JP5282769B2 - モータ回転子 - Google Patents
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Description
<圧縮機1の構造>
図1に示されるように、本発明の第1実施形態に係るモータ回転子を有する電動機50を内蔵した圧縮機1は、例えば、空気調和機の冷媒回路において蒸発機から吸入した冷媒を圧縮して凝縮器へと吐出するために用いられるものである。圧縮機1は、本体ケーシング10と、本体ケーシング10内に収納される圧縮ポンプユニット40および電動機50を備えている。
図1に示されるように、本体ケーシング10は、主に、略円筒形状の胴体ケーシング部12、胴体ケーシング部12の上部を覆う上蓋部11、および胴体ケーシング部12の下部を覆う底蓋部13から構成されている。
圧縮ポンプユニット40は、主に、固定スクロール41、可動スクロール42、ハウジング43、オルダムリング44、およびクランクシャフト45等の構成部品から構成されるスクロール型の圧縮ポンプユニットであり、可動スクロール42が固定スクロール41に対して偏心回転運転することにより冷媒等の流体を圧縮するように構成されている。
電動機50は、ターミナル20に接続され、圧縮ポンプユニット40のクランクシャフト45を介して可動スクロール42を駆動するものであり、圧縮ポンプユニット40の下方に配置されている。電動機50は、主に、胴体ケーシング部12の円筒部分の内壁面に固定されるリング形状のモータ固定子51と、側方をモータ固定子51に囲まれるように配置されたモータ回転子55と、モータ回転子55に固定されたメインシャフト31ととから構成されている。
モータ回転子55は、図1〜2に示されるように、回転子コア56と、バランス材57と、4本のリベット58と、端板60とを備えている。
(1)
第1実施形態のモータ回転子55では、バランス材57の重量が小さい側のリベット穴62周囲の突出部分57bが、重量が大きい側のリベット穴62周囲の本体部分57aと軸方向における同じ高さに位置することにより、リベット58の長さが同じになるように設定されている。これによって、4本のリベット58を共通化でき、マスメリットによる部材費低減と管理費低減でコスト低減が可能になり、しかも、リベットの締結状態を均等にすることができる。その結果、モータ回転子55のゆがみを抑制することが可能である。さらに、エアギャップも均等になり、騒音や振動も低減し、モータ回転子の性能が向上している。
第1実施形態のモータ回転子55では、バランス材57の円板状部分57cが回転子コア56の上端面56bのほぼ全体を覆うことによって端板の役目を奏するので、従来のモータ回転子で必要だった端板が不要になる。このため、部品点数を低減でき、その結果、管理費や組立工数でコスト低減が可能になる。また、バランス材と端板との部品の共通化によってモータ回転子の剛性が向上し、騒音や振動の低減効果もさらに向上する。
第1実施形態のモータ回転子55では、バランス材57の重量の重い側の本体部分57aと軽い側の突出部分57bとの高さが同じであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、図3に示されるモータ回転子65のように、回転子コア上端面におけるリベット周囲の部分の突出高さが異なる形態でもよい。
H2=H1−H3 (式1)
の関係を満たすように、第1バランス材67および第2バランス材70の寸法が設定されているので、4本のリベット68の長さが同じになる。
H1:上側の第1バランス材67のC字状の本体部分67aの高さ、
H2:上側の第1バランス材67の突出部分67bの高さ、
H3:下側の第2バランス材70のC字状の本体部分70aの高さである。
(1)
第2実施形態のモータ回転子65では、第1バランス材67および第2バランス材70が回転子コア66の軸方向両側の端面66b、66cに設けられ、しかも、軸方向両側のバランス材67、70のリベット穴72、73周囲の軸方向における高さは、両側の高さの合計が同じになるように設定され、それぞれのリベット68の長さが同じになるように設定されている。これによって、4本のリベット68を共通化でき、マスメリットによる部材費低減と管理費低減でコスト低減が可能になり、しかも、リベットの締結状態を均等にすることができる。その結果、モータ回転子65のゆがみを抑制することが可能である。さらに、エアギャップも均等になり、騒音や振動も低減し、モータ回転子の性能が向上している。
第2実施形態のモータ回転子65では、第1バランス材67の円板状部分67cが回転子コア66の上端面66bのほぼ全体を覆い、かつ、第2バランス材70の円板状部分70bが回転子コア66の下端面66cのほぼ全体を覆うことによって、それぞれ端板の役目を奏するので、従来のモータ回転子の上下端面を塞ぐために必要だった端板が2枚とも不要になる。このため、部品点数を低減でき、その結果、管理費や組立工数でコスト低減が可能になる。また、バランス材と端板との部品の共通化によってモータ回転子の剛性が向上し、騒音や振動の低減効果もさらに向上する。
また、本発明のモータ回転子の他の実施形態として、図4に示されるモータ回転子75のように、バランス材77の上に油分離板81を設けてもよい。
(1)
第3実施形態のモータ回転子75では、第1バランス材77の重量が小さい側のリベット穴82周囲の突出部分77bが、重量が大きい側のリベット穴82周囲のC字状の本体部分77aと軸方向における同じ高さに位置しており、かつ、油分離板81が第1バランス材77のリベット穴82周囲の本体部分77aおよび突出部分77bのそれぞれの上端面に当接した状態でリベット78によって締結されている。したがって、第1バランス材77の本体部分77aおよび突出部分77b(それらのうちの特に、突出部分77b)がスペーサの役目を奏するので、高さ調整のためのスペーサが不要になり、部品点数を低減でき、その結果、管理費や組立工数でコスト低減が可能である。
第3実施形態のモータ回転子75では、第1バランス材77の円板状部分77cが回転子コア76の上端面76bのほぼ全体を覆い、かつ、第2バランス材80の円板状部分80bが回転子コア76の下端面76cのほぼ全体を覆うことによって、それぞれ端板の役目を奏するので、従来のモータ回転子の上下端面を塞ぐために必要だった端板が2枚とも不要になる。このため、部品点数を低減でき、その結果、管理費や組立工数でコスト低減が可能になる。また、バランス材と端板との部品の共通化によってモータ回転子の剛性が向上し、騒音や振動の低減効果もさらに向上する。
(A)
第3実施形態のモータ回転子75では、4本のリベット78の長さが異なっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1実施形態のモータ回転子55の場合と同様に、例えば、下側の第2バランス材80の代わりに平板状の端板60(図2参照)を用いることによって、4本のリベット78の長さを同じにするようにすることも可能である。
さらに、本発明のモータ回転子の他の実施形態として、図6に示されるモータ回転子85のように、バランス材87の上にバランス材カバー91を設けてもよい。
(1)
第4実施形態のモータ回転子85では、第1バランス材87の重量が小さい側のリベット穴92周囲の突出部分87bが重量が大きい側のリベット穴92周囲のC字状の本体部分87aと軸方向における同じ高さに位置しており、かつ、バランス材カバー91が第1バランス材87のリベット穴92周囲の本体部分87aおよび突出部分87bのそれぞれの上端面に当接した状態でリベット88によって締結されている。したがって、第1バランス材87の本体部分87aおよび突出部分87b(それらのうちの特に、突出部分87b)がスペーサの役目を奏するので、高さ調整のためのスペーサが不要になり、部品点数を低減でき、その結果、管理費や組立工数における製造コストの低減が可能である。
また、バランス材カバー91を設けることによって、圧縮機1の本体ケーシング10(図1参照)内部における潤滑油の撹拌を防ぎ、油上がりを低減し、風損を防ぎ、その結果、圧縮機効率が向上する。
第4実施形態のモータ回転子85では、第1バランス材87の円板状部分87cが回転子コア86の上端面86bのほぼ全体を覆い、かつ、第2バランス材90の円板状部分90bが回転子コア86の下端面86cのほぼ全体を覆うことによって、それぞれ端板の役目を奏するので、従来のモータ回転子の上下端面を塞ぐために必要だった端板が2枚とも不要になる。このため、部品点数を低減でき、その結果、管理費や組立工数でコスト低減が可能になる。また、バランス材と端板との部品の共通化によってモータ回転子の剛性が向上し、騒音や振動の低減効果もさらに向上する。
(A)
第4実施形態では、バランス材カバー91は、その内周側に円形開口91aを有しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図7に示されるように、バランス材カバー91の外周側と同様に内周側も下方に折り曲げた部分91bを形成してもよい。また、図示はしないが、バランス材カバー91の内周側の円形開口91aを無くし、閉じていてもよい。
第4実施形態のモータ回転子85では、下側の第2バランス材90を有しているため、4本のリベット88の長さが異なっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1実施形態のモータ回転子55の場合と同様に、例えば、下側の第2バランス材90の代わりに平板状の端板60(図2参照)を用いることによって、4本のリベット88の長さを同じにするようにすることも可能である。
第4実施形態のモータ回転子85では、上側の第1バランス材87の上にバランス材カバー91が取り付けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、軸方向の上下を反対(すなわち、モータ回転子85全体を上下反転して第1バランス材87の下にバランス材カバー91を取り付けた構成)になってもよい。
第4実施形態のモータ回転子85は、その内周側に円形開口91aを有するバランス材カバー91を備えており、図1の低圧ドーム圧縮機1のメインシャフト31に貫通した状態で取り付けられているが、本発明はこれに限定されるものではない。第4実施形態の他の変形例として、バランス材カバー91の内周側の円形開口91aを無くし、閉じていてもよい。例えば、円形開口91aを有しないバランス材カバー91を備えたモータ回転子85を、図5に示されるような高圧ドーム型圧縮機101のメインシャフト113の上部に固着してもよい。
31 メインシャフト
50 電動機
55、65、75、85 モータ回転子
56、66、76、86 回転子コア
57、67、70、77、80、87、90 バランス材
58、68、78、88 リベット
59、69、79、89 (回転子コアの)リベット穴
60 端板
62、72、73、82、83、92、93 (バランス材の)リベット穴
Claims (4)
- 軸方向に沿ってリベット穴(69)を有する回転子コア(66)と、
前記回転子コア(66)のリベット穴(69)と連通するリベット穴(72、73)を有しており、前記回転子コア(66)の軸方向を向いた端面(66b、66c)に設けられ、前記回転子コア(66)を含む回転系全体の回転時のバランスを取るバランス材(67、70)と、
前記回転子コア(66)と前記バランス材(67、70)とを締結するリベット(68)と
を備え、
前記バランス材(67、70)は、前記回転子コア(66)の軸方向両側の端面(66b、66c)に設けられ、
前記バランス材のうち前記軸方向一方側の端面(66b)に設けられた第1バランス材(67)は、重量の大きい側のほうが重量の小さい側に比べて前記リベット穴(72)周囲の軸方向における高さが高くなっており、かつ、前記バランス材のうち前記軸方向他方側の端面(66c)に設けられた第2バランス材(70)は、重量の大きい側のほうが重量の小さい側に比べて前記リベット穴(73)周囲の軸方向における高さが高くなっており、
前記軸方向両側のバランス材(67、70)のリベット穴(72、73)周囲の軸方向における高さは、両側の高さの合計が同じになるように設定され、それぞれの前記リベット(68)の長さが同じになるように設定されている、
モータ回転子(65)。 - 前記第1バランス材(67)の重量の大きい側の前記リベット穴(72)周囲の軸方向における高さは、前記第2バランス材(70)の重量の大きい側の前記リベット穴(73)周囲の軸方向における高さと異なる、
請求項1に記載のモータ回転子(65)。 - 前記バランス材(67、70)は、前記回転子コア(66)の端面のほぼ全体を覆う、
請求項1又は2に記載のモータ回転子(65)。 - 前記回転子コア(66)の前記バランス材(67、70)が設けられた端面(66b、66c)には、該端面(66b、66c)を覆うための端板が設けられていない、
請求項3に記載のモータ回転子(65)。
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