JP2007200891A - 放電管用駆動回路およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】力率改善効果の生じる駆動周波数に自動的に調整することができる放電管用駆動回路及びその制御方法を提供すること。
【解決手段】放電管(4)の寄生容量と共振して共振電流を生成するtank circuitを有している昇圧トランス(1)を備え、少なくとも放電管を駆動するための放電管用駆動回路を制御する方法は、前記共振電流の位相を検出し、この共振電流の位相に対応する検出信号を生成するステップを有し、前記検出信号と昇圧トランス(1)の一次巻線(11)を駆動するための駆動信号の周波数に対応する計算値を調整するステップを有する。また、前記計算値にカウンタ値を加減算することにより前記駆動信号の波形を合成するステップと、を含む。
【選択図】図14
【解決手段】放電管(4)の寄生容量と共振して共振電流を生成するtank circuitを有している昇圧トランス(1)を備え、少なくとも放電管を駆動するための放電管用駆動回路を制御する方法は、前記共振電流の位相を検出し、この共振電流の位相に対応する検出信号を生成するステップを有し、前記検出信号と昇圧トランス(1)の一次巻線(11)を駆動するための駆動信号の周波数に対応する計算値を調整するステップを有する。また、前記計算値にカウンタ値を加減算することにより前記駆動信号の波形を合成するステップと、を含む。
【選択図】図14
Description
本発明は、駆動回路およびその制御方法に関し、特に、放電管(Discharge Lamp)を駆動する駆動回路およびその制御方法に関する。
近年、熱陰極蛍光管(Hot Cathode Fluorescent Lamp)、冷陰極蛍光管(CCFL)(Cold Cathode Fluorescent Lamp)、外部電極冷陰極管(EEFL)(External Electrode Fluorescent Lamp)、ネオン灯(Neon lamp)などの放電管は、液晶表示装置のバックライト、広告表示装置だけでなく一般の照明装置にも広く用いられている。また、直流電圧を交流電圧に変換して放電管を駆動する駆動回路には、小型でかつ高効率であることが求められている。
従来、放電管を駆動する駆動回路として、たとえば図1に示すような回路が用いられていた。この駆動回路は、制御手段81と、スイッチング手段82と、昇圧トランス83(step-up transformer)とからなり、放電管87を駆動するように構成されている。昇圧トランス83は、スイッチング手段82に電気的に接続される一次巻線831と、放電管87に接続される二次巻線832とを有している。
制御手段81は、スイッチング手段82を制御し、直流電圧を周期的に反転して交流駆動信号を生成し、昇圧トランス83を駆動するようになっている。
本願発明者の発明に係る日本国特許第2733817号(米国特許第5495405号)には、昇圧トランス83の二次巻線832と放電管87との間でタンク回路(Tank Circuit)と呼ばれる共振回路を形成することが開示されている。図1中、符号836は、二次巻線832の漏れインダクタンスLSを表しており、チョークコイルで置き換えられることも可能である。符号88は適宜接続される共振周波数調整用の補助コンデンサCaである。
この回路の共振周波数をfrとすれば、
本願発明者の発明に係る日本国特許出願特開2003-168585号(米国特許第6774580-B2号)には、共振型回路が開示されており、昇圧トランス83の一次巻線831の電圧位相と電流位相の位相差が0に近づくほど力率が改善されることになり、一次巻線831に流れる無効電流(reactive current)が少なくなり、銅損が減少し、高い効率の駆動回路を実現できるようになる。
本願発明者の発明に係る米国特許出願公開第2006-0164024号、米国特許出願公開第2006-0193152号、米国特許出願公開第2006-0152174号、日本国特許出願特開2005-176599号、日本国特許出願特開2006-129699号、日本国特許出願特開2006-222076号には、最適な駆動信号の周波数を検出する電流検出方法のいくつかが開示されている。
以下、先行技術に開示されている各電流検出方法について比較検討する。
昇圧トランス83の一次巻線831に流れる電流を検出する方法(電流検出方法(1))の一例を示す回路図を図7に示す。
ここで、図7の参照に先立って図2について説明する。
図2は、冷陰極管を駆動した場合の一次巻線に流れる電流と一次巻線にかかる電圧との位相差、および、伝達特性を示したコンピュータシミュレーションの結果である。実際の使用状態においては、冷陰極管のインピーダンスはこのように大きな変化を示す。
図2において、横軸は駆動信号の周波数を示す。特性線911〜913は昇圧トランス83の一次巻線831の電圧及び電流の位相差を示し、放電管のインピーダンスが変化した場合の位相特性を示す。特性線911〜913はそれぞれ、放電管87のインピーダンスが高い場合(911)、中程度の場合(912)、低い場合(913)の位相特性の変化である。
特性線914〜916はそれぞれ、昇圧トランス83の二次巻線832の電圧及び一次巻線831の電圧の電圧比÷巻数比(以下、昇圧比と記す)を示し、特性線914〜916は同様に、放電管87のインピーダンスが高い場合(914)、中程度の場合(915)、低い場合(916)の昇圧比である。
エリア917は、昇圧トランスの一次巻線の力率が良い周波数帯域を示す。力率がよいことは、即ち銅損が減って発熱が減少し、駆動回路の効率がより高いことを意味する。この周波数は、共振周波数の付近またはより低い周波数である。図6および図7に示す駆動回路は、エリア917における周波数で駆動することを実現しようとするものである。
図7の駆動回路において、放電管87のインピーダンスが小さいとき(波形913参照)、昇圧トランス83の一次巻線831側の電圧と電流との間の位相差は常に0より小(位相差がマイナス)である。このとき、図7の駆動回路は、高い周波数から低い周波数(または低い周波数から高い周波数)に向かって、一次巻線駆動信号と駆動電流との位相差がこの位相特性線と一致(交差)する周波数を探す。この条件に合致する周波数を探すことができない場合、駆動回路は周波数をさらに下げようして結果的に“暴走”と呼ばれる現象を引き起こす。
この場合、昇圧トランス83の二次巻線832の漏れインダクタンス836を小さく設定することにより、放電管87のインピーダンスが小さいときにも、一次巻線831の電圧と電流の位相差が小さい状態を作ることができ、暴走現象をなくすことができるが、二次巻線832には回路図に記載されない高次の共振回路が存在し、その高次共振電流により、図3に示すように、一次巻線831には高次の共振電流が発生する。この高次共振電流は図7の駆動回路のスイッチングタイミングを狂わせる。
昇圧トランス83の二次巻線832の電流を検出する方法(電流検出方法(2))の一例を示す回路図を図12に示す。
図4は、この電流検出方法のコンピュータシミュレーション結果を示す。図4中、横軸は駆動信号の周波数を示す。波形921〜923は、昇圧トランス83の一次巻線831の電圧及び二次巻線932の電流の位相差を示し、放電管のインピーダンスが変化した場合の位相特性を示す。波形921〜923はそれぞれ、放電管87のインピーダンスが高い場合(921)、中程度の場合(922)、低い場合(923)の位相特性の変化である。
特性線924〜926はそれぞれ、昇圧トランス83の二次巻線832の電圧及び一次巻線831の電圧の電圧比÷巻数比を示し、特性線924〜926は同様に、放電管87のインピーダンスが高い場合(914)、中程度の場合(915)、低い場合(916)の昇圧比である。
特性線924〜926はそれぞれ、昇圧トランス83の二次巻線832の電圧及び一次巻線831の電圧の電圧比÷巻数比を示し、特性線924〜926は同様に、放電管87のインピーダンスが高い場合(914)、中程度の場合(915)、低い場合(916)の昇圧比である。
この共振電流検出方法によれば、駆動回路は、放電管87のインピーダンスの大小によらず、昇圧トランス83の一次巻線831の電圧及び二次巻線832の電流の位相差がない周波数を探して定めることができるので、暴走現象は起きない。
補助コンデンサ88に流れる電流を検出する方法(電流検出方法(3))の一例を示す回路図を図13に示す。
図5は、この電流検出方法のコンピュータシミュレーション結果を示す。図5中で、横軸は駆動信号の周波数を示す。波形931〜933は、昇圧トランス83の一次巻線831の電圧及び補助コンデンサ88の電流の位相差を示し、放電管のインピーダンスが変化した場合の位相特性を示す。波形931〜933はそれぞれ、放電管87のインピーダンスが高い場合(931)、中程度の場合(932)、低い場合(933)の変化である。
波形934〜936は、昇圧トランス83の二次巻線832の電圧及び一次巻線831の電圧の電圧比÷巻数比を示し、波形934〜936は同様に、放電管87のインピーダンスが高い場合(934)、中程度の場合(935)、低い場合(936)の昇圧比である。
この共振電流検出方法によれば、駆動回路は、放電管87のインピーダンスの大小によらず、昇圧トランス83の一次巻線831の電圧及び二次巻線832の電流の位相差がない周波数を探して決めることができるので、暴走現象は起きない。
図2、図4及び図5に示すように、波形914〜916、924〜926、934〜936の最高点(ピーク)に対応する周波数がTank Circuitの共振周波数である。正確には、共振回路のQ値(Quality Factor)が最大(ピーク)であるときの共振周波数である。放電管87のインピーダンスが大、中、小と変化するにつれて、Q値も小さくなり、昇圧比のピークも共振周波数から離れていく。
図2に示すように、放電管87のインピーダンスが変化する(冷陰極蛍光管のインピーダンスは電流により大きく変化する)とき、昇圧トランス83の一次巻線831側における電圧及び電流の位相差がゼロである周波数、即ち力率の良い周波数帯域も変わる。なお、この力率の良い周波数帯域(力率改善効果領域)は、共振周波数の付近あるいは少し低い周波数に存在する(エリア917参照)。
以上の内容により、駆動回路に高効率をもたらすことができる条件は、昇圧トランス83の一次巻線831の電圧と電流の位相差が少ないこと、及び、該駆動回路は共振周波数の前後または少し低い周波数において昇圧トランス83を駆動することが分かる。これら二つの条件をもって駆動回路の高効率をもたらすものである。
図6に示すように、日本国特許出願特開2003-168585号(米国特許第6774580-B2)には制御手段81、スイッチング手段82、昇圧トランス83、抵抗84、コンデンサ85などからなる他励型駆動回路(説明の便宜上、その図面を簡略化して示す)または他励共振型回路と呼ばれる駆動方式が開示されている。昇圧トランス83は、スイッチング手段82に電気的に接続される一次巻線831及び放電管87に電気的に接続される二次巻線832からなっている。
制御手段81は、スイッチング手段82を制御し、直流電源を周期的に反転して交流駆動信号を生成させ、昇圧トランス83を駆動する。制御手段81は、抵抗84及びコンデンサ85を用いて駆動信号の周波数を決定する。
この他励型駆動回路は回路の設計者によって適当な駆動周波数及び共振周波数が決定されるものであって、最適な駆動周波数を自動的に探す機能を有していない。例えば、量産時やその後の組立工程などで共振回路の共振周波数が変わった場合、(たとえば放電管87周辺の寄生容量が変わった場合)、駆動信号の周波数と共振周波数とが一致しなくなる。すなわち、力率改善効果領域917から外れてしまう。
その結果、駆動回路の効率を悪化させてしまう。そのような理由から実際の量産時には、駆動回路の効率がばらつく。
図7に示すように、米国特許第6114814号には、制御手段81、スイッチング手段82、昇圧トランス83、電流検出手段86からなるゼロ電流ONスイッチング型回路(説明の便宜上、その図面を簡略して示す)が開示されている。昇圧トランス83は、スイッチング手段82に電気的に接続される一次巻線831及び放電管87に電気的に接続される二次巻線832からなっている。
電流検出手段86は、昇圧トランス83の一次巻線831に流れる電流がゼロになる瞬間を検出する。制御手段81は、電流検出手段86の検出結果に基づいてスイッチング手段82を制御し、直流電源の出力を周期的に反転して交流駆動信号を生成させ、昇圧トランス83を駆動する。零電流スイッチング型回路は駆動信号を自動的に探す機能を有している。
図8に示すゼロ電流ON型のスイッチングタイミングの場合の、昇圧トランス83の一次巻線831の電圧及び電流のタイミング図を図9及び図10に示す。図中、横軸は時間、符号942、944、952は一次巻線831の電流、Tdriveは駆動信号の周期、Tdutyは駆動信号の正側のピーク或いは負側のピークにおける時間を示す。該駆動信号のデューティー比Rdutyは、
特性線941〜944に示すように、制御手段81は、昇圧トランス83の一次巻線831の電流がゼロであるとき、一次巻線831の一端は直流電源に電気的に接続され、他端は接地される。所定の時間が経つと、再び一次巻線831の一端は直流電源に電気的に接続され、他端は接地される。特性線951〜954に示すように、制御手段81も、昇圧トランス83の一次巻線831の電流がゼロであるとき、一次巻線831の一端は直流電源に電気的に接続され、他端は接地される。所定の時間が経つと、再び一次巻線831の一端は直流電源に電気的に接続され、他端は接地される。
駆動信号の正側のピーク値(又は負側のピーク値)の中心点と昇圧トランス83の一次巻線831の電流の正側のピーク値(又は負側のピーク値)の位相差は、一次巻線831の電圧と電流との位相差になる。特性線941、942は、駆動信号のRdutyが100%に等しいことを示す。一次巻線831の電圧と電流の位相差がゼロであるとき、ゼロ電流ON型スイッチング型駆動回路の効率は一番良い状態となる。一方、特性線943、944、951、952は、駆動信号のRdutyが100%より小さい場合である。一次巻線831の電圧と電流の位相差がゼロから大きく離れていくと(即ち、絶対値の大きいマイナスの値になると)、ゼロ電流ONスイッチング型駆動回路の効率は悪化する。駆動信号のデューティー比Rdutyが小さくなるとき、一次巻線831の電圧と電流との位相差の絶対値も大きくなり、昇圧トランス一次巻線側の力率が悪くなり、無効電流が多く流れて巻線が発熱するからである。この発熱が放電管用駆動回路(インバータ回路)の効率を悪化させる。
ゼロ電流ONスイッチング型駆動回路は、駆動信号のデューティー比Rdutyを変化させ、放電管87に流れる電流を調整することにより、放電管87の輝度を調整し、放電管87の調光をすることができる。しかしながら、ゼロ電流ONスイッチング型駆動回路は暴走現象に至らないように、常に駆動信号のデューティー比Rdutyが100%よりかなり小さいデューティー比で作動される、即ち、安全のために力率の悪い動作をさせることが多いため変換効率がよくない。
電流検出手段86の検出方法は、日本国特許出願特開2005-312284号に開示された電流検出方法(1)と同一であるので、放電管87のインピーダンスが低いとき、零電流スイッチング駆動回路が暴走することがあり信頼性が高いとはいえない。仮に昇圧トランス83の二次巻線832の漏れインダクタンスを低くすれば暴走を防ぐことができるが、一次巻線831に流れる電流の高次共振周波数により、電流検出手段86による検出時点(タイミング)が狂うことにより、ゼロ電流ONスイッチング型駆動回路が良好に作動することができないことがある。
参考までに図10のように、昇圧トランス83の一次巻線831の電流位相が、電圧位相よりも進んだ場合、一次巻線831側から見た位相特性は容量性になる。この場合、制御手段81は、一次巻線831の両端がそれぞれ直流電源と接地とに接続される瞬間、電流形波を生成することにより、スイッチング手段82に過大な電流が流れ、スイッチング手段82の損傷をおこしてしまうことがあるので、このような制御状態は避けなければならない。
図11に示すように、米国特許第6114814号には非ゼロ電流ONスイッチング型駆動回路の波形が開示されている。図11中、横軸は時間、符号961は駆動信号の波形、符号962は昇圧トランス83の一次巻線831に流れる電流波形、Tdriveは駆動信号の周期、Tdutyは駆動信号の正負ピーク間の時間を示す。駆動信号のデューティー比Rdutyが100%であるか否かにかかわらず、この一次巻線831の電圧及び電流の位相差は0に近くなっている。
一次巻線831に流れる電流の正側のピーク値がこの駆動信号の正側のピーク値の中央に、また電流の負側のピーク値がこの駆動信号の負側のピーク値の中央付近に設定される場合、非ゼロ電流ONスイッチング型駆動回路の方が、ゼロ電流ONスイッチング型駆動回路よりも高効率で動作させることができる。
特許第2733817号公報
米国特許第5495405号明細書
特開2003-168585号公報
米国特許第6774580-B2号明細書
米国特許出願公開第2006-0164024号明細書
米国特許出願公開第2006-0193152号明細書
米国特許出願公開第2006-0152174号明細書
特開2005-176599号公報
特開2006-129699号公報
特開2006-222076号公報
米国特許第6114814号明細書
特開2005-312284号公報
本発明は、上記の問題点を解消しようとするもので、Tank Circuitの共振周波数を検出し、力率改善効果の現れる駆動周波数を自動的に調整する放電管用駆動回路及びその制御方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、暴走現象を防ぐことができる放電管用駆動回路及びその制御方法を提供することをもう一つの目的とする。
本発明の第一の観点によれば、本発明は、一次巻線および二次巻線を有する昇圧トランスの二次巻線が放電管に電気的に接続され、放電管周辺に発生する寄生容量、補助的な共振容量および巻線管分布容量で構成される二次側容量と昇圧トランスの二次巻線側の漏れインダクタンスとを共振させて共振電流を生成するtank circuitと、共振電流の位相を検出して該共振電流の位相に対応する検出信号を出力する検出手段と、検出手段および昇圧トランスの一次巻線に電気的に接続され、検出手段より受信される検出信号に応じて昇圧トランスを駆動させる駆動信号を生成する制御手段とを備え、制御手段が、駆動信号の周波数に対応する計算値を設定し、検出信号を検出することにより計算値を調整し、かつ、計算値に基づいてカウントすることにより駆動信号の波形を合成するように構成されている放電管用駆動回路を提供する。
前記構成では、制御手段は、駆動信号と共振電流との位相差がゼロになるようにする。
前記構成では、制御手段はさらに、設定値に基づいてカウンタにより駆動信号と共振電流との位相差を設定めるようにする。
前記構成ではさらに、計算値が予め定められた範囲を超えたとき、該計算値を一定にし、昇圧トランスの一次巻線の電圧と電流との位相差が0度〜−30度の範囲内にあるように設定する。
前記構成では、検出手段はまた、昇圧トランスの二次巻線及び放電管に並列に接続された補助容量のいずれか一方と並列に接続され、陽極がGNDに接続されたツェナー・ダイオードを有している。
前記構成では、検出手段はまた、補助トランス及び昇圧トランスの一次巻線に直列に接続されたフォトカプラーを有し、制御手段は計算値を検出し、この計算値が予め定められた範囲を超えたとき、該計算値を一定にし、昇圧トランスの一次巻線の電圧と電流との位相差が0度〜−30度の範囲内に収まるようにする。
前記構成では、検出手段はまた、昇圧トランスの二次巻線及び放電管に並列に接続された補助容量のいずれか一方と直列に接続されたフォトカプラーを有する。
前記構成では、制御手段は、計算値を漸増させるように変え、該計算値に基づいてカウントすることにより駆動信号の波形を合成し、昇圧トランスの一次巻線の電圧及び電流との位相差が最も0に近づく計算値を探すように作動するテストモードにおいて作動するようにする。
前記構成では、制御手段はまた、計算値を漸減させるように変え、該計算値に基づいてカウントにより駆動信号の波形を合成し、昇圧トランスの一次巻線の電圧及び電流との位相差が最も0に近づく計算値を探すように作動するテストモードにおいて作動するようにする。
前記構成では、制御手段は、昇圧トランスの一次巻線に電気的に接続され、直流電源及び制御信号が入力され、制御信号に基づいて直流電源の出力を周期的に反転して交流の駆動信号を生成するスイッチング部と、駆動信号の周波数よりも周波数が高い発振信号を生成する発振部と、検出手段より検出信号を受信するように検出手段に電気的に接続され、予め定められた設定値を有する計算値を記録し、検出信号の検出により設定値を調整する処理部と、発振部及び処理部のそれぞれより発振信号と計算値を受信するように、発振部と処理部とスイッチング部とに電気的に接続され、計算値に基づいて発振信号をカウントすることによって制御信号を合成してスイッチング部に出力する波形生成部と、を有している構成をしている。
また、本発明の他の観点によれば、本発明は、共振して共振電流を生成するTank Circuit即ち一次巻線及び放電管に電気的に接続された二次巻線の漏れインダクタンスと二次側回路の容量成分とで共振回路を構成する昇圧トランスを備え、少なくとも放電管を駆動するための放電管用駆動回路を制御する方法であって、共振電流の位相を検出し、この共振電流の位相に応じた検出信号を生成するステップと、検出信号を検出することにより、昇圧トランスの一次巻線を駆動する駆動信号の周波数に対応する計算値を調整するステップと、計算値に基づいてカウントすることにより駆動信号の波形を合成するステップと、を含む制御方法を提供する。
前記方法では、計算値を調整するステップでは、駆動信号と共振電流との位相差が0度になるように調整する。
前記方法ではさらに、設定値に基づいてカウントにより駆動信号と共振電流との位相差を定めるステップを含む。
前記方法では、補助トランス及び昇圧トランスの一次巻線に直列に接続され、陽極が接地されたツェナー・ダイオードを用いて共振電流の位相を検出し、さらに、計算値を検出し、この計算値が予め定められた範囲を超えたとき、該計算値を一定にし、昇圧トランスの一次巻線の電圧と電流との位相差が0度〜−30度の範囲内にあるようにするステップを含む。
前記方法では、放電管に並列に接続された補助容量及び昇圧トランスの二次巻線のいずれか一方に直列に接続され、陽極が接地されたツェナー・ダイオードを用いて共振電流の位相を検出することができる。
前記方法では、補助トランス及び昇圧トランスの一次巻線に直列に接続されたフォトカプラーを用いて共振電流の位相を検出し、さらに、計算値を検出し、この計算値が予め定められた範囲を超えたとき、該計算値を一定にし、昇圧トランスの一次巻線の電圧と電流との位相差が0度〜−30度の範囲内にあるようにするステップを含むこともできる。
前記方法ではまた、放電管に並列に接続された補助容量及び昇圧トランスの二次巻線のいずれか一方に直列に接続されたフォトカプラーを用いて共振電流の位相を検出することもできる。
本発明によれば、力率改善効果の現れる周波数を的確に検出することが可能となり、また暴走現象もない共振電流の位相検出方法を提供することができ、また暴走現象が生じる可能性がある手法により共振電流の位相を検出する場合には、暴走現象の発生を検出したときに該駆動信号の周波数を固定することにより、暴走現象の発生を抑えることができる。
また、本発明は、Tank Circuitの共振条件が変化した場合においても、駆動信号の周波数を自動的に的確な周波数に調整することにより、量産時の効率のばらつきを抑制することができ、信頼性を向上させることができる効果を有する。
以下、この発明の好適な実施形態を、図面を参照して説明する。なお、同一構成及び機能を有する構成要素については、同一番号を付してその説明を省略する。
本発明の放電管用駆動回路は少なくとも1つの放電管4を駆動する構成をし、従来の駆動回路の効率の向上及び電流検出方法を用いる。本例においては、複数の放電管4、4、・・・を駆動する場合、それらの放電管4、4、・・・が並列に接続されている。
本発明の第1の実施形態は、図14に示すように、昇圧トランス1と、検出手段2と、制御手段3とを含んで構成される。
昇圧トランス1は、一次巻線11と二次巻線12とを有している。二次巻線12は放電管4に電気的に接続され、二次巻線12の分布容量、放電管4周辺の寄生容量、適宜付加される補助容量5は二次巻線12の漏れインダクタンス121と共振し、共振電流を生成する。
検出手段2は、共振電流の位相や、放電管4の電流、昇圧トランス1の二次巻線12の電圧を検出し、共振電流の位相に応じた第1の検出信号と、放電管4に流れる電流に応じた第2の検出信号と、二次巻線12の電圧の大きさに応じた第3の検出信号を出力する。
本例においては、検出手段2としては、補助容量5に直列接続される、陽極がGNDに接続されたツェナー・ダイオード21を用いて、共振電流の位相を検出することにより(即ち従来の電流検出方法(3))、第1の検出信号を得ることができる。また、補助容量5を介して直列接続されるフォトカプラー(図示せず)を用いて共振電流の位相を検出することにより(即ち従来の電流検出方法(3))、第1の検出信号を得ることもできる。また、二次巻線12と直列接続されるツェナー・ダイオード(図示せず)或いはフォトカプラー(図示せず)により共振電流の位相を検出して(即ち従来の電流検出方法(2))、第1の検出信号を得ることもできる。図15は、図14に示した回路に関する信号のタイミング図を示す。図15中、横軸は時間、波形611は共振電流、波形612は第1の検出信号を示す。
また、本発明に関して一つの実施例としてツェナー・ダイオードを使用した共振電流検出方法を示したのは、この方法が最も簡便かつローコストでデジタル信号に近い波形を得ることができるためであり、他の方法、例えば当該回路を電流検出抵抗と増幅器、波形整形器に置き換えることも可能であることは言うまでもない。
図14に示すように、制御手段3は、検出手段2と昇圧トランス1の一次巻線11とに電気的に接続され、スイッチング部31と、アナログデジタル変換部32と、発振部33と、処理部34と、バースト部35と、波形生成部36とを備えている。
スイッチング部31は、昇圧トランス1の一次巻線11と外部の直流電源(図示せず)とに電気的に接続され、制御信号を受信し、該制御信号に基づいて直流電源の出力を周期的に反転して交流駆動信号を生成し、昇圧トランス1を駆動するようになっている。
なお、この例では、スイッチング部31は、フルブリッジ回路として、一次巻線11の一端と接地との間に電気的に接続されるスイッチ311、一次巻線11の一端と直流電源との間に電気的に接続されるスイッチ312、一次巻線11の他端と接地との間に電気的に接続されるスイッチ313、および、一次巻線11の他端と直流電源との間に電気的に接続されるスイッチ314を備えている。
本発明の一つの実施例として、常に力率の良い駆動方法の一例を以下に示す。ちなみに、他の実施例としてゼロ電流ONスイッチング型の駆動方法を実施することも可能であることは言うまでもない。
スイッチング部31のタイミングと昇圧トランス1の一次巻線11の電圧及び電流の位相差が0であるタイミングは、図16に示すようになっている。図16において、横軸は時間、波形621〜624はスイッチング部31のスイッチ311〜314の制御信号、波形625は駆動信号、波形626は一次巻線11の電流、Tdriveは駆動信号の周期、Tdutyは駆動信号の正側のON時間、或いは負側のON時間である。
また、Toverlapに先立って、符号621、または符号623で示されるように一つのスイッチのみがONするタイミングが設けられているが、これは一次巻線11に発生する高次共振のエネルギーを回生する時間である。また、Toverlapは一次巻線に蓄えられた誘導性の電流をループさせる時間である。なお、ToverlapはTdriveよりもかなり短いが、説明の便宜上、Toverlapを大きく記してある。
図16に示すように、波形621〜624におけるハイ電位は、スイッチ311〜314が導通することを示し、ロー電位はスイッチ311〜314が導通しないことを示す。昇圧トランス1の一次巻線11の電流の正側のピーク値は駆動信号の正側のピーク値(直流電源の電圧値)の中央に現れ、一方、一次巻線11の電流の負側のピーク値は駆動信号の負側のピーク値(その絶対値は直流電源の電圧値と等しい)の中央にある。
Tdriveを調整することにより、昇圧トランス1の一次巻線11の電圧及び電流の位相差を変えることができる。Tdutyを調整することにより、放電管4の電流を変えることができる。その調整は、駆動信号を正側のピーク値或いは負側のピーク値の中央を中心として両側を等量減少または増加することにより行うのである。スイッチ311とスイッチ313とは一時導通され、一次巻線11の両端は同時に接地され(またはスイッチ312とスイッチ314とが同時に導通され、一次巻線11の両端が直流電源に接続されてもよい)、一次巻線11の蓄えられた誘導性の電流がループし、共振電流がゼロになれば、一次巻線11の電流を反転させることができるが、Toverlapは共振電流がゼロになるまでの十分な長さを有する必要がある。
ここで、スイッチング部31としてはたとえば、ハーフブリッジ回路、スイッチスナバ回路、センタータップ型回路または3-FET回路などであってもよく、スイッチング部31の制御信号も回路の種類によっては用いることもできる。
アナログデジタル変換部32は、検出手段2より第2の検出信号及び第3の検出信号を受信すると共に、外部から第1のバースト信号(直流電圧)を受信し、受信したこれらのアナログ信号のそれぞれを、デジタルの第2の検出値、第3の検出値および第1のバースト値に変換する。
なお、波形発生手段に影響を与えないよう、アナログデジタル変換部32の変換における電圧サンプリングは、スイッチング部31の切り替え時点(タイミング)を避けるのが好ましい。
一つの実施例において、最初、発振部33は、設定される駆動信号の周波数より高い周波数の発振信号を生成する。
処理部34は、第1〜第3の計算値と電流設定値および電圧設定値とを比較し、検出手段2からの第1の検出信号と、アナログデジタル変換部32からの第2及び第3の検出値が入力される。
第1〜第3の計算値N1〜N3はそれぞれ、
第1の計算値N1は予め設定された設定値を有する。処理部34は、第1の検出信号を監視することにより、駆動信号と共振電流との位相差が0に近づくように第1の計算値N1における設定値を調整する。このとき、図5に示すように、共振周波数に近い周波数によって昇圧トランス1を駆動する。ここで、N1の設定値を1よりも小さい値にした場合、処理部34は最初に高い周波数の駆動信号を発生させ、しだいに低い周波数になるように駆動信号の周波数を調整する。N1の設定値を1よりも大きい値にした場合、処理部34は最初に低い周波数の駆動信号を発生させ、しだいに高い周波数になるように駆動信号の周波数を調整する。
この例では、処理部34は、スイッチ部31のスイッチ313が非導通状態から導通状態に切り替わるタイミングで第1の検出信号の電圧レベルを検出する。第1の検出信号の電圧レベルがハイ電位であることを検出したとき、駆動信号の位相は共振電流の位相より進んでいることになるので、第1の計算値を増大し、駆動信号の位相を遅らせる。第1の検出信号の電圧レベルがロー電位であることを検出したとき、駆動信号の位相は共振電流の位相より遅れていることになるので、第1の計算値を減少し、駆動信号の位相を進ませる。
また、放電管電流を設定する場合、この電流設定値はユーザーにより定められるものである。処理部34は、第2の検出値と電流設定値とを比較し、第2の計算値と第3の計算値とを調整し、放電管4の電流と電流設定値とを対応付ける。第2の検出値が電流設定値より小さいとき、第2の計算値と第3の計算値とを増大し、また、第2の検出値が前記電流設定値より大であるとき、第2の計算値及び第3の計算値を減少する。
また、放電管の過電圧を設定する場合、この設定値はユーザーにより定められるものである。処理部34は、第3の検出値と電圧設定値とを比較し、昇圧トランス1の二次巻線12の電圧が正常であるか否かを判定する。第3の検出値が電圧設定値より大きいとき、二次巻線12の電圧が高いことから、警告信号を出力することにより、駆動回路及び放電管4を保護するようにする。
なお、本実施例は一本の冷陰極管を点灯させる方法におけるベストモードを示したものであり、実施例の各要素を個別に実施したものであっても、本発明の本質に影響するものではない。また、複数の冷陰極管を点灯する場合に、各冷陰極管に適宜直列に分流用のコンデンサや分流用のコイルを設けることなどは適宜行われることであって、詳細な説明は行わないがそれらも本発明の一応用に含まれるものである。またさらに、駆動回路はスイッチスナバ型などの場合にはごくまれに冷陰極管に直流が流れることがある。この場合に冷陰極管と直列に直流遮断用コンデンサを設けることもまた、本発明の一応用範囲に過ぎない。
次に、図14に示すように、バースト部35は、発振部33より発振信号を受信し、アナログデジタル変換部32より第1のバースト値を受信し、また外部より第2のバースト信号及び選択信号を受信し、処理部34より警告信号を受信する。なお、第2のバースト信号の周波数は駆動信号の周波数よりも低く、第2のバースト信号のハイレベル(またはローレベル)の時間を調整することができる。ここで、バースト部35は、発振信号を低くして、ハイ電位(またはロー電位)の時間及び第1のバースト信号に対応すると共に駆動信号の周波数よりも低い周波数を有する信号を生成し、かつこの信号を選択信号に基づいて出力するか、第2のバースト信号をバースト制御信号とする。警告信号を受信した場合、バースト部35の作動を停止する。
波形生成部36は、発振部33より発振信号を受信し、処理部34より第1〜第3の計算値及び警告信号を受信し、バースト部35よりバースト制御信号を受信する。波形生成部36は、第1〜第3の計算値に基づいて発振信号を計数(例えばカウンタを用いてカウント)して図16のスイッチ部31の制御信号の波形621〜624を合成する。バースト制御信号はハイ電位(またはロー電位)であるとき、制御信号をスイッチ部31に出力し、またロー信号(またはハイ信号)であるとき、出力しない。警告信号を受信した場合、バースト部35の作動を停止する。
このように、バースト部35より出力するバースト制御信号は、処理部34に記録された電流設定値と共に、放電管4の平均電流を調整し、放電管4の輝度を調整できる調光効果を有する。より好ましくは、バースト制御信号は駆動信号と同期させることが好ましい。
本発明の第2の実施形態では、駆動信号と検出された共振電流との位相差が0を中心にプラス、マイナスにシフト(即ちタイムシフト)できるように、処理部34が第1の検出信号に基づいて第1の計算値を少しずつ調整できるようになっていることが特徴である。その他は、上記した第1の実施形態と同様である。本実施形態の駆動回路によれば、共振周波数の付近、より低め、より高めの周波数にて昇圧トランス1を駆動することが可能になる。
この実施形態においては、処理部34はさらにユーザーにより決められる位相設定値を記録すると共に、発振部33より発振信号を受信する。処理部34は、位相設定値に基づいて発振信号を計数し(例えばカウンタを用いてカウントする)、第1の検出信号の電圧レベルを検出する時点(タイミング)を遅らせ、位相設定値に発振信号の周期の時間を掛け算する、または足し算する。
図17に示すように、横軸は時間、波形631はスイッチ部31のスイッチ313の制御信号、波形632は第1の検出信号を示す。位相設定値が第1の設定値よりも低いとき、駆動信号と共振電流との位相差(下記の数4で定義される)は0より小さい。この場合、図5に示すように、駆動回路は共振周波数より高めの周波数にて昇圧トランス1を駆動する。
図18に示すように、横軸は時間、波形641はスイッチ部31のスイッチ313の制御信号、波形642は第1の検出信号を示す。位相設定値が第1の設定値よりも高いとき、駆動信号と共振電流との位相差は0より大きい。この場合、図5に示すように、駆動回路は共振周波数より低めの周波数にて昇圧トランス1を駆動する。
位相設定値が第1の設定値に等しいとき、駆動信号と共振電流との位相差は0になる。この場合、図5に示すように、共振周波数付近の周波数にて昇圧トランス1を駆動する。これは第1の実施形態と同様である。
駆動信号と共振電流との位相差は、次のように計算する。
このような方法により、図19に示すように、位相設定値を変えることにより、駆動信号の周波数を変えることができ、昇圧トランス1の一次巻線11の電圧と電流との位相差を調整して、駆動回路の効率を高めることができる。なお、図19は、図5の波形931〜933と、図2の波形911〜913およびエリア917を転載したものである。
通常は、位相設定値が第1の設定値より大きいとき、駆動回路は共振周波数付近またはより低めの周波数で昇圧トランス1を駆動することが多い。即ち、力率改善効果エリア917の周波数範囲で駆動するのである。このことによって、駆動回路の効率を高めることができる。
具体的に図19における位相設定動作を説明すると、図19に示したように駆動信号と共振電流との位相差を27度とした場合、位相特性の931〜933とこの27度の位相差との交点が駆動周波数になる。この周波数で昇圧トランスの一次巻線を駆動すると、図19の下側の図で明らかなとおり、この周波数は一次巻線側から見た電圧電流の位相特性911〜913に対応していて、それぞれの力率で昇圧トランスを駆動することができる。そして、その周波数が力率改善効果エリア917内にあることがわかる。したがって、このような方法によって高い効率で駆動できる駆動回路を実現することができる。
ここで、第1および第2の実施形態は、本発明者の従来の発明に係る電流検出方法(2)および(3)を用いて共振電流の位相を検出し、電圧と電流との位相差が0である周波数を探すときに暴走することを避けるようにしているが、従来の電流検出方法(1)を用いて共振電流の位相を検出してもよい。このとき、処理部34は、暴走現象を検出する性能を備え、暴走したことを検出すると、駆動信号の周波数を自動的に調整する動作を停止し、周波数を固定し、駆動回路の暴走を抑制することができる。例えば、処理部34は、第1の計算値の大小を検出することにより、暴走しているか否かを判定し、暴走したことを検出したとき、第1の計算値を一定にする。より好ましくは、暴走しようとしたとき、駆動信号の周波数を一定にし、昇圧トランス1の一次巻線11の電圧と電流との位相差が0度〜−30度の範囲内にあるようにする。
図20に示すように、本発明の第3の実施形態では、検出手段2は昇圧トランス1の一次巻線11の電流の位相を検出すると共に該位相の第4の検出信号を出力し、処理部34は検出手段2から第4の検出信号を受信し、ユーザーによる設定値に基づいてノーマルモードまたはテストモードで操作することを除いて、上記した第1の実施形態と同様である。
この実施形態においては、陽極が接地されたツェナー・ダイオード22を用い、補助トランス23と昇圧トランス1の一次巻線11とを直列接続し、一次巻線11の電流の位相を検出し(従来の電流検出方法(1))、第4の検出信号を得ることができるが、フォトカプラー(図示せず)により補助トランス23と昇圧トランス1の一次巻線11とを直列接続し、一次巻線11の電流の位相を検出し(即ち、従来の電流検出方法(1)による)、第4の検出信号を得ることもできる。
ノーマルモードでは、駆動回路の動作は第1、第2の実施形態と同様である。テストモードでは、処理部34は、第1の計算値を小さい値から少しずつ大きくし(または大きい値から少しずつ小さくする)、駆動信号の周波数を大きい値から少しずつ小さくする(または小さい値から少しずつ大きくする)。このとき、駆動信号及び第4の検出信号に基づいて、処理部34は、図2に示す曲線を得ると共に、駆動回路の効率が高くなる周波数を探すことができる(すなわち、昇圧トランス1の一次巻線11の電圧と電流との位相差が0に近づく周波数を探すことができる。エリア917参照)
また、テストモードで動作するときには、処理部34が最初に第1の検出信号に基づいて共振周波数に対応する第1の計算値を探し、第1の計算値を少しずつ大きくすることにより、駆動信号の周波数を少しずつ低くし、図2に示す曲線が得られる。
また、テストモードで動作するときには、処理部34が最初に第1の検出信号に基づいて共振周波数に対応する第1の計算値を探し、第1の計算値を少しずつ大きくすることにより、駆動信号の周波数を少しずつ低くし、図2に示す曲線が得られる。
以上により、本発明の放電管用駆動回路は、暴走するおそれのない方法により、共振電流の位相を検出すると共に、駆動信号の位相を自動的に調整し、さらに駆動信号の周波数を調整することができる。また、暴走するおそれがある方法により共振電流の位相を検出する場合には、暴走現象またはその予兆があるか否かを検出し、暴走の発生またはその予兆を検出したとき、駆動信号の周波数を一定にすることにより、暴走の発生を防ぐことができる。したがって、量産時の効率のばらつきを抑制し、信頼性を高めることができる。
1…昇圧トランス
11…一次巻線
12…二次巻線
121…漏れインダクタンス
2…検出手段
21、22…ツェナー・ダイオード
23…補助トランス
3…制御手段
31…スイッチ部
311〜314…スイッチ
32…アナログデジタル変換部
33…発振部
34…処理部
35…バースト部
36…波形生成部
4…放電管
5…補助容量
611、612、621〜626、631、632、641、642…波形
11…一次巻線
12…二次巻線
121…漏れインダクタンス
2…検出手段
21、22…ツェナー・ダイオード
23…補助トランス
3…制御手段
31…スイッチ部
311〜314…スイッチ
32…アナログデジタル変換部
33…発振部
34…処理部
35…バースト部
36…波形生成部
4…放電管
5…補助容量
611、612、621〜626、631、632、641、642…波形
Claims (20)
- 放電管と、
一次巻線および前記放電管に電気的に接続された二次巻線を有し、該二次巻線の分布容量、前記放電管に並列に接続された補助容量、および前記放電管の周辺に発生する寄生容量が合成されて合計容量となり、該合計容量および前記二次巻線側に生じる漏れインダクタンス共振させて共振電流を生成する昇圧トランスと、
前記共振電流の位相を検出して、検出された該位相に応じた検出信号を出力する検出手段と、
該検出手段および前記昇圧トランスの前記一次巻線に電気的に接続され、前記検出手段より受信する前記検出信号に応じて、前記昇圧トランスを駆動させる駆動信号を生成する制御手段とを備え、
前記制御手段が、前記駆動信号の周波数に応じた計算値および前記検出信号に基づいて設定値を定め、前記駆動信号の波形を合成する
ことを特徴とする放電管用駆動回路。 - 前記制御手段が、前記駆動信号と前記共振電流との位相差が最も小さくなるように前記昇圧トランスを駆動することを特徴とする請求項1に記載の放電管用駆動回路。
- 前記制御手段がさらに、前記設定値に基づいてタイムシフトにより前記駆動信号と前記共振電流との位相差を定めることを特徴とする請求項1に記載の放電管用駆動回路。
- 前記タイムシフトを実現する手段がカウンタであることを特徴とする請求項3に記載の放電管用駆動回路。
- 前記検出手段がさらに、前記一次巻線側の電流検出手段を有し、
前記一次巻線側の前記電流検出手段が、前記制御手段の前記計算値を設定し、該計算値が予め設定された範囲を超えたとき、該計算値を一定にし、前記昇圧トランスの前記一次巻線の電圧に対する電流の位相差が0度〜−30度の範囲内にあるようにすることを特徴とする請求項1に記載の放電管用駆動回路。 - 前記一次巻線側の前記電流検出手段が、前記昇圧トランスの前記一次巻線に直列に接続された補助トランスであり、
該補助トランスの二次側に、陽極がGNDに接続されたツェナー・ダイオードが接続されていることを特徴とする請求項5記載の放電管用駆動回路。 - 前記検出手段が、前記昇圧トランスの前記二次巻線及び前記放電管に並列に接続された補助容量のいずれか一方と並列に接続され、陽極がGNDに接続されたツェナー・ダイオードを有していることを特徴とする請求項1に記載の放電管用駆動回路。
- 前記検出手段が、補助トランス及び前記昇圧トランスの前記一次巻線に直列に接続されるフォトカプラーを有し、
前記制御手段が、前記計算値を設定し、該計算値が予め定められた範囲を超えたとき、該計算値を一定にし、前記昇圧トランスの前記一次巻線の電圧に対する電流の位相差が0度〜−30度の範囲内にあるようにすることを特徴とする請求項1に記載の放電管用駆動回路。 - 前記検出手段が、前記昇圧トランスの前記二次巻線及び補助容量のいずれか一方に直列に接続されたフォトカプラーを有し、
前記補助容量が、前記放電管に並列に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の放電管用駆動回路。 - 前記制御手段が、前記計算値を漸増させ、漸増させた該計算値に基づいてカウントすることにより前記駆動信号の波形を合成し、前記昇圧トランスの前記一次巻線の電圧及び電流の位相差が最も0に近づく計算値を探すように作動するテストモードにおいて作動することを特徴とする請求項1に記載の放電管用駆動回路。
- 前記制御手段が、前記計算値を漸減させ、漸減させた該計算値に基づいてカウントすることにより前記駆動信号の波形を合成し、前記昇圧トランスの前記一次巻線の電圧及び電流の位相差が最も0に近づく計算値を探すように作動するテストモードにおいて作動することを特徴とする請求項1に記載の放電管用駆動回路。
- 前記制御手段が、
前記昇圧トランスの前記一次巻線に電気的に接続され、直流電源の出力及び制御信号が入力され、該制御信号に基づいて前記直流電源の出力を周期的に反転して交流の駆動信号を生成するスイッチング部と、
前記駆動信号の周波数よりも周波数が高い発振信号を生成する発振部と、
前記検出手段より前記検出信号を受信するように前記検出手段に電気的に接続され、予め定められた設定値を有する前記計算値を記録し、前記検出信号の検出により前記設定値を調整する処理部と、
前記発振部及び前記処理部のそれぞれより前記発振信号および前記計算値を受信するように、前記発振部、前記処理部および前記スイッチング部に電気的に接続され、前記計算値に基づいて前記発振信号をカウントすることによって前記制御信号を合成して前記スイッチング部に出力する波形生成部と、
を有していることを特徴とする請求項1に記載の放電管用駆動回路。 - 放電管と、一次巻線および前記放電管に電気的に接続された二次巻線を有し、前記二次巻線の分布容量、前記放電管に並列に接続された補助容量、および前記放電管の周辺に発生する寄生容量が合成されて合計容量となり、該合計容量および前記二次巻線側に生じる漏れインダクタンスを共振させて共振電流を生成する昇圧トランスとを備え、少なくとも前記放電管を駆動する放電管用駆動回路を制御する方法であって、
前記共振電流の位相を検出し、この共振電流の位相に対応する検出信号を生成する第1ステップと、
前記検出信号を検出することにより、前記昇圧トランスの前記一次巻線を駆動する駆動信号の周波数に対応する計算値を調整する第2ステップと、
前記計算値に基づいてカウントすることにより前記駆動信号の波形を合成する第3ステップと、を含む放電管用駆動回路の制御方法。 - 前記計算値を調整する前記第2ステップにおいて、前記駆動信号と前記共振電流との位相差が最も小さくなるように調整することを特徴とする請求項13に記載の放電管用駆動回路の制御方法。
- 前記設定値に基づいてカウントすることにより前記駆動信号と前記共振電流との位相差を定める第4ステップをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の放電管用駆動回路の制御方法。
- 前記方法が、前記計算値を検出し、該計算値が予め定められた範囲を超えたとき、該計算値を一定にし、前記昇圧トランスの前記一次巻線の電圧に対する電流の位相差が0度〜−30度の範囲内にあるようにする第5ステップをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の放電管用駆動回路の制御方法。
- 前記第1ステップにおいて、補助トランス及び前記昇圧トランスの一次巻線に直列に接続され、陽極がGNDに接続されたツェナー・ダイオードを用いて前記共振電流の位相を検出し、
前記計算値を検出し、該計算値が予め定められた範囲を超えたとき、該計算値を一定にし、前記昇圧トランスの前記一次巻線の電圧に対する電流の位相差が0度〜−30度の範囲内にあるようにする第6ステップをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の放電管用駆動回路の制御方法。 - 前記第1ステップにおいて、前記放電管に並列に接続された補助容量及び前記昇圧トランスの前記二次巻線のいずれか一方に直列に接続され、陽極がGNDに接続されたツェナー・ダイオードを用いて前記共振電流の位相を検出することを特徴とする請求項13に記載の放電管用駆動回路の制御方法。
- 前記第1ステップにおいて、補助トランス及び前記昇圧トランスの前記一次巻線に直列に接続されたフォトカプラーを用いて前記共振電流の位相を検出し、
前記計算値を検出し、該計算値が予め定められた範囲を超えたとき、該計算値を一定にし、前記昇圧トランスの前記一次巻線の電圧に対する電流の位相差が0度〜−30度の範囲内にあるようにする第7ステップをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の放電管用駆動回路の制御方法。 - 前記第1ステップにおいて、前記放電管に並列に接続された補助容量及び前記昇圧トランスの前記二次巻線のいずれか一方に直列に接続されたフォトカプラーを用いて前記共振電流の位相を検出することを特徴とする請求項13に記載の放電管用駆動回路の制御方法。
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