JP2007194717A - 携帯ip電話制御方法および携帯ip電話制御システム - Google Patents

携帯ip電話制御方法および携帯ip電話制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、大規模災害発生時、通信網や交換局の故障発生時、イベント等による通信要求が短時間に急増した場合等において、通話品質を低下させることにより、呼の受付数を増加させる携帯IP電話制御方法および携帯IP電話制御システムに関するものである。
【解決手段】 本発明は、パケット廃棄率をシステムによって予め決められているものより大きくすることにより、通話品質を低下させて、呼の受付数を増加させ、通信需要の急増に対処することができる。また、本発明は、呼の受付数を増加させることにより起こる強制切断率の増加に対して、強制切断閾値を調整することにより、強制切断率を低減する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、大規模災害発生時、通信網や交換局の故障発生時、正月の挨拶、イベントのある日、チケットの発売日等による通信要求が短時間に急増した場合等において、多くの者が携帯IP電話を使用することができるようにしたCDMA(Code Division Mutiple Access)システムにおける携帯IP電話制御方法および携帯IP電話制御システムに関するものである。本発明は、前記携帯IP電話における通信要求が輻輳状態になった場合、通信の品質を低下させ、あるいは強制切断率が高くなることを低減して、多くの者が携帯IP電話を使用することができる携帯IP電話制御方法および携帯IP電話制御システムに関するものである。
図11は従来例における優先番号による大規模災害発生時等の電話通信方式を説明するためのフローチャートである。図11において、大規模災害発生時において、発呼者は、通信要求を行う(ステップ111)。交換局は、前記発呼者の通信に優先番号が付いているか否かを調べる(ステップ112)。前記交換局は、前記優先番号の付いている通信に対して、空き回線に接続(ステップ113)し、通信が開始する(ステップ114)。前記発呼者は、終話により、通信回線が空きとなる(ステップ115)。少なくともステップ112において、前記交換局は、前記通信要求に対して優先番号が付いてないと判断した場合、呼損とする(ステップ116)。
特開2000−308137号公報に記載されている符号分割多重アクセスシステム(CDMA)は、複数の多重アクセスによる干渉を除去する機能を有する基地局との間で無線チャネルを介して通信を行っている。前記符号分割多重アクセスシステム(CDMA)は、新たに呼を受け付けたときのフレーム誤り率を過去のデータに基づいて予測し、その予測で得たデータを基に、所定の音声品質を満たすか否かを判断し、その判断によって、当該新たな呼を受け付け、または拒否している。
また、特開2003−318818号公報に記載されている符号分割多重アクセスシステム(CDMA)を利用した携帯電話装置は、パケット通信時に基地局からの下り送信電力制御における受信ブロックエラーレートの劣化をある程度抑えることができ、かつ、基地局リソースの開き容量を増やし、通信システム全体のリソースの有効活用が図れるものである。
特開2000−308137号公報 特開2003−318818号公報
前記図11における例は、輻輳状態時に、重要通信を確保することができるが、特別な番号以外の通信を受け付けない発信規制(優先番号方式)が行われるため、一般の多くの発呼者にかかる通信が犠牲になるという問題があった。
大規模災害、通信網や交換局の故障の発生、大きな事件等の発生、あるいは正月の挨拶、イベントの日、チケットの発売日等の特別な日には、通信需要が増大する。近年、携帯電話機は、普及され、常時携帯しており、前記のような場合、非常に有効に使用されるようになってきた。しかし、前記携帯電話機は、有限な周波数を用いて通信が行われているため、全通信需要を確保することが困難であるという問題がある。実際、2004年10月に発生した新潟県中越地震は、全国から新潟県への電話が平常ピーク時と比較して、固定電話で約50倍、携帯電話で約45倍に達している(総務省電気通信技術システム課 平成16年新潟県中越地震 電気通信事業者における被害・復旧等の状況及び今後の対応 「災害時の通信サービス確保に関する連絡会報告書」参照)。
一方、近年、W−CDMAシステムを用いた携帯電話機が広く普及されるようになってきた(立川敬二 W−CDMA移動通信方式 (社)丸善 2001)。また、インターネットプロトコル(IP)を使用して音声通信を行うVoIP(Voice Over Inernet Protcol)方式の機器が普及されつつあり、W−CDMA(Wideband-Code Division Mutiple Access )システムを利用した携帯IP電話システムが普及されると予想される。前記W−CDMAシステムを利用した携帯IP電話は、大きな加入者容量を有する。しかし、前記災害時等における通信需要の急増は、前記W−CDMAシステムを利用したとしても、有限な周波数を用いて通信を行う以上、容量が限界に達すると予想される。
前記図11に示されたもの、および特許文献に記載された通信技術は、システムが予め決められた通信容量以上の呼を受け付けずに呼損となるようになっている。前記従来のシステムは、通信中に、受信電力が弱くなると、周りからの干渉により復号化できず、通信ができない状態になるので、システムが強制切断を行うようになっていた。前記従来のシステムは、通常、5秒間連続して、信号電力対干渉電力の比(SIR)がある値を上回ると、強制切断が行われるようになっている。
以上のような課題を解決するために、本発明は、音声通話品質の限界まで呼を受け付けることにより、システムが持つ通信容量より多くの呼を発生させることができる携帯IP電話制御方法および携帯IP電話制御システムを提供することを目的とする。本発明は、システムが持つ通信容量より多くの呼を受け付ける携帯IP電話制御方法、および携帯IP電話制御システムを提供することを目的とする。本発明は、受付呼数を増加する代わりに、音声通話品質を限界まで下げる携帯IP電話制御方法、および携帯IP電話制御システムを提供することを目的とする。
(第1発明)
第1発明の携帯IP電話制御方法は、通信需要の急増に対して携帯IP電話によって通話できる端末を多くするためにCDMAシステムを利用したものであり、交換局または基地局における輻輳状態を検出した場合、通常のシステム容量以上に呼を受け付け、前記受け付けられた呼におけるパケット廃棄率を前記システムによって決められたものより大きくし、通話可能な範囲内で通信品質を低下させて通話を行うことができることを特徴とする。
(第2発明)
第2発明の携帯IP電話制御方法は、通信需要の急増に対して携帯IP電話によって通話できる端末を多くするために通常のシステム容量以上に呼を受け付け、前記受け付けられた呼によるパケット廃棄率の増加に伴い発生する強制切断率が一定以上の場合、一定数連続で発生する強制切断判別連続パケット廃棄数、または強制切断判別受信SIR劣化時間を調べ、前記強制切断判別連続パケット廃棄数が所定数より少ない場合、または強制切断判別受信SIR劣化時間が短い場合、前記強制切断判別連続パケット廃棄数を所定数多くし、または、前記強制切断判別受信SIR劣化時間を所定時間長くするが、前記パケット廃棄率が所定以上となる場合は、通話可能な範囲内でなくなるので制御を終了することを特徴とする。
(第3発明)
第3発明の携帯IP電話制御方法は、第1発明または第2発明のパケット廃棄率が通信需要の輻輳状態によって決められることを特徴とする。
(第4発明)
第4発明の携帯IP電話制御システムは、通信需要の急増に対して携帯IP電話によって通話できる端末を多くするためにCDMAシステムを利用しており、交換局または基地局における輻輳状態を観測する実通信要求観測装置と、前記実通信要求観測装置によって観測された受付呼数をカウントする受付呼数カウンタと、システムの通信容量を記憶するシステム容量メモリと、パケット廃棄率の閾値が記憶されているパケット廃棄率閾値メモリと、パケット廃棄率を観測するパケット廃棄率観測装置と、前記受付呼数カウンタ、システム容量メモリ、パケット廃棄率閾値メモリ、パケット廃棄率観測装置におけるデータに基づいて、呼を受け付けるか否かを判断する呼受付判断装置と、前記呼受付判断装置によって呼を受け付けることができると判断した場合、呼を受け付ける呼受付処理装置とから少なくとも構成されている通話可能な範囲内で通信品質を低下させることを特徴とする。
(第5発明)
第5発明の携帯IP電話制御システムは、通信需要の急増に対して携帯IP電話によって通話できる端末を多くするためにCDMAシステムを利用しており、交換局または基地局における輻輳状態を観測する実通信要求観測装置と、前記実通信要求観測装置によって観測された受付呼数をカウントする受付呼数カウンタと、パケット廃棄率の閾値が記憶されているパケット廃棄率閾値メモリと、パケット廃棄率を観測するパケット廃棄率観測装置と、前記パケット廃棄率に基づいて発生する強制切断率を観測する強制切断率観測装置と、システムを動作させるか否かを決める閾値が記憶されている動作閾値メモリと、強制切断をシステムが決定する指標である一定数連続でパケット廃棄が起こる強制切断判別連続パケット廃棄数、または強制切断判別受信SIR劣化時間を調べ、前記強制切断判別連続パケット廃棄数、または前記強制切断判別受信SIR劣化時間の上限を記憶する強制切断判別閾値メモリと、前記受付呼数カウンタ、システム容量メモリ、パケット廃棄率閾値メモリ、パケット廃棄率観測装置、強制切断率観測装置、動作閾値メモリ、強制切断判別閾値メモリにおけるデータに基づいて、強制切断判別閾値を増減する強制切断判別閾値増減判断装置と、前記強制切断判別閾値増減判断装置によって、強制切断閾値を増減する強制切断閾値増減装置とから少なくとも構成されている通話可能な範囲内で通信品質を低下させることを特徴とする。
(第6発明)
第6発明の携帯IP電話制御システムは、第4発明または第5発明のパケット廃棄率が受付呼数カウンタの受付呼数によって決められることを特徴とする。
(第7発明)
第7発明の携帯IP電話制御システムは、第4発明から第6発明の強制切断閾値増減装置が強制切断閾値増減単位メモリに基づいて増減が行われることを特徴とする。
本発明によれば、音声通話品質の限界まで低下させて、呼を受け付けることができるようにしたため、システムが持つ通信容量より多くの呼を受け付けることができる。
本発明によれば、パケット廃棄の増加によって、通信時の強制切断率が高くなるのを低減することによって、音声品質が低下するが、システムが持つ通信容量より多くの呼を受け付けることができる。
本発明によれば、前記音声通話品質の限界となるまで、パケット廃棄率の閾値を高くすることによって、呼損を少なくする代わりに、音声通話品質を下げて、呼受付数を増加する。
本発明によれば、パケット廃棄率の増加に伴って増加する強制切断率を低減することにより、システムが持つ通信容量より多くの呼を受け付け、通信需要の増加に対処することができ、システムが有する回線をより多くの者によって共有することができる。
本発明によれば、パケット廃棄率を増加させ、呼受付数を増加させることにより起こる強制切断の増加に対し、強制切断判別閾値である一定数連続で発生する強制切断判別連続パケット廃棄数、または強制切断判別受信SIR劣化時間を調べ、連続パケット廃棄数または受信SIR劣化時間を調整して、強制切断率を低下させることができる。
(第1発明)
第1発明の携帯IP電話制御方法は、CDMAシステムを利用した通信方法であり、通話可能な範囲内で通信品質を低下させて、通信需要の急増時に、システム容量より呼受付数を増加させる限界音声品質呼受付制御方法にかかるものである。前記限界音声品質呼受付制御方法は、交換局または基地局において、輻輳状態を検出した場合、通常のシステム容量以上に呼を受け付ける。通常のシステムは、呼受付数がシステム容量以上の場合、呼損となる。
しかし、本発明は、パケット廃棄率がある閾値以上の場合、呼損となるが、前記閾値以下の場合、呼を受け付ける代わりに、通話品質を低下させる。すなわち、本発明は、パケット廃棄率をシステムによって予め決められているものより大きくすることにより、通話品質を低下させて、呼の受付数を増加させ、通信需要の急増に対処することができる携帯IP電話制御方法である。
(第2発明)
第2発明の携帯IP電話制御方法は、CDMAシステムを利用した通信方法であり、通話可能な範囲内で通信品質を低下させて、通信需要の急増時に、システム容量より呼受付数を増加させる強制切断低減制御方法にかかるものである。第1発明の携帯IP電話制御方法は、パケット廃棄率が少ない場合、前記限界音声品質呼受付制御方法のみでも良い。しかし、前記パケット廃棄率の増加に伴い、強制切断が増加するため、強制切断を低減させるために前記強制切断低減制御方法が必要になる。
前記強制切断低減制御方法は、交換局または基地局における輻輳状態を検出した場合、前記受け付けられた呼におけるパケット廃棄率に伴い発生する強制切断率が一定以上の場合、一定数連続で発生する強制切断判別連続パケット廃棄数、または前記強制切断判別受信SIR劣化時間を調べる。なお、前記「SIR」は、信号電力対干渉電力の比である。
前記強制切断を行う強制切断判別閾値は、通常の回線交換方式では、所要の信号電力対干渉電力の比(SIR)を下回る連続時間である。しかし、本発明は、音声パケット送信を対象としているので、ある一定数連続でパケット廃棄が起こる連続パケット廃棄数、または前記強制切断判別受信SIR劣化時間となる。前記強制切断判別連続パケット廃棄数は、所定数より少ない場合、前記強制切断判別連続パケット廃棄数を多くする。また、前記強制切断判別受信SIR劣化時間で判別する場合は、所定時間より短い場合、長くする。
本発明は、前記強制切断判別連続パケット廃棄数がある上限値以上の場合、本制御が終了する。前記理由は、強制切断判別連続パケット廃棄数が多いと、連続して通信不能となる時間が長くなるため、サービス品質上の限界となる。本発明は、前記上限以上でない場合、強制切断判別連続パケット廃棄数をある特定数だけ多くする。また、本発明は、前記強制切断判別連続パケット廃棄数の代わりに、前記強制切断判別受信SIR劣化時間とすることもできる。
前記強制切断判別連続パケット廃棄数を多くして、強制切断を低減させるということは、受信の際の信号電力対干渉電力の比(SIR)が劣化している通信呼を存続させることになるので、その呼の端末に高い送信電力を送出してしまい、他の端末への干渉の増加を招き、全体のパケット廃棄率が増加してしまう。このため、前記パケット廃棄率は、ある閾値以上の場合、強制切断低減制御方法を終了させる。
(第3発明)
第3発明の携帯IP電話制御方法は、第1発明または第2発明におけるパケット廃棄率が通信需要の輻輳状態によって決められる。前記パケット廃棄率は、通信需要の輻輳状態によって、通信品質の低下の程度を考慮して決められる。
(第4発明)
第4発明の携帯IP電話制御システムは、通信需要の急増に対して携帯IP電話によって通話できる端末を多くするためにCDMAシステムを利用している。前記携帯IP電話制御システムは、実通信要求観測装置と、受付呼数カウンタと、システム容量メモリと、パケット廃棄率閾値メモリと、パケット廃棄率観測装置と、呼受付判断装置と、呼受付処理装置とから少なくとも構成されており、通話可能な範囲内で通信品質を低下させても、緊急時の呼受け付けを増加させるものである。
前記実通信要求観測装置は、セルにおける実際の呼の要求状態を観測するものである。前記受付呼数カウンタは、前記実通信要求観測装置によって観測された受付呼数をカウントして、前記通信要求の需要が急増しているか否かの判断データとなる。システム容量メモリは、所定の通話品質によって通話が行えるセル当たりの呼数が予め記憶されており、たとえば、1セル当たり161呼である。パケット廃棄率閾値メモリは、許容する通話品質となるパケット廃棄率の閾値が記憶されている。前記パケット廃棄率観測装置は、パケット廃棄率がどのような状態になっているかを観測している。
前記呼受付判断装置は、前記受付呼数カウンタ、システム容量メモリ、パケット廃棄率閾値メモリ、パケット廃棄率観測装置における各データに基づいて、呼を受け付けるか否かの判断を行っている。前記呼受付処理装置は、前記システム以上の呼があり、かつ、パケット廃棄率が前記閾値以下である場合、通話可能な範囲内で通信品質を低下させた状態で、呼を受け付けることができる。
(第5発明)
第5発明の携帯IP電話制御システムは、通信需要の急増に対して携帯IP電話によって通話できる端末を多くするためにCDMAシステムを利用しており、第4発明の構成とともに、強制切断率観測装置と、動作閾値メモリと、強制切断判別閾値メモリと、強制切断判別閾値増減判断装置と、強制切断閾値増減装置とを少なくとも備えている。前記強制切断率観測装置は、強制切断率がどの程度であるかを観測している。動作閾値メモリは、システムを動作させるか否かを決める閾値が記憶されている。
前記強制切断判別閾値メモリは、強制切断判別連続パケット廃棄数、または前記強制切断判別受信SIR劣化時間の閾値を記憶するものであり、たとえば、1呼当たり、125パケットである。また、前記強制切断判別受信SIR劣化時間は、たとえば、5秒である。前記強制切断判別閾値増減判断装置は、強制切断判別連続パケット廃棄数が上限値以上の場合、通信不能になる時間が長くなるため、強制切断判別連続パケット廃棄数をその上限が記憶されている前記強制切断判別閾値メモリ等を参照して判断を行う。前記強制切断閾値増減装置は、前記強制切断判別閾値増減判断装置の判断により、通話品質の限界となるように強制切断判別連続パケット廃棄数、前記強制切断判別受信SIR劣化時間をある特定の値だけ長くするようにする。
(第6発明)
第6発明の携帯IP電話システムは、第4発明または第5発明におけるパケット廃棄率を受付呼数カウンタの受付呼数によって決めている。前記受付呼数カウンタの受付呼数は、たとえば、パケット廃棄率閾値設定装置に送られ、システム管理者または自動的にパケット廃棄率が変えられる。
(第7発明)
第7発明の携帯IP電話制御システムは、第4発明から第6発明における強制切断閾値増減装置が強制切断閾値増減単位メモリに基づいて増減が行われる。前記強制切断閾値増減単位メモリは、前記強制切断の増減を行う単位が記憶されている。前記強制切断の増減を行う単位は、通話品質、制御効率、および受付呼数を考慮して予め決められている。
図1は本発明の第1実施例で、システム容量より呼受付数を増加させる限界音声品質呼受付制御システムを説明するためのブロック構成図である。図1において、限界音声品質呼受付制御システム(Lower Limit of Voice Quality Call Admission Contorol System )は、CDMAシステムを用いた携帯IP電話であり、システム容量メモリ11と、実通信要求観測装置12と、受付呼数カウンタ13と、呼受付判断装置14と、呼受付処理装置15と、パケット廃棄率閾値メモリ16と、パケット廃棄率観測装置17と、パケット廃棄率閾値設定装置18とから少なくとも構成されている。
前記システム容量メモリ11は、システムが有する呼の容量で、たとえば、1セル当たり161呼(User/Cell )である。前記実通信要求観測装置12は、実際の通信要求を観測する。前記受付呼数カウンタ13は、実際に受け付けられた呼の数をカウンタにより数えている。前記パケット廃棄率閾値メモリ16は、前記システムにおいて、通話品質を決める閾値が記憶されている。前記パケット廃棄率観測装置17は、前記システムのパケット廃棄率が何%であるかを観測している。
前記呼受付判断装置14は、前記システム容量メモリ11のシステム容量、前記受付呼数カウンタ13の受付呼数、前記パケット廃棄率閾値メモリ16に記憶されているパケット廃棄率閾値、前記パケット廃棄率観測装置17によって観測されたパケット廃棄率を参照して呼を受け付けるか否かを判断する。前記呼受付処理装置15は、前記呼受付判断装置14によって受け付けが許可された呼に対する受付処理を行う。前記パケット廃棄率閾値設定装置18は、前記受付呼数カウンタ13によって受け付けられた呼数によってパケット廃棄率を設定することができる。前記パケット廃棄率閾値は、システム管理者によって設定することもできるが、図1の受付呼数カウンタ13の受付呼数とパケット廃棄率閾値との関係が判る対照表を参照にして自動的に設定することもできる。
図2は本発明の第1実施例で、システム容量より呼受付数を増加させる限界音声品質呼受付制御システムを説明するためのフローチャートである。図1および図2において、実通信要求観測装置12は、通信要求があったことを観測する(ステップ211)。受付呼数カウンタ13は、実通信要求観測装置12による呼受付数を検出する(ステップ212)。
前記呼受付判断装置14は、前記システム容量メモリ11に記憶されているシステム容量と、前記受付呼数カウンタ13によって検出された受付呼数とを比較し、システムの受付可能な容量N以上であるか否かを調べる(ステップ213)。前記呼受付判断装置14は、前記受付呼数がシステム容量N以下であると判断した場合、呼を受け付ける(ステップ214)。
前記呼受付判断装置14は、前記受付呼数がシステム容量Nを越えていると判断した場合、その受付呼数が非常時であるか否かを調べる(ステップ215)。前記呼受付判断装置14は、前記受付呼数が非常時であると判断した場合、パケット廃棄率観測装置17によってパケット廃棄状況を観測する(ステップ216)。また、前記呼受付判断装置14は、前記パケット廃棄率観測装置17のパケット廃棄率と、予め決められているパケット廃棄率閾値メモリ16に記憶されているパケット廃棄率とにおけるパケット廃棄状態を比較し、前記パケット廃棄率が予めパケット廃棄率閾値メモリ16に決められたa%以上であるか否かを調べる(ステップ217)。
前記呼受付判断装置14は、前記パケット廃棄率が前記a%以上であると判断した場合、受け付けた呼を呼損とする(ステップ218)。前記呼受付判断装置14は、前記パケット廃棄率が前記a%以下であると判断した場合、呼を受け付ける(ステップ214)。本発明の限界音声品質呼受付制御システムは、パケット廃棄率がa%以上の場合、呼損となり、前記パケット廃棄率がa%以下の場合、呼を受け付けるが、通話可能な範囲で通信品質が低下している。
図3は本発明の第2実施例で、パケット廃棄の増加に伴う強制切断を低減する強制切断低減制御システムを説明するためのブロック構成図である。図3において、強制切断低減制御システム(Reduction Control of Forced Call Termination System )は、実通信要求観測装置12と、受付呼数カウンタ13と、呼受付処理装置15と、パケット廃棄率閾値メモリ16と、パケット廃棄率観測装置17と、強制切断率観測装置31と、動作閾値メモリ32と、強制切断判別閾値メモリ33と、強制切断閾値増減単位メモリ34と、強制切断閾値増減装置35と、強制切断判別閾値増減判断装置36とから少なくとも構成されている。
前記強制切断率観測装置31は、システムにおける強制切断率の状態を観測している。前記動作閾値メモリ32は、システムを動作させるか否かを決める閾値が記憶されている。強制切断判別閾値メモリ33は、一定数連続でパケット廃棄が起こる連続パケット廃棄数、または強制切断判別受信SIR劣化時間の閾値が記憶されている。強制切断閾値増減単位メモリ34は、予め決められた増減単位で強制切断閾値増減装置35における強制切断閾値を増減できるようにしている。強制切断判別閾値増減判断装置36は、受付呼数カウンタ13、強制切断率観測装置31、動作閾値メモリ32、強制切断判別閾値メモリ33、パケット廃棄率閾値メモリ16、パケット廃棄率観測装置17における各データを参照して強制切断判別閾値増減の判断を行う。
前記強制切断低減制御システムは、第1実施例における限界音声品質呼受付制御システムを使用した場合、パケット廃棄率の増加に伴い強制切断率が増加するのを低減させるためのものである。図4は本発明の第2実施例で、パケット廃棄率の増加に伴い強制切断が増加するのを低減させる強制切断低減制御システムを説明するためのフローチャートである。図3および図4において、強制切断率観測装置31は、受け付けられた呼のパケット廃棄に伴う強制切断率を観測している(ステップ411、412)。
前記強制切断判別閾値増減判断装置36は、前記強制切断判別閾値メモリ33に記憶されている閾値である強制切断率がb%以上であるか否かを調べる(ステップ413)。前記強制切断判別閾値増減判断装置36は、前記強制切断率がb%以上でないと判断した場合、前記ステップ417に進み、本制御が終了する。前記強制切断判別閾値増減判断装置36は、パケット廃棄率観測装置17における強制切断判別連続パケット廃棄数、または強制切断判別受信SIR劣化時間がm以上であるか否かを調べる(ステップ414)。
前記強制切断判別閾値増減判断装置36は、パケット廃棄率観測装置17における強制切断判別連続パケット廃棄数、または強制切断判別受信SIR劣化時間がm以上であると判断した場合、前記ステップ417に進み、本制御が終了する。前記強制切断判別閾値増減判断装置36は、前記強制切断判別連続パケット廃棄数がm以上でないと判断した場合、強制切断閾値増減装置35により強制切断判別連続パケット廃棄数をnだけ長くする(ステップ415)。前記強制切断判別閾値増減判断装置36は、パケット廃棄率閾値メモリ16におけるパケット廃棄率がa%以上か否かを調べる(ステップ416)。前記強制切断判別閾値増減判断装置36は、パケット廃棄率がa%以上であると判断した場合、本制御を終了する(ステップ417)。前記強制切断判別閾値増減判断装置36は、パケット廃棄率がa%以上でないと判断した場合、ステップ412に戻り、強制切断率を観測する。
図2および図4におけるパケット廃棄率a%、強制切断率b%、強制切断判別連続パケット廃棄数、または強制切断判別受信SIR劣化時間mは、通信の輻輳状態を見て、システム管理者が決めることができる。また、前記パケット廃棄率a%、強制切断率b%、強制切断判別連続パケット廃棄数、または強制切断判別受信SIR劣化時間mは、受付呼数、パケット廃棄率、強制切断率、強制切断判別連続パケット廃棄数、または強制切断判別受信SIR劣化時間の関係を予め記憶させておき、装置が自動的に選択することもできる。前記パケット廃棄率a%、強制切断率b%、強制切断判別連続パケット廃棄数、または強制切断判別受信SIR劣化時間mの選択は、呼の受付数と通話品質に大きく関係する。
図5は計算機上で行うシュミレーションのサービスエリアモデルを説明するための図で、各正六角形がセルに相当し、その中心に基地局が存在するモデルである。図6は計算機上で行うシミュレーション条件を説明するための図である。図7は本発明における呼損率と呼受付数との関係を説明するための図である。図8は本発明におけるパケット廃棄率と呼受付数との関係を説明するための図である。図9は本発明における強制切断率と呼受付数との関係を説明するための図である。図10は本発明における強制切断率と呼受付数別強制切断判別連続パケット廃棄数との関係を説明するための図である。図7から図10は、図5および図6に示すシミュレーション条件によって得られたものである。
図7において、システム容量を161(user/cell)で、限界音声品質呼受付制御システムを用いることにより、呼損率は、呼受付数の増加に伴い低下している。図8において、限界音声品質呼受付制御システムを用いることにより、パケット廃棄率は、呼受付数の増加に伴って増加している。図9において、限界音声品質呼受付制御システムを用いることにより、強制切断率は、呼受付数の増加に伴い増加している。図8のパケット廃棄率と呼受付数との関係、図9の強制切断率と呼受付数との関係により、パケット廃棄率が増加し、強制切断率も増加することが判る。呼受付数の増加は、パケット廃棄率と強制切断率が増加するため、強制切断率を抑える強制切断低減制御システムが必要になる。
図10において、呼受付数を194、199、203とした場合の強制切断判別連続パケット廃棄数と、強制切断率との関係が示されている。強制切断低減制御システムは、強制切断判別連続パケット廃棄数を大きくすることにより、強制切断率が低下することが判る。また、本実施例は、前記強制切断判別連続パケット廃棄数の代わりに前記強制切断判別受信SIR(信号電力対干渉電力の比)劣化時間とすることができる。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではない。そして、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。図1および図3において示されているブロックは、周知または公知の技術によって達成できるものである。
本発明の第1実施例で、システム容量より呼受付数を増加させる限界音声品質呼受付制御システムを説明するためのブロック構成図である。(実施例1) 本発明の第1実施例で、システム容量より呼受付数を増加させる限界音声品質呼受付制御システムを説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施例で、パケット廃棄の増加に伴う強制切断を低減する強制切断低減制御システムを説明するためのブロック構成図である。(実施例2) 本発明の第2実施例で、パケット廃棄率の増加に伴い強制切断が増加するのを低減させる強制切断低減制御システムを説明するためのフローチャートである。 計算機上で行うシュミレーションのサービスエリアモデルを説明するための図で、各正六角形がセルに相当し、その中心に基地局が存在するモデルである。 計算機上で行うシミュレーション条件を説明するための図である。 本発明における呼損率と呼受付数との関係を説明するための図である。 本発明におけるパケット廃棄率と呼受付数との関係を説明するための図である。 本発明における強制切断率と呼受付数との関係を説明するための図である。 本発明における強制切断率と呼受付数別強制切断判別連続パケット廃棄数との関係を説明するための図である。 従来例における優先番号による大規模災害発生時等の電話通信方式を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
11・・・システム容量メモリ
12・・・実通信要求観測装置
13・・・受付呼数カウンタ
14・・・呼受付判断装置
15・・・呼受付処理装置
16・・・パケット廃棄率閾値メモリ
17・・・パケット廃棄率観測装置
18・・・パケット廃棄率閾値設定装置
31・・・強制切断率観測装置
32・・・動作閾値メモリ
33・・・強制切断判別閾値メモリ
34・・・強制切断閾値増減単位メモリ
35・・・強制切断閾値増減装置
36・・・強制切断判別閾値増減判断装置

Claims (7)

  1. 通信需要の急増に対して携帯IP電話によって通話できる端末を多くするためにCDMAシステムを利用した携帯IP電話制御方法において、
    交換局または基地局における輻輳状態を検出した場合、通常のシステム容量以上に呼を受け付け、
    前記受け付けられた呼におけるパケット廃棄率を前記システムによって決められたものより大きくし、
    通話可能な範囲内で通信品質を低下させて通話を行うことができることを特徴とする携帯IP電話制御方法。
  2. 通信需要の急増に対して携帯IP電話によって通話できる端末を多くするためにCDMAシステムを利用した携帯IP電話制御方法において、
    交換局または基地局における輻輳状態を検出した場合、通常のシステム容量以上に呼を受け付け、
    前記受け付けられた呼におけるパケット廃棄率に伴い発生する強制切断率が一定以上の場合、一定数連続で発生する強制切断判別連続パケット廃棄数、または強制切断判別受信SIR劣化時間を調べ、
    前記強制切断判別連続パケット廃棄数が所定数より少ない場合、または強制切断判別受信SIR劣化時間が短い場合、前記強制切断判別連続パケット廃棄数を多くし、かつ、前記パケット廃棄率を所定以上として、呼を受け付け、
    通話可能な範囲内で通信品質を低下させて通話を行うことができることを特徴とする携帯IP電話制御方法。
  3. 前記パケット廃棄率は、通信需要の輻輳状態によって決められることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された通話可能な範囲内で通信品質を低下させて通話を行うことができることを特徴とする携帯IP電話制御方法。
  4. 通信需要の急増に対して携帯IP電話によって通話できる端末を多くするためにCDMAシステムを利用した携帯IP電話制御システムにおいて、
    交換局または基地局における輻輳状態を観測する実通信要求観測装置と、
    前記実通信要求観測装置によって観測された受付呼数をカウントする受付呼数カウンタと、
    システムの通信容量を記憶するシステム容量メモリと、
    パケット廃棄率の閾値が記憶されているパケット廃棄率閾値メモリと、
    パケット廃棄率を観測するパケット廃棄率観測装置と、
    前記受付呼数カウンタ、システム容量メモリ、パケット廃棄率閾値メモリ、パケット廃棄率観測装置におけるデータに基づいて、呼を受け付けるか否かを判断する呼受付判断装置と、
    前記呼受付判断装置によって呼を受け付けることができると判断した場合、呼を受け付ける呼受付処理装置と、
    から少なくとも構成されている通話可能な範囲内で通信品質を低下させることを特徴とする携帯IP電話制御システム。
  5. 通信需要の急増に対して携帯IP電話によって通話できる端末を多くするためにCDMAシステムを利用した携帯IP電話制御システムにおいて、
    交換局または基地局における輻輳状態を観測する実通信要求観測装置と、
    前記実通信要求観測装置によって観測された受付呼数をカウントする受付呼数カウンタと、
    パケット廃棄率の閾値が記憶されているパケット廃棄率閾値メモリと、
    パケット廃棄率を観測するパケット廃棄率観測装置と、
    前記パケット廃棄率に基づいて発生する強制切断率を観測する強制切断率観測装置と、
    システムを動作させるか否かを決める閾値が記憶されている動作閾値メモリと、
    強制切断をシステムが決定する指標である一定数連続でパケット廃棄が起こる強制切断判別連続パケット廃棄数、または強制切断判別受信SIR劣化時間を調べ、前記強制切断判別連続パケット廃棄数、または前記強制切断判別受信SIR劣化時間の上限を記憶する強制切断判別閾値メモリと、
    前記受付呼数カウンタ、システム容量メモリ、パケット廃棄率閾値メモリ、パケット廃棄率観測装置、強制切断率観測装置、動作閾値メモリ、強制切断判別閾値メモリにおけるデータに基づいて、強制切断判別閾値を増減する強制切断判別閾値増減判断装置と、
    前記強制切断判別閾値増減判断装置によって、強制切断閾値を増減する強制切断閾値増減装置と、
    から少なくとも構成されている通話可能な範囲内で通信品質を低下させることを特徴とする携帯IP電話制御システム。
  6. 前記パケット廃棄率は、受付呼数カウンタの受付呼数によって決められることを特徴とする請求項4または請求項5に記載された携帯IP電話制御システム。
  7. 前記強制切断閾値増減装置は、強制切断閾値増減単位メモリに基づいて増減が行われることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載された携帯IP電話制御システム。
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