JP2007197545A - 分散体とそれを含有する塗料およびインキ - Google Patents
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Abstract
【課題】全ての顔料に適合性が高く、複雑な工程を必要としない汎用性の高い表面処理によって、分散剤の使用を制限するとともに、有機分散媒に対する分散安定性を高める。
【解決手段】顔料粉体に疎水性を付与する、シリコンまたはチタネート化合物の1種または2種以上よりなる疎水性表面処理剤を用い、この疎水性表面処理剤で顔料粉体を表面処理し、この表面処理粉体をアルコールやエステル等の有機溶剤に分散させる。
【選択図】なし
【解決手段】顔料粉体に疎水性を付与する、シリコンまたはチタネート化合物の1種または2種以上よりなる疎水性表面処理剤を用い、この疎水性表面処理剤で顔料粉体を表面処理し、この表面処理粉体をアルコールやエステル等の有機溶剤に分散させる。
【選択図】なし
Description
本発明は、撥水性表面処理顔料を含有する分散体と、この分散体を含有する塗料およびインキに関するものである。
顔料を分散媒中に分散させてなる顔料分散体は、着色剤または機能性材料として、インキや塗料のほか、プラスチック分野において幅広く利用されている。この顔料分散体において、顔料の良好な分散安定性を得るには、一般的には、顔料および分散媒の両者に適合する低分子量の界面活性剤や、あるいは高分子量の顔料分散剤が用いられてきた。
しかし、使用する顔料と分散媒との組み合わせが変わると分散媒の適合性も変わる恐れがあるため、前記従来方法は、汎用性の面からは難点があると考えられる。また、最終的に使用する形態によっては分散剤が適合しない場合もあり、例えば塗料分野においては、分散剤の使用量が多くなると、所謂ハジキ(塗装品表面に凹みが生じる現象)等が発生するという問題がある。このため、塗料前駆体としての分散体は、分散剤の使用量をできるだけ抑えたもので、かつ顔料濃度の高い分散安定性に優れたものが望まれている。
これらの問題を解決するために、従来より、顔料粉体の表面を予め種々の手法により改質した表面処理顔料を利用する検討がなされてきた。古くは、有機顔料にロジンを処理する方法が知られているが、最近では、例えば特許文献1,2に開示されているように、ロジン類縁体を使用する手法が提案されている。
また、例えば特許文献3,4に開示されているように、縮合多環系顔料を分散させるために、トリアジン環をもつ塩基性アントラキノンやスルホン酸アルミニウムをもつアントラキノン顔料誘導体を処理剤として利用したものも提案されている。
しかしながら、前記各文献にて提案されているものはいずれも、極性の低い有機顔料の表面改質を中心とするものであり、無機顔料をも含めた顔料全体に適合させることが難しいという問題点がある。また、これら従来方法は、工業的な汎用性に欠ける等の問題点も有している。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、無機顔料および有機顔料の全ての顔料に適合性が高く、複雑な工程を必要としない汎用性の高い表面処理を施すことによって、界面活性剤のような分散剤の使用を制限し、有機分散媒に対する分散安定性を高めることのできる分散体と、この分散体を含有する塗料およびインキを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、顔料粉体に疎水性を付与する、例えばシリコンまたはチタネート化合物の1種または2種以上よりなる疎水性表面処理剤を用い、この疎水性表面処理剤で顔料粉体を表面処理し、この表面処理粉体を例えばアルコールやエステル等の有機溶剤に分散させたとき、分散安定性に優れた分散体が得られることを見いだした。
要するに、本発明による分散体は、
疎水性表面処理剤で表面処理された顔料粉体を、有機分散媒中に分散させてなることを特徴とするものである。
疎水性表面処理剤で表面処理された顔料粉体を、有機分散媒中に分散させてなることを特徴とするものである。
本発明において、前記疎水性表面処理剤は、25℃における粘度が1〜100万mPa・sである下記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサン、下記一般式(2)で示される分子量が30,000〜300,000のアクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルの共重合体とメチルポリシロキサンのメチル基の一部をヒドロキシプロピル基で置換したものとのエステル、下記一般式(3)で示されるn−アルキルトリアルコキシシラン、および下記一般式(4)で示されるアルコキシチタニウムアルキレート化合物のうちの1種または2種以上であり、この疎水性表面処理剤で表面処理された顔料粉体が90重量%以下で分散されているのが好ましい。
CH3−(CH2)n−Si−(OCmH2m+1)3 ・・・・(3)
(式中、nは7〜14の整数であり、mは1または2の整数である。)
(CnH2n+1COO)aTi(OCmH2m+1)b ・・・・(4)
(式中、nは1〜26の整数、mは1〜12の整数を示し、aおよびbはそれぞれ1〜3の整数であり、a+b=4の関係を有する。なお、ここで示されるアルキル基は直鎖状あるいは分岐状であって、単一鎖長のものであっても複合鎖長のものであってもよい。)
(式中、nは7〜14の整数であり、mは1または2の整数である。)
(CnH2n+1COO)aTi(OCmH2m+1)b ・・・・(4)
(式中、nは1〜26の整数、mは1〜12の整数を示し、aおよびbはそれぞれ1〜3の整数であり、a+b=4の関係を有する。なお、ここで示されるアルキル基は直鎖状あるいは分岐状であって、単一鎖長のものであっても複合鎖長のものであってもよい。)
本発明において、前記一般式(1)〜(4)で示されるシリコン類、シラン類またはチタニウム類の顔料粉体への表面被覆量は、被処理粉体の粒子径にもよるが、一般的には0.5〜30重量%とするのが好ましい。また、前記表面処理剤を被覆する際には、顔料粉体を撹拌しながら表面処理剤を滴下あるいは噴霧し、その後、十分に撹拌混合する方法を用いることができるが、より分散安定性の高い分散体を作製するためには、まず、分散剤の所定量を濃度が0.5〜20重量%になるように適当な溶媒に溶解させ、次に、被表面処理顔料を加えて一定時間十分に撹拌混合した後、加熱減圧によって溶媒を除去する方法を採用するのが好ましい。
次に、本発明による塗料は、前記分散体を0.1〜90重量%含有してなることを特徴とするものである。
さらに、本発明によるインキは、前記分散体を0.1〜90重量%含有してなることを特徴とするものである。
本発明によれば、顔料粉体表面が疎水性表面処理剤で表面処理されているので、無機顔料および有機顔料の全ての顔料に適合性が高く、汎用性の高い表面処理を施すことができる。また、界面活性剤のような分散剤の使用を制限することができるので、例えば塗料に用いた場合にも所謂ハジキ等の問題が発生することもなく、有機分散媒に対する分散安定性も高めることができる。
次に、本発明による分散体とそれを含有する塗料およびインキの具体的な実施の形態について説明する。
本実施形態に係る分散体は、25℃における粘度が1〜100万mPa・sである下記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサン、下記一般式(2)で示される分子量が30,000〜300,000のアクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルの共重合体とメチルポリシロキサンのメチル基の一部をヒドロキシプロピル基で置換したものとのエステル(以下、「アクリルシリコン共重合物」という。)、下記一般式(3)で示されるn−アルキルトリアルコキシシラン、および下記一般式(4)で示されるアルコキシチタニウムアルキレート化合物のうちの1種または2種以上で顔料粉体表面を処理し、この表面処理された顔料粉体を有機分散媒中に分散させてなるものである。
CH3−(CH2)n−Si−(OCmH2m+1)3 ・・・・(3)
(式中、nは7〜14の整数であり、mは1または2の整数である。)
(CnH2n+1COO)aTi(OCmH2m+1)b ・・・・(4)
(式中、nは1〜26の整数、mは1〜12の整数を示し、aおよびbはそれぞれ1〜3の整数であり、a+b=4の関係を有する。なお、ここで示されるアルキル基は直鎖状あるいは分岐状であって、単一鎖長のものであっても複合鎖長のものであってもよい。)
(式中、nは7〜14の整数であり、mは1または2の整数である。)
(CnH2n+1COO)aTi(OCmH2m+1)b ・・・・(4)
(式中、nは1〜26の整数、mは1〜12の整数を示し、aおよびbはそれぞれ1〜3の整数であり、a+b=4の関係を有する。なお、ここで示されるアルキル基は直鎖状あるいは分岐状であって、単一鎖長のものであっても複合鎖長のものであってもよい。)
ここで、前記一般式(1)にて示されるオルガノポリシロキサンとしては、25℃における粘度が1〜100万mPa・sであるポリシロキサン化合物であって、例えば信越化学工業(株)からKF−99P、KF−9901やKF−96の名称で市販されているメチルハイドロジェンポリシロキサンやジメチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。
また、前記一般式(2)にて示されるアクリルシリコン共重合物としては、例えば信越化学工業(株)からKP−541、KP−543やKP−545の名称で市販されているイソプロパノール、酢酸ブチル、揮発性シリコンに溶解された共重合物が挙げられる。
また、前記一般式(3)にて示されるn−アルキルトリアルコキシシランとしては、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
さらに、前記一般式(4)にて示されるアルコキシチタニウムアルキレート化合物としては、イソプロポキシチタニウムトリステアレート、トリイソプロポキシチタニウムイソステアレート、イソプロポキシチタニウムトリパルチミレート、イソプロポキシチタニウムトリミリスチレート等が挙げられる。
本実施形態において使用される顔料粉体としては、無機顔料、有機顔料、樹脂粉体顔料等が挙げられる。ここで、無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、ベンガラ、黄酸化鉄、黒色酸化鉄、群青、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、マイカ、カオリン、タルク、カーボンブラック、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。また、有機顔料としては、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッド、リソールルビンB、レーキレッドC、リソールレッド、ローダミンB、ヘンリンドンピンクCN、パーマネントレッド、ベンジルオレンジG等が挙げられる。また、樹脂粉体顔料としては、ナイロンパウダー、アクリルパウダー、シリコンパウダー等が挙げられる。
前記一般式(1)のオルガノポリシロキサンを顔料表面に被覆する方法としては、例えば次のような方法が挙げられる。すなわち、所定量のオルガノポリシロキサンを不活性な有機溶媒、例えばn−ヘキサン、イソプロピルアルコール、低分子量ナフサ、塩化メチレン、ハイドロフルオロエーテル等に約0.5〜20重量%となるように溶解させておき、この溶液に原料としての被表面処理粉体を加え、さらに一定時間撹拌混合する。この後、加熱減圧して溶剤を除去した後、150〜220℃で加熱熟成させることで、目的とする撥水性処理粉体を得ることができる。
また、前記一般式(2)のアクリルシリコン共重合物、前記一般式(3)のn−アルキルトリアルコキシシランおよび前記一般式(4)のアルコキシチタニウムアルキレート化合物については、前記オルガノポリシロキサンと同様の方法で、被表面処理粉体を加えて一定時間撹拌混合した後に、溶剤を除去し、80〜150℃で加熱熟成させることで、目的とする処理粉体を得ることができる。
このようにして処理された顔料粉体は、メチル基による高い撥水性を示す粉体となる。
次に、前述の顔料粉体を用いて分散体を作製する際に使用する有機溶剤としては、被処理粉体および表面処理剤との親和性の高いものが用いられる。すなわち、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、MEK、MEIBK等のケトン類、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸メチル等のエステル類、トルエン等の芳香族系溶剤が挙げられる。しかしながら、環境負荷、人体刺激性の観点および汎用性の観点からは、イソプロパノールが最も好ましい。
有機分散媒中の粉体含有量は特に限定されるものではないが、0.5〜80重量%が好ましく、粉体の性質により、例えば酸化チタンでは50〜70重量%、カーボンブラックでは10〜20重量%が更に好ましい。
本発明の分散体を調製する方法としては、ホモミキサー、ディスパー、ニーダー、コロイドミル、ロール、エクストルーダー等の各種分散機が使用できるが、表面処理顔料に高いせん断力を加えることのできるホモミキサー、ディスパー、コロイドミル、メディアミル等の湿式分散機が好ましい。また、メディアに微細なビーズを用い高速回転で混合撹拌できる湿式ビーズミルを用いるのが最も好ましい。このような装置を用いて、滞留時間を長くすることで、撥水処理顔料の凝集粒子は粉砕されながら分散され、微粒化されるため、沈降速度を遅くすることができ、より分散安定性の高い分散体を得ることができる。
次に、本発明による分散体とそれを含有する塗料およびインキの具体的な実施例を挙げて、更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
被処理顔料粉体としての酸化チタン(Tioxide社製、TR−52)に対して、表面処理剤としてアクリルシリコン共重合体(処理コードASC)(信越化学工業製KP−541)の固形分を8重量%秤量し、この固形分をその9倍量(72重量%)の表面処理溶剤としてのイソプロパノールで希釈して、被処理顔料および希釈処理剤を高速撹拌混合機に投入する。そして、これを80℃にて30分間撹拌し、100℃に加温して撹拌混合機内を減圧して約2時間保ち、希釈溶剤を完全に除去した。その後、130℃で6時間加熱熟成させて撥水性粉体を得た。次に、得られた表面処理粉体65重量%と、イソプロパノール35重量%とを湿式ビーズミルにて混合分散させた。撹拌は、φ0.5mmのジルコニアビーズを充填率80%で充填し、周速14m/sec、ポンプ流速400ml/minで1時間行い、撥水処理酸化チタン/イソプロパノール65重量%分散体を得た。
被処理顔料粉体としての酸化チタン(Tioxide社製、TR−52)に対して、表面処理剤としてアクリルシリコン共重合体(処理コードASC)(信越化学工業製KP−541)の固形分を8重量%秤量し、この固形分をその9倍量(72重量%)の表面処理溶剤としてのイソプロパノールで希釈して、被処理顔料および希釈処理剤を高速撹拌混合機に投入する。そして、これを80℃にて30分間撹拌し、100℃に加温して撹拌混合機内を減圧して約2時間保ち、希釈溶剤を完全に除去した。その後、130℃で6時間加熱熟成させて撥水性粉体を得た。次に、得られた表面処理粉体65重量%と、イソプロパノール35重量%とを湿式ビーズミルにて混合分散させた。撹拌は、φ0.5mmのジルコニアビーズを充填率80%で充填し、周速14m/sec、ポンプ流速400ml/minで1時間行い、撥水処理酸化チタン/イソプロパノール65重量%分散体を得た。
(実施例2)
表面処理剤のアクリルシリコン共重合体(処理コードASC)の処理濃度を、酸化チタン(TR−52)に対して4重量%とし、希釈溶剤であるイソプロパノールを36重量%にして前記実施例1と同様に表面処理を行った。次に、得られた表面処理粉体50重量%と、イソプロパノール50重量%とを実施例1と同様、湿式ビーズミルにて混合分散させ、撥水処理酸化チタン/イソプロパノール50重量%分散体を得た。
表面処理剤のアクリルシリコン共重合体(処理コードASC)の処理濃度を、酸化チタン(TR−52)に対して4重量%とし、希釈溶剤であるイソプロパノールを36重量%にして前記実施例1と同様に表面処理を行った。次に、得られた表面処理粉体50重量%と、イソプロパノール50重量%とを実施例1と同様、湿式ビーズミルにて混合分散させ、撥水処理酸化チタン/イソプロパノール50重量%分散体を得た。
(実施例3)
表面処理剤としてイソプロポキシチタニウムトリステアレート(処理コードITT)を使用し、被表面処理顔料としてカーボンブラック(デグサ社製、スペシャルブラック#4)を用い、前記実施例1と同様に表面処理顔料を作製した。ただし、表面処理時に使用する希釈溶剤はn−ヘキサンを使用し、加熱熟成は110℃で実施した。分散体の作製は、表面処理顔料15重量%とイソプロパノール85重量%とを、実施例1と同様に混合分散させて行った。
表面処理剤としてイソプロポキシチタニウムトリステアレート(処理コードITT)を使用し、被表面処理顔料としてカーボンブラック(デグサ社製、スペシャルブラック#4)を用い、前記実施例1と同様に表面処理顔料を作製した。ただし、表面処理時に使用する希釈溶剤はn−ヘキサンを使用し、加熱熟成は110℃で実施した。分散体の作製は、表面処理顔料15重量%とイソプロパノール85重量%とを、実施例1と同様に混合分散させて行った。
(実施例4)
表面処理剤としてメチルハイドジェンポリシロキサン(処理コードSI01)(信越化学工業製KF−9901)を使用し、被表面処理顔料としてカーボンブラック(デグサ社製、スペシャルブラック#4)を用い、前記実施例1と同様に表面処理顔料を作製した。ただし、加熱熟成は200℃で実施した。分散体の作製は、実施例3と同様に表面処理顔料が15重量%になるように調製した。
表面処理剤としてメチルハイドジェンポリシロキサン(処理コードSI01)(信越化学工業製KF−9901)を使用し、被表面処理顔料としてカーボンブラック(デグサ社製、スペシャルブラック#4)を用い、前記実施例1と同様に表面処理顔料を作製した。ただし、加熱熟成は200℃で実施した。分散体の作製は、実施例3と同様に表面処理顔料が15重量%になるように調製した。
(実施例5)
表面処理剤としてn−オクチルトリメトキシシラン(処理コードOTS)を使用し、被表面処理顔料として酸化亜鉛(住友大阪セメント社製、Zno−350)を用いた。処理剤は顔料に対して10重量%として、前記実施例1と同様に表面処理顔料を作製した。ただし、加熱熟成は110℃で実施した。分散体の作製は、表面処理顔料25重量%となるように調製し、分散媒として酢酸ブチルを使用した。分散方法は、実施例1と同様である。
表面処理剤としてn−オクチルトリメトキシシラン(処理コードOTS)を使用し、被表面処理顔料として酸化亜鉛(住友大阪セメント社製、Zno−350)を用いた。処理剤は顔料に対して10重量%として、前記実施例1と同様に表面処理顔料を作製した。ただし、加熱熟成は110℃で実施した。分散体の作製は、表面処理顔料25重量%となるように調製し、分散媒として酢酸ブチルを使用した。分散方法は、実施例1と同様である。
(比較例1)
未処理の酸化チタン(TR−52)を用いて、顔料濃度65重量%で前記実施例1と同様にして分散体を作製した。
未処理の酸化チタン(TR−52)を用いて、顔料濃度65重量%で前記実施例1と同様にして分散体を作製した。
(比較例2)
未処理のカーボンブラック(スペシャルブラック#4)を用いて、顔料濃度15重量%で前記実施例1と同様にして分散体を作製した。
未処理のカーボンブラック(スペシャルブラック#4)を用いて、顔料濃度15重量%で前記実施例1と同様にして分散体を作製した。
上述の実施例1〜5および比較例1,2の表面処理顔料について、その水接触角を測定するとともに、B型粘度計を用いて分散体の粘度を測定した。また、分散体における顔料分散状態を、分散直後と24時間後とで観察した。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、各実施例のものは比較例のものに比べて高濃度の分散体が得られていることがわかる。
Claims (4)
- 疎水性表面処理剤で表面処理された顔料粉体を、有機分散媒中に分散させてなることを特徴とする分散体。
- 前記疎水性表面処理剤が、25℃における粘度が1〜100万mPa・sである下記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサン、下記一般式(2)で示される分子量が30,000〜300,000のアクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルの共重合体とメチルポリシロキサンのメチル基の一部をヒドロキシプロピル基で置換したものとのエステル、下記一般式(3)で示されるn−アルキルトリアルコキシシラン、および下記一般式(4)で示されるアルコキシチタニウムアルキレート化合物のうちの1種または2種以上であり、この疎水性表面処理剤で表面処理された顔料粉体が90重量%以下で分散されている請求項1に記載の分散体。
(式中、nは7〜14の整数であり、mは1または2の整数である。)
(CnH2n+1COO)aTi(OCmH2m+1)b ・・・・(4)
(式中、nは1〜26の整数、mは1〜12の整数を示し、aおよびbはそれぞれ1〜3の整数であり、a+b=4の関係を有する。なお、ここで示されるアルキル基は直鎖状あるいは分岐状であって、単一鎖長のものであっても複合鎖長のものであってもよい。) - 請求項1または2に記載の分散体を0.1〜90重量%含有してなることを特徴とする塗料。
- 請求項1または2に記載の分散体を0.1〜90重量%含有してなることを特徴とするインキ。
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WO2020166544A1 (ja) * | 2019-02-15 | 2020-08-20 | 日信化学工業株式会社 | 化粧料用顔料の水分散体およびその製造方法 |
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2006
- 2006-01-26 JP JP2006017100A patent/JP2007197545A/ja not_active Withdrawn
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