JP2007197713A - アクリル系樹脂組成物及びそれを用いたシート状成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、熱伝導率が4.0(W/mk)以上の優れた熱伝導性を有するものであるとともに、難燃性の(UL−94−V)の評価がV−2乃至V−0であることを可能としたアクリル系樹脂組成物、並びにそれを用いたシート状成形体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のアクリル系樹脂組成物は、官能基としてカルボキシル基を有するアクリル系共重合体と、官能基として1分子中に2個以上のグリシジル基を有する化合物とをマトリックスとするアクリル系樹脂組成物であって、前記アクリル系共重合体100重量部に対して、熱伝導性充填剤として金属水酸化物粉が100乃至350重量部及び金属酸化物粉が100乃至600重量部含有されるとともに、難燃剤として膨張黒鉛が20乃至150重量部含有され、且つ湿潤分散剤が0.05乃至3重量部含有されていることを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、アクリル系樹脂組成物及びそれを用いたシート状成形体に関し、より詳しくは、電子機器等の部品の熱を速やかに放熱部品へ移送するための熱伝導材と称される材料であって、局部発熱するICチップ、CPUチップ、GPUチップ等の発熱をヒートシンク等の放熱部位に速やかに熱伝達させるために有用なアクリル系樹脂組成物、並びにそれを用いたシート状成形体に関する。
電子機器部品は、一般に稼動時に熱を発することから、熱による部品の破損防止や安定作動確保のために、電子機器装置内に金属製のヒートシンク等が取り付けられている。また、必要に応じて、ヒートシンクをファン等によって強制的に空冷することも行われている。さらに、大きな発熱を伴う部品に対しては、水循環によって強制的に水冷することや半導体素子の一種であるペルチェ素子を用いて強制的に冷却すること等が行われている。
このような冷却装置を発熱体に取り付ける際には、冷却装置と発熱体との接触を密にして熱を有効に冷却装置へ伝達させる必要があり、このような役割を果たすものとして一般的に熱伝導材と称される材料が知られている。このような熱伝導材は、冷却装置と発熱体の間に介在させることで両者間の熱伝達を改善させるものである。このような熱伝導材としては、一般的に熱分解安定性、難燃性の観点から、シリコーン系グリスや熱伝導率を高めたシリコーンゴムシート、シリコーンゲルシート等が使用されている。
しかしながら、シリコーン系グリスにおいては、高粘度液状物のため扱い難く、発熱部品に塗布する場合の塗布量のコントロールが難しいという問題や、高温になるにつれ流動性が高まり流出してしまう(ポンプアウト)という問題があった。また、発熱部品の大きな凸凹面に対しては密着性があまり良くないので実質的に使用することが困難であるという問題もあった。更には、シリコーン系材料であることから僅かながらシロキサンガスの発生があり、このようなシロキサンガスが電極接点等へ付着して二酸化珪素が生成されるため、これが原因となって接点不良を生じる可能性があった。
また、熱伝導率を高めたシリコーンゴムシートや、それより低硬度のシリコーンゲルシートにおいては、シリコーン樹脂そのものが高価であるばかりか製造工程において加硫工程を必要とする場合があるため容易に製造できないという問題があった。更に、前述のシリコーン系グリスと同様にシロキサンガスが発生するため、このようなシリコーンゴムシートやシリコーンゲルシートにおいても接点不良を生じる可能性があった。
そして、このようなシリコーン系グリス、シリコーンゴムシート、シリコーンゲルシート等の問題点を解決するため、アルミナ、窒化硼素等の熱伝導性充填剤を含有したゴム系、ウレタン系、アクリル系等の熱伝導材(樹脂組成物)が提案されてきている。
例えば、特開2002−30212号公報(特許文献1)においては、アクリル系ポリウレタン樹脂と、そのアクリル系ポリウレタン樹脂中に分散せしめられた熱伝導性充填材とを含む熱伝導性シートが開示されている。しかしながら、このようなアクリル系ポリウレタン樹脂に熱伝導性充填剤を分散せしめた従来のシートの場合、既重合のいわゆるアクリル系ポリウレタンを樹脂マトリックスとして使用していたため、熱伝導性充填剤を高比率で含有させることが難しく、得られるシートの耐熱性が劣るものであった。
また、特開2004−161856号公報(特許文献2)においては、官能基としてカルボキシル基を含有するアクリル系共重合体と、1分子中に2個以上のグリシジル基を含有する化合物とをマトリックスとし、窒化物、金属酸化物粉又は金属粉よりなる群から選択される熱伝導性充填材を含む組成物が開示されている。
しかしながら、最近では電子機器が小型化される傾向にあり、その電子機器の発熱部品においても小型化されるため、その発熱部品の単位面積当たりの発熱量が増加する傾向にある。それ故に、熱伝導率が4.0(W/mk)以上であり、且つ難燃性の(UL−94−V)の評価がV−2乃至V−0であるものが必要とされるようになった。その結果、特許文献2に記載の組成物では、その熱伝導性と難燃性を満たす事は困難なものであった。
特開2002−30212号公報 特開2004−161856号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、熱伝導率が4.0(W/mk)以上の優れた熱伝導性を有するものであるとともに、難燃性の(UL−94−V)の評価がV−2乃至V−0であることを可能としたアクリル系樹脂組成物、並びにそれを用いたシート状成形体を提供することを目的とする。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、官能基としてカルボキシル基を有するアクリル系共重合体と、官能基として1分子中に2個以上のグリシジル基を有する化合物とをマトリックスとするアクリル系樹脂組成物であって、前記アクリル系共重合体100重量部に対して、熱伝導性充填剤として金属水酸化物粉が100乃至350重量部及び金属酸化物粉が100乃至600重量部含有されるとともに、難燃剤として膨張黒鉛が20乃至150重量部含有され、且つ湿潤分散剤が0.05乃至3重量部含有されていることを特徴とするものである。
上記本発明にかかる前記アクリル系共重合体100重量部に対して、難燃剤として赤燐が1乃至35重量部を含有されているものが好ましい。
上記本発明にかかる前記アクリル系共重合体100重量部に対して、硬度調整剤として単官能のグリシジル基を有する化合物が1乃至20重量部含有されているものが好ましい。
上記本発明にかかる前記金属水酸化物粉が水酸化アルミニウムであり、前記金属酸化物粉がアルミナであるものが好ましい。
上記本発明にかかる前記湿潤分散剤としては、硼酸基及び/又は燐酸基を有する飽和ポリエステル系コポリマーであることが好ましい。
また、本発明のシート状成形体は、前記アクリル系樹脂組成物をシート状に成形及び硬化せしめてなるものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、熱伝導性充填剤である金属水酸化物粉と金属酸化物粉とを高比率で含有させることを可能にしたことにより、4.0(W/mk)以上である優れた熱伝導性を達成し、しかも難燃性の機能をも備えた前記金属水酸化物と難燃剤としての膨張黒鉛とを所定量含有させることを可能にしたことにより、難燃性の(UL−94−V)の評価がV−2乃至V−0であるアクリル系樹脂組成物、並びにそれを用いたシート状成形体を提供するものである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明のアクリル系樹脂組成物について説明する。すなわち、本発明のアクリル系樹脂組成物は、官能基としてカルボキシル基を有するアクリル系共重合体と、官能基として1分子中に2個以上のグリシジル基を有する化合物とをマトリックスとするアクリル系樹脂組成物であって、前記アクリル系共重合体100重量部に対して、熱伝導性充填剤として金属水酸化物粉が100乃至350重量部及び金属酸化物粉が100乃至600重量部含有されるとともに、難燃剤として膨張黒鉛が20乃至150重量部含有され、且つ湿潤分散剤が0.05乃至3重量部含有されていることを特徴とするものである。
本発明にかかるアクリル系共重合体は、主剤として用いられるものであり、分子中に官能基としてカルボキシル基を有するものである。このようなアクリル系共重合体は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン及びこれらの誘導体のようなモノマーを、ラジカル重合開始剤の存在下に溶液重合法(ソリューション法、例えば乳化重合法(エマルジョン重合法)、懸濁重合法(サスペンジョン重合法)等)、又は塊状重合法(バルク法)等の重合法を用いて重合させることで得ることができる。
このような重合法としては特に制限されないが、例えば、特表昭59−6207号公報、特開昭60−215007号公報、特開平10−17640号公報、特開2000−239308公報、特開2000−128911公報、及び特開2001−40037公報に記載の重合法を参照することができる。
また、このようなアクリル系共重合体を製造する具体的な方法としては、例えば、官能基を有さないアクリル系モノマーを主体として、これに共重合可能なビニル系モノマー及びカルボキシル基を有するモノマーを同時に重合(共重合)させる方法や、カルボキシル基を有するアクリル系モノマーと他のアクリル系モノマーを共重合させる方法、アクリル系モノマーと共重合可能なモノマーを重合させ、停止反応としてカルボキシル基含有分子により末端停止反応を行う方法等を挙げることができる。
このような官能基を有さないアクリル系モノマーとしては、メチルアクリレート(アクリル酸メチル)、エチルアクリレート(アクリル酸エチル)、プロピルアクリレート(アクリル酸プロピル)、iso−プロピルアクリレート(アクリル酸−iso−プロピル)、n−ブチルアクリレート(アクリル酸−n−ブチル)、iso−ブチルアクリレート(アクリル酸−iso−ブチル)、tert−ブチルアクリレート(アクリル酸−tert−ブチル)、2−エチルへキシルアクリレート(アクリル酸−2−エチルヘキシル)、オクチルアクリレート(アクリル酸オクチル)、iso−オクチルアクリレート(アクリル酸−iso−オクチル)、デシルアクリレート(アクリル酸デシル)、iso−デシルアクリレート(アクリル酸イソデシル)、iso−ノニルアクリレート(アクリル酸−iso−ノニル)、ネオペンチルアクリレート(アクリル酸ネオペンチル)、トリデシルアクリレート(アクリル酸トリデシル)、ラウリルアクリレート(アクリル酸ラウリル)等の、アクリル酸アルキルエステル;シクロへキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、トリシクロデシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等の脂環式アルキルアクリレート;メチルメタクリレート(メタクリル酸メチル)、エチルメタクリレート(メタクリル酸エチル)、プロピルメタクリレート(メタクリル酸プロピル)、iso−プロピルメタクリレート(メタクリル酸−iso−プロピル)、n−ブチルメタクリレート(メタクリル酸−n−ブチル)、iso−ブチルメタクリレート(メタクリル酸−iso−ブチル)、tert−ブチルメタクリレート(メタクリル酸−tert−ブチル)、2−エチルへキシルメタクリレート(メタクリル酸−2−エチルヘキシル)、オクチルメタクリレート(メタクリル酸オクチル)、iso−オクチルメタクリレート(メタクリル酸−iso−オクチル)、デシルメタクリレート(メタクリル酸デシル)、イソデシルメタクリレート(メタクリル酸イソデシル)、イソノニルメタクリレート(メタクリル酸イソノニル)、ネオペンチルメタクリレート(メタクリル酸ネオペンチル)、トリデシルメタクリレート(メタクリル酸トリデシル)、ラウリルメタクリレート(メタクリル酸ラウリル)等のメタクリル酸アルキルエステル;シクロへキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリシクロデシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等の脂環式アルキルメタクリレート等が挙げられる。
前記官能基を有さないアクリル系モノマーの中で、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルを用いることが好ましく、特にn−ブチルアクリレート(アクリル酸−n−ブチル)、2−エチルへキシルアクリレート(アクリル酸−2−エチルへキシル)を用いることが好ましい。
また、前記ビニル系モノマーとしては、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミド、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに、前記官能基としてカルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸又はこれらのモノマーから誘導される官能性モノマー等が挙げられる。
なお、このようにして得られるアクリル系共重合体は、成形体、粘着剤、塗料、繊維、シーリング剤等の種々の用途に利用することができるものである。
本発明にかかるアクリル系共重合体のカルボキシル基は、分子末端又は分子鎖中間に存在してもよく、側鎖上又は主鎖上のどちらに存在してもよい。また、本発明にかかるアクリル系共重合体は、ランダム共重合したものであってもブロック共重合したものであってもよい。また、本発明に用いられるアクリル系共重合体の構造は単一なものに限られず、様々な繰り返し単位のアクリル系共重合体を混合したものを用いることも可能である。
さらに、本発明にかかるアクリル系共重合体としては、前述のようにして得られる2種以上のモノマーを共重合させたアクリル系共重合体の他にも、アクリル系共重合体同士を混合したものを用いることができる。
また、本発明にかかるアクリル系共重合体を構成する成分の中で、少なくとも主成分のポリマーのガラス転移温度(Tg)がDSC法により測定される値で−60乃至−20℃であることが好ましく、全てのポリマーのガラス転移温度が−60乃至−20℃であることがより好ましい。このような主成分のポリマーのガラス転移温度が高すぎると、得られるアクリル系樹脂組成物が硬くなる傾向にある。また、このようなアクリル系共重合体を硬化せしめて得られるシート状成形体の硬度としては、日本ゴム協会標準規格(SRIS)に規定されているASKER−Cによる測定で50以下であることが好ましく、40以下であることがより好ましい。
また、本発明にかかるアクリル系共重合体の分子量としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算により算出した数平均分子量が800乃至20000であることが好ましく、2000乃至15000であることがより好ましい。このような分子量が800未満のものでは、極低分子量体(モノマー、ダイマー、トリマー等)が重合体中に存在しやすく、硬化物とした際にブリードアウトするばかりか、硬化させる際にボイドが形成されやすくなる傾向にあり、他方、分子量が20000を超えると、重合体の流動性が低下して作業性に劣るとともに、熱伝導性充填剤を適量添加することが難しくなって得られるシート状成形体の熱伝導性及び難燃性が低下する傾向にある。
また、本発明にかかるアクリル系共重合体におけるカルボキシル基の割合は、水酸化カリウム(KOH)滴定による酸価(AV)が20乃至150のものであることが好ましく、50乃至150のものであることがより好ましい。このような酸価が20未満では、架橋密度が低くなって得られるシート状成形体の耐熱性が低下するばかりか難燃性も低下する傾向にあり、他方、前記酸価が150を超えると、架橋密度が上がり過ぎて得られるシート状成形体の可撓性が低下する傾向にある。
また、前記アクリル系共重合体の粘度は、圧力1013hPa、温度25℃の条件下で90000mPa・s以下であることが好ましい。前記粘度が90000mPa・sを超えると、重合体の流動性が低下して熱伝導性充填剤の添加、分散が困難となり作業性が低下する傾向がある。なお、本明細書で使用する粘度は、ブルックフィールドBH型回転粘度計での測定値である。前記アクリル系共重合体の流動特性はチキソトロピック流動を示す場合、剪断速度を上げた状態で粘度が90000mPa・s以下になれば好ましく、またダイラタント流動を示す場合、剪断速度が極低剪断の時においても粘度が90000mPa・s以下となるものが好ましい。
さらに、後述のようにしてシート状成形体を製造する際にボイドの発生をより確実に防止するという観点から、前記アクリル系共重合体としては、実質的に溶剤分を含有しないものを使用することが好ましい。
本発明にかかる官能基として1分子中に2個以上のグリシジル基を有する化合物は、本発明においては硬化剤としての役割を果たすものである。すなわち、前記グリシジル基を有する化合物はアクリル系共重合体のカルボキシル基と反応して硬化物を与えることができるものである。
このようなグリシジル基を有する化合物としては、種々のものが使用できるが、具体的には、ソルビトールポリグリシジルエーテル(SORPGE)、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(PGPGE)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(PETPGE)、ジグリセロールポリグリシジルエーテル(DGPGE)、グリセロールポリグリシジルエーテル(GREPGE)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(TMPPGE)、レゾルシノールジグリシジルエーテル(RESDGE)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(NPGDGE)、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル(HDDGE)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(PGDGE)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(PPGDGE)、ポリブタジエンジグリシジルエーテル(PBDGE)、フタル酸ジグリシジルエーテル(DGEP)、ハロゲン化ネオペンチルグリセロールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル(DGEBA)、ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル(DGEBF)等が挙げられ、特に好ましくは、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(TMPPGE)、ソルビトールポリグリシジルエーテル(SORPGE)等が使用される。
また、本発明にかかる官能基として1分子中に2個以上のグリシジル基を有する化合物のエポキシ当量(WPE)は80乃至400の範囲にあることが好ましい。前記エポキシ当量が400を超えると前記アクリル系共重合体と反応させるために、前記化合物を多く添加することが必要となって得られるシート状成形体の要求性能が十分果たせない傾向にあり、他方、前記エポキシ当量が80未満であると、反応速度が速くなりすぎてシート状成形体の製造が困難となる傾向にある。
また、このようなグリシジル基を有する化合物としては、圧力1013hPa、温度25℃の条件下において液状のものであることが好ましい。
さらに、このようなグリシジル基を有する化合物としては、圧力1013hPa下で150℃の温度条件で10分間加熱した後の加熱重量減少値が加熱前の重量に対して3%以下となるような実質的に溶媒を含まないものであることが好ましい。このような加熱重量減少値が3%を超えると、含有されている溶媒が反応の障害となりシート状成形体の製造が困難となる傾向にあり、更には、含有されている溶媒が得られるシート状成形体の内部に気泡を発生させる原因となるためである。なお、このような加熱重量減少値は、メトラートレド株式会社製のHG53型ハロゲン水分計を用い、常圧下(1013hPa)で、試料5gを150℃の温度条件で10分間加熱した時の重量変化を測定し、加熱前後の重量比較により減少率を算出したものである。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、前記アクリル系共重合体と前記グリシジル基を有する化合物とをマトリックスとする。ここで、このようなマトリックス中における前記アクリル系樹脂組成物に対する前記グリシジル基を含有する化合物の添加量としては、前記アクリル系共重合体の酸当量100に対してエポキシ当量が80乃至150の範囲内にあることが好ましい。前記エポキシ当量が80未満の場合は、シート状成形体の製造の際に硬化が充分に進行せず完全に固化しなくなって得られるシート状成形体の耐熱性と難燃性が低下する傾向にあり、他方、前記エポキシ当量が150を超えると、得られるシート状成形体に、未反応で過剰な前記グリシジル基を含有する化合物が残留するため経時でのブリードアウトが生じるばかりか難燃性も低下する傾向にある。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、前記マトリックス中に熱伝導性充填剤として金属水酸化物粉と金属酸化物粉を含有するものである。金属水酸化物粉は、他の熱伝導性充填剤と比較して樹脂との相溶性が高く、難燃性が高い。金属酸化物粉は特に熱伝導性と電気絶縁性が高い。このような金属水酸化物粉と金属酸化物粉としては、分解温度が250℃以上の金属水酸化物粉、金属酸化物粉であることが好ましく、具体的には金属水酸化物粉としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等の粉末、金属酸化物粉としてはアルミナ、マグネシア、酸化マグネシウム等が挙げられる。前記分解温度が250℃未満では、得られるシート状成形体に十分な熱伝導性を付与することが困難となる傾向にある。なお、上記分解温度の測定方法は、金属水酸化物粉、金属酸化物粉のみをTGA(Thermo Gravimetric Analyzer)により、大気雰囲気下、室温乃至600℃まで昇温速度10℃/minにより測定を行い、重量減少を生じる温度を測定して分解温度とするものである。
このような金属水酸化物粉、金属酸化物粉の形状としては球状又は擬球状であることが好ましい。
また、このような金属水酸化物粉、金属酸化物粉の粒径は0.5乃至30μm程度であることが好ましい。前記粒径が0.5μm未満では前記金属水酸化物粉、金属酸化物粉を前記マトリックス中に含有せしめた際に液体の粘度が高くなり過ぎてシート状成形体を製造することが困難となる傾向にあり、他方、前記粒径が30μmを超えると前記金属水酸化物粉、金属酸化物粉が前記マトリックス中に混入し難いため均一に分散し難くなる傾向にある。
さらに、このような金属水酸化物粉、金属酸化物粉としては、粒径の異なるものを組み合わせて用いることも可能である。このようにして粒径の異なるものを数種類組み合わせた金属水酸化物粉と金属酸化物粉とを前記マトリックスに含有させることによって、得られるアクリル系樹脂組成物の粘度を低下させることが可能となるし、同じ粒径のもののみを組み合わせるより高充填することが可能である。
本発明のアクリル系樹脂組成物中における前記金属水酸化物粉の添加量としては、前記アクリル系共重合体100重量部に対して100乃至350重量部である。前記金属水酸化物粉の添加量が100重量部未満では、十分な難燃性及び熱伝導性を確保できない。他方、前記金属水酸化物粉の添加量が350重量部を超えると、難燃性及び熱伝導性は向上するが、得られるアクリル系樹脂組成物の粘度が高くなってシート状成形体の製造が困難となる。
本発明のアクリル系樹脂組成物中における前記金属酸化物粉の添加量としては、前記アクリル系共重合体100重量部に対して100乃至600重量部である。記金属酸化物粉の添加量が100重量部未満では、十分な熱伝導性を確保できない。他方、前記金属酸化物粉の添加量が600重量部を超えると、熱伝導性は向上するが、得られるアクリル系樹脂組成物の粘度が高くなってシート状成形体の製造が困難となる。
さらに、本発明のアクリル系樹脂組成物には他の熱伝導性充填剤を組み合わせて用いることも可能である。他の熱伝導性充填剤としては、窒化硼素、窒化アルミ等の窒化物炭化珪素、カーボン、銅、銀、アルミ等の金属粉末を添加することも可能であり、更には、熱伝導的には必ずしも優れない炭酸カルシウム等の炭酸金属や、クレー、カオリン等の充填剤等を添加することも可能である。
本発明のアクリル系樹脂組成物中において難燃剤として用いられる膨張黒鉛は、鱗片状の黒鉛の層間にある化合物をインターカレーション(層間挿入)して作られるものであり、インターカレーションする化合物の種類により膨張温度をコントロールすることができるものである。このような膨張黒鉛を添加することによって難燃性が発現する機構は完全には解明されていないが燃焼時の熱により層間に入っている化合物がガス化することにより鱗片状黒鉛が膨張しチャー形成することにより高い難燃性が発現されると本発明者らは推察する。
このような難燃剤として用いられる膨張黒鉛の添加量は、前記アクリル系共重合体100重量部に対して20乃至150重量部である。前記膨張黒鉛の添加量が20重量部未満では、十分な難燃性を確保できない。他方、前記膨張黒鉛の添加量が150重量部を超えると、難燃性は向上するが、得られるアクリル系樹脂組成物の粘度が高くなってシート状成形体の製造が困難となる。また、膨張温度としては、200℃以上が好ましく、270℃以上であることがより好ましい。前記膨張黒鉛の膨張温度が200℃未満では、シート状成形体が使用される環境が120乃至150℃の温度条件に達することから、使用中にシート状成形体が膨張してしまう傾向にあり、更には、アクリル系樹脂組成物を架橋硬化させる際の加熱温度下においても膨張してしまう傾向にある。
また、本発明のアクリル系樹脂組成物には、難燃性をより向上させるという観点から、赤燐を前記アクリル系共重合体100重量部に対して1乃至35重量部添加することが好ましい。前記赤燐の添加量が1重量部未満では、十分な難燃性を確保できない。他方、前記赤燐の添加量が35重量部を超えても、難燃性のレベルは変わらない。
また、本発明のアクリル系樹脂組成物には、難燃性をより向上させるという観点から、他の難燃剤を添加してもよい。このような難燃剤としては、ポリ燐酸アンモニウム、燐酸エステル系、燐酸アンモン、炭酸アンモン、錫酸亜鉛、トリアジン化合物、メラミン化合物、グアニジン化合物、硼酸、硼酸亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
本発明のアクリル系樹脂組成物は湿潤分散剤を含有するものである。本発明にかかる湿潤分散剤は、前記アクリル系共重合体との相溶性を向上させることが可能な官能基と前記熱伝導性充填剤に吸着することが可能な官能基とを有している湿潤分散剤を好適に用いることができる。このような湿潤分散剤を含有させていない系においては、前記金属水酸化物粉、金属酸化物粉の粒子同士が相互に衝突して凝集してしまう。そして、このような凝集を起こした系においては、見掛けの粒子径が大きくなるため、早期に沈降(あるいは浮上)分離を起こしてしまう。
本発明においては、前記マトリックス中に前記金属水酸化物粉および金属酸化物粉とを高比率で含有させるために湿潤分散剤を加えているため、前記湿潤分散剤を前記金属水酸化物粉の粉体表面に吸着させてより大きな電荷を持たせることが可能となり、これにより粉体粒子同士の静電反発力を高めて前記金属水酸化物粉、金属酸化物粉の凝集を防止できる。また、本発明においては、前記粉体粒子表面に吸着されている前記湿潤分散剤同士の立体反発力によっても、前記金属水酸化物粉の凝集が防止できる。
また本発明にかかる湿潤分散剤は、膨張黒鉛を高充填することも可能とする。その結果、所望の難燃性を達成することができるものである。このような湿潤分散剤を含有させていない系においては、前記膨張黒鉛を高充填することが出来ない。その結果、所望の難燃性を達成することができないものである。
このような湿潤分散剤としては、硼酸基及び/又は燐酸基を有する飽和ポリエステル系コポリマー、多価アルコール有機酸エステル、特殊アルコール有機酸エステル、ウレタン変性アクリルコポリマー、高分子量ポリエステル、ポリカルボン酸共重合体、アリルアルコールと無水マレイン酸とスチレン共重合物とポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとのグラフト化物、ポリアクリル酸アンモニウム塩、アクリル共重合物アンモニウム塩、シリコン系ポリマーエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。このような湿潤分散剤の中でも、硼酸基及び/又は燐酸基を有する飽和ポリエステル系コポリマーを用いることが好ましい。その理由として、前記マトリックス中に所定量の硼酸基及び/又は燐酸基を有する飽和ポリエステル系コポリマーが充填されることにより、硼酸基及び/又は燐酸基が解離して負の電荷を帯び、その負の電荷を帯びたものが金属水酸化物粉や金属酸化物粉、および膨張黒鉛等に吸着して静電反発力を高めることができ、その結果、本発明の金属水酸化物粉、金属酸化物粉、膨張黒鉛等を所定量添加しやすくでき、且つ本発明の金属水酸化物粉、金属酸化物粉、膨張黒鉛等とを凝集し難くでき、その得られたシートの表面状態において平滑性に優れたものを得ることができる。平滑性に優れたシートは、例えば本発明のシートを電子機器の発熱部品に貼着させた際の密着性をより良好なものにすることができ、その結果、その発熱部品の熱をより一層冷却装置等に伝達させることが出来るものである。そして、このような作用効果は、本発明の官能基としてカルボキシル基を有するアクリル系共重合体と、官能基として1分子中に2個以上のグリシジル基を有する化合物とをマトリックスとした以外のもの(例えば、アクリルウレタン系マトリックスやアクリルエポキシ共重合体やアミノ基を有する化合物とをマトリックスとした系)では、得られ難いものである。つまり、前記本発明の官能基としてカルボキシル基を有するアクリル系共重合体と、官能基として1分子中に2個以上のグリシジル基を有する化合物とをマトリックスとした以外のものに、本発明の金属水酸化物粉、金属酸化物粉、膨張黒鉛等を所定量添加することは困難である。
本発明のアクリル系樹脂組成物における前記アクリル系共重合体に対する湿潤分散剤の添加量は、0.05乃至3.0重量部である。前記湿潤分散剤の添加量が0.05重量部未満では、前記マトリックスと前記金属水酸化物粉、金属酸化物粉、膨張黒鉛等との相溶性が低くなって混練りが困難となり、他方、湿潤分散剤の添加量が3.0重量部を超えると得られるアクリル系樹脂組成物の増粘、ゲル化が起こり、前記組成物の硬化性が低下してシート状成形体の製造が困難になる。
本発明のアクリル系樹脂組成物においては、前記アクリル系共重合体100重量部に対して硬度調整剤1乃至20重量部を含有することが好ましい。そして、硬度調整剤を所定量含有させることにより、前述の官能基としてカルボキシル基を含有するアクリル系共重合体と、前述の1分子中に2個以上のグリシジル基を含有する化合物との架橋密度を調整する役割を果たすものである。すなわち、本発明においては、前述の官能基としてカルボキシル基を含有するアクリル系共重合体と、前述の1分子中に2個以上のグリシジル基を含有する化合物とからなるマトリックスに、このような硬度調整剤を含有することにより、アクリル系樹脂組成物及びその成形体に十分な柔軟性を付与することが可能となる。また、硬度調整剤が1重量部未満では硬度調整剤としての役割を満たさず、アクリル系樹脂組成物の粘度が高くなってシート状成形体の製造が困難となる場合がある。他方、硬度調整剤が20重量部を超えると、アクリル系樹脂組成物の硬化を妨げ、半硬化状(若しくは粘土状)となりシートを得られなくなる場合がある。
このような硬度調整剤として用いられる単官能のグリシジル基を含有する化合物としては、アルコールグリシジルエーテルやフェニルグリシジルエーテルといった単官能のグリシジル基を含有する脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素のグリシジルエーテル、エポキシ化脂肪酸オクチルエステル、ステアリルグリシジルエステルといった単官能のグリシジル基を含有する脂肪酸グリシジルエステル、グリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレート、1,2−エポキシブタン1,2−エポキシヘキサン、1,2-エポキシデカン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−5,9−シクロオクタジエンといった単官能のグリシジル基を含有する飽和炭化水素のエポキシ化物又は単官能のグリシジル基を含有する不飽和炭化水素のエポキシ化物、単官能のグリシジル基を含有するポリシロキサンの片末端エポキシ化物及びこれらの混合物等を挙げることができる。
このような単官能のグリシジル基を含有する化合物の中でも、炭素数が4乃至20(より好ましくは10乃至15)のアルコールグリシジルエーテル又はフェニルグリシジルエーテルを用いることが好ましい。前記アルコールグリシジルエーテルの炭素数が4未満であると、シート状成形体を製造した場合に、分子量が小さいことから硬度調整剤が表面に析出してしまい、経時でのブリードアウトが生じ易くなる傾向にあり、他方、炭素数が20を超えると、反応が遅くなったり、シート状成形体を製造した場合にシート状成形体の柔軟性が低下する傾向にある。また、前記フェニルグリシジルエーテルは、より高度な反応性が得られるものであり、硬度調整剤としての効果が大きいものであるため、硬度調整剤としてフェニルグリシジルエーテルを用いてシート状成形体を製造した場合には、シート状成形体の柔軟性をより向上させることができる傾向にある。
また、本発明にかかる硬度調整剤のエポキシ当量(WPE)は100乃至300の範囲にあることが好ましい。前記エポキシ当量が300を超えると、本発明にかかる単官能のグリシジル基を含有する化合物を前記アクリル系共重合体と反応させるために、前記単官能のグリシジル基を含有する化合物を多く添加することが必要となり、得られるシート状成形体において、その要求性能を十分果たせなくなる傾向にあり、他方、前記エポキシ当量が100未満であると、単官能のグリシジル基を含有する化合物と前記アクリル系共重合体との反応速度が速くなりすぎてシート状成形体の製造が困難となる傾向にある。
さらに、このような硬度調整剤としては、圧力1013hPa下で150℃の温度条件で10分間加熱した後の加熱重量減少値が加熱前の重量に対して3%以下となるような実質的に溶媒を含まないものであることが好ましい。このような加熱重量減少値が3%を超えると、含有されている溶媒が反応の障害となりシート状成形体の製造が困難となる傾向にあり、更には、含有されている溶媒が得られるシート状成形体の内部に気泡を発生させる原因となるためである。なお、このような加熱重量減少値の算出方法としては、前述の1分子中に2個以上のグリシジル基を有する化合物の加熱重量減少値の算出方法と同様の方法を採用する。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、主剤としての前記アクリル系共重合体と、硬化剤としての前記グリシジル基を有する化合物とからなるマトリックスに、熱伝導性充填剤としての金属水酸化物粉、金属酸化物粉、難燃剤として膨張黒鉛及び前記湿潤分散剤を含有させて製造することができる。具体的には、本発明のアクリル系樹脂組成物は、各成分を各々前述の添加量となるように計量して配合し、混合攪拌することで製造することができる。このような混合攪拌の方法は特に制限されるものではなく、重合体の組成、粘度、各成分の添加量により適宜選定することができ、具体的には、ディゾルバーミキサー、ホモミキサー等の攪拌機を用いる方法が挙げられる。また、前記グリシジル基を有する化合物に、予め金属水酸化物粉、金属酸化物粉、膨張黒鉛を混合しておくことも可能であり、このような混合においても前記混合攪拌の方法を用いることができる。
また、このようにして混合攪拌されものを必要に応じて、例えば未分散の金属水酸化物粉、金属酸化物粉等の固まりを除去する目的で濾過してもよい。このような濾過を行うことで、均質なアクリル系樹脂組成物が得られ、シート状成形体の製造を効率良く行うことが可能となる。また、このような混合攪拌を行う際に液中に生じる気泡は減圧下で脱泡することが好ましい。このような脱泡を行うことで、得られるアクリル系樹脂組成物を用いて製造されるシート状成形体に気泡が生じることを防止することが可能となる。
また、本発明のアクリル系樹脂組成物には、更に反応性触媒成分を含有させることが好ましい。このような反応性触媒成分は特に限定されないが、例えば4級アンモニウム、3級アミン、イミダゾール系化合物、リン系化合物、ルイス酸等が好適に使用される。
このような反応性触媒成分として用いられる4級アンモニウム塩としては、具体的には、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド(TEBAC)、テトラブチルアンモニウムクロライド(TBAC)、テトラメチルアンモニウムクロライド(TMAC)等が挙げられる。
また、前記反応性触媒成分として用いられる3級アミンとしては、具体的には、トリエチレンジアミン(TEDA)、ベンジルジメチルアミン等が挙げられ、前記反応性触媒成分として用いられるイミダゾール系化合物として、具体的には、1,2−ジメチルイミダゾール(1,2DMZ),1−ベンジルー2−メチルイミダゾール(1B2MZ)、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)、2−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ−CN)等が挙げられる。
また、前記反応性触媒成分として用いられるリン系化合物として、具体的には、トリフェニルホスフィン、テトラブチルホスホニウムブロマイド等が挙げられる。
さらに、前記反応性触媒成分として用いられるルイス酸としては、具体的には、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化錫、三フツ化ホウ素等が挙げられ、三フツ化ホウ素のモノエチルアミン及びエタノールアミン化合物を用いることが好ましい。
このような反応性触媒成分の中でも、反応性の観点から、3級アミン及びイミダゾール系化合物を使用することが好ましい。このような3級アミン及びイミダゾール系化合物の中でも2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)が特に好適に使用される。なお、このようなイミダゾール系化合物は、前記アクリル系共重合体中のカルボキシル基と化合物中のグリシジル基との反応触媒として作用するとともに、余剰のグリシジル基と連鎖的に反応するため、未反応のグリシジル基を含有する化合物による物性の低下を防止できるものと考えらえるが詳しいメカニズムは不明である。
また、このような反応性触媒成分の配合の割合としては、アクリル系共重合体100重量部に対して0.01乃至10重量部であることが好ましく、0.5乃至3重量部であることがより好ましい。
このような反応性触媒成分を本発明のアクリル系樹脂組成物に混合させる方法としては、アクリル系共重合体に、触媒を予め配合しておいて、その後、グリシジル基を含有する化合物を混合することが好ましい。
さらに、本発明のアクリル系樹脂組成物には、シート状成形体の要求性能に応じて、酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤等を適宜添加することが可能である。
次に、本発明のシート状成形体につき説明する。このようなシート状成形体は、前述の本発明のアクリル系樹脂組成物をシート状に成形し且つ硬化せしめて得られる。
このようなアクリル系樹脂組成物をシート状に成形し且つ硬化せしめる方法としては、特に制限されず、適宜公知の方法を用いることが可能である。このような方法としては、例えば、基材となるフィルム(ポリエステルフィルム等)の上に前記アクリル系樹脂組成物をコーティングし、160乃至200℃の温度条件下で5乃至15分間加熱することによって硬化させる方法を挙げることができる。
このような本発明のシート状成形体の厚さとしては、0.5mm乃至3mmであることが好ましく、1.0mm乃至2.0mmであることがより好ましい。前記厚さが0.5mm未満では、十分な難燃性を達成できない傾向にあり、他方、前記厚さが3mmを超えると、難燃化は容易となるものの、電子機器部品等の使用目的にそぐわない製品となってしまう傾向にある。
このようなシート状成形体は、必要に応じて切断することが可能であり、任意の形状にすることにより熱伝導が必要な部位に容易に貼着させることも可能である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
このようにして得られた各シート状成形体について、以下のような評価を行った。
〈熱伝導性の試験〉
実施例1乃至8及び比較例1乃至8で得られた各シート状成形体について、京都電子社製のQTM−500を用いて熱伝導率(W/mk)を測定した。このような熱伝導率は、熱伝導率が既知である基準物質の上に試料を置き、数種類の基準物質に対して偏差を求めた後、基準物質の熱伝導率を横軸にし、偏差を縦軸にしてプロットし、偏差がゼロとなる交点を求めることにより算出した。得られた結果を表8及び表9に示す。
〈難燃性の試験〉
実施例1乃至8及び比較例1乃至8で得られた各シート状成形体について、以下のようにして難燃性の評価を行った。すなわち、各シート状成形体を13.0mm×127mmの大きさに切断したものを試料とし、UL(Underwriters Laboratories Inc.)のプラスチックの難燃性規格であるUL−94V(Vertical Barning Test)に準拠した測定を行った。このような試験の評価基準は下記の通りである。また、その評価方法は、下記V−0に規定された5項目を満たすか否かを評価し、5項目全てを満たす場合には評価はV−0となる。また、V−0に規定された5項目のうち1項目でも満たさないものがある場合においては、次に、V−1に規定された5項目を満たすか否かを評価し、5項目全てを満たす場合には評価はV−1となる。さらに、V−1に規定された5項目のうち1項目でも満たさないものがある場合においては、V−2に規定された5項目を満たすか否かを評価し、5項目全てを満たす場合には評価はV−2となり、5項目のうち1項目でも満たさない場合には評価は不合格となる。得られた結果を表8及び表9に示す。
評価基準
〔V−0〕
1) 各サンプルの1回目又は2回目の接炎後の燃焼時間が10秒以下
2) 10回(2回目の接炎を含む)の接炎後の燃焼時間の合計が50秒以下
3) 2回目の接炎後の燃焼時間と火種時間の合計が30秒以下
4) 125mmマークに達する燃焼又は火種がないこと
5) 落下物による脱脂綿の着火がないこと。
〔V−1〕
1) 各サンプルの1回目又は2回目の接炎後の燃焼時間が30秒以下
2) 10回(2回目の接炎を含む)の接炎後の燃焼時間の合計が250秒以下
3) 2回目の接炎後の燃焼時間と火種時間の合計が60秒以下
4) 125mmマークに達する燃焼又は火種がないこと
5) 落下物による脱脂綿の着火がないこと。
〔V−2〕
1) 各サンプルの1回目又は2回目の接炎後の燃焼時間が30秒以下
2) 10回(2回目の接炎を含む)の接炎後の燃焼時間の合計が250秒以下
3) 2回目の接炎後の燃焼時間と火種時間の合計が60秒以下
4) 125mmマークに達する燃焼又は火種がないこと
5) 落下物による脱脂綿の着火があった。
〈加工性〉
実施例1乃至8及び比較例1乃至8において得られたアクリル系樹脂組成物について、シート状成形体を製造する際の加工性を評価した。すなわち、各アクリル系樹脂組成物について、ラボスターラーを用いて混練りが容易であるか否かを観測して加工性の評価を行った。評価基準は下記の通りである。結果を表8及び9に示す。
評価基準
◎:粘度が低く混練りが可能であり、シート化も容易であった。
○:粘度がやや高いが混練りが可能であり、シート化も容易であった。
△:粘度が高く混練りがやや困難であり、シート化もやや困難であった。
×:粘度が高く混練りが困難であり、シート化も困難であった。
〈シートの表面状態〉
実施例1乃至8及び比較例1乃至8において得られたシート状成形体について、そのシートの表面状態についてルーペを使って目視でシートの表面状態を評価した。その評価基準は下記の通りである。結果を表8及び9に示す。
評価基準
◎:シート表面に空隙がなく、平滑性に優れるシートであった。
○:シート表面において、空隙が極一部(5%以下)あるが、平滑性に問題のないシートであった。
△:シート表面において、空隙が一部(5%を超える)あり、平滑性に問題のあるシートであった。
×:シート表面において、空隙が全体にあり、平滑性に問題のあるシートであった。
NA:シート作成不可の為、測定不可
表8及び表9に示す結果からも明らかなように、各実施例で得られた本発明の熱伝導性アクリル系樹脂組成物は、熱伝導率が4.0(W/mk)以上と高く、しかも難燃性(UL−94−V)の評価がV−2乃至V−0である優れたシート状成形体であることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、熱伝導性充填剤である金属水酸化物粉と金属酸化物粉とを高比率で含有させることにより、熱伝導率が4.0(W/mk)以上であることを可能としたものであるとともに、難燃性の機能をも備えた金属水酸化物と難燃剤として膨張黒鉛とを所定量含有させることにより、難燃性の(UL−94−V)の評価がV−2乃至V−0であることを可能としたアクリル系樹脂組成物、並びにそれを用いたシート状成形体を提供することが可能となる。
したがって、本発明のアクリル系樹脂組成物は、優れた熱伝導性と難燃性とを有するシート状成形体を製造することが可能であり、このような熱伝導性シート状成形体は、電子機器部品の熱を冷却装置に伝達させる熱伝導材等として有用である。

Claims (6)

  1. 官能基としてカルボキシル基を有するアクリル系共重合体と、官能基として1分子中に2個以上のグリシジル基を有する化合物とをマトリックスとするアクリル系樹脂組成物であって、
    前記アクリル系共重合体100重量部に対して、熱伝導性充填剤として金属水酸化物粉が100乃至350重量部及び金属酸化物粉が100乃至600重量部含有されるとともに、難燃剤として膨張黒鉛が20乃至150重量部含有され、且つ湿潤分散剤が0.05乃至3重量部含有されていることを特徴とするアクリル系樹脂組成物。
  2. 前記アクリル系共重合体100重量部に対して、難燃剤として赤燐が1乃至35重量部を含有されていることを特徴とする請求項1記載のアクリル系樹脂組成物。
  3. 前記アクリル系共重合体100重量部に対して、硬度調整剤として単官能のグリシジル基を有する化合物が1乃至20重量部含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアクリル系樹脂組成物。
  4. 前記金属水酸化物粉が水酸化アルミニウムであり、前記金属酸化物粉がアルミナであることを特徴とする請求項1乃至3に記載のうちのいずれか一項に記載のアクリル系樹脂組成物。
  5. 前記湿潤分散剤が、硼酸基及び/又は燐酸基を有する飽和ポリエステル系コポリマーであることを特徴とする請求項1乃至4に記載のうちいずれか一項に記載のアクリル系樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載のアクリル系樹脂組成物をシート状に成形及び硬化せしめてなるものであることを特徴とするシート状成形体。
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