JP2007205811A - 水位センサおよび燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 容器が傾いた場合も検出精度の低下を防止することのできる水位センサを提供することを目的とする。
【解決手段】 対向する2枚の電極100間に存在する物質に応じて測定される静電容量の値が変化する。槽41a内の液体の水位が変化すると、電極100に触れる液体と気体の割合が変化するため、水位の変化を静電容量の変化として検出することができる。槽41aの側壁41mには2組の対向する電極100が設けられている。槽41aが傾いていることにより、1組の対向する電極100間の静電容量値が正常に測定できず水位を検出できない場合でも、もう1組の対向する電極100間の静電容量値を測定することで傾いた状態での水位を検出することができる。
【選択図】 図13
【解決手段】 対向する2枚の電極100間に存在する物質に応じて測定される静電容量の値が変化する。槽41a内の液体の水位が変化すると、電極100に触れる液体と気体の割合が変化するため、水位の変化を静電容量の変化として検出することができる。槽41aの側壁41mには2組の対向する電極100が設けられている。槽41aが傾いていることにより、1組の対向する電極100間の静電容量値が正常に測定できず水位を検出できない場合でも、もう1組の対向する電極100間の静電容量値を測定することで傾いた状態での水位を検出することができる。
【選択図】 図13
Description
本発明は、容器内に収容された液体の水位を検知する水位センサに関する。
従来、容器内の液体の水位を測定する水位センサとしては、電極間の抵抗値を測定するものや、静電容量を測定するものが知られている。電極間抵抗値を利用する水位センサには、導電性を有する液体を収容した容器内に、液体が接することにより通電可能となる電極部が設けられている。電極部は液体の減少に伴って液面が低下する方向の複数位置に配置されている。容器内の液面より上側にある電極部は液体に接しておらず、液面より下側にある電極部は液体に接した状態となる。電圧を印加し、各電極部の通電状態を検出することで、どの電極部の位置まで液面があるかを知ることができる。一方、静電容量を測定する水位センサは、液面の位置によって静電容量が変化する電極を容器内の水深方向に亘って対向させるように設ける。例えば、この電極間の静電容量の変化に伴う電流や発振周波数の変化を検出することで液面を検知する。静電容量値は電極面積に対して液体の占める割合が大きくなるにつれて、その変化量が小さくなる特性がある。そのため、容器内の水位の高い位置では水位の変化に対して静電容量の変化が小さく検出精度が落ちるという問題がある。
この問題を解決するものとして、例えば特許文献1に記載したものが挙げられる。水位の高い位置と低い位置で電極間距離が狭くなり、容器の鉛直方向中心に向かうに従って電極間距離が広くなるように電極を形成している。また水位の高い位置と低い位置で電極自体の幅を大きくすることで静電容量の変化に線形性をもたせることができ、静電容量の変化を検出しやすくなる。さらに、測定電極間の電気力線を制御するダミー電極を設けることで、測定電極間の電気力線を容器内に集中させ、水位の変化に対する静電容量の変化を大きくすることができる。
特開2003−57097号公報
しかし、上記の方式の場合、容器内の水位によって電極間距離や電極自体の幅を変える必要があり、さらにダミー電極を設けるため電極の構造が特殊になる。また液体を収容する容器が傾いた場合に精度が落ちるという問題がある。
そこで本発明の目的は、容器が傾いた場合も検出精度の低下を防止することのできる水位センサを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明に係る水位センサは、液体を収容する容器であって、対向して設けられる第1および第2の側壁と、前記第1および第2の側壁の対向方向と異なる方向に対向する第3および第4の側壁とを有する容器と、前記第1および第2の側壁に設けられる一対の第1の電極と、前記第3および第4の側壁に設けられる一対の第2の電極と、前記第1の電極間と前記第2の電極間の静電容量値を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された静電容量値から前記容器内の液体の水位を検知する検知手段と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、容器が傾いた場合も検出精度の低下を防止することのできる水位センサを提供することができる。
以下本発明に係る実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る水位センサを採用した燃料電池1の外観斜視図である。図2は本発明に係る水位センサを採用した燃料電池とノート型コンピュータをドッキングさせた状態を示す外観斜視図である。燃料電池1は例えばノート型コンピュータ10の外部電源として用いられる。この燃料電池1はダイレクトメタノール方式の燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)である。メタノールと水を混合した予混合液を燃料とし、この予混合液を空気中の酸素と電解質膜で化学反応させることによって発電させる。このDMFCは、水素を燃料に用いる燃料電池よりも取り扱いが容易で、装置全体を小型にまとめることができる。
燃料電池1は、直方体に形成された本体11と、本体11の底に沿って平坦に延出した載置部12とを有している。本体11の壁部には多数の通気孔11aが形成されている。本体11の内部には後述する発電部が納められている。本体11の一部は、カバー11bとして取り外せるように形成されている。本体11のカバー11bを取り外した部分には後述する燃料タンクが入れられている
載置部12は、ノート型コンピュータ10の後部とドッキングできるように形成されている。載置部12の内部には、後述する制御部が設けられている。制御部は発電部の動作を制御する。載置部12の上面には、ノート型コンピュータ10を連結するロック機構13と、燃料電池1から電力をノート型コンピュータ10に供給するためのコネクタ14とが設けられている。
ロック機構13は、載置部12上の3箇所に配置されており、それぞれ位置決め突起131とフック132とを備える。ノート型コンピュータ10の後部底面には、ロック機構13に連結される係合孔、およびコネクタ14に接続されるソケットが設けられている。ノート型コンピュータ10が載置部12に押し当てられると、ロック機構13がノート型コンピュータ10の係合孔に挿入される。フック132によって載置部12にノート型コンピュータ10が保持される。その結果、ノート型コンピュータ10のソケットがコネクタ14と電気的に接続される。この状態で、本体11に設けられたスイッチがオンにされると、燃料電池1は、発電を開始する。
載置部12は、さらにイジェクトボタン15を備える。このイジェクトボタン15を押すと、ロック機構13のフック132が解除され、ノート型コンピュータ10を燃料電池1から取り外すことができるようになる。
図3は燃料電池本体内部に収納された発電部の外観斜視図である。発電部2は、燃料タンク31、混合タンク41、起電部50、排液冷却器71、第1の冷却ファン72、復水器81、第2の冷却ファン82、濃度センサ90、および送気ポンプ61、水回収ポンプ85等を備える。これらはベースマニホールド100の上に載置され、一体に支持される。混合液や水等の流体を流す複数の流路は、ベースマニホールド100の中に形成されている。ベースマニホールド100は、外径が矩形状のベース基板およびベース基板とほぼ同一外形に形成された板状のカバー部材を有している。ベース基板には、流路となる溝が形成され、カバー部材は、これらの溝を覆うようにベース基板に張り合わされている。
排液冷却器71は、第1の冷却ファン72および第2の冷却ファン82を挟んで、復水器81と並べて配置される。予混合液冷却器73は、配管を蛇腹状に折り返した形状を有する。復水器81は、水平方向に対して傾斜して伸びる複数の凝縮管と、この凝縮管の回りに取り付けられる冷却フィンとを備える。第2の冷却ファン82は、復水器81の凝縮管に取り付けられた冷却フィンに沿って、本体11の通気孔11aを通して取り入れた外気を送る。
図4は本発明に係る水位センサを採用した燃料電池の系統図である。発電部2は、燃料供給部30と予混合液循環部40と起電部50と空気供給部60と燃料冷却部70と水回収部80と濃度センサ90とを備える。
燃料供給部30は、燃料タンク31と燃料供給路32と燃料バルブ33と燃料ポンプ34とで構成されている。予混合液循環部40は、混合タンク41と循環ポンプ42と混合液供給路43と混合液回収路44とフィルタ45とイオンフィルタ46と循環逆止弁47とで構成されている。起電部50は、複数のセルが積層されて構成されている。各セルは、アノード(燃料極)51とカソード(空気極)52とこれらの間に挟まれる電解質膜53とで構成されている。空気供給部60は、送気ポンプ61と吸気バルブ62と吸気フィルタ63とで構成されている。燃料冷却部70は、排液冷却器71と第1の冷却ファン72と予混合液冷却器73とで構成される。水回収部80は、復水器81と第2の冷却ファン82と回収槽83と水供給路84と水回収ポンプ85とで構成される。濃度センサ90は、音速センサが適用されている。物質中の音速を計測することでその物質の密度が分かる。これを基に燃料であるメタノールと水との分子量から予混合液の濃度が求まる。
燃料タンク31には、液体燃料として高濃度のメタノールが入れられている。燃料タンク31は、取替えが簡単な燃料カートリッジとして構成されている。したがって、燃料タンク31を取り替える際は、本体11に設けられたカバー11bを取り外し、燃料タンク31を本体11から取り出す。燃料タンク31は、燃料供給路32によって混合タンク41に連通されている。燃料供給路32の途中には、燃料バルブ33と燃料ポンプ34が設けられている。燃料バルブ33は、電磁弁であり、燃料ポンプ34とともに制御部3によって、動作制御される。
制御部3は、燃料バルブ33、燃料ポンプ34、循環ポンプ42、送気ポンプ61、吸気バルブ62、第1の冷却ファン72、第2の冷却ファン82、水位センサ83a、水回収ポンプ85、排気バルブ88、濃度センサ90、水位センサ100と信号線で接続され、これらを制御する。制御部3は、燃料ポンプ34、循環ポンプ42、送気ポンプ61、水回収ポンプ85の各々の流量、および吸気バルブ62、排気バルブ88の各々の開度によって、燃料電池1内の各流体の流れを制御する補機を構成している。
混合タンク41は槽41aと蓋41bとで構成されている。混合タンク41の槽41aには燃料供給路32と連通される燃料流入口32aと、混合液供給路43と連通される混合液流出口43aと、混合液回収路44と連通される混合液流入口44aとが設けられている。
混合液供給路43および混合液回収路44は、混合タンク41と起電部50との間に設けられ、予混合液を循環させるループを形成している。混合液供給路43は、混合タンク41から起電部50へ予混合液を送通する。混合液回収路44は、起電部50から混合タンク41へ予混合液を送通する。
混合液供給路43および混合液回収路44は、混合タンク41と起電部50との間に設けられ、予混合液を循環させるループを形成している。混合液供給路43は、混合タンク41から起電部50へ予混合液を送通する。混合液回収路44は、起電部50から混合タンク41へ予混合液を送通する。
混合液供給路43には、循環ポンプ42とフィルタ45とイオンフィルタ46と循環逆止弁47とが設けられている。フィルタ45は、混合タンク41と循環ポンプ42との間に配置されている。イオンフィルタ46は、循環ポンプ42と循環逆止弁47との間に配置されている。循環ポンプ42は、予混合液を混合タンク41から起電部50へ送液する。
混合液回収路44には、排液冷却器71が設けられている。排液冷却器71は、複数回折り返された伝熱管と、この伝熱管の周りに直角に取り付けられた多数の放熱フィンとを有している。また、第1の冷却ファン72が、排液冷却器71に取り付けられる。第1の冷却ファン72は、本体11の通気孔11aから外気を冷却空気として吸い込み、放熱フィンに沿う方向に空気を送る。
起電部50には、アノード51とカソード52とが電解質膜53を挟むように配置されている。アノード51には混合液供給路43及び混合液回収路44が接続され、予混合液が流される。カソード52には空気供給部60と通じる吸気路64及び復水器81と通じる排気路86が接続され、空気が流される。
図5は起電部のセル構造を模式的に示した図である。起電部50では、アノード51に流される予混合液中のメタノールおよび水が電解質膜53を介して、カソード52に流される空気中の酸素と反応し、発電される。このとき、アノード51側では、反応生成物として二酸化炭素が生成される。生成された二酸化炭素は余った予混合液とともに混合液回収路44に排出される。また、カソード52側では、水が水蒸気の状態で生成される。生成された水は湿り空気となって排気路86に排出される。
空気供給部60は、送気ポンプ61で吸気フィルタ63から酸素を含む空気を吸い込み、吸気路64を通してカソード52に送通する。送気ポンプ61とカソード52との間には、吸気バルブ62が設けられている。排気路86は、復水器81、排気フィルタ87および排気バルブ88を通って、排気口89へと通じている。排気口89は本体11の通気孔11aに向かって開口している。
排気路86を通って送られてきた湿り空気中の水分は、復水器81で凝縮され、復水器81の下部に配置される回収槽83に溜まる。回収槽83は、水供給路84によって混合液回収路44の途中に連通している。水位センサ83aが回収槽83に設けられ、溜まった水の水位を検出する。水供給路84の途中には、水回収ポンプ85と逆止弁85aとが設けられている。水回収ポンプ85は、回収槽83の水を混合タンク41に送る。
また、復水器81で水分がある程度回収された空気は、復水器81の上部から排気され、排気フィルタ87へと送通される。排気フィルタ87は、金属触媒などにより構成される。排気フィルタ87は排気路86を通して排気される空気中に含まれるメタノールなどの有害物質を除去する。排気フィルタ87の直下には、貯溜部87aが設けられている。この貯溜部87aは回収路87cを介して、水回収ポンプ85と逆止弁85aとの間で水供給路84に連通される。回収路87cは貯溜部87aへの逆流を防止する逆止弁87bを備える。
濃度センサ90は、予混合液中のメタノール濃度を計測するために、バイパス路91の途中に設けられている。バイパス路91は、循環ポンプ42とイオンフィルタ46との間の混合液供給路43から分岐され、混合タンク41に予混合液を還流する。濃度センサ90の検出分解能が熱によって低下することを防止するために、バイパス路91には、濃度センサ90の上流に予混合液冷却器73が設けられる。
予混合液冷却器73は、第1の冷却ファン72によって形成される冷却空気流に対し排液冷却器71の上流側に配置される。予混合液冷却器73は、配管を蛇腹状に折り返した形状を有する。濃度センサ90に送られる予混合液は、予混合液冷却器73を通過することで冷却される。この場合、予混合液冷却器73の冷却能力は、濃度センサ90に送られる予混合液の温度を40℃以下にする程度であることが望ましい。
燃料電池1の動作中、第1の冷却ファン72および第2の冷却ファン82が駆動され、本体11に形成された通気孔11aを通して外気が本体11内に導入される。通気孔11aを通して本体11内に導入された外気および本体11内の空気は、予混合液冷却器73および排液冷却器71を通り、第1の冷却ファン72に吸気される。第2の冷却ファン82により本体11内に導入された外気および本体11内の空気は、復水器81を通って第2の冷却ファン82に吸気される。また、第1の冷却ファン72および第2の冷却ファン82から排気された空気は、起電部50およびその周囲を通過した後、本体11の外部に排気される。
発電を行う時は、制御部3によってポンプやバルブの動作が制御される。制御部3は燃料ポンプ34を駆動させ、燃料タンク31から混合タンク41に高濃度のメタノールを供給する。燃料流入口32aから噴出したメタノールは、混合タンク41内で、既存の予混合液、アノードから還流された予混合液、混合液回収路44の途中で復水器81の回収槽83から戻された水と、攪拌希釈される。この攪拌は、燃料流入口32aから噴出するメタノールの流れ、および混合液流入口44aから噴出する予混合液の流れによって行われる。
メタノールが足された予混合液は、循環ポンプ42によってアノード51に供給される。カソード52には、送気ポンプ61によって空気が供給されている。供給されたメタノールおよび空気は、アノード51とカソード52との間に設けられた電解質膜53で化学反応する。その結果、アノード51とカソード52との間に電力が発生する。起電部50で発生した電力は、制御部3からコネクタ14を介してノート型コンピュータPへ供給される。
発電反応に伴い、起電部50のアノード51側には二酸化炭素が生成され、カソード52側には水(水蒸気)が生成される。アノード51側に生じた二酸化炭素および化学反応に供されなかった予混合液は、混合液回収路44へ送られ、排液冷却器71を通して冷却された後、混合タンク41に還流する。
混合タンク41に還流した二酸化炭素は、混合タンク41内で気化する。気化した二酸化炭素は気液分離膜41kを通過して、混合タンク41から生成ガス回収路86aを通って排気路86の途中に合流される。二酸化炭素は、湿り空気とともに排気フィルタ87に通される。二酸化炭素と湿り空気は排気バルブ88を介して、最終的には排気口89から外部へ排気される。気液分離膜41kを通して空気中に飛沫したメタノール及び空気は、排気フィルタ87を通過することで排気フィルタ87に回収除去される。
カソード52側に生じた水は、その大部分が水蒸気となって空気とともに排気路86に排出される。水分を含む湿り空気は、復水器81によって水分が凝縮分離される。空気は、排気バルブ88を通り、排気口89から本体11内に排気される。本体11内の空気は更に通気孔11aを通して外部に排気される。復水器81によって凝縮された水は、回収槽83に溜まり、水回収ポンプ85で混合液回収路44の途中に注入される。水は混合タンク41へ送られ、メタノールと混合された後、混合液供給路43から再び起電部50へ供給される。
また、復水器81によって回収しきれず復水器81よりも下流側の排気路86で結露した水は、排気フィルタ87の直下に設けられる貯溜部87aに溜められる。貯留部87aに溜められた水は水供給路84を介して混合液回収路44の途中に合流される。
混合タンク41内におけるメタノールの濃度は、濃度センサ90によって検出される。制御部3は、検出された濃度に応じて水回収ポンプ85を作動させ、回収槽83から混合タンク41へ供給する水の量を調整する。これにより、予混合液のメタノールの濃度を一定に維持する。また、排気路86を通じて回収される水の回収量、つまり、水蒸気の凝縮量は、復水器81の冷却能力を制御することにより調整される。復水器81の冷却能力は回収槽83の水位に応じて、調整する。本実施形態では、水位センサ83aにより検出された水位に応じて第2の冷却ファン82の駆動電圧を制御する。冷却ファン82の制御により復水器81の冷却能力を調整し、水の回収量を制御する。水回収ポンプ85が制御部3により正転駆動される間、逆止弁85aが開き、逆止弁87bが閉じられる。回収槽83内の水は、水供給路84および逆止弁85aから混合液回収路44を通って混合タンク41へ送られる。
また、制御部3は、一定の動作期間ごとに水回収ポンプ85を所定時間、逆転駆動させる。貯溜部87a内に溜まった水を回収槽83に回収する。水回収ポンプ85が逆転駆動されると、逆止弁87bが開き、逆止弁85aが閉じられる。この結果、貯溜部87aに溜まった水および復水器81より下流の排気路86内で結露した水は、回収路87c、逆止弁87b、および水供給路84を通って回収槽83に回収される。その後、回収された水は、混合タンク41へ供給され、メタノールの希釈に用いられる。
図6は混合タンクの分解斜視図である。混合タンク41は、槽41aと蓋41bとで構成されている。槽41aと蓋41bとの合わせ面を機密にするために、パッキング41cが槽41aのシート面に装着されている。パッキング41cは蓋41bに設けても良い。蓋41bは、内部と外部とを通じさせる連通孔41eを有している。この連通孔41eは混合タンク41の内側に向かって突出する内部孔口41fにチューブ48の基端48aが取り付けられている。連通孔41eの外部孔口41gは、混合タンク41の外側に向かって突出し、キャップ49で塞がれている。キャップ49は、ビス49aで蓋41bに取外せるように固定されている。キャップ49の内側には、シール部材となるOリングが取り付けられている。蓋41bは、Oリングで密閉される範囲の内側となる外部孔口41gの脇に、内部に繋がる通気孔41hをさらに有している。槽41aと蓋41bとはネジ41jと槽41aに設けられたネジ穴41kとにより接続される。槽41aの側壁41mには後述する電極あるいは電極シートが設けられる。
燃料電池1のメンテナンスなどのために、メタノールを含む予混合液が循環する系統を開放する場合、開放した箇所から予混合液が流出しないように、混合タンク41から予め抜き取る。予混合液を抜き取るには、まず混合タンク41の蓋41bに取り付けられたキャップ49を取外す。露出された連通孔41eの外部孔口41gにシリンジやスポイトなどの吸引器を装着しチューブ48の先端48bから混合タンク41内の予混合液を抜き取る。
図7は本発明に係る水位センサを採用した混合タンクの槽部分を示す外観斜視図である。ここでは槽41aの中で液体が収容される部分だけを簡略化して記載している。槽41aの側壁41mには電極100が形成されている。槽41a内の電極100aが設けられた面と対向する面に設けられた電極を電極100cとし、電極100aの設けられた面と直交する面に設けられた電極を電極100bとする。電極100bと対向する面に設けられた電極100dの記載を一部省略しているが、電極100dは電極100bと同じ面積になるように形成される。
金属めっきにより側壁41mに直接形成された電極100の表面には撥水膜102を施している。撥水膜102は例えば、フッ素系高分子材料からなる。混合タンク41内の混合液中に金属イオンが溶出すると発電性能が低下するため、少なくとも電極100が液体に触れないように電極100の上から撥水膜102を施す必要がある。電極100の面積は測定するべき水位の範囲に応じて調節すれば良く、底面41nまで水位を検出できるようにしても良い。
誘電率が物質によって固有であることから、対向する2枚の電極100間に存在する物質に応じて測定される静電容量の値が変化する。2枚の電極100間に異なる複数の物質が存在している場合、電極100に接している面積によっても静電容量の値は変化する。槽41a内の液体の水位が変化すると、電極100に触れる液体と気体の割合が変化するため、水位の変化を静電容量の変化として検出することができる。実際に槽41aの水位を検出する時は、例えば物質と水位に対応した静電容量の値をあらかじめ調べておき、図示しないメモリにテーブルや計算式として記憶させておく。静電容量の値を測定した時はメモリに記憶されたテーブルを参照し水位を算出する。
図8は図7中の矢印Aの方向から示す槽部分の断面模式図である。電極100は槽41aの側壁41mに直接金属めっきを施すことで形成する。金めっき等を施すことで槽41aの側壁41mの一部を電極として利用することができる。フレキシブルプリント基板等を用いて電極100を直接槽41aの外に延出することで、コネクタ接続用の端子部101を電極100と一体に設けることもできる。ここでは記載を省略しているが、電極100a、電極100b、電極100c、電極100dにそれぞれ対応して端子部101を設けても良い。
図9は本発明に係る電極シートを示す外観斜視図である。図10は電極シートを着脱可能な構造の混合タンクの槽部分を示す外観斜視図である。図11は図10中の矢印Bの方向から示す槽部分の断面模式図である。図7では静電容量を検出するための電極100および撥水膜102を槽41aの側壁41mに直接形成していたが、着脱可能な電極シート105により静電容量を検出するようにしても良い。電極シート105は例えば液晶性プラスチックから成る。電極シート105の表面には金属めっきにより電極100が形成されている。金等で形成された電極100の表面には撥水膜102が施してある。フレキシブルプリント基板等を用いて電極100を直接槽41aの外に延出することで、コネクタ接続用の端子部101を一体に設けることができる。槽41aの側壁41mおよび底面41nには複数のガイド107、ガイド108が設けられている。電極シート105は動かないようにガイド107、ガイド108に沿って設置される。ガイド108は、2つの延出部108aを有し、互いに直角な2面の内壁41mの両方に電極シート105を装着することができるような形状をしている。混合タンク41の揺れや振動により電極シート105が動かなければ、ガイド108だけで電極シート105を固定するようにしても良い。接着剤を用いると混合液に不純物が混ざる要因となり得るため、電極シート105は側壁41mに接着はせずガイド107に沿って差し込むだけで固定する。電極シート105に故障や精度低下等の不具合が生じた場合も電極シート105を交換することで容易に修理することが出来る。
図12は本発明に係る槽と蓋との接合状態を示す模式図である。混合タンク41は槽41aと蓋41bとで構成されている。槽41aと蓋41bとの合わせ面を機密にするために、パッキング41cが槽41aのシート面に装着されている。パッキング41cは蓋41bに設けても良い。電極100は例えば側壁41mに直接金属めっきを施すことにより形成されている。電極100の表面には撥水膜102が施されている。電極100の一部はフレキシブルプリント基板等を用いて端子部101として槽41aの外に延出されている。槽41aと蓋41bとは一部に端子部101を挟んで接合されるが、槽41aあるいは蓋41bにパッキング41cを設けることで槽41aと蓋41bとの接合を密にすることができる。電極シート105とガイド107、ガイド108を用いる場合も、パッキング41cを設け接合を密にする点は同様である。
図13は本発明に係る混合タンクが傾いた状態を示す模式図である。この図においては、液面の様子を分かりやすくするため、電極100dの一部および撥水膜102やガイド107、ガイド108の記載を省略している。側壁41mに直接金属めっきをすることにより電極100を形成する場合と、電極シート105を用いる場合と、合わせて説明する。
図13に示すように混合タンク41がX軸方向に傾いている時、電極100aは全く液体に接していないが、電極100aと対向する電極100cは液体に接している。一方、電極100bと電極100dに液体が接する面積は同じである。そのため、電極100aと電極100cとの間で検出される静電容量の値と、電極100bと電極100dとの間で検出される静電容量の値とは大きく異なる。
電極100aと電極100cとの間では、液体の接する面積が大きく異なることから水位を検出することはできない。この時、検出される静電容量の値は混合タンク41が傾いていない場合と比較して異常な値になる。電極100aと電極100cとの間で異常な静電容量値が検出されることで、X軸方向に混合タンク41が傾いていることが分かる。電極100bと電極100dに液体が接する面積は同じであるため、電極100bと電極100dの間の静電容量の値を測定することで、傾いた状態での水位を検出することができる。
電極100aと電極100cとの間では、液体の接する面積が大きく異なることから水位を検出することはできない。この時、検出される静電容量の値は混合タンク41が傾いていない場合と比較して異常な値になる。電極100aと電極100cとの間で異常な静電容量値が検出されることで、X軸方向に混合タンク41が傾いていることが分かる。電極100bと電極100dに液体が接する面積は同じであるため、電極100bと電極100dの間の静電容量の値を測定することで、傾いた状態での水位を検出することができる。
混合タンク41の側壁41mの対向する面に設けた2組の電極100あるいは電極シート105により、2軸で水位検出が可能である。混合タンク41が傾いた状態となり、ある内壁に設けられた電極100に液体が接していない状態においては、他の液体に接している電極100を用いて水位を検出することができ、同時にどの方向に傾いているかを検出することも可能となる。
混合タンク41に収容されている液体の体積と混合タンク41の各方向に対する傾きと、その時の静電容量値との関係をあらかじめ調べておけば、静電容量値を測定することで液体の水位に加えて、より精密な傾きも検出することが可能となる。
本実施形態を実施した場合、容器が傾いた場合も検出精度の低下を防止することができる。水位の誤検出を防止し検出精度を向上させることで、混合タンク41内の混合液が溢れて漏出するのを防ぐことができる。また混合タンク41内の混合液が不足し、混合液不足による燃料電池1の出力低下を防ぐことができる。
本発明に係る水位センサを採用した燃料電池は、上述したノート型コンピュータに限らず、モバイル機器、携帯端末等の他の電子機器の電源としても使用可能である。
本発明ではその主旨を逸脱しない範囲であれば、上記の実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。
1…燃料電池、2…発電部、3…制御部、10…ノート型コンピュータ、11…本体、11a…通気孔、11b…カバー、12…載置部、13…ロック機構、14…コネクタ、15…イジェクトボタン、31…燃料タンク、32…燃料供給路、32a…燃料流入口、41…混合タンク、41a…槽、41b…蓋、41e…連通孔、41f…内部口孔、41g…外部口孔、41m…側壁、41n…底面、43…混合液供給路、43a…混合液流出口、44…混合液回収路、44a…混合液流入口、48…チューブ、49…キャップ、51…アノード、52…カソード、53…電解質膜、63…吸気フィルタ、64…吸気路、71…排液冷却器、72…第1の冷却ファン、73…予混合液冷却器、81…復水器、82…第2の冷却ファン、83…回収槽、84…水回収路、86…排気路、87…排気フィルタ、90…濃度センサ、100…電極、101…端子部、102…撥水膜、105…電極シート、107…ガイド、108…ガイド
Claims (12)
- 液体を収容する容器であって、
対向して設けられる第1および第2の側壁と、
前記第1および第2の側壁の対向方向と異なる方向に対向する第3および第4の側壁とを有する容器と、
前記第1および第2の側壁に設けられる一対の第1の電極と、
前記第3および第4の側壁に設けられる一対の第2の電極と、
前記第1の電極間と前記第2の電極間の静電容量値を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された静電容量値から前記容器内の液体の水位を検知する検知手段と、
を具備することを特徴とする水位センサ。 - 前記第1および第2の電極は前記側壁に金属めっきを施すことにより形成されることを特徴とする請求項1記載の水位センサ。
- 前記第1および第2の電極はシート状電極により形成されることを特徴とする請求項1記載の水位センサ。
- 前記側壁には前記シート状電極が着脱されるガイド部を有することを特徴とする請求項3記載の水位センサ。
- 前記シート状電極は端部を有し、前記端部から延出する端子部を有することを特徴とする請求項3記載の水位センサ。
- 前記容器は上端部に開口部を有し、この開口部は蓋により閉じられるとともに、前記端子部の一部はシール部材を介して、前記容器と前記蓋との間に挟まれることを特徴とする請求項5記載の水位センサ。
- 液体燃料が収容された燃料タンクと、
前記液体燃料と、空気中の酸素とを化学反応させて発電を行う起電部と、
前記燃料タンク内の前記液体燃料の水位を検出する水位センサと、を備え、
前記水位センサは、
前記燃料タンク内に対向して設けられる第1および第2の側壁と、
前記第1および第2の側壁の対向方向と異なる方向に対向する第3および第4の側壁とを有する容器と、
前記第1および第2の側壁に設けられる一対の第1の電極と、
前記第3および第4の側壁に設けられる一対の第2の電極と、
前記第1の電極間と前記第2の電極間の静電容量値を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された静電容量値から前記容器内の液体の水位を検知する検知手段と、
を具備することを特徴とする燃料電池。 - 前記第1および第2の電極は前記側壁に金属めっきを施すことにより形成されることを特徴とする請求項7記載の燃料電池。
- 前記第1および第2の電極はシート状電極により形成されることを特徴とする請求項7記載の燃料電池。
- 前記側壁には前記シート状電極が着脱されるガイド部を有することを特徴とする請求項9記載の燃料電池。
- 前記シート状電極は端部を有し、前記端部から延出する端子部を有することを特徴とする請求項9記載の燃料電池。
- 前記燃料タンクは上端部に開口部を有し、この開口部は蓋により閉じられるとともに、前記端子部の一部はシール部材を介して、前記燃料タンクと前記蓋との間に挟まれることを特徴とする請求項11記載の燃料電池。
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---|---|---|---|
JP2006023808A JP2007205811A (ja) | 2006-01-31 | 2006-01-31 | 水位センサおよび燃料電池 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101181840B1 (ko) | 2010-06-30 | 2012-09-11 | 삼성에스디아이 주식회사 | 연료 전지용 연료 카트리지 |
JP2012225790A (ja) * | 2011-04-20 | 2012-11-15 | Toyota Motor Corp | 液位検出装置 |
US10401209B2 (en) | 2016-06-22 | 2019-09-03 | Abbott Laboratories | Liquid level sensing apparatus and related methods |
US10788337B2 (en) | 2017-02-22 | 2020-09-29 | Hyundai Motor Company | Method of outputting level of capacitive level sensor |
DE102022130842A1 (de) | 2022-11-22 | 2024-05-23 | Ekpo Fuel Cell Technologies Gmbh | Sensoreinheit, Fluidführungseinheit, Brennstoffzellenvorrichtung, Verfahren zur Steuerung eines Ausleitventils, Steuerungssystem und Kraftfahrzeug |
-
2006
- 2006-01-31 JP JP2006023808A patent/JP2007205811A/ja active Pending
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