JP2007200928A - 磁気メモリ素子、磁気メモリ、及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気メモリ素子、磁気メモリ、及び磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気抵抗効果セルのサイズがさらに小型化されても、隣接する磁気抵抗効果セルへの誤書き込みや誤消去が起こりにくくなるようにする。
【解決手段】磁気メモリ素子101は、固定磁性層4、絶縁層5、自由磁性層6の順に積層されてなる磁気抵抗効果セル7と、圧電層11と、金属層12とを含んでいる。金属層12及び圧電層11には、自由磁化層6の層面方向に関する長さよりも小さい幅を有する孔14が設けられている。圧電層11の厚みは電界が加えられると小さくなる。孔14へ光を照射したときに発生する近接場光は、圧電層11に電界が加えられているときのみ自由磁性層6に達してこれを昇温させる。隣接する磁気メモリ素子101に光が照射されても、所望の磁気メモリ素子101に係る圧電層11にだけ電界を加えることができるので、誤書き込みされることがない。
【選択図】図2

Description

本発明は、MRAM(磁気ランダムアクセスメモリ)に用いることが可能な磁気メモリ素子、この磁気メモリ素子を用いた磁気メモリ、及び、この磁気メモリを用いた磁気記録再生装置に関する。
近年、大容量かつ高速動作可能な不揮発性メモリとして、MRAMが提案され、DRAMやフラッシュメモリなどの半導体メモリに代わるメモリとして期待されている。図9に描かれたMRAM300においては、固定磁性層の磁化方向を固定するためのピン層303、固定磁性層304、絶縁層305及び自由磁性層306が積層された磁気抵抗効果セル307が二次元的に配列されている。そして、各磁気抵抗効果セル307は、2枚の電極層302、310によって挟まれている。電極層302は複数設けられており、各電極層302が磁気抵抗効果セル307の一方の配列方向に延在している。各電極層302は、これと同じ方向に配列された複数の磁気抵抗効果セル307に接続されている。電極層310も電極層302同様に複数設けられており、各電極層310が磁気抵抗効果セル307の他方の配列方向に延在している。各電極層310は、これと同じ方向に配列された複数の磁気抵抗効果セル307に接続されている。これら複数の電極層302、310から選択された1つの電極層302と1つの電極層310との間だけに通電することで、そのクロスポイントに存在する磁気抵抗効果セル307が選択され、書き込みおよび読み出しが行われる。
昨今では、さらにMRAMの高密度化が望まれており、個々の磁気抵抗効果セルのサイズがより小さく形成されるようになっている。しかしながら、このように磁気抵抗効果セルのサイズを小さくすると、磁気抵抗効果セルに用いられる磁性体の磁化方向が外部の熱エネルギーによって不安定となる、いわゆる熱揺らぎ現象が顕著となり、書き込んだ情報を安定に保持できなくなる。このような熱揺らぎの問題を解消し、書き込んだ情報を安定保持するためには、磁気抵抗効果セルを形成する磁性体に、磁気異方性エネルギーの大きな磁性材料を用いることが効果的であるが、磁気異方性エネルギーの大きな磁性材料は、同時に磁性体の保磁力も大きいことが一般的であり、これに伴って、書き込み時により大きな記録磁界が要求される。
また、上記の問題を解決するために、書き込み時以外では保磁力が大きく書き込み情報を安定に保持するが、書き込み時には、熱を与えることで保磁力を小さくし、従来と同程度の大きさの磁界で書き込みを可能にするという熱アシスト方式が提案されている。例えば、特許文献1には、電極に電流を流す際に発生する熱を利用する熱アシスト方式を採用したMRAM素子が開示されている。
特開2004−172614号公報
しかしながら、特許文献1のように、電流を流して加熱する方法では、磁気抵抗効果セルのサイズがさらに小型化され、MRAMがさらに高密度化された場合、局所的な加熱を行うことが困難である。そのため、隣接する磁気抵抗効果セルが加熱されることによるデータの誤消去や誤書き込みを発生させるおそれがあるので、磁気抵抗効果セルをさらに小型化することができない。
そこで、本発明の目的は、磁気抵抗効果セルのサイズがさらに小型化されても隣接する磁気抵抗効果セルへの誤書き込みや誤消去が起こりにくい熱アシスト方式の磁気メモリに用いられる磁気メモリ素子と、この磁気メモリ素子を用いた磁気メモリと、この磁気メモリを用いた磁気記録再生装置とを提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
(1) 本発明の磁気メモリ素子は、磁化方向が固定された固定磁化層、磁化方向が可変である自由磁化層、及び、前記固定磁化層と前記自由磁化層とに挟まれた絶縁層を有する磁気抵抗効果セルと、前記固定磁化層との間で前記自由磁化層を挟む位置に形成され、光を透過できる部分を有する圧電層と、前記自由磁化層との間で前記圧電層を挟む位置に形成された導電性材料からなる遮光層と、前記圧電層との間で前記磁気抵抗効果セルを挟む位置に形成された第1の電極層と、前記圧電層と前記磁気抵抗効果セルとの間に形成された前記自由磁化層と電気的に接続されている透明な第2の電極層と、前記第2の電極層との間で前記圧電層を挟む位置に形成された第3の電極層とを備えており、前記遮光層および前記第3の電極層には層厚方向に貫通した孔が設けられていると共に、前記孔の幅が、前記自由磁化層の層面方向に関する長さよりも小さい。
上記(1)の構成によれば、磁気メモリ素子の前記遮光層および前記第3の電極層に光が照射された際、前記遮光層および前記第3の電極層に設けられた孔で近接場光が発生する。前記遮光層と自由磁性層との間には、光を透過できる部分を有する圧電層が存在するので、近接場光が自由磁性層に照射されるか否かを、圧電層の層厚を変化させることによって制御できる。したがって、たとえ複数の磁気メモリ素子が互いに近接配置されている場合に2以上の磁気メモリ素子に係る孔に光が入射したとしても、各圧電層の層厚を制御することによって、磁化情報が書き込まれる磁気メモリ素子の自由磁性層だけに近接場光を照射し、当該自由磁性層を加熱することができる。また、第2の電極層が自由磁性層と圧電層との間に配置されることになるので、第2の電極層を流れる電流に起因して発生した磁界で自由磁性層を効率よく磁化することができる。加えて、上記のように配置された3つの電極層を有しているために、情報書き込みのための磁界を発生させる電流を流すために第2の電極層に印加する電圧、及び、圧電層の層厚を変更するために圧電層を挟む2つの電極層間に印加する電圧をそれぞれ低電圧とすることが可能となる。さらに、遮光層および前記第3の電極層に設けられた孔の幅が自由磁化層の層面方向に関する長さよりも小さいので、近接場光が隣接する磁気抵抗効果セルの自由磁性層に照射されることがほとんどない。よって、光照射型の熱アシスト方式を採用した場合において、磁気抵抗効果セルのサイズがさらに小型化されても隣接する磁気抵抗効果セルへの誤書き込みや誤消去が起こりにくく、高い信頼性での磁化情報の書き込みが可能となる。また、たとえ複数の磁気メモリ素子が互いに近接配置されている場合に2以上の磁気メモリ素子に磁界が印加されたとしても、情報の書き込みが行われるのは磁界が印加され且つ近接場光が自由磁性層に照射された磁気メモリ素子だけである。したがって、磁界が印加された2以上の磁気メモリ素子のうちで近接場光が自由磁性層に照射された磁気メモリ素子以外の磁気メモリ素子に情報が書き込まれないように、自由磁性層の材料を調整する必要がない。ここで、近接場光とは、光の回折限界を超えて小さな領域に局在した光のことである。この近接場光を発生させるには、遮光層および前記第3の電極層の孔の径よりも十分に大きい波長を有する光を孔に入射させればよい。
(2) 別の観点として、本発明の磁気メモリ素子は、磁化方向が固定された固定磁化層、磁化方向が可変である自由磁化層、及び、前記固定磁化層と前記自由磁化層とに挟まれた絶縁層を有する磁気抵抗効果セルと、前記固定磁化層との間で前記自由磁化層を挟む位置に形成され、光を透過できる部分を有する圧電層と、前記自由磁化層との間で前記圧電層を挟む位置に形成された導電性材料からなる遮光層と、前記圧電層との間で前記磁気抵抗効果セルを挟む位置に形成された第1の電極層と、前記圧電層と前記磁気抵抗効果セルとの間に形成された前記自由磁化層と電気的に接続されている透明な第2の電極層とを備えており、前記遮光層には層厚方向に貫通した孔が設けられていると共に、前記孔の幅が、前記自由磁化層の層面方向に関する長さよりも小さい。
上記(2)の構成によれば、第3の電極層が透明であるため、上記(1)と同様の効果を、遮光層にのみ孔を設けるだけで、すなわち第3の電極層に孔を設けずとも達成できる。
また、上記(1)又は(2)の本発明の磁気メモリ素子においては、前記遮光層が、導電性材料からなるとともに、前記第3の電極と前記圧電層との間に形成されていることが好ましい。
上記(3)の構成によれば、遮光層が導電性材料からなるものであれば、第2及び第3の電極層で圧電層に一様に電圧をかけることができるため、圧電層の層厚が歪まず、一様に変化させることができる。
(4) さらに別の観点として、本発明の磁気メモリ素子は、磁化方向が固定された固定磁化層、磁化方向が可変である自由磁化層、及び、前記固定磁化層と前記自由磁化層とに挟まれた絶縁層を有する磁気抵抗効果セルと、前記固定磁化層との間で前記自由磁化層を挟む位置に形成され、光を透過できる部分を有する圧電層と、前記自由磁化層との間で前記圧電層を挟む位置に形成された導電性材料からなる遮光層と、前記圧電層との間で前記磁気抵抗効果セルを挟む位置に形成された第1の電極層と、前記圧電層と前記磁気抵抗効果セルとの間に形成された前記自由磁化層と電気的に接続されている透明な第2の電極層とを備えており、前記遮光層には層厚方向に貫通した孔が設けられていると共に、前記孔の幅が、前記自由磁化層の層面方向に関する長さよりも小さい。
上記(4)の構成によれば、上記(1)と同様の効果を奏するだけでなく、導電性材料からなる遮光層が圧電層に電界を印加するために用いられる電極層を兼ねているので、構造が簡単でさらなる小型化・低コストを実現できる。
(5) また、本発明の磁気メモリ素子においては、前記圧電層には、前記遮光層の孔と対応する位置に孔が設けられ、前記圧電層と前記自由磁化層との間には、透明材料からなる1つ以上の層が形成されているものであってよい。
(6)或いは、前記圧電層には、前記遮光層の孔と対応する位置に孔が設けられ、前記圧電層と前記自由磁化層との間に複数の層が形成されており、前記複数の層が、前記圧電層の孔と対応する位置に孔を有する一又は複数の有孔層、及び、透明材料からなる一又は複数の透明層からなり、前記一又は複数の有孔層が互いに隣接していると共に、最も外側の前記有孔層が前記圧電層に隣接しているものであってよい。
上記(5)又は(6)の構成によれば、前記遮光層の孔から前記遮光層と前記自由磁化層との間の層のいずれかまで接続して設けられている孔の内部の屈折率が、前記遮光層と前記自由磁化層との間の透明材料からなる層の屈折率より低いため、前記遮光層にのみ孔を設けた場合に比べて、自由磁性層に照射される近接場光の強度を最大限に利用できる。
(7) 本発明の磁気メモリは、複数の上記(1)又は(2)の複数の磁気メモリ素子が二次元的に配列されており、前記複数の磁気メモリ素子のうち一方向に配列された2以上の前記磁気メモリ素子に係る複数の前記第1の電極層が電気的に短絡されており、前記複数の磁気メモリ素子のうち前記一方向と交差する方向に配列された2以上の前記磁気メモリ素子に係る複数の前記第2の電極層が電気的に短絡されており、前記複数の磁気メモリ素子のうち前記第1の電極層が接続された方向に配列された2以上の前記磁気メモリ素子に係る複数の前記第3の電極層が電気的に短絡されたものである。
(8) 別の観点として、本発明の磁気メモリは、複数の上記(3)の複数の磁気メモリ素子が二次元的に配列されており、前記複数の磁気メモリ素子のうち一方向に配列された2以上の前記磁気メモリ素子に係る複数の前記第1の電極層が電気的に短絡されており、前記複数の磁気メモリ素子のうち前記一方向と交差する方向に配列された2以上の前記磁気メモリ素子に係る複数の前記第2の電極層が電気的に短絡されており、前記複数の磁気メモリ素子のうち前記第1の電極層が接続された方向に配列された2以上の前記磁気メモリ素子に係る複数の前記遮光層が電気的に短絡されたものである。
上記(7)又は(8)の構成によれば、同じ方向に配列された2以上の磁気メモリ素子同士に係る複数の電極層(遮光層)が電気的に短絡され、且つ、電気的に短絡された複数の電極層(遮光層)に係る2以上の磁気メモリ素子の配列方向が層厚方向に隣接する別種類の電極層(遮光層)に係る2以上の磁気メモリ素子の配列方向と交差しているので、互いに異なる配列方向に沿った2つの素子列の交点として磁化情報の書き込みが行われる磁気メモリ素子を容易に選定することができる。また、近接場光を利用することによって容易に磁気抵抗効果セルへの磁化情報の書き込みが可能であり、大量のデータ蓄積が可能な磁気メモリを提供できる。
(9) 本発明の磁気記録再生装置は、上記(7)又は(8)の磁気メモリと、前記遮光層に形成された前記孔に向けて光を照射する光照射手段とを備えている。これにより、容易に磁気抵抗効果セルへの磁化情報の書き込みが可能な磁気記録再生装置を提供できる。
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態に係る磁気記録再生装置について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る磁気記録再生装置の主要部分の模式構成を示す斜視図である。図2は、図1の磁気記録再生装置の磁気メモリを構成する磁気メモリ素子の模式断面図である。
本実施形態における磁気記録再生装置1000は、図1に示すように、磁気メモリ100と光源16とを備えている。磁気メモリ100は、図2に示す磁気メモリ素子101をm行n列(行:図1の左右方向、列:行に直交する方向、m、nは自然数)の二次元(升目状)に並べた構成となっている。図1には、その一部として、9つの磁気メモリ素子が並んでいる様子を示している。なお、磁気メモリ100における各磁気メモリ素子は、図2における磁気メモリ素子101と同様のものである。また、図1に示していないが、磁気メモリ100における各磁気メモリ素子は、磁気メモリ素子101を構成している基板1、キャップ層8、及びカバー層9と同様の部位を同様の箇所に有している。また、説明の便宜のため、図1における各層は、模式化して平面を有する簡易な構造として表現している。
図2に示す磁気メモリ素子101において、孔1aを有する基板1の表面の一部及び孔1a内に電極層2が形成されている。また、基板1に対して電極層2と反対側の表面には、電極層2と電気的に接続されたピン層3が形成されている。さらに、ピン層3の表面上には、固定磁性層4と、絶縁層5と、自由磁性層6とが順に積層されてなる磁気抵抗効果セル7が形成されている。この磁気抵抗効果セル7の自由磁性層6の表面上には、キャップ層8が形成されている。さらに、キャップ層8と、磁気抵抗効果セル7と、ピン層3と、基板1の表面とを覆うように、孔9aを有するカバー層9が形成されている。カバー層9の表面及び孔9a内には、キャップ層8と電気的に接続された電極層10が形成されている。そして、電極層10の表面上には、圧電層11、金属層(遮光層)12、電極層13が順に積層され、金属層(遮光層)12、電極層13の層を一貫する孔14が積層方向に形成されている。なお、図2に示すように、ピン層3から絶縁層5までの積層体の幅が、自由磁性層6及びキャップ層8の積層体の幅よりも大きい。これにより、基板1下部から電極層2用の孔1aを形成したときに、他層を壊してしまうことを防ぐことができる。また、自由磁性層6と固定磁性層4とがショートしてしまうのを防ぐことができる。
基板1の表面は、平均粗さ0.5nm以下の平坦面となっている。基板1は、表面熱酸化処理を施したSi(シリコン)又はガラスからなる。
電極層2、10、13は、磁気メモリ素子101の外部から電位信号が供給される層である。具体的には、同じ方向に配列された2以上の磁気メモリ素子101同士に係る電極層2、13が電気的に短絡され、且つ、電気的に短絡された電極層2、13に係る2以上の磁気メモリ素子101の配列方向が層厚方向に隣接する電極層10に係る2以上の磁気メモリ素子101の配列方向と交差している。これにより、互いに異なる配列方向に沿った2つの素子列の交点として磁化情報の書き込みが行われる磁気メモリ素子を容易に選定することができる。電極層2、13には、電気抵抗の低い材料、例えば、Cu,Alやこれらの元素を含む金属材料を用いる。電極層10には、ITOなどの透明材料を用いる。一変形例として、電極層2、13が、ITOなどの透明材料からなるものであってもよく、このとき、電極層13には孔14を設けなくてもよい。
ピン層3は、固定磁性層4の磁化を固定するための層である。ピン層3の材質はMnPt又はMnFeであり、その層厚は数nm程度である。
固定磁性層4は、ピン層3によって磁化方向が固定されている層であり、自由磁性層6の磁化の向きを読むときの比較対象となる。固定磁性層4はCoFeBからなり、層厚は数nm程度である。一変形例として、固定磁性層4は、例えばCoFeB/Ru/CoFeBという、2層の磁性層で非磁性層を挟んだ構造を有していてもよい。
絶縁層5はAlOxからなり、その層厚は数nm程度である。或いは絶縁層5は、酸化シリコンなどの酸化物、窒化アルミニウムや窒化シリコンなどの窒化物からなるものであってもよい。磁気抵抗効果セル7が巨大磁気抵抗(GMR)効果を奏するセルの場合には、絶縁層5の材料としてCuを用いてもよい。
自由磁性層6は、磁界により磁化の向きが変化する層厚数nm程度の層である。自由磁性層6は、TbFeCo、GdFeCo、RbFe、CoFeB、又は、NiFeからなる。
磁気抵抗効果セル7は、上述のように、固定磁性層4と、絶縁層5と、自由磁性層6とが順に積層されたトンネル磁気抵抗(TMR)効果を奏するセルであり、固定磁性層4−自由磁性層6間に電圧がかかったときに、絶縁層5にトンネル電流が流れる。そのとき、固定磁性層4の磁化の向きと自由磁性層6の磁化の向きとが平行、反平行のいずれかによって抵抗値が異なる。したがって、抵抗値を測定することで磁気抵抗効果セル7に記録された「0」又は「1」を示す磁気情報を読取る(再生する)ことができる。
キャップ層8は、カバー層9に孔9aを形成するときに、自由磁性層6が傷つくのを防ぐための透明な導電層である。キャップ層8は、Ta又はRuからなり、その層厚は数十nm程度である。
カバー層9は、自由磁性層6と固定磁性層4とが通電するのを防ぐ透明な絶縁層である。カバー層9は、SiOからなる。その層厚は通電を防止するためのもので、100nm以下でよい。
圧電層11は、孔14の入射開口から自由磁性層6の表面までの距離を変更するために使用される層である。圧電層11は、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PbZrTiO)、又は、圧電セラミックスなどの透明材料からなる。2つの電極層10、13間に電圧をかけると、圧電層11は電界方向つまり層厚方向に縮む材料と伸びる材料がある。圧電層11が電圧をかけると層厚方向に縮む材料の場合、磁気メモリ素子101に磁化情報を書き込む場合には、孔14を通過した近接場光が自由磁性層6に到達できる大きさの所定電圧を電極層10、13間に印加する。他方、磁気メモリ素子101に磁化情報を書き込まない場合には、電極層10、13間に所定電圧を印加しない。圧電層11の層厚は、電極層10、13間に所定電圧が印加されていないときに、近接場光が自由磁性層6に到達できない距離となっている。
一変形例として、圧電層11は、電極層10、13間に電圧をかけると、電圧がかかる方向に伸びるものであってもよい。このとき、磁気メモリ素子101に磁化情報を書き込まない場合には、近接場光が自由磁性層6に到達できないようになる大きさの所定電圧を電極層10、13間に印加する。他方、磁気メモリ素子101に磁化情報を書き込む場合には、電極層10、13間に電圧を印加しない。圧電層11の層厚は、電極層10、13間に電圧が印加されていないときに、近接場光が自由磁性層6に到達できる距離となっている。
金属層12は、Au,Ag,Cu,Alなどの金属材料である。金属層12の層厚は数十nm程度である。金属層12を用いているために、孔14における近接場光の発生効率が高い。
電極層13表面に入射光15が照射されると、孔14の金属層12及び電極層13に対応した領域で近接場光が発生する。孔14は、その延長上に自由磁性層6が存在するように形成されている。孔14の幅は、自由磁性層6の層面方向に関する長さよりも小さい。孔14の横断面形状は、円形・三角形・四角形などどのような形状でもよいが、発生させる近接場光の所望のスポットサイズに対応した横断面形状・大きさに形成される。ただし、近接場光の強度分布は、孔14の横断面形状により異なる。例えば、入射光の偏光方向に対して垂直な辺が孔14の入射開口に存在すると、その辺で増幅が起こる。そのため、孔14の横断面形状に合わせて、圧電層11の定常状態(電圧非印加状態)での層厚や縮み特性を決める必要がある。
入射光15は、電極層13の表面に対して垂直な方向から照射される。ただし、入射光15は、電極層13の表面に対して斜め方向から照射されてもよい。また、レーザー光源または発光ダイオードからの非平行光をそのまま電極層13に照射してもよいし、コリメートレンズを通過した平行光を電極層13に照射してもよい。
次に、磁気メモリ100の製造方法について、図3及び図4を用いて説明する。図3及び図4は、磁気メモリ100における磁気メモリ素子101の製造方法の一工程を示す断面図である。なお、各層の形成にはCMOSプロセスを用いることができるが、これに限られず、各層を形成できる方法であればどのようなものでもよい。
まず、SiOからなる基板1上にピン層3、固定磁性層4、絶縁層5、自由磁性層6、キャップ層8からなる積層体(図3参照)を、m行n列の升目状に並列形成する。次に、上記の各積層体において、フォトレジストを用いたエッチングプロセスを2回行って、図4に示すように、ピン層3から絶縁層5までの積層体の幅を、自由磁性層6及びキャップ層8の積層体の幅より小さくする。続いて、基板1下部からのイオンミリングにより、ピン層3に達する孔1aを形成する。そして、ピン層3から絶縁層5までの積層体と、自由磁性層6及びキャップ層8の積層体と、基板1の表面とを覆うカバー層9を形成する。続いて、フォトレジストを用いたエッチングプロセスを行って、キャップ層8に達する孔9aをカバー層9に形成する。次に、下方から基板1に及び上方からカバー層9に向けてターゲット原子を衝突させるスパッタリング又はメッキを行って、Cuからなる電極層2及び電極層10を形成する。この後、フォトレジストを用いたエッチングプロセスを行って電極層2(図4参照)及び電極層10を所望パターンに加工する。続いて、圧電層11、金属層12、電極層13を順にスパッタリングにより積層した後、集束イオンビーム(FIB)又はエッチングで圧電層11に達する孔14を形成する。これらの工程を経て図2に描かれた磁気メモリ素子101を有する磁気メモリ100が作製される。
次に、磁気メモリ素子101の動作について説明する。ここでは、圧電層11が、電圧をかけると層厚方向に縮む材料である場合について説明する。まず、磁気メモリ素子101に対し記録又は再生を行わないときには、電極層2、10、13に電流を流さない。このとき、光源16からは入射光15を出射させない。なお、磁気メモリ素子101に対し記録又は再生を行わないときに、光源16から入射光15を出射させてもよい。
m行n列の(m×n)個の磁気メモリ素子101のうち(i,j)に位置する1つの磁気メモリ素子101(iは0〜mまでの任意の自然数であり、jは0〜nまでの任意の自然数である)に対し磁化情報を書き込むときは、まず、i行目の電極層10とj列目の電極層13との間に所定電圧を印加し、i行目の電極層10の電位をVa、j列目の電極層13の電位をVbとする。このとき、Vb−Vaの大きさを、Va及びVbの大きさより大きくする。これによって、(i,j)に位置する磁気メモリ素子101に係る圧電層11が電圧Vb−Vaの印加によって層厚方向に収縮し、当該圧電層11は、孔14を通過した近接場光が自由磁性層6に到達できる層厚となる。同時に、磁化情報が書き込まれないi行およびj列以外の磁気メモリ素子101については電極層10と電極層13との間に所定電圧を印加しない。つまり、i行目の電極層10の電位をVa、j列目の電極層13の電位をVbとした場合においては、(i,j)以外の位置の電圧はVa、Vb、0のいずれかとなる。したがって、当該圧電層11は、孔14を通過した近接場光が自由磁性層6に到達できない層厚のまま保持される。この状態において、光源16から入射光15を出射する。すると、(m×n)個すべての磁気メモリ素子101に係る孔14で近接場光が発生する。しかし、発生した近接場光が自由磁性層6に照射されるのは、圧電層11が層厚方向に十分に収縮した(i,j)に位置する磁気メモリ素子101だけである。その他の磁気メモリ素子101においては、圧電層11が層厚方向に十分に収縮していないために、近接場光が自由磁性層6に照射されない。近接場光が自由磁性層6に照射された(i,j)に位置する磁気メモリ素子101では、近接場光によって加熱された自由磁性層6の保磁力が下がる。
さらに、i行目の電極層2(電流の流れる方向:図1紙面の奥手から手前方向、又はその逆方向)とj列目の電極層10(電流の流れる方向:図1紙面の左右方向)との両方に書き込みたい磁化情報に即した方向の電流を流す。これによって、加熱により下げられた自由磁性層6の保磁力以上の合成磁界(電極層2と電極層10とで発生した磁界が合成されたもの)が発生するので、自由磁性層6の磁化の向きを所望方向に変えることができる。このようにして、所望の1つの磁気メモリ素子101に磁化情報を書き込むことができる。また、電流注入により記録することもでき、この場合、i行目の電極層2とj列目の電極層10との間に所定電圧を印加し、i行目の電極層2の電位をVcとする。これによって、(i,j)に位置する1つの磁気メモリ素子101のみに電流が流れるため、この電流により自由磁性層6のスピンの向きが変わる。このとき、自由磁性層6から電子が注入されるように、VcがVaよりおおきくなるようにする。
(i,j)に位置する磁気メモリ素子101に書き込まれた磁化情報の読み出し(再生)を行いたいときは、光源16から入射光15を出射させることなく、i行目の電極層2とj列目の電極層10とに電流を流し、(i,j)に位置する磁気メモリ素子101の抵抗値を測定する。このとき、スピン依存トンネリング現象のために、自由磁性層6の磁化の向きが固定磁性層4の磁化の向きと平行であるか反平行であるかによって、絶縁層5に対する電子の通過し易さ、引いては磁気メモリ素子101の抵抗値が異なる。したがって、磁気メモリ素子101の抵抗値を測定することによって、書き込まれた磁気情報が「0」及び「1」のいずれであるかを判別することができる。なお、再生時には圧電層11を加熱する必要がないので、光を照射する必要も、電極層13と電極層10との間に電圧をかける必要もない。
上記構成によれば、以下に示すような効果を奏する磁気記録再生装置1000を提供できる。光照射型の熱アシスト方式を採用した場合において、磁気抵抗効果セル7のサイズがさらに小型化されても隣接する磁気抵抗効果セル7への誤書き込みや誤消去が起こりにくく、高い信頼性での磁化情報の書き込みが可能となる。また、たとえ複数の磁気メモリ素子101が互いに近接配置されている場合に2以上の磁気メモリ素子101に磁界が印加されたとしても、情報の書き込みが行われるのは磁界が印加され且つ近接場光が自由磁性層6に照射された磁気メモリ素子101だけである。したがって、磁界が印加された2以上の磁気メモリ素子101のうちで近接場光が自由磁性層6に照射された磁気メモリ素子101以外に情報が書き込まれないように、自由磁性層6の材料を調整する必要がない。
また、同じ方向に配列された2以上の磁気メモリ素子101同士に係る複数の電極層13が電気的に短絡され、且つ、電気的に短絡された複数の電極層13に係る2以上の磁気メモリ素子101の配列方向が層厚方向に隣接する電極層10に係る2以上の磁気メモリ素子101の配列方向と交差しているので、互いに異なる配列方向に沿った2つの素子列の交点として磁化情報の書き込みが行われる磁気メモリ素子101を容易に選定することができる。加えて、近接場光を利用することによって容易に磁気抵抗効果セル7への磁化情報の書き込みが可能であり、大量のデータ蓄積が可能な磁気メモリ100を有する磁気記録再生装置1000を提供できる。
さらに、電極層10が自由磁性層6と圧電層11との間に配置されることになるので、電極層10を流れる電流に起因して発生した磁界で自由磁性層6を効率よく磁化することができる。加えて、上記のように配置された3つの電極層2、10、13を有しているために情報書き込みのための磁界を発生させる電流を流すために電極層10に印加する電圧、及び、圧電層11の層厚を変更するために圧電層11を挟む2つの電極層10、13間に印加する電圧をそれぞれ低電圧とすることが可能となる。
加えて、圧電層11の層厚が薄く、磁気メモリ素子101の金属層12に光が照射されている状態であるときには、孔14で発生した近接場光を自由磁性層6に効率よく照射することができる。
また、電極層10が、自由磁性層6と電気的に接続されているので、電極層10を、磁気抵抗効果セル7への磁化情報の書き込み、及び、磁気抵抗効果セル7からの磁化情報の読み出しに兼用することができる。
<第1実施形態の変形例1>
次に、本発明の第1実施形態の変形例1に係る磁気記録再生装置について説明する。図5は、本発明の第1実施形態の変形例1に係る磁気記録再生装置で用いられている磁気メモリ素子を示す断面図である。なお、本変形例において第1実施形態と同様の部分(符号21〜33、35)については、第1実施形態の符号(符号1〜13、15)の部分にそれぞれ順に合致させて示しており、かかる同様の部分の説明が省略されることがある。
本実施形態における磁気記録再生装置においては、図示しないが、第1実施形態における磁気記録再生装置1000とほぼ同構成であり、図5に示す磁気メモリ素子102を有する磁気メモリと光源とを備えている。ただし、磁気メモリ素子102の構成において、第1実施形態における磁気メモリ素子101と異なる点がある。具体的には、ITOなどの透明な材料からなる電極層33には孔を設けずに、遮光層32(遮光層)にのみ孔34を設け、電極層33の一部によって孔34内部が埋められている点が異なっている。磁気メモリ素子102は、第1実施形態と同様の方法で作成できる。
上記構成によれば、第1実施形態に係る磁気記録再生装置1000と同様の作用・効果を奏する。また、上記(1)と同様の効果を、金属層32(遮光層)にのみ孔34を設けるだけで、すなわち電極層33に孔を設けずとも達成できる。また、孔34が電極層33で埋められているので、電極層30、33で圧電層に一様に電圧をかけることができるため、圧電層の層厚が歪まず、一様に変化させることができる。
<第1実施形態の変形例2>
次に、本発明の第1実施形態の変形例2に係る磁気記録再生装置について説明する。図6は、本発明の第1実施形態の変形例2に係る磁気記録再生装置で用いられている磁気メモリ素子を示す断面図である。なお、本変形例において第1実施形態と同様の部分(符号41〜53、55)については、第1実施形態の符号(符号1〜13、15)の部分にそれぞれ順に合致させて示しており、かかる同様の部分の説明が省略されることがある。
本実施形態における磁気記録再生装置においては、図示しないが、第1実施形態における磁気記録再生装置1000とほぼ同構成であり、図6に示す磁気メモリ素子103を有する磁気メモリと光源とを備えている。ただし、磁気メモリ素子103の構成において、第1実施形態における磁気メモリ素子101と異なる点がある。具体的には、孔14の代わりに、孔54が電極層53からキャップ層48の上面にかけて一貫して形成されている点が異なっている。磁気メモリ素子103は、第1実施形態と同様の方法で作成できる。
上記構成によれば、第1実施形態に係る磁気記録再生装置1000と同様の作用・効果を奏する。また、本変形例に係る磁気記録再生装置においては、孔54が電極層53からキャップ層48の上面にかけて一貫して形成され、孔54の内部の屈折率が、透明材料からなるキャップ層の屈折率より低いので、金属層(遮光層)53に設けられた孔で発生する近接場光が、自由磁性層56に到達するまでの光学的距離が短くなる。よって、第1実施形態に係る磁気記録再生装置1000に比べ、発生した近接場光を効率よく利用できる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る磁気記録再生装置について説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係る磁気記録再生装置の主要部分の模式構成を示す斜視図である。なお、本実施形態において第1実施形態と同様の部分(符号71〜72、75)については、第1実施形態の符号(符号1〜12、15)の部分にそれぞれ順に合致させて示しており、かかる同様の部分の説明が省略されることがある。
本実施形態における磁気記録再生装置2000は、図7に示すように、磁気メモリ200と光源76とを備えている。磁気メモリ200は、図8に示す磁気メモリ素子201と同様の磁気メモリ素子をm行n列(行:図5の左右方向、列:行に直交する方向、m、nは自然数)の二次元(升目状)に並べた構成となっている。図7には、その一部として、9つの磁気メモリ素子が並んでいる様子を示している。なお、図7に示していないが、磁気メモリ200における各磁気メモリ素子は、磁気メモリ素子201を構成している基板61、キャップ層68、及びカバー層69と同様の部位を同様の箇所に有している。また、説明の便宜のため、図7における各層は、模式化して平面を有する簡易な構造として表現している。
磁気メモリ素子201は、(1)金属層72を近接場光の発生のための層(遮光層)だけでなく、電極層としての役目も併せ持つようにして、電極層をなくした点、(2)孔14の代わりに、孔74が金属層72からキャップ層68の上面にかけて一貫して形成されている点が、第1実施形態における磁気メモリ素子101と異なる。磁気メモリ素子201は、第1実施形態と同様の方法で作成できる。
本実施形態において、孔74は、金属層72からキャップ層68の上面にかけて一貫して形成されているが、その一変形例として、以下のものがある。近接場光を発生させるための孔が金属層72に設けられていて、圧電層71からキャップ層68の上面までの間のいずれかの層に不透明材料が使用されている場合は、キャップ層68に最も近接している不透明材料を使用している層の下面まで、金属層72に設けられた孔を延設するものであってもよい。
上記構成によれば、第1実施形態に係る磁気記録再生装置1000と同様の作用・効果を奏する。また、金属層72が圧電層71に電界を印加するために用いられる電極層を兼ねているので、構造が簡単でさらなる小型化、および低コストの磁気記録再生装置2000を実現できる。
<第2実施形態の変形例1>
次に、本発明の第2実施形態の変形例1に係る磁気記録再生装置について説明する。図9は、本発明の第2実施形態の変形例1に係る磁気記録再生装置で用いられている磁気メモリ素子を示す断面図である。
本変形例における磁気記録再生装置においては、図示しないが、第2実施形態における磁気記録再生装置2000とほぼ同構成であり、磁気メモリ素子202を有する磁気メモリと光源とを備えている。ただし、磁気メモリ202の構成において、第2実施形態における磁気メモリ素子201と異なる点がある。具体的には、磁気メモリ素子202は、(1)カバー層89がキャップ層88の上面を覆わずに側面を覆うようにした点、(2)電極層90をキャップ層88上面に直接積層した点が、第2実施形態における磁気メモリ素子201と異なる。磁気メモリ素子202は、第1実施形態と同様の方法で作成できる。なお、上記変形点(1)(2)は、第1実施形態及び第1実施形態の変形例1、2にも適用できる。
上記構成によれば、第2実施形態に係る磁気記録再生装置2000と同様の作用・効果を奏する。また、第1、第2実施形態及び第1実施形態の変形例1、2に係る磁気記録再生装置に比べて、磁界を発生させる電極層90が自由磁性層86に近設されているので、自由磁性層86にかかる磁界を強くできる。その結果として、確実かつ容易に、磁気抵抗効果セル87への磁化情報の書き込みができる。
<第2実施形態の変形例2>
次に、本発明の第2実施形態の変形例2に係る磁気記録再生装置について説明する。図10は、本発明の第2実施形態の変形例2に係る磁気記録再生装置で用いられている磁気メモリ素子を示す断面図である。
本変形例における磁気記録再生装置においては、図示しないが、第2実施形態における磁気記録再生装置2000とほぼ同構成であり、磁気メモリ素子203を有する磁気メモリと光源とを備えている。ただし、磁気メモリ203の構成において、第2実施形態における磁気メモリ素子201と異なる点がある。
具体的には、磁気メモリ素子203は、(1)電極層120がキャップ層118の上面を覆わずに側面を覆うようにした点、(2)圧電層121をキャップ層118の上面に直接積層した点が、第2実施形態における磁気メモリ素子201と異なる。磁気メモリ素子202は、第1実施形態と同様の方法で作成できる。なお、上記変形点(1)(2)は、第1実施形態及び第1実施形態の変形例1、2にも適用できる。
上記構成によれば、第2実施形態に係る磁気記録再生装置2000と同様の作用・効果を奏する。また、第1、第2実施形態、第1実施形態の変形例1、2及び第2実施形態の変形例1に係る磁気記録再生装置に比べて、磁界を発生させる電極層120が自由磁性層116に近設されているので、自由磁性層116にかかる磁界をさらに強くできる。その結果として、さらに確実かつ容易に、磁気抵抗効果セル117への磁化情報の書き込みができる。
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の各実施形態の圧電層には、電圧をかけると縮む圧電材料を用いたが、電圧をかけると伸びるチタン酸ジルコン酸鉛や、チタン酸バリウムなどの材料を用いてもよく、その場合、記録しないときは電圧を印加したままとし、記録するときには電圧を印加しなければよい。
また、上記各実施形態や各変形例において、近接場光を発生させるための孔の径は軸方向に沿って一定である必要はない。例えば、この孔がすり鉢形状になっていてもよく、この場合、自由磁性層に近くなるにつれ、孔の径が狭くなるのが望ましい。
また、上記各実施形態や各変形例において、例えば、異なる層に異なる径の孔が短絡されるように形成されていてもよい。具体的に説明すると、第1実施形態においては、金属層12または第3の電極層13の径が、自由磁性層6の層面方向に関する長さよりも小さければよい。また、第1実施形態の変形例や、第2実施形態及びその変形例1、2においては、金属層の径が、自由磁性層の層面方向に関する長さよりも小さければよい。
また、第1実施形態において、金属層12と電極層13とは上下逆でもよいし、電極層10を自由磁性層6と電気的に接続しなくてもよい。
さらに、第1実施形態及びその変形例において、金属層に代えて非金属の遮光膜を形成してもよい。
また、第1、第2実施形態及び第1実施形態の変形例において、電極層を省略してもよいが、この場合、キャップ層及び/又はカバー層も省略してよい。
また、上記各実施形態及び各変形例において、自由磁性層、絶縁層、固定磁性層がそれぞれ複数層からなるものであってもよい。
本発明の第1実施形態に係る磁気記録再生装置を示す斜視図である。 図1の磁気記録再生装置に用いられている磁気メモリ素子を示す模式断面図である。 図2の磁気メモリ素子の製造方法における一工程を示す断面図である。 図2の磁気メモリ素子の製造方法における一工程を示す断面図であって、図3より後の工程のものである。 本発明の第1実施形態の変形例1に係る磁気記録再生装置に用いられている磁気メモリ素子を示す模式断面図である。 本発明の第1実施形態の変形例2に係る磁気記録再生装置に用いられている磁気メモリ素子を示す模式断面図である。 本発明の第2実施形態に係る磁気記録再生装置を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る磁気記録再生装置に用いられている磁気メモリ素子を示す模式断面図である。 本発明の第2実施形態の変形例1に係る磁気記録再生装置に用いられている磁気メモリ素子を示す模式断面図である。 本発明の第2実施形態の変形例2に係る磁気記録再生装置に用いられている磁気メモリ素子を示す模式断面図である。 従来のMRAMの主要部分の模式構成を示す斜視図である。
符号の説明
1、21、41、61、81、301 基板
1a、9a、14、34、54、74、84 孔
2、10、13、22、30、42、50、62、70、82、90、120、302、310 電極層
3、23、43、63、83、113、303 ピン層
4、24、44、64、84、114、304 固定磁性層
5、25、45、65、85、115、305 絶縁層
6、26、46、66、86、116、306 自由磁性層
7、27、47、67、87、117、307 磁気抵抗効果セル
8、28、48、68、88、118 キャップ層
9、29、49、69、89、119 カバー層
11、31、51、71、91、121 圧電層
12、32、52、72、92、122 金属層
15、35、55、75、95、125 入射光
16、36 光源
100、200、300 磁気メモリ
101、102、103、201、202、203 磁気メモリ素子
1000、2000 磁気記録再生装置

Claims (9)

  1. 磁化方向が固定された固定磁化層、磁化方向が可変である自由磁化層、及び、前記固定磁化層と前記自由磁化層とに挟まれた絶縁層を有する磁気抵抗効果セルと、
    前記固定磁化層との間で前記自由磁化層を挟む位置に形成され、光を透過できる部分を有する圧電層と、
    前記自由磁化層との間で前記圧電層を挟む位置に形成された遮光層と、
    前記圧電層との間で前記磁気抵抗効果セルを挟む位置に形成された第1の電極層と、
    前記圧電層と前記磁気抵抗効果セルとの間に形成され、前記自由磁化層と電気的に接続されている透明な第2の電極層と、
    前記第2の電極層との間で前記圧電層を挟む位置に形成された第3の電極層とを備えており、
    前記遮光層および前記第3の電極層には層厚方向に貫通した孔が設けられていると共に、
    前記孔の幅が、前記自由磁化層の層面方向に関する長さよりも小さいことを特徴とする磁気メモリ素子。
  2. 磁化方向が固定された固定磁化層、磁化方向が可変である自由磁化層、及び、前記固定磁化層と前記自由磁化層とに挟まれた絶縁層を有する磁気抵抗効果セルと、
    前記固定磁化層との間で前記自由磁化層を挟む位置に形成され、光を透過できる部分を有する圧電層と、
    前記自由磁化層との間で前記圧電層を挟む位置に形成された遮光層と、
    前記圧電層との間で前記磁気抵抗効果セルを挟む位置に形成された第1の電極層と、
    前記圧電層と前記磁気抵抗効果セルとの間に形成され、前記自由磁化層と電気的に接続されている透明な第2の電極層と、
    前記第2の電極層との間で前記圧電層を挟む位置に形成された透明な第3の電極層とを備えており、
    前記遮光層には層厚方向に貫通した孔が設けられていると共に、
    前記孔の幅が、前記自由磁化層の層面方向に関する長さよりも小さいことを特徴とする磁気メモリ素子。
  3. 前記遮光層が、導電性材料からなるとともに、前記第3の電極と前記圧電層との間に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気メモリ素子。
  4. 磁化方向が固定された固定磁化層、磁化方向が可変である自由磁化層、及び、前記固定磁化層と前記自由磁化層とに挟まれた絶縁層を有する磁気抵抗効果セルと、
    前記固定磁化層との間で前記自由磁化層を挟む位置に形成され、光を透過できる部分を有する圧電層と、
    前記自由磁化層との間で前記圧電層を挟む位置に形成された導電性材料からなる遮光層と、
    前記圧電層との間で前記磁気抵抗効果セルを挟む位置に形成された第1の電極層と、
    前記圧電層と前記磁気抵抗効果セルとの間に形成された前記自由磁化層と電気的に接続されている透明な第2の電極層とを備えており、
    前記遮光層には層厚方向に貫通した孔が設けられていると共に、
    前記孔の幅が、前記自由磁化層の層面方向に関する長さよりも小さいことを特徴とする磁気メモリ素子。
  5. 前記圧電層には、前記遮光層の孔と対応する位置に孔が設けられ、前記圧電層と前記自由磁化層との間には、透明材料からなる1つ以上の層が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気メモリ素子。
  6. 前記圧電層には、前記遮光層の孔と対応する位置に孔が設けられ、
    前記圧電層と前記自由磁化層との間に複数の層が形成されており、
    前記複数の層が、前記圧電層の孔と対応する位置に孔を有する一又は複数の有孔層、及び、透明材料からなる一又は複数の透明層からなり、
    前記一又は複数の有孔層が互いに隣接していると共に、最も外側の前記有孔層が前記圧電層に隣接していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気メモリ素子。
  7. 請求項1又は2に記載の複数の磁気メモリ素子が二次元的に配列されており、
    前記複数の磁気メモリ素子のうち一方向に配列された2以上の前記磁気メモリ素子に係る複数の前記第1の電極層が電気的に短絡されており、
    前記複数の磁気メモリ素子のうち前記一方向と交差する方向に配列された2以上の前記磁気メモリ素子に係る複数の前記第2の電極層が電気的に短絡されており、
    前記複数の磁気メモリ素子のうち前記第1の電極層が接続された方向に配列された2以上の前記磁気メモリ素子に係る複数の前記第3の電極層が電気的に短絡されていることを特徴とする磁気メモリ。
  8. 請求項4に記載の複数の磁気メモリ素子が二次元的に配列されており、
    前記複数の磁気メモリ素子のうち一方向に配列された2以上の前記磁気メモリ素子に係る複数の前記第1の電極層が電気的に短絡されており、
    前記複数の磁気メモリ素子のうち前記一方向と交差する方向に配列された2以上の前記磁気メモリ素子に係る複数の前記第2の電極層が電気的に短絡されており、
    前記複数の磁気メモリ素子のうち前記第1の電極層が接続された方向に配列された2以上の前記磁気メモリ素子に係る複数の前記遮光層が電気的に短絡されていることを特徴とする磁気メモリ。
  9. 請求項7又は8に記載の磁気メモリと、
    前記遮光層に形成された前記孔に向けて光を照射する光照射手段とを備えていることを特徴とする磁気記録再生装置。
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