JP2003255557A - 現像方法 - Google Patents

現像方法

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JP2003255557A JP2002057764A JP2002057764A JP2003255557A JP 2003255557 A JP2003255557 A JP 2003255557A JP 2002057764 A JP2002057764 A JP 2002057764A JP 2002057764 A JP2002057764 A JP 2002057764A JP 2003255557 A JP2003255557 A JP 2003255557A
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photosensitive resist
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】現像時にレジストパターン寸法の面内均一性の
向上を図る。 【解決手段】露光された前記感光性レジスト膜に対して
第1の現像処理を行う工程と、第1の現像処理が行われ
ている感光性レジスト膜に対して、前記レジスト表面に
対し酸化性を有する、若しくはアルカリ性である洗浄液
を供給して第1の洗浄処理を行う工程と、第1の洗浄処
理がなされた前記感光性レジスト膜に対して第2の現像
処理を行う工程と、第2の現像処理が行われた前記感光
性レジスト膜に対して第2の洗浄処理を行う工程とを含
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイス、
電子回路部品、液晶表示素子等の製造に於ける、リソグ
ラフィ工程に関し、特に感光性レジスト膜を現像する現
像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の寸法の微細化に伴い、従来
現像方法ではパターン間に現像液が十分染み込まないた
めチップ内の局所的なパターン寸法の不均一性が問題と
なっている。また、基板の大口径化に伴い、従来の現像
方法では、基板面内でのパターン寸法の不均一性が生
じ、大きな問題となっている。
【0003】一般に半導体の製造プロセスにおいては感
光性レジストの現像液としてテトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド(TMAH)などのアルカリ性の水溶液が
用いられている。現像液は水溶液であることから、疎水
性である感光性レジスト表面に対して濡れ性が十分でな
い。そのため、中和反応の結果生じる反応生成物が表面
近傍にある場合に、現像液が反応生成物と感光性レジス
ト表面の間に拡散しにくく、アルカリイオン濃度が局所
的に異なり、結果として現像速度が場所により異なるこ
とが観測されている。
【0004】例えば、広い溶解領域内に配置されている
パターンとほとんど周囲が溶解されない領域に配置され
ているパターンが存在する場合に、広い溶解領域内に配
置されているパターンでは、パターン近傍に存在する反
応生成物の量が多く現像液が反応生成物と感光性レジス
トの間に拡散しにくいため、現像の進行が妨げられ、ほ
とんど周囲が溶解されない領域に配置されているパター
ンと比較してライン寸法が太くなってしまうという問題
(疎密パターンの寸法差)があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、パタ
ーンの密度に応じて寸法差が生じてしまい、レジストパ
ターン寸法の面内均一性が悪化するという問題があっ
た。
【0006】本発明の目的は、レジストパターン寸法の
面内均一性の向上を図り得る現像方法及び半導体装置の
製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために以下のように構成されている。
【0008】(1)本発明に係わる現像方法は、所望の
パターンが露光された感光性レジスト膜の現像を行う現
像方法であって、露光された前記感光性レジスト膜に対
して第1の現像処理を行う工程と、第1の現像処理が行
われている感光性レジスト膜に対して、前記レジスト表
面に対し酸化性を有する、若しくはアルカリ性である洗
浄液を供給して第1の洗浄処理を行う工程と、第1の洗
浄処理がなされた前記感光性レジスト膜に対して第2の
現像処理を行う工程と、第2の現像処理が行われた前記
感光性レジスト膜に対して第2の洗浄処理を行う工程と
を含む。
【0009】(2)本発明に係わる現像方法は、所望の
パターンが露光された感光性レジスト膜の現像を行う現
像方法であって、前記感光性レジスト膜に対して現像液
を供給する工程と、前記感光性レジスト膜上の現像液を
流動させる工程とを含み、前記現像液を流動させる工程
の開始時間と終了時間の間に、前記現像液に対して可溶
な前記感光性レジスト膜の領域の底面に現像液が達する
抜け時間が含まれる。
【0010】(3)本発明に係わる現像方法は、所望の
パターンが露光された感光性レジスト膜の現像を行う現
像方法であって、前記感光性レジスト膜上に現像液を供
給する工程と、前記感光性レジスト膜上の現像液を流動
させる工程とを含み、前記現像液を流動させる工程の開
始時間は、現像液が対象パターンの可溶領域の底面まで
進行する時間の後である。
【0011】(4)本発明に係わる現像方法は、露光さ
れた感光性レジスト膜を現像する際に用いる現像液供給
ノズルの洗浄方法であって、被処理基板上に現像液を供
給する現像液供給ノズルに酸化性液体を供給して洗浄す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に図面
を参照して説明する。
【0013】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態に係る現像処理方法の処理手順のフローチャ
ートを示す図である。また、図2から6は本発明の第1
の実施形態に係る現像処理方法の処理手順を示す工程図
である。
【0014】図1から5を用いて本発明の第1の実施形
態に係る現像方法を説明する。
【0015】(ステップS101)図2に示すように、
半導体基板を含む被処理基板100には、主面上に反射
防止膜を介して化学増幅型レジスト(感光性レジスト
膜)が塗布形成され、化学増幅型レジスト膜にはKrFエ
キシマレーザーを用い、露光用レチクルを介し回路パタ
ーンが縮小投影露光されている。被処理基板100に対
してPEB処理を行った後、搬送ロボットにより、被処
理基板100は現像装置の基板保持部101の上部に搬
送され、基板保持部101に吸引固定される。リンス
時、及び乾燥時等、必要に応じて回転機構102により
被処理基板100を回転させる。
【0016】本実施形態に係る現像装置は、さらにリン
スノズル103、及び現像液供給ノズル104、現像液
供給ノズル104を基板100の一端から他端へ向かっ
て走査させる走査機構を具備する。リンスノズル103
は、被処理基板100のリンス時または、現像停止時
に、吐出口から超純水、オゾン水、酸素水等の酸化性を
有する液体や弱アルカリ性の液体を吐出する。現像液供
給ノズル104は被処理基板100の最長径よりも長い
辺を持ち、基板100に現像液を均一に供給する。な
お、リンスノズルは、吐出する酸化性液体若しくは弱ア
ルカリ性液体による被処理基板主面の感光性レジストへ
のダメージを防ぎ、該洗浄液の作用を該基板上で均一に
するため、吐出される洗浄液を揺動させる機構と、ノズ
ル吐出口内部に洗浄液の勢いが局所的に強くなるのを妨
げる緩和機構を有することが望ましい。
【0017】(ステップS102)次に、図3(a)に
示すように、被処理基板100から所定の高さのところ
にリンスノズル103を移動させる。回転機構102に
より被処理基板100を回転させつつ、リンスノズル1
03から被処理基板100に、前処理液としてオゾン濃
度5ppm以下のオゾン水106を2秒程度吐出する。
その間、リンスノズル103は基板100主面上を動
き、オゾン水106を揺動させ、基板100主面上にな
るべく均一に供給する。次いで、図3(b)に示すよう
に、被処理基板100を回転させ、基板100表面を乾
燥させる。
【0018】ここでは、被処理基板上に均一に液膜を形
成するために、前処理工程を行っているが、この前処理
工程は必ずしも必要ではない。また、オゾン水よりも液
膜を均一に形成することが可能であれば前処理液とし
て、酸素水、水素水、硝酸、及び過酸化水素、アルカリ
イオン水等を用いても構わない。
【0019】(ステップS103)次いで、図4
(a)、(b)に示すように、第1の現像処理として、
被処理基板100上の感光性レジスト膜を加工する現像
液の膜を被処理基板100上に形成する。ここでは、直
線状現像液吐出ノズル104を被処理基板100の一方
の端から他方の端へ走査させ、カーテン状に現像液10
7を吐出させることで基板100上に現像液膜107を
形成する。図4(b)に示すように、現像液供給ノズル
104の走査方向に直交する方向の長さは、被処理基板
100の直径より長いので、被処理基板100の全面に
現像液107の膜を形成することができる。
【0020】現像液膜形成工程は、ここで示した方法に
限定されるものではない。例えば、図5(a),(b)
に示すように、直線状の現像液供給ノズル104から現
像液を供給しながら、被処理基板100を回転させて被
処理基板100の全面に現像液膜107を形成する方法
がある。図5は、本願発明の第1の実施形態に係わる現
像液膜形成方法の変形例を示す図である。図5(a)は
断面図、図5(b)は平面図である。
【0021】また、図6(a),(b)に示すように、
直管状のノズル112から被処理基板100に対して現
像液107を供給しながら、被処理基板100を回転さ
せて基板100全面に現像液膜107を形成する方法な
どがある。ここで示した方法以外にも、さまざまな形態
を取りうる。図6は、本願発明の第1の実施形態に係わ
る現像液膜形成方法の変形例を示す図である。図6
(a)は断面図、図6(b)は平面図である。
【0022】(ステップS104,)第1の洗浄処理と
して、被処理基板主面に現像液膜を形成してから約5秒
で、リンスノズル103から、純水を吐出すると同時に
基板を回転させ、被処理基板100上の現像液膜を洗い
流す。引き続き、基板100を低速で回転させながら、
低濃度オゾン水を吐出した。
【0023】(ステップS105)次いで、被処理基板
100を高速回転させ、基板100表面を乾燥させた。
【0024】リンスノズル103から、低濃度オゾン水
を吐出すると同時に基板を回転させ約10秒間、低濃度オ
ゾン水により洗浄を行った後、被処理基板を高速回転さ
せ、基板を乾燥させても良い。
【0025】酸化性を有する洗浄液として、本実施形態
ではレジストに許容範囲以上のダメージを与えない程度
の低濃度オゾン水を用いた。同様の効果があれば、酸化
性を有する洗浄液として、純水に酸素を溶解させた酸素
水等を用いてもよい。さらに、同様の効果があり、レジ
ストに許容値以上のダメージ与えなければ、弱アルカリ
性水溶液を用いてもよい。
【0026】(ステップS106)次いで、第2の現像
処理として、被処理基板100上のレジスト膜を加工す
る現像液を被処理基板100上に形成する。ここでは、
直線状現像液吐出ノズルを基板の一方の端から他方の端
へ走査させ、カーテン状に現像液を吐出させることで基
板上の現像液膜を形成した。
【0027】必要ならば第2の現像処理の最中に被処理
基板主面上で現像液を攪拌してもよい。その場合、例え
ば、形成された現像液膜の攪拌方法は、被処理基板上に
整流板を配置し、該整流板を回転させることで気流を発
生させ行う方法や、基板自体を回転させる方法や、外部
からの振動子により液体に振動を与える方法等、現像液
を基板全面で流動させる作用があるならばどのような方
法でもよい。
【0028】(ステップS107)第2の洗浄処理とし
て、被処理基板100主面に現像液膜を形成してから約
25秒で、リンスノズル103から、純水を吐出すると
同時に基板100を500rpmで回転させた。なお、
第2の現像後の洗浄液として、本実施形態では、純水を
用いたが、より高い洗浄効果があるのであれば、洗浄液
として還元性液体、酸化性液体(オゾン水、酸素水)、
弱アルカリイオン水、弱酸性イオン水、超臨界水、炭酸
水、水素水、純水など、どれを用いても構わない。ま
た、洗浄効果が高めらるのであれば、これらの液を適宜
組み合わせることも可能である。
【0029】(ステップS108,S109)被処理基
板を高速回転させ、基板を乾燥させた後、現像工程を終
了し搬送ロボットにより基板を回収する。
【0030】従来の現像方法の問題点及びその原因を説
明する。化学増幅型の感光性レジストは、所望パターン
の露光と熱処理により、レジスト膜中に微細なアルカリ
可溶領域とアルカリ難溶領域とが形成される。これらア
ルカリ可溶領域及びアルカリ難溶領域がアルカリ現像液
に接触すると、通常のKrFレジストの一般的な現像工
程に要する時間においては、アルカリ可溶領域はアルカ
リに溶解し、アルカリ難溶領域は溶解しない。現像中に
アルカリ可溶領域から発生した反応生成物は、アルカリ
難溶領域であるレジストパターン間に挟まれ、レジスト
難溶領域及び、同様に溶解した反応生成物からの分子間
の相互作用を受け、その場に留まる。特に加工寸法が微
細になると、レジストパターン寸法も微細になり、した
がってアルカリ可溶領域のアルカリ難溶領域と寸法も小
さくなり、分子間の相互作用は強くなりますます液中雰
囲気へ拡散しにくくなる。また、反応生成物は、基板か
らの静電ポテンシャルにより、溶解後もその場に留まる
よう、束縛力が作用する。この結果、アルカリイオンが
更に可溶レジスト領域へ拡散するのが妨げられ、レジス
ト表面付近ではアルカリ濃度が場所により異なるととも
に、現像は阻害され現像速度が場所により変化する。
【0031】被処理基板上に現像液を盛り静止させ、所
定の時間経過後直ちに被処理基板上の現像液を洗浄液
(純水)で置換し、現像を停止させていた。この方法で
は、上記のような反応生成物の局所的な停滞が基板面内
で起こり、現像終了までそれを除去しないため、現像が
阻害され、面内で現像の速度に差が生じる。特に反応生
成物の量の多少に応じて現像速度が変わるため、パター
ンの疎な領域と密な領域とでは発生する反応生成物の量
が異なる。そのためアルカリイオン濃度がパターンの疎
な領域と密な領域のレジスト表面近傍では異なるという
現象が起こり、つまり、パターンの疎な領域と密な領域
のレジスト表面近傍で現像速度が異なるという現象が起
こる。この結果、レジストパターンに寸法の疎密差の問
題が発生している。
【0032】上記の問題に対し、現像途中で反応生成物
を一度除去し再度フレッシュな現像液により現像を行う
ことを考えた。しかし、現像を2度に分けて行う方法は
周知の技術であり、例えば特開平2−46464号公報
に公開されている。特開平2−46464号公報では一
度現像液で現像を行った後、リンス乾燥し、再度濃度の
濃い現像液にて現像を行っている。発明者は、これによ
り、レジストパターンの底部のレジスト残渣やスカムが
除去されるとしている。これら残渣やスカムはレジスト
の未溶解部であり、一度目の現像後の洗浄で除去する対
象である現像により生じる反応生成物ではない。これら
レジスト底面の残渣やスカムは現像後には欠陥となる可
能性のある、いわば特異点であり、面内の均一性にはほ
ぼ寄与しない。したがって、上記の特開平2−4646
4号公報では従来現像での問題を解決していない。ま
た、特に記述はないが、この場合のリンス液とは、通常
純水を指している。この点が本実施形態に示した方法と
の大きな相違である。
【0033】一般に、一度目の現像後、第1の洗浄処理
に純水により洗浄を行った場合、pHの高い現像液から
pH7の純水へ置換され、レジスト表面では急激なpH
変化が生じ、アルカリ難溶化層が形成される。このた
め、反応生成物のきれいに除去されたパターンの二度目
の現像では、この難溶化層からアルカリによる溶解が均
一に始まり、最終的にこの一度目の現像から洗浄に置換
される際に形成された難溶化層の表面形状を反映したま
ま残る。一方、現像液から洗浄液に置換される際に形成
された難溶化層は露光時の露光量バラツキやフォーカス
バラツキ、現像初期の現像速度バラツキ等の影響を強く
反映しており、一般に均一性は悪い。したがって、現像
後に形成されるレジストパターンの基板面内の寸法均一
性は通常の一度だけの現像よりも悪化する。したがっ
て、上記特開平2−46464号公報の方法では、従来
の現像法による問題を解決しないばかりか、基板面内の
寸法均一性は悪化することがわかる。
【0034】本実施形態に示した現像方法では、第1の
現像処理と第2の現像処理の間に、オゾン水等の酸化性
を有する液体により処理を行うことを特徴としている。
初めに純水で洗浄した後引き続いてオゾン水で洗浄した
場合には、現像液から純水に触れることで形成された表
面難溶化層をオゾン水処理することで、表面を酸化する
ことで改質する。あるいはオゾン濃度を僅かに高め表面
を僅かに分解することにより、表面の難溶化をアルカリ
に対し可溶にする。一方、初めからオゾン水を用いて洗
浄した場合、現像液で膨潤しているレジスト表面に容易
にオゾン分子が入り込み酸化させるため、pHが低下し
ても、ほとんどレジスト表面を難溶化させず、アルカリ
に対し可溶性を保つ。どちらの場合でも、引き続き第2
の現像を行うと、一度目の現像に拘わらず、露光時の光
学プロファイルに忠実に現像し、レジストパターンを形
成する。さらに現像時間を従来現像と同程度の長さで行
えば、反応生成物の影響も、表面難溶化層に影響も受け
ず、十分に現像が進むので、露光時の露光量、フォーカ
スバラツキ等の影響は緩和され、現像後のレジストパタ
ーンの面内の寸法均一性は向上される。また、オゾン水
等の酸化性液体で洗浄することにより、未形成のレジス
トパターン間に存在する反応生成物を分解し、きれいに
除去することができる。さらに現像後に欠陥に成りうる
パーティクルも除去することが可能である。
【0035】また、第1の現像から第1の洗浄液を吐出
する時間を本実施形態では約5秒としたが、これは以下
の理由による。図7に、KrFポジ型レジスト膜の現像
液による溶解の様子を観察した際得られる、時間に対す
る反射光強度のグラフを模式的に示す。図7グラフ中の
第1段階に見られる正弦波は現像が膜厚の深さ方向に進
行しているために起こる膜厚による干渉効果である。一
般にレジストは現像開始直後のこの第1段階では、図8
(a)に示すように、レジスト膜130の露光部131
の可溶領域で溶解速度が高く、溶解は深さ方向に進行
し、レジストの底面まで抜けるまでDUV露光用ポジ型
レジストで5〜10秒程度要する。第2段階では、図8
(b)に示すように、現像がレジスト膜厚の深さ方向で
はなく、レジストパターン側壁を溶解する方向へ進む。
このときの反射強度は緩やかに変化する。この第2段階
では、溶解速度は低くなり、レジストパターンの側壁を
所望の寸法まで溶解するため、溶解方向は比較的水平方
向に進行する。
【0036】このように第1段階でレジストの溶解が深
さ方向に進み、第2段階で横方向へ進むのは、投影式の
露光に不可避な光の回折による露光強度分布により露光
部から非露光部にかけて緩やかに露光強度が変化するた
めである。この露光強度の分布により、露光量の強い、
つまり十分に露光されている、パターンとパターンの中
間部は現像時にもっとも速く抜けるため、深さ方向に急
激に進む第1段階のような現像となる。一方、露光量の
少ない、パターン壁近傍では中間部に比べて現像速度が
遅くなるため、穏やかに横方向へ進行する第2段階に示
すような現像となる。この第1段階の段階で、通常現像
において現像を阻害する溶解性生物のほとんどが発生す
る。
【0037】本実施形態では、第1の現像から第1の洗
浄液を吐出する時間を現像開始約5秒後としたが、これ
はこの第1段階から第2段階へ切り替わるところ、つま
り現像が溶解部で逆さ方向へ進行し、レジストの底面ま
で抜けるところである。このようなタイミングにしたの
は以下の理由による。
【0038】この第1段階で一度発生した溶解生成物
を、第1段階から第2段階へ変わる際に洗い流すことで
現像の進行を阻害する溶解生成物によるアルカリ濃度低
下を防ぐことができる。これよりも早く一度目の現像を
停止させると次の現像の段階で溶解生成物が再び発生し
アルカリ濃度を低下させ、現像を阻害する。一度目の現
像停止時間をこれよりも遅くすると、発生した溶解生成
物による局所的なアルカリ濃度の低下が生じ、第2段階
での現像に局所的な現像速度の低下が発生してしまう。
この後に新鮮な現像液で再び現像を行っても、始めの形
成された空間的な不均一性は解消されない。一度目の現
像停止時間が第1段階から第2段階に変わる時間から遅
れた分だけ、場所ごとの局所的なアルカリ濃度低下は大
きくなり、不均一性も増幅されてしまう。
【0039】第2段階で溶解される、パターン側壁近傍
に残る可溶化領域は現像において溶解速度が遅いため、
また、第1段階で一度洗浄した後、現像に関わるアルカ
リ濃度を時間的・空間的に変動させうる溶解生成物が既
に除去されておりほとんど発生しないため、第2の現像
において十分にパターン線幅を制御することができる。
以上の2つの理由により、一度目の現像停止のタイミン
グを第1段階と第2段階の転換点とするのが最適であ
る。
【0040】本実施形態では、図7の第1段階から第2
段階へ切り替わる点が5秒であった。この値は、レジス
ト材料、現像液、アルカリ濃度、温度等により変化する
ものであり、本実施形態の値に限らない。
【0041】次に実際の発明者らの行った実験結果をも
とに本実施形態の効果を説明する。ウエハ上に反射防止
膜、KrFポジレジストを順次塗布し、200nm幅の
ライン及びスペースよりなるパターン(200nmL/
Sパターン;L:S=1:1)と200nm幅のライン
と2000nm幅のスペースからなるパターン(200
nm孤立ライン;L:S=1:10)が含まれるレチク
ルを用いてKrFエキシマレーザーにて縮小投影露光を
行い、熱処理工程の後、現像処理を行った。現像処理工
程では、次に示すように4種類のサンプルを作製した。
条件を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】全ての試料のウエハについて、オゾン水で
前処理を行い、現像液供給ノズルからの現像液供給量を
1.5L/min、ノズルの走査速度を60mm/se
cとして液厚1.5mmの現像液膜を形成した(第1の
現像処理)。参照用サンプルはそのあとの第1の洗浄処
理と第2の現像処理を行わず、現像液膜形成は1回とし
た。試料Aでは、現像開始5秒後に、水で一度洗浄し
(第1の洗浄処理)、再度、現像液供給ノズルからの現
像液供給量を1.5L/min、ノズルの走査速度を6
0mm/secとして液厚1.5mmの液膜を形成した
(第2の洗浄処理)。
【0044】これに対し、試料Bでは第1の洗浄処理を
オゾン水で行い、試料Cでは第1の洗浄処理を純水で行
った後、引き続きオゾン水で洗浄し、さらに続けて試料
Aと同じように2回目の現像液膜を形成した(第2の現
像処理)。その後の第2の洗浄処理と乾燥処理は全て同
じ条件で処理を行った。
【0045】これらサンプルの寸法評価結果を表2に示
す。
【0046】
【表2】
【0047】表2では、同一基板上の200nmL/S
パターンと200nm孤立ラインパターンのラインの寸
法差を疎密差としている。表2における疎密差は、孤立
ラインパターン(1:10パターン)からL/Sパター
ン(1:1パターン)の寸法を引いた値とした。
【0048】参照試料では、パターン寸法の面内均一性
は比較的良好となっているが、現像液膜形成後、現像に
よる反応生成物がほとんど動かないため、単位面積あた
りの反応領域が大きい孤立ラインパターン(1:10パ
ターン)では、単位面積あたりの反応領域が小さいL/
Sパターン(1:1パターン)の寸法より30nmも太
くなっている。
【0049】それに対し、試料Aでは疎密差は若干解消
されている。一方、面内の均一性は大きく悪化してい
る。これらの原因としては次のようなことが考えられ
る。まず、疎密差が小さくなる理由は、以下のように考
えられる。通常パターン近傍に存在する反応生成物の量
がレジストパターンの疎な部分と密な部分とで局所的に
異なっていることにより現像液中のアルカリイオン濃度
にも局所的な差が生じる。しかし、一度現像液を純水で
置換し再度新鮮な濃度の現像液を供給しているため、こ
の局所的なアルカリ濃度の差は無くなる。したがって、
パターンの疎密に拘わらず、新鮮な現像液により現像が
促進され、本来の光学プロファイルに忠実に現像される
ため、パターンの疎密により生じる寸法差は若干小さく
なっている。
【0050】面内の寸法均一性の問題は以下の用に考え
られる。一般に現像時間が早い段階では、溶解速度が速
い。現像時間の早い段階では、例えば露光量や露光フォ
ーカスがウエハ上の場所により異なっていた場合、溶解
速度の差がより顕著に現れる。通常、現像は十分長い時
間行うので、このような現象が見られることはないのだ
が、本実施形態の第1のリンスは現像時間の早い段階で
吐出され、第1の現像を停止している。したがって、上
記の効果が顕著に現れていると考えられる。また、この
とき、現像反応の活発に起こっている最中に純水をかけ
ることによって、急激なpH値変化が起こり、レジスト
と純水との界面でレジスト成分が凝集し、特に本来溶解
されるべき部分、例えばパターン側壁などの未溶解部の
レジスト表面が難溶化する。その後に再び現像液を盛る
ことによって、現像が再び行われるが、本来溶解が進む
領域のレジストの表面は純水とふれたことで凝集し、溶
解性が低下しているため、本来の潜像ではなく、純水と
触れたことで形成された難溶化層の形状を反映して溶解
が進む。したがって、短時間で洗浄を行ったときの悪い
均一性を維持したまま現像が進むことになってしまう。
以上のように、現像よる反応生成物起因の現像阻害の影
響が無くなることで疎密差は減少するが、露光量やフォ
ーカスのブレなど現像の初期に大きな影響を与える因子
はそのままかえって大きな影響を及ぼし、面内の均一性
を悪化させている。
【0051】これに対し、試料Bや試料Cでは、ウェハ
面内での均一性が参照用サンプルと同等かあるいはそれ
以上に向上していることがわかる。これは、一度純水に
触れることで、レジストが凝集し、表面に難溶化層が形
成されるが、オゾン水を加えることでパターンの側壁の
ような未溶解部のレジスト表面の難溶化層を酸化し、現
像液に対する溶解性を維持した状態となるためである。
従って、再度、新鮮な濃度の現像液を加えると、パター
ン側壁などでのレジストの表面難溶化層により現像が阻
害されることもなく、引き続き現像が促進され、面内の
寸法均一性が向上する。
【0052】また、一度リンスを行うことでレジストパ
ターン付近の反応生成物を洗い流す効果は上記試料Aと
同じである。新鮮な現像液を2度目に供給した際、反応
生成物に起因する局所的な現像液アルカリ濃度低下はな
く一様であるため、寸法の疎密差を大きく低減すること
ができる。
【0053】ここで、試料Bと試料Cで均一性が若干異
なるのは、試料Bでは第1の洗浄処理を全てオゾン水で
洗浄しているため、現像液からリンス液に変わるときの
急激なpH値変化でのレジスト成分の凝集がオゾン水に
より緩和され、現像液に対するレジスト表面のなじみ易
さを元のままに保つためである。
【0054】(第2の実施形態)図9は、本願発明の第
2の実施形態に係わる現像処理手順のフローチャートを
示す図である。ステップS201〜S203は、第1の
実施形態で説明したステップS101〜S103と同様
なので説明を省略する。(ステップS204,S20
5)ステップS203で被処理基板主面に現像液膜を形
成してから約5秒で、リンスノズルから、低濃度オゾン
水を吐出した。次いで、被処理基板を回転させ、ほとん
どの洗浄液除去したが、基板を乾燥させず、わずかに洗
浄液を残し、オゾン水膜を形成した。
【0055】(ステップS206)次いで、被処理基板
上のレジスト膜を加工する現像液をオゾン水膜が形成さ
れた状態の被処理基板上に形成した。現像液膜の形成方
法は、第1の実施形態と同様である。
【0056】ステップS207〜S209は、第1の実
施形態で説明したステップS107〜S109と同様な
ので説明を省略する。
【0057】本実施形態の現像工程は、第1の実施形態
とほぼ同様の作用を有する。本実施形態では、酸化性を
有する液体もしくは弱アルカリ液を基板主面上に残すこ
とで、第2の現像処理時に被処理基板表面に対する現像
液の親和力を高めることで、現像液を供給した際、現像
液と基板表面との間に作用する反発力を低減させ、現像
液の供給を被処理基板面内で均一に行うことができ、結
果として現像後の寸法の面内均一性を向上させる。
【0058】現像工程における第1の洗浄処理から第2
の現像処理にかけて、第1の洗浄処理後、被処理基板を
高速回転させずに、500rpmのまま10秒間回転さ
せ、引き続き第2の現像液を吐出した。以上の点を除
き、条件は第1の実施形態の試料Cと同様の実験を行っ
た。結果は、1:1パターン均一性3σで6.1nm、
1:10パターン均一性3σで7.5nm疎密差が5n
mであった。参照用試料に比較して十分に良い値であ
る。
【0059】(第3の実施形態)本実施形態では、現像
工程の手順は、第1の実施形態と同様なので詳細な説明
を省略する。本実施形態では、第1及び第2の現像処理
時に、酸素などの酸化性を有する気体分子、或いは水素
などの還元性を有する気体分子を現像液に溶解させる。
【0060】本実施形態で用いる処理装置を図10に示
す。図10に示すように、本装置は、アルカリ性水溶液
である現像液が貯蔵された現像液タンク201と、現像
液タンク201にパイプを介して接続された溶解膜20
2と、溶解膜202にパイプを介して接続された酸化性
ガス発生器203及び還元性ガス発生器204と、溶解
膜202にパイプを介して接続された現像液供給ノズル
104とを具備する。また、基板100の周囲に、保護
カバーが設置されている。なお、図2に示した現像装置
と同一な部位には、同一符号を付し説明を省略する。
【0061】本装置では、酸化性ガス発生器203又は
還元性ガス発生器204で発生したガスを溶解膜202
中に溶解させ、この溶解膜202に現像液タンク201
から供給された現像液を透過させることによって、現像
液中に酸化性ガス又は還元性ガスを溶解させる。この装
置は、被処理基板100に現像液を吐出する直前に、酸
化性ガス(還元性ガス)を現像液に溶解させることがで
きる。
【0062】本実施形態では、酸化性ガスとして、酸素
ガスを現像液に溶解させて第1及び第2の現像処理を行
った。その他の処理は、第1の実施形態と同様なので、
詳細な説明を省略する。
【0063】なお、第1及び第2の現像処理において、
酸素分子を溶解させた現像液を用いたが、還元性気体分
子、例えば水素分子などを溶解させた現像液を用いても
よい。また、効果が十分であるならば、第1及び第2の
現像処理の両方の処理時に酸化性気体分子を溶解させた
現像液を使用する必要はなく、そのどちらか一方の処理
時でもよい。
【0064】本実施形態では、第1の実施形態に記載し
た作用に加え、現像液として、酸化性気体分子を溶解さ
せた液を用いることで、現像開始直後から発生する反応
生成物の現像液中の酸素分子による酸化とそれによる反
応生成物の分解、現像液中におけるレジスト表面の酸
化、現像中に発生する反応生成物の凝集によるサイズ成
長の緩和等の作用がある。
【0065】また、第1及び第2の現像処理時、あるい
はその一方の処理時に、還元性気体分子を溶解させた現
像液を用いた場合、還元電子によるレジスト表面改質、
反応生成物の表面電位変化による反応生成物の現像液中
への拡散の促進、レジスト表面電位の変化による反応生
成物のレジスト表面への再付着防止等の作用がある。
【0066】第1及び第2の現像処理時に、酸化性気体
分子を溶解させた現像液を用い、第1の実施形態と同様
の実験を行った。実験結果は、1:1パターン寸法均一
性は3σで3.8nm、1:10パターンで6.1nm
となり、期待された効果が確認された。
【0067】(第4の実施形態)図11は、本発明の第
4の実施形態に係わる現像処理のフローチャートを示す
図である。本実施形態のパターン処理方法における手順
は、第1の実施形態と同様なので、フローチャートの図
示、及び詳細な手順の説明を省略する。
【0068】本実施形態では、第1の現像処理時、現像
液膜を形成した後、基板を静止した状態で現像を行う。
そして、所定時間経過後、図12に示すように、基板を
所定の回転数で回転させて、現像液を流動させる。所定
時間基板を回転させて現像液の流動を行った後、また基
板を静止させ、静止させた状態で露光を行う。
【0069】本実施形態では、現像液流動を行う時間帯
を以下に示すように定める。第1の実施形態で説明した
ように、現像は、現像が膜厚の深さ方向に進行する第1
段階と、第1段階後レジストパターン側壁を溶解する方
向に現像が進む第2段階とからなる。
【0070】現像工程における液流動の目的は現像中に
発生する反応生成物を均一化すること、アルカリ濃度を
回復させることである。従って、液流動を効果的に行う
には、大量に反応生成物が発生する第1段階後から、ほ
とんど反応生成物が発生しなくなる第2段階に移り変わ
る時間(以下、この時間を抜け時間と呼ぶ)を含むよう
に行うのがよい。
【0071】次に、抜け時間の決め方について説明す
る。第1の方法としては、対象とするパターンに光を入
射し、反射して得られる反射光強度の時間変化を測定し
て、図8のような結果を得て、抜け時間求める方法があ
る。このとき、図8の反射光強度は単一の波長の反射光
であるほうが望ましいので、狭帯域フィルターを用いて
入射する光を単一波長とするか、測定した反射光を分光
するか、したほうがよい。抜け時間の計測は、実際に現
像を行う前に予め計測を行っていても良いし、それぞれ
の基板に対して現像工程で計測してもよい。
【0072】第2の方法としては、対象とするパターン
を複数の現像時間で現像して、現像後のパターンの断面
形状等を観察して、可溶領域のレジストが底面まで現像
された時間を求める方法がある。次に2つの実験結果を
もとに、抜け時間の測定について説明する。最初の実験
の対象パターンは、130nmL/S(1:1)パターン(60nmの膜
厚の反射防止膜、300nmの膜厚のレジスト、溶解速度が
比較的早いレジスト)とした。まず、図13に示す対象
パターンの現像中の反射光強度を取得した。反射強度
は、550nmの波長の光を入射した場合の結果であ
る。この結果より、抜け時間は6秒と求められ、この値
を基準に液流動の時間を定めた。
【0073】現像開始、現像液流動、現像終了の流れを
時間軸で表した図を図14に示す。現像液供給工程の
後、(x−1)秒間静止現像を行う。その後、基板を所
定の回転数(250rpm)で2秒間回転させ、現像液
を流動させた。現像の停止は現像開始から30秒後に行
った。このときのxを液流動のタイミングと定義した。
xを2〜12秒で変化させた場合の、130nmL/S(1:1)パ
ターンのばらつき(3σ)を図15に示す。液流動なし
の場合のばらつきは10.2nmであり、液流動を行うこと
で、ばらつきが低減した。特に、6秒の場合に最も良い
均一性が得られた。また、4秒、8秒の場合も比較的均
一性が良かった。すなわち、対象パターンの反射光強度
変化から求めた抜け時間の近傍(抜け時間±2秒、即
ち、抜け時間±33%)で液流動を行う場合に良い均一
性が得られたことになる。
【0074】実験より、液流動のタイミングを抜け時間
(可溶領域のレジストが底面まで現像された時間)の近
傍とすることで、均一性が向上することが明らかとなっ
たが、現像液供給ノズルの移動等、装置の制約で、液流
動開始時間を抜け時間よりも後にしか設定できない場合
(例えば本実験で、9秒後以降にしか基板回転できない
場合)には、極力早い時間(例えば9秒)に行うのが良
い。
【0075】第2の実験の対象パターンは、130nmL/S
(1:1)パターン(60nmの膜厚の反射防止膜、300nmの膜厚
のレジスト、溶解速度が比較的遅いレジスト)とした。
まず、図16に示す対象パターンの現像中の反射光強度
を取得した。550nmの波長の光を入射した場合の結
果である。この結果より、抜け時間は20秒と求めら
れ、この値を基準に液流動の時間を定めた。
【0076】シーケンスを時間軸で表した図は図14に
示す。現像液供給工程の後、(x−1)秒間静止現像を
行った。その後、基板を所定の回転数(250rpm)
で2秒間回転させ、現像液を流動させた。現像の停止は
現像開始から60秒後に行った。このときのxを液流動
のタイミングと定義した。xを10〜35秒で変化させ
た場合の、130nmL/S(1:1)パターンのばら
つき(3σ)を図17に示す。液流動なしの場合のばら
つきは9.8nmであり、液流動を行うことで、ばらつ
きが低減した。特に、20秒の場合に最も良い均一性が
得られた。また、15秒、25秒の場合も比較的均一性
が良かった。すなわち、対象パターンの反射光強度変化
から求めた抜け時間の近傍(抜け時間±5秒、即ち、抜
け時間±25%)で液流動を行う場合に良い均一性が得
られたことになる。
【0077】本実施形態では、液流動の方法として、基
板を回転させる方法を示したが、現像液膜の表面に気流
を形成することで、現像液を流動させる方法、流動を生
じさせる物体を被処理基板上の現像液に接触させ、物体
もしくは基板を移動させることで現像液を流動させる方
法、現像液が供給された被処理基板に振動を与えて現像
液を流動させる方法、被処理を加熱し、対流により現像
液を流動させる方法等、現像液を流動させる方法であれ
ばよい。
【0078】また、本実施形態では、L/Sパターンを
対象パターンとしたが、孤立残しパターン、孤立抜きパ
ターン、ホールパターン、ピラーパターン等、どのよう
なパターンであってもよい。それぞれ、パターンの抜け
時間を求めておいて、液流動のタイミングを決めれば良
い。同時に複数のパターン(例えば孤立残しパターンと
L/Sパターン)が含まれる場合には、それぞれの抜け
時間から、2回液流動を行っても良いし、精度が厳しい
パターンのみの抜け時間から液流動のタイミングを決め
ても良い。
【0079】現像液を流動させる提案が数多くなされて
いる。例えば、現像液を基板上に供給した後に、現像液
膜の表面と接触するように気流を形成することで、現像
液膜を基板上に保持しつつ表面の流れを形成し、現像液
を流動させる方法(特開2001−228625号公
報)、現像液を供給するノズルの先端を被処理基板上の
現像液に接触させ、ノズルもしくは基板を移動させるこ
とで現像液を流動させる方法(特開2000−1957
73号公報)、現像液が供給された被処理基板に所定の
周波数の振動を与えて現像液を流動させる方法(特開2
001−307994号公報)が報告されている。しか
し、いずれの提案においても、現像液供給後のどのタイ
ミングで液流動を行うべきかが記載されていない。その
結果、適切な時間帯で液流動が行われないために、効果
的な液流動ができず、十分な寸法の均一性が得られなか
った。
【0080】(第5の実施形態)半導体製造工程におい
て、レジスト膜が形成された被処理基板上に現像液をパ
ドル形成し、レジスト膜を所望の形状に加工する作業が
繰り返し行われる。従来、レジスト膜が形成された基板
上に現像液を塗布し、現像工程が行われる。一般に、現
像液を供給するために、現像液供給ノズルが用いられ
る。このように、現像液供給ノズルを用いた現像方法で
は、現像液が吐出されるノズルの先端部が被処理基板に
近接して位置して、液が供給される。そのため、レジス
トが溶解した現像液とノズルが触れることになる。その
結果、現像液供給ノズルにレジストの固形物が付着す
る。この付着物が被処理基板の欠陥の原因となる場合が
あった。
【0081】この問題を解決する手段として、現像液に
よるノズル洗浄や、高濃度現像液(特開2001−31
9869号公報)によるノズル洗浄が行われている。こ
れらの手法では、現像液を洗浄液として用いるため、現
像液に溶ける欠陥しか除去できなかった。また、現像液
を用いるため、コストが高くなるという問題点があっ
た。
【0082】図18は、本発明の第5の実施形態に係る
パターン方法の処理手順を示すフローチャートである。
図19は、本発明の第1の実施形態に係る現像装置の構
成の概略図である。また、図18から図19を用いて本
発明の第1の実施形態に係る現像処理方法を説明する。
【0083】(ステップS401)被処理基板上に反射
防止膜、化学増幅型レジストを塗布し、KrFエキシマレ
ーザーを用い、露光用レチクルを介し所望のパターンを
縮小投影露光する。該基板を熱処理し、搬送ロボットに
より基板保持部の上部に搬送し、基板保持部に吸引固定
する。
【0084】(ステップS402)次に、酸化性ガス発
生器304で発生したオゾンを溶解膜303に供給する
と共に、純水源302から溶解膜303に純水を供給す
ることにより、純水にオゾンを溶解させてオゾンを生成
する。そして、生成されたオゾンを現像液供給ノズル1
04に供給する。現像液供給ノズル104がオゾン水を
吐出する事により、現像液供給ノズル104が洗浄され
る。現像液供給ノズル104から吐出されたオゾン水は
液受け305で受け、液受け部305内にオゾン水を溜
める。液受け部305内に溜められたオゾン水内に、現
像液供給ノズル104を浸漬することで、レジスト膜に
対向する現像液供給ノズル104の面の洗浄を行う。
【0085】現像液供給ノズル104の洗浄後、現像液
タンク301から現像液を現像液供給ノズル104に供
給し、現像液供給ノズル104から現像液を吐出させる
ことによって、ノズル内のオゾン水を現像液に置換す
る。
【0086】なお、酸化性気体をライン供給できる場
合、酸化性ガス発生器304は不要である。また、酸化
性気体としては、オゾンのほかに、酸素、一酸化炭素、
過酸化水素を用いても良い。
【0087】(ステップS403)次いで、被処理基板
上のレジスト膜を加工する現像液膜を被処理基板上に形
成する。ここでは、直線状の現像液供給ノズルを用い
て、現像液を供給しながらウエハの一端から他端に走査
させることで被処理基板上に現像液膜を形成する。
【0088】(ステップS404)所定の時間の後、被
処理基板の上方に配置されたリンスノズルからリンス液
(例えば純水)を供給し、回転させながら基板を洗浄す
る。
【0089】(ステップS405)さらに、被処理基板
を高速回転させることで純水を振り払い、被処理基板を
乾燥させる。
【0090】本実施形態では、酸化性液体として、純水
にオゾンを溶解させたオゾン水を用いたが、同様の効果
があれば溶解させる気体分子はオゾンに限らない。例え
ば、酸素、一酸化炭素、過酸化水素などの酸化性ガスで
もかまわない。また、本実施形態では、現像液の供給の
前にノズル洗浄を行ったが、現像液供給後でもよい。ま
た、洗浄は基板一枚毎に行わなくても、所定の枚数毎、
所定の時間毎でもよい。また、ノズルの交換等、メンテ
ナンス後に行ってもよい。
【0091】現像処理を繰り返していくと、現像液供給
ノズルが、レジストが溶解した現像液に触れることで、
有機パーティクルがノズルに付着する。このパーティク
ルがその後の基板の現像処理において、レジスト表面に
付着し、欠陥として残る可能性がある。
【0092】洗浄中に、液中のオゾン分子が、ノズルに
付着したパーティクルに衝突し、ある確率でパーティク
ルを酸化し、分解すると考えられる。分解されたパーテ
ィクルは、低分子となり、その質量が十分小さくなるこ
とから液中への拡散も容易になる。その結果、パーティ
クルが除去される。
【0093】実際に発明者らが行った実験の結果につい
て以下に説明する。実験は上記の、図18のフローチャ
ートに示した手順に従って行った。効果を確認するた
め、ステップS402において、溶液中のオゾン濃度が
10ppmのオゾン水で5秒間ノズルを洗浄した場合、
現像液で5秒間洗浄した場合、洗浄しない場合とで有機
物付着欠陥数を計測した。それぞれ、欠陥数が、5,1
0,50個となり、オゾン水で洗浄することで欠陥数が
低減された。これらの結果から、オゾン水による現像液
供給ノズル104の洗浄が、非常に有効であることが確
かめられた。
【0094】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範
囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施
形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される
複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の
発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構
成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解
決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明
の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、
この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得
る。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、第
1の現像処理と第2の現像処理との間に、酸化性を有す
る、若しくはアルカリ性である洗浄液を供給する洗浄処
理を行うことによって、レジストパターン寸法の面内均
一性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る現像処理方法の処理手順
のフローチャートを示す図。
【図2】第1の実施形態に係わる現像処理方法を示す工
程図。
【図3】第1の実施形態に係わる現像処理方法を示す工
程図。
【図4】第1の実施形態に係わる現像処理方法を示す工
程図。
【図5】第1の実施形態に係わる現像処理方法を示す工
程図。
【図6】第1の実施形態に係わる現像処理方法を示す工
程図。
【図7】KrFポジ型レジストの現像液による溶解の様
子を観察した際得られる、一般的な基板からの反射光強
度のグラフを模式的に示す図。
【図8】現像中のレジスト膜を模式的に示す断面図。
【図9】第2の実施形態に係わる現像処理手順のフロー
チャートを示す図。
【図10】第3の実施形態に係わる現像処理装置の概略
構成を示す図。
【図11】第4の実施形態に係わる現像処理のフローチ
ャートを示す図。
【図12】第4の実施形態に係わる現像処理を示す工程
図。
【図13】現像中のレジスト膜からの反射光強度変化を
表す図。
【図14】現像開始、現像液流動、現像終了の流れを時
間軸で表した図。
【図15】液流動のタイミングとばらつきの関係を示す
図。
【図16】現像中のレジスト膜からの反射光強度変化を
表す図。
【図17】液流動のタイミングとばらつきの関係を示す
図。
【図18】第5の実施形態に係わる現像処理のフローチ
ャートを示す図。
【図19】第5の実施形態に係わる現像処理装置の概略
構成を示す図。
【符号の説明】
100…被処理基板 101…基板保持部 102…回転機構 103…リンスノズル 104…現像液供給ノズル 106…オゾン水 107…現像液 107…現像液膜 112…ノズル 130…レジスト膜 131…露光部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 信一 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 2H096 AA25 AA27 CA06 GA17 GA18 GA21 GA29 GA60 5F046 LA02 LA03 LA04 LA05 LA12 LA14 LA19

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所望のパターンが露光された感光性レジス
    ト膜の現像を行う現像方法であって、 露光された前記感光性レジスト膜に対して第1の現像処
    理を行う工程と、 第1の現像処理が行われている感光性レジスト膜に対し
    て、該レジスト膜表面に対し酸化性を有する、若しくは
    アルカリ性である洗浄液を供給して第1の洗浄処理を行
    う工程と、 第1の洗浄処理がなされた前記感光性レジスト膜に対し
    て第2の現像処理を行う工程と、 第2の現像処理が行われた前記感光性レジスト膜に対し
    て第2の洗浄処理を行う工程とを含むことを特徴とする
    現像方法。
  2. 【請求項2】酸化性を有する洗浄液として、オゾン水、
    酸素水、硝酸、及び過酸化水素の少なくとも1つを前記
    感光性レジスト膜に供給することを特徴とする請求項1
    に記載の現像方法。
  3. 【請求項3】第2の洗浄処理時、オゾン水、酸素水、水
    素水、炭酸水、弱アルカリ水、弱酸性水、及び純水の少
    なくとも1つを前記感光性レジスト膜に供給することを
    特徴とする請求項1に記載の現像方法。
  4. 【請求項4】第1の洗浄処理時、純水を前記感光性レジ
    スト膜に供給した後、前記洗浄液を供給することを特徴
    とする請求項2に記載の現像方法。
  5. 【請求項5】第1の現像処理及び第2の現像処理の少な
    くとも一方の処理時に用いられる現像液は、酸化性気体
    分子を溶解させたアルカリ性水溶液であることを特徴と
    する請求項1に記載の現像方法。
  6. 【請求項6】第1の現像処理及び第2の現像処理の少な
    くとも一方の処理時に用いられる現像液は、還元性気体
    分子を溶解させたアルカリ性水溶液であることを特徴と
    する請求項1に記載の現像方法。
  7. 【請求項7】前記現像液に対して可溶な前記感光性レジ
    スト膜の領域の底面に現像液が略達する時間に、前記洗
    浄液を前記感光性レジスト膜に供給して第1の洗浄処理
    を行うことを特徴とする請求項1に記載の現像方法。
  8. 【請求項8】第1の洗浄処理後、前記被処理基板表面を
    乾燥させた後に、第2の現像処理を行うことを特徴とす
    る請求項1に記載の現像方法。
  9. 【請求項9】第2の現像処理は、前記感光性レジスト膜
    上に第1の洗浄処理に用いた洗浄液が残った状態で行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の現像方法。
  10. 【請求項10】第1の現像処理を行う前に、前記感光性
    レジスト膜に対して酸化作用を有する液体を該レジスト
    膜表面に供給する前処理を行うことを特徴とする請求項
    1に記載の現像方法。
  11. 【請求項11】第1及び第2の現像処理時、 前記感光性レジスト膜に対して、長手方向の長さが前記
    被処理基板の直径より長い吐出口を有する現像液吐出ノ
    ズルから現像液を吐出しつつ、 前記被処理基板と前記現像液吐出ノズルを被処理基板の
    一方の端から他端へ相対的に移動させて、前記感光性レ
    ジスト膜表面に現像液膜を形成することを特徴とする請
    求項1記載の現像方法。
  12. 【請求項12】所望のパターンが露光された感光性レジ
    スト膜の現像を行う現像方法であって、 前記感光性レジスト膜に対して現像液を供給する工程
    と、 前記感光性レジスト膜上の現像液を流動させる工程とを
    含み、 前記現像液を流動させる工程の開始時間と終了時間の間
    に、前記現像液に対して可溶な前記感光性レジスト膜の
    領域の底面に現像液が達する抜け時間が含まれることを
    特徴とする現像方法。
  13. 【請求項13】所望のパターンが露光された感光性レジ
    スト膜の現像を行う現像方法であって、 前記感光性レジスト膜上に現像液を供給する工程と、 前記感光性レジスト膜上の現像液を流動させる工程とを
    含み、 前記現像液を流動させる工程の開始時間は、前記現像液
    に対して可溶な前記感光性レジスト膜の領域の底面に現
    像液が達する時間の後であることを特徴とする現像方
    法。
  14. 【請求項14】前記抜け時間は、現像中に前記感光性レ
    ジスト膜に特定波長の光を入射させ、前記感光性レジス
    ト膜からの反射光の強度変化が、干渉波形から単調な変
    化を示す波形に変化する点を計測することで求めること
    を特徴とする請求項12又は13記載の現像方法。
  15. 【請求項15】前記抜け時間は、前記感光性レジスト膜
    を複数の現像時間で現像し、現像後のパターンを評価す
    ることで求めることを特徴とする請求項12又は13記
    載の現像方法。
  16. 【請求項16】前記現像液が供給された被処理基板を回
    転させて、前記現像液の流動を行うことを特徴とする請
    求項12又は13記載の現像方法。
  17. 【請求項17】前記現像液が供給された被処理基板上に
    気流を形成して、前記現像液の流動を行うことを特徴と
    する請求項12又は13記載の現像方法。
  18. 【請求項18】請求項1〜17の何れかに記載された現
    像方法を用いて、半導体基板上に形成され、回路パター
    ンが露光された感光性レジスト膜の現像を行うことを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  19. 【請求項19】露光された感光性レジスト膜を現像する
    際に用いる現像液供給ノズルの洗浄方法であって、 被処理基板上に現像液を供給する現像液供給ノズルに酸
    化性液体を供給して洗浄することを特徴とする現像液供
    給ノズルの洗浄方法。
  20. 【請求項20】前記酸化性液体として、オゾン、酸素、
    一酸化炭素、及び過酸化水素の少なくともひとつを含む
    水溶液を前記現像液供給ノズルに供給することを特徴と
    する請求項19記載の現像液供給ノズルの洗浄方法。
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