泥落とし具41の装着がすむと、クローラ走行装置1を前進駆動、あるいは、後進駆動してクローラベルト15を空転回動させる。クローラベルト15が回動すると、これに伴って泥落とし具41における内外の泥掻き作用43,44がクローラベルト15の内周面に相対摺接し、クローラベルト15の内部に付着堆積した泥土が掻き落とされる。この時、ホースからの水をかけることで、掻き落とした泥土を洗い流す。
この場合、掻取りプレート46が掻取りブラシ47より先に泥掻き作用するので、多くの泥土が掻取りプレート46で除去され、残った泥土が掻取りブラシ47で除去されることになり、掻取りブラシ47が短時間で目詰まりしてしまうことなく効率良く泥落としを行うことができる。
外側の泥掻き作用部43においては、クローラベルト15が正逆いずれの方向に回動されても、傾斜配置された前側あるいは後側の掻取りプレート46で掻き取られた泥土は速やかに機体横外方に案内排出される。
上記のような泥落とし作業においては、走行機体2が持上げられてクローラ走行装置1が浮上された状態において、図19に示すように、スタンド31,32の接地箇所を避けて泥受けシート55を地上に敷設し、掻き落とした泥土をシート上に回収する。泥落とし作業が終了すると、泥土を載置回収した泥受けシート55を機体下方から引き出し、除去した泥土が散乱堆積していない地上にクローラ走行装置1を下降接地させ、スタンド31,32の格納操作、走行機体2の下降操作を順次行い、掻き落とした泥土を踏みつけることなく泥落とし作業場所から自走移動させることができる。
〔他の実施例〕
(1)泥落とし具41をトラックフレーム23の適所にボルトやピンを用いて脱着可能に装着することも可能である。
(2)図20に示すように、泥受けシート55を左右のクローラ走行装置1ごとに2枚使用するようにしてもよい。この場合、泥受けシート55の前後両端部を横外方向に突出する棒材56に連結しておくと、浮上されたクローラ走行装置1の下に側方から泥受けシート55を挿入して敷き伸ばす操作を、棒材56の突出端を持って容易に行うことができる。また、非使用時には泥受けシート55を棒材56に巻きつけて走行機体2の適所に格納保管しておくことができる。
(3)クローラベルト15の内周面における接地転輪転動箇所の機体外側部位に摺接する泥掻き作用部を備えた外側専用の泥落とし具41と、クローラベルト15の内周面における接地転輪転動箇所の機体内側部位に摺接する泥掻き作用部を備えた内側専用の泥落とし具41を別個脱着する形態で実施することもできる。
(4)クローラベルト15を一定方向(例えば前進方向)にのみ空転回動させて泥落とし作業を行うことに決めておくならば、泥掻き作用部の前端辺のみを泥土の案内排出作用を発揮するように、泥掻き作用部を片流れ傾斜させたものですむ。
(5)トラックフレーム23が駆動昇降されない仕様のクローラ走行装置1を備えた機種においては、別途準備したジャッキ装置によって機体を持ち上げてクローラ走行装置1のクローラベルト15を空転回動させればよい。
(6)本発明は、コンバインのみならず、クローラ走行装置1を備えた各種の収穫機や、土工作業機に利用することができる。
1 クローラ走行装置
9 機体フレーム
11 駆動スプロケット
12 テンション輪
13 接地転輪
15 クローラベルト
21 揺動アーム
22 揺動アーム
23 トラックフレーム
41 泥落とし具
43 泥掻き作用部
44 泥掻き作用部
46 掻取りプレート
47 掻取りブラシ
9 機体フレーム
11 駆動スプロケット
12 テンション輪
13 接地転輪
15 クローラベルト
21 揺動アーム
22 揺動アーム
23 トラックフレーム
41 泥落とし具
43 泥掻き作用部
44 泥掻き作用部
46 掻取りプレート
47 掻取りブラシ
Claims (7)
- 駆動スプロケット、テンション輪、および、複数個の接地転輪にわたってクローラベルトを巻回してなるクローラ走行装置を装備し、前記クローラベルトの巻回ループ内に、クローラベルトの内周面に摺接する泥掻き作用部を備えた泥落とし具を、脱着可能に構成してあることを特徴とするクローラ走行式の作業機。
- 前記泥落とし具に、クローラベルトの内周面における接地転輪転動箇所の機体外側部位に摺接する泥掻き作用部と、クローラベルトの内周面における接地転輪転動箇所の機体内側部位に摺接する泥掻き作用部とを備えてある請求項1記載のクローラ走行式の作業機。
- 前記泥掻き作用部を、クローラベルトの周方向に対して傾斜させてある請求項1または2記載のクローラ走行式の作業機。
- 泥掻き作用部を平面視において外方に向けて先細り形状に形成し、泥掻き作用部の前端辺および後端辺がクローラベルトの周方向に対して傾斜するよう構成してある請求項1〜3のいずれか一項に記載のクローラ走行式の作業機。
- 前記泥掻き作用部を、弾性変形可能な掻取りプレートと掻取りブラシとをベルト周方向に並べて装備して構成してある請求項1〜4のいずれか一項に記載のクローラ走行式の作業機。
- 前記テンション輪および接地転輪群が装着されたトラックフレームを、機体フレーム側に上下に駆動揺動可能に配備された前後一対の揺動アームの遊端部に亘って連結支持し、前後の揺動アームを駆動下降させることでトラックフレームを機体フレームに対して強制下降可能に構成してある請求項1〜5のいずれか一項に記載のクローラ走行式の作業機。
- 前記泥落とし具を、一方の前記揺動アームと上昇操作された前記トラックフレームとの間に挟持固定するよう構成してある請求項6記載のクローラ走行式の作業機。
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