JP2007201079A - 電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】充電速度、等価直列抵抗さらには寿命特性において優れた電解コンデンサおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】1対の対向した平板状アルミ電極箔の一方若しくは双方の表面に誘電体膜を形成する工程と、これらの電極箔間に、中空植物繊維の集合体で紙状に漉き上げられた、イオン透過性セパレータを配置する工程と、このセパレータ内に電解液を導入する工程と、前記セパレータ内にその重量に対して1〜10%の範囲でグラフアイト微粒子を分散する工程と、前記1対の平板状アルミ電極箔およびイオン透過性セパレータを一体的に巻回するとともに、前記前記1対の平板状アルミ電極箔にそれぞれに電極端子を接続する工程と、この電極端子間に動作電圧より高いエージング電圧を所定時間印加する工程と、を備える電解コンデンサの製造方法および製造された電解コンデンサ。
【選択図】図1

Description

本発明は湿式電解コンデンサの改良に関する。
湿式電解コンデンサの改良としては本発明者が提案した電極間を離隔するセパレータ内に小量のグラアイト微粒子を分散させて性能、寿命等を改良する発明がなされ商品名(Black Gate)コンデンサとして販売されている。
特開昭62-35510号公報 米国特許第5,057,972号明細書
最近の電子機器は伝送信号の周波数がギガヘルツ迄に及び、信号そのものもアナログ信号でなくデジタル信号になっていて非直線歪を発生する最大の原因となっている。又現存の電解コンデンサは殆どが有極性で一方向性であって、ダイオードの特性に似ており、そのため、歪みを発生する因子を持っている。もし無極性の電解コンデンサが得られれば性能、寿命も大きな改善が行われるはずである。本発明はセパレータに導入される各種の素材の吸収、排除が電解コンデンサの寿命性能向上に重要であることに着目し、充電速度、等価直列抵抗さらには寿命特性において優れた電解コンデンサを提供することを目的とするものである。
また、本発明は充電速度、等価直列抵抗さらには寿命特性において優れた無極性の電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の1観点による電解コンデンサは、1対の対向した平板状アルミ電極箔と、これらの電極箔の一方若しくは双方の表面に設けられた誘電体膜と、これらの電極箔間に配置され、中空植物繊維の集合体で紙状に漉き上げられた、イオン透過性セパレータと、このセパレータ内に導入された電解液と、前記セパレータ内にその重量に対して1〜10%の範囲で分散されたグラフアイト微粒子と、このグラフアイト微粒子が前記中空植物繊維の外面及び中空孔内に結着若しくは充填されることにより形成された、同軸状のイオンガス吸収素子とからなり、前記1対平板状アルミ電極箔およびイオン透過性セパレータが一体的に巻回されることを特徴とする。
また、本発明の上記観点による電解コンデンサにおいては、前記同軸状イオンガス吸収素子は主として植物繊維アポカにより構成され、これらにより漉き上げられたセパレータ紙の外見は前記グラフアイト微粒子の黒色を呈していることを特徴とする。
さらに、本発明の上記観点による電解コンデンサにおいては、前記対向する電極箔の一方のみに前記誘電体膜が形成されることにより、前記電極箔の一方が陽極で、他方が陰極となる有極性の電解コンデンサを構成することを特徴とする。
また、本発明の他の観点による電解コンデンサにおいては、前記対向する電極箔の双方の表面に前記誘電体膜が形成されることにより、前記電極箔の双方が陽極となる無極性の電解コンデンサを構成することを特徴とする。
本発明のさらに他の観点による電解コンデンサの製造方法は、1対の対向した平板状アルミ電極箔の一方若しくは双方の表面に誘電体膜を形成する工程と、これらの電極箔間に、中空植物繊維の集合体で紙状に漉き上げられた、イオン透過性セパレータを配置する工程と、このセパレータ内に電解液を導入する工程と、前記セパレータ内にその重量に対して1〜10%の範囲でグラフアイト微粒子を分散する工程と、前記1対の平板状アルミ電極箔およびイオン透過性セパレータを一体的に巻回するとともに、前記1対の平板状アルミ電極箔にそれぞれに電極端子を接続する工程と、この電極端子間に動作電圧より高いエージング電圧を所定時間印加する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明のさらに他の観点による電解コンデンサの製造方法は、1対の対向した平板状アルミ電極箔の双方の表面に誘電体膜を形成する工程と、これらの電極箔間に、中空植物繊維の集合体で紙状に漉き上げられた、イオン透過性セパレータを配置する工程と、このセパレータ内に電解液を導入する工程と、前記セパレータ内にその重量に対して1〜10%の範囲でグラフアイト微粒子を分散する工程と、前記1対の平板状アルミ電極箔およびイオン透過性セパレータを一体的に巻回するとともに、前記1対の平板状アルミ電極箔にそれぞれに電極端子を接続する工程と、この電極端子間に動作電圧より高いエージング電圧を所定時間印加する工程と、前記電極端子間に前記エージング電圧を反対極性で所定時間印加する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、充電速度、等価直列抵抗さらには寿命特性において優れた電解コンデンサが得られる。
また、本発明によれば、無極性の電解コンデンサの製造方法が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
図1は本発明の第1の実施形態である有極性電解コンデンサを説明する図で、同図(A)は分解斜視図、同図(B)は同図(A)のコンデンサを一点鎖線A−A´に沿って切断して示す断面図である。第1の電極箔11−1は例えばアルミ箔であり、その下面には薄い酸化アルミニウムからなる第1の誘電体層12−1が形成されている。この第1の電極箔11−1は、細長い帯状に形成されている。第1の電極箔11−1の下面には、第1の誘電体層12−1に接して第1のセパレータ13−1が設けられている。この第1のセパレータ13−1は、植物繊維アポカよりなる紙状セパレータであり、このセパレータ内にその重量に対して1〜10%の範囲でグラフアイト微粒子のような導電性微粒子が分散されている。
図2(A)はこの第1のセパレータ13−1を部分的に取り出して示す外観図であり、同図(B)はさらにその一部を拡大して示す概略図である。これらの図に示すように、アポカは通称マニラ紙と呼ばれバナナに似た植物であり、その繊維21の中心には吸水孔22が形成されている。この中空の植物繊維21の外面及び中空孔内にグラフアイト微粒子のような導電性微粒子23が連続して結着若しくは充填され黒色の紐状となっている。この中空の植物繊維21は、後述するように、負極から発生するイオンガスを吸収する素子として作用する。このイオンガス吸収素子はその中心の吸水孔22に導電性の微粒子23が連続的に充填されており、恰も同軸ケーブルのような形状を有し手いる。このような構造のイオンガス吸収素子を形成するためには、アポカ植物が最も適することが判明した。ここで、グラフアイトのような導電性微粒子は上記植物繊維21の中空孔内に容易に充填されるように、その平均粒径が約1μm程度が望ましい。この程度の粒径であれば、上記植物繊維21に混入して、何度か漉く間に導電性微粒子が繊維の間に食い込み、植物繊維21の表面にも強固に結着する。
次に、図1に示されるように、前記第1のセパレータ13−1の下側には、第2の電極箔11−2が設けられる。この第2の電極箔11−2は、例えばアルミ箔で形成され、第1の電極箔11−1と同様に細長い帯状に形成されている。その下面には薄い酸化アルミニウムのような誘電体層を形成することなく第2のセパレータ13−2が直接接触して設けられている。この第2のセパレータ13−2は、第1のセパレータ13−1と同様に、植物繊維アポカよりなる紙状セパレータであり、このセパレータ内にその重量に対して1〜10%の範囲でグラフアイト微粒子のような導電性微粒子が分散されている。第2のセパレータ13−2の構造は、第1のセパレータ13−1とほぼ同じであるため、その詳細な説明は省略する。
第1の電極箔11−1と第1のセパレータ13−1、第2の電極箔11−2と第2のセパレータ13−2とは、互いに重ね合わされ、図1に示すように、一体的に捲回される。そしてこの巻回工程中において、陽極端子14−1および陰極端子14−2が挿入され、それぞれ、第1の電極箔11−1および第2の電極箔11−2に電気的に接続される。ここで、第1のセパレータ13−1との間に、薄い酸化アルミニウムからなる第1の誘電体層12−1が形成された第1の電極箔11−1は陽極となる。また、第2のセパレータ13−2との間に、薄い酸化アルミニウムのような誘電体層が形成されない第2の電極箔11−2は陰極極となる。このようにして有極性電解コンデンサが構成される。
図3は本発明の第2の実施形態である無極性電解コンデンサを説明する図で、同図(A)は分解斜視図、同図(B)は同図(A)のコンデンサを一点鎖線B−B´に沿って切断して示す断面図である。同図において図1に示す有極性電解コンデンサと同一の構成要素に対しては同一の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。第1の電極箔11−1は例えばアルミ箔であり、その下面には薄い酸化アルミニウムからなる第1の誘電体層12−1が形成されている。この第1の電極箔11−1は、細長い帯状に形成されている。第1の電極箔11−1の下面には、第1の誘電体層12−1を介して第1のセパレータ13−1が接触して設けられている。この第1のセパレータ13−1は、植物繊維アポカよりなる紙状セパレータであり、このセパレータ内にその重量に対して1〜10%の範囲でグラフアイト微粒子のような導電性微粒子が分散されている。
この第1のセパレータ13−1については、すでに図2(A)(B)に示したような構成を有している。
次に、図3に示されるように、第2の電極箔11−2が設けられる。この第2の電極箔11−2もアルミ箔で形成され、第1の電極箔11−1と同様に細長い帯状に形成されている。その下面には薄い酸化アルミニウムのような第2の誘電体層12−2を介して第2のセパレータ13−2が接触して設けられている。この第2のセパレータ13−2は、第1のセパレータ13−1と同様に、植物繊維アポカよりなる紙状セパレータであり、このセパレータ内にその重量に対して1〜10%の範囲でグラフアイト微粒子のような導電性微粒子が分散されている。第2のセパレータ13−2の構造は、第1のセパレータ13−1とほぼ同じであるため、その詳細な説明は省略する。
第1の電極箔11−1と第1のセパレータ13−1、第2の電極箔11−2と第2のセパレータ13−2とは、互いに重ね合わされ、図3に示すように、一体的に巻回される。そしてこの巻回工程中において、第1の陽極端子14−1および第2の陽極端子14−2が挿入され、それぞれ、第1の電極箔11−1および第2の電極箔11−2に電気的に接続される。ここで、第1のセパレータ13−1との間に、第1の誘電体層12−1が形成された第1の電極箔11−1は陽極となる。また、第2のセパレータ13−2との間に、第2の誘電体層12−2が形成された第2の電極箔11−2も陽極となる。このようにして無極性電解コンデンサが構成される。
次に、図4は本発明の有極性、無極性電解コンデンサの製造後のエージング工程に使用するエージング装置の回路図である。この装置は、直流電源51、極性切換スイッチ52、電解コンデンサ選択スイッチ53、有極性電解コンデンサ54および無極性電解コンデンサ55から構成されている。直流電源51は正極端子51−1および負極端子51−2を備えている。極性切換スイッチ52は第1および第2の可動接点52−1、52−2およびこれらの可動接点を連動させる連結アーム52−3から構成されている。切換スイッチ52はさらに、2組の固定接点、すなわち、第1組の固定接点52−4、52−5および第2組の固定接点52−6、52−7を備えている。第1組の固定接点52−4は、電解コンデンサ選択スイッチ53の第1の可動接点53−1に接続されている。第2組の固定接点52−6は電解コンデンサ選択スイッチ53の第2の可動接点53−2に接続されている。電解コンデンサ選択スイッチ53の第1の可動接点53−1および第2の可動接点53−2は、これらの可動接点を連動させる連結アーム53−3を備えている。電解コンデンサ選択スイッチ53はまた、第1の可動接点53−1および第2の可動接点53−2にそれぞれ対応して、第1組の固定接点53−4、53−5および第2組の固定接点53−6、53−7を備えている。
第1組の固定接点53−4は有極性電解コンデンサ54の陽極に接続され、第2組の固定接点53−6は有極性電解コンデンサ54の陰極に接続されている。また、第1組の固定接点53−5は無極性電解コンデンサ55の一方の陽極に接続され、第2組の固定接点53−7は無極性電解コンデンサ55の他方の陽極に接続されている。
このように構成されたエージング装置において、極性切換スイッチ52の連結アーム52−3を図の左方向に移動して、第1および第2の可動接点52−1、52−2をそれぞれ、第1組の固定接点52−4および第2組の固定接点52−6に接触させる。また、電解コンデンサ選択スイッチ53の連結アーム53−3を図の左方向に移動して、第1および第2の可動接点53−1、53−2をそれぞれ、第1組の固定接点53−4および第2組の固定接点53−6に接触させる。
これによって、有極性電解コンデンサ53の陽極には、直流電源51の正極端子51−1からプラスの電圧が供給される。また、有極性電解コンデンサ53の陰極には、直流電源51の負極端子51−2からマイナスの電圧が供給される。このとき有極性電解コンデンサ53の陽極および陰極間に印加される電圧は、有極性電解コンデンサ53の定格電圧に対して例え20〜70%程度高い、いわゆるエージング電圧が印加される。例えば、定格が6Vの有極性電解コンデンサに対しては、10Vの直流電圧が、約30分間印加される。これによって、有極性電解コンデンサ53のエージングが行われる。
次に、上記のエージング装置において、電解コンデンサ選択スイッチ53の連結アーム53−3を図の右方向に移動して、第1および第2の可動接点53−1、53−2をそれぞれ、第1組の固定接点53−5および第2組の固定接点53−7に接触させる。これによって、無極性電解コンデンサ55の一方の陽極には、直流電源51の正極端子51−1からプラスの電圧が供給される。また、有極性電解コンデンサ55の他方の陽極には、直流電源51の負極端子51−2からマイナスの電圧が供給される。このとき無極性電解コンデンサ55の2つの陽極間に印加される電圧は、無極性電解コンデンサ54の定格電圧に対して少し高い、いわゆるエージング電圧が印加される。例えば、定格が6Vの有極性電解コンデンサに対しては、10Vの直流電圧が、約30分間印加される。
次いで、上記のエージング装置において、極性切替えスイッチ52の連結アーム52−3を図の右方向に移動して、第1および第2の可動接点52−1、52−2をそれぞれ、第1組の固定接点52−5および第2組の固定接点52−7に接触させる。これによって、無極性電解コンデンサ55の一方の陽極には、直流電源51の負極端子51−2からマイナスの電圧が供給される。また、有極性電解コンデンサ55の他方の陽極には、直流電源51の正極端子51−1からプラスの電圧が供給される。すなわち、無極性電解コンデンサ55に対して、上記と逆の極性のエージング電圧が印加される。このとき無極性電解コンデンサ55の2つの陽極間に印加される電圧は、上記と同じく、無極性電解コンデンサ55の定格電圧に対して上述したようにより高いエージング電圧が印加される。例えば、定格が6Vの有極性電解コンデンサに対しては、10Vの直流電圧が、約30分間印加される。このように、無極性電解コンデンサ55対しては、一対の陽極に対して同一のエージング電圧を、極性を変えて同じ時間に亘って印加することにより、電界コンデンサとしては他に例を見ない、無極性の電界コンデンサを実現することができる。
すなわち、電解コンデンサは極性を有することは常識であり、回路に接続する場合には、必ず極性を考慮して接続することが必要である。もし極性を無視して、電解コンデンサに反対極性の電圧を印加すると、電解コンデンサは破壊される。これに対して本発明の無極性電界コンデンサは、いかなる極性で回路に接続しても破壊されることはなく、正常な電解コンデンサとして動作する。このような電解コンデンサは、本願発明者により始めて開発されたものであり、他に例を見ないものである。
また、本発明の電界コンデンサにおいては、通常の電解コンデンサのように、ガス抜き孔が必要なく、寿命が長いという特徴がある。通常の電解コンデンサにおいては、電解液を含むセパレータ内をイオンが陽極から陰極に向かって移動し、陰極にイオンが衝突すると水素ガスが発生し、これがガス抜き孔から放出され、ガスが密閉されたコンデンサ容器内に充満してパンクすることを防止している。しかし、このような従来の電解コンデンサにおいては、水素ガスがガス抜き孔から放出されるに従って、セパレータ内の電解液が蒸発し、セバーレータが乾燥する結果、電解コンデンサの寿命が尽きることになる。これに対して、本発明の電解コンデンサにおいては、このようなガス抜き孔を設けなくても、電解コンデンサの密閉容器がパンクする現象は見られず、その寿命も10年乃至30年と極めて長いことが確認されている。この理由は、本発明の電解コンデンサにおいては、後述のように、主として、電子による電荷の移動が行われ、イオンの移動による電荷の移動が少ないため、陰極で発生する水素ガスの量が比較的少なく、また、イオンの移動により発生した水素ガスは、セパレータ内に分散されたグラファイト微粒子に吸着されるものと推測される。
図6は現在市販されている各種電解コンデンサと本発明に係る電解コンデンサとの歪特性を比較して示すグラフである。この歪特性は、電解コンデンサに高周波信号を入力信号として供給し、それによって電解コンデンサから発生する高調波信号出力を測定することによって得られる。ここで、同図の横軸は、周波数10KHzの高周波信号の入力電圧(mV)で、縦軸は第3高調波歪出力の対入力信号レベル比(db)を示す。また、同図内の曲線1は固体アルミ電解コンデンサ(10V33μF)、曲線2はタンタル電解コンデンサ(10V47μF)、曲線3は有機半導体電解コンデンサ(16V47μF)、曲線4は本発明の電解コンデンサNX Hi−Q(6.3V47μF)の歪特性を示している。
同図から本発明の電解コンデンサが、他のいずれの種類の電解コンデンサに比較して、歪特性は格段に優れていることがわかる。
本発明の電解コンデンサは、さらに、等価直流抵抗値(E.S.R.)が長期間の使用においても、低下が少なく、寿命が長いという特徴を有している。このE.S.R.値は、信号周波数と、電解コンデンサ内の主として誘電体の損失tanδとの積であらわされる、電解コンデンサの性能を示す指標のひとつである。本発明の電解コンデンサにおいては、このE.S.R.値が20年間使用してもほとんど低下しないことが確認されている。したがって、本発明の電解コンデンサは半永久的な寿命を有しているものといっても過言ではない。
本発明の電解コンデンサの上記のような諸特性から類推すると、本発明の電解コンデンサにおいては、通常の電解コンデンサのように電荷の移動がイオン伝導のみに基づくものではなく、電解を含むセパレータ内に分散された導電性微粒子による、電子伝導にも基づくものと推測される。この結果、電子による電荷の移動はイオンによる電荷の移動に比べてその移動速度が著しく速くなる。この結果高周波における歪が他の種類の電解コンデンサに比較して低くなるものと推測される。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、電解コンデンサの構成要素を他の等価な材料に置換しても同様な効果が得られる。また、エージング装置の回路構成も種々の変形が可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る電解コンデンサの構造図。 図1に示す電解コンデンサのセパレータの構造を示す図。 本発明の第2の実施の形態に係る電解コンデンサの構造図。 本発明の電解コンデンサの製造後のエージング工程に使用するエージング装置の回路図。 現在市販されている各種電解コンデンサと本発明に係る電解コンデンサとの歪特性を比較して示すグラフ。
符号の説明
11−1 第1の電極箔
11−2 第2の電極箔
12−1 第1の誘電体層
12−2 第2の誘電体層
13−1 第1のセパレータ
13−2 第2のセパレータ
14−1 陽極端子
14−2 陰極端子

Claims (6)

  1. 1対の対向した平板状アルミ電極箔と、これらの電極箔の一方若しくは双方の表面に設けられた誘電体膜と、これらの電極箔間に配置され、中空植物繊維の集合体で紙状に漉き上げられた、イオン透過性セパレータと、このセパレータ内に導入された電解液と、前記セパレータ内にその重量に対して1〜10%の範囲で分散されたグラフアイト微粒子と、このグラフアイト微粒子が前記中空植物繊維の外面及び中空孔内に結着若しくは充填されることにより形成された、同軸状のイオンガス吸収素子とからなり、前記1対平板状アルミ電極箔およびイオン透過性セパレータが一体的に巻回されることを特徴とする電解コンデンサ。
  2. 前記同軸状イオンガス吸収素子は主として植物繊維アポカにより構成され、これらにより漉き上げられたセパレータ紙の外見は前記グラフアイト微粒子の黒色を呈していることを特徴とする請求項1項記載の電解コンデンサ。
  3. 前記対向する電極箔の一方のみに前記誘電体膜が形成されることにより、前記電極箔の一方が陽極で、他方が陰極となる有極性の電解コンデンサを構成することを特徴とする請求項2項記載の電解コンデンサ。
  4. 前記対向する電極箔の双方の表面に前記誘電体膜が形成されることにより、前記電極箔の双方が陽極となる無極性の電解コンデンサを構成することを特徴とする請求項2項記載の電解コンデンサ。
  5. 1対の対向した平板状アルミ電極箔の一方若しくは双方の表面に誘電体膜を形成する工程と、これらの電極箔間に、中空植物繊維の集合体で紙状に漉き上げられた、イオン透過性セパレータを配置する工程と、このセパレータ内に電解液を導入する工程と、前記セパレータ内にその重量に対して1〜10%の範囲でグラフアイト微粒子を分散する工程と、前記1対の平板状アルミ電極箔およびイオン透過性セパレータを一体的に巻回するとともに、前記1対の平板状アルミ電極箔にそれぞれに電極端子を接続する工程と、この電極端子間に動作電圧より高いエージング電圧を所定時間印加する工程と、を備えることを特徴とする電解コンデンサの製造方法。
  6. 1対の対向した平板状アルミ電極箔の双方の表面に誘電体膜を形成する工程と、これらの電極箔間に、中空植物繊維の集合体で紙状に漉き上げられた、イオン透過性セパレータを配置する工程と、このセパレータ内に電解液を導入する工程と、前記セパレータ内にその重量に対して1〜10%の範囲でグラフアイト微粒子を分散する工程と、前記1対の平板状アルミ電極箔およびイオン透過性セパレータを一体的に巻回するとともに、前記1対の平板状アルミ電極箔にそれぞれに電極端子を接続する工程と、この電極端子間に動作電圧より高いエージング電圧を所定時間印加する工程と、前記電極端子間に前記エージング電圧を反対極性で所定時間印加する工程と、を備えることを特徴とする電解コンデンサの製造方法。
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