JP2007208099A - 可変抵抗器 - Google Patents
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Abstract
【課題】摺動子の板厚を薄くしても所望の接点圧を得ることができ、接点圧のばらつきを抑制できる可変抵抗器を提供する。
【解決手段】基板1上に形成された抵抗体5に摺接する接点部6iを有する摺動子6を備えた可変抵抗器であって、摺動子6には、調整用治具と係合可能な係合溝を有するドライバープレート部6aと接点部6iを有する略環状のアーム部6gとが折り返し部6cを介して一体形成されている。接点部6iはアーム部6gの折り返し部6cから最も離れた位置に形成されており、アーム部6gの接点部付近からアーム部の根元部6h付近まで連続的に延びるビーディング6jを、アーム部6gの長手方向に形成した。
【選択図】 図3
【解決手段】基板1上に形成された抵抗体5に摺接する接点部6iを有する摺動子6を備えた可変抵抗器であって、摺動子6には、調整用治具と係合可能な係合溝を有するドライバープレート部6aと接点部6iを有する略環状のアーム部6gとが折り返し部6cを介して一体形成されている。接点部6iはアーム部6gの折り返し部6cから最も離れた位置に形成されており、アーム部6gの接点部付近からアーム部の根元部6h付近まで連続的に延びるビーディング6jを、アーム部6gの長手方向に形成した。
【選択図】 図3
Description
本発明は、基板上に設けた略円弧状の抵抗体に、この抵抗体の中心部を支点として回転可能に支持された摺動子のアーム部を接触させた可変抵抗器に関するものである。
従来、電子回路内で各電子部品の特性バラツキにより発生する回路全体のバラツキを、抵抗値を調整することにより均一にするため、半固定形の可変抵抗器が用いられている。この種の可変抵抗器は、基板上に設けた略円弧状の抵抗体に、この抵抗体の中心部を支点として回転可能に支持された摺動子のアーム部を接触させた構造となっており、摺動子には、調整用治具を係合可能な係合溝を有するドライバープレート部と接点部を有する略環状のアーム部とが折り返し部を介して一体形成されている。
摺動子には、大別して2つのタイプがある。第1のタイプは、特許文献1に記載のように、ドライバープレート部の中央部に、アーム部の中を通って下方へ突出するカップ状の突出部を一体に形成し、この突出部の底部を基板に回転可能に取り付けたものである。具体的には、基板に固定された金属端子にハトメ部を形成し、突出部の底部に設けた嵌合穴をハトメ部に嵌合させ、ハトメ部を外開き方向にカシメることで取り付けている。
第2のタイプは、特許文献2に記載のように、ドライバープレート部に対して折り返し部を介して下面側へ折り返されたカップ状の突出部を一体に形成し、この突出部の底部を基板に回転可能に取り付けたものである。そして、アーム部は突出部の上端部外周のフランジ部に略円弧状のスリットを形成することにより形成されている。
このように突出部をドライバープレート部側に設けるか、あるいはアーム部側に設けるかによってタイプが別れる。
第2のタイプは、特許文献2に記載のように、ドライバープレート部に対して折り返し部を介して下面側へ折り返されたカップ状の突出部を一体に形成し、この突出部の底部を基板に回転可能に取り付けたものである。そして、アーム部は突出部の上端部外周のフランジ部に略円弧状のスリットを形成することにより形成されている。
このように突出部をドライバープレート部側に設けるか、あるいはアーム部側に設けるかによってタイプが別れる。
可変抵抗器も、他の電子部品と同様に小型化、薄型化が求められており、現在、0.8mm程度の厚みのものが商品化されているが、さらなる薄型化が求められている。このような薄型の可変抵抗器を実現するには、摺動子を薄くする必要があるが、摺動子を構成する金属板の板厚を薄くすると、アーム部のばね定数が低くなり、アーム部に設けられた接点部の抵抗体に対する接触圧(以下、接点圧と呼ぶ)が低下してしまうため、電気的特性が悪化するという問題がある。
接点圧を高めるため、特許文献3では、アーム部の中間部にくの字状の支点部を形成し、この支点部をドライバープレート部の下面に当接させることで、接点圧を高めた可変抵抗器を提案している。また、特許文献4では、ドライバープレート部に下面側に突出する左右一対の凸部を形成し、この凸部をアーム部の中間部上面に当接させることで、接点圧を高めた可変抵抗器を提案している。
しかし、上記いずれの構造も、接点圧は高くなるものの、アーム部の変位できるばね長が実質的に短くなるので、接点圧のばらつきが大きくなるという問題がある。
一方、特許文献2に示される可変抵抗器の場合、アーム部はスリットによって突出部の上端フランジ部に形成されるので、スリットの長さを短くする、換言すればアーム部の長さを短くすれば、それだけアーム部のばね定数を高くすることは可能である。しかし、この場合もばね長が短くなるため、接点圧のばらつきが大きくなるという問題がある。
特開平1−316903号公報
特開2002−83703号公報
特開平9−223608号公報
特開平8−203711号公報
しかし、上記いずれの構造も、接点圧は高くなるものの、アーム部の変位できるばね長が実質的に短くなるので、接点圧のばらつきが大きくなるという問題がある。
一方、特許文献2に示される可変抵抗器の場合、アーム部はスリットによって突出部の上端フランジ部に形成されるので、スリットの長さを短くする、換言すればアーム部の長さを短くすれば、それだけアーム部のばね定数を高くすることは可能である。しかし、この場合もばね長が短くなるため、接点圧のばらつきが大きくなるという問題がある。
そこで、本発明の目的は、摺動子の板厚を薄くしても所望の接点圧を得ることができ、接点圧のばらつきを抑制できる可変抵抗器を提供することにある。
本発明にかかる可変抵抗器は、上面に略円弧状の抵抗体が設けられた基板と、この基板に回転可能に取り付けられ、上記抵抗体に摺接する接点部を有する摺動子とを備え、上記摺動子を回転操作することにより抵抗値を可変とした可変抵抗器において、上記摺動子に、調整用治具と係合可能な係合溝を有するドライバープレート部と上記接点部を有する略環状のアーム部とが折り返し部を介して一体に形成されており、上記接点部は上記アーム部の折り返し部から最も離れた位置に形成されており、上記アーム部の接点部付近から上記アーム部の根元部付近まで連続的に延びるビーディングを、上記アーム部の長手方向に形成したことを特徴とする。
本発明では、アーム部の長手方向にビーディングを形成することで、アーム部の機械的強度を高めている。この構成により、摺動子の素材厚みを薄くしながら十分な接点圧を得ることが可能になるので、摺動子の薄型化、ひいては可変抵抗器の薄型化を実現できる。また、アーム部が変位できるばね長を短くする訳ではないので、接点圧のばらつきを抑制できる。
接点圧を上げるには、アーム部全体の強度向上が重要である。そのため、ビーディングはアーム部の接点部付近からアーム部の根元部付近まで連続的に延びるように形成する必要がある。ここで、根元部とはアーム部のうち弾性変形できるばね部分の根元部のことであり、必ずしもアーム部そのものの根元部である必要はない。
本発明において、ビーディングとはビード加工またはリブ出し加工により形成される連続した凸部のことである。ビーディングの凸方向は、アーム部の上方向または下方向のいずれでもよい。
接点圧を上げるには、アーム部全体の強度向上が重要である。そのため、ビーディングはアーム部の接点部付近からアーム部の根元部付近まで連続的に延びるように形成する必要がある。ここで、根元部とはアーム部のうち弾性変形できるばね部分の根元部のことであり、必ずしもアーム部そのものの根元部である必要はない。
本発明において、ビーディングとはビード加工またはリブ出し加工により形成される連続した凸部のことである。ビーディングの凸方向は、アーム部の上方向または下方向のいずれでもよい。
摺動子に、ドライバープレート部に対して折り返し部を介して下面側へ折り返されたカップ状の突出部が一体に形成され、この突出部の底部が基板に回転可能に取り付けられ、突出部の上端部外周のフランジ部に略円弧状のスリットを形成することによりアーム部が設けられているタイプの可変抵抗器の場合、ビーディングはアーム部の接点部からアーム部の根元部を越えてフランジ部まで延びるように形成されているのが望ましい。
接点部が抵抗体に接触したとき、アーム部の根元部に最も大きな負荷がかかるが、ビーディングが根元部の手前で終端になっていると、根元部で変形し、十分な強度向上が見込めない。そこで、ビーディングを根元部を越えてフランジ部まで延びるように形成することで、根元部の強度を高くすることができる。同様の理由により、接点部の一部にビーディングがかかっていることで、接点部付近の強度を高くすることができる。このようにしてアーム部全体の強度を高くし、所望の接点圧を得ることができる。
接点部が抵抗体に接触したとき、アーム部の根元部に最も大きな負荷がかかるが、ビーディングが根元部の手前で終端になっていると、根元部で変形し、十分な強度向上が見込めない。そこで、ビーディングを根元部を越えてフランジ部まで延びるように形成することで、根元部の強度を高くすることができる。同様の理由により、接点部の一部にビーディングがかかっていることで、接点部付近の強度を高くすることができる。このようにしてアーム部全体の強度を高くし、所望の接点圧を得ることができる。
本発明は、ドライバープレート部の中央部に、アーム部の中を通って下方へ突出するカップ状の突出部を一体に形成し、突出部の底部を基板に回転可能に取り付けたタイプの可変抵抗器にも適用できる。
この場合には、アーム部の中間部をくの字状に折り曲げてドライバープレート部に当接させたり、アーム部の中間部をドライバープレート部の凸部で支持しなくても、所望の接点圧を得ることができる。
この場合には、アーム部の中間部をくの字状に折り曲げてドライバープレート部に当接させたり、アーム部の中間部をドライバープレート部の凸部で支持しなくても、所望の接点圧を得ることができる。
ビーディングを、アーム部の下面側に向かって凸となるように形成するのが望ましい。
ビーディングをアーム部の上面側に向かって凸となるように形成してもよいが、ビーディングがドライバープレート部に接触してアーム部の変位量が制約される可能性がある。特に、アーム部をドライバープレート部の下面側に密着して折り返した構造の摺動子の場合には、上向きのビーディングは形成できない。これに対し、ビーディングをアーム部の下面側に向かって凸となるように形成すれば、ビーディングがドライバープレート部に接触せず、アーム部の変位量が制約されることがない。
ビーディングをアーム部の上面側に向かって凸となるように形成してもよいが、ビーディングがドライバープレート部に接触してアーム部の変位量が制約される可能性がある。特に、アーム部をドライバープレート部の下面側に密着して折り返した構造の摺動子の場合には、上向きのビーディングは形成できない。これに対し、ビーディングをアーム部の下面側に向かって凸となるように形成すれば、ビーディングがドライバープレート部に接触せず、アーム部の変位量が制約されることがない。
ビーディングをアーム部の下面側に向かって凸となるように形成した場合、ビーディングを接点部から根元部にかけて次第に高くなるように形成するのがよい。
ビーディングを下向きに凸となるように形成した場合、ビーディングの高さを一定としてもよいが、ビーディングと抵抗体との間隔が狭くなるため、ダブルコンタクト(接点部以外の部位が抵抗体と接触すること)が発生する可能性がある。そこで、ビーディングを接点部から根元部にかけて次第に高くなるように形成することで、ビーディングの強度向上を確保しながら、ダブルコンタクトを回避することができる。ビーディングはその高さを高くする方が強度が大きくなる。アーム部に作用する曲げ応力は、接点部付近は小さく、根元部ほど大きい。そこで、曲げ応力の小さい接点部付近のビーディングを低く、曲げ応力が大きい根元部のビーディングを高くすることで、アーム部全体に亘って曲げ応力を均一化し、アーム部の局部的なへたりを防止できる。
ビーディングを下向きに凸となるように形成した場合、ビーディングの高さを一定としてもよいが、ビーディングと抵抗体との間隔が狭くなるため、ダブルコンタクト(接点部以外の部位が抵抗体と接触すること)が発生する可能性がある。そこで、ビーディングを接点部から根元部にかけて次第に高くなるように形成することで、ビーディングの強度向上を確保しながら、ダブルコンタクトを回避することができる。ビーディングはその高さを高くする方が強度が大きくなる。アーム部に作用する曲げ応力は、接点部付近は小さく、根元部ほど大きい。そこで、曲げ応力の小さい接点部付近のビーディングを低く、曲げ応力が大きい根元部のビーディングを高くすることで、アーム部全体に亘って曲げ応力を均一化し、アーム部の局部的なへたりを防止できる。
以上のように、本発明によれば、アーム部の長手方向にビーディングを形成することでアーム部の機械的強度を高めたので、摺動子の素材厚みを薄くしながら十分な接点圧を得ることが可能になり、摺動子の薄型化、ひいては可変抵抗器の薄型化を実現できる。また、従来のようにアーム部のばね長を短くする必要がないので、接点圧のばらつきを抑制でき、特性の安定した可変抵抗器を得ることができる。
以下に、本発明の実施の形態を、実施例を参照して説明する。
図1〜図4は本発明にかかる半固定形の可変抵抗器の一例を示す。この実施例の可変抵抗器は、プリント基板に表面実装されるチップ型に形成されたものである。
この可変抵抗器Rの構造は、特許文献2における可変抵抗器と基本的に同様であり、基板1と、基板1にインサートモールドされた固定側端子(第2の金属端子)2,3および可変側端子(第1の金属端子)4と、可変側端子4に回転可能に取り付けられた摺動子6とで構成されている。
この可変抵抗器Rの構造は、特許文献2における可変抵抗器と基本的に同様であり、基板1と、基板1にインサートモールドされた固定側端子(第2の金属端子)2,3および可変側端子(第1の金属端子)4と、可変側端子4に回転可能に取り付けられた摺動子6とで構成されている。
基板1は半田付けの熱に耐え、高温雰囲気で安定動作を可能にするため、耐熱性熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いるのが望ましい。例えば、液晶(LCP)樹脂、変性6Tナイロン、ポニフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂などがよい。図2に示すように、基板1の上面には固定側端子2,3の導通部2a,3aが露出しており、導通部2a,3aを覆うように略円弧状または馬蹄形の抵抗体5が形成されている。抵抗体5は、基板1の上面にカーボンペースト等の抵抗体ペーストをスクリーン印刷し、焼き付けすることにより形成する。これによって、固定側端子2,3は抵抗体5の両端部とそれぞれ電気的に接続される。
固定側端子2,3および可変側端子4のプリント基板への半田付け部である外部接続部2b,3b,4bは、基板1の底面より引き出され、かつ基板1の側面に沿って上方へ垂直に折り曲げられている。固定側端子2,3および可変側端子4は、銅合金または不錆鋼などの良導電性の薄板よりなり、半田濡れ性を向上させるために、少なくとも外部接続部2b,3bおよび4bに金,銀などの貴金属メッキ,半田メッキ,スズメッキなどの表面処理を行なうのが望ましい。
図2に示すように、可変側端子4には、基板1の中央開口部1a,1bから上下方向に露出する平板部4cが設けられており、この平板部4cの中央部にハトメ部4aがバーリング加工等によって一体に形成されている。ハトメ部4aに摺動子6の嵌合穴6kを嵌合させた状態で、ハトメ部4aの上端部が外開き方向にカシメられる。ここでは、カシメ前のハトメ部4aの上端は基板1の上面より上方へ突出している。この実施例では、ハトメ部4aをバーリング加工で形成したが、従来と同様に絞り加工で形成してもよく、ハトメ部4aの上端が基板1の上面より低くてもよい。
摺動子6は良好な導電性とバネ特性とを持つ金属板よりなり、例えば銅合金,不錆鋼または貴金属系合金などの薄板で構成されている。摺動子6は、図3に示すように、一枚の金属板から円板状のドライバープレート部6aとカップ状の絞り部(突出部)6dとが連結部(折り返し部)6cを介して一体に打ち抜き形成され、連結部6cで絞り部6dの上面がドライバープレート部6aの下面に密着するように折り返されている。ドライバープレート部6aにはドライバーなどの調整用治具によって回転操作される十字状の係合溝6bが形成されている。絞り部6dの上端部外周には平坦なフランジ部6eが一体に形成されており、フランジ部6eの連結部6cと反対側の部位には、半円弧状のスリット6fが形成され、このスリット6fを間にして半円弧状のアーム部6gが下方へ切り起こされている。図3の(a)において、実線は摺動子6を基板1に取り付けた状態でのアーム部6gの位置を示し、二点鎖線はアーム部6gの自由状態での位置を示す。スリット6fの終端であるアーム部6gの根元部6hには段差状の折曲部が形成され、この根元部6hでアーム部6gはドライバープレート部6aから離れるように折り曲げられている。アーム部6gの中央部、すなわち連結部6cから最も離れた位置には、抵抗体5に接触する接点部6iが下方に向かって湾曲状に形成されている(図3の(b)参照)。絞り部6dの中央部には嵌合穴6kが形成されており、この嵌合穴6kを可変側端子4のハトメ部4aに嵌合させた上、ハトメ部4aの上端部を外開き状にカシメることで、摺動子6は可変側端子4(基板 1)に所定の回転トルクをもって回転可能に取り付けられ、かつ可変側端子4と電気的に接続される。
アーム部6gには、その長手方向に延びるビーディング6jが下向き凸状に形成されており、このビーディング6jによりアーム部6gに所定のばね定数が付与されている。ビーディング6jは、接点部6iからアーム部6gの根元部6hを越えてフランジ部6eまで連続的に延びている。この実施例では、図4に示すように、ビーディング6jの接点部6i側の高さh1 に比べて、根元部6hの高さh2 が高くなるように、ビーディング6jの高さが漸次変化するように設定されている。図4に摺動子6の各部の寸法(単位mm)の一例を記載した。図示するように、一端側の高さh1 を0.02mm、他端側の高さh2 を0.03mmとした場合、接点部6iの高さh3 をビーディング6jより高くすること(例えばh3 =0.04mm)で、ダブルコンタクトを防止している。
また、ビーディング6jの一端が接点部6iにかかるように形成することで、接点部6i付近の強度を付与するとともに、ビーディング6jの他端が根元部6hを越えてフランジ部6eまで延びることで、最も大きな曲げ応力がかかる根元部6hの強度を付与している。
また、ビーディング6jの一端が接点部6iにかかるように形成することで、接点部6i付近の強度を付与するとともに、ビーディング6jの他端が根元部6hを越えてフランジ部6eまで延びることで、最も大きな曲げ応力がかかる根元部6hの強度を付与している。
この実施例では、ビーディング6jを設けることでアーム部6gのばね定数を高くし、所望の接点圧を得ることができるため、摺動子6の素材厚みを0.05mmまで薄くでき、その結果、摺動子6単体の高さを0.35mm程度まで薄くできた。その結果、可変抵抗器全体の高さを0.8mmから0.5mm程度まで薄くすることが可能になった。
なお、アーム部6gの長さは従前(例えば特許文献2)と同様であるから、アーム部6gが短くなることによる接点圧バラツキを抑制できる。
なお、アーム部6gの長さは従前(例えば特許文献2)と同様であるから、アーム部6gが短くなることによる接点圧バラツキを抑制できる。
上記可変抵抗器Rの抵抗値を変化させるには、調整用治具(例えばプラスドライバー)をドライバープレート部6aの係合溝6bに係合させ、摺動子6を回すことで、調整可能である。摺動子6と可変側端子4との間には所定の回転トルクが付与されているので、調整用治具で回さない限り摺動子6の回転位置が保持される。
図5は摺動子の第2実施例を示す。
この実施例の摺動子10は、ドライバープレート部11の中央部に下方へ突出するカップ状の突出部12を一体に形成するとともに、ドライバープレート部11に連結部(折り返し部)13を介して略環状のアーム部14を下側へ折り返すようにして一体形成してある。アーム部14の中央部、すなわち連結部13から最も離れた位置には接点部15が形成されている。突出部12はアーム部14の中を通って下方へ突出しており、この突出部12の底部が基板(図示せず)に回転可能に取り付けられる。突出部12の内面には調整用治具が係合する複数(ここでは4個)の係合溝16が形成されており、これら係合溝16の裏面凸部16aが突出部12の外周面から外周方向に突出している。なお、係合溝16の裏面凸部16aはアーム部14に接触していない。
この実施例の摺動子10は、ドライバープレート部11の中央部に下方へ突出するカップ状の突出部12を一体に形成するとともに、ドライバープレート部11に連結部(折り返し部)13を介して略環状のアーム部14を下側へ折り返すようにして一体形成してある。アーム部14の中央部、すなわち連結部13から最も離れた位置には接点部15が形成されている。突出部12はアーム部14の中を通って下方へ突出しており、この突出部12の底部が基板(図示せず)に回転可能に取り付けられる。突出部12の内面には調整用治具が係合する複数(ここでは4個)の係合溝16が形成されており、これら係合溝16の裏面凸部16aが突出部12の外周面から外周方向に突出している。なお、係合溝16の裏面凸部16aはアーム部14に接触していない。
アーム部14には、その長手方向に延びるビーディング17が形成されており、このビーディング17によりアーム部14に所定のばね定数が付与されている。ビーディング17は、接点部15からアーム部14の根元部14a付近すなわち連結部13まで連続的に延びている。なお、ビーディング17は連結部13を越えてドライバープレート部11まで延びていてもよい。
この実施例の場合も、ビーディング17によりアーム部14の強度が向上するため、摺動子10の素材厚みを薄くしても所望の接点圧を得ることができる。
この実施例の場合も、ビーディング17によりアーム部14の強度が向上するため、摺動子10の素材厚みを薄くしても所望の接点圧を得ることができる。
第1,第2実施例では、2つのタイプの摺動子について説明したが、これら摺動子に限るものではなく、ドライバープレート部と略環状のアーム部とが折り返し部を介して一体形成された摺動子であれば、本発明を適用することができる。
また、ビーディングの高さを接点部からアーム部の根元部にかけて漸次高くしたが、一定高さであってもよい。
基板に金属端子をインサートモールドしたが、金属端子を基板(例えばセラミック基板、フレキシブル基板、樹脂コート金属基板)にはめ込んだ後、カシメることで固定してもよく、固定方法は任意である。また、基板に2個の固定側端子と1個の可動側端子とを設けたが、1個の固定側端子と1個の可動側端子とを設けたものであってもよい。さらに、抵抗体形成は印刷方法に限定されず、その他の方法(例えば描画法)で形成してもよい。
また、ビーディングの高さを接点部からアーム部の根元部にかけて漸次高くしたが、一定高さであってもよい。
基板に金属端子をインサートモールドしたが、金属端子を基板(例えばセラミック基板、フレキシブル基板、樹脂コート金属基板)にはめ込んだ後、カシメることで固定してもよく、固定方法は任意である。また、基板に2個の固定側端子と1個の可動側端子とを設けたが、1個の固定側端子と1個の可動側端子とを設けたものであってもよい。さらに、抵抗体形成は印刷方法に限定されず、その他の方法(例えば描画法)で形成してもよい。
R 可変抵抗器
1 基板
2,3 固定側端子
4 可変側端子
4a ハトメ部
5 抵抗体
6 摺動子
6a ドライバープレート部
6b 係合溝
6c 連結部(折り返し部)
6d 絞り部(突出部)
6g アーム部
6h 根元部
6i 接点部
6j ビーディング
1 基板
2,3 固定側端子
4 可変側端子
4a ハトメ部
5 抵抗体
6 摺動子
6a ドライバープレート部
6b 係合溝
6c 連結部(折り返し部)
6d 絞り部(突出部)
6g アーム部
6h 根元部
6i 接点部
6j ビーディング
Claims (5)
- 上面に略円弧状の抵抗体が設けられた基板と、この基板に回転可能に取り付けられ、上記抵抗体に摺接する接点部を有する摺動子とを備え、上記摺動子を回転操作することにより抵抗値を可変とした可変抵抗器において、
上記摺動子に、調整用治具と係合可能な係合溝を有するドライバープレート部と上記接点部を有する略環状のアーム部とが折り返し部を介して一体に成されており、
上記接点部は上記アーム部の折り返し部から最も離れた位置に形成されており、
上記アーム部の接点部付近から上記アーム部の根元部付近まで連続的に延びるビーディングを、上記アーム部の長手方向に形成したことを特徴とする可変抵抗器。 - 上記摺動子に、上記ドライバープレート部に対して上記折り返し部を介して下面側へ折り返されたカップ状の突出部が一体形成され、
上記突出部の底部が上記基板に回転可能に取り付けられ、上記突出部の上端部外周のフランジ部に略円弧状のスリットを形成することにより上記アーム部が設けられており、
上記ビーディングは上記アーム部の接点部から上記アーム部の根元部を越えてフランジ部まで延びるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の可変抵抗器。 - 上記ドライバープレート部の中央部に、上記アーム部の中を通って下方へ突出するカップ状の突出部が一体に形成され、上記突出部の底部が上記基板に回転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の可変抵抗器。
- 上記ビーディングは、上記アーム部の下面側に向かって凸となるように形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の可変抵抗器。
- 上記ビーディングは、上記接点部から根元部にかけて次第に高くなるように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の可変抵抗器。
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