JP2007203238A - シリンダー洗浄装置及びシリンダー洗浄方法 - Google Patents

シリンダー洗浄装置及びシリンダー洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】グラビア印刷シリンダーを作成する際、汚れを落とすため酸、アルカリなどの薬液に浸漬させた後、純水にて薬液の除去を行っているが、スプレーノズルから洗浄水を吹き付けるだけでは充分に洗浄できず、シリンダー表面に薬液が残ってしまうという問題が起こっている。また、洗浄水に浸漬させて洗浄槽に超音波を当てる方法では、時間や大量の洗浄水を使用するなどのコストの問題があった。
【解決手段】グラビア印刷シリンダーを洗浄する工程にあって、薬液の浸漬の後に行われる水洗の際、グラビア印刷シリンダーを超音波振動させながら、スプレーノズルから洗浄水をかけて洗浄を行うことによりグラビア印刷シリンダーを短時間で充分に洗浄することが出来る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シリンダー洗浄装置及びシリンダー洗浄方法に関し、特にグラビア印刷シリンダーを洗浄するためのシリンダー洗浄装置及びシリンダー洗浄方法に関する。
従来、グラビア印刷シリンダーを洗浄する場合に超音波を用いる方法としては、グラビア印刷シリンダーを洗浄水に満たされた洗浄槽に浸漬させて、洗浄槽を超音波振動させる方法が知られている。(特許文献1参照)。
しかしながら、酸、アルカリなどの薬液を用いた後、純水にて薬液の洗浄を行う場合、グラビア印刷シリンダーを洗浄水に満たされた洗浄槽に浸漬させて、洗浄槽を超音波振動させ、スプレーノズルから洗浄水をグラビア印刷シリンダーに吹き付けるだけでは充分に薬液の洗浄を行うことが出来ない。よって、長時間、洗浄槽にシリンダーを浸漬させたまま、シャワーノズルで洗浄水を吹きかける必要があった。このため、洗浄水を多量に使用し、洗浄に時間がかかるという問題があった。
薬液の洗浄が充分でない場合、後に行われる印刷工程で印刷ムラが起こるなどの不具合がある。
特開平9−201949号公報
そこで、本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、先浄水の消費を抑え、短時間でグラビア印刷シリンダーの表面の汚れを落とし、薬液を充分に洗浄することを可能とするシリンダー洗浄装置及びシリンダー洗浄方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明は、少なくとも、超音波発生装置と、超音波伝導部とを含むシリンダー洗浄装置であって、超音波伝導部を介して洗浄対象のシリンダーが超音波振動することを特徴とするシリンダー洗浄装置である。
請求項2に記載の本発明は、超音波を利用するシリンダー洗浄方法において、超音波伝導部を介して洗浄対象のシリンダーを超音波振動させる工程と、洗浄対象のシリンダーを超音波振動させながら洗浄水を吹きかける工程とを含むことを特徴とするシリンダー洗浄方法である。
本発明に記載のシリンダー洗浄装置は、超音波伝導部を介して洗浄対象のシリンダーが超音波振動することを特徴とするため、従来の洗浄槽を超音波振動させる装置よりも効果的に洗浄対象のシリンダーを振動させることが出来る。このため、グラビア印刷シリンダーの表面の汚れを落とし、薬液を充分に洗浄することが可能となる。また、このことにより、後に行われる印刷やめっき工程で汚れやムラが起こることを抑制することが可能となる。
また、本発明に記載のシリンダー洗浄方法は、超音波伝導部を介してシリンダーを超音波振動させながら洗浄水を吹きかける工程を行うことを特徴とするため、従来の洗浄槽を超音波振動させる方法よりも短時間で充分な洗浄を行うことが出来る。このため、洗浄水の消費を抑えることが可能となる。
本発明のシリンダー洗浄装置の一例について図1、図2を基に説明する。
本発明のシリンダー洗浄装置は、
洗浄水が飛び散るのを防護するための洗浄カバー1と、
超音波を発生させる超音波発生装置2と、
超音波装置から発生した超音波をシリンダー回転軸5に伝達させる超音波伝達部3と、
シリンダーに洗浄水を吹きかけるためのシャワーノズル4と、
シリンダーを設置し、回転させるためのシリンダー回転軸5と、
シリンダー回転軸5に伝わった超音波振動を緩衝するためのシリンダー軸支え6とから成る。また、洗浄対象であるグラビア印刷シリンダー7はシリンダー回転軸5に装填される。
洗浄カバー1は、グラビア印刷シリンダー7から跳ね返った洗浄水が周囲に飛び散ることを防ぐために設けられる。このため、洗浄カバー1はグラビア印刷シリンダー7を覆うように設置される。
また、洗浄カバー1としては、ステンレス等の各種金属、フッ素樹脂などの各種プラスチックなど任意の材質を選ぶことが出来る。形状としてはグラビア印刷シリンダーからの水が周囲に飛び散ることが防げれば良いためグラビア印刷シリンダーを覆う形となる。
洗浄水としては、純水を用いることが出来る。このとき、洗浄水は電気伝導度1mS/m以下の純水であることがより好ましい。
超音波発生装置2は超音波伝達部3に接するように設置される。
また、超音波発生装置2としては、周波数20kHzから100kHzの範囲の発振を行うことが可能なものが好ましい。また、洗浄の際には、周波数30kHz帯を発振することが望ましい。しかし、超音波発生装置2が発振する周波数は該周波数帯に限定されるものではない。
超音波伝達部3は、超音波発生装置2から発振された超音波をシリンダー回転軸5に伝導させるために設けられる。このため、超音波伝達部3は、超音波発生装置2とシリンダー回転軸5に接するように設置される。
また、超音波伝達部3としては、超音波を良く伝える材料であることが必要なことから、ステンレス等の各種金属から構成されることが望ましい。また、形状としてはグラビア印刷シリンダー7に伝わりやすい円柱状で円の平らな部分がグラビア印刷シリンダー7に接する形状が望ましい。しかし、グラビア印刷シリンダー7に効果的に超音波が伝わるのであれば円柱状に限定されるものではない。
シャワーノズル4は、グラビア印刷シリンダー7に洗浄水を吹きかけるために設けられる。このため、グラビア印刷シリンダー7に洗浄水が吹きかけることが可能であれば、どのように設置してもよい。例えば、グラビア印刷シリンダー7の上面に洗浄水を吹きかけるように設置したり、グラビア印刷シリンダー7の側面に洗浄水を吹きかけるように設置したりしても良い。
また、シャワーノズル4としては、一般的に用いられる扇状、円状など任意のタイプのシャワーノズルを用いることが出来る。
シリンダー回転軸5は、洗浄対象となるグラビア印刷シリンダー7を洗浄の時、回転させるために設置される。
また、シリンダー回転軸5は、グラビア印刷シリンダー7を支えて効率よく回転させるため、ステンレスなどによって構成されることが望ましい。
シリンダー軸支え6は、グラビア印刷シリンダー7を地面から離して設置するためにありグラビア印刷シリンダー7についている軸に設置される。
また、シリンダー軸支え6としては、ステンレスなどの丈夫な材質に超音波を遮断するゴムなどの材質が組み合されていることが望ましい。これにより、地面に超音波を伝えないようにすることが出来る。
本発明において、洗浄対象となるグラビア印刷シリンダー7は、鉄芯に銅やニッケルなどをめっきしたものが用いられる。表面にクロムメッキなどを設けても良い。グラビア印刷シリンダー7は純水による洗浄の前にアルカリ、酸、界面活性剤などの薬液に浸される。
上記薬液としては、アルカリでは水酸化ナトリウム、酸では硫酸が好適に用いられる。薬液に界面活性剤を用いた場合を含め、薬液に浸された後、純水による薬液の洗浄が必要である。
以下、本発明のシリンダー洗浄装置を用いた洗浄方法の一例について説明する。
まず、グラビア印刷シリンダー7をシリンダー軸支え6に設置する。
グラビア印刷シリンダー7を回転させる場合にはシリンダー回転軸5にも設置する。
次に、超音波発生装置2から超音波を発振させる。
このとき、発振する超音波は、安全で洗浄状態が良好なため、周波数30kHz帯が望ましい。しかし、超音波装置が発振する周波数は該周波数帯に限定されるものではない。
発生した超音波は超音波伝達部3を介してグラビア印刷シリンダー7を超音波振動させることになる。このため、洗浄水に満たされた洗浄槽に浸漬させて、洗浄槽を超音波振動させる方法よりも、効果的に洗浄対象のグラビア印刷シリンダー7を超音波振動させることが出来る。これによって、グラビア印刷シリンダー7の表面の薬液の残液を充分に洗浄することが可能となる。
また、発生した余剰の超音波は地面を伝わり他に広がらないようシリンダー軸支え6により遮断される。
次に、グラビア印刷シリンダー7を超音波振動させた状態で、シャワーノズル4から放水を行い、洗浄水を吹きかける。
シャワーはグラビア印刷シリンダーの印刷面全体にバランスよくかかるようノズルの位置を調整する。
グラビア印刷シリンダー7を超音波振動させながら、洗浄水を吹きかけることにより、洗浄水に満たされた洗浄槽に浸漬させて、洗浄槽を超音波振動させる方法よりも短時間で洗浄の工程を行うことが出来る。このため、洗浄水の消費を抑えることが可能となる。
このとき、シリンダー回転軸5を回転させることにより、グラビア印刷シリンダー7の回転を行いながら、洗浄水を吹きかけてもよい。
洗浄対象のグラビア印刷シリンダー7の表面上の薬液が充分に洗浄されたことが確認できた時点で洗浄を完了する。例えば、薬液として硫酸を用いた場合、以下に示す方法にて検出された硫酸イオン濃度が100ng/ml以下になったとき、洗浄が完了したとする。
全体を10Lの純水につけて100℃1時間加熱し、純水に硫酸イオンを抽出する。抽出純水をイオンクロマトグラフ分析し、硫酸イオン濃度を測定する。
一度洗浄条件を設定すれば、残留した薬液の濃度を毎回測るのではなく、シャワーノズルの洗浄時間により洗浄条件の管理を行うことが望ましい。
次に、洗浄の完了したグラビア印刷シリンダー7をシリンダー軸支え6から外す。
以上の工程を行うことにより、グラビア印刷シリンダー7の表面上の薬液の残液を充分に洗浄することが出来る。このため、後に行われる印刷やめっき工程で汚れやムラが起こることを抑制することが出来る。
<実施例1>
長さ1m、直径300mmのグラビア印刷シリンダーを5%の硫酸に1分間浸漬した。
次に、本発明のシリンダー洗浄装置に上記グラビア印刷シリンダーを装填した。
次に、上記グラビア印刷シリンダーを38kHzの超音波にて超音波振動させた。
次に、グラビア印刷シリンダーを超音波振動させたまま、10回転/分の速度で回転させながら、シャワーノズルから純水を水量0.5m3/分にてグラビア印刷シリンダーに吹きつけた。この洗浄を3分間行った。
次に、グラビア印刷シリンダーを10Lの純水につけて100℃、1時間加熱し、純水に硫酸イオンを抽出した。
次に、抽出純水をイオンクロマトグラフ分析し、硫酸イオン濃度を測定した。結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1と同様に5%の硫酸に浸漬させた後、洗浄し、純水にて硫酸イオンを抽出した。ただし、グラビア印刷シリンダーを38kHzの超音波にて超音波振動させるのではなく、グラビア印刷シリンダーを洗浄水に満たされた洗浄槽に浸漬させて、洗浄槽を38kHzの超音波にて超音波振動させた。抽出純水をイオンクロマトグラフ分析し、硫酸イオン濃度を測定した。結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1と同様に5%の硫酸に浸漬させた後、洗浄し、純水にて硫酸イオンを抽出した。ただし、洗浄の間、超音波振動させなかった。抽出純水をイオンクロマトグラフ分析し、硫酸イオン濃度を測定した。結果を表1に示す。
<評価>
実施例1、比較例1、比較例2で測定した硫酸イオン濃度を表1に示す。
Figure 2007203238
表1より、比較例1、比較例2と比べ、実施例1の硫酸イオン濃度は小さかった。これは、同一時間、同一水量内において、本発明のシリンダー洗浄装置により効果的に硫酸の洗浄が行われたことを示している。
本発明のシリンダー洗浄装置は、短時間でグラビア印刷シリンダーの表面の汚れを落とし、薬液の残液を充分に洗浄することが出来る。このため、グラビア印刷シリンダーの洗浄に有用である。
本発明のシリンダー洗浄装置の説明図であり、正面図である。 本発明のシリンダー洗浄装置の説明図であり、側面図である。
符号の説明
1…洗浄カバー
2…超音波発生装置
3…超音波伝達部
4…シャワーノズル
5…シリンダー回転軸
6…シリンダー軸支え
7…グラビア印刷シリンダー

Claims (2)

  1. 少なくとも、超音波発生装置と、超音波伝導部と
    を設けたシリンダー洗浄装置であって、
    超音波伝導部を介して洗浄対象のシリンダーが超音波振動すること
    を特徴とするシリンダー洗浄装置。
  2. 超音波を利用するシリンダー洗浄方法において、
    超音波伝導部を介して洗浄対象のシリンダーを超音波振動させる工程と、
    洗浄対象のシリンダーを超音波振動させながら洗浄水を吹きかける工程と
    を含むことを特徴とするシリンダー洗浄方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102500584A (zh) * 2011-11-30 2012-06-20 浙江美格机械有限公司 顶装式凹版辊自动清洗机
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