JP2007199703A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料 Download PDF

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秀一 酒井
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晋 副島
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Abstract

【課題】現像所における仕上がり均一性、特に保存期間にかかわらず、白地の濃度の安定性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供する。
【解決手段】透過支持体上の非感光性親水性コロイド層に一般式(I)で表される染料の固体微粒子分散物を含有し、写真構成層中にナフタレンスルホン酸化合物および/またはスルホコハク酸化合物をそれぞれ含有し、かつベンゼンスルホン酸化合物を含有しないハロゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式(I) D−(X)y 一般式(I)中、Dは発色団を有する化合物残基を表し、Xは解離性水素または解離性水素を有する基を表し、yは1〜7の整数を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、保存性、および現像所における仕上がり均一性にすぐれたハロゲン化銀カラー写真感光材料、特に映画用ハロゲン化銀カラー写真感光材料に関するものである。
ハロゲン化銀写真技術の応用である映画は、1秒間に通常24枚の割合で対象物を撮影し、得られた静止画を撮影時と同じ速度で順次投影し、動画像を再現する方法である。この方法は、100年以上に渡り改良され続けているハロゲン化銀写真技術に立脚しており、他の動画像を再現する方法に比べ圧倒的な高画質を有している。この高画質を原資とした大画面化が容易であり、大人数が同時に動画像を鑑賞するのに適している。それ故、映画館などの大画面への映画映写設備を有する大人数収容可能な劇場が多数作られている。しかしながら、最近の急速な電子技術および情報処理技術の発達は、撮影、編集、および上映に至る映画の全ての過程に、デジタル画像処理技術を基にした画質的に匹敵する代替手段を提案出来るまでに至った。これらデジタル画像処理技術に立脚する手法は、コンピュータの進歩により画像を簡便に取り扱える点と、劣化が少ないというデジタル信号の特徴に基づく再現性が良い点を特徴としている。従って、ハロゲン化銀写真技術に基づく映画に対しても、本来の高画質を維持しつつ簡便性や安定性の付与、特に保存や現像処理液の変動に対する安定性といった現像所における簡便性や安定性の付与が求められている。
これら、保存や現像処理液の変動時に変化する性能の中で重要なものの一つとして、処理後画像の白地部の濃度変動の問題を挙げることが出来る。
白地部の濃度変動に対しては、従来からも重要な課題として取り上げられており、主に、以下の2つの観点から検討され続けてきた。
(1)不要着色成分の除去促進の観点から、ハレーションやイラジェーション防止用の染料および、増感色素の流出促進。
(2)感光性ハロゲン化銀乳剤に作用し、カブリを押さえる化合物の探索。
拡大投影され鑑賞される映画映写用感光材料においては、鮮鋭度は重要な画質要件である。鮮鋭度を向上させる方法としては、先述したハレーションやイラジェーション防止用の染料の使用が有効である。それ故、特許文献1に記載されたイラジェーション防止を目的とした種々の水溶性染料や特許文献2〜11に記載された種々の染料固定手法によるハレーション防止法が提案されているが、何れも白地部の濃度変動の観点では不十分であった。
特に、染料固定によるハレーション防止と白地部の濃度変動の両立を目指し、親水性コロイド層中に固体分散の状態で留まり、処理で抜けやすい染料が特許文献12、13で提案されているが、白地部の濃度変動、特に長期保存後の濃度変動の観点では不十分であった。
特開平2−282244号公報 特開平11−95371号公報 特開昭55−155350号公報 特開昭55−155351号公報 特開昭55−92716号公報 特開昭63−197943号公報 特開昭63−27838号公報 特開昭64−40827号公報 欧州特許15601B1号明細書 欧州特許276566A1号明細書 国際公開特許88−04794号明細書 特開平2−282244号公報 特開平11−95371号公報
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、現像所における仕上がり均一性、特に、保存期間にかかわらず、白地の濃度の安定性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料、特に、映画用カラーポジ感光材料として好適に用いられるハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題について鋭意検討した結果、現像所における仕上がり均一性、特に保存期間にかかわらず、白地の濃度の安定性を確保するためには、従来技術である染料の選択に加え、界面活性剤の選択が重要であることを見い出した。ところが、感光材料中に含まれるフッ素系界面活性剤として、特定の構造のものを用いると、保存性がさらに改善されることを見い出し、本発明に至った。なお、界面活性剤は、ハロゲン化銀カラー写真感光材料において広く用いられている。例えば、水不溶性の発色剤(いわゆるカラーカプラー)などをゼラチン中に水中油滴分散する際の分散安定剤、また、各感光性ハロゲン化銀乳剤層や非感光性親水性コロイド層を支持体上に塗布する際の表面張力調整などに使われる。
従って、前記課題を解決する手段は以下の通りである。即ち、
<1>透過支持体上にイエロー発色感光性ハロゲン化銀乳剤層、シアン発色感光性ハロゲン化銀乳剤層およびマゼンタ発色感光性ハロゲン化銀乳剤層の各層を少なくとも一層ずつ有し、かつ、非感光性親水性コロイド層を少なくとも一層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、該非感光性親水性コロイド層の少なくとも1層に、下記一般式(I)で表される染料の固体微粒子分散物を含有し、該感光性ハロゲン化銀乳剤層または該非感光性親水性コロイド層のいずれかに、下記一般式(A)で表される化合物の少なくとも1種および/または下記一般式(B)で表される化合物の少なくとも1種を含有し、かつ、下記一般式(C)で表される化合物を含有しないことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
一般式(I)
D−(X)y
一般式(I)中、Dは発色団を有する化合物残基を表し、Xは解離性水素または解離性水素を有する基を表し、yは1〜7の整数を表す。ここでyが2〜7のとき、複数のXは同一でも異なってもよい。
Figure 2007199703
一般式(A)中、R1は置換または無置換のアルキル基またはアルコキシ基を表す。M1はカチオンを表す。nは1〜7の整数を表す。ここでnが2〜7のとき、複数のR1は同一でも異なってもよい。
Figure 2007199703
一般式(B)中、R2、R3はそれぞれ独立に置換または無置換のアルキル基を表す。M2はカチオンを表す。
Figure 2007199703
一般式(C)中、Rは置換または無置換のアルキル基を表す。Mはカチオンを表す。
<2>前記一般式(B)で表される化合物の少なくとも1種が、下記一般式(FS−1)で表される化合物であることを特徴とする<1>記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
Figure 2007199703
一般式(FS−1)中、A、Bは、それぞれ独立に、フッ素原子または水素原子を表す。a、bは、それぞれ独立に、1〜6の整数を表す。c、dは、それぞれ独立に、4〜8の整数を表す。Mはカチオンを表す。
<3>透過支持体上にイエロー発色感光性ハロゲン化銀乳剤層、シアン発色感光性ハロゲン化銀乳剤層およびマゼンタ発色感光性ハロゲン化銀乳剤層の各層を少なくとも一層ずつ有し、かつ、非感光性親水性コロイド層を少なくとも一層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、該非感光性親水性コロイド層の少なくとも1層に、下記一般式(I)で表される染料の固体微粒子分散物を含有し、該感光性ハロゲン化銀乳剤層または該非感光性親水性コロイド層のいずれかに、下記一般式(A)で表される化合物の少なくとも1種および/または下記一般式(FS−2)で表される化合物の少なくとも1種を含有し、かつ、下記一般式(C)で表される化合物を含有しないことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
一般式(I)
D−(X)y
一般式(I)中、Dは発色団を有する化合物残基を表し、Xは解離性水素または解離性水素を有する基を表し、yは1〜7の整数を表す。ここでyが2〜7のとき、複数のXは同一でも異なってもよい。
Figure 2007199703
一般式(A)中、R1は置換または無置換のアルキル基またはアルコキシ基を表す。M1はカチオンを表す。nは1〜7の整数を表す。ここでnが2〜7のとき、複数のR1は同一でも異なってもよい。
Figure 2007199703
一般式(FS−2)中、A、Bは、それぞれ独立に、フッ素原子または水素原子を表す。a、bは、それぞれ独立に、1〜6の整数を表す。c、dは、それぞれ独立に、4〜8の整数を表す。Mはカチオンを表す。
Figure 2007199703
一般式(C)中、Rは置換または無置換のアルキル基を表す。Mはカチオンを表す。
本発明によると、現像所における仕上がり均一性、特に、保存期間にかかわらず、白地の濃度の安定性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料、特に、映画用カラーポジ感光材料として好適に用いられるハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することができる。
以下、本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料に詳細に説明する。
最初に、本発明の一般式(I)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(I)
D−(X)y
一般式(I)中、Dは発色団を有する化合物残基を表し、Xは解離性水素原子又は解離性水素原子を有する基を表し、yは1〜7の整数を表す。ここで、yが2〜7のとき、複数のXは同一でも異なってもよい。
本発明で使用される一般式(I)で表される化合物(染料)は、分子構造中に解離性水素等を有する点に特徴がある。Dにおける発色団を有する化合物残基は、多くの周知である色素の中から選ぶことができる。これらの化合物としては、オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色素、アリーリデン色素、アゾメチン色素、トリフェニルメタン色素、アゾ色素、アントラキノン色素、インドアニリン色素を挙げることができる。
XはDに直接もしくは2価の連結基を介して結合した解離性水素又は解離性水素を有する基を表す。XとDとの間の2価の連結基は、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環残基、−CO−、−SOn−(n=0,1,2)、−NR’−(R’は水素原子、アルキル基、アリール基を表す)、−O−、及びこれらの連結基を組み合わせた2価の基であり、更にそれらはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホンアミド基等の置換基を有していてもよい。好ましい例として−(CH2n’−(n’=1,2,3)、−CH2CH(CH3)CH2−、1,2−フェニレン、5−カルボキシ−1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、6−メトキシ−1,3−フェニレン、−CONHC64−等を挙げることができる。
Xで表される解離性水素又は解離性水素を有する基は、一般式(I)で表される染料が本発明のハロゲン化銀写真感光材料中に添加された状態では、非解離であって、一般式(I)の染料を実質的に水不溶性にする特性を有し、該感光材料が現像処理される工程では、解離して一般式(I)の化合物を実質的に水可溶性にする特性を有する。Xで表される解離性水素を有する基の例としては、カルボン酸基、スルホンアミド基、スルファモイル基、スルホニルカルバモイル基、アシルスルファモイル基、フェノール性水酸基などを有する基を挙げることができる。Xで表される解離性水素はオキソノール色素のエノール基の水素などを挙げることができる。
yの好ましい範囲は、1〜5、特に好ましい範囲は、1〜3である。
一般式(I)で表される化合物のうち好ましいものは、Xにおける解離性水素を有する基がカルボン酸基を有する基であるものであり、特にカルボキシル基で置換されたアリール基を有する化合物が好ましい。
また一般式(I)で表される化合物のうち、より好ましいものは下記一般式(II)又は一般式(III)で表される化合物である。
一般式(II)
1=L1−(L2=L3m1−Q
一般式(II)中、A1は酸性核を表し、Qはアリール基又は複素環基を表し、L1、L2、L3は各々メチン基を表し、m1は0、1又は2を表す。但し、一般式(II)の化合物は分子内に水溶性基としてカルボン酸基、スルホンアミド基、スルファモイル基、スルホニルカルバモイル基、アシルスルファモイル基、フェノール性水酸基及びオキソノール色素のエノール基からなる群の中より選ばれる基を1〜7個有する。
一般式(III)
1=L1−(L2=L3n1−A2
一般式(III)中、A1及びA2は酸性核を表し、L1、L2、L3は各々メチン基を表し、n1は0、1、2又は3を表す。但し、一般式(III)の化合物は分子内に水溶性基としてカルボン酸基、スルホンアミド基、スルファモイル基、スルホニルカルバモイル基、アシルスルファモイル基、フェノール性水酸基及びオキソノール色素のエノール基からなる群の中より選ばれる基を1〜7個有する。
以下、一般式(II)及び(III)について詳細に説明する。
1及びA2で表される酸性核は、環状のケトメチレン化合物又は電子吸引性基によって挟まれたメチレン基を有する化合物から誘導されるものが好ましい。環状のケトメチレン化合物の例としては、2−ピラゾリン−5−オン、ロダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、2,4−オキサゾリジンジオン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、インダンジオン、ジオキソピラゾロピリジン、ヒドロキシピリドン、ピラゾリジンジオン、2,5−ジヒドロフランを挙げることができる。これらは置換基を有していてもよい。
電子吸引性基によって挟まれたメチレン基を有する化合物は、Z1CH22と表すことができる。ここにZ1及びZ2はそれぞれ−CN、−SO211、−COR11、−COOR12、−CONHR12、−SO2NHR12又は−C〔=C(CN)2〕R11を表す。R11は、アルキル基、アリール基、又は複素環基を表し、R12は水素原子又はR11で表される基を表し、そしてこれらはそれぞれ置換基を有していてもよい。
Qで表されるアリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基を挙げることができる。これらはそれぞれ置換基を有していてもよい。Qで表される複素環基の例としては、ピロール、インドール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、インドリジン、キノリン、カルバゾール、フェノチアジン、フェノキサジン、インドリン、チアゾール、ピリジン、ピリダジン、チアジアジン、ピラン、チオピラン、オキソジアゾール、ベンゾキノリン、チアジアゾール、ピロロチアゾール、ピロロピリダジン、テトラゾール、オキサゾール、クマリン、及びクマロンを挙げることができる。これらはそれぞれ置換基を有していてもよい。
1、L2及びL3で表されるメチン基は、置換基を有していてもよく、その置換基同士が連結して5又は6員環(例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン)を形成していてもよい。
上述した各基が有していてもよい置換基は、一般式(I)〜(III)の化合物をpH5〜pH7の水に実質的に溶解させるような置換基でなければ特に制限はない。例えば、以下の置換基を挙げることができる。
カルボン酸基、炭素数1〜10のスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、n−オクタンスルホンアミド)、炭素数0〜10の無置換又はアルキルもしくはアリール置換スルファモイル基(例えば、無置換のスルファモイル、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル、ナフチルスルファモイル、ブチルスルファモイル)、炭素数2〜10のスルホニルカルバモイル基(例えば、メタンスルホニルカルバモイル、プロパンスルホニルカルバモイル、ベンゼンスルホニルカルバモイル)、炭素数1〜l0のアシルスルファモイル基(例えば、アセチルスルファモイル、プロピオニルスルファモイル、ピバロイルスルファモイル、ベンゾイルスルファモイル)、
炭素数1〜8の鎖状又は環状のアルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メトキシエチル、ベンジル、フェネチル、4−カルボキシベンジル、2−ジエチルアミノエチル)、炭素数2〜8のアルケニル基(例えば、ビニル、アリル)、炭素数1〜8のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br)、炭素数0〜10のアミノ基(例えば、無置換のアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、カルボキシエチルアミノ)、炭素数2〜10のエステル基(例えば、メトキシカルボニル)、炭素数1〜10のアミド基(例えば、アセチルアミノ、ベンズアミド)、炭素数1〜10のカルバモイル基(例えば、無置換のカルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル)、炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル、ヒドロキシフェニル、4−カルボキシフェニル、3−カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル、4−メタンスルホンアミドフェニル、4−ブタンスルホンアミドフェニル)、炭素数6〜10のアリーロキシ基(例えば、フェノキシ、4−カルボキシフェノキシ、3−メチルフェノキシ、ナフトキシ)、
炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ)、炭素数6〜10のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ)、炭素数1〜10のアシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、プロパノイル)、炭素数1〜10のスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、炭素数1〜10のウレイド基(例えば、ウレイド、メチルウレイド)、炭素数2〜10のウレタン基(例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ)、シアノ基、水酸基、ニトロ基、複素環基(例えば、5−カルボキシベンゾオキサゾール環、ピリジン環、スルホラン環、ピロール環、ピロリジン環、モルホリン環、ピペラジン環、ピリミジン環、フラン環)。
また一般式(III)で表される化合物のうちより好ましいものは、下記一般式(IV)で表される化合物である。この一般式(IV)で表される化合物は解離性水素としてエノール基の水素を有している。
Figure 2007199703
一般式(IV)中、R21は水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環基を表し、R22は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、−COR24又は−SO224を表し、R23は水素原子、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、アルキル基、アリール基、−CO224、−OR24、−NR2526、−CONR2526、−NR25COR24、−NR25SO224、又はNR25CONR2526(ここで、R24はアルキル基、又はアリール基を表し、R25、R26は各々水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。)を表す。L1、L2、L3は各々メチン基を表す。n2は1又は2を表す。
一般式(IV)において、R21のアルキル基としては炭素数1〜4のアルキル基、2−シアノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、カルボキシベンジル基が挙げられ、アリール基としてはフェニル基、2−メチルフェニル基、2−カルボキシフェニル基、3−カルボキシフェニル基、4−カルボキシフェニル基、3,6−ジカルボキシフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−クロロ−4−カルボキシフェニル基、4−メチルスルファモイルフェニル基が挙げられ、複素環基としては、5−カルボキシベンゾオキサゾール−2−イル基が挙げられる。
22のアルキル基としては炭素数1〜4のアルキル基、カルボキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基が挙げられ、アリール基としては2−カルボキシフェニル基、3−カルボキシフェニル基、4−カルボキシフェニル基、3,6−ジカルボキシフェニル基が挙げられ、複素環基としてはピリジル基が挙げられ、−COR24としてはアセチル基が挙げられ、−SO24としてはメタンスルホニル基が挙げられる。
23、R24、R25、R26のアルキル基としては炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。R23、R24、R25、R26のアリール基としてはフェニル基、メチルフェニル基が挙げられる。
本発明においては、R21がカルボキシル基置換のフェニル基(例えば、2−カルボキシフェニル、3−カルボキシフェニル、4−カルボキシフェニル、3,6−ジカルボキシフェニル)であることが好ましい。
以下に、本発明に好ましく用いられる一般式(I)〜(IV)で表される化合物の具体例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007199703
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Figure 2007199703
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本発明に用いられる染料は、国際特許WO88/04794号、欧州公開特許第274,723A1号、同第276,566号、同第299,435号、特開昭52−92716号、同55−155350号、同55−155351号、同61−205934号、同48−68623号、米国特許第2,527,583号、同第3,486,897号、同第3,746,539号、同第3,933,798号、同第4,130,429号、同第4,040,841号、特開平3−282244号、同3−7931号、同3−167546号等の明細書あるいは公報に記載されている方法又はその方法に準じて合成できる。
本発明で用いられる、染料の固体微粒子分散物は、公知の方法で調製できる。製造法の詳細は、機能性顔料応用技術(シーエムシー刊、1991年)などに記載されている。メディア分散は一般的な方法の一つである。この方法では染料粉末又はそのウエットケーキと呼ばれる水や有機溶媒で湿った状態の染料を、水性スラリーにし、公知の粉砕機(例えばボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、縦型サンドミル、ローラーミル、ピンミル、コボールミル、キャディーミル、横型サンドミル、アトライター等)を用いて、分散メディア(スチールボール、セラミックボール、ガラスビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアシリケートビーズ、ジルコニアビーズ、オタワサンドなど)の存在下で機械力によって粉砕する。これらのうち、ビーズの平均直径は好ましくは2mm〜0.3mm、より好ましくは1mm〜0.3mm、更に好ましくは0.5mm〜0.3mmのものが用いられる。これらの他にジェットミル、ロールミル、ホモジナイザー、コロイドミルやデゾルバーによって粉砕する方法や、超音波分散機による粉砕方法も用いることができる。
また米国特許第2,870,012号明細書に開示されているように、均一溶液に溶解した後、貧溶媒を加えて固体微粒子を析出させたり、例えば特開平3−182743号公報に開示されているように、アルカリ溶液に溶解した後pHを下げることで、固体微粒子を析出させる方法も用いることができる。
これらの固体微粒子分散物を調製するときは、分散助剤を存在させるのが好ましい。好ましく用いられる分散助剤の詳細(具体的な説明、好ましい限定、例示化合物等)は特開2003−172984号公報33頁63欄25行目〜34頁65欄25行目(段落番号0125〜0131)に記載されており、本発明の明細書の一部として取り込まれる。
本発明において、好ましく用いられる染料に対する上記分散助剤の使用量としては、質量比で好ましくは0.05〜0.5、より好ましくは0.1〜0.3である。分散助剤の使用量がこの範囲であると塗布面の均一性良化の点で好ましい。
また固体微粒子分散物の調製時に分散物の安定化や低粘度化の目的でポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、多糖類、ゼラチンなどの親水性コロイドを共存させることもできる。本発明においては後述する一般式(VI)の化合物を共存させることが特に好ましい。
本発明で好ましく用いられる染料の固体微粒子分散物は、好ましくは、特開平5−216166号公報に開示されているような方法で、分散前、分散中又は分散後に加熱処理されることが、本発明の効果を得るのに好ましい。本発明において、染料分散物に好ましく適用される熱処理としては、染料粉体を溶媒中で加熱するなど固体状に微分散する工程の前に行う方法と、染料を分散剤の存在下で水あるいは他の溶媒中に分散する際冷却せず、あるいは温度をかけて分散を行う方法、及び分散後の液や塗布液を加熱処理する方法とがあるが、分散後に行うのが特に好ましい。
一般式(I)の染料を含有する固体微粒子分散物が、特定の層に複数種用いられているときは少なくとも1種が熱処理されていればよい。
分散時及び分散後熱処理中のpHは分散物が安定に存在する条件であればよく、好ましくはpH2.0以上8.0以下、より好ましくは2.0以上6.5以下、更に好ましくは2.5以上4.5未満である。熱処理中のpHがこの範囲であると塗布物の膜強度改良の点で好ましい。分散物のpH調整は、例えば硫酸、塩酸、酢酸、クエン酸、リン酸、しゅう酸、炭酸、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムやそれらからなる緩衝液を用いることができる。
熱処理をする温度としては熱処理をする工程、粉体ないし粒子の大きさ形状、熱処理条件、溶媒などによって異なるので一概には云えず40℃以上で染料が分解しない範囲であれば何度でもよいが、粉体で熱処理する場合には40℃〜200℃が適当であり、好ましくは50℃〜150℃が適当であり、溶媒中で熱処理する場合には40℃〜150℃、好ましくは50℃〜150℃、分散中に熱処理する場合には40℃〜90℃が適当であり、好ましくは50℃〜90℃、分散後の分散液を熱処理する場合には40℃〜100℃が適当であり、好ましくは50℃〜95℃である。熱処理の温度が40℃より低いと効果が乏しく好ましくない。
熱処理が溶媒中で行われる場合、その溶媒の種類としては、染料を実質的に溶解しないものであれば制限はなく、例えば水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチルセロソルブ)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル)、アルキルカルボン酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル)、エーテル類(例えば、ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン)、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド)等を挙げることができる。
また、これらの溶媒単独では染料が溶解してしまう場合でも、水や他の溶媒と混合したり、pHを調節することで染料が実質溶解しなければ使用することができる。
熱処理する時間についても一概には云えず、温度が低ければ長時間を要し、高ければ短時間で済む。製造工程上影響のない範囲内で熱処理が実現できるように任意に設定することができるが、通常1時間〜4日であることが好ましい。
写真感光材料に染料の微粒子を含有してなる層を設けるには、このようにして得た微粒子を適当なバインダー中に分散させることによってほぼ均一な粒子の固体分散物として調製した後、これを所望の支持体上に塗設することによって設けることが出来る。上記バインダーは感光性乳剤層や、非感光性層に用いることができる親水性のコロイドであれば特に制限はないが、通常ゼラチン又はポリビニルアルコールやポリアクリルアミド等の合成ポリマーが用いられる。
固体分散物中の微粒子は、平均粒子径0.005μm〜10μm、好ましくは0.01μm〜1μm、より好ましくは0.01μm〜0.7μmであることが好ましい。この範囲であると微粒子の非凝集性、光の吸収効率の点で好ましい。本発明で好ましく用いられる一般式(I)の染料の固体微粒子分散物は、単独又は複数の固体微粒子分散物と併用して使用することができる。
さらに、固体微粒子を添加する親水性コロイド層はただ一層でもよいし、複数層であってもよい。例えば、単独の固体微粒子分散物をただ一層に添加する場合、複数層に分割して添加する場合、複数の固体微粒子分散物をただ一層に同時に添加する場合、それぞれ別層に添加する場合などが例として挙げられるが、上記に限られるものではない。
さらに、固体微粒子分散物は、アンチハレーション層として必要な量を組み込まれたうえ、イラジエーション防止用に感光性ハロゲン化銀乳剤層に必要量を添加されることもできる。
本発明で使用する一般式(I)で表される染料の固体微粒子分散物を含有する親水性コロイド層は、支持体とこれに最も近いハロゲン化銀乳剤層の間に設けられる。ここで、支持体とこれに最も近いハロゲン化銀乳剤層の間には、固体微粒子分散物を含有する親水性コロイド層以外の他の非感光性親水性コロイド層を有していてもよい。
本発明で好ましく用いられる染料の固体微粒子分散物は、ハロゲン化銀写真感光材料において、染料の色相に応じて非感光性親水性コロイド層に含有されるが、該非感光性層が複数層設けられている態様の感光材料においては、これらの複数層に含有させることもできる。本発明の好ましく用いられる固体微粒子分散物中の染料濃度は0.1〜50質量%が適当であり、好ましくは2〜30質量%である。染料濃度がこの範囲であると分散物の粘度の点で好ましい。また、固体微粒子染料の好ましい塗布量は、約0.05〜0.5g/m2である。
本発明においては、固体微粒子分散物とともに下記一般式(VI)で表される化合物を同一写真構成層に含有することが好ましい。
一般式(VI)
P−((S)m3−R)n3
一般式(VI)中、Rは水素原子、疎水性基又は疎水性重合体を表し、Pは下記構成単位A、B及びCのうちの少なくとも1つを含み、Pの重合度が10以上3500以下の重合体を表す。n3は1又は2を表す。m3は1又は0を表す。
Figure 2007199703
ここで、R31は−H又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R32は−H又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R33は−H又は−CH3を表し、R34はH、−CH3、−CH2COOH(アンモニウム基又は金属塩を含む)又は−CNを表し、Xは−H、−COOH(アンモニウム基又は金属塩を含む)又は−CONH2を表し、Yは−COOH(アンモニウム基又は金属塩を含む)、−SO3H(アンモニウム基又は金属塩を含む)、−OSO3H(アンモニウム基又は金属塩を含む)、−CH2SO3H(アンモニウム基又は金属塩を含む)、−CONHC(CH32CH2SO3H(アンモニウム基又は金属塩を含む)又は−CONHCH2CH2CH2+(CH33Cl-を表す。
本発明で好ましく使用される一般式(VI)で表される化合物の詳細(具体的な説明、好ましい限定、例示化合物、使用量、合成法等)は特開平11−95371号公報の24頁46欄27行目〜33頁63欄2行目(段落番号0090〜0128)に記載されており、本発明の明細書の一部として取り込まれる。
次に、本発明の一般式(A)で表される化合物について詳細に説明する。
Figure 2007199703
一般式(A)中、R1は置換または無置換のアルキル基またはアルコキシ基を表す。M1はカチオンを表す。nは1〜7の整数を表す。ここで、nが2以上の場合、複数のR1は同一でも異なっていても良い。
1で表されるアルキル基については、炭素数1〜6の置換または無置換のアルキル基が挙げられる。R1で表されるアルコキシ基は炭素数1〜6の置換または無置換のアルコキシ基が挙げられる。アルキル基またはアルコキシ基が置換されている場合、好ましい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基が挙げられる。但し、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基で置換されている場合、置換されたR1の総炭素数は1〜6が好ましい。本発明においては、R1はアルキル基が好ましく、無置換のアルキル基がさらに好ましい。
カチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましく適用される。これらのうち、特に好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンである。
本発明に用いられる好ましい化合物例を具体的に以下に例示するが、本発明は、これらに具体的に限定されるものではない。
Figure 2007199703
次に、本発明の一般式(B)で表される化合物(アニオン性界面活性剤)について詳細に説明する。
Figure 2007199703
一般式(B)中、R、R3はそれぞれ独立に置換または無置換のアルキル基を表す。M2はカチオンを表す。
、R3で表されるアルキル基については、それぞれ独立に炭素数1〜12の置換または無置換のアルキル基が挙げられる。RとR3は同一でも異なっていても良い。RまたはR3が置換基を有する場合、好ましい置換基は前述の一般式(A)の場合と同じである。
カチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましく適用される。これらのうち、特に好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンである。
本発明に用いられる好ましい化合物例を具体的に以下に例示するが、本発明は、これらに具体的に限定されるものではない。
Figure 2007199703
次に、本発明の一般式(C)で表される化合物について詳細に説明する。
Figure 2007199703
一般式(C)中、Rは置換または無置換のアルキル基を表す。Mはカチオンを表す。
で表されるアルキル基については、炭素数6〜20のアルキル基が挙げられる。カチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましく適用される。これらのうち、特に好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンである。
これらの化合物としては、p−ヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、p−オクチルベンゼンスルホン酸カリウム、p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、p−トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
次に、本発明の一般式(FS)で表される化合物について詳細に説明する。
Figure 2007199703
一般式(FS)中、A、Bは、各々独立に、フッ素原子又は水素原子を表す。a、bは、各々独立に、1〜6の整数を表す。c、dは、各々独立に、4〜8の整数を表す。xは、0又は1を表す。Mはカチオンを表す。
A、Bは、各々独立に、フッ素原子又は水素原子を表し、A、Bが同じであっても、異なっていてもよい。A、Bとして好ましくは、A、B共にフッ素原子又は水素原子であり、より好ましくは、A、B共にフッ素原子である。
a、bは、各々独立に、1〜6の整数を表す。a、bは1〜6の整数であれば、互いに異なっていても、同じであってもよい。a、bとして好ましくは、1〜6の整数で、かつa=bであり、より好ましくは、2又は3の整数で、かつa=bであり、更に好ましくはa=b=2である。
c、dは、各々独立に、4〜8の整数を表す。c、dは4〜8の整数であれば、互いに異なっていても、同じであってもよい。c、dとして好ましくは、4〜6の整数で、かつc=dであり、より好ましくは、4又は6の整数で、かつc=dであり、更に好ましくは、c=d=4である。
xは0又は1を表し、どちらも同様に好ましい。
Mはカチオンを表し、Mで表されるカチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましく適用される。これらのうち、特に好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンである。
前記一般式(FS)で表される化合物の中でも、より好ましくは下記一般式(FS−a)で表される化合物である。
Figure 2007199703
一般式(FS−a)中、a、b、c、d、M、及びxは、前記一般式(FS)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
前記一般式(FS)の中でも、より好ましくは下記一般式(FS−b)である。
Figure 2007199703
一般式(FS−b)中、a1は2〜3の整数を表す。c1は4〜6の整数を表す。Mはカチオンを表す。xは0又は1を表す。
a1としては2が好ましい。c1としては4が好ましい。xとしては0及び1がともに好ましい。
本発明に用いられる好ましい化合物(界面活性剤)の具体例を以下に例示するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2007199703
Figure 2007199703
Figure 2007199703
Figure 2007199703
本発明において、上記界面活性剤を写真感光材料の層に用いる場合、界面活性剤を含む水性塗布組成物は、本発明の界面活性剤と水のみからなっていてもよく、目的に応じてその他の成分を適宜含んでいてもよい。
上記の水性塗布組成物において、本発明の界面活性剤は本発明の組み合わせによる2種類を用いてもよいし、また、3種以上を混合して用いてもよい。また、本発明の界面活性剤とともに本発明の構造の範囲内で他の界面活性剤を用いてもよい。併用可能な界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系の各種界面活性剤を挙げることができ、高分子界面活性剤であってもよい。このうち、アニオン系もしくはノニオン系活性剤がより好ましい。併用可能な界面活性剤の例としては、例えば特開昭62−215272号公報(649〜706頁)やリサーチ・ディスクロージャー(RD)Item17643,26〜27頁(1978年12月)、同18716,650頁(1979年11月)、同307105,875〜876頁(1989年11月)等を挙げることができる。
上記水性塗布組成物中に含まれていてもよいものとして代表的なものはポリマー化合物である。ポリマー化合物は水性媒体可溶なポリマーであってもよく、ポリマーの水分散物(いわゆるポリマーラテックス)であってもよい。可溶性ポリマーとしては特に制限はないが、例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、カゼイン、寒天、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができ、ポリマーラテックスとしては、種々のビニルモノマー(例えば、アクリレート誘導体、メタクリレート誘導体、アクリルアミド誘導体、メタクリルアミド誘導体、スチレン誘導体、共役ジエン誘導体、N−ビニル化合物、O−ビニル化合物、ビニルニトリル、その他のビニル化合物(例えばエチレン、塩化ビニリデン))の単独もしくは共重合体、縮合系ポリマーの分散物(例えばポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド)を挙げることができる。この種のポリマー化合物の詳細例については、例えば特開昭62−215272号公報(707〜763頁)やリサーチ・ディスクロージャー(RD)Item17643,651頁(1978年12月)、同18716,650頁(1979年11月)、同307105,873〜874頁(1989年11月)等を挙げることができる。
上記水性塗布組成物における媒体としては、水単独であってもよいし、水以外の有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、nーブタノール、メチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、アセトン等)と水との混合溶媒であってもよい。水性塗布媒体における水の割合は、50質量%以上であることが好ましい。
上記水性塗布組成物中には、用いる写真感光材料の層に応じて種々の化合物を含んでいてもよく、またそれらは媒体に溶解していてもよく、分散されていてもよい。それらの例としては、種々のカプラー、紫外線吸収剤、混色防止剤、スタチック防止剤、スカベンジャー、かぶり防止剤、硬膜剤、染料、防黴剤等を挙げることができる。また写真感光材料に用いて、効果的な帯電防止能と塗布の均一性を得るためには、最上層の親水性コロイド層に用いるのが好ましい。
この場合、該層の塗布組成物中には、親水性コロイド(例えばゼラチン)や本発明の界面活性剤以外に、他の界面活性剤やマット剤、スベリ剤、コロイダルシリカ、ゼラチン可塑剤等を含有することができる。
前記一般式(A)、(B)、(FS)、(FS−a)または(FS−b)で表される界面活性剤の使用量に特に制約は無く、また界面活性剤の構造やその用途、水性組成物中に含まれる化合物の種類や量、媒体の構成等によって、その使用量を任意に変えることができる。例えば本発明の界面活性剤を、本発明の好ましい態様である写真感光材料の最上層の親水性コロイド(ゼラチン)層用塗布液として用いる場合、塗布溶液中の濃度(質量%)としては、0.003〜2.0%であることが好ましく、またゼラチン固形分に対して0.03〜10%であることが好ましい。
次に本発明の映画映写用ハロゲン化銀カラー写真感光材料の写真層等について記載する。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、透過型支持体を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料であり、該支持体上に、実質的に感色性の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀カラー写真感光材料である。本発明はカラーポジフィルム、映画用ポジフィルムなど一般用、映画用カラー写真感光材料に適用することができる。特に映画用カラーポジ感光材料に適用するのが好ましい。
本発明において、感光性ハロゲン化銀乳剤層及び非感光性親水性コロイド層の層数及び層順に特に制限はない。イエロー、シアン、マゼンタの各発色性感光性ハロゲン化銀乳剤層は、一つの感光性ハロゲン化銀乳剤層からなっていても、感色性が同じで感度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層からなっていてもよい。
各発色性感光性ハロゲン化銀乳剤層の発色性と感色性との間にも制限はなく、例えば、ある発色性感光性ハロゲン化銀乳剤層が赤外域に感色性を有していてもかまわない。
典型的な層順の例としては、支持体から順に染料の固体微粒子分散物および/または黒色コロイド銀を含有する非感光性親水性コロイド層、イエロー発色性感光性ハロゲン化銀乳剤層、非感光性親水性コロイド層(混色防止層)、シアン発色性感光性ハロゲン化銀乳剤層、非感光性親水性コロイド層(混色防止層)、マゼンタ発色性感光性ハロゲン化銀乳剤層、非感光性親水性コロイド層(保護層)である。しかし、目的に応じて、上記設置順を変更しても、感光性ハロゲン化銀乳剤層又は非感光性親水性コロイド層の数を増減させてもかまわない。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料中の鉄分(Fe)については、主にゼラチン、乳剤粒子中に故意にドープしたもの、染料などによって持ち込まれるが、本発明のFe含有量としては、Fe量が2×10−5mol/m以下(好ましくは1×10−8〜2×10−5mol/m)である事が好ましく、8×10−6mol/m以下(好ましくは1×10−8から8×10−6mol/m)が好ましく、3×10−6mol/m以下(好ましくは1×10−8〜3×10−6mol/m)が最も好ましい。
本発明において、親水性コロイドとしてはゼラチンが好ましく用いられる。必要に応じて他の親水性コロイドを任意の比率でゼラチンに代えて用いることもできる。これらの例としては、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他のポリマーのグラフト重合体、アルブミンあるいはカゼイン等のタンパク質、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及び硫酸セルロース等)、アルギン酸ナトリウム及びデンプン誘導体等の糖類、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの部分アセタール体、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾールあるいはポリビニルピラゾール等の広範囲な合成ポリマー等を挙げることができる。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子としては、塩化銀、臭化銀、(沃)塩臭化銀、沃臭化銀等がある。特に、本発明においては現像処理時間を速めるために、塩化銀含有率95モル%以上の塩化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、塩沃臭化銀を好ましく用いることができる。この乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するもの、球状、板状のような変則的な結晶系を有するもの、双晶面等の結晶欠陥を有するもの、あるいはその複合系でもよい。また、主平面が(111)面又は(100)面である平板粒子を用いると、発色現像の迅速化、処理混色の低減などの点で好ましい。主平面が(111)面又は(100)面である平板状高塩化銀乳剤粒子については、特開平6−138619号、米国特許第4,399,215号、同第5,061,617号、同第5,320,938号、同第5,264,337号、同第5,292,632号、同第5,314,798号、同第5,413,904号、国際公開WO94/22051号の各公報または明細書等に開示されている方法にて調製することができる。
本発明において併用できるハロゲン化銀乳剤としては、任意のハロゲン組成のハロゲン化銀乳剤を用いてもよいが、迅速処理性の観点から、塩化銀含有率が95モル%以上の塩(沃)化銀、塩(沃)臭化銀が好ましく、さらには塩化銀含有率が98モル%以上のハロゲン化銀乳剤が好ましい。
写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体のような規則的な結晶形を有するもの、双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合形でもよい。ハロゲン化銀の粒径は、約0.2μm以下の微粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよいが、本発明のハロゲン化銀粒子は、現像進行を速くする目的で、単分散であることが好ましく、各ハロゲン化銀粒子の粒子サイズの変動係数が0.3以下(好ましくは、0.3〜0.05)が好ましく、さらに好ましくは、0.25以下(好ましくは、0.25〜0.05)である。ここでいう変動係数とは、統計上の標準偏差値(s)と平均粒子サイズ(d)との比(s/d)で表される。
本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す)No.17643(1978年12月), 22〜23頁、“I.乳剤製造(Emulsion preparation and types)”、及び同No.18716(1979年11月), 648頁、同No.307105(1989年11月),863〜865頁、及びグラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテル社刊(P. Glafkides,Chemie et Phisique Photographique, Paul Montel, 1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F. Duffin, Photographic Emulsion Chemistry, Focal Press, 1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L. Zelikman, et al., Making and Coating Photographic Emulsion, Focal Press, 1964)などに記載された方法を用いて調製することができる。
米国特許第3,574,628号、同第3,655,394号、及び英国特許第1,413,748号の各明細書に記載された単分散乳剤も好ましい。また、アスペクト比が約3以上であるような平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Gutoff, Photographic Science and Engineering)、第14巻248〜257頁(1970年);米国特許第4,434,226号、同第4,414,310号、同第4,433,048号、同第4,439,520号及び英国特許第2,112,157号の各明細書に記載の方法により簡単に調製することができる。
結晶構造は一様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造をなしていてもよい。エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形粒子の混合物を用いてもよい。
上記の乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよいが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像型のうち、特開昭63−264740号公報に記載のコア/シェル型内部潜像型乳剤であってもよく、この調製方法は特開昭59−133542号公報に記載されている。この乳剤のシェルの厚みは現像処理等によって異なるが、3〜40nmが好ましく、5〜20nmが特に好ましい。
ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化学熟成及び分光増感を行ったものを使用する。このような工程で使用される添加剤はRDNo.17643、同No.18716及び同No.307105に記載されており、その該当箇所を後掲の表にまとめた。
本発明の感光材料には、感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することができる。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料における塗布銀量としては、6.0g/m以下が好ましく、4.5g/m以下がより好ましく、2.0g/m以下が最も好ましい。なお、塗布銀量は0.01g/m以上、好ましくは0.02g/m以上、さらに好ましくは0.5g/m以上使用される。
支持体上に設けられた感光性ハロゲン化銀乳剤層や非感光性親水性コロイド層(中間層や保護層など)からなる写真構成層中のいずれかの層、好ましくはハロゲン化銀乳剤層に、1−アリール−5−メルカプトテトラゾール化合物をハロゲン化銀1モル当たり1.0×10−5〜5.0×10−2モル添加することが好ましく、さらには1.0×10−4〜1.0×10−2モル添加することが好ましい。この範囲で添加することによって、連続処理後の処理済みカラー写真表面への汚れをいっそう少なくすることができる。
このような1−アリール−5−メルカプトテトラゾール化合物としては、1位のアリール基が無置換又は置換フェニル基であるものが好ましく、この置換基の好ましい具体例としてはアシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、−NHCOC11(n)など)、ウレイド基(例えば、メチルウレイドなど)、アルコキシ基(例えばメトキシなど)、カルボン酸基、アミノ基、スルファモイル基などであって、これらの基はフェニル基に複数個(2〜3個など)結合していてもよい。また、これの置換基の位置はメタ又はパラ位が好ましい。これらの具体例としては、1−(m−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールや1−(m−アセチルアミノフェニル)−5−メルカプトテトラゾールが挙げられる。
本発明に使用または併用できる写真用添加剤は以下のリサーチ・ディスクロージャー誌(RD)に記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示した。
Figure 2007199703
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料には、種々の色素形成カプラーを使用することができるが、以下の色素形成カプラーが特に好ましい。イエローカプラー:欧州特許EP502,424A号明細書の一般式(I)、(II)で表されるカプラー;欧州特許EP513,496A号明細書の一般式(1)、(2)で表されるカプラー(特に18頁のY−28);特開平5−307248号公報の請求項1の一般式(I)で表されるカプラー;米国特許第5,066,576号明細書のカラム1の45〜55行の一般式(I)で表されるカプラー;特開平4−274425号公報の段落0008の一般式(I)で表されるカプラー;欧州特許EP498,381A1号明細書の40頁のクレーム1に記載のカプラー(特に18頁のD−35);欧州特許EP447,969A1号明細書の4頁の一般式(Y)で表されるカプラー(特にY−1(17頁),Y−54(41頁));米国特許第4,476,219号明細書のカラム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表されるカプラー(特にII−17, 19(カラム17), II−24(カラム19))。
マゼンタカプラー;特開平3−39737号公報(L−57(11頁右下), L−68(12頁右下), L−77(13頁右下));欧州特許EP456,257号明細書のA−4−63(134頁), A−4−73, −75(139頁);欧州特許EP486,965号明細書のM−4, −6(26頁), M−7(27頁);特開平6−43611号の段落0024のM−45, 特開平5−204106号公報の段落0036のM−1;特開平4−362631号公報の段落0237のM−22。
シアンカプラー:特開平4−204843号公報のCX−1, 3, 4, 5, 11, 12, 14, 15(14〜16頁);特開平4−43345号公報のC−7, 10(35頁), 34, 35(37頁), (I−1), (I−17)(42〜43頁);特開平6−67385号公報の請求項1の一般式(Ia)又は(Ib)で表されるカプラー。ポリマーカプラー:特開平2−44345号公報のP−1, P−5(11頁)。
発色色素が適度な拡散性を有するカプラーとしては、米国特許第4,366,237号、独国特許GB2,125570号、欧州特許EP96,873B号、独国特許DE3,234,533号の各明細書に記載のものが好ましい。発色色素の不要吸収を捕正するためのカプラーは、欧州特許EP456,257A1号明細書の5頁に記載の一般式(CI), (CII), (CIII), (CIV)で表されるイエローカラードシアンカプラー(特に84頁のYC−86)、該欧州特許明細書に記載のイエローカラードマゼンタカプラーExM−7(202頁)、EX−1(249頁)、EX−7(251頁)、米国特許第4,833,069号明細書に記載のマゼンタカラードシアンカプラーCC−9(カラム8)、CC−13(カラム10)、US4,837,136の(2)(カラム8)、国際公開WO92/11575号明細書のクレーム1の一般式〔C−1〕で表される無色のマスキングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が好ましい。
現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な化合物残基を放出する化合物(色素形成カプラーを含む)としては、以下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:欧州特許EP378,236A1号明細書の11頁に記載の一般式(I),(II),(III),(IV)のいずれかで表される化合物(特にT−101(30頁), T−104(31頁), T−113(36頁), T−131(45頁), T−144(51頁),T−158(58頁)),欧州特許EP436,938A2号明細書の7頁に記載の一般式(I)で表される化合物(特にD−49(51頁))、特開平5−307248号公報の一般式(1)で表される化合物(特に段落0027の(23))、欧州特許EP440,195A2号明細書の5〜6頁に記載の一般式(I)、(II)、(III)のいずれかで表される化合物(特に29頁のI−(1));
漂白促進剤放出化合物:欧州特許EP310,125A2号明細書の5頁の一般式(I)、(I’)で表される化合物(特に61頁の(60),(61))及び特開平6−59411号公報の請求項1の一般式(I)で表される化合物(特に段落0022の(7));
リガンド放出化合物:米国特許第4,555,478号明細書のクレーム1に記載のLIG−Xで表される化合物(特にカラム12の21〜41行目の化合物);
ロイコ色素放出化合物;米国特許第4,749,641号明細書のカラム3〜8の化合物1〜6;蛍光色素放出化合物:米国特許第4,774,181号明細書のクレーム1のCOUP−DYEで表される化合物(特にカラム7〜10の化合物1〜11);
現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:米国特許第4,656,123号明細書のカラム3の一般式(1)、(2)、(3)で表される化合物(特にカラム25の(I−22))及び欧州特許EP450,637A2号明細書の75頁36〜38行目のExZK−2;離脱して初めて色素となる基を放出する化合物:米国特許第4,857,447号のクレーム1の一般式(I)で表わされる化合物(特にカラム25〜36のY−1〜Y−19)。
色素形成カプラー以外の添加剤としては、以下のものが好ましい。油溶性有機化合物の分散媒:特開昭62−215272号公報のP−3, 5, 16, 19, 25, 30, 42, 49, 54, 55, 66, 81, 85, 86, 93 (140〜144頁);
油溶性有機化合物の含浸用ラテックス:米国特許第4,199,363号明細書に記載のラテックス;
現像主薬酸化体スカベンジャー:米国特許第4,978,606号明細書のカラム2の54〜62行の一般式(I)で表される化合物(特にI−(1),(2),(6),(12)(カラム4〜5))、米国特許第4,923,787号明細書のカラム2の5〜10行の式(特に化合物1(カラム3));
ステイン防止剤:欧州特許EP298321A号明細書の4頁30〜33行の一般式(I)〜(III)、特にI−47, 72, III−1, 27 (24〜48頁);褪色防止剤:欧州特許EP298321A号明細書のA−6, 7, 20, 21, 23, 24, 25, 26, 30, 37, 40, 42, 48, 63, 90, 92, 94, 164(69〜118頁), 米国特許第5,122,444号明細書のカラム25〜38のII−1〜III−23, 特にIII−10, 欧州特許EP471347A号明細書の8〜12頁のI−1〜III−4,特にII−2, 米国特許第5,139,931号明細書のカラム32〜40のA−1〜48、特にA−39, 42;
発色増強剤又は混色防止剤の使用量を低減させる素材:欧州特許EP411324A号明細書の5〜24頁のI−1〜II−15,特にI−46;
ホルマリンスカベンジャー:欧州特許EP477932A号明細書の24〜29頁のSCV−1〜28、特にSCV−8;
硬膜剤:特開平1−214845号公報の17頁のH−1, 4, 6, 8, 14, 米国特許第4,618,573号明細書のカラム13〜23の一般式(VII)〜(XII)で表される化合物(H−1〜54),特開平2−214852号公報の8頁右下の式(6)で表される化合物(H−1〜76),特にH−14, 米国特許第3,325,287号明細書のクレーム1に記載の化合物;
現像抑制剤プレカーサー:特開昭62−168139号公報のP−24, 37, 39(6〜7頁);米国特許第5,019,492号明細書のクレーム1に記載の化合物、特にカラム7の28〜29;
防腐剤、防黴剤:米国特許第4,923,790号明細書のカラム3〜15のI−1〜III−43、特にII−1, 9, 10,18, III−25;
安定剤、かぶり防止剤:米国特許第4,923,793号明細書のカラム6〜16のI−1〜(14), 特にI−1, 60, (2),(13), 米国特許第4,952,483号明細書のカラム25〜32の化合物1〜65、特に36;
化学増感剤:トリフェニルホスフィンセレニド, 特開平5−40324号公報の化合物50;
染料:特開平3−156450号公報の15〜18頁のa−1〜b−20、特にa−1, 12, 18, 27, 35, 36, b−5, 27〜29頁のV−1〜23、特にV−1、欧州特許EP445627A号明細書の33〜55頁のF−I−1〜F−II−43、特にF−I−11, F−II−8、欧州特許EP457153A号明細書の17〜28頁のIII−1〜36、特にIII−1, 3、 欧州特許EP319999A号明細書の6〜11頁の化合物1〜22、特に化合物1、欧州特許EP519306A号明細書の一般式(1)〜(3)で表される化合物D−1〜87(3〜28頁)、米国特許第4,268,622号明細書の一般式(I)で表される化合物1〜22(カラム3〜10)、米国特許第4,923,788号明細書の一般式(I)で表される化合物(1)〜(31)(カラム2〜9);
UV吸収剤:特開昭46−3335号公報の一般式(1)で表される化合物(18b)〜(18r), 101〜427(6〜9頁)、欧州特許EP520938A号明細書の一般式(I)で表される化合物(3)〜(66)(10〜44頁)及び一般式(III)で表される化合物HBT−1〜HBT−10(14頁)、欧州特許EP521823号明細書の一般式(1)で表される化合物(1)〜(31)(カラム2〜9)。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は乳剤層を有する側の支持体から最も離れた層、または乳剤層を有しない側の支持体から最も離れた層、若しくはその両方に、フッ素原子を含む化合物を好ましく用いることができる。なかでも、本発明の一般式[FS]で表される化合物を用いることが好ましい。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、乳剤層を有する側の全親水性コロイド層において、膜厚の総和が28μm以下であることが好ましく、23μm以下がより好ましく、18μm以下がさらに好ましく、16μm以下が特に好ましい。なお、該膜厚の総和は、0.1μm以上であり、好ましくは1μm以上、更に好ましくは5μm以上である。また、膜膨潤速度T1/2は、60秒以下が好ましく、30秒以下がより好ましい。T1/2は、発色現像液で35℃、3分処理した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚としたとき、その膜厚が1/2に到達するまでの時間と定義する。膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した膜厚を意味し、T1/2は、エー・グリーン(A.Green)らのフォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング (Photogr. Sci. Eng), 19巻,2, 124〜129頁に記載の型のスエロメーター(膨潤計)を使用することにより測定できる。T1/2は、バインダーとしてのゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時条件を変えることによって調整することができる。
また、膨潤率は、180〜280%が好ましく、200〜250%がより好ましい。ここで、膨潤率とは、本発明のハロゲン化銀写真感光材料を27℃の蒸留水に浸し、膨潤させたときの平衡膨潤量を表す尺度であり、膨潤率(単位:%)=膨潤時の全膜厚/乾燥時の全膜厚×100と定義される。前記膨潤率は、ゼラチン硬化剤の添加量を調節することにより上記範囲とすることができる。
本発明の映画用ハロゲン化銀カラー写真感光材料は、映画用ポジ感光材料の標準的な処理工程で処理出来る。
従来の映画用ポジ感光材料の標準的な処理工程(乾燥以外)
(1)発色現像浴
(2)停止浴
(3)水洗浴
(4)第一定着浴
(5)水洗浴
(6)漂白促進浴
(7)漂白浴
(8)水洗浴
(9)サウンド現像(塗り付け現像)
(10)水洗
(11)第二定着浴
(12)水洗浴
(13)安定浴
本発明においては、上記処理工程のうち、発色現像時間(上記の(1)の工程)が2分30秒以下(下限は6秒以上が好ましく、より好ましくは10秒以上、さらに好ましくは20秒以上、最も好ましくは30秒以上)、より好ましくは2分以下(下限は2分30秒と同じ)である場合も好ましい結果が得られる。
以下、支持体について説明する。
本発明においては、透明支持体が好ましく、プラスチックフィルム支持体がより好ましい。前記プラスチックフィルム支持体としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンのフィルムが挙げられる。
これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、特に2軸延伸、熱固定されたポリエチレンテレフタレートフィルムが、安定性、強靱さなどの点からも特に好ましい。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はないが、15〜500μmが一般的で、特に40〜200μmが取扱易さ、汎用性などの点から有利なため好ましく、85〜150μmが最も好ましい。透過型支持体とは、好ましくは可視光が90%以上透過するものを意味し、光の透過を実質的に妨げない量であれば染料化ケイ素、アルミナゾル、クロム塩、ジルコニウム塩などを含有していてもよい。
上記プラスチックフィルム支持体の表面に、感光層を強固に接着させるために、一般に下記の表面処理が行なわれる。帯電防止層(バック層)が形成される側の表面も、一般に同様な表面処理が行なわれる。(1)薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸素処理、などの表面活性処理したのち直接に写真乳剤(感光層形成用塗布液)を塗布して接着力を得る方法と、(2)一旦これらの表面処理した後、下塗層を設けこの上に写真乳剤層を塗布する方法との二法がある。
これらのうち(2)の方法がより有効であり、広く行われている。これらの表面処理は、いずれも、本来は疎水性であった支持体表面に、多少とも極性基を形成させること、表面の接着に対してマイナスの要因になる薄層を除去すること、表面の架橋密度を増加させ接着力を増加させるものと思われ、その結果として下塗層用溶液中に含有される成分の極性基との親和力が増加することや、接着表面の堅牢度が増加すること等により、下塗層と支持体表面との接着性が向上すると考えられる。
上記プラスチックフィルム支持体上の感光層が設けられない側の表面には、導電性金属酸化物粒子を含有する非感光性層が設けられることが好ましい。上記非感光性層のバインダーとしては、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリエステル樹脂が好ましく使用される。この非感光性層は硬膜されているのが好ましく、硬膜剤としては、アジリジン系、トリアジン系、ビニルスルホン系、アルデヒド系、シアノアクリレート系、ペプチド系、エポキシ系、メラミン系などが用いられるが、導電性金属酸化物粒子を強固に固定する観点からは、メラミン系化合物が特に好ましい。
導電性金属酸化物粒子の材料としては、ZnO、TIO、SnO、Al、In、MgO、BaO、MoO及びV及びこれらの複合酸化物、そしてこれらの金属酸化物に更に異種原子を含む金属酸化物を挙げることができる。
金属酸化物としては、SnO、ZnO、Al、TIO、In、MgO、及びVが好ましく、さらにSnO、ZnO、In、TIO及びVが好ましく、SnO及びVが特に好ましい。異種原子を少量含む例としては、ZnOに対してAlあるいはIn、TIOに対してNbあるいはTa、Inに対してSn、及びSnOに対してSb、Nbあるいはハロゲン元素などの異種元素を0.01〜30モル%(好ましくは0.1〜10モル%)ドープしたものを挙げることができる。異種元素の添加量が、0.01モル%未満の場合は酸化物又は複合酸化物に充分な導電性を付与することができず、30モル%を超えると粒子の黒化度が増し、帯電防止層が黒ずむため感光材料用としては適さない。従って、導電性金属酸化物粒子の材料としては、金属酸化物又は複合金属酸化物に対し異種元素を少量含むものが好ましい。また結晶構造中に酸素欠陥を含むものも好ましい。
導電性金属酸化物粒子は、非感光性層全体に対し、体積比率が50%以下である必要があるが、好ましくは3〜30%である。塗設量としては特開平10−62905号に記載の条件に従うことが好ましい。体積比率が50%を超えると処理済カラー写真の表面に汚れが付着しやすく、また3%を下回ると帯電防止能が十分に機能しない。
導電性金属酸化物粒子の粒子径は、光散乱をできるだけ小さくするために小さい程好ましいが、粒子と結合剤の屈折率の比をパラメーターとして決定されるべきものであり、ミー(Mie)の理論を用いて求めることができる。一般に、平均粒子径が0.001〜0.5μmであり、0.003〜0.2μmが好ましい。ここでいう、平均粒子径とは、導電性金属酸化物粒子の一次粒子径だけでなく高次構造の粒子径も含んだ値である。
上記金属酸化物の微粒子を帯電防止層形成用塗布液へ添加する際は、そのまま添加して分散しても良いが、水等の溶媒(必要に応じて分散剤、バインダーを含む)に分散させた分散液の形で添加することが好ましい。
非感光性層は、導電性金属酸化物粒子を分散、支持する結合剤として前記バインダーと硬膜剤との硬化物を含んでいるのが好ましい。本発明では、良好な作業環境の維持、及び大気汚染防止の観点から、バインダーも硬膜剤も、水溶性のものを使用するか、あるいはエマルジョン等の水分散状態で使用することが好ましい。また、バインダーは、硬膜剤との架橋反応が可能なように、メチロール基、水酸基、カルボキシル基及びグリシジル基のいずれかの基を有するのが好ましい。水酸基及びカルボキシル基が好ましく、特にカルボキシル基が好ましい。バインダー中の水酸基又はカルボキシル基の含有量は、0.0001〜1当量/1kgが好ましく、特に0.001〜1当量/1kgが好ましい。
以下に、前記バインダーとして好ましく用いられる樹脂について説明する。アクリル樹脂としては、アクリル酸;アクリル酸アルキル等のアクリル酸エステル類;アクリルアミド;アクリロニトリル;メタクリル酸;メタクリル酸アルキル等のメタクリル酸エステル類;メタクリルアミド及びメタクリロニトリルのいずれかのモノマーの単独重合体、又はこれらのモノマー2種以上の重合により得られる共重合体を挙げることができる。これらの中では、アクリル酸アルキル等のアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸アルキル等のメタクリル酸エステル類のいずれかのモノマーの単独重合体、又はこれらのモノマー2種以上の重合により得られる共重合体が好ましい。例えば、炭素原子数1〜6のアルキル基を有するアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類のいずれかのモノマーの単独重合体、又はこれらのモノマー2種以上の重合により得られる共重合体が挙げられる。
上記アクリル樹脂は、上記組成を主成分とし、硬膜剤との架橋反応が可能なように、例えば、メチロール基、水酸基、カルボキシル基及びグリシジル基のいずれかの基を有するモノマーを一部使用して得られるポリマーであるのが好ましい。
上記ビニル樹脂としては、ポリビニルアルコール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニルホリマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル、ポリオレフィン、エチレン/ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン/酢酸ビニル系共重合体(好ましくはエチレン/酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合体)を挙げることができる。これらの中で、ポリビニルアルコール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニルホリマール、ポリオレフィン、エチレン/ブタジエン共重合体及びエチレン/酢酸ビニル系共重合体(好ましくはエチレン/酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体)が好ましい。
上記ビニル樹脂は、硬膜剤との架橋反応が可能なように、ポリビニルアルコール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニルホリマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル及びポリ酢酸ビニルでは、例えば、ビニルアルコール単位をポリマー中に残すことにより水酸基を有するポリマーとし、他のポリマーについては、例えば、メチロール基、水酸基、カルボキシル基及びグリシジル基のいずれかの基を有するモノマーを一部使用することにより得られるポリマーとする。
上記ポリウレタン樹脂としては、ポリヒドロキシ化合物(例、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン)、ポリヒドロキシ化合物と多塩基酸との反応により得られる脂肪族ポリエステル系ポリオール、ポリエーテルポリオール(例、ポリ(オキシプロピレンエーテル)ポリオール、ポリ(オキシエチレン−プロピレンエーテル)ポリオール)、ポリカーボネート系ポリオール、及びポリエチレンテレフタレートポリオールのいずれか一種、あるいはこれらの混合物とポリイソシアネートから誘導されるポリウレタンを挙げることができる。上記ポリウレタン樹脂では、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとの反応後、未反応として残った水酸基を硬膜剤との架橋反応が可能な官能基として利用することができる。
上記ポリエステル樹脂としては、一般にポリヒドロキシ化合物(例、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン)と多塩基酸との反応により得られるポリマーが使用される。上記ポリエステル樹脂では、例えば、ポリオールと多塩基酸との反応終了後、未反応として残った水酸基、カルボキシル基を硬膜剤との架橋反応が可能な官能基として利用することができる。勿論、水酸基等の官能基を有する第三成分を添加しても良い。
上記ポリマーの中で、アクリル樹脂及びポリウレタン樹脂が好ましく、特にアクリル樹脂が好ましい。
硬膜剤として好ましく用いられるメラミン化合物としては、メラミン分子内に二個以上(好ましくは三個以上)のメチロール基及び/又はアルコキシメチル基を含有する化合物及びそれらの縮重合体であるメラミン樹脂あるいはメラミン・ユリア樹脂などをあげることができる。メラミンとホルマリンの初期縮合物の例としては、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンなどがあり、その具体的な市販品としては、例えばスミテックス・レジン(Sumitex Resin)M−3、同MW、同MK及び同MC(住友化学(株)製、いずれも商品名)などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上記縮重合体の例としては、ヘキサメチロールメラミン樹脂、トリメチロールメラミン樹脂、トリメチロールトリメトキシメチルメラミン樹脂等を挙げることができる。市販品としては、MA−1及びMA−204(住友ベークライト(株製、いずれも商品名)、ベッカミン(BECKAMINE)MA−S、ベッカミンAPM及びベッカミンJ−101(大日本インキ化学工業(株)製、いずれも商品名)、ユーロイド344(三井東圧化学(株)製、商品名)、大鹿レジンM31及び大鹿レジンPWP−8(大鹿振興(株)製、いずれも商品名)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
メラミン化合物としては、分子量を1分子内の官能基数で割った値で示される官能基当量が50以上300以下であることが好ましい。ここで官能基とはメチロール基及び/又はアルコキシメチル基を示す。この値が300を超えると硬化密度が小さく高い強度が得られず、メラミン化合物の量を増やすと塗布性が低下する。硬化密度が小さいとスリ傷が発生しやすくなる。また硬化する程度が低いと導電性金属酸化物を保持する力も低下する。官能基当量が50未満では硬化密度は高くなるが透明性が損なわれ、減量しても良化しない。水性メラミン化合物の添加量は、上記ポリマーに対して0.1〜100質量%、好ましくは10〜90質量%である。
帯電防止層には必要に応じて、マット剤、帯電調整剤、界面活性剤、滑り剤などを併用して使用することができる。マット剤としては、0.001〜10μm、より好ましくは0.2μm〜0.5μmの粒径をもつ酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどの酸化物や、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等の重合体あるいは共重合体等が挙げられる。これらマット剤の好ましい添加量は2mg/m〜15mg/mである。
帯電調整剤としては、後述の界面活性剤、フッ素原子を含有するポリマー類、無機塩類、有機塩類等が挙げられる。特に、フッ素原子を含有する界面活性剤やポリマー類、テトラアルキルアンモニウムイオンを含有する塩類などが好ましく用いられる。
界面活性剤としては任意のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等が挙げられる。滑り剤としては、炭素数8〜22の高級アルコールのリン酸エステル若しくはそのアミノ塩;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸及びそのエステル類; 及びシリコーン系化合物等を挙げられる。
前記帯電防止層の厚みとしては、0.01〜1μmが好ましく、さらに0.01〜0.2μmが好ましい。前記厚みが、0.01μm未満であると、塗布剤を均一に塗布しにくいため製品に塗布むらが生じやすく、1μmを超えると、帯電防止性能や耐傷性が劣る場合がある。前記帯電防止層の上には、表面層を設けるのが好ましい。該表面層は、主として滑り性及び耐傷性を向上させるため、及び帯電防止層の導電性金属酸化物粒子の、脱離防止機能を補助するために設けられる。
前記表面層の材料としては、(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン及び4−メチル−1−ペンテン等の1−オレフィン系不飽和炭化水素の単独又は共重合体からなるワックス、樹脂及びゴム状物(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体及びプロピレン/1−ブテン共重合体)、(2)上記1−オレフィンの二種以上と共役又は非共役ジエンとのゴム状共重合体(例えば、エチレン/プロピレン/エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/1,5−ヘキサジエン共重合体及びイソブテン/イソプレン共重合体)、(3)1−オレフィンと共役又は非共役ジエンとの共重合体、(例えば、エチレン/ブタジエン共重合体及びエチレン/エチリデンノルボルネン共重合体)、(4)1−オレフィン、特にエチレンと酢酸ビニルとの共重合体及びその完全若しくは部分ケン化物、(5)1−オレフィンの単独又は共重合体に上記共役若しくは非共役ジエン又は酢酸ビニル等をグラフトさせたグラフト重合体及びその完全若しくは部分ケン化物、などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。上記化合物は、特公平5−41656号公報に記載されている。
これらの中でも、ポリオレフィンであって、カルボキシル基及び/又はカルボン酸塩基を有するものが好ましい。通常水溶液あるいは水分散液として使用する。
前記表面層には、メチル基置換度2.5以下の水溶性メチルセルロースを添加してもよく、その添加量は表面層を形成する全結合剤に対して0.1〜40質量%が好ましい。上記水溶性メチルセルロースについては、特開平1−210947号公報に記載されている。
前記表面層は、帯電防止層上に一般によく知られた塗布方法、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストル−ジョンコート法などにより上記バインダー等を含む塗布液(水分散液又は水溶液)を塗布することにより形成することができる。
前記表面層の厚みとしては、0.01〜1μmが好ましく、さらに0.01〜0.2μmが好ましい。前記厚みが、0.01μm未満であると、塗布剤を均一に塗布しにくいため製品に塗布むらが生じやすく、1μmを超えると、帯電防止性能や耐傷性が劣る場合がある。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料における被膜のpHは、4.6〜6.4が好ましく、さらに好ましくは5.5〜6.5である。経時の長い試料において、被膜pHが6.5を超える場合、セーフライト照射によるシアン画像、マゼンタ画像の増感が大きく、逆に被膜pHが4.5を下回る場合、感光材料を露光してから現像するまでの時間変化に対して、イエロー画像濃度が大きく変化する。いずれの場合も実用上問題である。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料における被膜pHとは、塗布液を支持体上に塗布することによって得られた全写真層のpHであり、塗布液のpHとは必ずしも一致しない。その被膜pHは、特開昭61−245153号に記載されているような以下の方法で測定できる。即ち、(1)ハロゲン化銀乳剤が塗布された側の感光材料表面に純水を0.05ml滴下する。次に、(2)3分間放置後、表面pH測定電極(東亜電波製GS−165F、商品名)にて被膜pHを測定する。被膜pHの調整は、必要に応じて酸(例えば硫酸、クエン酸)又はアルカリ(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)を用いて行うことができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
[支持体の準備]
乳剤塗設面側に下塗りを施し、乳剤塗設面の反対側に下記の導電性ポリマー(0.05g/m)と酸化スズ微粒子(0.20g/m)を含有するアクリル樹脂層を塗設したポリエチレンテレフタレートフィルム支持体(厚さ120μm)を準備した。
Figure 2007199703
[ハロゲン化銀乳剤の準備]
−青感性ハロゲン化銀乳剤の調製−
大サイズ乳剤(BO−01)
(立方体、粒子サイズ0.71μm、粒子サイズ分布0.09、ハロゲン組成Br/Cl=3/97)
当業界で知られたコントロールダブルジェット法により、硝酸銀水溶液と、塩化ナトリウム、臭化カリウム混合水溶液を添加することにより、調製した。イリジウム含有量は4×10-7モル/モル銀となるように調製した。この乳剤に後述する構造式で表される増感色素(A’)〜(C’)を下記のように添加した。
青色増感色素(A’);3.5×10-5モル/モル銀
青色増感色素(B’);1.9×10-4モル/モル銀
青色増感色素(C’);1.8×10-5モル/モル銀
更に、塩化金酸とトリエチルチオ尿素を用いて最適に金硫黄増感した。
中サイズ乳剤(BM−01)
(立方体、粒子サイズ0.52μm、粒子サイズ分布0.09、ハロゲン組成Br/Cl=3/97)
当業界で知られたコントロールダブルジェット法により、硝酸銀水溶液と、塩化ナトリウム、臭化カリウム混合水溶液を添加することにより、調製した。イリジウム含有量は6×10-7モル/モル銀となるように調製した。この乳剤に後述する構造式で表される増感色素(A’)〜(C’)を下記のように添加した。
青色増感色素(A’);6.9×10-5モル/モル銀
青色増感色素(B’);2.3×10-4モル/モル銀
青色増感色素(C’);2.7×10-5モル/モル銀
更に、塩化金酸とトリエチルチオ尿素を用いて最適に金硫黄増感した。
小サイズ乳剤(BU−01)
(立方体、粒子サイズ0.31μm、粒子サイズ分布0.08、ハロゲン組成Br/Cl=3/97)
BM−01乳剤の調製において、粒子形成温度を下げたこと以外はBM−01と同様にした。
後述する構造式で表される増感色素(A’)〜(C’)を下記のように添加した。
青色増感色素(A’):8.5×10-4モル/モル銀
青色増感色素(B’):4.1×10-4モル/モル銀
青色増感色素(C’):3.7×10-5モル/モル銀
−赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製−
大サイズ乳剤(RO−01)
(立方体、粒子サイズ0.23μm、粒子サイズ分布0.11、ハロゲン組成Br/Cl=25/75)
当業界で知られているコントロールダブルジェット法により硝酸銀水溶液と、塩化ナトリウム、臭化カリウム混合水溶液を添加することにより調製した。イリジウム含有率は2×10-7モル/モル銀となるように調製した。この乳剤に後述する構造式で表される増感色素(D’)〜(F’)を下記のように添加し分光増感した。
赤感性増感色素(D’):4.5×10-5モル/モル銀
赤感性増感色素(E’):0.2×10-5モル/モル銀
赤感性増感色素(F’):0.2×10-5モル/モル銀
更に、塩化金酸と、トリエチルチオ尿素を用いて、最適に金硫黄増感した後、後述する構造式で表されるCpd−71をハロゲン化銀1モル当たり、9.0×10-4モル添加した。
中サイズ乳剤(RM−01)
(立方体、粒子サイズ0.174μm、粒子サイズ分布0.12、ハロゲン組成Br/Cl=25/75)
粒子形成温度を変更したこと以外はRO−01と同様にし、後述する構造式で表される増感色素(D’)〜(F’)を下記のように使用した。
赤感性増感色素(D’):7.0×10-5モル/モル銀
赤感性増感色素(E’):1.0×10-5モル/モル銀
赤感性増感色素(F’):0.4×10-5モル/モル銀
小サイズ乳剤(RU−01)
(立方体、粒子サイズ0.121μm、粒子サイズ分布0.13、ハロゲン組成Br/Cl=25/75)
粒子形成温度を変更したこと以外はRO−01と同様にし、後述する構造式で表される増感色素(D’)〜(F’)を下記のように使用した。
赤感性増感色素(D’):8.9×10-5モル/モル銀
赤感性増感色素(E’):1.2×10-5モル/モル銀
赤感性増感色素(F’):0.5×10-5モル/モル銀
−緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製−
大サイズ乳剤(GO−01)
(立方体、粒子サイズ0.20μm、粒子サイズ分布0.11、ハロゲン組成Br/Cl=3/97)
当業界で知られているコントロールダブルジェット法により硝酸銀水溶液と、塩化ナトリウム、臭化カリウム混合水溶液を添加することにより調製した。イリジウム含有率は2×10-7モル/モル銀となるように調製した。この乳剤に後述する構造式で表される増感色素(G’)〜(J’)を下記のように添加し分光増感した。
緑感性増感色素(G’):2.8×10-4モル/モル銀
緑感性増感色素(H’):0.8×10-4モル/モル銀
緑感性増感色素(I’):1.2×10-4モル/モル銀
緑感性増感色素(J’):1.2×10-4モル/モル銀
更に、塩化金酸と、トリエチルチオ尿素を用いて、最適に金硫黄増感した。
中サイズ乳剤(GM−01)
(立方体、粒子サイズ0.146μm、粒子サイズ分布0.12、ハロゲン組成Br/Cl=3/97)
粒子形成温度を変更したこと以外はGO−01と同様にし、後述する構造式で表される増感色素(G’)〜(J’)を下記のように使用した。
緑感性増感色素(G’):3.8×10-4モル/モル銀
緑感性増感色素(H’):1.3×10-4モル/モル銀
緑感性増感色素(I’):1.4×10-4モル/モル銀
緑感性増感色素(J’):1.2×10-4モル/モル銀
小サイズ乳剤(GU−01)
(立方体、粒子サイズ0.102μm、粒子サイズ分布0.10、ハロゲン組成Br/Cl=3/97)
粒子形成温度を変更したこと以外はGO−01と同様にし、後述する構造式で表される増感色素(G’)〜(J’)を下記のように使用した。
緑感性増感色素(G’):5.1×10-4モル/モル銀
緑感性増感色素(H’):1.7×10-4モル/モル銀
緑感性増感色素(I’):1.9×10-4モル/モル銀
緑感性増感色素(J’):1.2×10-4モル/モル銀
Figure 2007199703
Figure 2007199703
Figure 2007199703
Figure 2007199703
[染料固体微粒子分散物の調製]
化合物(IV−1)のメタノールウェットケーキを化合物の正味量が240gになるように秤量し、分散助剤として下記化合物(Pm−1)を48g秤量し、水を加えて4000gとした。‘流通式サンドグラインダーミル(UVM−2)’(アイメックスK.K製)にジルコニアビーズ(0.5mm径)を1.7リットル充填し、吐出量0.5リットル/min、周速10m/sで2時間粉砕した。その後、分散物を化合物濃度が3質量%となるように希釈し、下記構造式で表される化合物(Pm−1)を染料に対し質量比で3%添加した(分散物Aと称する)。この分散物の平均粒子サイズは0.45μmであった。
さらに、同様な方法で化合物(II−25)を5質量%含む分散物(分散物Bと称する)を得た。
Figure 2007199703
[試料100の作製]
支持体上に、下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カラー写真感光材料である試料100を作製した。
−第6層塗布液調整−
マゼンタカプラー(ExM’)75.0g、添加物(Cpd−49)1.5g、添加物(Cpd−51)0.1gおよび本発明の化合物(B−1)2.3gを溶媒(Solv−21)15gおよび酢酸エチル80mlに溶解し、この溶液を、下記化合物(SR−1)の10%水溶液20mlを含む10%ゼラチン水溶液1000gに乳化分散させて、乳化分散物Mを調整した。一方、前述した塩臭化銀乳剤GO−01、GM−01,およびGU−01を用いて、前記乳化分散物Mとこの塩臭化銀乳剤とを混合溶解し、後記組成となるように第6層塗布液を調製した。第1層〜第5層および第7層用の塗布液も第6層塗布液と同様な方法で調製した。
Figure 2007199703
−層構成−
以下に各層の組成を示す。数字は塗布量(g/m)を表す。ハロゲン化銀乳剤塗布量は銀換算塗布量を表す。また、ゼラチン硬膜剤として、1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム塩を用いた。
[試料100の層構成]
支持体
・上記ポリエチレンテレフタレートフィルム
第1層(ハレーション防止層(非感光性親水性コロイド層))
・ゼラチン 1.03
・上記分散物A(染料塗布量として) 0.10
・上記分散物B(染料塗布量として) 0.03
第2層(青感性ハロゲン化銀乳剤層)
・塩臭化銀乳剤BO−01、乳剤BM−01、および乳剤BU−01の3:1:6混合物(銀モル比)。 0.57
・ゼラチン 2.71
・イエローカプラー(ExY’) 1.19
・(Cpd−41) 0.0006
・(Cpd−42) 0.01
・(Cpd−43) 0.05
・(Cpd−44) 0.003
・(Cpd−45) 0.012
・(Cpd−46) 0.001
・(Cpd−54) 0.08
・(Cpd−65) 0.02
・(SR−1) 0.07
・溶媒(Solv−21) 0.26
第3層(混色防止層)
・ゼラチン 0.59
・(Cpd−49) 0.02
・(Cpd−43) 0.05
・(Cpd−53) 0.005
・(Cpd−61) 0.02
・(Cpd−62) 0.03
・(SR−1) 0.01
・溶媒(Solv−21) 0.06
・溶媒(Solv−23) 0.04
・溶媒(Solv−24) 0.002
第4層(赤感性ハロゲン化銀乳剤層)
・塩臭化銀乳剤RO−01、乳剤RM−01および乳剤RU−01の2:2:6混合物(銀モル比) 0.40
・ゼラチン 2.79
・シアンカプラー(ExC’) 0.80
・(Cpd−47) 0.06
・(Cpd−48) 0.06
・(Cpd−50) 0.03
・(Cpd−53) 0.03
・(Cpd−57) 0.05
・(Cpd−58) 0.01
・(Cpd−60) 0.02
・(B−1) 0.03
・(SR−1) 0.04
・溶媒(Solv−21) 0.53
・溶媒(Solv−22) 0.28
・溶媒(Solv−23) 0.04
第5層(混色防止層)
・ゼラチン 0.56
・(Cpd−49) 0.02
・(Cpd−43) 0.05
・(Cpd−53) 0.005
・(Cpd−62) 0.03
・(Cpd−64) 0.002
・(SR−1) 0.01
・溶媒(Solv−21) 0.06
・溶媒(Solv−23) 0.04
・溶媒(Solv−24) 0.002
第6層(緑感性ハロゲン化銀乳剤層)
・塩臭化銀乳剤GO−01、GM−01、GU−01の1:3:6混合物(銀モル比) 0.54
・ゼラチン 1.66
・マゼンタカプラー(ExM’) 0.73
・(Cpd−49) 0.013
・(Cpd−51) 0.001
・(B−1) 0.02
・(SR−1) 0.02
・溶媒(Solv−21) 0.15
第7層(保護層)
・ゼラチン 0.97
・アクリル樹脂(平均粒径2μm) 0.002
・(Cpd−55) 0.005
・(Cpd−56) 0.08
・(B−1) 0.03
ここで使用した化合物を以下に示す。
Figure 2007199703
Figure 2007199703
Figure 2007199703
Figure 2007199703
Figure 2007199703
Figure 2007199703
Figure 2007199703
Figure 2007199703
Figure 2007199703
Figure 2007199703
以上のように試料100を作製した。
<試料101〜107の作製>
次に、前記感光材料100の作製において、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層中の乳化分散剤である化合物(SR−1)を下記表9に示す本発明の乳化分散剤または混合物に変更したこと以外は全く同様の方法で、試料101〜107を作製した。乳化分散剤の変更は等質量で行い、2種併用の場合は、下記表9に併記された比率で内分して等質量置換を行った。
<試験及び評価>
前記試料101〜107について、白地部の処理安定性、及び生保存性を評価するために下記に示す評価を実施した。
−発色性の評価−
感光計(富士写真フイルム(株)製FW型、光源の色温度3200K)を用い、最大濃度が出るようなグレーフィルターを介して露光時間1/100秒、露光照度6万ルクスでセンシトメトリー用の階調露光を与え、イーストマンコダック社から公表されているECP−2プロセスに従って処理を実施した。処理済の試料をX−rite社X−rite 310TRを用いて、G濃度を示す部分の最高濃度値を読み取った。比較例試料100との濃度差をΔDgとし、発色性の指標とした。ΔDgが正の値を示す場合は高発色性、負の値を示す場合は発色性が劣ることを意味する。
−白地及び白地の生保存性評価−
前記、試料101〜107について、試料作製後、それぞれの試料について以下の条件で保管後、下記に示す処理を実施した。
(1)25℃相対湿度55%条件下で7日間保存
(2)25℃相対湿度55%条件下で300日間保存
保管後の試料を未露光の状態で、イーストマンコダック社から公表されているECP−2プロセスに従い、現像処理時間を120秒と240秒の2点に設定し処理を実施した。処理済みの試料X−rite社X−rite 310TRを用いて、B濃度を示す部分の最低濃度値をそれぞれ測定し、DminY(120)とDminY(240)とした。ΔDminYを下記計算式で定義して、処理変動による白地濃度変化を表す指標とした。ΔDminYが小さいことは、白地の処理安定性に優れることを意味する。
ΔDminY = |DminY(240)−DminY(120)|
前記発色性、生保存性も含めた白地の処理安定性についての試験結果及びその評価を、下記表9に示す。
Figure 2007199703
表9によると、乳化分散剤を本発明の化合物に置換することにより、濃度低下を伴わずに白地処理変動が低下していること、更に生保存後の白地処理変動も良化していることがわかる。
(実施例2)
実施例1で作製した感光材料の試料101から107において、第7層に添加している(Cpd−55)を(FS−1)に等質量置換したところ、実施例1と同様の効果が得られた。
(実施例3)
実施例1で作製した感光材料の試料101から107において、第7層に添加しているCpd−55の対カチオンをテトラエチルアンモニウムに置換、又は実施例2で作製した感光材料において第7層に添加した(FS−1)の対カチオンをテトラエチルアンモニウムに置換したところ、実施例1と同様の効果が得られた。
(実施例4)
実施例1から実施例3で作製した試料において、支持体を下記支持体に変更した試料を作製し、実施例1と同様な評価を行ったところ、同様な効果が得られた。
[支持体の準備]
二軸延伸した後、両面にコロナ放電処理を施した厚さ120μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)に乳剤層塗設側はスチレン/ブタジエン共重合体とゼラチンとからなる下塗りを施し、乳剤塗設面と反対側に、アンチモン含有酸化スズ微粒子、ポリメタクリレート樹脂からなるマット剤、コロイダルシリカからなるマット剤、本発明の化合物(FS−1)の対カチオンをテトラエチルアンモニウムに置換した化合物を含有するアクリル樹脂層を塗設した。

Claims (3)

  1. 透過支持体上にイエロー発色感光性ハロゲン化銀乳剤層、シアン発色感光性ハロゲン化銀乳剤層およびマゼンタ発色感光性ハロゲン化銀乳剤層の各層を少なくとも一層ずつ有し、かつ、非感光性親水性コロイド層を少なくとも一層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、該非感光性親水性コロイド層の少なくとも1層に、下記一般式(I)で表される染料の固体微粒子分散物を含有し、該感光性ハロゲン化銀乳剤層または該非感光性親水性コロイド層のいずれかに、下記一般式(A)で表される化合物の少なくとも1種および/または下記一般式(B)で表される化合物の少なくとも1種を含有し、かつ、下記一般式(C)で表される化合物を含有しないことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    一般式(I)
    D−(X)
    一般式(I)中、Dは発色団を有する化合物残基を表し、Xは解離性水素または解離性水素を有する基を表し、yは1〜7の整数を表す。
    Figure 2007199703
    一般式(A)中、R1は置換または無置換のアルキル基またはアルコキシ基を表す。M1はカチオンを表す。nは1ないし7の整数を表す。
    Figure 2007199703
    一般式(B)中、R2、R3はそれぞれ独立に置換または無置換のアルキル基を表す。M2はカチオンを表す。
    Figure 2007199703
    一般式(C)中、Rは置換または無置換のアルキル基を表す。Mはカチオンを表す。
  2. 前記一般式(B)で表される化合物の少なくとも1種が、下記一般式(FS−1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    Figure 2007199703
    一般式(FS−1)中、A、Bは、それぞれ独立に、フッ素原子または水素原子を表す。a、bは、それぞれ独立に、1〜6の整数を表す。c、dは、それぞれ独立に、4〜8の整数を表す。Mはカチオンを表す。
  3. 透過支持体上にイエロー発色感光性ハロゲン化銀乳剤層、シアン発色感光性ハロゲン化銀乳剤層およびマゼンタ発色感光性ハロゲン化銀乳剤層の各層を少なくとも一層ずつ有し、かつ、非感光性親水性コロイド層を少なくとも一層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、該非感光性親水性コロイド層の少なくとも1層に、下記一般式(I)で表される染料の固体微粒子分散物を含有し、該感光性ハロゲン化銀乳剤層または該非感光性親水性コロイド層のいずれかに、下記一般式(A)で表される化合物の少なくとも1種および/または下記一般式(FS−2)で表される化合物の少なくとも1種を含有し、かつ、下記一般式(C)で表される化合物を含有しないことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    一般式(I)
    D−(X)
    一般式(I)中、Dは発色団を有する化合物残基を表し、Xは解離性水素または解離性水素を有する基を表し、yは1〜7の整数を表す。
    Figure 2007199703
    一般式(A)中、R1は置換または無置換のアルキル基またはアルコキシ基を表す。M1はカチオンを表す。nは1ないし7の整数を表す。
    Figure 2007199703
    一般式(FS−2)中、A、Bは、それぞれ独立に、フッ素原子または水素原子を表す。a、bは、それぞれ独立に、1〜6の整数を表す。c、dは、それぞれ独立に、4〜8の整数を表す。Mはカチオンを表す。
    Figure 2007199703
    一般式(C)中、Rは置換または無置換のアルキル基を表す。Mはカチオンを表す。
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