JP2007194643A - 基板処理方法及び薬液供給方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面に露光済みの感光性レジスト膜が形成された被処理基板100に対して、現像液供給ノズル111から酸化性又は還元性を有する気体分子が溶解された現像液を供給して感光性レジスト膜の現像を行い、レジスト膜と生成物との親和力の内面分布を抑制し、局所的に現像中に発生する現像速度の違いを低減する。また、反応生成物は現像液中に速やかに拡散され、アルカリ濃度差によって生じる疎密寸法差を低減する。
【選択図】図1
Description
上記課題を解決するために本発明は、次のような構成を採用している。
本発明の薬液供給方法を用いることにより、薬液供給ノズルと被処理基板とのギャップH,薬液供給ノズルからの薬液供給速度Q(μl/sec),薬液供給ノズルの走査速度V(mm/sec),及び前記薬液供給ノズルの吐出口の長さL(mm)を本発明のように設定することにより、被処理基板上に供給された薬液は供給箇所に静止し、膜厚が均一な液膜を形成することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる現像ユニットの概略構成を示す図である。本ユニットは、図1に示すように、上部に被処理基板100が固定される固定台101が、固定台101及び被処理基板100を回転させる回転機構102に接続されている。回転機構102の回転による被処理基板100の回転時に、被処理基板100上の現像液や洗浄液等が周囲に飛散されることを防止するため、被処理基板の周囲を覆う保護カップ103が設置されている。
露光され、熱処理されたポジ型感光性レジストは、現像液に浸漬することにより、露光部が溶解され、非露光部はほとんど溶解されない。現像工程において、感光性レジストの露光部が現像液に触れると、溶解が始まると同時に中和反応による反応生成物が生じる。この反応生成物は現像液中に拡散するが、一部はレジストパターンの間から拡散せずに、レジスト樹脂と弱く結合して、レジストパターン間に留まる。このレジストパターン間に留まった反応生成物は、凝集し、有機パーティクルとなる。露光部の面積が多く、パターン寸法が微細な領域では、これら有機パーティクルが多く存在し、その付近での現像液中のアルカリイオンの濃度を低下させる。その結果、その付近で局所的にレジストパターンの現像速度が遅くなり、現像後のレジストパターンの寸法の均一性を悪化させる。また、これらの有機パーティクルは、レジスト表面に付着し、凝集すると、現像後のレジストパターン上に、欠陥として残る可能性がある。
現像中、感光性レジストの露光部表面の分子と現像液中のアルカリイオンとの間には強い親和力が働くが、一方で感光性レジストの非露光部表面の分子と現像液中のアルカリイオンとの間には、互いに接近することで自由エネルギーが高い状態となるため、斥力が働く。このため、被処理レジスト膜上で露光部と非露光部の面積比が異なる領域では、アルカリイオンのレジスト表面から受ける親和力は大きく異なる。この結果、アルカリイオンがレジスト表面へ到達する量が、露光部と非露光部の面積比により変化し、現像の進行度も変化する。つまり、現像速度が被処理レジスト面上の場所で異なる。このため、現像後のレジストパターン寸法の面内での均一性が悪化する。現像液中に溶け込んだ酸素分子は、現像時レジスト表面に接触すると、レジスト表面を酸化することが知られている。現像の進行しない非露光部のレジスト表面や、現像が進行して形成されたパターンの側壁などに、酸素分子による酸化のため、カルボン酸が生成される。生成されたカルボン酸はアルカリイオンとの間に比較的強い親和力を有しているため、露光部、非露光部の親和力の違いを緩和し、局所的に現像中に発生する現像速度の違いを低減し、現像後の面内均一性を向上させる。
現像中、生成された反応生成物は現像液中で凝集し、次第にそのサイズを大きくしている。第一の作用で、生成された反応生成物は現像液中の酸素により酸化され、分解されることを述べたが、溶け出す反応生成物の量、さらには各々の反応生成物の含む分子数は液中の酸素分子量に比べ多いため、すべてを酸化、分解することはできない。分解されずに残った反応生成物は、液中で凝集の核になりうる。液中に凝集の核となる分子があると、それを中心に液中の反応生成物は凝集を始める。この時の凝集は、特に現像液中という環境下において、反応生成物のどうしの親和力が比較的強いことから起こる。すなわち、反応生成物の表面を構成する分子は、周囲に存在する他の反応生成物の表面分子との間に直接相互作用を及ぼし合うのではなく、現像液中のイオン、分子を介して、状態をより安定化させるために、間接的に引き付け合うと考えられる。現像液中に酸素分子を含ませることで、反応生成物と現像液との界面におけるエネルギーを下げることができる。このため、反応生成物どうしに働く親和力が見かけ上、弱まる方向へ変化する。凝集の核になりうる分子が液中に存在していても、それが実際に核となって凝集を始める確率は、酸素を液中に含んでいないものに比べ、十分低くなっている。このため、酸素を含んだ現像液中では、反応生成物による凝集の発生確率が低減され、また凝集の始まった反応生成物も、凝集を引き起こす親和力が弱まるためその成長速度が緩慢になる。したがって、反応性生成物の凝集が抑制される。
次に、図1に示した現像ユニットにより、現像液として還元性現像液を被処理基板に表面に供給する現像方法について、図5,6を参照しつつ説明する。図5,6は、本発明の第2の実施形態に係わる現像工程を示す工程図である。先ず、被処理基板上に反射防止膜、化学増幅型レジストを塗布し、KrFエキシマレーザを用い、露光用レチクルを介し所望のパターンを縮小投影露光する。被処理基板は、熱処理(PEB)が行われた後、現像ユニットへ搬送され、固定第101上にて保持される(図5(a))。
2.反応生成物の現像液中への拡散の促進
3.反応生成物のレジスト表面への再付着防止
これらの3つの作用について、以下に詳細を述べる。
露光され、熱処理されたポジ型感光性レジストは現像中、レジストの露光部表面の分子と現像液中のアルカリイオンとの間に働く親和力と、レジストの非露光部表面の分子と現像液中のアルカリイオンとの間に働く親和力の強さが異なる。この為に、被処理レジスト膜上で露光部と非露光部との面積比が異なる領域では、現像液中のアルカリイオンがレジスト表面から受ける親和力は大きく異なる。この結果、レジスト表面に流れ込むアルカリイオンの量は、露光部と非露光部の面積比により変化する為に、現像の進行速度が変化する。即ち、現像速度が被処理レジスト面上の場所で異なる。このため、現像後のレジストパターン寸法の均一性が悪化する。
ポジ型レジストは、現像工程において、露光部は現像液に溶解されるのに対し、非露光部はほとんど溶解されない特性を有する。これは感光性レジストの露光部では現像液との中和反応によって生じる反応生成物が現像液中に溶解する為である。しかし、レジスト上で露光部と非露光部の占める面積比が異なる場合は反応生成物の生成量は大きく異なる。例えば、孤立パターンの場合には周囲に広く露光部が存在する為にL/Sパターンに比べ、反応生成物の量は著しく多い。生成した反応生成物はパターン間に留まりやすく、現像液中に拡散されにくい為に、孤立パターン周辺の現像液のアルカリ濃度がL/Sパターンのアルカリ濃度に比べ低くなる。その為、所望のパターン寸法を形成するのに必要とされる時間がパターンによって異なる。即ち、パターンの違いによって現像に必要とされる時間が異なることで、現像後のレジストパターン寸法の疎密寸法差が大きくなることが問題となっている。この疎密差を現像途中に攪拌のみによって反応生成物を完全に除去し、寸法差を改善することは困難である。
現像反応によって生じた反応生成物は1度現像液中に拡散されても、その後、液中で反応生成物間で働く相互作用により凝集する可能性がある。その為、凝集した反応生成物がレジスト上に再付着することで欠陥になることが問題となっている。
図8は、本発明の第3の実施形態に係わるレジスト剥離装置の概略構成を示す図である。
図9は、本発明の第4の実施形態に係わる現像ユニットの概略構成を示す図である。
図13は、本発明の第5の実施形態に係わる現像ユニットの概略構成を示す図である。なお、図13において、図1と同一な部位には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
被処理基板100を現像ユニットへ搬送して、固定台101にて保持した(図16(a))。
次いで、洗浄液供給ノズル121から酸化性液体であるオゾン水を吐出させることで被処理基板上にオゾン水561の液膜を形成した(図16(b))。オゾン水561は、酸化性ガス発生器541でオゾンを生成し、純水を酸化性ガス溶解膜542に通すことで生成した。その後、被処理基板100を回転させてオゾン水561を振り切り、被処理基板100表面を乾燥させる(図16(c))。
次いで、現像液供給ノズル511を被処理基板100の一方の端から他方の端へ走査させながらカーテン状に現像液を吐出させることで、被処理基板100上に現像液膜562を形成した(図17(d))。
次いで、薬液供給ノズル512を被処理基板の一方の端から他方の端へ走査させながらカーテン状に酸化性液体であるオゾン水を吐出させることで現像液膜562の上にオゾン水膜を563形成する(図17(e))。
被処理基板100上に形成された現像液膜562とオゾン水膜563とを十分混ぜ、かつ現像液562中の反応生成物による現像液の濃度むらをなくすため、被処理基板上の整流板104を降下させた後、整流板104を回転させて被処理基板100表面に気流を形成して、その気流により現像液膜とオゾン水膜563とを攪拌する(図17(f))。
所望のパターンが得られる時間が経過した後、被処理基板100を回転させながら洗浄液供給ノズル121より還元性液体である水素水を被処理基板100上へ吐出して、現像を停止させ、現像液及び反応生成物等を洗い流す(図18(g))。
洗浄後、回転機構102により被処理基板100を高速回転させ(図18(h))、乾燥させる(図18(i))。
これにより現像工程を終了し、被処理基板100を回収する。
現像中、感光性レジストの露光部表面の分子と現像液中のアルカリイオンとの間には強い親和力が働くが、一方で感光性レジストの非露光部表面の分子と現像液中のアルカリイオンとの間には、互いに接近することで自由エネルギーが高い状態となるため、斥力が働く。このため、被処理レジスト膜上で露光部と非露光部の面積比が異なる領域では、アルカリイオンのレジスト表面から受ける親和力は大きく異なる。この結果、アルカリイオンがレジスト表面へ到達する量が、露光部と非露光部の面積比により変化し、現像の進行度も変化する。つまり、現像速度が被処理レジスト面上の場所で異なる。このため、現像後のレジストパターン寸法の面内での均一性が悪化する。前処理として用いたオゾン水中のオゾン分子は、レジスト表面に接触すると、レジスト表面を酸化することが知られている。露光部・非露光部のレジスト表面はオゾン分子による酸化のため、カルボン酸が生成される。生成されたカルボン酸はアルカリイオンとの間に比較的強い親和力を有しているため、露光部、非露光部の親和力の違いを緩和し、局所的に現像中に発生する現像速度の違いを低減し、現像後の面内均一性を向上させる。
露光され、熱処理されたポジ型感光性レジストは、現像時、露光部が溶解され、非露光部はほとんど溶解されない。現像工程において、感光性レジストの露光部が現像液に触れると、溶解が始まると同時に中和反応による反応生成物が生じる。この反応生成物は液中へ拡散するが、一部はレジストパターンの間から拡散せずに、レジスト樹脂と弱い結合をし、留まる。このパターン間に留まった反応生成物は、凝集し、有機パーティクルとなる。露光部の面積が多く、パターン寸法が微細な領域では、これら有機パーティクルが多く存在し、その付近での現像液中のアルカリイオンの濃度を低下させる。その結果、その付近で局所的にレジストパターンの現像速度が遅くなり、現像後のレジストパターンの寸法均一性を悪化させる。また、これらの有機パーティクルは、レジスト表面に付着し、凝集すると、現像後のレジストパターン上に、欠陥として残る可能性がある。
基板上に現像液を供給し、酸化性液体を供給し、攪拌を行うことで、次のような作用がある。最初に濃度の高い現像液を供給することによって、大部分の露光領域が現像される。しかし、この際に大量のアルカリが消費され、場所によるアルカリ濃度の差が生じる。その結果、場所によって現像速度が変化し、寸法ばらつきが生じる。その後攪拌によりアルカリ濃度を回復させても、濃度が全体として高くなるため、攪拌前に現像が進んでいる場所、進んでいない場所にかかわらず、さらに現像が促進され、結果として、最初の寸法差を残したまま現像が進んでしまう。しかし、現像液供給後、酸化性液体を供給し、攪拌することによって、アルカリ濃度が全体として低下した状態で濃度が均一になるため、光学像が弱いところまで現像が進んでいるところでは、現像が促進されず、逆に、まだ光学像が比較的強いところまでしか現像が進んでいないところでは、現像が進むというように、溶解コントラストが増大される。その結果、最初の濃度ばらつきに起因するような寸法ばらつきが大きく低減される。
現像中、生成された反応生成物は現像液中で凝集し、次第にそのサイズを大きくしている。酸化性液体を含んだ現像液の第一の作用で、生成された反応生成物は現像液中の酸素により酸化され、分解されることを述べたが、溶け出す反応生成物の量、さらには各々の反応生成物の含む分子数は液中の酸素分子量に比べ多いため、すべてを酸化、分解することはできない。分解されずに残った反応生成物は、液中で凝集の核になりうる。液中に凝集の核となる分子があると、それを中心に液中の反応生成物は凝集を始める。この時の凝集は、特に現像液中という環境下において、反応生成物のどうしの親和力が比較的強いことから起こる。すなわち、反応生成物の表面を構成する分子は、周囲に存在する他の反応生成物の表面分子との間に直接相互作用を及ぼし合うのではなく、現像液中のイオン、分子を介して、状態をより安定化させるために、間接的に引き付け合うと考えられる。現像液中に酸素分子を含ませることで、反応生成物と現像液との界面におけるエネルギーを下げることができる。このため、反応生成物どうしに働く親和力が見かけ上、弱まる方向へ変化する。凝集の核になりうる分子が液中に存在していても、それが実際に核となって凝集を始める確率は、酸素を液中に含んでいないものに比べ、十分低くなっている。このため、酸素を含んだ現像液中では、反応生成物による凝集の発生確率が低減され、また凝集の始まった反応生成物も、凝集を引き起こす親和力が弱まるためその成長速度が緩慢になる。したがって、反応性生成物の凝集が抑制される。
現像反応によって生じた反応生成物は現像液中の酸素分子で分解され、現像液中に拡散されても、洗浄工程で、反応生成物間とレジスト表面で働く相互作用により、反応性生物がレジスト上に欠陥として再付着する場合がある。
本実施形態で用いた現像ユニット及び溶液供給系の構成は、それぞれ第5の実施形態で示したものと同様なので説明を省略する。
被処理基板100を現像ユニットへ搬送して、固定台101にて保持する(図20(a))。
次いで、洗浄液供給ノズル121から還元性液体である水素水を吐出させることで被処理基板上に水素水661の液膜を形成した(図20(b))。水素水661は、還元性ガス発生器551で水素を生成し、純水を還元性ガス溶解膜552に通すことで生成した。その後、被処理基板100を回転させて水素水661を振り切り、被処理基板100表面を乾燥させた(図20(c))。
次いで、現像液供給ノズル511を被処理基板100の一方の端から他方の端へ走査させながらカーテン状に現像液を吐出させることで、被処理基板100上に現像液膜662を形成する(図21(d))。
次いで、薬液供給ノズル512を被処理基板の一方の端から他方の端へ走査させながらカーテン状に還元性液体である水素水を吐出させることで現像液膜662の上に水素水膜を663形成する(図21(e))。
被処理基板100上に形成された現像液膜662と水素水膜663とを十分混ぜ、かつ現像液662中の反応生成物による現像液の濃度むらをなくすため、被処理基板上の整流板104を降下させた後、整流板104を回転させて被処理基板100表面に気流を形成して、その気流により現像液膜と水素水膜663とを攪拌し、混合溶液664を形成する(図21(f))。
所望のパターンが得られる時間が経過した後、被処理基板100を回転させながら洗浄液供給ノズル121より還元性液体である水素水を被処理基板100上へ吐出して、現像を停止させ、現像液及び反応生成物等を洗い流す(図22(g))。
洗浄後、回転機構102により被処理基板100を高速回転させ(図22(h))、乾燥させる(図22(i))。
これにより現像工程を終了し、被処理基板100を回収する。
露光され、熱処理されたポジ型感光性レジストは現像中、レジストの露光部表面の分子と現像液中のアルカリイオンとの間に働く親和力とレジストの非露光部表面の分子と現像液中のアルカリイオンとの間に働く親和力の強さが異なる。この為に、被処理レジスト膜上で露光部と非露光部の面積比が異なる領域では、アルカリイオンがレジスト表面から受ける親和力は大きく異なる。この結果、レジスト表面に流れ込むアルカリイオンの量は、露光部と非露光部の面積比により変化する為に、現像の進行速度が変化する。即ち、現像速度が被処理レジスト面上の場所で異なる。このため、現像後のレジストパターン寸法の均一性が悪化する。
ポジ型レジストは現像工程において露光部は現像液に溶解されるのに対し、非露光部はほとんど溶解されない特性を有する。これは感光性レジストの露光部では現像液との中和反応によって生じる反応生成物が現像液中に溶解する為である。しかし、被処理レジスト上で露光部と非露光部の占める面積比が異なる場合は反応生成物の生成量は大きく異なる。例えば、孤立パターンの場合には周囲に広く露光部が存在する為にL/Sパターンに比べ、反応生成物の量は著しく多い。生成した反応生成物はパターン間に留まりやすく、現像液中に拡散されにくい為に、孤立パターン周辺の現像液のアルカリ濃度がL/Sパターンのアルカリ濃度に比べ低くなる。その為、所望のパターン寸法を形成するのに必要とされる時間がパターンによって異なる。即ち、パターンの違いによって現像に必要とされる時間が異なることで、現像後のレジストパターン寸法の疎密寸法差が大きくなることが問題となっている。この疎密差を現像途中に攪拌のみによって反応生成物を完全に除去し、寸法差を改善することは困難である。
基板上に現像液を供給し、還元性液体を供給し、攪拌を行うことで、次のような作用がある。最初に濃度の高い現像液を供給することによって、大部分の露光領域が現像される。しかし、この際に大量のアルカリが消費され、場所によるアルカリ濃度の差が生じる。その結果、場所によって現像速度が変化し、寸法ばらつきが生じる。その後攪拌によりアルカリ濃度を回復させても、濃度が全体として高くなるため、攪拌前に現像が進んでいる場所、進んでいない場所にかかわらず、さらに現像が促進され、結果として、最初の寸法差を残したまま現像が進んでしまう。しかし、現像液供給後、還元性液体を供給し、攪拌することによって、アルカリ濃度が全体として低下した状態で濃度が均一になるため、光学像が弱いところまで現像が進んでいるところでは、現像が促進されず、逆に、まだ光学像が比較的強いところまでしか現像が進んでいないところでは、現像が進むというように、溶解コントラストが増大される。その結果、最初の濃度ばらつきに起因するような寸法ばらつきが大きく低減される。
現像反応によって生じた反応生成物は1度現像液中に拡散されても、その後、液中で反応生成物間で働く相互作用により凝集する可能性がある。その為、凝集した反応生成物がレジスト上に再付着することで欠陥になることが問題となっている。
露光され、熱処理されたポジ型感光性レジストは、現像時、露光部が溶解され、非露光部はほとんど溶解されない。現像工程において、感光性レジストの露光部が現像液に触れ、溶解が始まると同時に中和反応による反応生成物が生じる。この反応生成物は液中へ拡散するが、一部はレジストパターンの間から拡散せずに、レジスト樹脂と弱い結合をし、留まる。このパターン間に留まった反応生成物は、凝集し、有機パーティクルとなる。これらの有機パーティクルは、レジスト表面に付着し、凝集すると、現像後のレジストパターン上に、欠陥として残る可能性がある。
図23は、本発明の第7の実施形態に係る薬液処理方法の処理手順を示すフローチャートである。また、図24〜図27は、本発明の第7の実施形態に係わる薬液処理方法を示す工程図である。
表面に塗布された反射防止膜、化学増幅型レジストに、KrFエキシマレーザを用い、露光用レチクルを介し所望のパターンが縮小投影露光した後、加熱処理(PEB)された被処理基板700は、図示されない搬送ロボットにより現像ユニットに搬送され、吸引により固定台701に保持される(図24)。
次いで、図25(a)、(b)に示すように、直線状の現像液供給ノズル711を被処理基板700の一方の端から他方の端へ走査させながら、現像液供給ノズル711の供給口カーテン状に現像液を吐出させることで、被処理基板700上に現像液膜762を形成する。なお、図25(a)は本発明の第7の実施形態に係わる薬液処理方法の一部を示す断面図、図25(b)は図25(a)の平面図である。本実施形態の現像液供給ノズル711は、走査方向に対して垂直な方向(図面奥行き方向)の供給量分布が一定に保たれているものである。
d=Q/(V×L)…(2)
(ステップS703:洗浄工程)
液膜形成後、所定時間経過した後に図26に示すように、被処理基板700の上方に配置されたリンスノズル721からリンス液(例えば純水)732を供給し、回転機構702により被処理基板700を回転させながら被処理基板700を洗浄する。
さらに、図27に示すように、被処理基板700を高速回転させることでリンス液を振り払い、被処理基板700を乾燥させる。
そして、乾燥が終了した被処理基板700を図示されない搬送ロボットにより現像ユニットの外部に搬出する。
本実施形態では、第7の実施形態で示した制御に加えて、さらなる制御を加えて均一な液膜を形成する方法について説明する。現像液の形成方法は、第7の実施形態と同様なので、その説明を省略する。現像液の供給工程における制御ついてのみ説明する。
d=Q/(V×L)…(2)
ここで、このノズル走査速度V(mm/sec)、薬液供給速度Q(μl/sec)を制御する方法について述べる。
V=V0{1−α’×(dl/l)}…(4)
ここで、ウェハ中央での薬液供給速度Q0(μl/sec)、ノズル走査速度V0(mm/sec)、ギャップH(mm)を式(1)及び式(2)を満たすように設定した上で、被処理基板上にあるノズルの位置に応じて薬液供給速度Q(μl/sec)、あるいはノズル走査速度V(mm/sec)を制御する。具体的には、現像液供給ノズル711の供給口の長さL(mm)、ウェハ半径をr(mm)、ノズル走査速度をV(mm/sec)、形成される液膜厚をd(mm)、ウェハ中央からの走査ノズル位置をx(mm)(−r≦x≦r)、ノズルが基板上を通過する単位距離(dx)だけ移動した時の、前記薬液が供給されている部分の被処理基板の長さl(mm)の変化量(dl/l)、α及びα’をそれぞれ薬液供給速度、及びノズル走査速度の制御因子とする。
101…固定台
102…回転機構
103…保護カップ
104…整流板
111…現像液供給ノズル
112…パイプ
113…現像タンク
114…酸化性ガス溶解機構
114a…酸化性ガス発生器
114b…酸化性ガス溶解膜
115…還元性ガス溶解機構
115a…還元性ガス発生器
115b…還元性ガス溶解膜
121…洗浄液供給ノズル
122…純水輸送ライン
Claims (20)
- 被処理基板上に感光性レジスト膜を塗布する工程と、前記感光性レジスト膜を露光する工程と、露光された前記感光性レジスト膜の表面に対して還元作用を有する液体を供給して前処理を行う工程と、前記前処理が行われた感光性レジスト膜を現像する工程と、前記被処理基板上に洗浄液を供給して、該基板を洗浄する工程とを含むことを特徴とする基板処理方法。
- 前記還元作用を有する液体が、水素、H2S、HNO3、H2SOの少なくとも1種類を含む水溶液であることを特徴とする請求項1に記載の基板処理方法。
- 前記感光性レジスト膜に対して現像液供給ノズルから現像液を吐出しつつ、前記被処理基板と前記現像液供給ノズルとを相対的に移動させて、感光性レジスト膜表面に現像液膜を形成して、前記感光性レジスト膜を現像することを特徴とする請求項1に記載の基板処理方法。
- 前記現像液膜を攪拌しつつ、前記感光性レジスト膜の現像を行うことを特徴とする請求項3に記載の基板処理方法。
- 前記前処理後、前記感光性レジスト膜表面から前記液体を除去し、該レジスト膜の表面を乾燥させてから、前記感光性レジスト膜の現像を行うことを特徴とする請求項1に記載の基板処理方法。
- 前記前処理後、前記感光性レジスト膜の表面に前記液体が残存する状態で、該レジスト膜表面に前記現像液膜を形成した後、残存する液体と該現像液とを攪拌して、前記感光性レジスト膜の現像を行うことを特徴とする請求項3に記載の基板処理方法。
- 被処理基板上に感光性レジスト膜を塗布する工程と、前記感光性レジスト膜に対して露光を行う工程と、前記感光性レジスト膜に対して現像液を供給して、現像液膜を形成する工程と、前記液膜の形成された被処理基板上に酸化性又は還元性を有する機能性液体を供給した後、該機能性液体と前記現像液膜とを流動させる工程と、前記被処理基板の表面に洗浄液を供給して、該基板を洗浄する工程とを含むことを特徴とする基板処理方法。
- 前記洗浄液として、酸化性又は還元性を有する洗浄液を前記被処理基板表面に供給することを特徴とする請求項7記載の基板処理方法。
- 前記酸化性を有する機能性液体として、オゾン、酸素、一酸化炭素、及び過酸化水素の少なくとも1種類を含む水溶液を用いることを特徴とした請求項7記載の基板処理方法。
- 前記還元性を有する機能性液体として、水素、H2S、HNO3、及びH2SO3の少なくとも1種類を含む水溶液を用いることを特徴とした請求項7記載の基板処理方法。
- 前記感光性レジスト膜に対して現像液供給ノズルから現像液を吐出しつつ、前記被処理基板と前記現像液供給ノズルとを相対的に移動させて、前記感光性レジスト膜の表面に前記現像液膜を形成することを特徴とする請求項7に記載の基板処理方法。
- 前記感光性レジスト膜に対して機能性液体供給ノズルから前記機能性液体を吐出しつつ、前記被処理基板と前記機能性液体供給ノズルとを相対的に移動させて、前記感光性レジスト膜表面に機能性液体膜を形成することを特徴とする請求項7に記載の基板処理方法。
- 直線状の薬液供給ノズルを被処理基板の一端から他端に走査させつつ、該薬液供給ノズルから薬液を被処理基板上に供給することで被処理基板上に薬液膜を形成する薬液供給方法において、前記被処理基板上に形成される薬液膜の膜厚dと前記薬液供給ノズルの供給位置と被処理基板とのギャップHとがほぼ等しくなるように、薬液ノズルの供給量及び前記薬液供給ノズルの走査速度の少なくとも一方を制御することを特徴とする薬液供給方法。
- 直線状の薬液供給ノズルを被処理基板の一端から他端に走査させつつ、該薬液供給ノズルから薬液を被処理基板上に供給することで被処理基板上に薬液膜を形成する薬液供給方法において、前記薬液供給ノズルの供給位置と被処理基板とのギャップH(mm)を、前記薬液供給ノズルからの薬液供給速度Q(μl/sec)を前記薬液供給ノズルの走査速度V(mm/sec)と前記薬液供給ノズルの吐出口の長さL(mm)との積で除した値に設定することを特徴とする薬液供給方法。
- 直線状の薬液供給ノズルを被処理基板の一端から他端に走査させつつ、該薬液供給ノズルから薬液を被処理基板上に供給することで被処理基板上に薬液膜を形成する薬液供給方法において、前記薬液供給速度Q(μl/sec)を、前記薬液供給ノズルの供給位置と被処理基板とのギャップH(mm)と前記薬液供給ノズルの走査速度V(mm/sec)と前記薬液供給ノズルの吐出口の長さL(mm)との積に設定することを特徴とする薬液供給方法。
- 前記薬液供給ノズルの走査に伴う前記薬液が供給されている部分の被処理基板の長さlの変化が増加傾向にある場合は、前記薬液供給ノズルの走査に伴って前記薬液供給速度Q(μl/sec)を増加させ、かつ、前記長さlの変化が減少傾向にある場合は、前記薬液供給ノズルの走査に伴って前記薬液供給速度Q(μl/sec)を低下させることを特徴とする請求項15に記載の薬液供給方法。
- 被処理基板中央からの前記薬液供給ノズルの位置x(mm)での薬液供給速度Q(μl/sec)を、前記薬液供給ノズルが被処理基板中央に位置するときの薬液供給速度Q0(μl/sec)と、前記薬液供給ノズルが被処理基板上を単位距離(dx)だけ移動した時の前記薬液が供給されている部分の被処理基板の長さl(mm)の変化量(dl/l)との積に応じた値に制御することを特徴とする請求項16に記載の薬液供給方法。
- 直線状の薬液供給ノズルを被処理基板の一端から他端に走査させることで被処理基板上に薬液膜を形成する薬液供給方法において、前記薬液供給ノズルの走査速度V(mm/sec)を、前記薬液供給ノズルからの薬液供給速度Q(μl/sec)を前記薬液供給ノズルの供給位置と被処理基板とのギャップH(mm)と、前記薬液供給ノズルの吐出口の長さL(mm)との積で除した値に応じた値に設定することを特徴とする薬液供給方法。
- 前記薬液供給ノズルの走査に伴う前記薬液が供給されている部分の被処理基板の長さlの変化が増加傾向にある場合は、前記薬液供給ノズルの走査に伴って前記走査速度が減少させ、かつ、前記長さlの変化が減少傾向にある場合は、前記薬液供給ノズルの走査に伴って前記走査速度を増加させることを特徴とする請求項17に記載の薬液供給方法。
- 被処理基板中央からの前記薬液供給ノズルの位置x(mm)でのノズル走査速度V(mm/sec)を、前記薬液供給ノズルが被処理基板中央に位置するときの走査速度V0(mm/sec)と、前記薬液供給ノズルが被処理基板上を単位距離(dx)だけ移動した時の前記薬液が供給されている部分の被処理基板の長さl(mm)の変化量(dl/l)との積の値に応じて補正することを特徴とする請求項19に記載の薬液供給方法。
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