JPWO2020166430A1 - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

電動機部(2)と電動機部(2)によって駆動される圧縮機構部とを密閉容器(1)内に収容して構成し、且つ、電動機部の固定子(10)は密閉容器の内面に当接する当接固定子板(22a)と当接固定子板(22a)よりも小径の主固定子板(22b)とを積層して構成する。当接固定子板(22a)を密閉容器(1)の内面に焼きばめ又は溶接固定して、主固定子板(22b)と密閉容器(1)の内面との間には隙間(X)を持たせる。これにより、電動機部(2)の主固定子板(22b)の、焼きばめ又は溶接による応力歪の発生を抑制でき、応力歪による運転効率低下を防止するとともに、固定子(10)の変形による騒音発生を防止して静穏化を図ることができる。

Description

本開示は、空調機、冷凍機、給湯機等に使用される圧縮機に関する。
一般に圧縮機は、冷媒ガスを圧縮する圧縮機構部と、圧縮機構部を駆動する電動機部とを密閉容器内に収納して構成している。そして、上記電動機部は、密閉容器の内壁面に固定した固定子と、駆動軸に回転動力を伝える回転子とからなり、その固定子の密閉容器の内壁面への固定は焼きばめ、あるいは溶接によって行っていた(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
図16は特許文献1記載の圧縮機を示す。この圧縮機は、電動機部100の固定子101を密閉容器102の内周面に焼きばめ103によって固定してある。また、図17は特許文献2記載の圧縮機を示す。この圧縮機は、電動機部200の固定子201を密閉容器202の内周面に溶接204によって固定してある。
特開2003−254274号公報 特開2008−45431号公報
しかしながら、特許文献1の圧縮機における焼きばめによる固定子101の固定は、密閉容器102の収縮応力によって電動機部100の効率が低下するという問題がある。すなわち、固定子101を構成する固定子板に圧縮応力がかかり、固定子板の磁気特性が悪化して電動機部100の効率低下を引き起こす。
また、特許文献2の圧縮機における固定子201の溶接204による固定についても、溶接204による高温、高熱による応力が固定子201に加わって固定子201を構成する固定子板に歪が生じ、電動機部200の効率低下を引き起こす。
そして、いずれの圧縮機の場合であっても、固定子板の歪による変形、すなわち固定子101、201の変形により固定子101,201の内周面と回転子の外周面との間に形成されるエアギャップにずれが発生し、駆動機構の加振力が増大して、圧縮機の運転音が増加してしまう、という課題もあった。
本開示はこのような点に鑑みてなしたもので、固定子板に生じる応力及び歪を低減して高効率かつ静寂な圧縮機を提供する。
本開示は、電動機部の固定子を、密閉容器の内面に当接する当接固定子板とこれよりも小径の主固定子板とを積層して構成し、当接固定子板を密閉容器内面に固定するとともに、主固定子板と密閉容器内面との間に隙間を持たせる。
この構成により、固定子の密閉容器内面への焼きばめ又は溶接等の固定による応力及び歪を当接固定子板のみにとどめて主固定子板には応力及び歪が発生するのを防止できる。そのため、応力及び歪による圧縮機の運転効率低下を防止することができるとともに、固定子の変形による騒音発生も低減して静穏化することができる。
図1は、第1の実施の形態における圧縮機の縦断面図である。 図2は、第1の実施の形態における圧縮機の電動機部を示す拡大断面図である。 図3は、第1の実施の形態における圧縮機の電動機部の固定子板を示す平面図である。 図4は、第2の実施の形態における圧縮機の縦断面図である。 図5は、第2の実施の形態における圧縮機の電動機部を示す拡大断面図である。 図6は、第2の実施の形態における圧縮機の電動機部を構成する固定子の斜視図である。 図7は、第3の実施の形態における圧縮機の電動機部を示す拡大断面図である。 図8は、第4の実施の形態における圧縮機の電動機部を構成する固定子板の断面図である。 図9は、第5の実施の形態における圧縮機の電動機部を示す拡大断面図である。 図10は、第6の実施の形態における圧縮機の縦断面図である。 図11は、第6の実施の形態における圧縮機の電動機部を示す拡大断面図である。 図12は、第6の実施の形態における圧縮機の電動機部を構成する固定子の平面図である。 図13は、第6の実施の形態における圧縮機の電動機部を構成する固定子の斜視図である。 図14は、第6の実施の形態における圧縮機の電動機部を構成する固定子の半裁斜視図である。 図15は、第6の実施の形態における電動機部の固定子板を示す平面図である。 図16は、従来の圧縮機の固定子固定構成を示す説明図である。 図17は、従来の他の圧縮機の固定子固定構成を示す断面図である。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態における圧縮機の縦断面図である。図2は第1の実施の形態における圧縮機の電動機部を示す拡大断面図である。図3は第1の実施の形態における圧縮機における電動機部の固定子板を示す平面図である。
本実施の形態における圧縮機は、密閉容器1内に電動機部2と圧縮機構部3を設けて構成してある。密閉容器1は、円筒状のハウジング5と、このハウジング5の開口を閉塞する上部カバー6、および下部カバー7から構成されている。
圧縮機構部3は、密閉容器1の下部に配置されている。また、電動機部2は、密閉容器1の内部において、圧縮機構部3の上に配置されている。電動機部2は、駆動軸4によって圧縮機構部3と連結している。
なお、上部カバー6には、電動機部2に電力を供給するための端子8が設けられている。密閉容器1の底部には、潤滑用のオイルを保持するためのオイル溜り9が形成されている。
電動機部2は、固定子10及び回転子11で構成されている。回転子11は、駆動軸4を保持しており、駆動軸4とともに回転する。駆動軸4は、圧縮機構部3の上部に位置する上軸受部材12と、圧縮機構部3の下部に位置する下軸受部材13とにより回転自在に支持されている。
電動機部2に電力が供給され、駆動軸4が回転すると、駆動軸4の駆動軸偏心部14が圧縮機構部3のシリンダ15の内部において偏心回転する。駆動軸偏心部14の偏心回転に伴い、シリンダ15内のローリングピストン16がシリンダ15内に突出量可変に突出するベーン(図示せず)に当接しながら回転運動する。これにより、冷媒ガスの吸入、圧縮が繰り返される。圧縮機構部3は、上軸受部材12、下軸受部材13、シリンダ15、ローリングピストン16、ベーン(図示せず)から構成される。
密閉容器1の上部には、吐出管17が設けられている。吐出管17は、上部カバー6の上部を貫通しているとともに、密閉容器1の内部空間に向かって開口しており、圧縮機構部3で圧縮された冷媒ガスを密閉容器1の外部に導く吐出流路としての役割を担う。圧縮機の動作時において、密閉容器1の内部空間は、圧縮された冷媒で満たされる。
また、密閉容器1の下部には、圧縮機構部3に冷媒を供給する吸入接続管19が設けられており、吸入接続管19は冷媒ガスを気液分離させるアキュームレータ18と接続している。アキュームレータ18は、上部に冷媒ガス導入管20が設けられ、下部に吸入接続管19に接続する冷媒ガス導出管21が設けられている。
このように構成された圧縮機において、電動機部2の固定子10は、薄板、例えば電磁鋼鈑の薄板を打ち抜いて形成した複数の固定子板22を積層して構成してある。固定子板22は、図3の(a)に示す、密閉容器1の内面に当接する径の大きな当接固定子板22aと、図3の(b)に示す、当接固定子板22aよりも小径の主固定子板22bとからなっている。当接固定子板22aは固定子10の中央部分を構成するように積層配置し、主固定子板22bは当接固定子板22aの上下部分に積層配置してある。
そして、固定子10は、当接固定子板22aを積層している当接固定子板積層部分22Aを密閉容器1内面に焼きばめまたは溶接によって固定している。当接固定子板積層部分22Aの上下に配置した、主固定子板22bを積層している主固定子板積層部分22Bは、その外周全域が密閉容器1の内面との間にわずかな隙間、この例では主固定子板22bの板厚以上の微小隙間Xが形成される。
以上のように構成した圧縮機について、次にその作用効果を説明する。
以上説明したように、本実施の形態の圧縮機は、電動機部2の固定子10を当接固定子板22aと主固定子板22bを積層して構成し、当接固定子板積層部分22Aを密閉容器1に焼きばめや溶接等によって固定しているので、主固定子板積層部分22Bはその外周全域において密閉容器1内面との間に微小隙間Xが形成されている。
したがって、主固定子板積層部分22Bには焼きばめや溶接等によって固定した時の強い圧縮力等の応力を受けることがなくなる。よって、主固定子板積層部分22Bでは応力による磁気特性低下がなく、電動機部の効率の低下を防止することができる。
また、主固定子板積層部分22Bに歪による変形が生じる場合に発生する可能性のある、固定子10の内周面と回転子11の外周面との間のエアギャップずれも防止することができ、圧縮機の運転音を低減することができる。
加えて、密閉容器1内面との間に微小隙間Xが形成される主固定子板22bは密閉容器1からの応力を受けなくなるのでその板厚をより薄くでき、主固定子板積層部分22Bの磁気特性を大きく向上させることができる。
以上のように本実施の形態おける圧縮機は、主固定子板積層部分22Bの応力と歪による磁気特性の低下を低減し、かつ、主固定子板積層部分22Bの板厚を薄くして磁気特性を向上させることができ、これら両作用によって効率の高い圧縮機とすることができる。
(第2の実施の形態)
図4は第2の実施の形態における圧縮機の縦断面図である。図5は第2の実施の形態における圧縮機の電動機部を示す拡大断面図である。図6は第2の実施の形態における圧縮機の電動機部を構成する固定子の斜視図である。
本実施の形態における圧縮機では、当接固定子板22aを固定子10の上下部分に積層配置し、主固定子板22bを固定子10の中央部分を構成するように上下の当接固定子板積層部分22Aの間に積層配置している。主固定子板22bは、第1の実施の形態と同様に、当接固定子板22aより小径である。そして、固定子10の上下に位置する当接固定子板積層部分22Aを密閉容器1内面に焼きばめまたは溶接によって固定し、当接固定子板積層部分22Aの間に位置する主固定子板積層部分22Bと密閉容器1の内面との間には微小隙間Xを形成している。
その他の構成は第1の実施の形態と同じであり、同一部分には同じ番号を付して説明を省略する。
以上のように構成した本実施の形態における圧縮機は、当接固定子板積層部分22Aを固定子10の上下二箇所とし、その二箇所の当接固定子板積層部分22Aで密閉容器1に固定しているので、固定子10を密閉容器1に確実に固定でき、品質及び信頼性を向上させることができる。
すなわち、固定子10の主固定子板積層部分22Bが密閉容器1に固定されていないことにより、固定子10がその自重によって密閉容器1の内部において位置ずれし効率低下を引き起こす懸念がある。しかしながら、本実施の形態では固定子10を複数箇所、この例では固定子10の上下二箇所の当接固定子板積層部分22Aを密閉容器1に固定しているので、主固定子板積層部分22Bは密閉容器1に固定されていないが、固定子10の密閉容器1への固定を確実なものとすることができる。
しかも、当接固定子板積層部分22Aは上下二箇所に配置し、その二箇所の当接固定子板積層部分22Aで密閉容器1に固定しているので、軸心ぶれを起こすことなく固定子10を容器に固定することができる。
よって、本実施の形態おける圧縮機は、固定子10の位置ずれや軸心ぶれ等による効率低下と異音発生も防止でき、信頼性及び品質の更に高い圧縮機とすることができる。
(第3の実施の形態)
図7は第3の実施の形態における圧縮機の電動機部を示す拡大断面図である。
本実施の形態における圧縮機は、当接固定子板積層部分22Aを固定子10の上中下三箇所に配置したものである。
その他の構成は第1の実施の形態、第2の実施の形態と同じであり、同一部分には同じ番号を付して説明を省略する。
本実施の形態における圧縮機は、密閉容器1に固定する当接固定子板積層部分22Aを三箇所と多くしているので、固定子10の密閉容器1への固定をより強固なものとすることができ、圧縮機の信頼性及び品質を一段と高いものとすることができる。
なお、当接固定子板積層部分22Aは三箇所以上としてもよく、その位置も本実施の形態で示す位置以外としてもよい。
(第4の実施の形態)
図8は第4の実施の形態における圧縮機の電動機部を構成する固定子板の断面図である。
本実施の形態における圧縮機は、図8の(a)に示す当接固定子板22aの板厚Tが、図8の(b)に示す主固定子板22bの板厚tよりも厚くしてある。例えば当接固定子板22aの板厚Tは0.3mm〜0.5mm、主固定子板22bの板厚tは0.05mm〜0.2mmとしている。
なお、当接固定子板22a、主固定子板22bはともに電磁鋼鈑で形成しているが、これは後述するようにその材料が異なっていてもよい。
その他の構成は第1の実施の形態〜第3の実施の形態と同じで、同一部分には同じ番号を付して説明を省略する。
本実施の形態における圧縮機は、密閉容器1に固定する当接固定子板22aの板厚Tを主固定子板22bの板厚tよりも厚くしているので、当接固定子板22aの強度が向上し密閉容器1への固定もより強力なものとなる。
したがって、固定子10の密閉容器1内での位置ずれも防止し、品質、性能の向上を図ることができる。
すなわち、前述した主固定子板22bの薄板化による主固定子板積層部分22Bの磁気特性向上効果と同時に、固定子10の固定も確実なものとすることができ、圧縮機の効率向上と品質及び信頼性向上の両立を実現することができる。
以上のように本実施の形態における圧縮機では、当接固定子板積層部分22Aの変形を抑制して固定子10の位置ずれを抑制しつつ、主固定子板積層部分22Bの板厚を薄くして磁気特性を向上させることができ、これら両作用によって圧縮機の効率と品質を向上させることができる。
(第5の実施の形態)
図9は第5の実施の形態における圧縮機の電動機部を示す拡大断面図である。
本実施の形態における圧縮機は、第1の実施の形態〜第3の実施の形態の構成に加え、電動機部2の固定子10を構成する当接固定子板22aと主固定子板22bとを異なる材料で形成している。
具体的には、密閉容器1に固定する当接固定子板22aは応力に対する強度が高い材料で形成し、主固定子板22bは応力に対しては弱くても効率向上に対する効果が大きな鉄損の低い材料としてある。例えば、この例では、当接固定子板22aは応力に対する強度が高い電磁鋼鈑で形成し、主固定子板22bは脆弱ではあるが鉄損の低いアモルファス合金もしくはナノ結晶軟磁性材料で形成してある。
その他の構成は第1の実施の形態〜第3の実施の形態と同じであり、同一部分には同じ番号を付して説明を省略する。
本実施の形態における圧縮機は、上記構成により固定子10の密閉容器1に固定する部分、すなわち当接固定子板積層部分22Aの応力による効率低下の抑制効果を高めることができる。そして、密閉容器1との間に微小隙間Xを有する主固定子板積層部分22Bは当接固定子板22aと同じ材料で形成する場合に比べその鉄損が少ないので効率が高い。加えてアモルファス合金、ナノ結晶材で形成した主固定子板22bはその厚みを数十ミクロンと従来の1/10程度まで薄いシート状薄板とすることができるので、薄板化することによる効率向上効果も得られる。
したがって、本実施の形態における圧縮機は、この主固定子板積層部分22Bの高い効率アップ効果により効率の高い圧縮機とすることができる。しかも当接固定子板22aの強度が高いことから、本実施の形態における圧縮機は、固定子10の密閉容器1への固定も強力なものとなり、第4の実施の形態における圧縮機と同様もしくはそれ以上に、圧縮機の効率向上と、品質、信頼性向上の両立を実現することができる。
(第6の実施の形態)
図10は第6の実施の形態における圧縮機の縦断面図である。図11は第6の実施の形態における圧縮機の電動機部を示す拡大断面図である。図12は第6の実施の形態における圧縮機の電動機部を構成する固定子の平面図である。図13は第6の実施の形態における圧縮機の電動機部を構成する固定子の斜視図である。図14は第6の実施の形態における圧縮機の電動機部を構成する固定子の半裁斜視図である。図15は第6の実施の形態における電動機部の固定子板を示す平面図である。
本実施の形態の圧縮機は、図13、図14、図15に明示するように、固定子10の当接固定子板22aの外周縁の内側に冷媒通路用の透孔23を複数設けるとともに、主固定子板22bは当接固定子板22aの透孔23と対向する外周縁部分に冷媒通路用の凹部24を複数形成し、当接固定子板22aと主固定子板22bの冷媒通路構成を異なる形状としている。
その他の構成は第1の実施の形態〜第4の実施の形態と同じで、同一部分には同じ番号を付して説明を省略する。
本実施の形態における圧縮機は、当接固定子板22aに設ける冷媒通路用の透孔23を当接固定子板外周縁の内側に設けているので、当接固定子板積層部分22Aの密閉容器1への固定を強力なものとすることができる。
詳述すると、当接固定子板22aの外周縁に主固定子板22bと同様の凹部を形成して冷媒通路とすると、当接固定子板22aの外周縁の密閉容器1の内面への当接面積が、上記凹部の部分だけ少なくなって密閉容器1への固定力が低下する。
しかしながら、本実施の形態の構成によれば、当接固定子板22aの外周縁の全周を密閉容器1の内面への当接部とすることができるので、当接固定子板積層部分22Aの密閉容器1の内面との接触長さを長くし、当接固定子板22aの密閉容器1への固定面積を大きくして密閉容器内面への固定力を大きなものとすることができる。よって、当接固定子板積層部分22Aの密閉容器1への固定を強力なものとすることができる。
また、固定子10の主固定子板22bは当接固定子板22aの透孔23と対向する外周縁部分に冷媒通路用の凹部24を形成していることにより、主固定子板22bを当接固定子板22aよりも小径としていても主固定子板積層部分22Bに当接固定子板22aに設けた透孔23と同等面積レベルの冷媒通路用開口を確保できる。
即ち、主固定子板22bにも当接固定子板22aと同様の透孔を冷媒通路用として形成すると、主固定子板22bの径が小さい分その透孔は小さなものとなってしまう。しかし、主固定子板22bの外周縁に凹部24を形成して冷媒通路とすれば主固定子板積層部分22Bに当接固定子板22aに設けた透孔23と同等面積レベルの冷媒通路用開口を確保できる。
よって、本実施の形態における圧縮機は、当接固定子板積層部分22Aによる密閉容器内面への強固な固定を維持しつつ冷媒通路面積を確保することができ、固定子10の歪変形を抑制し、且つ、冷媒の流れ性も良好な、効率の良い圧縮機とすることができる。
以上、本開示に係る圧縮機について、各実施の形態を用いて説明したが、本開示は、これに限定されるものではない。
例えば、各実施の形態の構成は実施の形態単独で使用されるだけでなく他の実施の形態の構成と適宜組み合わせて使用してもよいものである。
また、上記実施の形態ではロータリ圧縮機構を持つもので説明したが、スクロール方式やレシプロ方式、スクリュー方式等の圧縮機であってもよく、各種圧縮方式の圧縮機に適用可能である。
また、上記実施の形態では、密閉容器1の内部が高温高圧冷媒ガスで満たされる高圧型圧縮機に採用した場合を例にして説明したが、密閉容器内部が低圧冷媒ガスで満たされる低圧型圧縮機であってもよいものである。
つまり、今回開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではなく、本開示の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
以上説明したように、第1の開示における圧縮機は、電動機部と、電動機部によって駆動される圧縮機構部とを密閉容器内に収容して構成した圧縮機である。電動機部の固定子は密閉容器の内面に当接する当接固定子板と当接固定子板よりも小径の主固定子板とを積層して構成するとともに、当接固定子板を密閉容器内面に固定して主固定子板と密閉容器内面との間には隙間を持たせた構成である。
この構成より、固定子の密閉容器内面への固定による応力及び歪を当接固定子板部分のみにとどめて主固定子板部分には焼きばめ又は溶接等の固定による応力及び歪が発生するのを防止でき、応力及び歪による効率低下を防止して効率を向上させることができる。さらに、固定子の変形による騒音発生も低減して静穏化を図ることができる。
第2の開示における圧縮機は、第1の開示において、固定子の当接固定子板の積層部分を少なくとも二箇所以上の複数箇所とした構成としてもよい。
この構成により、固定子は複数箇所で密閉容器に固定されるので、密閉容器に固定されない部分があっても密閉容器への固定を確実なものとすることができ、固定子の自重による位置ずれ等を防止して、信頼性及び品質を向上させることができる。
第3の開示における圧縮機は、第2の開示において、固定子の当接固定子板の積層部分を固定子の上部及び下部の二箇所とした構成としてもよい。
この構成により、固定子はその上下両部分で密閉容器に固定されるので、軸心がぶれることなく効率よく確実に密閉容器に固定することができ、信頼性及び品質を効果的に向上させることができる。
第4の開示における圧縮機は、第2の開示において、固定子の当接固定子板の積層部分を固定子の上下両部分とその間の複数箇所としてもよい。
この構成により、固定子はその上下及びその間の複数箇所で密閉容器に固定されるので、密閉容器への固定を強固なものとすることができ、信頼性及び品質をより効果的に向上させることができる。
第5の開示における圧縮機は、第1〜第4の開示において、固定子の当接固定子板は主固定子板よりも強度が高い材料で形成してもよい。
この構成により、密閉容器に固定した当接固定子板の歪変形そのものを低減することができ、当接固定子板部分での歪みによる効率低下を抑制して、効率を更に向上させることができる。
第6の開示における圧縮機は、第1〜第4の開示において、固定子の当接固定子板の板厚を主固定子板の板厚よりも厚くしてもよい。
この構成により、密閉容器に固定した当接固定子板はその強度が向上して歪変形が低減される形となり、当接固定子板部分での歪みによる効率低下を抑制して、効率を更に向上させることができる。
第7の発明は、第1〜第6の発明において、固定子の当接固定子板はその外周縁の内側に冷媒通路用の透孔を設けた構成としてもよい。
この構成により、密閉容器内面に固定する当接固定子板はその外周縁の全周を密閉容器内面に当接させるなどして密閉容器内面との接触長さを長くし、当接固定子板の密閉容器への固定面積を大きくして密閉容器内面への固定をより強力なものとすることができ、信頼性及び品質を一段と高いものとすることができる。
第8の開示における圧縮機は、第7の開示において、固定子の主固定子板の当接固定子板の透孔と対向する外周縁部分に、冷媒通路用の凹部を形成してもよい。
この構成により、主固定子板を当接固定子板よりも小径としていても主固定子板部分に当接固定子に設けた透孔と同等面積レベルの冷媒通路用開口を確保できる。よって、当接固定子板部分による密閉容器内面への強固な固定を維持しつつ冷媒通路面積を確保することができ、固定子の歪変形を抑制し、且つ、冷媒の流れ性も良好な、効率の良い圧縮機とすることができる。
以上のように、本開示は、焼きばめ固定や溶接固定等による固定子板の磁気特性の悪化及び歪を抑制して高効率かつ静寂な圧縮機とすることができる。したがって、空調機、冷凍機、給湯機等、各種機器の冷凍システムの圧縮機として使用することができる。
1 密閉容器
2 電動機部
3 圧縮機構部
4 駆動軸
5 ハウジング
6 上部カバー
7 下部カバー
8 端子
9 オイル溜まり
10 固定子
11 回転子
12 上軸受部材
13 下軸受部材
14 駆動軸偏心部
15 シリンダ
16 ローリングピストン
17 吐出管
18 アキュームレータ
19 吸入接続管
20 冷媒ガス導入管
21 冷媒ガス導出管
22 固定子板
22a 当接固定子板
22A 当接固定子板積層部分
22b 主固定子板
22B 主固定子板積層部分
23 透孔
24 凹部

Claims (8)

  1. 電動機部と、前記電動機部によって駆動される圧縮機構部とを密閉容器内に収容して構成した圧縮機であって、前記電動機部の固定子は前記密閉容器の内面に当接する当接固定子板と前記当接固定子板よりも小径の主固定子板とを積層して構成するとともに、前記当接固定子板を前記密閉容器内面に焼きばめ又は溶接固定して前記主固定子板と前記密閉容器内面との間に隙間を持たせた圧縮機。
  2. 前記当接固定子板の積層部分を前記固定子の少なくとも二箇所以上の複数箇所とした請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記当接固定子板の積層部分を、前記固定子の上部及び下部の二箇所とした請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記当接固定子板の積層部分を、前記固定子の上部及び下部の二箇所と、その上部及び下部の二箇所の間とした請求項2に記載の圧縮機。
  5. 前記当接固定子板は前記主固定子板よりも強度が高い材料で形成した請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧縮機。
  6. 前記当接固定子板の板厚を前記主固定子板の板厚よりも厚くした請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧縮機。
  7. 前記当接固定子板はその外周縁の内側に冷媒通路用の透孔を設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧縮機。
  8. 前記主固定子板は前記当接固定子板の透孔と対向する外周縁部分に冷媒通路用の凹部を形成した請求項7に記載の圧縮機。
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