JP2007324171A - 磁気メモリ装置及びその製造方法 - Google Patents

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隆弘 指宿
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Abstract

【課題】記憶容量が大きく、しかも耐熱性に優れる磁気メモリ装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】磁壁30の移動を規制する規制領域32が所定の間隔で形成され、規制領域間の領域が記録ビット34となる線状の記録層22を有し、記録層22に一軸磁気異方性を付与する手段24を有している。記録層に対して一軸磁気異方性を付与する手段を有しているため、十分な一軸磁気異方性を記録層において得ることができる。このため、記録層の幅Dを比較的狭くした場合であっても、耐熱性の高い磁気メモリ装置を提供することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気メモリ装置及びその製造方法に係り、特に線状の記録層を有する磁気メモリ装置及びその製造方法に関する。
近年、書き換え可能な不揮発性メモリとして、磁気抵抗効果素子をマトリクス状に配列した磁気ランダムアクセスメモリ(以下、MRAM:Magnetic Random Access Memoryという)が注目されている。MRAMは、2つの磁性層における磁化方向の組み合わせを利用して情報を記憶し、これら磁性層間の磁化方向が平行である場合と反平行である場合とにおける抵抗変化(すなわち電流或いは電圧の変化)を検知することによって記憶情報の読み出しを行うものである。
MRAMを構成する磁気抵抗効果素子としては、GMR(Giant MagnetoResistive)素子やTMR(Tunneling MagnetoResistive)素子が知られている。なかでも、大きな抵抗変化が得られるTMR素子が、MRAMに用いる磁気抵抗効果素子として注目されている。TMR素子は、2つの強磁性層がトンネル絶縁膜を介して積層されたものであり、2つの強磁性層の磁化方向の関係に基づいてトンネル絶縁膜を介して磁性層間を流れるトンネル電流が変化する現象を利用したものである。すなわち、TMR素子は、2つの強磁性層の磁化方向が平行のときに低い素子抵抗を有し、反平行のときには高い素子抵抗を有する。この2つの状態をデータ“0”及びデータ“1”に関連づけることにより、記憶素子として用いることができる。
特開2000−215431号公報 特開2000−285452号公報 Kenji Noma et al., "Effects of underlayer on one-directional anisotropy in spin-valve films without any antiferromagnetic layers", Journal of Applied Physics, Volume 95, Number 11, June 1, 2004, pp. 6669-6671 A. Himeno et al., "Dynamics of a magnetic domain wall in magnetic wires with an artificial neck", Journal of Applied Physics, Vol. 93, No. 10, pp. 8430-8432 (2003) 角田匡清等, 「強磁性/反強磁性積層膜の交換磁気異方性−反強磁性層の磁気異方性とその役割−」, 日本応用磁気学会会誌, Vol. 28, No. 2, 2004, pp. 55-65
しかしながら、従来の磁気メモリ装置は、記憶容量が必ずしも十分に大きくなかった。記憶容量の向上を図るためには、微細化・高集積化を行うことが考えられるが、単に微細化等を図った場合には、磁性層に書き込まれた情報が熱揺らぎ等により消失してしまう虞がある。
本発明の目的は、記憶容量が大きく、しかも耐熱性に優れる磁気メモリ装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明の一観点によれば、磁壁の移動を規制する規制領域が所定の間隔で形成され、前記規制領域間の領域が記録ビットとなる線状の記録層を有し、前記記録層に一軸磁気異方性を付与する手段を有することを特徴とする磁気メモリ装置が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、強磁性層と、前記強磁性層の一方の面に形成された反強磁性層とを有する記録層を形成する工程と、前記記録層を所定の間隔で加熱あるいは改質することにより、磁壁の移動を規制する規制領域を前記記録層に形成する工程とを有することを特徴とする磁気メモリ装置の製造方法が提供される。
また、本発明の更に他の観点によれば、記録層を加熱するための加熱用配線を所定の間隔で形成する工程と、強磁性層と、前記強磁性層の一方の面に形成された反強磁性層とを有する前記記録層を前記加熱用配線に交差するように形成する工程と、前記加熱用配線を用いて前記記録層を加熱することにより、磁壁の移動を規制する規制領域を前記記録層に形成する工程とを有することを特徴とする磁気メモリ装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、記録層に対して一軸磁気異方性を付与する手段を有しているため、十分な一軸磁気異方性を記録層において得ることができる。このため、本発明によれば、記録層の幅を比較的狭くした場合であっても、耐熱性の高い磁気メモリ装置を提供することができる。
また、本発明によれば、Ta、Zr、Ti、Hf、Wのいずれかより成る下地層と、かかる下地層上に形成された強磁性層とにより記録層が構成されているため、十分な一軸磁気異方性を記録層において得ることができる。このため、本発明によれば、記録層の幅を比較的狭くした場合であっても、耐熱性の高い磁気メモリ装置を提供することができる。
また、本発明によれば、記録層が、強磁性層と、強磁性層の一方の面に形成された反強磁性層とを有しているため、反強磁性層と強磁性層との交換結合により、十分な一軸磁気異方性を記録層において得ることができる。このため、本発明によれば、記録層の幅を比較的狭く設定した場合であっても、耐熱性の高い磁気メモリ装置を提供することができる。
また、本発明によれば、記録層において十分な一軸磁気異方性が得られるため、記録ビットの長さを短くすることが可能である。このため、本発明によれば、記録層における記録密度を十分に高くすることができ、記憶容量の高い磁気メモリ装置を提供することが可能となる。
図20は、提案されている磁気メモリ装置を示す概念図である。
図20に示すように、情報を記録するための記録層122が線状に形成されている。記録層122の材料としては強磁性体が用いられている。線状の記録層122には、磁壁30の移動を規制する規制領域(ピニングサイト、Pinning site)132が所定の間隔で形成されている。かかる規制領域132は、記録層122の側部に形成された切り欠き(ノッチ)128により形成されている。記録層122に形成された規制領域132により、各々の記録ビット134が画定されている。図20における矢印は、記録ビット134の磁化方向を示している。互いに隣接する記録ビット134の磁化方向が反対方向を向いている場合には、これらの記録ビット134の間には磁壁130が存在する。なお、互いに隣接する記録ビット134の磁化方向が同じ方向である場合には、これらの記録ビット134の間には磁壁130は存在しない。磁壁130を介して磁化方向が反対方向を向くことは、強磁性体の一般的な性質である。
多数の記録ビット134のうちの一の記録ビット134には、バリア層136を介して固定磁化層138aが形成されている。これらバリア層136及び固定磁化層138aにより書き込み素子102が構成されている。書き込み素子102には電極156aが接続されている。
また、多数の記録ビット134のうちの他の記録ビット134には、バリア層136を介して固定磁化層138bが形成されている。これらバリア層136及び固定磁化層138bにより読み出し素子104が構成されている。読み出し素子104には電極156bが接続されている。
このような提案されている磁気メモリ装置においては、記録層122の長手方向に電流を流した際に生ずるスピントルクにより、磁壁130を適宜移動させることが可能である。そして、磁壁130を適宜移動させつつ、記録ビット134に記録された情報を読み出し、また、記録ビット134に情報を書き込むことが可能である。
しかしながら、提案されている磁気メモリ装置では、記録層122の幅Dが0.2μm程度と比較的広かった。このような比較的幅Dの広い記録層122においては、磁壁長(記録層122の長手方向における磁壁130の厚さ)は0.1μm程度と比較的長くなる。磁壁長が例えば0.1μm程度の場合には、1つの記録ビット34の長さLは0.4μm程度となる。1つの記録ビット34の長さLが0.4μm程度の場合には、記録層122の長さを100μm程度とすると、1つの記録層122に250ビットの情報しか記録することができない。ここで、記録層122の幅Dを狭く設定することにより、磁壁長を短くし、これにより記録層122における記憶容量を向上することが考えられる。しかしながら、記録層122の幅Dを単に狭く設定した場合には、記録ビット134に記録された情報が熱揺らぎにより消失してしまう虞がある。
本願発明者らは鋭意検討した結果、以下のように磁気メモリ装置を構成することにより、記憶容量が大きく、しかも耐熱性に優れる磁気メモリ装置及びその製造方法を提供し得ることに想到した。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置及びその製造方法を図1乃至図8を用いて説明する。図1は、本実施形態による磁気メモリ装置の一部を示す斜視図である。図2は、本実施形態による磁気メモリ装置を示す断面図である。
なお、本実施形態による磁気メモリ装置の記録層22は数百個〜数千個の記録ビット34を有するように構成することが可能であるが、図1においてはこれら多数の記録ビット34のうちの一部のみを示している。また、書き込み素子(書き込み手段)2とコンタクトプラグ54との間、及び読み出し素子(読み出し手段)4とコンタクトプラグ54との間には、記録層22に数百個〜数千個の記録ビット34が形成されているが、図2においては図示を省略している。
(磁気メモリ装置)
図1及び図2に示すように、シリコン基板10上には、層間絶縁膜12が形成されている。なお、シリコン基板10上には、図示しないトランジスタ等が適宜形成されている。
層間絶縁膜12上には、層間絶縁膜14が形成されている。
層間絶縁膜14には、溝16a、16bが形成されている。溝16a、16b内には、書き込み素子2の下部電極18aと、読み出し素子4の下部電極18bとが埋め込まれている。下部電極18a、18bは、シリコン基板10上に形成されたトランジスタ(図示せず)等に適宜電気的に接続されている。
下部電極18a、18bが埋め込まれた層間絶縁膜14上には、細線状(帯状)の記録層22が形成されている。記録層22は、Taより成る下地層24と、下地層上に形成されたCoFeBより成る強磁性層26とにより構成されている。
本実施形態において強磁性層26の下にTaより成る下地層24を形成しているのは、強磁性層26の下にTaより成る下地層24を形成すると、記録層22において十分に大きい一軸磁気異方性を得ることができるためである(非特許文献1参照)。
図3は、下地層と強磁性層とから成る積層膜の磁化曲線を示すグラフである。なお、図3は、非特許文献1に記載されている。図3における(a)は下地層の材料としてTaを用いた場合を示している。図3における(b)は、下地層の材料としてNiCrを用いた場合を示している。図3における(c)は、下地層の材料としてCuを用いた場合を示している。いずれの場合にも、強磁性層の材料としてはCoFeが用いられている。図3における横軸は磁場Hを示しており、縦軸は磁化Bを示している。
図3から分かるように、(b)の場合、即ち、下地層の材料としてNiCrを用いた場合には、保磁力Hの大きさは8.6kA/mと比較的小さい。
また、(c)の場合、即ち、下地層の材料としてCuを用いた場合には、保磁力Hの大きさは1.4kA/mと比較的小さい。
これに対し、(a)の場合、即ち、下地層の材料としてTaを用いた場合には、保磁力Hの大きさは37kA/mと極めて大きい。
これらのことから、下地層24の材料としてTaを用い、かかる下地層24上に強磁性層26を形成した場合には、極めて大きい保磁力を記録層22において得ることができる。このことは、下地層の材料としてTaを用いれば、記録層22において極めて大きい一軸磁気異方性が得られることを意味する。
非特許文献2に記載された内容に基づいて本願発明者らが鋭意検討したところ、記録層の幅Dを0.1μm程度まで狭くする場合において十分な耐熱性を得るためには、5×10erg/cc以上の一軸磁気異方性を記録層において得ることが必要であることが分かった。
一方、強磁性層26の下に形成する下地層24の材料としてTaを用いれば、5×10erg/cc以上の一軸磁気異方性が記録層22において得られる。
従って、本実施形態によれば、記録層22の幅Dを0.1μm程度まで狭くする場合であっても十分な耐熱性が得られる磁気メモリ装置を提供することが可能である。
Taより成る下地層24の膜厚は、例えば2nm以上とする。Taより成る下地層24の膜厚を2nm以上とするのは、Taより成る下地層24の膜厚が過度に薄い場合には、十分な一軸磁気異方性が記録層22において得られないためである。
CoFeBより成る強磁性層26の膜厚は、例えば2nmとする。
記録層22の幅Dは、例えば0.1μm程度とする。
記録層22の側壁部分には、所定の間隔で切り欠き(ノッチ)28が形成されている。切り欠き28の形状は、例えばくさび形とする。切り欠き28は、記録層22の両側の側壁部分に形成されている。
切り欠き28が形成された箇所においては、記録層22の断面積が小さくなっている。記録層22のうちの断面積が小さい箇所は、記録層22のうちの断面積が大きい箇所と比較して、エネルギー的に安定している。このため、切り欠き28により記録層22の断面積が小さくなっている箇所には、磁壁30をトラップさせることが可能となる。このため、記録層22のうちの切り欠き28が形成されている箇所は、磁壁30の移動を規制する規制領域(ピニングサイト)32として機能する。
規制領域32にトラップされた磁壁30は、記録層22の長手方向に電流を流した際に生ずるスピントルクにより、適宜移動させることが可能である。
記録層22の各々の記録ビット34は、規制領域32により画定される。このため、1つの記録ビット34の長さLは、規制領域32の間隔と等しい。規制領域32の間隔L、即ち、1つの記録ビット34の長さLは、例えば0.1μm程度とする。
図20に示す提案されている磁気メモリ装置では、記録層122の幅Dに対する記録ビット134の長さLの比(L/D)を十分に大きく設定することにより、記録層122における一軸磁気異方性を実現し(形状磁気異方性)、これにより熱揺らぎに対する耐性を確保していた。具体的には、提案されている磁気メモリ装置では、記録層122の幅Dに対する記録ビット134の長さLの比(L/D)を2より大きく設定していた。
ところで、記録層における記録密度の更なる向上を実現するためには、記録ビットの長さLをできるだけ短く設定することが好ましい。
本実施形態では、Taより成る下地層24が強磁性層26の下に設けられているため、十分に大きい一軸磁気異方性が記録層22において得られる。このため、記録ビット34の幅Dに対する記録ビット34の長さLの比(L/D)を2以下に設定した場合であっても、記録層22において十分な一軸磁気異方性を実現することが可能である。但し、記録ビット34の幅Dに対する記録ビット34の長さLの比(L/D)が過度に小さい場合には、必ずしも十分な一軸磁気異方性が記録ビット34において得られるとは限らない。従って、本実施形態では、記録ビット34の幅Dに対する記録ビット34の長さLの比(L/D)を0.5〜2に設定する。
規制領域32にトラップされた磁壁30は、記録層22の長手方向に電流を流した際に生ずるスピントルクにより、適宜移動させることが可能であるが、磁壁30を移動させる際の消費電流は、できるだけ低く抑えることが好ましい。本実施形態のように記録層22を下地層24と強磁性層26とにより構成する場合には、磁壁30を移動させるための電流を記録層22に流した際には、強磁性層26のみならず、下地層24にも電流が流れる。磁壁30を移動させるためには、主として強磁性層26に十分な電流を流す必要がある。このため、本実施形態では、下地層24の電気抵抗を強磁性層26の電気抵抗の5倍以上に設定することが好ましい。
下部電極18a、18bの上方における記録層22上には、MgOより成るバリア層36を介して、積層フェリ構造を有する固定磁化層38a、38bが形成されている。固定磁化層38a、38bは、CoFeBより成る強磁性層40と、Ruより成る非磁性層42と、CoFeより成る強磁性層44と、PtMnより成る反強磁性層46とを、順次積層して成る積層膜により構成されている。
固定磁化層38上には、Taより成る接続電極48a、48bが形成されている。
記録層22、固定磁化層38a、38b及び接続電極48a、48bが形成された層間絶縁膜14上には、接続電極48a、48bの上面が露出するように層間絶縁膜50が埋め込まれている。
層間絶縁膜50には、記録層22の両端に達するコンタクトホール52がそれぞれ形成されている。
コンタクトホール52内には、コンタクトプラグ54が埋め込まれている。
コンタクトプラグ54等が埋め込まれた層間絶縁膜50上には、書き込み素子2の上部電極56a、読み出し素子4の上部電極56b及び配線56c、56d形成されている。
下部電極16a、バリア層36、固定磁化層38a、接続電極48a及び上部電極56aにより、記録層22の記録ビット34に情報を書き込むための書き込み素子2が構成されている。
下部電極16b、バリア層36、固定磁化層38b、接続電極48b及び上部電極56bにより、記録層22の記録ビット34に記録された情報を読み出すための読み出し素子4が構成されている。
配線56c、56dは、コンタクトプラグ54を介して、記録層22の端部にそれぞれ電気的に接続されている。
上部電極56a、56b及び配線56c、56dが形成された層間絶縁膜50上には、上部電極56a、56b及び配線56c、56dを埋め込むように層間絶縁膜58が形成されている。
こうして本実施形態による磁気メモリ装置が構成されている。
(動作原理)
次に、本実施形態による磁気メモリ装置の動作原理について図1及び図2を用いて説明する。
まず、記録層22の記録ビット34への情報の書き込み方法について説明する。なお、図1における太い矢印の方向は、磁化方向を示している。
記録層22の記録ビット34への情報の書き込みは、記録層22の記録ビット34の磁化方向を、固定磁化層38aの磁化方向と同じ方向(平行)又は固定磁化層38aの磁化方向とは反対方向(反平行)に設定することにより行う。
記録層22の記録ビット34の磁化方向を反平行から平行に反転させる場合には、上部電極56aの電位に対して下部電極18aの電位を高く設定する。そうすると、膜面に垂直に記録層22側から固定磁化層38a側へ電流が流れ、スピン偏極した伝導電子が固定磁化層38aから記録層22に流れ込み、記録層38aの電子と交換相互作用をする。この結果、電子間にはトルクが発生し、このトルクが十分に大きいと記録層22の記録ビット34の磁化方向が反平行から平行に反転する。
一方、記録層22の記録ビット34の磁化方向を平行から反平行に反転させる場合には、下部電極18aの電位に対して上部電極56aの電位を高く設定する。そうすると、上記とは逆の作用により、記録層22の記録ビット34の磁化方向が平行から反平行に反転する。
互いに隣接する記録ビット34の磁化方向が反対方向を向いている場合には、これらの記録ビット34の間には磁壁30が存在する。一方、互いに隣接する記録ビット34の磁化方向が同じ方向である場合には、これらの記録ビットの間には磁壁30は存在しない。なお、磁壁30を介して磁化方向が反対方向を向くことは、強磁性体の一般的な性質である。
本実施形態による磁気メモリ装置では、記録層22の長手方向に電流を流す際に生ずるスピントルクにより、磁壁30を適宜移動させることが可能であり、これに伴って、記録ビット34に書き込まれた情報を適宜シフトさせることができる。書き込み素子2により直接情報が書き込まれる記録ビット34は1つのみであるが、磁壁30を移動させることにより記録ビット34に書き込まれた情報をシフトさせることができるため、各々の記録ビット34に情報を書き込むことが可能である。
即ち、記録層22の長手方向に沿って電流を流すと、電子スピンの流れる方向に磁壁30が移動する。例えば、図1において右向きに電流を流すと、電子スピンは左向きに流れ、磁壁30は左側に移動する。また、図1において左向きに電流を流すと、電子スピンは右向きに流れ、磁壁30は右側に移動する。磁壁30の移動に伴って、磁壁30により画定されている磁区が移動する。換言すれば、磁壁30の移動に伴って、記録ビット34に書き込まれている情報がシフトする。記録ビット34に書き込まれている情報を適宜シフトさせつつ記録ビット34への情報の書き込むことにより、各々の記録ビット34に情報を書き込むことが可能である。
次に、記録層22の記録ビット34に書き込まれた情報の読み出し方法について説明する。
固定磁化層38bの磁化方向と固定磁化層38bに対向する記録ビット34の磁化方向とが反対方向(反平行)の場合には、下部電極18bと上部電極56bとの間は高抵抗状態となる。一方、固定磁化層38bの磁化方向と固定磁化層38bに対向する記録ビット34の磁化方向とが同じ方向(平行)の場合には、下部電極18bと上部電極56bとの間は低抵抗状態となる。高抵抗状態と低抵抗状態の2つの状態は、データ“0”又はデータ“1”に関連づけられている。高抵抗状態と低抵抗状態の2つの状態が、データ“0”又はデータ“1”に関連づけられているため、記録層22の記録ビット34に書き込まれた情報を判定することができる。
このように、本実施形態によれば、Taより成る下地層24と、かかる下地層24上に形成された強磁性層26とにより記録層22が構成されているため、十分な一軸磁気異方性を記録層22において得ることができる。換言すれば、本実施形態による磁気メモリ装置は、記録層22に対して一軸磁気異方性を付与する手段を有しているため、十分な一軸磁気異方性を記録層22において得ることができる。このため、本実施形態によれば、記録層22の幅Dを比較的狭くした場合であっても、耐熱性の高い磁気メモリ装置を提供することができる。
しかも、本実施形態によれば、記録層22において十分な一軸磁気異方性が得られるため、記録ビット34の長さLを短くすることが可能である。このため、本実施形態によれば、記録層22における記録密度を十分に高くすることができ、記憶容量の高い磁気メモリ装置を提供することが可能となる。
(磁気メモリ装置の製造方法)
次に、本実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を図4乃至図8を用いて説明する。図4乃至図8は、本実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、トランジスタ(図示せず)等が形成されたシリコン基板10上に、例えばCVD法により、シリコン酸化膜より成る層間絶縁膜12を形成する。
次に、層間絶縁膜12上に、例えばCVD法により、膜厚200nmのシリコン酸化膜より成る層間絶縁膜14を形成する(図4(a)参照)。
次に、図4(b)に示すように、層間絶縁膜14に溝16a、16bを形成する。かかる溝16a、16bは、書き込み素子2の下部電極18a及び読み出し素子4の下部電極18bを埋め込むためのものである。
次に、例えばスパッタリング法により、膜厚400nmのCu膜を形成する。
次に、CMP法により、層間絶縁膜14の表面が露出するまでCu膜を研磨する。こうして、溝16a、16b内に、Cuより成る下部電極18a、18bが形成される(図4(c)参照)。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、膜厚2nmのTa膜を形成する。Ta膜は、記録層22の下地層24となるものである。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、膜厚2nmのCoFeB膜を形成する。CoFeB膜は、記録層22の強磁性層26となるものである。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、膜厚1nmのMgO膜を形成する。MgO膜は、バリア層(トンネル絶縁膜)36となるものである。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、CoFeB膜40、Ru膜42、CoFe膜44及びPtMn膜46を順次形成する。CoFeB膜40の膜厚は、例えば2.3nm程度とする。Ru膜42の膜厚は、例えば0.8nm程度とする。CoFe膜44の膜厚は、例えば1.7nm程度とする。PtMn膜46の膜厚は、例えば20nm程度とする。CoFeB膜40、Ru膜42及びCoFe膜44より成る積層膜は、固定磁化層38a、38bとなるものである。PtMn膜46は、固定磁化層38a、38bの一部を構成する反強磁性層となるものである。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、膜厚50nmのTa膜48を形成する。Ta膜は、接続電極48a、48bとなるものである(図5(a)参照)。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜を記録層22の平面形状にパターニングする。磁壁30を規制するための規制領域32を切り欠き28により形成する場合には、切り欠き28が形成されるような平面形状にフォトレジスト膜をパターニングする。
次に、フォトレジスト膜をマスクとして、イオンミリング又はRIE(Reactive Ion Etching、反応性イオンエッチング)により、Ta膜48、PtMn膜46、CoFe膜44、Ru膜42、CoFeB膜40、MgO膜36、CoFeB膜26及びTa膜24をパターニングする(図5(b)参照)。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜を書き込み素子2の平面形状及び読み出し素子4の平面形状にパターニングする。書き込み素子2及び読み出し素子4のそれぞれの寸法は、例えば30nm×90nmとする。
次に、フォトレジスト膜をマスクとして、Ta膜48、PtMn膜46、CoFe膜44、Ru膜42、CoFeB膜40、MgO膜36をエッチングする。この際、記録層22を過度にエッチングしてしまうことがないよう、エッチングの終点を制御する。こうして、MgOより成るバリア層36が形成される。また、CoFeB膜、Ru膜、CoFe膜及びPtMn膜より成る固定磁化層38a、38bが形成される。また、Ta膜より成る接続電極48a、48bが形成される(図6(a)参照)。
次に、例えばCVD法により、膜厚200nmのシリコン酸化膜より成る層間絶縁膜50を形成する。
次に、例えばCMP法により、接続電極48a、48bの表面が露出するまで層間絶縁膜50を研磨する(図6(b)参照)。
次に、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、記録層22のそれぞれの端部に達するコンタクトホール52を、層間絶縁膜50に形成する(図7(a)参照)。
次に、例えばCVD法により、窒化チタンより成るバリアメタル膜を形成する。
次に、例えばCVD法により、タングステン膜を形成する。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜50の表面が露出するまで、タングステン膜及びバリアメタル膜を研磨する。こうして、コンタクトホール52内にコンタクトプラグ54が埋め込まれる(図7(b)参照)。
次に、例えばめっき法により、膜厚200nmのCu膜を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、Cu膜をパターニングする。これにより、Cuより成る上部電極56a、56b、及びCuより成る配線56c、56dが形成される。
次に、上部電極56a、56b及び配線56c、56dを覆うように層間絶縁膜58を形成する。
こうして本実施形態による磁気メモリ装置が製造される(図8参照)。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による磁気メモリ装置及びその製造方法を図9乃至図16を用いて説明する。図9は、本実施形態による磁気メモリ装置の一部を示す斜視図である。図10は、本実施形態による磁気メモリ装置を示す断面図である。
なお、本実施形態による磁気メモリ装置の記録層22aは数百個〜数千個の記録ビット34を有するように構成することが可能であるが、図9においてはこれら多数の記録ビット34のうちの一部のみを示している。また、書き込み素子2とコンタクトプラグ54との間、及び読み出し素子4とコンタクトプラグ54との間には、記録層22aに数百個〜数千個の記録ビット34が形成されているが、図10においては図示を省略している。
図1乃至図8に示す第1実施形態による磁気メモリ装置及びその製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
(磁気メモリ装置)
本実施形態による磁気メモリ装置は、線状の記録層22aが、反強磁性層62と、反強磁性層62上に形成された強磁性層26を有していることに主な特徴がある。
図9及び図10に示すように、本実施形態では、非磁性層60と反強磁性層62と強磁性層26とにより記録層22aが構成されている。より具体的には、Ruより成る非磁性層60と、IrMnより成る反強磁性層62と、CoFeBより成る強磁性層26とにより記録層22aが構成されている。Ruより成る非磁性層60は、IrMnより成る反強磁性層62の結晶性を高めるためのシード層として機能するものである。
なお、ここでは、シード層60の材料としてRuを用いる場合を例に説明したが、シード層60の材料はRuに限定されるものではない。NiCr、NiFeCr等をシード層60の材料として用いてもよい。また、Ta膜とNiFe膜との積層膜をシード層60として用いてもよい。
反強磁性層62と反強磁性層62上に形成された強磁性層26とを有する記録層22aは、反強磁性層62の厚さを臨界膜厚(それ以上の膜厚で一方向異方性が発生する反強磁性層の厚さ)より薄く設定することにより、十分に大きな一軸磁気異方性を得ることが可能である。ここで、臨界膜厚とは、それ以上の膜厚で一方向異方性が発生する反強磁性層の厚さのことをいう。換言すれば、臨界膜厚とは、それ以上の膜厚で磁化曲線に交換結合磁界が発生する反強磁性層の厚さのことである。
図11は、強磁性層/反強磁性層積層膜の一方向異方性定数Jの反強磁性層厚依存性を示すグラフである。横軸は反強磁性層の厚さを示している。縦軸は、一方向異方性定数Jを示している。なお、図11は、非特許文献3に記載されている。
図11において一方向異方性定数Jが0となる反強磁性層の膜厚dAFが、反強磁性層の臨界膜厚に相当する。
図11から分かるように、IrMnの臨界膜厚は3nm程度である。このため、IrMnを反強磁性層62の材料として用いる場合には、反強磁性層62の膜厚を3nm以下に設定すればよい。ここでは、IrMnより成る反強磁性層62の厚さを例えば2nmとする。
Ru膜60の非磁性層の厚さは、例えば2nmとする。
CoFeBより成る強磁性層26の厚さは、例えば2nmとする。
本実施形態では、記録層22aが臨界膜厚以下の反強磁性層62と強磁性層26とを有しているため、反強磁性層62と強磁性層26との間の交換結合により、十分に大きな一軸磁気異方性を記録層22aにおいて得ることが可能である。具体的には、5×10erg/cc以上の一軸磁気異方性を記録層22aにおいて得ることが可能である。
上述したように、記録層22aの幅Dを0.1μm程度まで狭くする場合において十分な耐熱性を得るためには、記録層22aにおける一軸磁気異方性を5×10erg/cc以上に設定することが好ましい。
本実施形態によれば、5×10erg/cc以上の一軸磁気異方性を記録層22aにおいて得ることが可能であるため、記録層22aの幅Dを0.1μm程度まで狭くする場合であっても十分な耐熱性が得られる磁気メモリ装置を提供することが可能である。
記録層22aの幅D、即ち、記録ビット34の幅Dは、例えば0.1μm程度とする。
記録層22aの両側の側壁部分には、所定の間隔で切り欠き(ノッチ)28が形成されている。切り欠き28の形状は、例えばくさび形とする。
記録層22aのうちの切り欠き28が形成されている箇所は、磁壁30の移動を規制する規制領域32として機能する。規制領域32にトラップされた磁壁30は、記録層22aに電流を流した際に生ずるスピントルクにより、適宜移動させることが可能である。
記録層22aの各々の記録ビット34は、規制領域32により画定される。このため、1つの記録ビット34の長さLは、規制領域32の間隔と等しくなる。規制領域32の間隔L、即ち1つの記録ビット34の長さLは、例えば0.1μm程度とする。
図20に示す提案されている磁気メモリ装置では、記録層122の幅Dに対する記録ビット134の長さLの比(L/D)を十分に大きく設定することにより、記録層122における一軸磁気異方性を実現し(形状磁気異方性)、これにより熱揺らぎに対する耐性を確保していた。具体的には、提案されている磁気メモリ装置では、記録層122の幅Dに対する記録ビット134の長さLの比(L/D)を2より大きく設定していた。
ところで、記録層122における記録密度の更なる向上を実現するためには、記録ビット134の長さLをできるだけ短く設定することが好ましい。
本実施形態では、記録層22aが臨界膜厚より薄い反強磁性層62と強磁性層26とを有しているため、十分に大きい一軸磁気異方性が記録層22aにおいて得られる。具体的には、記録ビット34の幅Dに対する記録ビット34の長さLの比(L/D)を2以下に設定した場合であっても、記録層22aにおいて十分な一軸磁気異方性を得ることが可能である。但し、記録ビット34の幅Dに対する記録ビット34の長さLの比(L/D)が過度に小さい場合には、必ずしも十分な一軸磁気異方性が記録層22aにおいて得られるとは限らない。従って、記録ビット34の幅Dに対する記録ビット34の長さLの比(L/D)を0.5〜2に設定することが好ましい。
規制領域32にトラップされた磁壁30は、記録層22aに電流を流した際に生ずるスピントルクにより、適宜移動させることが可能であるが、磁壁30を移動させる際の消費電流は、できるだけ低く抑えることが好ましい。本実施形態のように記録層22aが反強磁性層62と強磁性層26とを有している場合には、磁壁30を移動させるための電流を記録層22aに流すと、強磁性層26のみならず、反強磁性層62にも電流が流れる。磁壁30を移動させるためには、主として強磁性層26に十分な電流を流せばよい。従って、消費電流を低減する観点からは、反強磁性層62の電気抵抗を強磁性層26の電気抵抗の5倍以上に設定することが好ましい。
下部電極18a、18bの上方における記録層22a上には、MgOより成るバリア層36を介して、固定磁化層38a、38bが形成されている。固定磁化層38a、38bは、CoFeB膜とRu膜とCoFe膜とPtMnとの積層膜より成る積層フェリ構造となっている。
固定磁化層38a、38b上には、Taより成る接続電極48a、48bが形成されている。
記録層22a、固定磁化層38a、38b及び接続電極48a、48bが形成された層間絶縁膜14上には、接続電極48a、48bの上面が露出するように層間絶縁膜50が埋め込まれている。
層間絶縁膜50には、記録層22aの両端にそれぞれ接続されたコンタクトプラグ54が埋め込まれている。
コンタクトプラグ54等が埋め込まれた層間絶縁膜50上には、書き込み素子2の上部電極56a、読み出し素子4の上部電極56b及び配線56c、56dが形成されている。配線56c、56dは、コンタクトプラグ54を介して記録層22に電気的に接続されている。
上部電極56a、56b及び配線56c、56dが形成された層間絶縁膜50上には、上部電極56a、56b及び配線56c、56dを埋め込むように層間絶縁膜58が形成されている。
こうして本実施形態による磁気メモリ装置が構成されている。
本実施形態によれば、記録層22aが、強磁性層26と、強磁性層26の一方の面に形成された反強磁性層62とを有しているため、反強磁性層62と強磁性層26との交換結合により、十分な一軸磁気異方性を記録層22aにおいて得ることができる。換言すれば、本実施形態による磁気メモリ装置は、記録層22aに対して一軸磁気異方性を付与する手段を有しているため、十分な一軸磁気異方性を記録層22aにおいて得ることができる。このため、本実施形態によれば、記録層22aの幅を比較的狭く設定した場合であっても、耐熱性の高い磁気メモリ装置を提供することができる。
しかも、本実施形態によれば、記録層22aにおいて十分に大きな一軸磁気異方性が得られるため、記録ビット34の長さLを短くすることが可能である。このため、本実施形態によっても、記録層22aにおける記録密度を十分に高くすることができ、記憶容量の高い磁気メモリ装置を提供することが可能となる。
(磁気メモリ装置の製造方法)
次に、本実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を図12乃至図16を用いて説明する。図12乃至図16は、本実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、トランジスタ(図示せず)等が形成されたシリコン基板10上に、シリコン酸化膜より成る層間絶縁膜12を形成する工程から、溝16a、16b内に下部電極18a、18bを埋め込む工程までは、図4(a)乃至図4(c)を用いて上述した第1実施形態による磁気メモリ装置の製造方法と同様であるので説明を省略する(図12(a)乃至図12(c)参照)。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、膜厚2nmのRu膜60を形成する。Ru膜60は、記録層22aの非磁性層となるものである。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、膜厚3nmのIrMn膜62を形成する。IrMn膜62は、記録層の反強磁性層となるものである。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、膜厚2nmのCoFeB膜26を形成する。CoFeB膜26は、記録層の強磁性層となるものである。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、膜厚1nmのMgO膜36を形成する。MgO膜36は、バリア層(トンネル絶縁膜)36となるものである。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、CoFeB膜40、Ru膜42、CoFe膜44及びPtMn膜46を順次形成する。CoFeB膜40の膜厚は、例えば2.3nm程度とする。Ru膜42の膜厚は、例えば0.8nm程度とする。CoFe膜44の膜厚は、例えば1.7nm程度とする。PtMn膜46の膜厚は、例えば20nm程度とする。CoFeB膜40、Ru膜42及びCoFe膜44より成る積層膜は、固定磁化層38a、38bとなるものである。PtMn膜46は、固定磁化層38a、38bの一部を構成する反強磁性層となるものである。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、膜厚50nmのTa膜48を形成する。Ta膜は、接続電極48a、48bとなるものである(図13(a)参照)。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜を記録層22の平面形状にパターニングする。磁壁30を規制するための規制領域32を切り欠き28により形成する場合には、切り欠き28が形成されるような平面形状にフォトレジスト膜をパターニングする。
次に、フォトレジスト膜をマスクとして、イオンミリング又はRIE(Reactive Ion Etching、反応性イオンエッチング)により、Ta膜48、PtMn膜46、CoFe膜44、Ru膜42、CoFeB膜40、MgO膜36、CoFeB膜26、IrMn膜62及びRu膜60をパターニングする(図13(b)参照)。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜を書き込み素子2の平面形状及び読み出し素子4の平面形状にパターニングする。書き込み素子2及び読み出し素子4のそれぞれの寸法は、例えば30nm×90nmとする。
次に、フォトレジスト膜をマスクとして、Ta膜48、PtMn膜46、CoFe膜44、Ru膜42、CoFeB膜40、MgO膜36をエッチングする。この際、記録層22を過度にエッチングしてしまうことがないよう、エッチングの終点を制御する。こうして、MgOより成るバリア層36が形成される。また、CoFeB膜、Ru膜、CoFe膜及びPtMn膜より成る固定磁化層38a、38bが形成される。また、Ta膜より成る接続電極48a、48bが形成される(図14(a)参照)。
次に、例えばCVD法により、膜厚200nmのシリコン酸化膜より成る層間絶縁膜50を形成する。
次に、例えばCMP法により、接続電極48a、48bの表面が露出するまで層間絶縁膜50を研磨する(図14(b)参照)。
次に、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、記録層22のそれぞれの端部に達するコンタクトホール52を、層間絶縁膜50に形成する(図15(a)参照)。
次に、例えばCVD法により、窒化チタンより成るバリアメタル膜を形成する。
次に、例えばCVD法により、タングステン膜を形成する。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜50の表面が露出するまで、タングステン膜及びバリアメタル膜を研磨する。こうして、コンタクトホール52内にコンタクトプラグ54が埋め込まれる(図15(b)参照)。
次に、例えばめっき法により、膜厚200nmのCu膜を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、Cu膜をパターニングする。これにより、Cuより成る上部電極56a、56b、及びCuより成る配線56c、56dが形成される。
次に、上部電極56a、56b及び配線56c、56dを覆うように層間絶縁膜58を形成する。
こうして本実施形態による磁気メモリ装置が製造される(図16参照)。
(変形例(その1))
次に、本実施形態による磁気メモリ装置及びその製造方法の変形例(その1)を図17を用いて説明する。図17は、本変形例による磁気メモリ装置及びその製造方法を示す斜視図である。図17における小さい矢印は反強磁性体層におけるスピンを模式的に示している。また、図17における大きい矢印は、磁化方向を示している。
本変形例による磁気メモリ装置及びその製造方法は、記録層22aを部分的に加熱することにより、磁壁30の移動を規制する規制領域32を形成することに主な特徴がある。
図17に示すように、本変形例では、記録層22aを所定の間隔で加熱することにより磁壁の移動を規制する規制領域32を形成する。記録層22aを部分的に加熱する際には、少なくとも反強磁性層62と強磁性層26との界面が加熱されるようにする。図17において楕円で示した箇所は、記録層22aのうちの加熱されるべき箇所を示している。記録層22aを部分的に加熱する際には、電子線、イオンビーム、又はレーザビーム等を用いることができる。
記録層22aを部分的に加熱すると、反強磁性層62と強磁性層26との交換結合が弱まる。反強磁性層62と強磁性層26との間の交換結合が弱まった箇所は、磁壁30の移動を規制する規制領域32として機能し得る。
このように、記録層22aを部分的に加熱することにより磁壁の移動を規制する規制領域32を形成してもよい。
(変形例(その2))
次に、本変形例による磁気メモリ装置及びその製造方法の変形例(その2)を図18を用いて説明する。図18は、本変形例による磁気メモリ装置及びその製造方法を示す斜視図である。
本変形例による磁気メモリ装置及びその製造方法は、強磁性層26の一部を改質することにより、磁壁の移動を規制する規制領域32を形成することに主な特徴がある。
図18に示すように、本変形例では、強磁性層26を部分的に改質することにより、規制領域32を形成する。図18において楕円で示した箇所66は、強磁性層26のうちの改質されるべき箇所を示している。
強磁性層26のうちの改質された箇所は、非磁性体となる。強磁性層26のうちの非磁性体となった部分は、磁壁30の移動を規制する規制領域32として機能し得る。
このように、強磁性層26を部分的に改質することにより、磁壁30の移動を規制する規制領域32を形成してもよい。
(変形例(その3))
次に、本変形例による磁気メモリ装置及びその製造方法の変形例(その3)を図19を用いて説明する。図19は、本変形例による磁気メモリ装置及びその製造方法を示す斜視図である。
本変形例による磁気メモリ装置及びその製造方法は、加熱用配線68を所定の間隔で設け、加熱用配線68を用いて記録層22aの一部を加熱することにより、磁壁の移動を規制する規制領域32を形成することに主な特徴がある。
図19に示すように、本変形例では、記録層22aの下方に所定の間隔で加熱用配線68が設けられている。加熱用配線68は、記録層22aに交差するように設けられている。加熱用配線68は、記録層22aの一部を加熱するためのものである。加熱用配線68の材料としては、例えばTa等を用いることができる。図19において楕円で示した部分は、加熱されるべき箇所70を示している。
加熱用配線68に大きい電流を流すと、加熱用配線68により記録層22aが加熱され、加熱された箇所においては反強磁性層62と強磁性層26との間の交換結合が弱まる。反強磁性層62と強磁性層26との間の交換結合が弱まった箇所は、磁壁30の移動を規制する規制領域32として機能し得る。
このように、加熱用配線68を用いて記録層22aを部分的に加熱することにより磁壁30の移動を規制する規制領域32を形成してもよい。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、下地層24や反強磁性層62等を設けることにより記録層22、22aに一軸磁気異方性を付与したが、記録層22、22aに一軸磁気異方性を付与する手段は、下地層24や反強磁性層62等に限定されるものではない。記録層22、22aに一軸磁気異方性を付与し得る手段を適宜設けるようにすればよい。
また、第1実施形態では、下地層24の材料としてTa(タンタル)を用いる場合を例に説明したが、下地層24の材料はTaに限定されるものではない。記録層22に一軸磁気異方性を付与し得る材料を、下地層24の材料として適宜用いることが可能である。例えば、Zr(ジルコニウム)、Ti(チタン)、Hf(ハフニウム)、又は、W(タングステン)を下地層24の材料として用いてもよい。
また、上記実施形態では、切り欠き28の形状をくさび形にする場合を例に説明したが、切り欠き28の形状はくさび形に限定されるものではない。例えば台形、長方形、半円形等、他の様々な形状に切り欠き28の形状を設定した場合にも、規制領域32を構成することが可能である。このように、切り欠き28の形状は、デバイス構造に合わせて適宜設定すればよい。
また、第2実施形態では、反強磁性層62の材料としてIrMnを用いる場合を例に説明したが、反強磁性層62の材料はIrMnに限定されるものではない。例えば、Mnを含む反強磁性体を、反強磁性層62の材料として適宜用いることができる。Mnを含む反強磁性体としては、例えばPdPtMn、PtMn等を用いることができる。PdPtMn又はPtMnを反強磁性層62の材料として用いる場合には、反強磁性層62の厚さを10nm以下に設定することが望ましい。また、NiO、Fe、CoO等の絶縁性の反強磁性体を、反強磁性層62の材料として用いてもよい。
また、上記実施形態では、記録層22、22aを構成する強磁性層26としてCoFeBを用いる場合を例に説明したが、強磁性層26の材料はCoFeBに限定されるものではない。Co、Ni、Feのうちの少なくとも1種類以上を含む強磁性体を強磁性層26の材料として適宜用いることができる。例えば、強磁性層26として、Co層、Ni層、Fe層、NiFe層、CoFe層、CoNi層、CoNiFe層等を用いてもよい。
また、上記実施形態では、固定磁化層38a、38bの一部を構成する強磁性層40としてCoFeBを用いる場合を例に説明したが、かかる強磁性層40の材料はCoFeBに限定されるものではない。Co、Ni、Feのうちの少なくとも1種類以上を含む強磁性体を強磁性層40の材料として適宜用いることができる。例えば、強磁性層40として、Co層、Ni層、Fe層、NiFe層、CoFe層、CoNi層、CoNiFe層等を用いてもよい。
また、上記実施形態では、固定磁化層38a、38bの一部を構成する強磁性層44としてCoFeを用いる場合を例に説明したが、かかる強磁性層44の材料はCoFeに限定されるものではない。Co、Ni、Feのうちの少なくとも1種類以上を含む強磁性体を強磁性層44の材料として適宜用いることができる。例えば、強磁性層44として、Co層、Ni層、Fe層、NiFe層、CoNi層、CoNiFe層等を用いてもよい。
また、上記実施形態では、固定磁化層38a、38bの一部を構成する反強磁性層46の材料としてPtMnを用いる場合を例に説明したが、かかる反強磁性層46の材料はPtMnに限定されるものではない。例えば、IrMn、PdPtMn等の他の反強磁性材料を反強磁性層46の材料として用いてもよい。
また、上記実施形態では、固定磁化層の一部を構成する非磁性層42の材料としてRu膜を用いる場合を例に説明したが、かかる非磁性層42の材料はRuに限定されるものではない。例えば、Rh、Cu、Al、Au等の非磁性材料を非磁性層42の材料として用いてもよい。
また、上記実施形態では、バリア層(トンネル絶縁膜)36の材料としてMgOを用いる場合を例に説明したが、バリア層36の材料はMgOに限定されるものではない。例えば、AlO、HfO、TiO、TaO等の絶縁材料をバリア層36の材料として適宜用いてもよい。
また、上記実施形態では、書き込み素子2と読み出し素子4の両方を別個に設ける場合を例に説明したが、書き込み素子と読み出し素子とを兼ねる書き込み/読み出し素子を形成してもよい。
また、上記実施形態では、書き込み素子2としてTMR素子を用いる場合を例に説明したが、書き込み素子2はTMR素子に限定されるものではない。例えばGMR素子を書き込み素子2として用いてもよい。
また、上記実施形態では、読み出し素子4としてTMR素子を用いる場合を例に説明したが、読み出し素子4はTMR素子に限定されるものではない。例えばGMR素子を読み出し素子4として用いてもよい。
また、配線(図示せず)によって書き込み手段を構成してもよい。配線に電流を流した際に生ずる磁界により、記録ビット34の磁化方向を制御するようにしてもよい。
また、第2実施形態では、記録層22aの上方にバリア層36を介して固定磁化層38a、38bを設けたが、記録層22aの下方にバリア層36を介して固定磁化層38a、38bを設けてもよい。但し、この場合には、強磁性層26上に反強磁性層62を形成することにより記録層22aを構成する。バリア層36を介して固定磁化層38a、38bに対向させる層は、記録層22aのうちの強磁性層26とする必要があるためである。
以上詳述したように、本発明の特徴をまとめると以下のようになる。
(付記1)
磁壁の移動を規制する規制領域が所定の間隔で形成され、前記規制領域間の領域が記録ビットとなる線状の記録層を有し、前記記録層に一軸磁気異方性を付与する手段を有する
ことを特徴とする磁気メモリ装置。
(付記2)
付記1記載の磁気メモリ装置において、
前記記録層は、強磁性層と、前記強磁性層の下地に形成されたTa、Zr、Ti、Hf、Wのいずれかより成る下地層とを有する
ことを特徴とする磁気メモリ装置。
(付記3)
付記1記載の磁気メモリ装置において、
前記記録層は、強磁性層と、前記強磁性層の一方の面に形成された反強磁性層とを有する
ことを特徴とする磁気メモリ装置。
(付記4)
付記1乃至3のいずれかに記載の磁気メモリ装置において、
前記規制領域の間隔Lと前記記録層の幅Dとの比L/Dは、0.5〜2である
ことを特徴とする磁気メモリ装置。
(付記5)
付記1乃至4のいずれかに記載の磁気メモリ装置において、
前記記録層の磁気異方性は5×10erg/cc以上である
ことを特徴とする磁気メモリ装置。
(付記6)
付記2記載の磁気メモリ装置において、
前記下地層の電気抵抗は、前記強磁性層の電気抵抗の5倍以上である
ことを特徴とする磁気メモリ装置。
(付記7)
付記3記載の磁気メモリ装置において、
前記反強磁性層の電気抵抗は、前記強磁性層の電気抵抗の5倍以上である
ことを特徴とする磁気メモリ装置。
(付記8)
付記2記載の磁気メモリ装置において、
前記下地層の厚さは2nm以上である
ことを特徴とする磁気メモリ装置。
(付記9)
付記3記載の磁気メモリ装置において、
前記反強磁性層は、Mnを含む反強磁性体より成る
ことを特徴とする磁気メモリ装置。
(付記10)
付記9記載の磁気メモリ装置において、
前記反強磁性層は、IrMn、PdPtMn、PtMnより成る
ことを特徴とする磁気メモリ装置。
(付記11)
付記3記載の磁気メモリ装置において、
前記反強磁性層は、NiO、Fe、CoOより成る
ことを特徴とする磁気メモリ装置。
(付記12)
付記3記載の磁気メモリ装置において、
前記反強磁性層の膜厚は、前記記録層において一方向異方性が生じる際の膜厚である臨界膜厚より薄い
ことを特徴とする磁気メモリ装置。
(付記13)
付記2又は3記載の磁気メモリ装置において、
前記強磁性層は、Co、Ni、Feのうちの少なくとも1種類以上を含む強磁性体より成る
ことを特徴とする磁気メモリ装置。
(付記14)
付記1乃至13のいずれかに記載の磁気メモリ装置において、
前記記録層の側部に形成された切り欠きにより、前記規制領域が形成されている
ことを特徴とする磁気メモリ装置。
(付記15)
付記3記載の磁気メモリ装置において、
前記反強磁性層と前記強磁性層との間の交換結合を部分的に弱くすることにより、前記規制領域が形成されている、
ことを特徴とする磁気メモリ装置。
(付記16)
付記3記載の磁気メモリ装置において、
前記強磁性層を部分的に改質することにより、前記規制領域が形成されている
ことを特徴とする磁気メモリ装置。
(付記17)
付記3記載の磁気メモリ装置において、
前記記録層を加熱するための加熱用配線が前記所定の間隔で前記記録層に交差するように設けられており、
前記記録層のうちの前記加熱用配線により加熱された領域が前記規制領域となっている
ことを特徴とする磁気メモリ装置。
(付記18)
強磁性層と、前記強磁性層の一方の面に形成された反強磁性層とを有する記録層を形成する工程と、
前記記録層を所定の間隔で加熱あるいは改質することにより、磁壁の移動を規制する規制領域を前記記録層に形成する工程と
を有することを特徴とする磁気メモリ装置の製造方法。
(付記19)
付記18記載の磁気メモリ装置の製造方法において、
前記規制領域を形成する工程では、電子ビーム、イオンビーム又はレーザビームを用いて前記記録層を加熱することにより、前記規制領域を形成する
ことを特徴とする磁気メモリ装置の製造方法。
(付記20)
付記18記載の磁気メモリ装置の製造方法において、
前記規制領域を形成する工程では、イオンビームを用いて前記記録層を改質することにより、前記規制領域を形成する
ことを特徴とする磁気メモリ装置の製造方法。
(付記21)
記録層を加熱するための加熱用配線を所定の間隔で形成する工程と、
強磁性層と、前記強磁性層の一方の面に形成された反強磁性層とを有する前記記録層を前記加熱用配線に交差するように形成する工程と、
前記加熱用配線を用いて前記記録層を加熱することにより、磁壁の移動を規制する規制領域を前記記録層に形成する工程と
を有することを特徴とする磁気メモリ装置の製造方法。
本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置の一部を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置を示す断面図である。 下地層と強磁性層とから成る積層膜の磁化曲線を示すグラフである。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。 本発明の第2実施形態による磁気メモリ装置の一部を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態による磁気メモリ装置を示す断面図である。 強磁性層/反強磁性層積層膜の一方向異方性定数Jの反強磁性層厚依存性を示すグラフである。 本発明の第2実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 本発明の第2実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 本発明の第2実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。 本発明の第2実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。 本発明の第2実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。 本発明の第2実施形態の変形例(その1)による磁気メモリ装置及びその製造方法を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態の変形例(その2)による磁気メモリ装置及びその製造方法を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態の変形例(その3)による磁気メモリ装置及びその製造方法を示す斜視図である。 提案されている磁気メモリ装置を示す斜視図である。
符号の説明
2…書き込み素子
4…読み出し素子
10…シリコン基板
12…層間絶縁膜
14…層間絶縁膜
16a、16b…溝
18a、18b…下部電極
22、22a…記録層
24…下地層
26…強磁性層
28…切り欠き(ノッチ)
30…磁壁
32…規制領域(ピニングサイト)
34…記録ビット
36…バリア層(トンネル絶縁膜)
38a、38b…固定磁化層
40…強磁性層
42…非磁性層
44…強磁性層
46…反強磁性層
48a、48b…接続電極
50…層間絶縁膜
52…コンタクトホール
54…コンタクトプラグ
56a、56b…上部電極
56c、56d…配線
58…層間絶縁膜
60…非磁性層、シード層
62…反強磁性層
64…加熱する箇所
66…改質する箇所
68…加熱用配線
70…加熱する箇所
102…書き込み素子
104…読み出し素子
122…記録層
128…切り込み(ノッチ)
130…磁壁
132…規制領域(ピニングサイト)
134…記録ビット
136…バリア層(トンネル絶縁膜)
138a、138b…固定磁化層
156a、156b…上部電極

Claims (5)

  1. 磁壁の移動を規制する規制領域が所定の間隔で形成され、前記規制領域間の領域が記録ビットとなる線状の記録層を有し、前記記録層に一軸磁気異方性を付与する手段を有する
    ことを特徴とする磁気メモリ装置。
  2. 請求項1記載の磁気メモリ装置において、
    前記記録層は、強磁性層と、前記強磁性層の下地に形成されたTa、Zr、Ti、Hf、Wのいずれかより成る下地層とを有する
    ことを特徴とする磁気メモリ装置。
  3. 請求項1記載の磁気メモリ装置において、
    前記記録層は、強磁性層と、前記強磁性層の一方の面に形成された反強磁性層とを有する
    ことを特徴とする磁気メモリ装置。
  4. 強磁性層と、前記強磁性層の一方の面に形成された反強磁性層とを有する記録層を形成する工程と、
    前記記録層を所定の間隔で加熱あるいは改質することにより、磁壁の移動を規制する規制領域を前記記録層に形成する工程と
    を有することを特徴とする磁気メモリ装置の製造方法。
  5. 記録層を加熱するための加熱用配線を所定の間隔で形成する工程と、
    強磁性層と、前記強磁性層の一方の面に形成された反強磁性層とを有する前記記録層を前記加熱用配線に交差するように形成する工程と、
    前記加熱用配線を用いて前記記録層を加熱することにより、磁壁の移動を規制する規制領域を前記記録層に形成する工程と
    を有することを特徴とする磁気メモリ装置の製造方法。
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