JP2006098668A - 電気光学装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液相法を用いて絶縁膜を形成する際に発生する外観不良を抑制し、これに起因する表示不良の発生を抑制することができる電気光学装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の電気光学装置の製造方法は、粘度が35cp以上かつ60cp以下の液状体を基板上に塗布する塗布工程と、液状体が塗布された基板を20℃以上かつ40℃以下の温度で所定時間放置することにより液状体表面を平滑化する平滑化工程と、平滑化後の液状体を乾燥させて硬化させる硬化工程と、を具備し、絶縁膜の構成材料を含有する液状体を乾燥、硬化させて絶縁膜を形成することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば液晶表示装置等を含む電気光学装置の製造方法に関するものである。
電気光学装置の一つである液晶表示装置は、一対の基板間に液晶層が挟持されて構成されており、双方の基板の内面(液晶層側の表面)には液晶駆動用の電極、配向膜等が順次形成されている。一般に液晶表示装置の配向膜はその膜厚が数十nmと非常に薄いため、液晶中に導電性の異物が混入した場合、異物が配向膜を突き破り、配向膜下にある上下基板間の電極同士を短絡させる恐れがあった。そこで、電極の上を所定の膜厚を有する絶縁膜で覆い、その絶縁膜上に配向膜を形成する構成が提案されている。この構成によれば、絶縁膜の存在によって導電性異物による上下基板の電極の短絡不良を防止することができる。
上記の構成において、絶縁膜の表面はできるだけ平滑であることが望ましい。絶縁膜の表面に凹凸があると、表示ムラ等の悪影響が生じるからである。この種の絶縁膜ではないが、液状の配向膜材料を塗布した後、焼成工程前に一定時間放置することにより配向膜の表面を平滑化する技術が下記の特許文献1に記載されている。
特開2002−296598号公報
上記のように、電極上に絶縁膜を形成する場合、フレキソ印刷、スピンコート等の液相法を用いて絶縁膜の構成材料を含む液状体を塗布した後、液状体を乾燥、焼成して絶縁膜を形成するという方法がある。この方法は、絶縁膜の形成が低コストで行え、CVD、スパッタ等の方法に比べて装置が簡便になる等のメリットを有している。一方、液晶表示装置の基板上に形成される他の膜、例えば金属反射膜、カラーフィルター等は、比較的硬度の低い膜である。したがって、液晶表示装置に外力が加わった場合、上層側に位置する上記絶縁膜が下地の金属反射膜、カラーフィルター等に支持されず、絶縁膜に応力が集中するため、わずかな外力でも絶縁膜が破断してしまい、短絡防止効果を十分に発揮することができない。そこで、外力に対する強度がより高い絶縁膜を得るべく、絶縁膜材料の弾性率を高めたり、絶縁膜の膜厚を厚くする等の試みがなされている。
ところが、本発明者らがフレキソ印刷法を用いて上記の試みを実施したところ、凸版ローラーのすじ状のムラが発生したり、ピンホールが発生する、といった外観不良が実際に発生した。そのため、液晶表示装置として完成した状態において、すじ状ムラやピンホールの発生箇所が表示不良として顕在化する、という問題が発生した。この種の不良を発生させないためには、上記特許文献1に記載のように、液状体を塗布した後、放置時間を設けることが考えられるが、ただ単に放置時間を設けただけではすじ状ムラやピンホールを十分に抑えることができなかった。
なお、ここではフレキソ印刷法を用いて絶縁膜を形成した場合を例に挙げて問題点を説明したが、スピンコート法等、他の液相法を用いた場合にも同様の問題が生じる。また、液晶表示装置以外の電気光学装置で用いる絶縁膜にも同様の問題が生じる恐れがある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、液相法を用いて絶縁膜を形成する際に発生する外観不良を抑制し、これに起因する表示不良の発生を抑制することができる電気光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の電気光学装置の製造方法は、絶縁膜の構成材料を含有し、粘度が35cp以上かつ60cp以下の液状体を基板上に塗布する塗布工程と、前記液状体が塗布された基板を20℃以上かつ40℃以下の温度で所定時間放置することにより前記液状体表面を平滑化する平滑化工程と、平滑化後の前記液状体を乾燥させて硬化させることにより前記絶縁膜を形成する硬化工程と、を具備することを特徴とする。
本発明者らは、フレキソ印刷法を用いて絶縁膜を形成する際のすじ状ムラ、ピンホール等の外観不良の発生メカニズムが、凸版ローラーのメッシュバイアスに沿って転写されるスジやローラーへの液供給時の気泡巻き込み等が原因となり、スジや気泡が形成された後に連続して乾燥を行うと、急激な溶剤の揮発や膜の収縮によってこれらスジや気泡が跡として残り、顕在化するためであることを突き止めた。そこで、絶縁膜の構成材料を含有する液状体を基板上に塗布した後、その基板を所定時間放置することで液状体表面を平滑化(以下、「レベリング」とも言う)し、その後、液状体の乾燥、硬化を行えば良いことを考え付いた。さらに本発明者らは、どのような条件でも放置しさえすればよいと言うわけではなく、放置時の最適な温度条件について検討した。
本発明者らの考察では、膜の外観は液状体の粘度と密接な関係にあり、粘度が高くなる程、塗布膜厚が厚くなる傾向にあり、粘度が高くなる程あるいは塗布膜厚が厚くなる程、外観が悪くなる傾向にあることが判った。液相法で形成するこの種の液状絶縁膜材料には20cp(センチポアズ)程度から60cp程度まで様々な粘度のものがあるが、中でも比較的粘度が高い35cp以上かつ60cp以下の材料であっても、良好な外観が得られる条件が20℃以上かつ40℃以下の温度であることを発見した。詳細な検討結果については[発明を実施するための最良の形態]の項で後述する。
また、平滑化工程での放置時間を2分以上かつ30分以下とすることが望ましい。
本発明者らは、温度条件のみならず、最適な放置時間についても検討を行った。その結果、放置時間を2分以上かつ30分以下とするのが望ましいことを発見した。放置時間が2分未満であるとレベリングの効果が十分に得られず、放置時間が30分を超えると液だれによるパターンの広がりが生じ、寸法精度が低下してしまうからである。また、放置時間が長すぎると絶縁膜形成工程としての処理能力が低下し、生産性が低下してしまう。これも、詳細な検討結果については[発明を実施するための最良の形態]の項で後述する。
上記絶縁膜は、電気光学装置を構成する下地絶縁膜、層間絶縁膜等、様々な用途の絶縁膜に用いることができるが、特に、液晶装置における電極上に形成する絶縁膜として好適に用いることができる。その場合、本発明の製造方法は、一対の基板間に液晶が挟持されてなる電気光学装置の製造方法であって、前記一対の基板のうちの少なくとも一方の基板上に前記液晶を駆動するための電極を形成する工程を具備し、前記電極上に前記絶縁膜を形成し、前記絶縁膜上に配向膜を形成する工程を更に具備したことを特徴とする。
この構成によれば、前記絶縁膜によって電極を保護することができ、例えば液晶中に導電性の異物が含まれていたとしても、導電性異物による一対の基板間の電極の短絡不良を防止することができる。
上記絶縁膜の具体的な構成材料として、前記液状体がバインダー成分と溶剤とを含み、前記バインダー成分がTiO、SiO、ZrOのうちのいずれか一種以上であるものを用いることができる。また、前記液状体が、主に炭素結合からなる1つの長鎖を有する3官能型シランからなる弾性化成分をさらに含んでも良い。
この構成によれば、電極の短絡防止効果に優れた絶縁膜が得られ、信頼性の高い高品質の電気光学装置を提供することができる。また、上記の弾性化成分を含む場合には、弾性率が向上し、応力に対する耐久性により優れた絶縁膜を形成することができる。
また、前記平滑化工程は、様々な雰囲気中で行うことができるが、前記溶剤の雰囲気中で行うようにしても良い。
この構成によれば、前記液状体からの溶剤の蒸発が適度に抑えられ、乾燥速度を調整することができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態を図1〜図3を参照して説明する。
本実施の形態の液晶表示装置(電気光学装置)は、反射膜の上層にカラーフィルターが形成されたパッシブマトリクス駆動方式の反射型カラー液晶表示装置の例である。
図1は本実施の形態の液晶表示装置の全体構成を示す断面図、図2は同、液晶表示装置の一方の基板の製造プロセスを示す工程断面図、図3は絶縁膜の形成に用いる成膜装置の概略構成図である。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。以下の説明においては、液晶表示装置を構成する各基板の液晶層側に位置する面を「内面」、それと反対側の面を「外面」という。
本実施の形態の液晶表示装置1は、図1に示すように、互いに対向配置された第1基板10および第2基板20と、これら第1,第2基板10,20とシール材31とによって囲まれる空間に封入された電気光学物質層である液晶層50とを有している。後述するように、本実施形態の場合、第1基板10の内面に反射膜11を設けているため、第1基板10は透明でも不透明でも良く、例えばガラス基板、石英基板、またはシリコン等の半導体基板が用いられる。一方、視認側に位置する第2基板20は少なくとも可視光に対して透明である必要があり、例えばガラス基板、石英基板等が用いられる。シール材31は、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂から構成されるものであり、シール材31中には両基板間の間隔(セルギャップ)を規定するためのスペーサが必要に応じて混入される。
第1基板10の内面側には、反射膜11が形成されている。反射膜11は、例えば銀、アルミニウム等の光反射率の高い金属材料から構成されている。反射膜11の表面には、例えばアクリル樹脂等からなる下地の絶縁層(図示略)の表面形状を反映した凹凸が形成されている。この凹凸により反射光が散乱し、反射表示の視認性が向上する。
反射膜11上には、カラーフィルターを構成する色素層12が設けられている。この色素層12は、隣接するドット領域毎に赤(R)、緑(G)、青(B)の異なる色の色素層12が配置されており、隣接する3つのドット領域で1つの画素が構成されている。カラーフィルターとしては、異なる色のドット領域間の混色を防止するために、例えばブラックマトリクスと呼ばれる遮光膜(図示せず)が異なる色の色素層12間に配置されている。図1では図示を省略しているが、シール材31の内側に表示領域の周辺を規定する額縁としての遮光膜を同一の材料または異なる材料で形成しても良い。色素層12の平面的な配置は、ストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列等、周知のカラーフィルターと同様である。
色素層12上には、カラーフィルターの各色素層12を保護するとともに、各色素層12間に生じる段差を平坦化するための保護層13が形成されている。保護層13は、例えば感光性アクリル樹脂等の透明樹脂材料から構成されている。なお、保護層13は、カラーフィルターの保護または平坦化を行う必要がない場合には省略することも可能である。
保護層13上には、表示用電極(例えばセグメント電極とも言う)であるストライプ状の複数の第1透明電極14が設けられている。図1には、1本の第1透明電極14しか示していないが、実際には紙面に垂直な方向に所定の間隔をあけて複数の第1透明電極14が配置されている。第1透明電極14は、例えばインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと略記する)等の透明導電性材料から構成されている。
第1透明電極14上には、これら全ての第1透明電極14を覆うように絶縁膜15が形成されている。詳細は後述するが、本実施形態の絶縁膜15は、例えばTiO、SiO、ZrO等を含むバインダー成分と、SiO、Sb等を含むフィラーと、3官能型シランからなる弾性化成分と、へキシレングリコールからなる溶剤とが混合された液状体をフレキソ印刷し、乾燥、焼成することにより得られたものである。ここで、添加されている弾性化成分とは、バインダー成分とともに架橋、焼成されることで絶縁膜中の膜ストレスを低下させ、絶縁膜の弾性力を向上させる機能を有する成分のことである。さらに、絶縁膜15上に、ポリイミド等の有機材料からなる配向膜16が形成されている。
一方、第2基板20の内面には、表示用電極(例えばコモン電極とも言う)であるストライプ状の複数の第2透明電極24が設けられている。これら複数の第2透明電極24は、第1基板10上の第1透明電極14が延在する方向と直交する方向(図1の紙面に垂直な方向)に延在するように所定の間隔をおいて形成されている。第2透明電極24も、第1透明電極14と同様、例えばITO等の透明導電性材料から構成されている。さらに、第2透明電極24上を含む第2基板20の内面全面に、ポリイミド等の有機材料からなる配向膜26が形成されている。
以下、上記構成の液晶表示装置の製造方法を図2(a)〜(c)、図3を用いて説明する。
まず、第1基板10を構成するガラス基板、石英基板、またはシリコン等の半導体基板を準備し、その一面に蒸着法、スパッタ法等によって銀、アルミニウム等の金属膜を成膜することにより反射膜11を形成する。
次いで、反射膜11上にカラーフィルターの色素層12を形成する。この際には、フォトリソグラフィー、インクジェット法等、周知のカラーフィルター製造技術を用いることができる。
次いで、色素層12上に、スピンコート、フレキソ印刷等により保護層13を形成する。この際には、感光性材料を用い、露光、現像工程を経て所定の形状にパターニングしても良い。
次いで、保護層13上にスパッタ法等によってITO等の透明導電膜を成膜した後、フォトリソグラフィー、エッチング法を用いて透明導電膜を所定の形状にパターニングすることによって第1透明電極14を形成する。以上の工程は周知のものであり、これで図2(a)に示す状態となる。
次いで、図2(b)に示すように、第1透明電極14上にフレキソ印刷法によって絶縁膜15を形成する。この際、例えばTiO、SiO、ZrOを含むバインダー成分と、SiO、Sbを含むフィラーと、主に炭素結合からなる1つの長鎖を有する3官能型シランからなる弾性化成分と、シンナー系溶剤であるへキシレングリコールからなる溶剤とが混合された液状体を準備する。液状体の粘度は35cp〜60cp程度である。そして、図3に示す絶縁膜成膜装置60を用いて、上記の液状体を塗布した後、乾燥、焼成することにより絶縁膜15とする。絶縁膜成膜装置60は、フレキソ印刷装置61、レベリングバッファ62、プレベーク炉63、紫外線(UV)照射装置64、ベーク炉65が連設されたインライン型の設備であり、各装置間では図示しない任意の基板搬送手段(例えばロボットハンド等)によって基板が搬送されるようになっている。
まず、第1透明電極14を形成した第1基板10を洗浄、乾燥した後、第1基板10上に図3に示すフレキソ印刷装置61を用いて上記液状体を所定の形状に塗布する(塗布工程)。所定の形状とは、例えばシール材31の内部に第1,第2基板10,20間の電極や引き回し配線を電気的に接続するための導通粒子を含有させた場合、シール材31の形成領域に絶縁膜15を形成することはできないので、その接続箇所を避けて絶縁膜15を配置する、といったことである。
フレキソ印刷を行った直後は、液状体の表面にはフレキソ印刷装置61の凸版ローラーのスジや気泡が残っている。そこで、液状体が塗布された基板を20℃〜40℃の温度で2分〜30分の間放置することによって液状体の表面をレベリングする(平滑化工程)。本実施形態では、液状体塗布後の基板が図3に示すレベリングバッファ62に搬送され、ここで所定の時間放置される。レベリングバッファ62は、基本的に絶縁膜15表面の平滑化の目的で設けられたものであるが、レベリングバッファ62よりも後段の装置(プレベーク炉63等)にトラブルが発生したときなどに仕掛かり中の基板を待機させておく、いわゆるバッファとしても機能する。
レベリングバッファ62は、上下方向に多段に積み重ねられた複数のトレーからなる部材であって、基板は各トレーに平坦に載置された状態で放置される。レベリング時の温度については、20℃〜40℃の範囲となるように積極的にトレーを温度調整しても良いし、室温が上記の範囲であれば特に温度調整を行わなくても良い。また、レベリングは大気雰囲気中で行って問題ないが、液状体の乾燥を極力抑えた状態でレベリングを行う方が良い場合には溶剤(へキシレングリコール)雰囲気で行っても良い。
次いで、レベリング後の液状体が塗布された基板を、図3に示すプレベーク炉63、UV照射装置64、ベーク炉65に順次搬送し、液状体を乾燥、硬化させる(硬化工程)。プレベーク炉63は、基板に200℃以下程度の温度を掛けて溶剤を揮発させ、仮焼成を行うためのものである。その形態は、例えばレベリング温度が25℃であれば、30℃、40℃、60℃、…というように温度がステップ状に高くなるように設定されている複数のホットプレート上で基板を搬送しつつ仮焼成を行うものでも良いし、遠赤外線を照射することで仮焼成を行うものでも良い。また、UV照射装置64は、基板上に紫外線を照射することで液状体中のバインダー成分の架橋反応を促進させるためのものである。また、最終段のベーク炉65は、例えば温度が220℃〜300℃、時間が10分の条件で遠赤外線を照射することにより液状体の本焼成を行うものである。基板がベーク炉65から出たときには液状体は完全に硬化した状態となり、絶縁膜15となる。
次いで、図2(c)に示すように、絶縁膜15上にポリイミド等の有機材料からなる配向膜16を形成する。この際には、ポリイミド等の液状有機材料をスピンコートやフレキソ印刷により基板上に塗布し、有機膜を形成する。その後、ラビング処理等、周知の配向処理を有機膜に施すと配向膜16となる。以上の工程により、第1基板10が完成する。
一方、図示は省略するが、第1基板10側と同様の方法で、第2基板20を構成する透明基板上に第2透明電極24、配向膜26を順次形成することによって第2基板20が完成する。そして、液晶注入口となる開口を有するシール材31を第1基板10、第2基板20のいずれか一方に描画し、シール材31を介して双方の基板を貼り合わせ、空セルを作製する。次いで、真空注入法等の周知の方法を用いて空セル内に液晶を注入した後、UV硬化樹脂等からなる封止剤で液晶注入口を封止することにより、本実施形態の液晶表示装置が完成する。あるいは、周知の真空注入法に代えて、開口を持たない閉環状のシール材を基板上に描画し、シール材に囲まれた領域に液晶を滴下した後、両方の基板を貼り合わせる方法を採ることもできる。
本実施形態の液晶表示装置の製造方法によれば、フレキソ印刷による液状体塗布工程の後、乾燥・焼成工程の前に、基板を20℃〜40℃の温度で2分〜30分放置して液状体表面をレベリングする工程を設けているので、すじ状ムラ、ピンホール等の発生がなく、寸法精度にも優れ、良好な外観を有する絶縁膜15を形成することができる。その結果、絶縁膜15の外観不良に起因する表示ムラ等の発生のない、表示品位の高い液晶表示装置を提供することができる。また、強度の高い絶縁膜15によって電極を確実に保護することができるので、例えば液晶中に導電性の異物が含まれていたとしても電極の短絡不良を防止することができ、信頼性に優れた液晶表示装置を提供することができる。
[第2の実施の形態]
以下、本発明の第2の実施の形態を図4を参照して説明する。
本実施の形態の液晶表示装置(電気光学装置)は、画素スイッチング素子に薄膜ダイオード(Thin Film Diode,以下、TFDと略記する)を用いたアクティブマトリクス駆動方式のカラー液晶表示装置の例である。
図4は本実施の形態の液晶表示装置の全体構成を示す断面図である。
本実施形態の液晶表示装置70においては、図4に示すように、背面側に素子基板110、視認側に対向基板120が配置され、その間に液晶層50が挟持されている。素子基板110上には、下地絶縁膜3を介して複数のデータ線113と、これに接続された複数のTFD素子4と、画素領域間に位置する遮光層113aとが形成されている。そして、これらデータ線113、TFD素子4、遮光層113aを覆うように層間絶縁膜34が形成されており、層間絶縁膜34上に画素電極9が形成されている。ドット領域内のTFD素子4と画素電極9とは、層間絶縁膜34に形成されたコンタクトホール32を介して電気的に接続されている。
画素電極9上には、全ての画素電極9を覆うように絶縁膜15が形成されている。本実施形態の絶縁膜15も第1実施形態と同様、例えばTiO、SiO、ZrO等を含むバインダー成分と、SiO、Sb等を含むフィラーと、3官能型シランからなる弾性化成分と、へキシレングリコールからなる溶剤とが混合された液状体をフレキソ印刷し、乾燥、焼成することにより得られたものである。さらに、絶縁膜15上に、ポリイミド等の有機材料からなる配向膜16が形成されている。
素子基板110は、絶縁性及び透明性を有するガラス基板、プラスチック基板等から構成されている。データ線113は、例えばクロムによって形成され、画素電極9の形成領域に配置されており、同じく画素電極9の形成領域に配置されたTFD素子4と電気的に接続されている。つまり、データ線113およびTFD素子4は画素電極9と平面的に重なる位置に配置されている。
データ線113と接続されたTFD素子4は、タンタルとクロムとによって絶縁膜を挟持した構成の二端子型非線形素子であって、TFD素子4を介してデータ線113と画素電極9とが接続されている。詳しくは、TFD素子4は、タンタルからなる第1導電膜と、第1導電膜の表面を酸化した酸化タンタル(Ta)からなる絶縁膜と、絶縁膜上に形成されたクロムからなる第2導電膜とを素子基板110側から備えたものである。
層間絶縁膜34は、シリコン酸化膜、アクリル樹脂等の透明絶縁膜で構成されており、層間絶縁膜34上にITO等の透明導電材料からなる画素電極9が形成されている。なお、層間絶縁膜34には、画素電極9とTFD素子4とを電気的に接続するためのコンタクトホール32が、TFD素子4とは重ならない位置(つまりTFD素子4の直上以外の領域)であって、画素電極9と平面的に重なる位置に配設されている。
一方、対向基板120上には、色素層R,G,Bを含むカラーフィルターCFが形成されている。なお、カラーフィルターCFに含まれる各着色部R,G,BはそれぞれブラックマトリクスBMを跨いで配設されている。カラーフィルターCFを覆うように保護層13が形成されている。保護層13上には、ストライプ状の複数の対向電極23が形成されている。
対向電極23上には、全ての対向電極23を覆うように絶縁膜15が形成されている。この絶縁膜15も素子基板110側と同様、例えばTiO、SiO、ZrO等を含むバインダー成分と、SiO、Sb等を含むフィラーと、3官能型シランからなる弾性化成分と、へキシレングリコールからなる溶剤とが混合された液状体をフレキソ印刷し、乾燥、焼成することにより得られたものである。さらに、絶縁膜15上に、ポリイミド等の有機材料からなる配向膜26が形成されている。
本実施形態の液晶表示装置70の製造方法は、周知の方法により素子基板110上にデータ線113、TFD素子4、画素電極9等を形成した後、第1実施形態と同様の方法を用いて絶縁膜15を形成し、配向膜16を形成すれば良い。また、対向基板120側についても、カラーフィルターCF、対向電極23等を形成した後、第1実施形態と同様の方法を用いて絶縁膜15を形成し、配向膜26を形成すれば良い。その後、素子基板110と対向基板120とを貼り合わせ、その間に液晶を封入することによって本実施形態の液晶表示装置70が完成する。
本実施形態においても、基板を所定の温度で所定の時間放置して液状体表面をレベリングする工程を設けているので、寸法精度に優れ、良好な外観を有する絶縁膜15を形成でき、表示品位の高い液晶表示装置を提供できる、といった第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに本実施形態の場合、双方の基板の電極上に絶縁膜15を形成したので、電極の短絡防止効果をさらに高めることができ、より信頼性の高い液晶表示装置を提供することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記実施の形態で例示した絶縁膜の具体的な材料、液状体の成分、組成比等は適宜変更が可能である。液状体の成分等が多少変わっても、粘度が同程度であれば略同様の挙動を示し、本発明が適用できると考えられる。絶縁膜形成時の液相法の例としては、上記フレキソ印刷の他、スピンコート法等も挙げられる。また、上記実施形態で例示したパッシブマトリクス方式、TFDを用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示装置の他、TFT(Thin Film Transistor)を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示装置にも本発明が適用可能である。さらに、液晶表示装置のみならず、例えば有機エレクトロルミネッセンス装置等、液相法で形成する絶縁膜を備えた他の電気光学装置にも本発明が適用可能である。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において上述した各例を組み合わせても良い。
本発明者らは、上記の絶縁膜を備えた基板を種々の製造条件を変えて実際に作製し、絶縁膜の外観について評価を行った。以下、その評価結果について説明する。
ここで用いた絶縁膜材料は、上記実施の形態と同様のものであり、TiO、SiO、ZrOを含むバインダー成分と、SiO、Sbを含むフィラーと、主に炭素結合からなる1つの長鎖を有する3官能型シランからなる弾性化成分と、へキシレングリコールからなる溶剤とが混合された液状体(粘度:35cp〜60cp程度)である。そして、上記実施形態で説明したのと同様、フレキソ印刷により上記の液状体を塗布した後、乾燥、焼成することにより絶縁膜とした。
第1の評価として、放置時の温度を23〜25℃に固定して時間を0分(放置せず)〜60分の範囲で変化させ、絶縁膜の外観を評価した。その結果を[表1]に示す。第2の評価として、放置時間を5分に固定して温度を20℃未満〜65℃以上の範囲で変化させ、外観を評価した。その結果を[表2]に示す。なお、評価方法は、目視検査により「すじ状ムラ」や「ピンホール」等の外観不良の有無を観察することで行い、外観不良が認められないものを「○」、外観不良が若干認められるが実用に耐え得るものを「△」、外観不良が認められ実用に耐えられないものを「×」と判定した。また、第1の評価については、塗布時間を長くしたときに予想される塗布液だれによるパターンの広がりの評価も行い、広がりがほとんど認められないものを「○」、広がりが認められるが許容範囲内であるものを「△」、広がりが許容範囲を超えるものを「×」と判定した。
Figure 2006098668
Figure 2006098668
[表1]から判るように、放置時間0分、すなわち塗布直後に放置することなく連続して焼成を行ったものは実用に耐えられないレベルで「すじ状ムラ」や「ピンホール」等の外観不良が発生した。放置時間を1分としたものは外観不良が若干発生したが、実用可能なレベルであった。これに対して、放置時間を2分〜60分としたものは外観不良が発生しなかった。一方、放置時間を50分、60分としたものは液だれによるパターンの広がりが顕著に認められ、許容範囲を超えていた。放置時間を40分としたものは若干の広がりがあるものの許容範囲は超えていなかった。放置時間を30分以下としたものは広がりがほとんど見られなかった。この結果から、放置時間については、1分〜40分、好ましくは2分〜30分とするのが良いことが判った。なお、放置時間を長くする程、絶縁膜形成工程の処理能力が低下するため、絶縁膜の品質と処理能力との兼ね合いで最適な放置時間を設定すれば良い。
[表2]から判るように、放置時の温度が50℃を超える範囲では、実用に耐えられないレベルで「すじ状ムラ」や「ピンホール」等の外観不良が発生した。この結果は、このような高い温度で放置すると、この段階で既に液状体の乾燥が進み、レベリングが十分になされる前に液状体の硬化が始まるためであると推定される。また、放置時の温度が40〜50℃の範囲では外観不良が若干発生したが、実用可能なレベルであった。これに対して、放置時の温度を20〜40℃としたものは外観不良が発生しなかった。また、放置時の温度を20℃未満としたものは外観不良が若干認められた。これはこのような低い温度では液状体の粘度が増大するためであると推定される。この結果から、放置時の温度については、50℃以下、好ましくは20〜40℃とするのが良いことが判った。
本発明の第1実施形態の液晶表示装置を示す断面図である。 同、液晶表示装置の製造プロセスを示す工程断面図である。 同、製造プロセスに用いる絶縁膜成膜装置の概略構成図である。 本発明の第2実施形態の液晶表示装置を示す断面図である。
符号の説明
1,70…液晶表示装置(電気光学装置)、9…画素電極、10…第1基板、14…第1透明電極、15…絶縁膜、20…第2基板、23…対向電極、24…第2透明電極

Claims (6)

  1. 絶縁膜の構成材料を含有し、粘度が35cp以上かつ60cp以下の液状体を基板上に塗布する塗布工程と、
    前記液状体が塗布された基板を20℃以上かつ40℃以下の温度で所定時間放置することにより前記液状体表面を平滑化する平滑化工程と、
    平滑化後の前記液状体を乾燥させて硬化させることにより前記絶縁膜を形成する硬化工程と、を具備することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  2. 前記平滑化工程で放置する時間を2分以上かつ30分以下とすることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
  3. 一対の基板間に液晶が挟持されてなる電気光学装置の製造方法であって、
    前記一対の基板のうちの少なくとも一方の基板上に前記液晶を駆動するための電極を形成する工程を具備し、
    前記電極上に前記絶縁膜を形成し、前記絶縁膜上に配向膜を形成する工程を更に具備したことを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置の製造方法。
  4. 前記液状体がバインダー成分と溶剤とを含み、前記バインダー成分がTiO、SiO、ZrOのうちのいずれか一種以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
  5. 前記液状体が、主に炭素結合からなる1つの長鎖を有する3官能型シランからなる弾性化成分をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置の製造方法。
  6. 前記平滑化工程を前記溶剤の雰囲気中で行うことを特徴とする請求項4または5に記載の電気光学装置の製造方法。
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JP2006201312A (ja) * 2005-01-18 2006-08-03 Nec Corp 液晶表示パネル及び液晶表示装置

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