JP2016021837A - モータおよび圧縮機 - Google Patents

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悟 高根沢
Satoru Takanezawa
悟 高根沢
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Abstract

【課題】シャフトの撓み振動が生じても、シャフトの共振による騒音を低減できるモータおよび圧縮機を提供する。
【解決手段】モータが、貫通穴(630)の内周面(630a)とシャフト(12)の外周面(122a)との間に位置すると共に、ロータコア(610)の被支持領域(71)側の端面(611)に開口する第1の隙間(80)を有している。また、第1の隙間(80)のシャフト(12)の径方向における大きさが、ロータコア(610)とシャフト(12)とが接触する接触領域(70)側から、シャフト(12)の被支持領域(71)側に向かって連続的に大きくなっている。
【選択図】図4

Description

この発明は、例えば空気調和機あるいは冷蔵庫等に用いられるモータ、および、このモータを有する圧縮機に関する。
従来、圧縮機としては、例えば、特願2009−257206号公報(特許文献1)に記載されたものがある。この圧縮機は、密閉容器と、この密閉容器内に配置された圧縮機構部と、上記密閉容器内に配置されると共に上記圧縮機構部を駆動するモータとを備えている。このモータは、永久磁石が埋設されたロータコアと、ロータコアに取り付けられたシャフトと、ステータとを有している。上記シャフトの一端部は、ロータコアの貫通穴に焼嵌されて、貫通穴の内面に対して隙間無く取り付けられている。上記シャフトの他端部は上記圧縮機構部に支持されている。ステータには、コイルが券回されている。そして、コイルを流れる電流およびロータコアの永久磁石の磁束によって発生した電磁力により、ロータコアをシャフトと共に回転駆動させている。
特開2009−257206号公報
ところで、上記従来の圧縮機のモータでは、モータの電磁加振力によりシャフトの撓み振動が生じて、シャフトが共振してモータの騒音が大きくなるという問題があった。
そこで、この発明の課題は、シャフトの撓み振動が生じても、シャフトの共振による騒音を低減できるモータおよび圧縮機を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のモータは、
軸方向に貫通穴を有するロータコアと、
上記貫通穴に挿通されると共に上記貫通穴の内周面と接触する接触領域と、支持部材により支持されるための被支持領域とを有するシャフトと
を備え、
上記貫通穴の内周面と上記シャフトの外周面との間に位置すると共に、上記ロータコアの軸方向の両端面のうち上記シャフトの上記被支持領域側の端面に開口する第1の隙間を有し、
上記第1の隙間の上記シャフトの径方向における大きさが、上記シャフトの上記接触領域側から上記被支持領域側に向かって連続的に大きくなっていることを特徴としている。
この発明のモータによれば、上記貫通穴の内周面と上記シャフトの外周面との間に位置すると共に、上記ロータコアの軸方向の両端面のうち上記シャフトの上記被支持領域側の端面に開口している第1の隙間を有している。このため、上記シャフトの撓み振動が生じ
たとき、第1の隙間の貫通穴の内周面の一部とシャフトの外周面の一部とが接触したり離間したりして、上記シャフトの上記貫通穴の内周面に対する接触領域に変動が生じる。その結果、第1の隙間の貫通穴の内周面の一部とシャフトの外周面の一部との間に発生する摩擦によって、上記シャフトの撓み振動エネルギーが消費され、撓み振動モードの減衰比が向上する。従って、シャフトの共振に伴う騒音を低減できる。
また、上記第1の隙間の上記シャフトの径方向における大きさが、上記シャフトの上記接触領域側から上記被支持領域側に向かって連続的に大きくなっているので、上記シャフトの接触領域を連続的に変動できる。このため、上記シャフトの撓み振動エネルギーを確実に消費できる。従って、シャフトの共振に伴う騒音を低減できる。
また、一実施形態のモータでは、
上記貫通穴の内周面と上記シャフトの外周面との間に位置すると共に、上記ロータコアの軸方向の両端面のうち上記シャフトの上記被支持領域とは反対側の端面に開口する第2の隙間を有し、
上記第2の隙間の上記シャフトの径方向における大きさは、上記シャフトの上記接触領域側から上記支持領域とは反対側に向かって連続的に大きくなっている。
この実施形態のモータによれば、上記ロータコアの軸方向の両端面のうち上記シャフトの上記被支持領域とは反対側の端面に開口する第2の隙間を有している。このため、上記シャフトの撓み振動が生じたとき、第2の隙間の貫通穴の内周面の一部とシャフトの外周面の一部とが接触したり離間したりして、上記シャフトの上記貫通穴の内周面に対する接触領域に変動が生じる。その結果、第1の隙間に加えて、第2の隙間においても上記シャフトの撓み振動エネルギーを消費できる。従って、シャフトの共振に伴う騒音を低減できる。
また、上記第2の隙間の上記シャフトの径方向における大きさが、上記シャフトの上記接触領域側から上記被支持領域の反対側に向かって連続的に大きくなっているので、上記シャフトの接触領域を連続的に変動できる。このため、上記シャフトの撓み振動エネルギーを確実に消費できる。従って、シャフトの共振に伴う騒音を低減できる。
また、一実施形態のモータでは、
上記シャフトの軸方向の断面において、上記シャフトのうち上記第1の隙間を構成する部分の輪郭線が凸曲線である一方、上記ロータコアの上記貫通穴のうち上記第1の隙間を構成する部分の輪郭線が直線である。
この実施形態のモータによれば、上記シャフトのうち上記第1の隙間を構成する部分の輪郭線が凸曲線であり、上記ロータコアの上記貫通穴のうち上記第1の隙間を構成する部分の輪郭線が直線である。このため、上記シャフトの撓み振動が生じたとき、上記シャフトの撓み振動の大きさに関わらず、第1の隙間の貫通穴の内周面の一部とシャフトの外周面の一部との間に摩擦が発生して、上記シャフトの撓み振動エネルギーを確実に消費できる。従って、シャフトの共振に伴う騒音を低減できる。
また、この発明の圧縮機は、
密閉容器と、
この密閉容器内に配置されると共に、上記支持部材を有する圧縮機構部と、
上記密閉容器内に配置されると共に上記圧縮機構部を駆動する請求項1から3のいずれか1つに記載のモータと
を備え、
上記モータの上記シャフトの上記被支持領域は、上記圧縮機構部の上記支持部材により支持されていることを特徴としている。
この発明の圧縮機によれば、上記モータを備えているので、上記シャフトの共振による騒音を低減できる。
この発明のモータによれば、上記シャフトの撓み振動が生じても、上記シャフトの共振に伴う騒音を低減できる。
この発明の圧縮機によれば、上記モータを備えているので、上記シャフトの共振による騒音を低減できる。
この発明の第1実施形態の圧縮機を示す縦断面図である。 上記圧縮機の要部の平面図である。 上記圧縮機のモータ付近の横断面図である。 上記圧縮機のロータコアに取り付けられたシャフトを示す縦断面の模式図である。 この発明の第2実施形態の圧縮機のロータコアおよびシャフトを示す縦断面の模式図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1実施形態のモータを有する圧縮機の縦断面図を示している。この圧縮機は、密閉容器1と、この密閉容器1内に配置された圧縮機構部2と、上記密閉容器1内に配置され、上記圧縮機構部2をシャフト12を介して駆動するモータ3とを備えている。
この圧縮機は、いわゆる縦型の高圧ドーム型のロータリ圧縮機であって、上記密閉容器1内に、上記圧縮機構部2を下に、上記モータ3を上に、配置している。このモータ3のロータ6によって、上記シャフト12を介して、上記圧縮機構部2を駆動するようにしている。
上記圧縮機構部2は、アキュームレータ10から吸入管11を通して冷媒ガスを吸入する。この冷媒ガスは、この圧縮機とともに、冷凍システムの一例としての空気調和機を構成する図示しない凝縮器、膨張機構、蒸発器を制御することによって得られる。この冷媒は、R32である。なお、冷媒として、二酸化炭素やHCやR410A等のHFC、R22等のHCFCを用いてもよい。
上記圧縮機は、圧縮した高温高圧の冷媒ガスを、上記圧縮機構部2から吐出して密閉容器1の内部に満たすと共に、上記モータ3のステータ5と上記ロータ6との間の隙間を通して、上記モータ3を冷却した後、上記モータ3の上側に設けられた吐出管13から外部に吐出するようにしている。
上記密閉容器1内の高圧領域の下部には、潤滑油が溜められた油溜まり部9が形成されている。この潤滑油は、上記油溜まり部9から、上記シャフト12に設けられた(図示しない)油通路を通って、上記圧縮機構部2の摺動部に移動して、この摺動部を潤滑する。この潤滑油は、例えば、(ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等の)ポリアルキレングリコール系油や、アルキルベンゼン系油や、エーテル系油や、エステル系油や、鉱油である。
上記圧縮機構部2は、上記密閉容器1の内面に取り付けられるシリンダ21と、このシリンダ21の上下の開口端のそれぞれに取り付けられている上側の端板部材50および下側の端板部材60とを備える。上記シリンダ21、上記上側の端板部材50および上記下側の端板部材60によって、シリンダ室22を形成する。
上記上側の端板部材50は、円板状の本体部51と、この本体部51の中央に上方へ設けられたボス部52とを有する。上記本体部51および上記ボス部52は、上記シャフト12に挿通されている。
上記本体部51には、上記シリンダ室22に連通する吐出口51aが設けられている。上記本体部51に関して上記シリンダ21と反対側に位置するように、上記本体部51に吐出弁31が取り付けられている。この吐出弁31は、例えば、リード弁であり、上記吐出口51aを開閉する。
上記本体部51には、上記シリンダ21と反対側に、上記吐出弁31を覆うように、カップ型のマフラカバー40が取り付けられている。このマフラカバー40は、(ボルト等の)固定部材35によって、上記本体部51に固定されている。上記マフラカバー40は、上記ボス部52に挿通されている。
上記マフラカバー40および上記上側の端板部材50によって、マフラ室42を形成する。上記マフラ室42と上記シリンダ室22とは、上記吐出口51aを介して、連通されている。
上記マフラカバー40は、孔部43を有する。この孔部43は、上記マフラ室42と上記マフラカバー40の外側とを連通する。
上記下側の端板部材60は、円板状の本体部61と、この本体部61の中央に下方へ設けられたボス部62とを有する。上記本体部61および上記ボス部62は、上記シャフト12に挿通されている。
要するに、上記シャフト12の一端部は、支持部材の一例としての上記上側の端板部材50および上記下側の端板部材60に支持されている。すなわち、上記シャフト12は、片持ちである。上記シャフト12の一端部(支持端)側は、上記シリンダ室22の内部に進入している。
上記シャフト12の支持端側には、上記圧縮機構部2側の上記シリンダ室22内に位置するように、偏心ピン26を設けている。この偏心ピン26は、ローラ27に嵌合している。このローラ27は、上記シリンダ室22内で、公転可能に配置され、このローラ27の公転運動で圧縮作用を行うようにしている。
次に、上記シリンダ室22の圧縮作用を説明する。
図2に示すように、上記ローラ27に一体に設けたブレード28で上記シリンダ室22内を仕切っている。すなわち、上記ブレード28の右側の室は、上記吸入管11が上記シリンダ室22の内面に開口して、吸入室(低圧室)22aを形成している。一方、上記ブレード28の左側の室は、(図1に示す)上記吐出口51aが上記シリンダ室22の内面に開口して、吐出室(高圧室)22bを形成している。
上記ブレード28の両面には、半円柱状のブッシュ25,25が密着して、シールを行っている。上記ブレード28と上記ブッシュ25,25との間は、上記潤滑油で潤滑を行っている。
そして、上記偏心ピン26が、上記シャフト12と共に、偏心回転して、上記偏心ピン26に嵌合した上記ローラ27が、このローラ27の外周面を上記シリンダ室22の内周面に接して、公転する。
上記ローラ27が、上記シリンダ室22内で公転するに伴って、上記ブレード28は、このブレード28の両側面を上記ブッシュ25,25によって保持されて進退動する。すると、上記吸入管11から低圧の冷媒ガスを上記吸入室22aに吸入して、上記吐出室22bで圧縮して高圧にした後、(図1に示す)上記吐出口51aから高圧の冷媒ガスを吐出する。
その後、図1に示すように、上記吐出口51aから吐出された冷媒ガスは、上記マフラ室42を経由して、上記マフラカバー40の外側に排出される。
図1と図3に示すように、上記モータ3は、上記ロータ6と、このロータ6の径方向外側にエアギャップを介して配置された上記ステータ5とを有する。
上記ロータ6は、ロータコア610と、このロータコア610に埋設された磁石620とを有する。上記ロータコア610は、円筒形状であり、例えば積層された電磁鋼板からなる。上記磁石620は、平板状の永久磁石である。6つの上記磁石620が、上記ロータコア610の周方向に等間隔の中心角度で、配列されている。
上記ステータ5は、ステータコア510と、上記ステータコア510の軸510a方向の両端面のそれぞれに配置されたインシュレータ530と、上記ステータコア510および上記インシュレータ530に共に巻き付けられたコイル520とを有する。なお、図3では、上記コイル520を一部省略し、上記インシュレータ530を省略して描いている。
上記ステータコア510は、例えば積層された複数の鋼板からなる。上記ステータコア510は、上記密閉容器1の内周面15に、焼き嵌め等による締まり嵌め嵌合によって、固定されている。上記ステータコア510は、環状部511と、この環状部511の内周面から径方向内側に突出すると共に周方向に等間隔に配列された9つのティース部512とを有する。
上記コイル520は、上記各ティース部512にそれぞれ巻かれて複数の上記ティース部512に渡って巻かれていない、いわゆる集中巻きである。上記モータ3は、いわゆる6極9スロットである。上記コイル520に電流を流して上記ステータ5に発生する電磁力によって、上記ロータ6を、上記シャフト12と共に、回転させる。
上記インシュレータ530は、上記ステータコア510と上記コイル520との間に挟持され、上記ステータコア510と上記コイル520とを絶縁している。上記インシュレータ530は、樹脂によりモールド成型されている。上記インシュレータ530は、例えば、液晶ポリマー(LCP)やポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリイミドやポリエステル等の耐熱性のよい樹脂材料からなる。また、上記インシュレータ530は、例えば、強度向上のためにガラス繊維入りの材料からなる。
図4は、ロータコア610に取り付けられたシャフト12を示す縦断面の模式図である。
図4に示すように、上記ロータコア610は、径方向の中央に貫通穴630を有している。この貫通穴630は、ロータコア610の軸610a方向に貫通しており、シャフト12が挿通され、固定されている。なお、ロータコア610の軸610aは、シャフト12の軸と同一であり、ステータコア510(図1参照)の軸と一致している。
上記シャフト12は、円柱体である大径部121と、この大径部121に連なる第1の湾曲部122と、この第1の湾曲部122に連なり、大径部121よりも径の小さい円柱体である小径部123とを有している。大径部121と第1の湾曲部122とが、ロータコア610の貫通穴630内に位置している。
上記大径部121は、ロータコア610の貫通穴630の径と略等しい径を有している。大径部121の長手方向の長さは、貫通穴630の長手方向の長さよりも小さい。また、大径部121の外周面121aと貫通穴630の内周面630aとが接触して、接触領域70を構成している。
上記第1の湾曲部122の外径は、大径部121側から小径部123側に向かって、連続的に小さくなっている。上記シャフト12の軸610a方向の縦断面において、第1の湾曲部122の輪郭線は凸曲線である。第1の湾曲部122の外周面122aと貫通穴630の内周面630aとの間のシャフト12の径方向における距離は、大径部121から小径部123に向かって大きくなっている。
上記小径部123は、第1の湾曲部122とは反対側の端部に被支持領域71を有している。この被支持領域71は、圧縮機構部2の支持部材としての上側の端板部材50および下側の端板部材60(図1参照)に固定され、支持されている。
ロータコア610の貫通穴630の内周面630aとシャフト12の第1の湾曲部122の外周面122aとの間に、第1の隙間80が設けられている。第1の隙間80は、ロータコア610の軸610a方向の両端面611,612のうち、シャフト12の被支持領域71側の端面である第1の端面611に開口している。
つまり、上記第1の隙間80は、貫通穴630の内周面630aとシャフト12の第1の湾曲部122の外周面122aとの間に位置しており、シャフト12の径方向における大きさが、接触領域70から被支持領域71に向かって連続的に大きくなっている。また、上記シャフト12の軸610a方向の縦断面において、ロータコア610の貫通穴630の内周面630a側の輪郭線が直線をなし、シャフト12の第1の湾曲部122の外周面122a側の輪郭線が貫通穴630の内周面に向かって凸となる凸曲線をなしている。
上記構成のモータ3を駆動して、シャフト12を回転させると、モータ3の電磁加振力によりシャフト12が次第に撓んで変形し、シャフト12が振動し始める。このシャフト12の撓み振動が生じたとき、シャフト12の第1の湾曲部122の外周面122aとロータコア610の貫通穴630の内周面630aとが接触したり離れたりして、シャフト12の接触領域70に変動が生じる。その結果、第1の湾曲部122の外周面122aと貫通穴630の内周面630aとの間に摩擦が発生し、この摩擦によってシャフト12の撓み振動エネルギーが消費されるので、上記シャフト12の撓み振動モードの減衰比が向上する。従って、シャフト12の共振に伴う騒音を低減できる。
また、第1の隙間80のシャフト12の径方向における大きさが、接触領域70から被支持領域71に向かって連続的に大きくなっているので、シャフト12の接触領域70を連続的に変動できる。このため、シャフト12の撓み振動エネルギーを確実に消費できて、シャフト12の共振に伴う騒音を低減できる。
また、上記シャフト12のうち上記第1の隙間80を構成する部分である第1の湾曲部122の輪郭線が、貫通穴630の内周面630aに向かって凸となる凸曲線であり、上記ロータコア610の上記貫通穴630のうち上記第1の隙間80を構成する部分の輪郭線が直線であるので、シャフト12の撓み振動が発生したときに、上記シャフト12の撓み振動の大きさに関わらず、貫通穴630の内周面630aの一部とシャフト12の第1の湾曲部122の外周面122aとの間に摩擦が発生する。この摩擦力によって、シャフト12の撓み振動エネルギーを確実に消費できる。従って、シャフト12の共振に伴う騒音を低減できる。
また、上記構成の圧縮機によれば、上記構成のモータ3を備えているので、上記シャフト12の共振に伴う騒音を低減できる。
(第2実施形態)
図5は、この発明の第2実施形態のモータを有する圧縮機のロータコアとシャフトとを示す縦断面の模式図を示している。上記第1実施形態と相違する点を説明すると、この第2実施形態では、ロータコア610とシャフト112との間に、第1の隙間80に加え、第2の隙間90を有している点が相違する。
なお、この第2実施形態において、第1実施形態と同一の符号は、上記第1実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
図5に示すように、上記シャフト112は、円柱体である大径部221と、この大径部121の両端にそれぞれ連なっている第1の湾曲部122および第2の湾曲部222と、第1の湾曲部122に連なり、大径部221よりも径の小さい円柱体である小径部123とを有している。シャフト112は、ロータコア610の貫通穴630に挿通されており、大径部221および第1,第2の湾曲部122,222が貫通穴630内に位置している。
上記大径部221は、ロータコア610の貫通穴630の径と略等しい径を有している。大径部221の長手方向の長さは、ロータコア610の長手方向の長さよりも小さい。また、大径部221の外周面221aと貫通穴630の内周面630aとが接触して、接触領域170を構成している。
上記第2の湾曲部222の外径は、大径部221側からロータコア610の第2の端面612側に向かって、連続的に小さくなっている。上記シャフト12の軸610a方向の縦断面において、第2の湾曲部222の輪郭線は凸曲線である。第2の湾曲部222の外周面222aと貫通穴630の内周面630aとの間のシャフト12の径方向における距離は、大径部221からロータコア610の第2の端面612に向かって大きくなっている。
ロータコア610の貫通穴630の内周面630aとシャフト12の湾曲部222の外周面222aとの間に、第2の隙間90が設けられている。第2の隙間90は、ロータコア610の軸610a方向の両端面611,612のうち、シャフト112の被支持領域71とは反対側の端面である第1の端面611に開口している。
つまり、第2の隙間90は、貫通穴630の内周面630aとシャフト112の第2の湾曲面222の外周面222aとの間に位置しており、シャフト112の径方向の大きさが、接触領域70から被支持領域71とは反対側に向かって連続的に大きくなっている。また、上記シャフト112の軸610a方向の縦断面において、ロータコア610の貫通穴630の内周面630a側の輪郭線が直線をなし、シャフト112の湾曲部222の外周面222a側の輪郭線が貫通穴630の内周面630aに向かって凸となる凸曲線をなしている。
第2の実施形態のモータ103によれば、ロータコア610の第1の端面611に開口している第1の隙間80に加えて、ロータコア610の軸610a方向の両端面611,612のうちシャフト112の被支持領域71とは反対側の第2の端面612に開口している第2の隙間90を有している。このため、シャフト112の撓み振動が生じたとき、貫通穴630の内周面630aとシャフト112の第1,第2の湾曲部122,222の外周面122a,222aとが接触したり離間したりして、シャフト112の貫通穴630の内周面630aに対する接触領域170に変動が生じる。その結果、第1の湾曲部122の外周面122aと貫通穴630の内周面630aとの間だけではなく、第2の湾曲部222の外周面222aと貫通穴630の内周面630aとの間に摩擦が発生し、この摩擦によってシャフト12の撓み振動エネルギーが消費されるので、上記シャフト12の撓み振動モードの減衰比が向上する。つまり、第1の隙間80に加えて、第2の隙間90においてもシャフト112の撓み振動エネルギーを消費できるので、シャフト112の共振に伴う騒音を低減できる。
また、第2の隙間90のシャフト112の径方向における大きさが、シャフト112の接触領域70から被支持領域71とは反対側に向かって連続的に大きくなっているので、シャフト112の接触領域70を連続的に変動できる。このため、シャフト112の撓み振動エネルギーを確実に消費できて、シャフト112の共振に伴う騒音を低減できる。
上記第1,第2実施形態のモータ3,103では、第1,第2の隙間80,90のシャフト12,112の輪郭線が凸曲線である一方、ロータコア610の貫通穴630の輪郭線が直線であったが、これに限られない。隙間のシャフトの径方向における大きさは、接触領域側から被接触領域側に向かって連続的に大きくなっていればよく、例えば、シャフトの隙間を構成する部分の輪郭線が、凹曲線や直線であってもよく、貫通穴の隙間を構成する部分の輪郭線が、凸曲線や凹曲線であってもよい。
また、上記第1,第2実施形態のモータ3,103では、第1の隙間80を、ロータコア610の貫通穴630の内周面630aと、シャフト12,112の湾曲部122の外周面122aとで構成しているが、これに限られない。第1の隙間は、ロータコアの貫通穴の内周面と、シャフトの外周面とで構成されていればよく、例えば、シャフトの外周面として、第1,第2の湾曲部の外周面と小径部の外周面とを含むこともできる。
1 密閉容器
2 圧縮機構部
3,103 モータ
6 ロータ
610 ロータコア
610a 軸
630 貫通穴
12,112 シャフト
121,221 大径部
122 第1の湾曲部
222 第2の湾曲部
123 小径部
70 接触領域
71 被支持領域
80 第1の隙間
90 第2の隙間

Claims (4)

  1. 軸方向に貫通穴(630)を有するロータコア(610)と、
    上記貫通穴(630)に挿通されると共に上記貫通穴(630)の内周面(630a)と接触する接触領域(70)と、支持部材(50,60)により支持されるための被支持領域(71)とを有するシャフト(12)と
    を備え、
    上記貫通穴(630)の内周面(630a)と上記シャフト(122)の外周面(122a)との間に位置すると共に、上記ロータコア(630)の軸(610a)方向の両端面(611,612)のうち上記シャフト(12)の上記被支持領域(71)側の端面(611)に開口する第1の隙間(80)を有し、
    上記第1の隙間(80)の上記シャフト(12)の径方向における大きさが、上記シャフト(12)の上記接触領域(70)側から上記被支持領域(71)側に向かって連続的に大きくなっていることを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載のモータにおいて、
    上記貫通穴(630)の内周面(630a)と上記シャフト(222)の外周面(222a)との間に位置すると共に、上記ロータコア(630)の軸(610a)方向の両端面(611,612)のうち上記シャフト(112)の上記被支持領域(71)とは反対側の端面(612)に開口する第2の隙間(90)を有し、
    上記第2の隙間(90)の上記シャフト(112)の径方向における大きさは、上記シャフト(112)の上記接触領域(170)側から上記被支持領域(71)とは反対側に向かって連続的に大きくなっていることを特徴とするモータ。
  3. 請求項1または2に記載のモータにおいて、
    上記シャフト(12,112)の軸方向の断面において、上記シャフト(12,112)のうち上記第1の隙間(80)を構成する部分の輪郭線が凸曲線である一方、上記ロータコア(610)の上記貫通穴(630)のうち上記第1の隙間(80)を構成する部分の輪郭線が直線であることを特徴とするモータ。
  4. 密閉容器(1)と、
    この密閉容器(1)内に配置されると共に、上記支持部材(50,60)を有する圧縮機構部(2)と、
    上記密閉容器(1)内に配置されると共に上記圧縮機構部(2)を駆動する請求項1から3のいずれか1つに記載のモータ(3,103)と
    を備え、
    上記モータ(3,103)の上記シャフト(12,112)の上記被支持領域(71)は、上記圧縮機構部(2)の上記支持部材(50,60)により支持されていることを特徴とする圧縮機。
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