JP2007196996A5 - - Google Patents
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Description
本発明は多層式エアバッグカバーに予定破断線を作製するための方法に関しており、その際キャリア層と境を接し、装飾層と接している支持層の材料よりも高い密度をキャリア層は有する。この種の一般的な方法は、特許文献1より公知である。
多層式エアバッグカバーに予定破断線を入れることが出来る複数の方法が公知である。初めは、エアバッグカバーとして、ダッシュボード又はステアリングウィールのみが、フロントエアバッグのカバーの為に問題になった。その間に、ドアパネルやシートの張りがサイドエアバッグを、天井の内層がヘッドエアバッグを、またそれどころか、シートベルトが例えば後部座席の同乗者用のフロントエアバッグをカバーすることが標準となった。
それにより、設計上の多様性のみならず、その為に用いられるエアバッグカバーの多層構造を形成する材料の多様性もまた増した。今日一般的な、エアバッグカバーの為の層構造は、硬いキャリア層が例えばプラスチック又は天然結合繊維から、柔らかい支持層が例えば発泡材料又はスペーサーファブリックから、そして、装飾層が例えばプラスチック、織物、もしくは革から、構成される。そのような層構造の場合、基本的にキャリア層の材料の密度は明らかに支持層の密度よりも高い。
全ての関連する出版物で言及されていない場合でもまた、基本的には、規定された裂けに対する抵抗力を有した予定破断線が作製されなければならず、その予定破断線は乗客室側(エアバッグカバーの装飾側)から、美的理由により不可視でなければならない。
従来技術から公知であるそのような予定破断線を作製する為の関連した方法は、基本的に、一方では方法の個々のステップの技術的な経過において、もう一方では、様々な切断技術が利用される点で異なる。
それらの方法は技術的な経過によって、初めにエアバッグカバーの層構造が製造され、続いて予め作られたエアバッグカバーに予定破断線が入れられるグループと、それらが一つにまとめられる前に予定破断線が単独の層に入れられるグループに分けられる。
様々な切断技術は基本的には様々な器具の利用によって決定される。この為に、機械的切断器具、又は、剥ぎ取り除去器具、ヒートナイフ、超音波ナイフそしてレーザーが利用される。
近年特に、レーザーを用いる方法が広く発展し、また、その利用が広がった。特に有利には、前述の層構造の為にレーザーを用いると、製造品(ここではエアバッグカバー)に機械的圧がかからない。更に、特に自動車供給工業界でのように大量生産において見積もられる摩擦が、器具に加わらない。加えて、レーザー出力やパルスの周波数の様なレーザーのパラメータを適切に選択することによって、様々な材料構成の為に有利である、様々な除去レジーム(Abtragregime)を単純な方法で実現出来ることは有利である。更に、除去部位で残留物質又は除去箇所を透過する加工光線の検出を介して、除去を調整することが出来る。
予め製造されたエアバッグカバーに、前述の層構造と共に予定破断線が導入される、従来技術により既知の、レーザーを用いた全ての方法では、レーザー光線は、キャリア層側でエアバッグカバー上に方向付けられ、そしてエアバッグカバーに関連して、所望の予定破断線に沿って動かされる。レーザー光線の種類及びその波長、レーザー出力、相対速度、パルスの継続時間、そしてパルスの周波数が、層構造に依存して選択されること、及び、可変のレーザーパラメーターが除去深度又は残余部分の厚さに依存して調節されることが公知である。
既に言及したように、予定破断線は再作製可能(reproduzierbar)で、予定破断線の長さによって規定される裂けに対する抵抗力を有さなければならない。
その裂けに対する抵抗力は、一方では十分小さいべきであり、それによりエアバッグが作動する場合、ほんの僅かな切裂き力によっても予定破断線を破壊することが出来る。もう一方では、予定破断線に乗客室側で不制御で偶発的な力が作用する場合には、裂けてはならない。対応する適した裂けに対する抵抗力への依存性、ならびに、それぞれの層の材料特性や材料の厚さに依存して除去レジームが選択される。その際、様々な層に残留したマテリアルウェブ(Materialstege)、それらの幅及び間隔、並びに除去深度が、予定破断線での避けに対する抵抗力の為に決定される。
再作製可能な適した避けに対する抵抗力の次には、予定破断線が長時間にわたって安定して不可視であることを保証する必要がある。それはつまり、一方では、装飾層が大きすぎる除去深度によって、過度に弱められてはならないし、他方では、支持層が可能な限り保持され続けなければならない、ということである。
この問題を解決する為に、連続して並んだめくら穴によって、弱い線を製造することが、特許文献2によって公知である。めくら穴はキャリア層と支持層を完全に通過して、装飾層の残っている残留部位の厚さの上にまで入り込むようにのびる。めくら穴の代わりに、肉眼では不可視のマイクロパーフォレイション穴によっても、請求項を満たす予定破断線を製造することが可能である。
しかしながら実際の経験では、このめくら穴又はマイクロパーフォレイション穴が、キャリア層の範囲のみでほぼ一定の直径を持つという結果をもたらした。支持層の範囲では、めくら穴は気泡に類似した明らかに大きな拡張を受ける。特にキャリア層に対しての基本的によりわずかな材料密度によって、支持層での拡大された除去体積は説明される。更に、レーザーによる気化を目的に、高温の燃焼ガスが材料の気化を促進する。キャリア層のそれぞれのめくら穴の開口部から漏れ出ることが出来る、ほんの僅かな量の燃焼ガスは、その圧力によって、支持層の軟化を加速する温度と関連して、支持層を広域にわたり排除する。
したがって、単独のめくら穴の間の効果的で最小の幅を有して、支持層でウェブ(Stege)が維持される為に、穴の中心に対して特定の最小間隔が与えられなければならず、それは、支持層の範囲でのめくら穴の最大直径よりも大きい。避けに対する高い抵抗力を有した装飾層の為には、この距離は、所望の避けに対する抵抗力を有した弱い線を作製させる為に、大きすぎてもよい。
この問題を解決する為に、出願人は自身の特許出願(特許文献1)で、めくら穴のグループを様々な深度で意図的に作製することを記述する。第一グループは、キャリア層のみへのび、それにより、それに接する支持層は保持されたままで、又たの広範囲に及ぶウェブは装飾層の保護として形成される。第二グループは支持層を突き抜け装飾層へ入る。単に装飾層でウェブが保持され続ける程度に小さく、穴の中心の間隔を選ぶことが出来る。この距離と無関係に、この除去レジームの際、支持層は破壊される。それはつまり、支持層の支持効果に影響を与えることなしに、より小さな距離が装飾層により高い弱体化をもたらす、ということである。
この方法でも又、装飾層の裂けに対する耐性が非常に高い場合の弱体化を満足させることは出来ない。
本発明の課題は、多層的なエアバッグカバーで、最端層である装飾層に目打ち線形状をした予定破断線を作製することが出来る、レーザーを利用した方法を達成することであり、その場合、既知の方法と比較すると、めくら穴の中心のより僅かな間隔にも関わらず、境を接している支持層でより幅の広いウェブを維持し続ける。
前記課題は、本発明に関して請求項1に記載の特長によって解決される。有利な実施は、従属請求項で詳論される。
装飾層の加工の為にエアバッグカバー上へ、より正確には支持層上へ衝突する光線の直径よりも、意図的により幅広くキャリア層での除去が実行され、それによって、支持層及び装飾層の、気化又は燃焼の際に生じる燃焼ガスが、漏れ出ることが可能であること、そして所望でない支持層の大きな空洞へ導かれないことは、本発明において本質的である。有利には、除去範囲は前記直径の2倍よりも大きい。最小の燃焼体積及びそれによる最小の空洞が支持層に発生する特定の幅を、僅かな実用的な試行のみから、敏速に算出することが可能である。特に支持層の材料特性及びその厚さが、ガスの発生速度そして発生する燃焼ガスの体積量の為に定められる。
実際には、第一の試行では装飾層と接合した支持層には、キャリア層なしで、レーザーを当てることが出来る。この場合に発生する燃焼体積は、後続の試行の為に、最小に到達可能な燃焼体積の為のベンチマーク(Richtgroesse)を作る。
完全な層構造にレーザーが当てられる後続の実験では、前もって、徐々に、増加した除去箇所を有したキャリア層が用意される。そうして、キャリアが過度に弱められずしかし燃焼ガスが十分速く漏れ出る除去箇所の大きさに、徐々に近づく。
除去箇所は、単独の穴として作ることができ、その穴の中心の間隔は、装飾層のめくら穴の中心の間隔と等しい。しかしまた、それらは幅bより小さくてもよい。それにより、穴は重なり合い、また穴の間ではキャリア層にウェブが残らない。しかしながら、残留したウェブの幅は、少なくとも、単独の重なり合った穴群の間で、キャリア層での安定した結合として役に立つ。除去箇所が、予定破断線に沿ってより大きく、その長さに対して形成されるのではなく、その幅に対して形成されることが考えられうる。幅の増加は長さの増加とは異なり、キャリア層の裂けに対する抵抗力に影響を及ぼさないが、開口部は同程度大きくなる。
キャリア層及び装飾層での除去を、同時に、時間的な重なりを持って、若しくは時間的に連続に、作製することが出来る。
その際、キャリア層は強制的に、その厚さに対して完全に取り去られなければならない。有利には、支持層は、この除去から影響を受けないままである。しかしながら、この際、より厚い支持層の場合、取るに足らない支持層の除去もまた、不利な結果をもたらさない。
本発明は以下の具体的実施例により、より詳しく説明される。
従来技術についての記述でより詳しく説明された、固いキャリア層1及びそれに続く支持層2を有した多層式エアバッグカバー加工に、本発明に関わる方法は役立つ。キャリア層1の材料と比べ、支持層2はより低密度の材料からなる。少なくとも更なる層すなわち装飾層3が支持層2の次に続く。
第一の具体的な実施例では、キャリア層1、及び装飾層3での除去が同時に起こる、それはつまり、キャリア層1、支持層2及び装飾層3での除去が、位置地点において、時間的に極近く、連続して起こるということである。キャリア層1を加工するために、拡大された環状の光線密度分布を有したレーザー光線が選ばれる。その光線は、ガウス形の光線密度分布を有したレーザー光線に対して同軸に、キャリア層1へ向けられる(図3参照)。両方のレーザー光線は、エアバッグカバーに同時に作用する。キャリア層1が両方のレーザー光線の複合作用により、その層の厚さに対してこの位置で直径2aよりも大きい円孔形状に完全に削り取られた後で、レーザーは止められ、そして、第二のレーザーによって除去は支持層2を通過して装飾層3に入り継続される。この光線の横断面は、作用範囲で直径aを有する(図1及び2参照)。理想的にはレーザー光線の焦点の直径と等しい直径aが、エアバッグカバー全体の厚みに対して完全に一定でないことは、当業者にとって自明である。しかしながら、このずれは比較的、無視することが出来る。
第二の具体的実施例では、キャリアでの除去の為に、トップヘッド光線プロフィール(Top-Head-Strahlprofil)を有したレーザーが利用されるべきである(図4参照)。装飾層3の除去は時間的なずれをもって生じる。
第一の具体的実施例とは異なり、部分的に重なるキャリアでの除去によって、近似的に円形の穴が有されることはなく、しかしながら予定破断線の方向に強く伸びた除去箇所、すなわちスリット形状の除去箇所が生じる(図1及び2の右側参照)。キャリア層の除去箇所は、円形状、若しくは、スリット形状のいずれかの形で完成させることが可能である、若しくは、その形状を予定破断線内で連結することも可能である。
装飾層3へ時間的なずれを持ってレーザーを当てることの有利な点は、キャリア材料の除去で発生する燃焼ガスが、それぞれの除去位置で既に気化済みであること、及びスリット形状の除去箇所の長さに対して、めくら穴の数をキャリア層1の除去とは無関係に選ぶことが出来ること、である。
第三の具体的実施例では、除去は時間的に連続に行われる。このために必ずしも二つのレーザーを用いる必要がないこと、そして、例えば部分的に重なる10個の穴形状の除去箇所から形成されるスリットに、レーザーによって10個以上のめくら穴又はパーフォレイション穴が入れられることは有利である。両方の第一の具体的実施例で記述されたような、レーザー光線によるキャリアの加工の際、ガウス分布を有した、いずれにせよ装飾層3の除去の為に必要であるレーザーの光線プロフィールは、ガウス形の光線密度分布から環状の光線密度分布を生成する、例えばアキシコンといった特別な光学素子を準備することによって調整することが出来る。
レーザーが相応に非焦点化され(deforkussiert)キャリア材料に向けられる場合もまた、ガウス形の光線密度分布を有したレーザーを利用することが可能である。
キャリア層1を除去する為にレーザーを利用する場合、方法が実行される前のエアバッグカバー製造の際に、キャリア層1及び支持層2の間に、キャリア材料を除去する間に支持層2へのレーザー光線の入り込みを防ぐ機能を有する、ホイル状のバリア層を入れることは、光線プロフィールに無関係に有利である。このバリア層は、有利には気体透過性である。それにより、キャリア層を除去する間、バリア層は除去を受けないままでいられ、そのバリア層の為には、融解温度がキャリア層の気化温度より高い材料を選ばなければならない。
バリア層が気体透過性でない場合、バリア層はキャリア層の除去後に破壊される。それは、レーザー光線のピークの個々の点でのより高いエネルギーの入り込みによって、又は、例えばナイフによる機械的破壊によって、装飾層3を除去する間に行われる。この際、切り裂きは一つで十分であり、それにより、バリア層が燃焼ガスの圧力によって互いに吹き付けられ、そして、燃焼ガスは漏れ出ることが出来る。
具体的実施例で言及されたような3つ全ての時間レジーム(Zeitregime)の為に、キャリア層1を除去する目的のレーザーの代わりに除去器具を利用することもできる。除去を同時に行う為に、例えば、中空を有した特別なカッティング工具を利用することが出来、その中空を通ってレーザー光線を方向付けることが出来る。時間的なずれをもって、そして時間的に連続に行われる除去の為には、特に、通常のドリル又はカッティング工具を利用することが出来る。
1 キャリア層
2 支持層
3 装飾層
a 光線の直径
b 幅
2 支持層
3 装飾層
a 光線の直径
b 幅
Claims (12)
- キャリア層(1)、支持層(2)及び装飾層(3)を有した多層式エアバッグカバーに予定破断線を作成する為の方法にして、その際、キャリア層(1)は、支持層(2)の材料よりも高密度の材料であり、また、光線の直径(a)でエアバッグカバーに当たりそして光線密度分布がガウス形を有するレーザーを用いて、所望の予定破断線に沿って、めくら穴又はマイクロパーフォレイション穴が間隔を置いて装飾層(3)に作られる方法において、
幅(b)が光線の直径(a)よりも大きい状態で、予定破断線に沿って、少なくとも間隔を置いためくら穴又はマイクロパーフォレイション穴の間隔で幅(b)にわたり、キャリア層(1)の材料が完全に取り除かれること、及び、発生する燃焼ガスが除去箇所を通過し漏れ出ることが可能な状態で、レーザーはキャリア層(1)に作られた除去箇所を通過し、間隔を置いためくら穴又はマイクロパーフォレイション穴を作製することを特徴とする方法。 - 請求項1に記載の方法において、
幅(b)が光線の直径(a)の2倍よりも大きいことを特徴とする方法。 - 請求項1又は2に記載の方法において、
除去箇所がスリット形状を有することを特徴とする方法。 - 請求項1又は2に記載の方法において、
除去箇所が、幅(b)と等しい直径を有した円状の穴形状を有することを特徴とする方法。 - 請求項3に記載の方法において、
除去箇所がカッティング工具によって作製されることを特徴とする方法。 - 請求項4に記載の方法において、
除去箇所がドリルによって作製されることを特徴とする方法。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の方法において、
除去箇所がレーザーによって作製されることを特徴とする方法。 - 請求項7に記載の方法において、
トップヘッドフォームが表れることを特徴とする方法。 - 請求項7に記載の方法において、
除去箇所作製用のレーザー光線が、プロフィールとして環形状を表す光線密度分布を有することを特徴とする方法。 - 請求項7に記載の方法において、
除去箇所作製用のレーザー光線が、プロフィールとしてガウス形状を表す光線密度分布を有すること、及び、レーザー光線が非焦点化されキャリア上に当たることを特徴とする方法。 - 請求項7に記載の方法において、
エアバッグカバーを製造する際、キャリア層と支持層(2)の間に、キャリア層(1)の加工時に支持層(2)へエネルギーが入るのを防ぐバリア層が入れられることを特徴とする方法。 - 請求項11に記載の方法において、バリア層に気体透過性の材料が用いられることを特徴とする方法。
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