JP2007205282A - 回転機械および圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転機械は、ロータ55と、ロータ55に固定されるシャフト31と、バランスウェイト32とを備える。バランスウェイト32は、ロータ55に固定されると共に、ロータ55と共に回転する時に発生する遠心力方向への移動を規制するようにシャフト31に係止する。
【選択図】図1
Description
本発明の課題は、ロータの変形を抑えることができる回転機械および圧縮機を提供することにある。
この回転機械では、バランスウェイトはロータに固定されているため、ロータの回転と共に回転して遠心力が作用する。このとき、バランスウェイトは、遠心力方向への移動を規制するようにシャフトに係止するため、ロータがバランスウェイトから受ける負荷が低減される。これにより、この回転機械では、ロータの変形を抑えることができる。
この回転機械では、係止部が、シャフトに対してバランスウェイトの重心位置の反対側において、シャフトに係止する。これにより、係止部は、バランスウェイトに作用する遠心力に抗してバランスウェイトの遠心力方向への移動を規制することができる。
この回転機械では、係止部の貫通孔にシャフトが通されることにより、係止部がシャフトに係止可能となる。このため、簡易な構造でバランスウェイトをシャフトに係止させることができる。
この回転機械では、バランスウェイトはシャフトに隙間ばめされるため、バランスウェイトを容易にシャフトに取り付けることができる。このため、この回転機械では、組立性を向上させることができる。
この回転機械では、積層された複数の金属板とバランスウェイトとを固定部材が貫通して、複数の金属板とバランスウェイトとを共締めしている。ロータが複数の金属板によって構成されていると固定部材を介してバランスウェイトに作用する遠心力の影響を受けることにより変形し易くなるが、バランスウェイトがシャフトに係止することによって、ロータの変形を抑えることができる。
この回転機械では、ウェイト部によってバランスウェイトの機能を果たすことができると共に、台座部によってシャフトに係止することができる。そして、ウェイト部と台座部とが一体とされているため、構造が簡易であると共に、バランスウェイトをロータとシャフトとに容易に取り付けることができる。
この回転機械では、台座部の中心に対してウェイト部の反対側に位置する部分において凹部が設けられている。バランスウェイトの機能上、ウェイト部の反対側の重量が増大すれば、ウェイト部の重量も大きくする必要があるが、この回転機械では、凹部によってウェイト部の反対側の重量が低減されているため、ウェイト部の重量を低減することができる。
この圧縮機では、バランスウェイトはロータに固定されているため、ロータの回転と共に回転して遠心力が作用する。このとき、バランスウェイトは、遠心力方向への移動を規制するようにシャフトに係止するため、ロータがバランスウェイトから受ける負荷が低減される。これにより、この圧縮機では、ロータの変形を抑えることができる。
第3発明に係る回転機械では、係止部の貫通孔にシャフトが通されることにより、係止部がシャフトに係止可能となる。このため、簡易な構造でバランスウェイトをシャフトに係止させることができる。
第5発明に係る回転機械では、積層された複数の金属板とバランスウェイトとを固定部材が貫通して、複数の金属板とバランスウェイトとを共締めしている。ロータが複数の金属板によって構成されていると固定部材を介してバランスウェイトに作用する遠心力の影響を受けることにより変形し易くなるが、バランスウェイトがシャフトに係止することによって、ロータの変形を抑えることができる。
第7発明に係る回転機械では、台座部の中心に対してウェイト部の反対側に位置する部分において凹部が設けられている。バランスウェイトの機能上、ウェイト部の反対側の重量が増大すれば、ウェイト部の重量も大きくする必要があるが、この回転機械では、凹部によってウェイト部の反対側の重量が低減されているため、ウェイト部の重量を低減することができる。
<圧縮機1の構造>
本発明の実施の形態に係る圧縮機1は、例えば、空気調和機の冷媒回路において蒸発機から吸入した冷媒を圧縮して凝縮器へと吐出するために用いられるものである。圧縮機1は、図1に示されるように、本体ケーシング10と、本体ケーシング10内に収納される圧縮ポンプユニット40および電動機50を備えている。
本体ケーシング10は、主に、略円筒形状の胴体ケーシング部12、胴体ケーシング部12の上部を覆う上蓋部11、および胴体ケーシング部12の下部を覆う底蓋部13から構成されている。
なお、上蓋部11、胴体ケーシング部12、および底蓋部13は、順に溶接され一体化されており、本体ケーシング10は密閉されている。
また、本体ケーシング10の側面には、本体ケーシング10の側壁を貫通してターミナル20が設けられており、ターミナル20の一部が本体ケーシング10の外側に突出している。
圧縮ポンプユニット40は、主に、固定スクロール41、可動スクロール42、ハウジング43、オルダムリング44、およびクランクシャフト45等の構成部品から構成されるスクロール型の圧縮ポンプユニットであり、可動スクロール42が固定スクロール41に対して偏心回転運転することにより冷媒等の流体を圧縮するように構成されている。
電動機50は、ターミナル20に接続され、圧縮ポンプユニット40のクランクシャフト45を介して可動スクロール42を駆動するものであり、圧縮ポンプユニット40の下方に配置されている。電動機50は、主に、胴体ケーシング部12の円筒部分の内壁面に固定されるリング形状のステータ51と、側方をステータ51に囲まれるように配置されたロータ55と、ロータ55に固定されたメインシャフト31と、バランスウェイト32とから構成されている。
ロータ55は、回転軸方向に積層された複数の金属板33を有している。この金属板33は円盤状の鋼板であり、複数の金属板33が積層することによってロータ55は略円柱状の外形となっている。また、ロータ55の中心にはメインシャフト31が通される貫通孔34が設けられている。なお、ロータ55を構成する複数の金属板33は、貫通孔34の周囲に設けられ回転軸方向に貫通する複数の孔35を有しており、リベット36がこの孔35に通されている。リベット36は、後述するバランスウェイト32と複数の金属板33とを貫通しており、バランスウェイト32と複数の金属板33とを共締めすることによって、複数の金属板33を一体化させている。なお、ここでは、4つの孔35と4つのリベット36とが設けられている。
なお、バランスウェイト32のうちロータ55と接する側の面は平坦な形状であり、その反対側の面は、ウェイト部61によって一部が下方に突出した段差のある形状となっている。
(1)
この圧縮機1では、バランスウェイト32の台座部60に貫通孔62が設けられており、この貫通孔62にメインシャフト31が通されている。このため、バランスウェイト32がロータ55と共に回転してバランスウェイト32に遠心力が作用した場合には、台座部60がメインシャフト31に対してバランスウェイト32の重心位置すなわちウェイト部61が設けられている部分の反対側においてメインシャフト31に係止する。これにより、バランスウェイト32に作用する遠心力がメインシャフト31によって支えられ、ロータ55への負担が軽減される。よって、この圧縮機1では、ロータ55の変形を抑えることができる。
この圧縮機1では、バランスウェイト32はリベット36によってロータ55に固定されているが、メインシャフト31には隙間ばめによって嵌め合わされている。このため、バランスウェイト32のメインシャフト31への取付が容易である。また、台座部60とウェイト部61とが一体に形成されているため、ロータ55への取付が容易である。これにより、この圧縮機1では、組立性を向上させることができる。
この圧縮機1では、台座部60の中心に対してウェイト部61の反対側に位置する部分において凹部64が設けられている。バランスウェイトの機能上、ウェイト部61の反対側の重量が増大すれば、ウェイト部61の重量も大きくする必要があるが、この回転機械では、凹部64によってウェイト部61の反対側の重量が低減されているため、ウェイト部61の重量を低減することができる。
(A)
上記の実施形態では、圧縮機1の電動機50に本発明が適用されているが、本発明の適用対象はこれに限られるものではなく、バランスウェイトが設けられる回転機械であれば本発明が適用可能である。
上記の実施形態では、メインシャフト31が通される貫通孔62が設けられた台座部60がメインシャフト31に係止する係止部となっているが、係止部の構造はこれに限られるものではない。例えば、ウェイト部61からメインシャフト31に向かって延びメインシャフト31の周囲を覆う形状の部材が係止部として設けられてもよい。
上記の実施形態では、バランスウェイト32がメインシャフト31に隙間ばめされているが、バランスウェイト32とメインシャフト31との嵌め合いは、隙間ばめに限らず「しまりばめ」や「中間ばめ」であってもよい。ただし、組立性の容易の観点からは、隙間ばめであることが望ましい。
上記の実施形態では、ロータ55が複数の金属板33で形成されている。このように、ロータ55が複数の金属板33で形成されている場合には、バランスウェイト32に作用する遠心力の影響によってロータ55が変形し易いため本発明が特に有効である。しかし、ロータ55が一体の部材で形成される場合であっても、本発明によりロータ55への負担を軽減してロータ55の変形を抑えることが可能である。
上記の実施形態では、リベット36がバランスウェイト32とロータ55との固定部材として用いられているが、ボルト等の他の固定部材が用いられてもよい。
また、上記の実施形態では、リベット36がバランスウェイト32と複数の金属板33とを貫通して共締めしているが、バランスウェイト32を貫通してロータ55の途中まで達することによってバランスウェイト32とロータ55を固定する固定部材が用いられてもよく、或いは、接着等の固定手段によってバランスウェイト32がロータ55の表面に固定されてもよい。
上記の実施形態では、バランスウェイト32は、ロータ55の下面に固定されているが、ロータ55の上面に固定されてもよい。また、ロータ55の上面と下面との両方にバランスウェイト32が設けられてもよい。
31 メインシャフト(シャフト)
32 バランスウェイト
33 複数の金属板
36 リベット(固定部材)
50 電動機(回転機械)
55 ロータ
60 台座部(係止部)
61 ウェイト部
62 貫通孔
64 凹部
Claims (8)
- ロータ(55)と、
前記ロータ(55)に固定されるシャフト(31)と、
前記ロータ(55)に固定されると共に、前記ロータ(55)と共に回転する時に発生する遠心力方向への移動を規制するように前記シャフト(31)に係止するバランスウェイト(32)と、
を備える回転機械(50)。 - 前記バランスウェイト(32)は、前記シャフト(31)に対して前記バランスウェイト(32)の重心位置の反対側において前記シャフト(31)に係止する係止部(60)を有する、
請求項1に記載の回転機械(50)。 - 前記係止部(60)は前記シャフト(31)が通される貫通孔(62)を有する、
請求項2に記載の回転機械(50)。 - 前記バランスウェイト(32)は前記シャフト(31)に隙間ばめされる、
請求項3に記載の回転機械(50)。 - 前記ロータ(55)は、回転軸方向に積層された複数の金属板(33)を有し、
前記バランスウェイト(32)と複数の前記金属板(33)とを貫通して共締めする固定部材(36)をさらに備える、
請求項1から4のいずれかに記載の回転機械(50)。 - 前記バランスウェイト(32)は、
前記シャフト(31)が通される貫通孔(62)が中心に設けられた円盤状の外形を有する台座部(60)と、
前記台座部(60)の中心から偏心して前記台座部(60)上に段差を作るように前記台座部(60)と一体に設けられたウェイト部(61)と、
を有する、
請求項1に記載の回転機械(50)。 - 前記台座部(60)は、前記台座部(60)の中心に対して前記ウェイト部(61)の反対側に位置する部分において周縁部から前記台座部(60)の中心に向けて凹んだ凹部(64)を有する、
請求項6に記載の回転機械(50)。 - 請求項1から7のいずれかに記載の回転機械(50)を備える圧縮機(1)。
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