JP2007206518A - 電気光学装置の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】紫外線を照射して絶縁膜を形成するときに当該紫外線の特定波長の強度を最適化することにより、表示ムラの発生を防止することが可能な液晶装置の製造方法を提供する。
【解決手段】この液晶装置の製造方法は、素子基板の製造工程におけるトップコート層の形成方法に特徴を有する。トップコート層は、絶縁性を有する液状体を画素電極等の上に塗布する塗布工程と、少なくとも355〜375nmの範囲の波長及び245〜265nmの範囲の波長を含む紫外線を液状体に照射するUV照射工程と、その紫外線が照射された液状体を所定条件下で加熱することによりトップコート層を形成する本焼成工程とを有する。特に、UV照射工程において紫外線の245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度が紫外線の355〜375nmの範囲の波長におけるピークの強度の約1/3以下に設定されているのでトップコート層の無機性が低下し、トップコート層の表面の粗さが低下して液晶の駆動時に表示ムラが生じるのを防止できる。
【選択図】図10

Description

本発明は、電気光学装置の製造方法等に関する。
従来より、液晶装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマディスプレイ装置、及びフィールドエミッション表示装置などの各種の電気光学装置が知られている。そのような液晶装置として、例えば、金属反射膜、カラーフィルタ、保護層、透明電極、SiOのような無機酸化膜からなる絶縁膜、配向膜をこの順に積層してなる基板と、透明電極、配向膜をこの順に積層してなる対向基板との間に液晶を挟持してなる液晶装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
ここで、金属反射膜は通常、アルミニウム(Al)、銀(Ag)及びこれらを主成分とする合金からなるが、この金属反射膜は膜自体の硬度が低い。また、金属反射膜よりも上層に配されたカラーフィルタ、保護膜なども同様に硬度が低い。このため、液晶装置の観察側から外力が加えられた場合、かかる基板の上層に位置する絶縁膜は当該絶縁膜の下層に位置する各要素により均一に支持されないために絶縁膜に応力が集中して、わずかな外力で破断してしまい、基板の透明電極と対向基板の透明電極との短絡防止効果を十分に得ることができないという問題がある。
例えば、製造工程中に導電性異物が一対の基板間に混入し、当該導電性異物の存在する位置に観察側から外力が加えられた場合には、絶縁膜が破断するとともに導電性異物を介して基板の透明電極と対向基板の透明電極とが短絡してしまう。
そこで、このような課題を解消するため、UV(紫外線)照射及び所定の時間で焼成を施すことにより、その膜ストレスを9.8×107N/m2未満とした弾性の良好な絶縁膜を有する液晶装置が例えば特許文献2に記載されている。かかる液晶装置において、絶縁膜は弾性化材料が付与されたバインダー成分が架橋及び焼成されてなる。弾性化材料は主に炭素結合からなる1つの長鎖を有する3官能型シランであり、バインダー成分はTiO2、SiO2、ZrO2のうちのいずれか一種以上であるのが好ましいとされている。これにより、かかる絶縁膜の弾性力が良好なものとなり、絶縁膜自体がその弾性力により外力を吸収して緩衝材としての機能を果たし、上記の絶縁膜のように僅かな外力で破断せず、基板の透明電極と対向基板の透明電極との短絡防止効果を発揮できるとされている。
また、液晶装置用基板の製造方法として、ガラス基板上に感光性樹脂層を形成し、その感光性樹脂層に波長254nmのUV光を照射して感光性樹脂層の表面部を選択的に改質させて、表面部と表面部以外の下層部との間に熱収縮率差を生じさせ、感光性樹脂層を熱処理して表面部に凹凸を形成し、表面部上に反射電極を形成する液晶装置基板の製造方法が知られている(例えば、特許文献3を参照)。
なお、液晶装置として、カラーフィルタ基板側に、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等といった感光性の樹脂により形成されるオーバーコート層を設けてなる液晶装置が知られている(例えば、特許文献4を参照)。この特許文献4に記載のカラーフィルタ基板では、着色要素及び遮光部材の上にオーバーコート層が形成されていると共に、そのオーバーコート層の上に複数の電極が形成され、さらに、その上に配向膜が形成されている。
特開2002−14334号公報 特開2005−241838号公報 特開2004−151564号公報 特開2005−301128号公報
しかしながら、例えば、上記の特許文献2に記載の液晶装置において、紫外線を照射して絶縁膜を形成するときに、かかる紫外線の有する複数の波長のうち所定波長の強度が大きいと、絶縁膜の無機性が高まって当該絶縁膜の表面が粗くなり、液晶の駆動時に表示ムラが生じてしまうという問題がある。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、紫外線を照射して絶縁膜を形成するときに当該紫外線の特定波長の強度を最適化することにより、表示ムラの発生を防止することが可能な液晶装置の製造方法等を提供することを課題とする。
本発明の1つの観点では、電気光学装置の製造方法は、例えばフレキソ印刷法などの手法を用いて絶縁性を有する液状体を基板上に塗布する塗布工程と、少なくとも355〜375nmの範囲の波長及び245〜265nmの範囲の波長を含む紫外線を前記液状体に照射するUV照射工程(紫外線照射工程)と、前記紫外線が照射された前記液状体を所定条件下で加熱することにより絶縁層を形成する本焼成工程と、を備え、前記紫外線の245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度は、前記紫外線の355〜375nmの範囲の波長におけるピークの強度の約1/3以下に設定されている。
上記の電気光学装置の製造方法では、まず、塗布工程は、例えばフレキソ印刷法などの手法を用いて絶縁性を有する液状体を基板上に塗布する。好適な例では、前記液状体は少なくともバインダー成分及び弾性化材料を含み、前記バインダー成分は、TiO、ZrOのうち少なくとも一種以上で構成され、前記弾性化材料は、主に炭素結合からなる1つの長鎖を有する3官能型シランにより構成されるのが好ましい。また、前記液状体はフィラーをさらに含み、前記フィラーは、SiO、Sbのうち少なくとも一種以上で構成されるのが好ましい。
次に、UV照射工程は、少なくとも355〜375nmの範囲の波長及び245〜265nmの範囲の波長を含む紫外線を液状体に照射する。これにより、液状体中のバインダー成分の架橋反応が促進され、かかる液状体が仮焼成される。好適な例では、UV照射工程は、紫外線の波長245〜265nmの強度を減衰させた状態で液状体に紫外線を照射するのが好ましい。これは、UV照射工程により、紫外線吸収フィルターを通じて液状体に紫外線を照射することにより実現できる。紫外線吸収フィルターとしては、例えば周知の色ガラスフィルター等を用いることができる。これにより、初期状態において紫外線の波長245〜265nmの強度が大きくても、紫外線吸収フィルターにより紫外線の波長245〜265nmの強度が減衰された状態で液状体に照射される。また、前記UV照射工程による前記液状体への前記紫外線の照射量は約6000mJ/cmであるのが好ましい。
次に、本焼成工程は、紫外線が照射された液状体を所定条件下で加熱することにより絶縁層を形成する。これにより、液状体が本焼成され、硬化した状態の絶縁層(トップコート層)が得られる。好適な例では、前記本焼成工程は、窒素雰囲気中において、加熱温度が約220℃〜約300℃で且つ加熱時間が約5分〜約30分の条件下で前記液状体を加熱するのが好ましい。
ここで、紫外線の245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度が大きいと、絶縁層となるべき液状体中の残留OR基(アルコキシ基)の分解が促進され、かかる液状体は無機性の構造が支配的となる。それに従い、UV照射工程等により仮焼成された液状体の内部及びその表面における有機基が少なくなり、かかる液状体の無機性が強くなる。また、紫外線の245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度が大きいと、かかる液状体の膜の収縮が進行し、その液状体に配合されている、親水性を有するSiO、SbO等を含むフィラーがその液状体の表面に多く現れる傾向が加速される。これに伴い、かかる液状体の膜の表面の粗さが増加するため、その表面積が増大する。その結果、かかる液状体の膜の表面の親水性が増加する。
また、通常、絶縁層の表面には洗浄工程での洗剤などの残渣(不純物イオン)が吸着していると共に、経時劣化等により、僅かながら電気光学装置に設けられるシール材を介して水分等が電気光学物質の内部に進入してくる。そうすると、そのような親水性の増した液状体の膜の表面及び内部において、水分や不純物イオン等が吸着・脱離し易い部分が増える。ここで、その部分は、特に電気光学装置のシール材の各隅付近の領域や電気光学物質の注入口付近の領域となっている。その結果、その部分に位置する電気光学物質に不純物イオン等が溶出して、その部分、即ちシール材の各隅付近の領域及び電気光学物質の注入口付近の領域のイオン密度が高くなり、その部分の電気光学物質の比抵抗が下がる。これにより、その部分の電気光学物質の駆動時の閾値電圧Vthが低下するため表示ムラが生じる。例えば、ノーマリーホワイトの表示モードを有する電気光学装置の場合には、その部分が黒くなり表示ムラが発生する。
以上の点から、理論的には紫外線の245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度を抑制すれば、上記の液状体の無機性を低下させることができ、かかる液状体の膜の表面の粗さを低下させることができる結果、表示ムラを解消できる。そこで、実験的に紫外線の245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度を徐々に小さくしていった結果、紫外線の355〜375nmの範囲の波長におけるピークの強度の約1/3以下に設定することにより、表示ムラを解消できることがわかった。
そこで、この電気光学装置の製造方法では、特に、紫外線の245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度を、紫外線の355〜375nmの範囲の波長におけるピークの強度の約1/3以下に設定する。これにより、上記のようにシール材の各隅付近の領域及び電気光学物質の注入口付近の領域において表示ムラが生じるのを防止できる。その結果、かかる製造方法により製造された電気光学装置は高品位な表示を得ることができる。
本発明の他の観点では、例えばフレキソ印刷法などの手法を用いて絶縁性を有する液状体を基板上に塗布する塗布工程と、紫外線を前記液状体に照射するUV照射工程と、前記紫外線が照射された前記液状体を所定条件下で加熱することにより絶縁層を形成する本焼成工程と、を備え、前記UV照射工程は、前記紫外線の波長245〜265nmの強度を減衰させた状態で前記液状体に前記紫外線を照射する。
上記の電気光学装置の製造方法では、まず、塗布工程は、例えばフレキソ印刷法などの手法により絶縁性を有する液状体を基板上に塗布する。好適な例では、前記液状体は少なくともバインダー成分及び弾性化材料を含み、前記バインダー成分は、TiO、ZrOのうち少なくとも一種以上で構成され、前記弾性化材料は、主に炭素結合からなる1つの長鎖を有する3官能型シランにより構成されるのが好ましい。また、前記液状体はフィラーをさらに含み、前記フィラーは、SiO、Sbのうち少なくとも一種以上で構成されるのが好ましい。
次に、UV照射工程は、紫外線を液状体に照射する。これにより、液状体中のバインダー成分の架橋反応が促進され、かかる液状体が仮焼成される。好適な例では、前記UV照射工程による前記液状体への前記紫外線の照射量は約6000mJ/cmであるのが好ましい。
次に、本焼成工程は、紫外線が照射された液状体を所定条件下で加熱することにより絶縁層を形成する。これにより、液状体が本焼成され、硬化した状態の絶縁層(トップコート層)が得られる。好適な例では、前記本焼成工程は、窒素雰囲気中において、加熱温度が約220℃〜約300℃で且つ加熱時間が約5分〜約30分の条件下で前記液状体を加熱するのが好ましい。
特に、この電気光学装置の製造方法では、UV照射工程は、紫外線の波長245〜265nmの強度を減衰させた状態で液状体に紫外線を照射する。これは、UV照射工程により、紫外線吸収フィルターを通じて液状体に紫外線を照射することにより実現できる。紫外線吸収フィルターとしては、例えば周知の色ガラスフィルター等を用いることができる。
これにより、初期状態において紫外線の波長245〜265nmの強度が大きくても、紫外線吸収フィルターにより紫外線の波長245〜265nmの強度が減衰された状態で液状体に照射される。よって、上記のようにシール材の各隅付近の領域及び電気光学物質の注入口付近の領域において表示ムラが生じるのを防止できる。その結果、かかる製造方法により製造された電気光学装置は高品位な表示を得ることができる。
上記の電気光学装置の製造方法の一つの態様では、前記塗布工程の前工程として、前記基板上に電極を形成する工程を有し、前記本焼成工程の次工程として、前記絶縁層の上側に配向膜を形成する工程を有する。
一般的に配向膜はその厚さ(膜厚)が数十nmと非常に薄いため、電気光学物質の注入過程等において電気光学物質中に導電性を有する異物が混入した場合、その異物が配向膜を突き破るなどして、一般的に、電気光学装置を構成する一対の基板のうち一方の基板の配向膜の下側に設けられる電極と、他方の基板の配向膜の下側に設けられる電極とが上下導通(短絡)してしまう恐れがある。
この点、この態様では、塗布工程の前工程として、基板上に電極を形成する工程を有し、前記本焼成工程の次工程として、絶縁層の上側に配向膜を形成する工程を有するので、配向膜の下側に直接的に電極が形成されるのではなく、絶縁層を介して配向膜の下側に電極が形成されることになる。よって、かかる絶縁層の存在によって導電性を有する異物による一対の基板の各電極同士の短絡不良を防止することができる。
本発明の他の観点では、基板上に塗布された絶縁性を有する液状体に紫外線を照射する電気光学装置の製造装置は、少なくとも355〜375nmの範囲の波長及び245〜265nmの範囲の波長を含む紫外線を前記液状体に照射するUV照射手段を備え、前記UV照射手段の照射する紫外線の245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度は、前記紫外線の355〜375nmの範囲の波長におけるピークの強度の約1/3以下に設定されている。
上記の電気光学装置の製造装置は、少なくとも355〜375nmの範囲の波長及び245〜265nmの範囲の波長を含む紫外線を液状体に照射するUV照射手段を備える。好適な例では、前記液状体は少なくともバインダー成分及び弾性化材料を含み、前記バインダー成分は、TiO、ZrOのうち少なくとも一種以上で構成され、前記弾性化材料は、主に炭素結合からなる1つの長鎖を有する3官能型シランにより構成されるのが好ましい。また、前記液状体はフィラーをさらに含み、前記フィラーは、SiO、Sbのうち少なくとも一種以上で構成されるのが好ましい。
特に、この電気光学装置の製造装置は、UV照射手段の照射する紫外線の245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度は、紫外線の355〜375nmの範囲の波長におけるピークの強度の約1/3以下に設定されている。
これにより、この電気光学装置の製造装置を用いて製造された電気光学装置では、上記のようにシール材の各隅付近の領域及び電気光学物質の注入口付近の領域において表示ムラが生じるのを防止できる。その結果、この電気光学装置は高品位な表示を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。尚、以下の実施形態は、本発明を電気光学装置の一例としての液晶装置に適用したものである。
[液晶装置の構成]
まず、本発明の実施形態に係る液晶装置の構成について説明する。なお、以下では、1つのサブ画素領域SG内に存在する1つの表示領域を「サブ画素」と称し、また、1つの画素領域AG内に対応する表示領域を「1画素」と称することもある。
図1は、本実施形態に係る液晶装置100の概略構成を模式的に示す平面図である。図1では、主として、液晶装置100の電極及び配線の構成を平面図として示している。ここに、本実施形態の液晶装置100は、二端子型非線形素子の一例としてのTFD(Thin Film Diode)素子を用いたアクティブマトリクス駆動方式であって、透過型の液晶装置である。図2は、図1の切断線A−A’に沿った液晶装置100の概略断面図であり、特にシール材3の隅の領域A1(矩形状の破線部分)及び1つのX方向に列をなす複数のサブ画素領域SGを通る位置で切断した概略断面図を示す。
まず、主に図2を参照して、液晶装置100の断面構成について説明する。
液晶装置100は、素子基板91と、その素子基板91に対向して配置されるカラーフィルタ基板92とが液晶の注入口3aを有する枠状のシール材3を介して貼り合わされ、その枠状のシール材3により区画される領域に液晶が挟持され液晶層4が形成されてなる。液晶の注入口3aは光硬化性樹脂等からなる封止材13により封止されている。また、枠状のシール材3には、複数の金粒子などの導通部材7が混入されている。
絶縁性を有する下側基板1の内面上には、サブ画素領域SG毎にITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材料よりなる画素電極10が形成されている。下側基板1の内面上であって、相隣接する画素電極10の間にはクロム等よりなるデータ線32が形成されている。画素電極10及びデータ線32等の内面上には絶縁性を有するトップコート層17が形成されている。
詳細は後述するが、本実施形態のトップコート層17は、例えばTiO、ZrOのうち少なくとも一種以上により構成されるバインダー成分と、例えばSiO、Sbのうち少なくとも一種以上で構成されるフィラーと、主に炭素結合からなる1つの長鎖を有する3官能型シランにより構成される弾性化材料と、ヘキシレングリコールからなる溶剤とが混合された液状体をフレキソ印刷法等の手法により塗布し、続いてその液状体を乾燥、焼成することにより得られたものである。ここで、添加されている弾性化材料とは、バインダー成分と共に架橋、焼成されることでトップコート層17の弾性力を向上させる機能を有する材料のことである。トップコート層17の内面上にはポリイミド樹脂等の有機材料からなる配向膜19が形成されている。
一方、上側基板2の内面上には、サブ画素領域SG毎に、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色のうち、いずれか1色からなる着色層6R、6G、及び6Bが形成されている。着色層6R、6G及び6Bによりカラーフィルタが構成される。1つの画素領域AGは、R、G、Bのサブ画素から構成されるカラー1画素分の領域を示している。なお、以下の説明において、色を問わずに着色層を指す場合は単に「着色層6」と記し、色を区別して着色層を指す場合は「着色層6R」などと記す。上側基板2の内面上であって、各サブ画素領域SGを区画する位置等には、隣接するサブ画素領域SGを隔て、一方のサブ画素から他方のサブ画素への光の混入を防止するため、遮光性を有するブラックマトリックス(以下、単に「BM」と称する)が形成されている。
着色層6及びBMの内面上には、アクリル樹脂等からなるオーバーコート層18が形成されている。このオーバーコート層18は、液晶装置100の製造工程中に使用される薬剤等による腐食や汚染から、着色層6等を保護する機能を有する。オーバーコート層18の内面上には、ITOなどの透明導電材料よりなる短冊状の形状を有する走査線8が形成されている。走査線8の内面上にはポリイミド樹脂等の有機材料からなる配向膜16が形成されている。
また、走査線8の一端はシール材3内に位置しており、そのシール材3内の導通部材7と電気的に接続されている。下側基板1の内面上の左右周縁部にはクロム等からなる配線31が形成されている。配線31の一端はシール材3内に位置しており、シール材3内に混入された導通部材7と電気的に接続されている。そして、下側基板1の配線31と、上側基板2の走査線8とは、シール材3内に混入された導通部材7を介して上下導通している。
また、下側基板1の外面上には偏光板13が配置されていると共に、上側基板2の外面上には偏光板12が配置されている。偏光板13の外面上には、照明装置としてのバックライト15が配置されている。バックライト15としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)等といった点状光源や、冷陰極蛍光管等といった線状光源、或いはこれと導光板とを組み合わせたものなどが好適である。
以上の構成を有する液晶装置100において透過型表示がなされる場合、バックライト15から出射した照明光は、図2に示す経路Tに沿って進行し、着色層6及び画素電極10等を通過して観察者に至る。この場合、その照明光は、着色層6を透過することにより、所定の色相及び明るさを呈する。こうして、所望のカラー表示画像が観察者により視認される。
(電極及び配線の構成)
次に、図1、図3及び図4を参照して、素子基板91及びカラーフィルタ基板92の電極及び配線の構成について説明する。図3は、素子基板91を正面方向(即ち、図2における上方)から観察したときの素子基板91の電極及び配線などの構成を平面図として示す。図4は、カラーフィルタ基板92を正面方向(即ち、図2における下方)から観察したときのカラーフィルタ基板92の電極の構成を平面図として示す。また、図3及び図4において、電極や配線以外のその他の要素は説明の便宜上図示を省略している。
図1において、素子基板91の画素電極10と、カラーフィルタ基板92の走査線8との交差する領域が表示の最小単位であるサブ画素領域SGを構成する。そして、このサブ画素領域SGが紙面縦方向及び紙面横方向に複数個、マトリクス状に並べられた領域が有効表示領域V(2点鎖線により囲まれる領域)である。この有効表示領域Vに、文字、数字、図形等の画像が表示される。なお、図1及び図3において、液晶装置100の外周と、有効表示領域Vとによって区画された領域は、画像表示に寄与しない額縁領域38となっている。
素子基板91の電極及び配線等の構成は次の通りである。
図3に示すように、素子基板91は、TFD素子21、画素電極10、複数の配線31、複数のデータ線32、XドライバIC34、複数のYドライバIC33、及び複数の外部接続用端子35を備えている。
素子基板91は、カラーフィルタ基板92の一端側から外側に張り出してなる張り出し領域36を有する。張り出し領域36上には、XドライバIC34及び各YドライバIC33が例えばACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)を介して、それぞれ実装されている。なお、図4では、説明の便宜上、素子基板91の張り出し領域36側の辺91aから反対側の辺91cへ向かう方向をY方向とし、辺91dから辺91bへ向かう方向をX方向とする。
張り出し領域36上には、複数の外部接続用端子35が形成されている。XドライバIC34及び各YドライバIC33の各入力端子(図示略)は、導電性を有するバンプを介して、その複数の外部用接続端子35にそれぞれ接続されている。外部接続用端子35は、ACFや半田などを介して、図示しない配線基板、例えばフレキシブルプリント基板に接続されている。これにより、例えば携帯電話や情報端末などの電子機器から液晶装置100へ信号や電力が供給される。
XドライバIC34の出力端子(図示略)は、導電性を有するバンプを介して、複数のデータ線32に電気的に接続されている。一方、各YドライバIC33の出力端子(図示略)は、導電性を有するバンプを介して複数の配線31に電気的に接続されている。これにより、XドライバIC34は複数のデータ線32にデータ信号を、また、各YドライバIC33は複数の配線31に走査信号をそれぞれ出力する。
複数のデータ線32は、紙面縦方向に延在する直線状の配線であり、張り出し領域36から有効表示領域VにかけてX方向に延在するように形成されている。各データ線32は、X方向に一定の間隔を置いて形成され、対応する各TFD素子21に電気的に接続されている。各TFD素子21は、対応する各画素電極10に接続されている。
複数の配線31は、本線部分31aと、その本線部分31aの終端からシール材3側に折れ曲がる折れ曲がり部分31bとにより構成されている。各本線部分31aは、額縁領域38内を張り出し領域36からY方向に延在するように形成されている。各折れ曲がり部分31bの一端(終端)は、紙面左側又は紙面右側に存在するシール材3内に位置しており、そのシール材3内に混入された導通部材7と電気的に接続されている。
次に、カラーフィルタ基板92の電極等の構成は次の通りである。
図4に示すように、カラーフィルタ基板92は、X方向に延在する短冊状の走査線8を複数有する。各走査線8の左端部或いは右端部は、図1及び図4に示すように、シール材3内に位置しており、そのシール材3内の導通部材7と電気的に接続されている。
以上に述べた、カラーフィルタ基板92と素子基板91とがシール材3を介して貼り合わせられた状態が図1に示されている。同図に示すように、カラーフィルタ基板92の各走査線8は、素子基板91の各データ線32に対して略直交しており、X方向に列をなす複数の画素電極10と平面的に重なり合っている。このように、走査線8と画素電極10とが重なり合う領域がサブ画素領域SGを構成する。
また、カラーフィルタ基板92の走査線8と、素子基板91の配線31とは、図示のように左辺側と右辺側との間で交互に重なり合っており、その走査線8と配線31とは、シール材3内の導通部材7を介して上下導通している。つまり、各走査線8と各配線31との導通は、図示のように左辺側と右辺側との間で交互に実現されている。これにより、カラーフィルタ基板92の走査線8は、素子基板91の配線31を介して、紙面左右に夫々位置する各YドライバIC34に電気的に接続されている。
[液晶装置の製造方法]
次に、図3、図5乃至図9等を参照して、上記した構成を有する液晶装置100の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、主に、素子基板91の構成要素であるトップコート層17の形成方法に特徴を有しているため、それ以外の要素の形成方法についての説明は簡略化若しくは省略する。
図5は、液晶装置100の製造方法のフローチャートを示す。図6(a)は、図5の工程S2に対応する素子基板91の製造方法のフローチャートを、また、図6(b)は、図6(a)の工程P3に対応するトップコート層17の形成方法のフローチャートを夫々示す。図7乃至図9は、素子基板91の製造工程を示す断面図である。
まず、周知の方法により、図2及び図4に示すカラーフィルタ基板92を作製する(工程S1)。次に、素子基板91を作製する(工程S2)。なお、本発明では、カラーフィルタ基板92と素子基板91の作製順序に特に限定はない。
まず、下側基板1上に、データ線32、配線31、外部接続用配線35などの各種配線、及びTFD素子21を所定の位置に形成し(工程P1)、その後、各サブ画素領域SGに対応する下側基板1上に画素電極10を形成する(工程P2)。こうして、図3及び図7(a)に示す半製品たる素子基板91xが得られる。
次に、データ線32及び画素電極10等の上に、本発明の特徴をなすトップコート層17を形成する(工程P3)。トップコート層17は、主に、塗布工程Q1と、仮焼成の一部を担うUV照射工程Q2と、本焼成工程Q3とを経て形成される。
まず、例えばTiO、ZrOのうち少なくとも一種以上により構成されるバインダー成分と、例えばSiO、Sbのうち少なくとも一種以上で構成されるフィラーと、主に炭素結合からなる1つの長鎖を有する3官能型シランにより構成される弾性化材料と、ヘキシレングリコールからなる溶剤とが混合された液状体17xを準備し、続いて、フレキソ印刷法等の手法を用いて、図7(b)に示すように、かかる液状体17xをデータ線32及び画素電極10等を覆う位置に塗布する(塗布工程Q1)。
続いて、図示を省略するが、かかる素子基板91xを、例えば約20℃〜約40℃の温度で約2分〜約30分程度の間放置することにより、かかる液状体17xの表面を平滑化(レべリング)し、その後、かかる素子基板91xをプレベーク炉内に入れて、当該素子基板91xを約200℃以下の温度で加熱することにより、液状体17x中の溶剤を揮発させ、仮焼成を実施する。その形態例としては、例えばレべリングするときの温度が25℃であれば、30℃、40℃、60℃、・・・というように温度がステップ状に高くなるように設定されている複数のホットプレート上で素子基板91xを搬送しつつ仮焼成を行っても良いし、或いは遠赤外線を照射することで仮焼成を行うものでも良い。
次に、図8(a)に示すように、UVランプ80aを有するUV照射装置80によって液状体17xに紫外線80Lを照射し更に仮焼成を実施する(UV照射工程Q2)。これにより、液状体17x中のバインダー成分の架橋反応が促進され、かかる液状体17xが更に仮焼成される。ここで、トップコート層17となるべき液状体17xを適正な仮焼成状態とするためには、UVランプ80aは、経験的に、少なくとも355〜375nmの範囲の波長及び245〜265nmの範囲の波長を含む紫外線80Lを照射するものであることが必要で、さらに、紫外線80Lの245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度は、紫外線80Lの355〜375nmの範囲の波長におけるピークの強度の約1/3以下に設定されていることが必要である。好適な例では、ピーク波長365nmの強度を100%としたときに、波長254nmの強度が約30%に設定されている、言い換えれば、波長254nmの強度が波長365nmの強度の約1/3に設定されているのが好ましい。なお、UV照射工程Q2による液状体17xへの紫外線80Lの照射量は約6000mJ/cmであるのが好ましい。
次に、本焼成を実施する(本焼成工程Q3)。具体的には、この本焼成工程Q3は、ベーク炉81に素子基板91xを入れて、そのベーク炉81内に設けられた赤外線ヒータ81aにより、かかる素子基板91xの液状体17xに赤外線81Lを照射する。これにより、液状体17xが本焼成され、絶縁性を有するトップコート層17が得られる。このとき、本焼成工程Q3は、窒素雰囲気中において、加熱温度が約220℃〜約300℃で且つ加熱時間が約5分〜約30分の条件下で、上記の工程にて仮焼成が行われた液状体17xを加熱するのが好ましい。なお、かかる工程では、赤外線ヒータ81aの代わりに遠赤外線ヒータを用いても良い。
次に、図9に示すように、トップコート層17上にポリイミド樹脂等の有機材料からなる配向膜19を形成し(工程P4)、その後、その配向膜19に配向処理を施す(図示略)。続いて、図9に示すように、下側基板1の外面上に、その他の構成要素の形成、例えば偏光板13等を取り付ける(工程P5)。こうして、本実施形態に係る素子基板91が作製される。
図5に戻り、素子基板91とカラーフィルタ基板92とを枠状のシール材3を介して貼り合わせ、その枠状のシール材3の適所に設けられた液晶の注入口3aを通じて、枠状のシール材3により区画される領域に液晶を注入し、さらに液晶の注入口3aを封止材13によって封止する(工程S3、図1及び図2を参照)。次に、その他の構成要素の実装、例えばバックライト15を素子基板91の外面上に取り付けるなどして、本実施形態に係る液晶装置100が製造される。
次に、図10を参照して、比較例と比較した、本実施形態に係る液晶装置100の製造方法に特有の作用効果について説明する。
図10は、比較例及び本実施形態に係るUVランプの波長(nm)と強度(%)の関係を実測データとして示す図表である。なお、図10に示される各強度(%)は、ピーク波長365nmの強度を100%としたときの相対的な強度を示す。
上述したように、UV照射工程Q2において、トップコート層17となるべき液状体17xを適正な仮焼成状態とするためには、経験則上、UVランプは、少なくとも355〜375nmの範囲の波長及び245〜265nmの範囲の波長を含む紫外線80Lを照射するものであることが必要である。この点、比較例も、かかる波長を照射可能なUVランプを用いて液状体17Xを仮焼成して、最終的にトップコート層17を形成するようにしている。しかしながら、比較例に係る方法で製造された液晶装置を長期間放置すると、或いは温度60℃且つ湿度90%の条件下で約150時間ほど耐湿エージング試験を実施すると、かかる液晶装置を駆動した場合に、図1及び図2において、シール材3の各隅付近の領域A1及び液晶の注入口3a付近の領域A2(矩形状の破線領域)において表示ムラが生じてしまう。そこで、かかる不具合を解析した結果、その不具合は次のような仕組みで発生することがわかった。
即ち、紫外線80Lの245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度が大きいと、トップコート層17となるべき液状体17x中の残留OR基(アルコキシ基)の分解が促進され、かかる液状体17xは無機性の構造が支配的となる。それに従い、仮焼成された液状体17xの内部及びその表面における有機基が少なくなり、かかる液状体17xの無機性が強くなる。また、紫外線80Lの245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度が大きいと、かかる液状体17xの膜の収縮が進行し、その液状体17xに配合されている、親水性を有するSiO、SbO等を含むフィラーがその液状体17xの表面に多く現れる傾向が加速される。これに伴い、かかる液状体17xの膜の表面の粗さが増加するため、その表面積が増大する。その結果、かかる液状体17xの膜の表面の親水性が増加する。
また、トップコート層17の表面には洗浄工程での洗剤などの残渣(不純物イオン)が吸着していると共に、経時劣化により、或いは耐湿エージング試験中に、僅かながらシール材を介して水分等が液晶層4の内部に進入してくる(図2の破線矢印を参照)。そうすると、そのような親水性の増した液状体17Xの膜の表面及び内部において、水分や不純物イオン等が吸着・脱離し易い部分が増える。ここで、その部分は、特にシール材3の各隅付近の領域A1及び液晶の注入口3a付近の領域A2となっている。その結果、その部分に位置する液晶中に不純物イオン等が溶出して、その部分、即ちシール材3の各隅付近の領域A1及び液晶の注入口3a付近の領域A2のイオン密度が高くなり、その部分の液晶の比抵抗が下がる。これにより、その部分の液晶の駆動時の閾値電圧Vthが低下するため表示ムラが生じる。例えば、ノーマリーホワイトの表示モードを有する液晶装置では、その部分が黒くなり表示ムラが発生する。
以上の点から、理論的には紫外線の245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度を抑制すれば、上記の液状体17xの無機性を低下させることができ、かかる液状体17xの膜の表面の粗さを低下させることができる結果、表示ムラを解消できる。そこで、実験的に紫外線の245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度を徐々に小さくしていった結果、紫外線の355〜375nmの範囲の波長におけるピークの強度の約1/3以下に設定することにより、表示ムラを解消できることがわかった。
よって、本実施形態では、UV照射工程Q2において、少なくとも355〜375nmの範囲の波長及び245〜265nmの範囲の波長を含む紫外線80Lを有し、さらに、紫外線80Lの245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度を、紫外線80Lの355〜375nmの範囲の波長におけるピークの強度の約1/3以下に設定したUVランプ80aを有するUV照射装置80を用いて、トップコート層17を形成する。好適な例では、UV照射工程Q2においては、252〜256nmの範囲の波長の強度を減衰させた状態で紫外線80Lを照射することが好ましく、波長254nmの強度を減衰させた状態で紫外線80Lを照射することがより望ましい。さらに、このとき、紫外線80Lを減衰させる際には、紫外線80Lの波長355〜375nmにおけるピークの強度の約1/3以下に減衰させることが好ましく、ピークの強度の約1/3に減衰させることがより好ましい。
これにより、シール材3の各隅付近の領域A1及び液晶の注入口3a付近の領域A2において表示ムラが生じるのを防止できる。その結果、かかる製造方法により製造された液晶装置100は高品位な表示を得ることができる。
また、一般的に配向膜はその厚さ(膜厚)が数十nmと非常に薄いため、液晶の注入過程等において液晶層4中に導電性を有する異物が混入した場合、その異物が配向膜19を突き破るなどして、一対の素子基板91及びカラーフィルタ基板92のうち、一方の素子基板91の配向膜19の下側に設けられる画素電極10と、他方のカラーフィルタ基板92の配向膜16の下側に設けられる走査線8とが上下導通(短絡)してしまう恐れがある。
この点、この実施形態では、塗布工程Q1の前工程として、素子基板91x上に画素電極10を形成する工程P2を有し、本焼成工程Q3の次工程として、トップコート層17上に配向膜19を形成する工程P4を有するので、配向膜19の下側に直接的に画素電極10が形成されるのではなく、トップコート層17を介して配向膜19の下側に画素電極10が形成されることになる。よって、かかるトップコート層17の存在によって導電性を有する異物による一対の素子基板91及びカラーフィルタ基板92の画素電極10と走査線8との短絡不良を防止することができる。
[変形例]
上記の実施形態では、UV照射工程Q2において、少なくとも355〜375nmの範囲の波長及び245〜265nmの範囲の波長を含む紫外線80Lを有し、さらに、紫外線80Lの245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度を、紫外線80Lの355〜375nmの範囲の波長におけるピークの強度の約1/3以下に設定したUVランプ80aを有するUV照射装置80を用いて、トップコート層17を形成するようにした。これに限らず、本発明では、上記した比較例に係るUVランプに相当するUVランプを有するUV照射装置を用いた場合でも、かかるUVランプから照射される紫外線を、特定の波長の強度を所定の強度に減衰させることが可能な紫外線吸収フィルターを通して、上記の液状体17xに照射することにより、上記した実施形態と同様の作用効果を得ることもできる。
この点について、図11を参照して説明する。図11は、変形例に係るUV照射工程Q2に対応する工程図である。
図11に示すように、UV照射工程Q2の前工程で製造された素子基板91xの上方には、上記した比較例に係るUVランプに相当するUVランプ83aを有するUV照射装置83が設置されている。また、UV照射装置83と素子基板91xとの間には、252〜256nmの範囲の波長の強度を減衰させた状態で紫外線L2を照射する、好ましくは波長254nmの強度を減衰させた状態で紫外線L2を照射することが可能な紫外線吸収フィルター84が設置されている。さらに、このとき、紫外線L1を減衰させる際には、紫外線吸収フィルター84は、紫外線L1の波長355〜375nmにおけるピークの強度の約1/3以下に減衰させることが好ましく、ピークの強度の約1/3に減衰させることがより好ましい。好適な例では、紫外線吸収フィルター84としては、例えば周知の色ガラスフィルター等を用いることができる。
UVランプ83aから素子基板91xの要素である液状体17x側に紫外線L1を照射すると、その紫外線L1は紫外線吸収フィルター84を通過することにより、かかる紫外線L1に含まれる複数の波長のうち、252〜256nmの範囲の波長の強度が減衰、より好ましくは波長254nmの強度が減衰すると共に、紫外線L1は波長355〜375nmにおけるピークの強度の約1/3以下に減衰する、より好ましくはピークの強度の約1/3に減衰する。そして、かかる波長帯を含む紫外線L2は、かかる液状体17xに照射される。これにより、上記した実施形態と同様の状態で液状体17xが仮焼成され、本実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、上記の実施形態では、素子基板91側において配向膜19の下側にトップコート層17を設けるように構成したが、これに限らず、本発明では、カラーフィルタ基板92側において配向膜16の下側にトップコート層17を設けるように構成しても構わない。或いは、これに代えて、素子基板91側の配向膜19の下側及びカラーフィルタ基板92の配向膜16の下側の各々にトップコート層17を設けるように構成しても構わない。
また、上記の実施形態では、本発明を透過型の液晶装置に適用することとしたが、これに限らず、本発明を反射型又は半透過反射型の液晶装置に適用しても構わない。また、上記の実施形態では、二端子型非線形素子の一例としてのTFD素子21を有する液晶装置に本発明を適用したが、これに限らず、本発明では、P−Si型のTFT素子若しくはα−Si型のTFT素子などに代表される三端子型素子に適用しても構わない。
なお、本発明では、上記した液晶装置の製造方法に限らず、液晶装置の製造装置を用いて本発明の作用効果を得ることも可能である。
具体的な図示は省略するが、液晶装置の製造装置は、少なくとも355〜375nmの範囲の波長及び245〜265nmの範囲の波長を含む紫外線を液状体に照射するUV照射手段を備える。好適な例では、前記液状体は少なくともバインダー成分及び弾性化材料を含み、前記バインダー成分は、TiO、ZrOのうち少なくとも一種以上で構成され、前記弾性化材料は、主に炭素結合からなる1つの長鎖を有する3官能型シランにより構成されるのが好ましい。また、前記液状体はフィラーをさらに含み、前記フィラーは、SiO、Sbのうち少なくとも一種以上で構成されるのが好ましい。
特に、この液晶装置の製造装置は、UV照射手段の照射する紫外線の245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度は、紫外線の355〜375nmの範囲の波長におけるピークの強度の約1/3以下に設定される。
これにより、この液晶装置の製造装置を用いて製造された液晶装置では、上記のようにシール材3の各隅付近の領域A1及び液晶の注入口3a付近の領域において表示ムラが生じるのを防止できる。その結果、この液晶装置は高品位な表示を得ることができる。
その他、本発明では、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形をすることができる。
本発明の実施形態に係る液晶装置の構成を模式的に示す平面図。 図1の切断線A−A’に沿った液晶装置の断面図。 本実施形態に係る素子基板の構成を模式的に示す平面図。 本実施形態に係るカラーフィルタ基板の構成を模式的に示す平面図。 本実施形態に係る液晶装置の製造方法のフローチャートを示す。 本実施形態に係る素子基板の製造方法等のフローチャートを示す。 トップコート層を含む素子基板の製造工程を示す断面図。 トップコート層を含む素子基板の製造工程を示す断面図。 トップコート層を含む素子基板の製造工程を示す断面図。 比較例と比較した本発明の作用効果を説明する図表。 変形例に係るUV照射工程の断面図。
符号の説明
1 下側基板、 2 上側基板、 3 シール材、 3a 注入口、 4 液晶層、 8 走査線、 10 画素電極、 17 トップコート層、 17x 液状体、 16、19 配向膜、 21 TFD素子、 32 ソース線、 80 UV照射装置、 80a UVランプ、 81 ベーク炉、 81a 遠赤外線ヒータ、 91 素子基板、 92 カラーフィルタ基板、 100 液晶装置

Claims (8)

  1. 絶縁性を有する液状体を基板上に塗布する塗布工程と、
    少なくとも355〜375nmの範囲の波長及び245〜265nmの範囲の波長を含む紫外線を前記液状体に照射するUV照射工程と、
    前記紫外線が照射された前記液状体を所定条件下で加熱することにより絶縁層を形成する本焼成工程と、を備え、
    前記紫外線の245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度は、前記紫外線の355〜375nmの範囲の波長におけるピークの強度の約1/3以下に設定されていることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  2. 絶縁性を有する液状体を基板上に塗布する塗布工程と、
    紫外線を前記液状体に照射するUV照射工程と、
    前記紫外線が照射された前記液状体を所定条件下で加熱することにより絶縁層を形成する本焼成工程と、を備え、
    前記UV照射工程は、前記紫外線の波長245〜265nmの強度を減衰させた状態で前記液状体に前記紫外線を照射することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  3. 前記UV照射工程は、紫外線吸収フィルターを通じて前記液状体に前記紫外線を照射することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置の製造方法。
  4. 前記液状体は少なくともバインダー成分及び弾性化材料を含み、
    前記バインダー成分は、TiO、ZrOのうち少なくとも一種以上で構成され、
    前記弾性化材料は、主に炭素結合からなる1つの長鎖を有する3官能型シランにより構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置の製造方法。
  5. 前記液状体はフィラーをさらに含み、
    前記フィラーは、SiO、Sbのうち少なくとも一種以上で構成されることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置の製造方法。
  6. 前記本焼成工程は、窒素雰囲気中において、加熱温度が約220℃〜約300℃で且つ加熱時間が約5分〜約30分の条件下で前記液状体を加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置の製造方法。
  7. 前記塗布工程の前工程として、前記基板上に電極を形成する工程を有し、
    前記本焼成工程の次工程として、前記絶縁層の上側に配向膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置の製造方法。
  8. 基板上に塗布された絶縁性を有する液状体に紫外線を照射する電気光学装置の製造装置において、
    少なくとも355〜375nmの範囲の波長及び245〜265nmの範囲の波長を含む紫外線を前記液状体に照射するUV照射手段を備え、
    前記UV照射手段の照射する紫外線の245〜265nmの範囲の波長におけるピークの強度は、前記紫外線の355〜375nmの範囲の波長におけるピークの強度の約1/3以下に設定されていることを特徴とする電気光学装置の製造装置。
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