JP2007197492A - インモニウム化合物及びその用途 - Google Patents
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- RZXMPPFPUUCRFN-UHFFFAOYSA-N Cc(cc1)ccc1N Chemical compound Cc(cc1)ccc1N RZXMPPFPUUCRFN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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Abstract
Description
本発明は赤外領域に吸収を有するインモニウム化合物及びその用途に関する。更に詳しくは、耐熱性及び耐湿熱性に極めて優れ、優れた近赤外線吸収能を有すインモニウム化合物及びこれを用いた近赤外線吸収フィルターに関する。
従来、近赤外線吸収剤としてのインモニウム化合物は広く知られており(例えば特許文献1及び特許文献2を参照)、このものの近赤外線吸収フィルター等への応用も提案されている。最近多用されてきたプラズマディスプレーパネルは、プラズマ発光を利用して画像を表示するパネルであるが、そのプラズマ発光は近赤外線吸収領域(800〜1100nm)の光も含む為、リモコン等の近赤外線を利用した機器の誤動作を招くことがあり、その防止の為、近赤外線吸収フィルターを用いプラズマディスプレーパネルからの近赤外線を吸収、カットする必要がある。プラズマディスプレーは高温、高湿度にさらされる時間が多く、そこに使用される近赤外線吸収フィルターにも高い耐熱性及び耐湿熱性が要求される。しかしながら、従来公知の近赤外線吸収フィルターはこれらの要求を十分に満たすまでには至っていない。
例えば前記特許文献2には、置換基として直鎖状のアルキル基を有するインモニウム化合物が開示されているが、これらの化合物を用いた近赤外線吸収フィルターは、インモニウム化合物が熱及び湿度に対して変化しやすい等の原因から、長期間のうちに近赤外線吸収能が低下するという問題がある。
また特許文献1および3には2種の金属錯体とジインモニウム化合物の中から選択される少なくとも2種類以上の近赤外線吸収色素を含有する近赤外線吸収フィルムを含む多層パネルならびにそれらの可視光透過率及び近赤外線遮蔽率が開示されているが、耐熱性及び耐湿熱性については検討されていない。
また特許文献4及び5には近赤外線吸収能を有する色素としてインモニウム化合物を含有する光記録媒体及びその環境保存安定性が開示されている。
特許文献6および7には分岐鎖アルキル基を置換基として有するジイモニウム塩化合物およびそれを用いる近赤外線吸収フィルター及び光情報記録媒体が開示されている。
このように従来公知のインモニウム化合物を用いた近赤外線吸収フイルターでは、プラズマディスプレーパネルにおけるような過酷な条件下での用途において満足出来るような品質のものが得られていない。
例えば前記特許文献2には、置換基として直鎖状のアルキル基を有するインモニウム化合物が開示されているが、これらの化合物を用いた近赤外線吸収フィルターは、インモニウム化合物が熱及び湿度に対して変化しやすい等の原因から、長期間のうちに近赤外線吸収能が低下するという問題がある。
また特許文献1および3には2種の金属錯体とジインモニウム化合物の中から選択される少なくとも2種類以上の近赤外線吸収色素を含有する近赤外線吸収フィルムを含む多層パネルならびにそれらの可視光透過率及び近赤外線遮蔽率が開示されているが、耐熱性及び耐湿熱性については検討されていない。
また特許文献4及び5には近赤外線吸収能を有する色素としてインモニウム化合物を含有する光記録媒体及びその環境保存安定性が開示されている。
特許文献6および7には分岐鎖アルキル基を置換基として有するジイモニウム塩化合物およびそれを用いる近赤外線吸収フィルター及び光情報記録媒体が開示されている。
このように従来公知のインモニウム化合物を用いた近赤外線吸収フイルターでは、プラズマディスプレーパネルにおけるような過酷な条件下での用途において満足出来るような品質のものが得られていない。
本発明はこの様な状況に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、優れた耐熱性及び耐湿熱性を有するインモニウム化合物の提供、さらにはそのようなインモニウム化合物を用いたプラズマディスプレーパネル用等過酷の状況に晒される用途にも十分適用出来る近赤外線吸収フィルターを提供することにある。
本発明者らは前記したような課題を解決すべく鋭意努力した結果、特定の構造を有するインモニウム化合物が前記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、
(1)下記式(1)で示されるインモニウム化合物を含有する事を特徴とする樹脂組成物
すなわち本発明は、
(1)下記式(1)で示されるインモニウム化合物を含有する事を特徴とする樹脂組成物
(式(1)中、R1〜R6は少なくとも1つが2−メチルプロピル基、3−メチルブチル基または4−メチルペンチル基であり、その他はそれぞれ独立に(C1−C6)アルキル基であり、シアノ基、ヒドロキシ基、フッ素原子、ハロゲン原子、(C1−C6)アルコキシ基、(C1−C3)アルコキシ(C1−C4)アルコキシ基、(C1−C3)アルコキシ(C1−C3)アルコキシ(C1−C3)アルコキシ基、アリルオキシ基、(C6−C10)アリールオキシ基、(C1−C4)アルコキシカルボニル基、(C1−C4)アルキルカルボニルオキシ基、(C1−C4)アルコキシカルボニルオキシ基よりなる群から選択される置換基を有しても良い。但しR1〜R6の全てが3−メチルブチル基である場合を除く。Xはインモニウムカチオン部が有する電荷を中和するのに必要なアニオンを表す。)
(2)上記式(1)で示される化合物のR1〜R6は少なくとも1つが2−メチルプロピル基、3−メチルブチル基または4−メチルペンチル基であり、その他はそれぞれ独立に(C4−C6)分岐鎖アルキル基である(1)に記載の樹脂組成物
(3)上記式(1)で示される化合物のR1〜R6のすべてが2−メチルプロピル基または4−メチルペンチル基である(1)または(2)に記載の樹脂組成物
(4)(1)〜(3)に記載の樹脂組成物から成形されてなる樹脂成形品
(5)(4)に記載の樹脂成型品からなる近赤外線吸収フィルター
(6)上記式(1)で示されるインモニウム化合物を含有する接着層を有する事を特徴とする近赤外線吸収フィルター
(7)(5)または(6)に記載の近赤外線吸収フィルターを備えたプラズマディスプレー
(8)R1〜R6のすべてが2−メチルプロピル基または4−メチルペンチル基である(1)に記載の式(1)で示されるインモニウム化合物
に関する。
(2)上記式(1)で示される化合物のR1〜R6は少なくとも1つが2−メチルプロピル基、3−メチルブチル基または4−メチルペンチル基であり、その他はそれぞれ独立に(C4−C6)分岐鎖アルキル基である(1)に記載の樹脂組成物
(3)上記式(1)で示される化合物のR1〜R6のすべてが2−メチルプロピル基または4−メチルペンチル基である(1)または(2)に記載の樹脂組成物
(4)(1)〜(3)に記載の樹脂組成物から成形されてなる樹脂成形品
(5)(4)に記載の樹脂成型品からなる近赤外線吸収フィルター
(6)上記式(1)で示されるインモニウム化合物を含有する接着層を有する事を特徴とする近赤外線吸収フィルター
(7)(5)または(6)に記載の近赤外線吸収フィルターを備えたプラズマディスプレー
(8)R1〜R6のすべてが2−メチルプロピル基または4−メチルペンチル基である(1)に記載の式(1)で示されるインモニウム化合物
に関する。
本発明のインモニウム化合物は近赤外線吸収性に優れ、高い耐熱性及び耐湿熱性を有している。そしてこのインモニウム化合物を用いて得られた近赤外線吸収フィルターは、耐熱性及び耐湿熱性に極めて優れた近赤外線吸収フィルターであり、熱及び湿度に対する耐性にすぐれている。従ってこれを用いたプラズマディスプレーの耐久性が優れている。
本発明のインモニウム化合物はインモニウムカチオンと、この電荷を中和するのに必要なアニオンとからなる化合物で、前記式(1)で表される。
前記式(1)中、R1〜R6は少なくとも1つが2−メチルプロピル基または4−メチルペンチル基であり、その他はそれぞれ独立に(C1−C6)アルキル基であり、シアノ基、ヒドロキシ基、フッ素原子、ハロゲン原子、(C1−C6)アルコキシ基、(C1−C3)アルコキシ(C1−C4)アルコキシ基、(C1−C3)アルコキシ(C1−C3)アルコキシ(C1−C3)アルコキシ基、アリルオキシ基、(C6−C10)アリールオキシ基、(C1−C4)アルコキシカルボニル基、(C1−C4)アルキルカルボニルオキシ基、(C1−C4)アルコキシカルボニルオキシ基よりなる群から選択される置換基を有しても良い。Xはインモニウムカチオン部が有する電荷を中和するのに必要なアニオンを表す。
ここにおいて、R1〜R6における、置換基を有していてもよいアルキル基の例としては、置換基を有してもよい炭素数1〜6の直鎖状のアルキル基があげられる。このような直鎖状のアルキル基の具体例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が、又これらの基に結合し得る置換基としては、シアノ基;ヒドロキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等の(C1−C6)アルコキシ基;メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、メトキシブトキシ基、エトキシブトキシ基等の(C1−C3)アルコキシ(C1−C4)アルコキシ基;メトキシメトキシメトキシ基、メトキシメトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基等の(C1−C3)アルコキシ(C1−C3)アルコキシ(C1−C3)アルコキシ基;アリルオキシ基;フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフチルオキシ基等の(C6−C10)アリールオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等の(C1−C4)アルコキシカルボニル基;メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基等の(C1−C4)アルキルカルボニルオキシ基;メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基等の(C1−C4)アルコキシカルボニルオキシ基等がそれぞれ挙げられる。
ここにおいて、R1〜R6における、置換基を有していてもよいアルキル基の例としては、置換基を有してもよい炭素数1〜6の直鎖状のアルキル基があげられる。このような直鎖状のアルキル基の具体例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が、又これらの基に結合し得る置換基としては、シアノ基;ヒドロキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等の(C1−C6)アルコキシ基;メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、メトキシブトキシ基、エトキシブトキシ基等の(C1−C3)アルコキシ(C1−C4)アルコキシ基;メトキシメトキシメトキシ基、メトキシメトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基等の(C1−C3)アルコキシ(C1−C3)アルコキシ(C1−C3)アルコキシ基;アリルオキシ基;フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフチルオキシ基等の(C6−C10)アリールオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等の(C1−C4)アルコキシカルボニル基;メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基等の(C1−C4)アルキルカルボニルオキシ基;メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基等の(C1−C4)アルコキシカルボニルオキシ基等がそれぞれ挙げられる。
上記式(1)におけるR1〜R6は分岐鎖状のアルキル基であるものも好ましく、その具体例としては1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、1−メチルプロピル(sec−ブチル)、1,1−ジメチルプロピル、2−メチルプロピル(iso−ブチル)、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル(iso−アミル)、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、3−エチルブチル等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいものは炭素数4〜6の分岐鎖状アルキル基であり、最も好ましいものはiso−ブチル基である。
本発明においては、前記式(1)におけるR1乃至R6のうち少なくとも1つが2−メチルプロピルまたは4−メチルペンチルであるものがこのましく、R1〜R6のすべてが2−メチルプロピルまたは4−メチルペンチルであるものが最も好ましい。
Xは、インモニウムカチオンの有する電荷を中和するのに必要なアニオンであり、例えばアニオンが2価である場合には1分子、アニオンが1価の場合には2分子必要になる。これらのアニオンとしては、例えば有機酸アニオン、無機アニオン等が使用しうる。使用しうる有機酸アニオンの具体例としては、酢酸イオン、乳酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、シュウ酸イオン、コハク酸イオン、ステアリン酸イオン等の有機カルボン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、ナフタレンモノスルホン酸イオン、ナフタレンジスルホン酸イオン、クロロベンゼンスルホン酸イオン、ニトロベンゼンスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等の有機スルホン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、ブチルトリフェニルホウ酸イオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオン等の有機ホウ酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸イオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニド酸イオン等の含フッ素有機酸イオンが挙げられる。これらのうち、好ましいものとしてはテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸イオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニド酸イオンが挙げられる。
又使用しうる無機アニオンの具体例としては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオン、チオシアン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、過塩素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、硝酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、チタン酸イオン、バナジン酸イオン、リン酸イオン、ホウ酸イオン、テトラフルオロタンタル酸イオン、テトラフルオロニオブ酸イオン等があげられ、好ましいものとしては、過塩素酸イオン、ヨウ素イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン等があげられる。
これらのうち、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸イオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニド酸イオンが好ましい。
本発明の式(1)で表されるインモニウム化合物は、例えば特許文献2及び非特許文献(J.Am.Chem.Soc.2004,126,12200)に記載された方法に準じた方法で得ることができる。
即ち、p−ニトロアニリンと1−クロロ−4−ニトロベンゼンを反応させて得られた生成物を還元することにより得られる下記式(2)
即ち、p−ニトロアニリンと1−クロロ−4−ニトロベンゼンを反応させて得られた生成物を還元することにより得られる下記式(2)
で表される化合物を有機溶媒中、好ましくはDMF(ジメチルホルムアマイド)、DMI(ジメチルイミダゾリノン)又はNMP(N−メチルピロリドン)等の水溶性極性溶媒中、30〜160℃、好ましくは50〜140℃で、所望のR1〜R6に対応するハロゲン化化合物(例えば、R1〜R6がn−C4H9のときはn−C4H9Br)と反応させて、全ての置換基(R1〜R6)が同一である下記式(3)の化合物(以下、全置換体と記す)を得ることができる。また、R1〜R6のすべてが同じ置換基である化合物以外の下記式(3)の化合物を合成する場合(例えば下記化合物例No.16の化合物の前駆体)には、先に所定のモル数(上記式(2)1モル当たり3モル)の試薬(n−C4H9Br)と反応させてR1〜R6のうち3つにn−ブチル基を導入した後、残りの置換基(iso−ブチル基)を導入するのに必要なモル数(上記式(2)のアミン体1モル当たり3モル)の対応する試薬(iso−C4H9Br)と反応させることによって合成できる。例示したNo.16の化合物の製造方法と同様の方法により、全置換体以外の任意の化合物を得ることができる。
上記で合成した化合物を、有機溶媒中、好ましくはDMF、DMI、NMP、アセトン等の水溶性極性溶媒中、0〜100℃、好ましくは5〜70℃で目的のアニオンに対応する酸化剤(例えば銀塩)を2当量程度添加して酸化反応を行う。また上記で合成した化合物を硝酸銀等の酸化剤で酸化する時に、その反応液に、目的のアニオンに対応する酸もしくは塩を添加して反応する方法によっても式(1)で表されるインモニウム化合物を合成することが出来る。
次に、式(1)で示される本発明のインモニウム化合物の具体例を表1に示す。表中、R1〜R6に関し、i−は「iso−」を、n−は「normal」をそれぞれ表す。R1〜R6に関し、R1〜R6が全てn−ブチル基である場合には「3(n−C4H9,n−C4H9)」と略記し、また例えば、1つがiso−ペンチル基で残りがn−ブチル基である場合、即ち、3組の置換基の組み合わせの一つにiso−ペンチル基が含まれ、残りの2組が全てn−ブチル基である場合には「2(n−C4H9,n−C4H9)1(n−C4H9,i−C5H11)等と記する。
本発明の樹脂組成物は、樹脂及び前記式(1)で示される本発明のインモニウム化合物を含有するものである。又、本発明の成形品は上記樹脂組成物を成形したものである。
本発明の樹脂組成物を得る上で、用いうる樹脂の具体例として、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニト リル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル等のビニル化合物、及びそれらのビニル化合物の付加重合体、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリシアン化ビニリデン、フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体、シアン化ビニリデン/酢酸ビニル共重合体、等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素を含む樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリペプチド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等が挙げられる。
これらの樹脂は下記する目的の成形品に応じて、本発明の前記式(1)で示される本発明のインモニウム化合物と所定の割合で混合して、本発明の樹脂組成物が調製される。又、成形品の形状としては、板状、フィルム状、積層状等が適用出来る。
本発明の樹脂組成物を得る上で、用いうる樹脂の具体例として、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニト リル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル等のビニル化合物、及びそれらのビニル化合物の付加重合体、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリシアン化ビニリデン、フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体、シアン化ビニリデン/酢酸ビニル共重合体、等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素を含む樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリペプチド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等が挙げられる。
これらの樹脂は下記する目的の成形品に応じて、本発明の前記式(1)で示される本発明のインモニウム化合物と所定の割合で混合して、本発明の樹脂組成物が調製される。又、成形品の形状としては、板状、フィルム状、積層状等が適用出来る。
本発明の樹脂組成物の成形品を作成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば次のような、それ自体公知の方法が利用できる。
(1)樹脂に本発明のインモニウム化合物を混練し、加熱成形して樹脂板又はフィルムを作製する方法。
(2)本発明のインモニウム化合物と樹脂モノマー又は樹脂モノマーの予備重合体を重合触媒の存在下にキャスト重合し、樹脂板又はフィルムを作製する方法。
(3)本発明の組成物を含有する塗料を作製し、透明樹脂板、透明フィルム、又は透明ガラス板にコーティングする方法。
(1)樹脂に本発明のインモニウム化合物を混練し、加熱成形して樹脂板又はフィルムを作製する方法。
(2)本発明のインモニウム化合物と樹脂モノマー又は樹脂モノマーの予備重合体を重合触媒の存在下にキャスト重合し、樹脂板又はフィルムを作製する方法。
(3)本発明の組成物を含有する塗料を作製し、透明樹脂板、透明フィルム、又は透明ガラス板にコーティングする方法。
(1)の作製方法としては、用いる樹脂によって加工温度、フィルム化(樹脂板化)条件等が多少異なるが、通常、本発明のインモニウム化合物を基材樹脂の粉体又はペレットに添加し、150〜350℃に加熱、溶解させた後、成形して樹脂板を作製する方法、あるいは押し出し機によりフィルム化(樹脂板化)する方法等が挙げられる。本発明のインモニウム化合物の添加量は、作製する樹脂板又はフィルムの厚み、吸収強度、可視光透過率等によって異なるが、通常、基材樹脂の重量に対して0.01〜30重量%、好ましくは0.03〜15重量%使用される。
(2)の方法では、上記の化合物と樹脂モノマー又は樹脂モノマーの予備重合体を重合触媒の存在下に型内に注入し、反応させて硬化させるか、又は金型に流し込んで型内で硬い製品となるまで固化させて成形する。多くの樹脂がこの過程で成形可能であり、その様な方法を採用しうる樹脂の具体例としては、アクリル樹脂、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)樹脂、エポキシ樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコン樹脂、等が挙げられる。その中でも、硬度、耐熱性、耐薬品性に優れたアクリルシートが得られるメタクリル酸メチルの塊状重合によるキャスティング法が好ましい。
重合触媒としては公知のラジカル熱重合開始剤が利用でき、例えばベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。その使用量は混合物の総量に対して、一般的に0.01〜5重量%である。熱重合における加熱温度は、通常40〜200℃であり、重合時間は通常30分〜8時間程度である。また熱重合以外に、光重合開始剤や増感剤を添加して光重合する方法も採用できる。
(3)の方法としては、本発明のインモニウム化合物をバインダー樹脂及び有機溶媒に溶解させて塗料化する方法、上記化合物を樹脂の存在下に微粒子化して分散させ、水系塗料とする方法等がある。このうち本発明のインモニウム化合物をバインダー樹脂及び有機溶媒に溶解させて塗料化する方法では、例えば、脂肪族エステル樹脂、アクリル系樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、芳香族エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニル系樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル変性樹脂等、又はそれらの共重合樹脂をバインダーとして用いる事ができる。
溶媒としては、ハロゲン系、アルコール系、ケトン系、エステル系、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、エーテル系の溶媒、又はそれらの混合物の溶媒を用いることができる。本発明のインモニウム化合物の濃度は、作製するコーティングの厚み、吸収強度、可視光透過率によって異なるが、バインダー樹脂に対して、一般的に0.1〜30重量%である。
このように作製した塗料を用いて透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明ガラス等の上にスピンコーター、バーコーター、ロールコーター、スプレー等でコーティングして近赤外線吸収フィルターを得ることができる。
前記(1)〜(3)において、それぞれの方法で混練、混合の際、紫外線吸収剤、可塑剤等、樹脂成形に用いる通常の添加剤を加えても良い。
前記で得られる樹脂組成物成型品の最も好ましい用途は近赤外線吸収フィルターである。このような近赤外線吸収フィルターは、本発明のインモニウム化合物を含有する樹脂層を基材上に設けたものでもよく、また基材自体が近赤外線吸収化合物を含有する樹脂組成物(又その硬化物)からなる層であっても良い。基材としては、一般に近赤外線吸収フィルターに使用し得るものであれば特に制限されないが、通常、樹脂製の基材が使用される。本発明のインモニウム化合物を含有する層の厚みは、通常0.1μm〜10mm程度であるが、近赤外線カット率等の目的に応じて適宜決定される。また、本発明のジイモニウム化合物の含有量も目的とする近赤外線カット率に応じて、適宜決定される。用いる樹脂としては、樹脂板又は樹脂フィルムに成形した場合、できるだけ透明性の高いものが好ましい。
前記(1)〜(3)において、それぞれの方法で混練、混合の際、紫外線吸収剤、可塑剤等、樹脂成形に用いる通常の添加剤を加えても良い。
前記で得られる樹脂組成物成型品の最も好ましい用途は近赤外線吸収フィルターである。このような近赤外線吸収フィルターは、本発明のインモニウム化合物を含有する樹脂層を基材上に設けたものでもよく、また基材自体が近赤外線吸収化合物を含有する樹脂組成物(又その硬化物)からなる層であっても良い。基材としては、一般に近赤外線吸収フィルターに使用し得るものであれば特に制限されないが、通常、樹脂製の基材が使用される。本発明のインモニウム化合物を含有する層の厚みは、通常0.1μm〜10mm程度であるが、近赤外線カット率等の目的に応じて適宜決定される。また、本発明のジイモニウム化合物の含有量も目的とする近赤外線カット率に応じて、適宜決定される。用いる樹脂としては、樹脂板又は樹脂フィルムに成形した場合、できるだけ透明性の高いものが好ましい。
次に本発明の前記式(1)で示される本発明のインモニウム化合物を含有する接着層を有する近赤外線吸収フィルターについて説明する。
この近赤外線吸収フィルターは、本発明のインモニウム化合物及び樹脂(接着剤)を含有させた組成物を用いて、合わせ樹脂板、合わせ樹脂フィルム、又は合わせガラス板を作製することによってえられる。このような目的で使用される樹脂としては、シリコン系、ウレタン系、アクリル系等の樹脂用、又は合わせガラス用のポリビニルブチラール接着剤、エチレン−酢酸ビニル系接着剤等の合わせガラス用の公知の透明接着剤が使用できる。本発明のインモニウム化合物を0.1〜30重量%添加した接着剤組成物を調製し、これを用いて透明な樹脂板同士、樹脂板と樹脂フィルム、樹脂板とガラス、樹脂フィルム同士、樹脂フィルムとガラス、ガラス同士を接着して、近赤外線吸収フィルターを得る。尚、接着剤組成物を調製するに当たり、それ自体公知の紫外線吸収剤、可塑剤等を適宜加えても良い。
この近赤外線吸収フィルターは、本発明のインモニウム化合物及び樹脂(接着剤)を含有させた組成物を用いて、合わせ樹脂板、合わせ樹脂フィルム、又は合わせガラス板を作製することによってえられる。このような目的で使用される樹脂としては、シリコン系、ウレタン系、アクリル系等の樹脂用、又は合わせガラス用のポリビニルブチラール接着剤、エチレン−酢酸ビニル系接着剤等の合わせガラス用の公知の透明接着剤が使用できる。本発明のインモニウム化合物を0.1〜30重量%添加した接着剤組成物を調製し、これを用いて透明な樹脂板同士、樹脂板と樹脂フィルム、樹脂板とガラス、樹脂フィルム同士、樹脂フィルムとガラス、ガラス同士を接着して、近赤外線吸収フィルターを得る。尚、接着剤組成物を調製するに当たり、それ自体公知の紫外線吸収剤、可塑剤等を適宜加えても良い。
本発明の前記各近赤外線吸収フィルターは赤外線吸収化合物として本発明の式(1)のインモニウム化合物のみを含有しても良いが、2種類以上の本発明のインモニウム化合物を併用することも、さらにこれらの化合物と、本発明のインモニウム化合物以外の近赤外線吸収化合物を併用して作製しても良い。併用し得る他の近赤外線吸収化合物としては、例えばフタロシアニン系色素、シアニン系色素、ジチオールニッケル錯体等があげられる。また、併用しうる無機金属の近赤外線吸収化合物の例としては、例えば金属銅又は硫化銅、酸化銅等の銅化合物、酸化亜鉛を主成分とする金属混合物、タングステン化合物、ITO、ATO等が挙げられる。
又、近赤外線吸収フィルターの色調を変えるために、可視領域に吸収を持つ色素(調色用色素)を、本発明の効果を阻害しない範囲で加えてもよい。又、調色用色素のみを含有するフィルターを作製し、後で本発明の近赤外線吸収フィルターを貼り合わせることもできる。
この様にして得られた本発明の近赤外線吸収フィルターの最も好ましい用途はプラズマディスプレーへの使用であるが、プラズマディスプレーの前面板に用いられる場合には、可視光の透過率は高いほどよく、少なくとも40%以上、好ましくは50%以上の透過率が必要である。近赤外線のカット領域は、好ましくは750〜1200nm、より好ましくは800〜1000nmであり、その領域の近赤外線の平均透過率が50%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下になることが好ましい。
この様にして得られた本発明の近赤外線吸収フィルターの最も好ましい用途はプラズマディスプレーへの使用であるが、プラズマディスプレーの前面板に用いられる場合には、可視光の透過率は高いほどよく、少なくとも40%以上、好ましくは50%以上の透過率が必要である。近赤外線のカット領域は、好ましくは750〜1200nm、より好ましくは800〜1000nmであり、その領域の近赤外線の平均透過率が50%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下になることが好ましい。
本発明のインモニウム化合物は、安定性試験における結果より、分解などの反応が起こりにくく、近赤外領域における吸収が低下が小さいことがあきらかである。従って、このインモニウム化合物を用いて得られた近赤外線吸収フィルターは、従来のインモニウム化合物を用いた近赤外線吸収フィルターに比べ、耐熱性、耐湿熱性などの安定性に優れている。このような特徴を有していることから、特にプラズマディスプレー用の近赤外線吸収フィルターに好適である。
本発明の近赤外線吸収フィルターは、プラズマディスプレーの前面板の様な前記用途に限らず、赤外線をカットする必要があるフィルターやフィルム、例えば断熱フィルム、光学製品、サングラス等にも使用することが出来る。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明が、これらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例中、「部」、「%」は特に特定しない限り、重量基準である。またλmaxは最大吸収波長を表し、()内に測定溶剤を付記した。εはモル吸光係数である。
(合成例1)
トリス(p−ジイソブチルアミノフェニル)アミンの合成
窒素雰囲気下、DMF20部中に、トリスp−アミノフェニルアミン2部、炭酸カリウム10部、ヨウ化イソブチル23部を加え、105℃で6時間、115℃で2時間半、加熱攪拌した後、反応液を冷却し析出した固体をろ取した。得られた個体をDMF中で加熱攪拌した後、不溶解分をろ別し、ろ液にメタノールを加え析出した結晶をろ取した。得られた結晶をメタノール、水の順で洗浄した後、乾燥し、ベージュ色の固体としてトリス(p−ジイソブチルアミノフェニル)アミン2.9部(融点 160〜167℃)を得た。
トリス(p−ジイソブチルアミノフェニル)アミンの合成
窒素雰囲気下、DMF20部中に、トリスp−アミノフェニルアミン2部、炭酸カリウム10部、ヨウ化イソブチル23部を加え、105℃で6時間、115℃で2時間半、加熱攪拌した後、反応液を冷却し析出した固体をろ取した。得られた個体をDMF中で加熱攪拌した後、不溶解分をろ別し、ろ液にメタノールを加え析出した結晶をろ取した。得られた結晶をメタノール、水の順で洗浄した後、乾燥し、ベージュ色の固体としてトリス(p−ジイソブチルアミノフェニル)アミン2.9部(融点 160〜167℃)を得た。
実施例1
表1におけるNo.1の化合物の合成
DMF20部中に前記合成例1で得られたトリス(p−ジイソブチルアミノフェニル)アミン1部を加え、60℃に加熱溶解した後、DMF10部に溶解した6フッ化アンチモン酸銀1.2部を加え、2時間加熱撹拌した。不溶解分を濾別した後、反応液に水を加え、析出した結晶を濾過、水洗、乾燥しNo.1の化合物1.2部を得た。
λmax 943nm(ジクロロメタン) ε=95000
表1におけるNo.1の化合物の合成
DMF20部中に前記合成例1で得られたトリス(p−ジイソブチルアミノフェニル)アミン1部を加え、60℃に加熱溶解した後、DMF10部に溶解した6フッ化アンチモン酸銀1.2部を加え、2時間加熱撹拌した。不溶解分を濾別した後、反応液に水を加え、析出した結晶を濾過、水洗、乾燥しNo.1の化合物1.2部を得た。
λmax 943nm(ジクロロメタン) ε=95000
実施例2
表1におけるNo.2の化合物の合成
DMF20部中に前記合成例1で得られたトリス(p−ジイソブチルアミノフェニル)アミン1部を加え、60℃に加熱溶解した後、DMF10部に溶解したビストリフルオロメタンスルホニルイミド酸銀1.4部を加え、2時間加熱撹拌した。不溶解分を濾別した後、反応液に水を加え、析出した結晶を濾過、水洗、乾燥しNo.2の化合物0.9部を得た。
λmax 943nm(ジクロロメタン)ε=100000
表1におけるNo.2の化合物の合成
DMF20部中に前記合成例1で得られたトリス(p−ジイソブチルアミノフェニル)アミン1部を加え、60℃に加熱溶解した後、DMF10部に溶解したビストリフルオロメタンスルホニルイミド酸銀1.4部を加え、2時間加熱撹拌した。不溶解分を濾別した後、反応液に水を加え、析出した結晶を濾過、水洗、乾燥しNo.2の化合物0.9部を得た。
λmax 943nm(ジクロロメタン)ε=100000
その他の化合物例についても上記合成例と同様に対応するトリス(p−ジアルキルアミノフェニル)アミン誘導体を得、それらを対応するアニオンの酸化剤で酸化するか、又は酸化剤で酸化した後、対応するアニオンと反応させることによりそれぞれ合成できる。
実施例3
近赤外線吸収フィルター調製及び耐熱安定性試験
MEK0.94部に、前記実施例1及び実施例2で得られた各化合物0.06部を溶解させた。この溶解液に、綜研化学株式会社製 商品名フォレットGS−1000(アクリル樹脂系バインダー)3.4部を加え混合し、塗工用溶液を得た。これを東洋紡績株式会社製 商品名コスモシャインA−4300(ポリエステル樹脂フィルム、厚さ125μm)に厚さ2〜4μmになるように塗工し、80℃で乾燥させてそれぞれ本発明の近赤外線吸収フィルターを得た。
得られた各近赤外線吸収フィルターを80℃のオーブン中で100時間放置し、耐熱安定性試験を行った。試験前後に、その近赤外線吸収フィルターについて、分光光度計(UV−3150、株式会社島津製作所製)にて、それらの極大吸収波長における吸光度の変化より色素残存量の測定を行い、色素残存率の算出を行った。結果を表2に示す。
近赤外線吸収フィルター調製及び耐熱安定性試験
MEK0.94部に、前記実施例1及び実施例2で得られた各化合物0.06部を溶解させた。この溶解液に、綜研化学株式会社製 商品名フォレットGS−1000(アクリル樹脂系バインダー)3.4部を加え混合し、塗工用溶液を得た。これを東洋紡績株式会社製 商品名コスモシャインA−4300(ポリエステル樹脂フィルム、厚さ125μm)に厚さ2〜4μmになるように塗工し、80℃で乾燥させてそれぞれ本発明の近赤外線吸収フィルターを得た。
得られた各近赤外線吸収フィルターを80℃のオーブン中で100時間放置し、耐熱安定性試験を行った。試験前後に、その近赤外線吸収フィルターについて、分光光度計(UV−3150、株式会社島津製作所製)にて、それらの極大吸収波長における吸光度の変化より色素残存量の測定を行い、色素残存率の算出を行った。結果を表2に示す。
比較例
比較のために上記化合物の代わりにトリス[p−(ジ−n−ブチル)アミノフェニル]アミンの六フッ化アンチモン酸塩(化合物A、特許文献1に記載の化合物)を用いた以外は実施例3と同様にして比較用近赤外線吸収フィルターを作製、評価した。結果を表2に示した。
比較のために上記化合物の代わりにトリス[p−(ジ−n−ブチル)アミノフェニル]アミンの六フッ化アンチモン酸塩(化合物A、特許文献1に記載の化合物)を用いた以外は実施例3と同様にして比較用近赤外線吸収フィルターを作製、評価した。結果を表2に示した。
表2(耐熱安定性試験)
色素残存率(%)
化合物No 試験前 試験後
No.1 100 90
No.2 100 91
化合物A(比較用) 100 87
色素残存率(%)
化合物No 試験前 試験後
No.1 100 90
No.2 100 91
化合物A(比較用) 100 87
近赤外線吸収フィルター及び耐湿熱安定性試験
前記実施例3と同様にして、化合物No.1、化合物No.2及び化合物A(比較用)から得られた各近赤外線吸収フィルターを、60℃、90%RHの条件下、恒温恒湿機中で60時間放置し、耐湿熱安定性試験を行った。試験前後に、その近赤外線吸収フィルターについて分光光度計(UV−3150、株式会社島津製作所製)にて、それらの極大吸収波長における吸光度の変化より前記同様色素残存率の算出を行った。結果を表3に示す。
前記実施例3と同様にして、化合物No.1、化合物No.2及び化合物A(比較用)から得られた各近赤外線吸収フィルターを、60℃、90%RHの条件下、恒温恒湿機中で60時間放置し、耐湿熱安定性試験を行った。試験前後に、その近赤外線吸収フィルターについて分光光度計(UV−3150、株式会社島津製作所製)にて、それらの極大吸収波長における吸光度の変化より前記同様色素残存率の算出を行った。結果を表3に示す。
表3(耐湿熱安定性試験)
色素残存率(%)
化合物No. 試験前 試験後
No.1 100 86
No.2 100 83
化合物A(比較用) 100 36
色素残存率(%)
化合物No. 試験前 試験後
No.1 100 86
No.2 100 83
化合物A(比較用) 100 36
表2及び表3から明らかなように、本発明のインモニウム化合物を含有する近赤外線吸収フィルターは、比較試料に対して高温耐性(耐熱安定性)及び高温高湿度の両耐性(耐湿熱安定性)に優れていることが判る。
Claims (8)
- 下記式(1)で示されるインモニウム化合物を含有する事を特徴とする樹脂組成物
- 上記式(1)で示される化合物のR1〜R6は少なくとも1つが2−メチルプロピル基、3−メチルブチル基または4−メチルペンチル基であり、その他はそれぞれ独立に(C4−C6)分岐鎖アルキル基である請求項1に記載の樹脂組成物
- 上記式(1)で示される化合物のR1〜R6のすべてが2−メチルプロピル基または4−メチルペンチル基である請求項1または2に記載の樹脂組成物
- 請求項1〜3に記載の樹脂組成物から成形されてなる樹脂成形品
- 請求項4に記載の樹脂成型品からなる近赤外線吸収フィルター
- 上記式(1)で示されるインモニウム化合物を含有する接着層を有する事を特徴とする近赤外線吸収フィルター
- 請求項5または6に記載の近赤外線吸収フィルターを備えたプラズマディスプレー
- R1〜R6のすべてが2−メチルプロピル基または4−メチルペンチル基である請求項1に記載の式(1)で示されるインモニウム化合物
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- 2006-01-23 JP JP2006014449A patent/JP2007197492A/ja active Pending
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