JP2007197264A - 無機繊維質成形体 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】有機バインダーの含有量が少ない無機繊維質成形体を提供すること。
【解決手段】無機繊維、無機バインダー及び無機定着剤を含有し、有機バインダーの含有量が1質量%以下であることを特徴とする無機繊維質成形体。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、工業炉、焼却炉又は熱処理装置(以下、工業炉等とも記載する。)で、断熱材として使用される無機繊維質成形体、あるいは、特開平2004−263860号公報等に記載されている、ディスクロールと呼ばれる高温物の運搬用ロールの基材又は特開平2003−292380号公報等に記載されている、耐熱性セッターと呼ばれる高温物の運搬用治具の基材として使用される無機繊維質成形体に関する。
従来より、工業炉等に使用される断熱材、ディスクロール、耐熱性セッターとしては、煉瓦等の比較的重質な耐火物に変わり、無機繊維を主成分とする無機繊維質成形体が用いられていた。
該無機繊維を主成分とする無機繊維質成形体(以下、単に無機繊維質成形体とも記載する。)は、無機繊維及び無機繊維同士を結合させるためのバインダーにより構成されている。従来より、該無機繊維質成形体は、無機繊維及びバインダーを含有するスラリーを脱水成形し、次いで、得られる成形体を600〜1000℃程度で焼成することによって製造されてきた。一方、近年、製造工程を少なくできるので、製造コストの削減ができ、工業的に有利であることから、該焼成を省略し該脱水成形のみで該無機繊維質成形体を得る製造方法(以下、焼成省略製造方法とも記載する。)が行われるようになってきた。
該焼成省略製造方法では、有機バインダー及び無機バインダーが、バインダーとして用いられている。有機バインダーは、40〜180℃程度の温度で乾燥されるだけで無機繊維同士を結合させるバインダーとしての機能を発揮するのに対し、無機バインダーは、600〜1000℃程度の温度で焼成されることにより、強い結合力を発揮するバインダーである。このことから、有機バインダーは、主に、脱水成形時の成形性を向上させるため、言い換えると、乾燥後の無機繊維質成形体の強度を向上させるために用いられる。一方、無機バインダーは、該工業炉等に施工された後に、該工業炉等内での使用時に無機繊維質成形体の強度を向上させるために用いられる。そのため、該焼成省略製造方法で無機繊維質成形体を製造する場合は、バインダー成分として、無機バインダーのみを用いたのでは、脱水成形時の成形性が悪く、無機繊維質成形体を製造できないか又は得られる無機繊維質成形体の強度が低かった。従って、従来の焼成省略製造方法では、1質量%を越える量の有機バインダーの使用は必須であった。
該従来の焼成省略製造方法により製造される無機繊維質成形体としては、例えば、特開2001−192278号公報(特許文献1)に、ショットを含む平均繊維長が1mm以下の無機繊維と、重量平均径が1〜30μmであり、高温において安定な、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ムライト、酸化鉄等の無機粉末と、コロイド状シリカ、シリカ粉末等の結合材からなる成形体が開示されている。
ところで、従来は、該無機繊維質成形体の無機繊維としては、ガラス繊維、グラスウール、セラミックウール、ロックウール、アルミナ質繊維、ジルコニア質繊維、シリカ・アルミナ質繊維等(以下、従来の無機繊維質成形体の無機繊維等とも記載する。)が使用されていた。
この従来の無機繊維質成形体の無機繊維等は、人に吸入されて肺に侵入すると、肺胞マクロファージ(食細胞)により異物として取り囲まれ、繊毛がある場所(気管や気管支)まで運び込まれ痰とともに体外に排出されたり、リンパ液・リンパ管を経て肺胞表面から排出されたりする。しかし、異物の取り囲みにより肺胞マクロファージが刺激を受けたり、損傷を受けることもあり、それにより蛋白質分解酵素やコラーゲン繊維分解酵素が細胞から出て、これらの酵素の量が多くなると肺胞細胞が炎症を起こしたり、コラーゲン化を呈するようになることがある。こうした炎症を起こした細胞は抵抗力が弱まっており、細胞内の核の中にあるDNAが損傷されやすくなるとともに、細胞の破壊と再製過程とが頻繁になり、異常細胞が出現する機会が多くなる。このように、従来の無機繊維質成形体の無機繊維等では、人体への影響が懸念されてきた。
そのため、近年、該従来の無機繊維質成形体の無機繊維等を使用しない無機繊維質成形体の開発が望まれていた。
40℃における生理食塩水溶解率が1%以上の無機繊維は、肺に吸入されても体内で溶解されやすい。なお、本発明においては、40℃における生理食塩水溶解率が1%以上の無機繊維を、特に、生体溶解性無機繊維と呼ぶ。そこで、近年、従来の無機繊維質成形体の無機繊維等の代わりに、該生体溶解性無機繊維を使用することが行われてきた。例えば、特開2003−82569号公報(特許文献2)には、SiO及びCaOを主成分とする無機繊維(生体溶解性無機繊維)と、バインダーと、必要に応じて無機粉体とからなり、NaとKの合計が4000ppm以下である無機繊維質成形体、及び該生体溶解性無機繊維、バインダー及び無機粉体を、水に入れ、攪拌してスラリーとし、次いで、成形し、乾燥する無機繊維質成形体の製造方法が開示されている。
特開2001−192278号公報(請求項1) 特開2003−82569号公報(請求項1、実施例)
無機繊維質成形体は、該工業炉等内で、400〜1200℃程度の高温で使用されるため、有機バインダーは、使用時に燃焼して焼失する。この時発生する燃焼ガスは、臭気を伴うため、好ましくない。しかし、上述したように、該従来の焼成省略製造方法においては、脱水成形性を確保するために、言い換えると製造直後の無機繊維質成形体の強度を確保するために、有機バインダーを多く使わなければならなかった。そのため、該従来の焼成省略製造方法により製造される無機繊維質成形体には、使用時に、燃焼ガスを多く排出するという問題があった(以下、従来の問題1とも記載する。)。
また、工業炉等内での使用時に、無機繊維を結合させていた有機バインダーが焼失すると、無機繊維質成形体から無機繊維が脱落することになる。そして、有機バインダーの焼失は、無機繊維質成形体の強度の低下の原因、場合によっては、崩壊の原因となる。従って、該従来の焼成省略製造方法により製造される無機繊維質成形体は、有機バインダーの含有量が多いので、該工業炉等内での使用により、すなわち、高温に曝されると、無機繊維質成形体の強度が大きく低下するという問題もあった(以下、従来の問題2とも記載する。)。
また、該生体溶解性無機繊維は、水分と接触すると、一部が水分に溶解するため、アルカリ成分が発生する。そのため、無機繊維質成形体を構成する無機繊維として、該生体溶解性無機繊維が使用されている場合、保管時に、無機繊維質成形体が吸湿し、その水分により、アルカリ成分が発生する。そして、該アルカリ成分は、該有機バインダーを劣化させる原因となるので、保管中に、該生体溶解性繊維の脱落が生じ、無機繊維質成形体が劣化するという問題もあった(以下、従来の問題3とも記載する。)。
上記従来の問題1〜3は、いずれも、バインダーとして、多量に有機バインダーを使用しているために生じることである。従って、本発明の目的は、上記問題を解決することができる無機繊維質成形体、すなわち、有機バインダーの含有量が少ない無機繊維質成形体を提供することにある。
かかる実情において、本発明者らは、鋭意検討を行った結果、(1)無機バインダー及び無機定着剤を併用し、且つその配合量を特定の割合とすることにより、有機バインダーの使用量を少なくしても運搬及び工業炉等内への施工には、問題のない程度の成形性を有すること、そのため、(2)有機バインダーの使用量を少なくできるので、該工業炉等内での使用による、無機繊維質成形体の強度の低下が少ないこと、(3)無機繊維として生体溶解性無機繊維を用いる場合、保管時に、無機繊維質成形体が吸湿しても、該無機繊維質成形体の劣化が少ないこと等を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、無機繊維、無機バインダー及び無機定着剤を含有し、有機バインダーの含有量が1質量%以下である無機繊維質成形体を提供するものである。
本発明によれば、有機バインダーの含有量が少ない無機繊維質成形体を提供することができる。従って、本発明によれば、使用時に燃焼ガスの排出が少ない無機繊維質成形体を提供することができ、また、高温に曝されても強度の低下が少ない無機繊維質成形体を提供することができ、また、生体溶解性無機繊維が使用されている場合に、保管中に生体溶解性無機繊維の脱落が少ない無機繊維質成形体を提供することができる。
本発明の無機繊維質成形体は、無機繊維、無機バインダー及び無機定着剤を含有し、有機バインダーの含有量が1質量%以下である。
本発明の無機繊維質成形体に係る無機繊維としては、特に制限されず、例えば、ガラス繊維、グラスウール、セラミックウール、ロックウール、アルミナ質繊維、ジルコニア質繊維、シリカ・アルミナ質繊維等が挙げられる。また、該無機繊維は、1種又は2種以上の組合わせのいずれでもよい。
また、該無機繊維は、生体溶解性無機繊維であってもよい。前述したように、本発明において、該生体溶解性無機繊維とは、40℃における生理食塩水溶解率が1%以上である無機繊維を指す。更に詳細に説明すると、該生体溶解性無機繊維としては、例えば、特開2000−220037号公報、特開2002−68777号公報、特開2003−73926号公報、あるいは特開2003−212596号公報に記載されている無機繊維、すなわち、SiO及びCaOの合計含有量が85質量%以上であり、0.5〜3.0質量%のMgO及び2.0〜8.0質量%のPを含有し、かつドイツ危険物質規制による発癌性指数(KI値)が40以上である無機繊維、SiO、MgO及びTiOを必須成分とする無機繊維、SiO、MgO及び酸化マンガンを必須成分とする無機繊維、SiO 52〜72質量%、Al 3質量%未満、MgO 0〜7質量%、CaO 7.5〜9.5質量%、B 0〜12質量%、BaO 0〜4質量%、SrO 0〜3.5質量%、NaO 10〜20.5質量%、KO 0.5〜4.0質量%及びP 0〜5質量%を含む無機繊維、SiO 75〜80質量%、CaO+MgO 19〜25質量%、Al 1〜3質量%を含む無機繊維が挙げられる。また、該生体溶解性無機繊維は、1種又は2種以上の組合わせのいずれでもよい。
該生体溶解性無機繊維は、表面に被覆層が形成されていてもよい。そして、表面に被覆層が形成されている生体溶解性無機繊維は、該被覆層が形成されている状態で、40℃における生理食塩水溶解率が1%以上である。
該無機繊維の40℃における生理食塩水溶解率が、1%以上であることにより、該無機繊維が肺に吸収されても生体内で溶解され易い。一方、該無機繊維の40℃における生理食塩水溶解率が、1%未満だと、該無機繊維が肺に吸収されても生体内で溶解し難いので、該無機繊維が肺に蓄積し易くなり、各種の呼吸器疾患を発生させる原因となることが懸念される。
該無機繊維の生理食塩水溶解率の測定方法について説明する。先ず、無機繊維を200メッシュ以下に粉砕した試料1g及び生理食塩水150mlを三角フラスコ(300ml)に入れ、40℃のインキュベーターに設置する。次に、該三角フラスコに、毎分120回転の水平振盪を50時間継続して与える。振盪後、ろ過し、得られたろ液中に含有されているケイ素、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムについて、各元素の濃度(mg/L)を、ICP発光分析にて測定する。そして、該ろ液中の各元素の濃度及び溶解前の無機繊維中の各元素の含有量(質量%)から、下記式(1)により、生理食塩水溶解率C(%)を算出する。なお、ICP発光分析により得られる該ろ液中の各元素の濃度を、ケイ素元素の濃度:a1(mg/L)、マグネシウム元素の濃度:a2(mg/L)、カルシウム元素の濃度:a3(mg/L)及びアルミニウム元素の濃度a4(mg/L)とし、溶解前の無機繊維中の各元素の含有量を、ケイ素元素の含有量:b1(質量%)、マグネシウム元素の含有量:b2(質量%)、カルシウム元素の含有量:b3(質量%)及びアルミニウム元素の含有量:b4(質量%)とする。
C(%)={ろ液量(L)×(a1+a2+a3+a4)×100}/{溶解前の無機繊維の量(mg)×(b1+b2+b3+b4)/100} (1)
該生体溶解性無機繊維の表面に形成されている該被覆層は、水に難溶であり且つ生理食塩水には溶け易い。したがって、表面に該被覆層が形成されている生体溶解性無機繊維は、該被覆層が形成されていない生体溶解性無機繊維に比べて、水への溶解率(以下、水溶解率とも記載する。)が低くなる。すなわち、該被覆層は、該生体溶解性無機繊維の保護膜として働く。
該被覆層が該生体溶解性無機繊維の表面に形成されているか否かは次のようにして判断することができる。先ず、表面に該被覆層が形成されている生体溶解性無機繊維(以下、試料1とも記載する。)と、該被覆層が形成されていない生体溶解性無機繊維(以下、試料2とも記載する。)とを用意する。そして、該試料1を200メッシュ以下に粉砕した試料1g及び蒸留水150mlを三角フラスコ(300ml)に入れ、40℃のインキュベーターに設置する。次に、該三角フラスコに、毎分120回転の水平振盪を50時間継続して与える。振盪後、ろ過し、得られたろ液中に含有されているケイ素、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムについて、各元素の濃度(mg/L)を、ICP発光分析にて測定する。そして、該ろ液中の各元素の濃度及び溶解前の無機繊維中の各元素の含有量(質量%)から、下記式(2)により、蒸留水溶解率D(%)を算出する。なお、ICP発光分析により得られる各元素の濃度を、ケイ素元素の濃度:e1(mg/L)、マグネシウム元素の濃度:e2(mg/L)、カルシウム元素の濃度:e3(mg/L)及びアルミニウム元素の濃度e4(mg/L)とし、溶解前の無機繊維中の各元素の含有量を、ケイ素元素の含有量:b1(質量%)、マグネシウム元素の含有量:b2(質量%)、カルシウム元素の含有量:b3(質量%)及びアルミニウム元素の含有量:b4(質量%)とする。
D(%)={ろ液量(L)×(e1+e2+e3+e4)×100}/{溶解前の無機繊維の量(mg)×(b1+b2+b3+b4)/100} (2)
該試料2のついても、該試料1に代えて該試料2とする以外は、該試料1と同様の方法で、蒸留水溶解率D(%)を算出する。そして、該試料1の蒸留水溶解率D(%)の値が、該試料2の蒸留水溶解率D(%)の値より小さい場合、すなわち、下記式(3):
該試料1の蒸留水溶解率D(%)<該試料2の蒸留水溶解率D(%) (3)
を満たせば、該被覆層が該生体溶解性無機繊維の表面に形成されていると判断する。
該被覆層を形成する物質としては、リン酸塩、モリブデン化合物、亜鉛化合物等の無機化合物、ポリアミジン化合物、エチレンイミン化合物等の有機化合物が挙げられる。該リン酸塩としては、トリポリリン酸アルミニウム、トリポリリン酸二水素アルミニウム、メタリン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム等が挙げられ、該モリブデン化合物としては、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸アルミニウム等が挙げられ、該亜鉛化合物としては酸化亜鉛が挙げられ、該ポリアミジン化合物としては、アクリルアミド、アクリロニトリル、N−ビニルアクリルアミジン塩酸塩、N−ビニルアクリルアミド、ビニルアミン塩酸塩、N−ビニルホルムアミド共重合体等が挙げられ、該エチレンイミン化合物としては、アミノエチレン、ジメチレンイミン等が挙げられる。
該被覆層を形成する物質がリン酸塩の場合、該被覆層は、通常、薄膜と言うより、むしろ該生体溶解性無機繊維の表面に、リン酸塩の微粒子が密に付着又は吸着している状態である。モリブデン化合物、亜鉛化合物等の該リン酸塩以外の無機化合物、ポリアミジン化合物、エチレンイミン化合物等の有機化合物物についても同様である。
該被覆層が形成されている生体溶解性無機繊維は、該生体溶解性無機繊維の表面が、該被覆層で完全に覆われていることが好ましいが、極一部に被覆が欠落していてもよい。なお、該被覆層は、電子顕微鏡あるいは組成分析など、公知の方法により確認することができる。
該被覆層が、リンを含有する場合、本発明の無機繊維質成形体中のリンの含有量は、酸化物換算で、好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.3〜6質量%、更に好ましくは0.5〜3質量%である。該リンの含有量が、上記範囲にあることにより、保管時に、無機繊維質成形体が劣化し難くなる。
また、該被覆層がリンを含有する場合には、該被覆層は、珪素、亜鉛、カルシウム、マグネシウムを含有しても良い。この時、該被覆層中のこれらの物質の含有量は、酸化物換算で、珪素が0.01〜50質量%、亜鉛が0.01〜30質量%、カルシウムが0.01〜15質量%、マグネシウムが0.01〜10質量%であることが好ましく、珪素が10〜40質量%、亜鉛が10〜25質量%、カルシウムが5〜10質量%、マグネシウムが2〜7質量%であることが特に好ましい。特に、マグネシウムを含有することが好ましい。
本発明の無機繊維質成形体に係る無機繊維の平均繊維径は1〜50μm、好ましくは1.5〜10μm、特に好ましくは2〜6μmである。該平均繊維径が、1μm未満だと繊維が破断し易くなるので、無機繊維質成形体の強度が低くなり易く、また、50μmを超えると無機繊維質成形体の密度が低くなるため、無機繊維質成形体の強度が低くなり易い。また、該無機繊維の平均繊維長は1〜200mm、好ましくは2〜50mm、特に好ましくは10〜50mmである。該平均繊維長が、上記範囲内にあることにより、適切な密度を有する無機繊維質成形体が得易くなる。
本発明の無機繊維質成形体中の該無機繊維の含有量は、65〜99.5質量%、好ましくは70〜95質量%、特に好ましくは80〜90質量%である。なお、該無機繊維の一部を後述する耐熱性粉末に置き換える場合は、該無機繊維及び該耐熱性粉末の合計の含有量が、65〜99.5質量%、好ましくは70〜95質量%、特に好ましくは80〜90質量%である。
本発明の無機繊維質成形体に係る無機バインダーとしては、アニオン性のコロイダルシリカ、カチオン性のコロイダルシリカ等のコロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、アルミナゾル、ジルコニアゾル、チタニアゾル等が挙げられる。また、該無機バインダーは、1種又は2種以上の組合わせのいずれでもよい。
該無機バインダーは、(1)該無機定着剤を併用しない場合に、無機繊維質成形体の乾燥の際に、40〜180℃程度の温度で加熱されると、該無機繊維同士を結合させることはあるが、該無機繊維同士を結合させる力は弱く、(2)600〜1000℃程度の温度で焼成されることにより、強固に該無機繊維同士を結合させる無機化合物である。従って、該無機バインダーは、脱水成形後の乾燥後には、バインダーとしての能力は低いが、該工業炉等内で高温に曝されること、すなわち、工業炉等での使用時にバインダーとしての高い能力を発揮し、無機繊維質成形体の強度を向上させる物質である。
本発明の無機繊維質成形体中の該無機バインダーの含有量は、0.3〜20質量%、好ましくは2〜15質量%、特に好ましくは3〜10質量%である。該無機バインダーの含有量が、0.3質量%未満だと、工業炉等内での使用による無機繊維質成形体の強度の向上効果が得られ難く、また、20質量%を超えると、脱水成形時の濾水性が悪くなり、製造効率が悪くなり易い。
本発明の無機繊維質成形体に係る無機定着剤は、該無機バインダーと併用する場合に、該無機バインダーを、該無機繊維に結合させる性質を有する無機化合物であり、且つ(1)該無機バインダーを併用しない場合に、無機繊維質成形体の乾燥の際に、40〜180℃程度の温度で加熱されることにより、該無機繊維同士を結合させることはあるが、該無機繊維同士を結合させる力は弱く、(2)600〜1000℃程度の温度で加熱されることにより、該無機繊維同士を結合させる無機化合物である。
該無機定着剤としては、上記の性質を有する無機化合物であれば、特に制限されないが、例えば、カオリン、雲母、スメクタイト等の層状粘土鉱物、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、ポリシリカ鉄等が挙げられ、スクメタイトとしては、モンモリロナイト、ベントナイト等が挙げられる。これらのうち、無機繊維質成形体の強度が高くなる点で、層状粘土鉱物が好ましく、ベントナイト、モンモリロナイトが特に好ましい。また、該無機定着剤は、1種又は2種以上の組合わせのいずれでもよい。
本発明の無機繊維質成形体中の該無機定着剤の含有量は、0.03〜10質量%、好ましくは0.1〜7質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%である。該無機定着剤の含有量が、0.03質量%未満だと、無機繊維が十分に結合されないため、無機繊維質成形体の強度が低くなり易く、また、10質量%を超えると、脱水成形時の濾水性が悪くなり、製造効率が悪くなり易い。
本発明の無機繊維質成形体の有機バインダーの含有量は、1質量%以下、好ましくは0.01〜0.8質量%、特に好ましくは0.05〜0.7質量%、更に好ましくは0.1〜0.5質量%である。該有機バインダーの含有量が、1質量%を超えると、無機繊維質成形体からの燃焼ガスの排出が多くなり、また、該生体溶解性無機繊維が使用されている場合には、保管時に、吸湿した水分を起因とする無機繊維質成形体の劣化が起こる。そして、本発明の無機繊維質成形体は、脱水成形時の成形性を考慮して、上記範囲内で、該有機バインダーを含有することができる。
なお、無機繊維質成形体の燃焼ガスの排出量は、高温で加熱した時の無機繊維質成形体の重量の減少割合(強熱重量減少率)で把握することができ、該強熱重量減少率が多い程、燃焼ガスの排出量が多いことを示す。該強熱重量減少率の測定方法については、後述する。
本発明の無機繊維質成形体に係る有機バインダーとしては、特に制限されず、例えば、アクリル樹脂、澱粉、ポリアクリルアミド等が挙げられる。
また、本発明の無機繊維質成形体では、該無機繊維の一部を、耐熱性粉末に置き換えることができる。本発明の無機繊維質成形体は、該無機繊維の一部が、該耐熱性粉末で置き換えられることにより、すなわち、該耐熱性粉末を含むことにより、耐火性が高くなる。該耐熱性粉末としては、例えば、シリカ、アルミナ、ムライト、窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミックス粉末、カーボンブラック等の炭素粉末等が挙げられ、これらのうち、好ましくはシリカ、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ムライト、チタニア、ジルコニア等のセラミックス粉末、カーボンブラック等の炭素粉末であり、特に好ましくはシリカ、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミックス粉末である。また、該耐熱性粉末は、1種又は2種以上の組合わせのいずれでもよい。
該耐熱性粉末の平均粒子径は、0.1〜100μm、好ましくは0.2〜50μm、特に好ましくは0.2〜10μmである。該平均粒子径が、0.1μm未満だと、乾燥又は焼成時に無機繊維質成形体が割れ易くなり、また、該平均粒子径が、100μmを超えると、無機繊維質成形体の強度が低くなり易い。
本発明の無機繊維質成形体中の該無機繊維の一部を、該耐熱性粉末に置き換える場合、該無機繊維と該耐熱性粉末の質量比(無機繊維:耐熱性粉末)は、好ましくは95:5〜25:75、特に好ましくは90:10〜50:50、更に好ましくは80:20〜70:30である。該無機繊維と該耐熱性粉末の質量比が、上記範囲にあることにより、該耐熱性粉末による耐熱性の向上効果が得られ易く、且つ無機繊維質成形体の耐スポーリング性が良好である。
無機繊維質成形体には、様々な性能が要求されており、それらの性能にはトレードオフの関係にあるものもある。そして、無機繊維質成形体を構成する成分の種類及び配合量により、無機繊維質成形体の性能のバランスが保たれている。そのため、無機繊維質成形体を構成する成分の種類及び配合量を大きく変化させると、無機繊維質成形体の性能のバランスが崩れ、総合性能が悪い無機繊維質成形体となる。従って、従来の無機繊維質成形体において、有機バインダーの使用量を極端に少なくすることはできなかった。このような背景の基、本発明者らは、有機バインダーの使用量を少なくしても、総合性能に優れる無機繊維質成形体が得られるような、構成成分の種類及び配合量を検討した結果、本発明の無機繊維質成形体に係る無機定着剤と本発明の無機繊維質成形体に係る無機バインダーを、好ましくは該無機バインダーと該層状化合物を、特に好ましくは該無機バインダーとベントナイト又はモンモリロナイトを、特定の配合割合で組合わせることにより、有機バインダーの使用量を極めて少なくできることを見出した。
そして、本発明の無機繊維質成形体は、該有機バインダーの含有量が少ないので、燃焼ガスの排出量が少ない。
また、該従来の焼成省略製造方法により製造される無機繊維質成形体は、有機バインダーの焼失を起因とする、工業炉等内での使用による強度の低下が大きかったが、本発明の無機繊維質成形体は、該有機バインダーの含有量が少ないので、有機バインダーの焼失を起因とする、工業炉等内での使用による強度の低下が殆どない。
また、本発明の無機繊維質成形体によれば、無機繊維、無機バインダー、無機定着剤及び有機バインダーの種類又は比率を選択することにより、工業炉等内で高温に曝された後の強度を、該従来の焼成省略製造方法により製造される無機繊維質成形体に比べ、高くすることができる。
また、該生体溶解性無機繊維を使用している場合、保管時に吸湿した水分に、該生体溶解性無機繊維が溶解することにより、アルカリ成分が生じても、本発明の無機繊維質成形体は、該アルカリ性の溶液による劣化の対象となる有機バインダーが少ないので、保管時の劣化が少ない。
次に、本発明の無機繊維質成形体の製造方法について説明する。本発明の無機繊維質成形体の製造方法は、スラリー製造工程及び脱水成形工程を有する。
該スラリー製造工程は、溶媒に、無機繊維、無機バインダー及び無機定着剤、並びに必要に応じ混合される有機バインダー又は耐熱性粉末を混合し、該無機繊維を含有するスラリーを得る工程である。
該溶媒としては、特に制限されないが、水及び極性有機溶媒が挙げられ、該極性有機溶媒としては、エタノール、プロパノール等の1価のアルコール類、エチレングリコール等の2価のアルコール類が挙げられる。これらのうち、水が、作業環境の悪化がなく、環境への負荷がない点で好ましい。また、該水としては特に制限されず、蒸留水、イオン交換水、水道水、地下水、工業用水等が挙げられる。
該無機繊維を含有するスラリーのスラリー濃度は、好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.3〜8質量%、更に好ましくは0.5〜3質量%である。該スラリー濃度が、0.1質量%未満だと該脱水成形工程で除去する水の量が多くなり過ぎるので、非効率であり、また、10質量%を超えると、スラリーに固形分が均一に分散し難くなる。なお、本発明において、スラリー濃度とは、該無機繊維を含有するスラリー中に占める固形分の質量割合(質量%)を示す。また、該固形分には、後述する被覆層形成剤も含まれる。
本発明の無機繊維質成形体の製造方法に係る無機繊維、無機バインダー及び無機定着剤は、前記本発明の無機繊維質成形体に係る無機繊維、無機バインダー及び無機定着剤と同様である。
また、該スラリー製造工程では、該溶媒に必要に応じ有機バインダーを混合することができる。本発明の無機繊維質成形体の製造方法に係る有機バインダーは、前記本発明の無機繊維質成形体に係る有機バインダーと同様である。また、該スラリー製造工程では、該溶媒に必要に応じ耐熱性粉末を混合することができる。本発明の無機繊維質成形体の製造方法に係る耐熱性粉末は、前記本発明の無機繊維質成形体に係る耐熱性粉末と同様である。
該耐熱性粉末を混合しない場合は、該無機繊維の混合量は、該溶媒に混合する該無機繊維、該無機バインダー、該無機定着剤、該有機バインダー及び該被覆層形成剤の混合量の合計を100質量%とした場合、該無機繊維の質量割合が65〜99.5質量%、好ましくは70〜95質量%、特に好ましくは80〜90質量%となる量である。該無機繊維の一部を該耐熱性粉末に置き換える場合は、該無機繊維及び該耐熱性粉末の合計の混合量は、該無機繊維、該無機バインダー、該無機定着剤、該有機バインダー、該被覆層形成剤及び該耐熱性粉末の混合量の合計を100質量%とした場合、該無機繊維及び該耐熱性粉末の合計の質量割合が、65〜99.5質量%、好ましくは70〜95質量%、特に好ましくは80〜90質量%となる量である。
なお、該無機バインダー、無機定着剤又は該有機バインダーが、溶媒に分散された懸濁液又は溶液の形態の場合、溶媒分を除いた固形分の質量が、上記混合量の合計を算出するための該無機バインダー、該無機定着剤又は該有機バインダーの混合量である。また、該無機繊維を含有するスラリーが、該有機バインダー、該被覆層形成剤又は該耐熱性粉末を含有しない場合があるが、この場合は、該無機繊維、該無機バインダー、該無機定着剤、該有機バインダー、該被覆層形成剤及び該耐熱性粉末のうち、該スラリー製造工程で、該溶媒に混合したものの合計の混合量を100質量%とする。これらについては、以下同様である。
該無機バインダーの混合量は、該溶媒に混合する該無機繊維、該無機バインダー、該無機定着剤、該有機バインダー、該被覆層形成剤及び該耐熱性粉末の混合量の合計を100質量%とした場合、該無機バインダーの質量割合が0.3〜20質量%、好ましくは2〜15質量%、特に好ましくは3〜10質量%となる量である。該無機バインダーの含有量が、0.3質量%未満だと、該工業炉等内での使用による無機繊維質成形体の強度の向上効果が得られ難く、また、20質量%を超えると、脱水成形時の濾水性が悪くなり、製造効率が悪くなり易い。なお、該溶媒に添加する際の該無機バインダーが、該溶媒に分散された懸濁液又は溶液の形態である場合は、該無機バインダーの混合量は、該無機バインダーの固形分の質量である。
該無機定着剤の混合量は、該溶媒に混合する該無機繊維、該無機バインダー、該無機定着剤、該有機バインダー、該被覆層形成剤及び該耐熱性粉末の混合量の合計を100質量%とした場合、該無機定着剤の質量割合が0.03〜10質量%、好ましくは0.1〜7質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%となる量である。該無機定着剤の含有量が、0.03質量%未満だと、無機繊維が十分に結合されないため、無機繊維質成形体の強度が低くなり易く、また、10質量%を超えると、脱水成形時の濾水性が悪くなり、製造効率が悪くなり易い。なお、該溶媒に添加する際の該無機定着剤が、該溶媒に分散された懸濁液又は溶液の形態である場合は、該無機定着剤の混合量は、該無機定着剤の固形分の質量である。
該有機バインダーの混合量は、該溶媒に混合する該無機繊維、該無機バインダー、該無機定着剤、該有機バインダー、該被覆層形成剤及び該耐熱性粉末の混合量の合計を100質量%とした場合、該有機バインダーの質量割合が1質量%以下、好ましくは0.01〜0.8質量%、特に好ましくは0.05〜0.6質量%、更に好ましくは0.1〜0.5質量%となる量である。該有機バインダーの混合量が、1質量%を超えると、無機繊維質成形体からの燃焼ガスの排出が多くなり、また、該生体溶解性無機繊維が使用されている場合には、保管時に、吸湿した水分を起因とする無機繊維質成形体の劣化が起こる。なお、該溶媒に添加する際の該有機バインダーが、該溶媒に分散された懸濁液又は溶液の形態である場合は、該有機バインダーの混合量は、該有機バインダーの固形分の質量である。
また、本発明の無機繊維質成形体の製造方法では、該スラリー製造工程で混合する該無機繊維として、生体溶解性無機繊維を用いることができる。本発明の無機繊維質成形体に係る生体溶解性無機繊維は、前記本発明の無機繊維質成形体に係る生体溶解性無機繊維と同様である。
また、該スラリー製造工程において、該溶媒に被覆層形成剤を混合して調製した、被覆層形成剤を含有する混合液に、該生体溶解性無機繊維、該無機バインダー及び該無機定着剤、並びに必要に応じて混合される該有機バインダー又は該耐熱性粉末を混合することにより、該無機繊維を含有するスラリー中で、該生体溶解性無機繊維の表面に被覆層を形成させ、被覆層が形成されている生体溶解性無機繊維を含有するスラリーを得ることができる。
該被覆層形成剤は、水に難溶であり且つ生理食塩水には溶け易い。したがって、該被覆層形成剤により表面に該被覆層が形成されている生体溶解性無機繊維は、該被覆層が形成されていない生体溶解性無機繊維に比べて、水への溶解性(以下、水溶解率とも記載する。)が低くなる。すなわち、該被覆層は、該生体溶解性無機繊維の保護膜として働く。なお、該被覆層形成剤により該生体溶解性無機繊維の表面に該被覆層が形成されているか否かの判断方法は、前記本発明の無機繊維質成形体に係る被覆層が生体溶解性無機繊維の表面に形成されているか否かの判断方法と同様である。
該被覆層形成剤としては、リン酸塩、モリブデン化合物、亜鉛化合物等の無機化合物、ポリアミジン化合物、エチレンイミン化合物等の有機化合物が挙げられる。該リン酸塩としては、トリポリリン酸アルミニウム、トリポリリン酸二水素アルミニウム、メタリン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム等が挙げられ、該モリブデン化合物としては、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸アルミニウム等が挙げられ、該亜鉛化合物としては酸化亜鉛が挙げられ、該ポリアミジン化合物としては、アクリルアミド、アクリロニトリル、N−ビニルアクリルアミジン塩酸塩、N−ビニルアクリルアミド、ビニルアミン塩酸塩、N−ビニルホルムアミド共重合体等が挙げられ、該エチレンイミン化合物としては、アミノエチレン、ジメチレンイミン等が挙げられる。
該被覆層形成剤の混合量は、該溶媒に混合する該無機繊維、該無機バインダー、該無機定着剤、該有機バインダー、該被覆層形成剤及び該耐熱性粉末の混合量の合計を100質量%とした場合、該被覆層形成剤の質量割合が、0.05〜10質量%、好ましくは0.3〜6質量%、特に好ましくは0.5〜3質量%となる量である。該被覆剤形成剤の混合量が、上記範囲にあることにより、保管中に劣化が少ない無機繊維質成形体が得られるという効果が高くなる。
また、該被覆層形成剤として該リン酸塩を混合する場合には、更に、珪素、亜鉛、カルシウム又はマグネシウムを有する化合物(以下、これらを総称して、珪素等を有する化合物Aとも記載する。)を、該被覆層形成剤として混合することができる。該珪素等を有する化合物Aは、酸化物、水酸化物、炭酸塩等が挙げられ、化合物の形態は特に制限されず、具体的には、酸化珪素、珪酸カルシウム、メタ珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、六珪酸マグネシウム、四珪酸マグネシウム、三珪酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウムが挙げられる。
該珪素等を有する化合物Aを混合する場合、該珪素等を有する化合物Aの混合量は、該被覆層形成剤(該リン酸塩及び該珪素等を有する化合物Aの合計量)の総量を100質量%として、酸化物換算で、珪素が0.01〜50質量%、亜鉛が0.01〜30質量%、カルシウムが0.01〜15質量%、マグネシウムが0.01〜10質量%であることが好ましく、珪素が10〜40質量%、亜鉛が10〜25質量%、カルシウムが5〜10質量%、マグネシウムが2〜7質量%であることが特に好ましい。特に、該珪素等を有する化合物Aとしては、マグネシウムを含有する化合物が好ましい。
該溶媒に、該被覆層形成剤を混合して調製される、該被覆層形成剤を含有する混合液は、該被覆層形成剤が該溶媒に溶解している溶液であってもよく、あるいは、該被覆層形成剤が固体の場合、該被覆層形成剤が該溶媒に固体のまま分散している懸濁液であってもよく、また、該被覆層形成剤が液体の場合、該被覆層形成剤の液滴が該溶媒に分散しているエマルジョンであってもよい。
また、該無機繊維を含有するスラリー中の該無機繊維の一部を、耐熱性粉末に置き換えることができる。該無機繊維を含有するスラリー中の該無機繊維の一部が、該耐熱性粉末で置き換えられることにより、耐火性が高くなる。
該無機繊維を含有するスラリー中の該無機繊維の一部を、該耐熱性粉末に置き換える場合、該無機繊維を含有するスラリー中の該無機繊維と該耐熱性粉末の質量比(無機繊維:耐熱性粉末)は、好ましくは95:5〜25:75、特に好ましくは90:10〜50:50、更に好ましくは80:20〜70:30である。該無機繊維と該耐熱性粉末の質量比が、上記範囲にあることにより、該耐熱性粉末による耐熱性の向上効果が得られ易く、且つ無機繊維質成形体の耐スポーリング性が良好である。
該スラリー製造工程中、該溶媒及び該スラリーの温度は、5〜50℃、好ましくは10〜40℃、特に好ましくは15〜30℃である。
該脱水成形工程は、該無機繊維を含有するスラリー中の該溶媒を除去し、次いで、乾燥し、目的とする製品形状を有する無機繊維質成形体を得る工程である。該無機繊維を含有するスラリー中の該溶媒が水の場合は、該スラリー中の水を脱水し、次いで、乾燥し、目的とする製品形状を有する無機繊維質成形体を得る工程、すなわち、該スラリーを脱水成形し、無機繊維質成形体を得る工程である。なお、本発明の無機繊維質成形体の製造方法では、該溶媒として水が使用されることが多いので、脱水成形の文言を用いた。
該スラリー中の該溶媒の除去(該溶媒が水の場合は、水の脱水)は、例えば、底部に網が設置された成形型中に該スラリーを流し込み、該溶媒(該溶媒が水の場合は、水)を吸引することにより行われる。
次いで、脱水物を乾燥機中で加熱して、乾燥させる。該乾燥の際の乾燥温度は、40〜180℃、好ましくは60〜150℃、特に好ましくは80〜120℃である。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
(無機繊維を含有するスラリーの製造)
容器に、無機繊維として生体溶解性無機繊維 88.3質量%、無機バインダーとしてコロイダルシリカ 8.8質量%、無機定着剤としてベントナイト 2.7質量%、有機バインダーとして澱粉及びカチオン性紙力増強剤を、それぞれ0.1質量%、0.1質量%加え、スラリー濃度が3質量%となるように更に水を加え、攪拌して、スラリーを得た。
(脱水成形)
該スラリーを脱水成形し、110℃で乾燥して、密度250kg/cmの無機繊維質成形体を得た。得られた無機繊維質成形体の性能評価結果を表1に示す。
(性能評価)
(1)試験試料の作成
上記のように脱水成形を行い、乾燥して得られた無機繊維質成形体を、150mm×35mm×25mmの大きさに切り出し、試料A0とした。次いで、該試料A0を、40℃、90RHの室内で、3ヶ月放置した後の無機繊維質成形体を、試料A3とした。また、該試料A0を、1100℃の温度で、8時間加熱処理した後の無機繊維質成形体を、試料Bとした。
(2)曲げ強度の測定
試料A0、試料A3及び試料Bの曲げ強度を、3点曲げ強度試験機を用いて、ヘッドスピード10mm/分の速度で荷重を加え、破断荷重を測定し、次式により算出した。
曲げ強度(MPa)={3×最大荷重(N)×下部支持間距離(mm)}/{2×無機繊維質成形体の幅(mm)×(無機繊維質成形体の厚さ(mm))
(3)加熱収縮率の測定
試料A0及び試料A3を、電気炉中1100℃で8時間加熱し、加熱後の無機繊維質成形体の長さを測定する。加熱線収縮率は、加熱前の無機繊維質成形体の長さをYmm、加熱後の長さをYmmとし、次式により求める。
加熱線収縮率(%)={(Y−Y)/Y}×100
(4)強熱重量減少率の測定
試料A0を、電気炉中600℃で30分加熱し、加熱後の無機繊維質成形体の重量を測定する。強熱重量減少率は、加熱前の無機繊維質成形体の重量をZ(g)、加熱後の重量をZ(g)とし、次式により求める。
強熱重量減少率(%)={(Z−Z)/Z}×100
(実施例2)
(無機繊維を含有するスラリーの製造)
先ず、予め混合したトリポリリン酸二水素アルミニウム2.1質量%、酸化珪素1.2質量%及び酸化マグネシウム0.2質量%を被覆層形成剤として水に加え、攪拌し、被覆層形成剤を含有する混合液を得た。次いで、該混合液に、無機繊維として生体溶解性無機繊維85.2質量%、無機バインダーとしてコロイダルシリカ8.5質量%、無機定着剤としてベントナイト2.6質量%、有機バインダーとして澱粉及びカチオン性紙力増強剤を、それぞれ0.1質量%、0.1質量%加え、更に、スラリー濃度が3質量%となるように、水を加え、攪拌し、スラリーを得た。
(脱水成形)
上記のようにして得られたスラリーを用いる以外は、実施例1と同様の方法で行い、無機繊維質成形体を得た。得られた無機繊維質成形体の性能評価結果を表1に示す。
(実施例3)
(無機繊維を含有するスラリーの製造)
容器に、無機繊維としてアルミノシリケート繊維88.3質量%、無機バインダーとしてコロイダルシリカ8.8質量%、無機定着剤としてベントナイト2.7質量%、有機バインダーとして澱粉0.2質量%を加え、更に、スラリー濃度が3質量%となるように、水を加え、攪拌し、スラリーを得た。
(脱水成形)
上記のようにして得られたスラリーを用いる以外は、実施例1と同様の方法で行い、無機繊維質成形体を得た。得られた無機繊維質成形体の性能評価結果を表1に示す。
(比較例1)
(無機繊維を含有するスラリーの製造)
容器に、無機繊維として生体溶解性繊維90.4質量%、無機バインダーとしてコロイダルシリカ5.0質量%、有機バインダーとして澱粉及びカチオン性紙力増強剤を、それぞれ4.1質量%、0.5質量%加え、更に、スラリー濃度が3質量%となるように、水を加え、攪拌し、スラリーを得た。
(脱水成形)
上記のようにして得られたスラリーを用いる以外は、実施例1と同様の方法で行い、無機繊維質成形体を得た。得られた無機繊維質成形体の性能評価結果を表1に示す。
(比較例2)
(無機繊維を含有するスラリーの製造及び脱水成形)
生体溶解性無機繊維90.4質量%に代えて、アルミノシリケート繊維90.4質量%とする以外は、比較例1と同様の方法で行い、無機繊維質成形体を得た。得られた無機繊維質成形体の性能評価結果を表1に示す。
Figure 2007197264
上記実施例及び比較例で用いた物質は、以下の通りである。
・生体溶解性無機繊維:SiO 75〜80質量%、CaO+MgO 19〜25質量%、Al 1〜3質量%、平均繊維径4μm、平均繊維長5.0mm、40℃における生理食塩水溶解率5.9%
・アルミノシリケート繊維:SiO 50質量%、Al 50質量%、平均繊維径2μm、平均繊維長30mm
・コロイダルシリカ:30%コロイダルシリカ、「シリカドール30」(日本化学工業社製)、固形分が30%の懸濁液、固形分の平均粒子径15nm、pH10.0
・ベントナイト:「クニピアG」クニミネ工業社製
・澱粉:「ペトロサイズJ」(日澱化学社製)
・カチオン性紙力増強剤:「ポリストロン311」(荒川化学工業社製)、カチオン性、不揮発分10質量%、pH4.2〜4.8、粘度500〜1500cps
有機バインダーの含有量が1質量%以下である実施例1〜3は、強熱重量減少率が小さかったのに対し、有機バインダーの含有量が1質量%を超える比較例1〜2は、強熱重量減少率が大きかった。これらの結果は、実施例1〜3の無機繊維質成形体は、燃焼ガスの排出量が少なく、一方、比較例1〜2の無機繊維質成形体は、燃焼ガスの排出量が多いことを示す。
また、焼成後の曲げ強度が、実施例1〜3では焼成前に比べて高くなっている。これは無機バインダーの結合が加熱により強固になったためである。これに対し、比較例1及び比較例2では、大きく低下した。特に、同じアルミノシリケート繊維を無機繊維として用いている実施例3と比較例2では、その違いが顕著であり、実施例3では、焼成により大きく曲げ強度が上昇したのに対し、比較例2では、焼成により大きく曲げ強度が低下した。これらの結果は、実施例1〜3の無機繊維質成形体は、工業炉等内での使用により、施工時より強度が高くなるか又は施工時の強度を維持できることを示し、一方、比較例1及び2の無機繊維質成形体は、工業炉等内での使用により、施工時より強度が低くなることを示す。
また、生体溶解性繊維を用いる実施例1〜2では、90RHと高湿度の室内で3ヶ月放置しても、曲げ強度は殆ど低下しなかったのに対し、比較例1では、高湿度の室内で放置することにより、曲げ強度が大きく低下した。これらの結果から、実施例1〜2の無機繊維質成形体は、保管時に、吸湿を起因とする劣化を起こし難いことを示し、一方、比較例1の無機繊維質成形体は、保管時に、吸湿により劣化することを示す。
(参考例)
室温下、予め混合したトリポリリン酸二水素アルミニウム2.3質量%、酸化珪素1.3質量%及び酸化マグネシウム0.2質量%を被覆層形成剤として水に添加し攪拌して白濁液を得た。次いで、この白濁液に生体溶解性無機繊維96.2質量%を添加し、スラリー濃度が3質量%となるまで更に水を加え、生体溶解性無機繊維が均一に分散するまで攪拌した。得られたスラリーを孔径0.45μmの濾紙(「DISMIC−25cs」;ADVANTEC社製)で濾過して、濾紙上に固形物を得た。固形物は組成分析の結果、無機繊維の表面にトリポリリン酸アルミニウムが被覆されたものであった。また、トリポリリン酸アルミニウムが被覆された生体溶解性無機繊維の写真を図1に示し、トリポリリン酸アルミニウムによる被覆処理をする前の生体溶解性無機繊維の写真を図2に示すが、図1の写真から、明らかに生体溶解性無機繊維の表面が被覆されていることが判る。このトリポリリン酸アルミニウムが被覆された生体溶解性無機繊維(以下、試料1aとも記載する。)及び被覆処理をする前の生体溶解性繊維(以下試料2aとも記載する。)を前述の生理食塩水溶解率及び蒸留水溶解率の測定方法により、40℃における生理食塩水溶解率及び蒸留水溶解率を求めた。その結果を表2に示す。
Figure 2007197264
本発明によれば、有機バインダーの使用による弊害がない無機繊維質成形体を提供することができ、更には、生体溶解性を有する無機繊維を用いる無機繊維質成形体の場合、保管中に劣化し難い無機繊維質成形体及び製造時に該無機繊維が劣化し難い無機繊維質成形体を提供することができる。
トリポリリン酸アルミニウムが被覆された無機繊維の写真である。 トリポリリン酸アルミニウムで被覆する前の無機繊維の写真である。

Claims (5)

  1. 無機繊維、無機バインダー及び無機定着剤を含有し、有機バインダーの含有量が1質量%以下であることを特徴とする無機繊維質成形体。
  2. 前記無機定着剤が、層状粘土鉱物であることを特徴とする請求項1記載の無機繊維質成形体。
  3. 前記無機繊維が、40℃における生理食塩水溶解率が1%以上である生体溶解性無機繊維であることを特徴とする請求項1又は2いずれか1項記載の無機繊維質成形体。
  4. 前記生体溶解性無機繊維が、被覆層が形成されている生体溶解性無機繊維であることを特徴とする請求項3記載の無機繊維質成形体。
  5. 前記被覆層が、リン酸塩で形成されていることを特徴とする請求項4記載の無機繊維質成形体。
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