JP2007194413A - 化合物半導体スイッチ回路装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】受信側FFTと送信側FETを固定して用いるスイッチMMICでは、それぞれのFETのピンチオフ電圧を異ならせ、送信側および受信側のスイッチング素子として適切な特性に設計すればよい。しかし、HEMTにおいてリセスエッチングの深さ制御が困難であり、ピンチオフ電圧の再現性が悪い問題があった。
【解決手段】エッチングストップ用のInGaP層を2層有する基板を使用する。InGaP層とAlGaAs層の選択エッチングを使用することにより、再現性良く2種類のピンチオフ電圧を実現できる。また2種類のHEMTのゲート電極に埋め込みゲート電極構造を採用するが、PtがInGaP層に拡散しないようにコントロールすることで、耐圧を大幅に向上できる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、化合物半導体スイッチ回路装置に係り、特に高周波スイッチング用途に用いられる化合物半導体スイッチ回路装置に関する。
複数のスイッチング素子を集積化したモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)において、それぞれのスイッチング素子を例えば送信側スイッチング素子と受信側スイッチング素子とに固定して使用する場合がある。このような場合、各スイッチング素子の出力端子を通過する電力に応じて、それぞれ最低限必要な特性を確保すれば良く、1つのスイッチMMICを構成する複数のスイッチング素子を全て同じ特性に設計する必要はない。
例えば、SPDT(Single Pole Double Throw)スイッチMMICにおいて、スイッチング素子となる2つのFETをイオン注入により形成し、チャネル層の深さによりそれぞれのFETのピンチオフ電圧Vpを異ならせている(例えば特許文献1参照。)。
また、異なるピンチオフ電圧Vpを有する2つのHEMT(High Electron Mobility Transistor:高電子移動度トランジスタ)を同一基板に集積したMMICも知られている。この場合は、それぞれのHEMTのゲート電極を形成する半導体層のエッチング深さによりピンチオフ電圧Vpを異ならせている(例えば特許文献2参照。)。
特開2002−289790号公報 特公平1−23955号公報
特許文献1では、基板にイオン注入することによりチャネル層を形成している。そして、この場合に小さいピンチオフ電圧Vpを得るにはチャネル層の深さを浅くする必要がある。しかし不純物のイオン注入が浅い場合、チャネル層表面の不安定要因の影響を受けやすく、ピンチオフ電圧Vpの再現性が悪い問題がある。
一方、特許文献2の如く、同一基板に設けた2つのHEMTにおいてピンチオフ電圧Vpを異ならせる場合、それぞれのゲート電極を形成する半導体層のリセスエッチングを行い、そのリセスエッチングの深さの違いによって、異なるピンチオフ電圧Vpを実現している。この場合、例えば数nmのリセスエッチング量の精度が必要とされるが、エッチングの精度が十分でない場合が多く、ピンチオフ電圧Vpの再現性が悪い問題もあった。
本発明は、係る課題に鑑みてなされ、第1に、半絶縁性半導体基板と、該半導体基板上に積層された、バッファ層、第1電子供給層、チャネル層、第2電子供給層、第1ノンドープ層、第2ノンドープ層、第3ノンドープ層、安定層、キャップ層を含む複数の半導体層と、前記半導体層に設けられた動作領域と、前記動作領域上に設けられ、それぞれソース電極およびドレイン電極を有する第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子と、を具備し、前記第1スイッチング素子の第1ゲート電極は、前記動作領域の前記第1ノンドープ層の表面に設けられ、前記第2スイッチング素子の第2ゲート電極は、前記動作領域の前記第3ノンドープ層の表面に設けられて一部が該第3ノンドープ層内に埋め込まれ、前記第2スイッチング素子は、前記第1スイッチング素子より大きいピンチオフ電圧を有することにより解決するものである。
本発明によれば、第1にエッチングストップ用の2層のInGaP層をAlGaAs層と交互に配置した基板に、それぞれ異なるピンチオフ電圧Vpを有する複数のHEMTを形成する。InGaP層とAlGaAs層の選択エッチングにより、ウェットエッチングであっても再現性良く異なるピンチオフ電圧Vpを得ることができる。
また、ゲート電極の金属層としてPtを含む多層金属層を用い、Ptの一部を動作領域に埋め込む埋め込みゲート電極構造を採用する。Ptの拡散をAlGaAs層内に留まらせることにより、PtのInGaP層表面での異常拡散を防止する。これにより、耐圧を大幅に改善することができる。
また、第1スイッチング素子を受信側スイッチング素子とし、第2スイッチング素子を送信側スイッチング素子としてそれぞれ異なるピンチオフ電圧Vpにする。これにより、第2スイッチング素子では必要最大電力である20dBmを出力でき、第1スイッチング素子では、必要最大電力である20dBmを十分遮断することができる。
更に、上記の場合において、第1および第2スイッチング素子のゲート幅Wgをいずれも200μmにすることができ、チップサイズの小型化が実現できる。
図1から図26を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1から図7は、本発明の第1の実施形態であり、スイッチ回路装置としてSPDTスイッチMMICを例に説明する。図1はSPDTスイッチMMICの回路図を示している。
それぞれ第1スイッチング素子SW1および第2スイッチング素子SW2となるFET(HEMT)1、FET(HEMT)2のソース(又はドレイン)が共通入力端子INに接続され、各FET1、FET2のゲートが制御抵抗R1、R2を介して第1と第2の制御端子Ctl1、Ctl2に接続され、そして各FETのドレイン(又はソース)が第1と第2の出力端子OUT1、OUT2に接続されたものである。第1と第2の制御端子Ctl1、Ctl2に印加される信号は相補信号であり、Hレベルの信号が印加されたFETがON、Lレベルの信号が印加されたFETがOFFすることにより、共通入力端子IN−第1出力端子OUT1間または共通入力端子IN−第2出力端子OUT2間のいずれかに高周波信号経路を形成する。制御抵抗R1、R2は、交流接地となる制御端子Ctl1、Ctl2の直流電位に対してゲート電極を介して高周波信号が漏出することを防止する目的で配置されている。
図2は、この化合物半導体スイッチ回路装置を集積化した化合物半導体チップの1例を示している。
基板の中央部に、第1スイッチング素子SW1であるFET(HEMT)1および第2スイッチング素子SW2であるFET(HEMT)2を配置し、各FETのゲート電極に制御抵抗R1、R2が接続されている。また共通入力端子IN、第1出力端子OUT1、第2出力端子OUT2、第1制御端子Ctl1、第2制御端子Ctl2にそれぞれ対応する、共通入力端子パッドI、第1出力端子パッドO1、第2出力端子パッドO2、第1制御端子パッドC1、第2制御端子パッドC2が基板の周辺に設けられている。なお、点線で示した第2層目の金属層による配線は各FETのゲート電極形成時に同時に形成されるゲート金属層(Pt/Mo)120(120a、120b)であり、実線で示した第3層目の金属層による配線は各素子の接続およびパッドの形成を行うパッド金属層(Ti/Pt/Au)130である。第1層目の金属層となる、基板にオーミックに接触するオーミック金属層(AuGe/Ni/Au)は各FETのソース電極、ドレイン電極および各抵抗両端の取り出し電極を形成するものであり、図2では、パッド金属層と重なるために図示されていない。
まず、FET1について説明する。FET1は一点鎖線で囲まれる長方形状の動作領域100に形成される。下側から伸びる櫛歯状の2本のパッド金属層130が出力端子OUT1に接続される第2ドレイン電極136(あるいは第2ソース電極135)であり、この下にオーミック金属層で形成される第1ドレイン電極(あるいは第1ソース電極)がある。また上側から伸びる櫛歯状の2本のパッド金属層130が共通入力端子INに接続される第2ソース電極135(あるいは第2ドレイン電極136)であり、この下にオーミック金属層で形成される第1ソース電極(あるいは第1ドレイン電極)がある。この両電極は櫛歯をかみ合わせた形状に配置され、その間にゲート金属層120aで形成される第1ゲート電極127が動作領域100上に3本の櫛歯形状に配置されている。なお、上側から伸びる真中の櫛歯の第2ソース電極135(あるいは第2ドレイン電極136)はFET1とFET2とで共用しており、小型化に寄与している。
ここで、FET1第1ゲート電極127のゲート幅Wgは、200μmである。2.4GHz以上の高周波では、ゲート幅Wgを縮小することによる挿入損失(Insertion Loss)の悪化はわずかである。そこで、ゲート幅Wgを縮小して所定のアイソレーション(Isolation)を確保することを優先する。これにより、チップサイズを大幅に縮小できる。
FET2は、断面図においては第2ゲート電極128が形成される半導体層がFET1と異なっているが(後述)、平面図においてはFET1と同様であるので説明は省略する。
本実施形態のスイッチMMICは、第1制御端子パッドC1および第2制御端子パッドC2を介して第1ゲート電極127および第2ゲート電極128に印加される制御信号により、共通入力端子IN−第1出力端子OUT1間または共通入力端子IN−第2出力端子OUT2間に高周波信号経路を形成する。すなわちいずれかのFETがオンの場合、他方がオフとなる。そこで、送信側スイッチング素子と受信側スイッチング素子を固定し、それぞれの特性を送信、受信の信号レベルに合致させる。従って平面パターンでは、FET1およびFET2はチップの中心に対して対称なパターンであるが、それぞれ異なる受信信号および送信信号のレベルに合致させた非対称な特性に設計する。ここでは、FET1を受信側スイッチング素子とし、FET2を送信側スイッチング素子とする。
図3の断面図を参照して具体的に説明する。図3(A)は図2のa−a線で示すFET1の断面図である。図3(B)は、図2のb−b線で示すFET2の断面図である。
図3(A)のごとく、HEMTの基板30は、半絶縁性GaAs基板31上に複数の半導体層を積層してなる。複数の半導体層は、ノンドープのバッファ層32、電子供給層33、チャネル(電子走行)層35、第1ノンドープ層41、第2ノンドープ層42、第3ノンドープ層43、安定層44、キャップ層37である。
電子供給層33は第1電子供給層33aおよび第2電子供給層33bの2層があり、それぞれチャネル層35の上下に配置される。また、チャネル層35と各電子供給層33間にはスペーサ層34が配置される。キャップ層となるn+型GaAs層37は、最上層に積層される。
バッファ層32は、不純物が添加されていない高抵抗層であり、その厚みは、数千Å程度である。
電子供給層33(第1電子供給層33a、第2電子供給層33b)は、チャネル層35よりバンドギャップが大きい材料が用いられる。また、電子供給層33のn+型AlGaAs層のn型不純物(例えばSi)の不純物濃度は、ピンチオフ電圧Vp、オン抵抗Ron、耐圧に関係し、本実施形態では3.3×1018cm−3とする。
このような構造により、電子供給層33であるn+型AlGaAs層のドナー不純物から発生した電子が、チャネル層35側へ移動し、電流パスとなるチャネルが形成される。この結果、電子とドナー・イオンは、ヘテロ接合界面を境として空間的に分離されることになる。電子はチャネル層35を走行するが、チャネル層35にはドナー・イオンが存在しないためクーロン散乱の影響が非常に少なく、高電子移動度を持つことができる。
また、本実施形態では、チャネル層35の上下に、第1電子供給層33aおよび第2電子供給層33bを配置する。このようなダブルへテロ接合構造とすることにより、キャリア密度が増えオン抵抗Ronを非常に小さくできる。
第1ノンドープ層41は、第2電子供給層33bと当接してその上に設けられ、第1ゲート電極127をその表面に形成する。第1ノンドープ層41の厚みはFET(HEMT)1の所定の耐圧とピンチオフ電圧を確保できるよう設計されている。また、第1ノンドープ層41は第2電子供給層33bと格子整合する。第1ノンドープ層41はノンドープのAlGaAs層であり厚みは280Åである。チャネル層35に近い部分に結晶歪みが少しでも発生する場合があると、良好なHEMTの特性を再現性良く得ることができない。しかし第1ノンドープ層41は、チャネル層35に近い第2電子供給層33bと同じAlGaAs層のため、チャネル層35に近い部分に結晶歪みが発生する要素を完全に無くすことができる。また、AlGaAs層はInGaP層と比較して結晶成長が安定している。従ってAlGaAs層に第1ゲート電極127を形成することにより、FET1の特性を安定して得られる効果もある。
第2ノンドープ層42は、第1ノンドープ層41と当接してその上に設けられ、第1ノンドープ層と格子整合する。第2ノンドープ層42はノンドープのInGaP層であり厚みは10Åである。又、第2ノンドープ層42は、その上に当接する第3ノンドープ層43のエッチングストップ層として機能する。
第3ノンドープ層43は、第2ノンドープ層42と当接してその上に設けられ、第2ノンドープ層と格子整合する。第3ノンドープ層43はノンドープのAlGaAs層であり厚みは130Åである。
第1乃至第3ノンドープ層のトータル厚みはFET2の所定の耐圧とピンチオフ電圧が得られるよう設計されている。
安定層44は、第3ノンドープ層43と当接してその上に設けられ、第3ノンドープ層と格子整合する。また、安定層44はその上層のキャップ層37とも格子整合する。安定層44は、酸化しにくいため外部からの化学的ストレスに強く信頼性上安定なノンドープInGaP層またはドープドInGaP層であり、厚みは100Åである。後に詳述するが、キャップ層37のエッチングマスクとして使用した窒化膜をプラズマエッチングする際、動作領域100表面は安定層44で覆われている。安定層44は化学的に安定なInGaP層のため動作領域100がプラズマダメージを受けないよう動作領域100を保護することができる。安定層44の厚みは100Åあればプラズマダメージから動作領域100を十分保護できる。又、安定層44は、GaAs層であるキャップ層37のエッチングストップ層としても機能する。
本実施形態では、エッチングストップ層となるInGaP層とAlGaAs層を繰り返し積層した構造とすることにより、所定のピンチオフ電圧Vpを容易に且つ再現性よく実現することができる。
また、InGaP層をGaAs層およびノンドープAlGaAs層と格子整合させることにより、結晶の歪みを回避し、スリットなどの結晶欠陥を防止できる。
キャップ層37の厚みは600Å以上、不純物濃度は、2×1018cm−3以上であり、好適には厚みが1000Å程度、不純物濃度が3×1018cm−3以上である。
キャップ層37は所望の形状にパターンニングされ、第1ソース電極115および第1ドレイン電極116がそれぞれコンタクトするソース領域37s、ドレイン領域37dとなる。第1ソース電極115および第1ドレイン電極116上には、パッド金属層130で形成される第2ソース電極135、第2ドレイン電極136がそれぞれコンタクトする。また、FET1では第2ノンドープ層42、第3ノンドープ層43、安定層44もキャップ層37と同じ形状にパターンニングされる。
FET1の動作領域100は、バッファ層32に達する絶縁化領域(ここでは不図示)で、例えば抵抗などのスイッチ回路装置の他の素子と分離される。以下、動作領域100とは、絶縁化領域で分離され、HEMTのソース電極115、135、ドレイン電極116、136および第1ゲート電極127が配置される領域の半導体層をいう。すなわち電子供給層33、チャネル(電子走行)層35、スペーサ層34、第1〜第3ノンドープ層41〜43、安定層44、キャップ層37などのHEMTを構成する各半導体層をすべて含んだトータルとしての領域が動作領域100となる。
本実施形態では、後に詳述するが安定層44が製造工程中にプラズマエッチングのダメージを受ける。そこで、ダメージを受けた安定層44を除去し、さらに所望のピンチオフ電圧Vpを得るために清浄な第1ノンドープ層41を露出する。
第1ゲート電極127は、ソース領域37sおよびドレイン領域37d間の動作領域100の第1ノンドープ層41表面にゲート金属層120aの蒸着により形成される。ゲート金属層120aは、例えばPt(白金)/Mo(モリブデン)である。第1ゲート電極127は、蒸着金属の最下層金属(Pt)の一部を熱処理により動作領域100表面に埋め込んだ、埋め込みゲート電極構造を採用する。埋め込まれたPt(以下この領域を第1埋め込み部127bと称する)は、第1ノンドープ層41内にあり、第1ゲート電極127および第1埋め込み部127bは、第1ノンドープ層41とショットキー接合を形成する。
すなわち、第1埋め込み部127bは、第1ゲート電極127の一部として機能する。FET1のピンチオフ電圧Vpは第1ゲート電極127の底部の位置により決定するが、埋め込みゲート電極構造の場合は、FET1のピンチオフ電圧Vpは第1埋め込み部127bの深さ(底部の位置)により決定する。
また埋め込みゲート構造の場合、動作領域100に拡散したPtの端部が所定の曲率半径を持つ連続した曲線(湾曲)形状となるため、電界集中を緩和し耐圧を向上させる効果があるが、これについては後述する。
第1ゲート電極127を構成するゲート金属層120a(Pt/Mo)の蒸着膜厚はPtが50Å、Moが50Åである。そして、第1埋め込み部127bの深さは120Åであり、その底部は第1ノンドープ層41内にある。これによりピンチオフ電圧Vp=−1.1Vを実現している。
図3(B)の如く、FET(HEMT)2は、第2ゲート電極128が形成される半導体層が異なるのみで、他はFET1側と同様である。従って同一構成要素は同一符号とし、重複箇所の説明は省略する。
FET2の動作領域100は、FET1と同様に絶縁化領域(不図示)で分離され、HEMTのソース電極115、135、ドレイン電極116、136および第2ゲート電極128が配置される領域の半導体層をいう。
前述の如く安定層44が製造工程中にプラズマエッチングのダメージを受けるため、ダメージを受けた安定層44を除去し、清浄な第3ノンドープ層43に第2ゲート電極128を形成する。すなわち、FET2においては安定層44がキャップ層37と同じパターンでエッチングされ、第2ゲート電極128は、ソース領域37s、ドレイン領域37d間に露出した第3ノンドープ層43表面にゲート金属層120b(Pt/Mo)の蒸着により形成される。第2ゲート電極128も、第3ノンドープ層43すなわちAlGaAs層上に形成されるため、FET2の特性を安定して得られる。
また、第2ゲート電極128も埋め込みゲート電極構造を採用する。埋め込まれたPt(以下この領域を第2埋め込み部128bと称する)は、第3ノンドープ層43内に位置し、第2ゲート電極128および第2埋め込み部128bは、第3ノンドープ層43とショットキー接合を形成する。
第2ゲート電極128を構成するゲート金属層120b(Pt/Mo)の蒸着膜厚はPtが50Å、Moが50Åである。そして、第2埋め込み部128bの深さは120Åであり、その底部は第3ノンドープ層43内に位置する。これによりピンチオフ電圧Vp=−2.2Vを実現している。
ゲート金属層120a、120bは、Ptに引き続き連続してMoなどの、Pt埋め込み熱処理においてGaAsと反応しない金属を蒸着することが望ましい。ゲート電極をPtのみで形成すると、Pt蒸着後、Pt埋め込み熱処理までの間にPt表面に異物が付着した場合、その異物までPt埋め込み熱処理反応に関与することになり、HEMTの特性が劣化する。従って熱によりGaAsと反応しないMoでPtの上を覆うことによりMo上に同様の異物が付着したとしても、Moがバリアとなりその異物がPt埋め込み熱処理反応に関与することは無い。
またウエハ完成後においても実装時に半田付けの熱が加わることなどが有る。この場合、ゲート電極をPtのみで形成するとPtの上に異物が付着している場合、その異物が半田付けの熱などによってGaAsと反応しHEMTの特性が劣化する場合がある。その際にもMoでPtの上を覆うことによりMo上に異物があってもMoがバリアとなりその異物が半田付けの熱などによってGaAsと反応することは無い。Moの厚みはあまり厚くするとPtとの間でストレスが発生するため、最大でもPtの厚みと同程度とすることが望ましい。
尚、熱によりGaAsと反応しない金属としてMoの替わりにW(タングステン)も考えられるが、Wは融点が高いため一般にはスパッタで形成しており蒸着では形成できない。従ってPtの蒸着と連続してWは形成できず、またスパッタの場合高熱が発生するためレジストが耐えられずリフトオフによる形成も不可能である。
Ptはその蒸着膜厚が約110Å以下の場合、Ptの埋め込み深さ(埋め込み部の深さ)は常に蒸着膜厚の2.4倍となり、リニアな特性を示す。したがって、蒸着膜厚が約110Å以下であれば、Ptの蒸着膜厚のみで一義的に埋め込み部の深さを制御することができ、すなわちピンチオフ電圧Vpの制御が可能となる。
本実施形態では、第1ゲート電極127および第2ゲート電極128に埋め込みゲート電極構造を採用し、生産ばらつきも考慮してPt蒸着膜厚設定をいずれも100Å以下とした。ピンチオフ電圧Vpのばらつき(以下Vpばらつき)は蒸着膜厚ばらつきに比例するので、蒸着膜厚を薄くする程Vpばらつきの低減に有利となる。
一方で、EB蒸着機での蒸着においてPt蒸着はかなり大きなパワーを必要とする。これは、Ptの蒸着膜厚が薄過ぎると膜厚の制御性が悪いことを意味する。つまりPt蒸着膜厚を40Åより薄くすると、蒸着そのものが数秒で終わってしまう。蒸着開始直後は蒸着膜厚のレート(1秒間に蒸着される膜厚)が不安定なため、逆に蒸着膜厚のばらつきが大きくなってしまう。
すなわち、Pt蒸着膜厚が40Å以上100Å以下であれば、Pt蒸着膜厚で埋め込み部の底部の位置を制御することができ、Vpを一義的にかつ再現性良く制御することが可能となる。
また、FET1とFET2のピンチオフ電圧Vpに応じて、それぞれ所望の深さに第1埋め込み部127b、128bの底部が位置するように、第1ノンドープ層41、第2ノンドープ層42、第3ノンドープ層43の厚みとゲート金属層120a、120bの蒸着膜厚を設定する。
第1ノンドープ層41、第3ノンドープ層43はAlGaAs層であり、第2ノンドープ層42、安定層44はInGaP層である。InGaP層とAlGaAs層はエッチングの選択比が高いため、ウェットエッチングで容易に所望の層の表面を露出させることができる。また、上記の如く、Pt蒸着膜厚は40Å以上100Å以下であれば、Pt蒸着膜厚で埋め込み部の底部の位置を制御することができる。埋め込み部はゲート電極として作用するため、実質的に蒸着金属よりなる第1ゲート電極127および第2ゲート電極128の底部をそれぞれの第1埋め込み部127b、128bの厚み分だけ深い位置に設けたことと同等となる。
つまり、例えば第1埋め込み部127bの底部を第1ノンドープ層41内に位置させ、第2埋め込み部128bの底部を、第3ノンドープ層43内に位置させることにより受信側スイッチング素子および送信側スイッチング素子の特性として適切な、FET1、FET2のピンチオフ電圧を得ることができる。受信側スイッチング素子と送信側スイッチング素子の特性については、後述する。
そして、この場合、第1ゲート電極127および第2ゲート電極128(ゲート金属層)を形成する位置(半導体層表面)は、ウェットエッチングにより制御が容易であり、第1埋め込み部127b、第2埋め込み部128bの深さはPt蒸着膜厚で一義的に制御できる。すなわち、本実施形態ではFET1およびFET2のそれぞれについて所定のピンチオフ電圧Vpを容易に且つ再現性よく実現することができる。
スイッチMMICの場合、ゲート電極から制御端子までの間に10KΩ程度以上の抵抗が挿入されるため、ゲート電極自体の抵抗値は高くても問題ない。従って、例えばPt40〜60Å/Mo50Åというゲート金属構造が好適である。
以下、ゲート金属の蒸着膜厚と、第1〜第3ノンドープ層41〜43の厚みについて更に説明する。
HEMTのVpばらつきの要求規格は、最大で±0.2Vである。また、HEMTのゲート電極底部の高さのばらつき約10〜15Åが、HEMTのVpばらつき0.1Vに相当する。埋め込みゲート電極構造の場合は、埋め込み部の底部がゲート電極底部に相当する。以下ゲート電極底部の高さのばらつきを、埋め込み部のばらつきGDと称する。すなわち、埋め込み部のばらつきGDの要求規格は、最大で±20〜30Å程度の範囲内となる。
例えば、蒸着膜厚が60Åの場合、最大で±10%の生産ばらつきによって蒸着膜厚は±6Åばらつく。このとき、埋め込み深さのばらつき、すなわち埋め込み部のばらつきGDはその2.4倍で、14.4[Å]となる。従って、蒸着膜厚が60Å以下であれば、埋め込み部のばらつきGDの要求規格である最大で±20Å〜30Å程度内に十分入り、Vpばらつきの要求規格である最大で±0.2Vを達成できる。そして、既述の如く、埋め込み部のばらつきGDの約10〜15ÅがVpばらつき0.1Vに相当する。
つまり、埋め込み部のばらつきGDが15ÅでVpが0.1V変化する比率であれば、Vpが±0.096V(=(0.1[V]/15[Å])×14.4[Å])ばらつくことになる。また、埋め込み部のばらつきGDが10ÅでVpが0.1V変化する比率であれば、Vpは±0.144V(=(0.1[V]/10[Å])×14.4[Å])ばらつく。つまり蒸着膜厚が上限の60Åの場合であってもVpばらつきは±0.096〜0.144Vとなる。従ってVpばらつきの要求規格である最大で±0.2Vを達成できる。
Ptの埋め込み深さは最低でも40×2.4=96Å、最大で60×2.4Å、すなわち96Å〜144Åの深さが必要となる。埋め込みゲート構造の場合にはその分ゲート電極の底部が表面から下がる。従って、表面から下がる深さを考慮して、埋め込み部の底部が位置するエピタキシャル層の厚みを設計する必要がある。すなわちFET1の所定のピンチオフ電圧Vpを得るため第1ノンドープ層41の厚みを設計し、FET2の所定のピンチオフ電圧Vpを得るため第1乃至第3ノンドープ層のトータルの厚みを設計する。
本実施形態では、FET1およびFET2のピンチオフ電圧Vpをそれぞれ−1.1V、−2.2Vに設定する。更に、FET2の第2埋め込み部128bを第3ノンドープ層43内に位置させる必要がある。従って、第3ノンドープ層43の厚みを130Åとする。そして第2ノンドープ層42の厚みを10Åとし、第1ノンドープ層41の厚みを280Åとしている。更に、AlGaAs層とInGaP層の選択エッチングにより、第1ゲート電極127および第2ゲート電極128の形成位置を決定している。
このとき、Pt蒸着膜厚がある値に固定されていると設計に制限が加わる。具体的には例えばFET2の第2ゲート電極128の底部(第2埋め込み部128b)の位置が決まってしまう。
しかし、40Å〜60Åの範囲の蒸着膜厚設定によりピンチオフ電圧Vpを微調整することができる。すなわち、このときのVpばらつきは最大でも±0.096V〜0.144Vとなり、FET1、FET2共に要求されるVpばらつきの最大で±0.2V程度に十分収めることができる。
つまり、Ptの蒸着膜厚に20Å程度の自由度があるため、FET2の第2埋め込み部128bの底部を、第3ノンドープ層43中のいずれの深さに位置させるかをある程度自由に選択することができる。
換言すれば第1ノンドープ層41、第2ノンドープ層42および第3ノンドープ層43の厚みを最適化することにより、Vpの基本設計はエピタキシャル層の厚みの設定で行い、Pt蒸着膜厚の設定によってVpの微調整が可能である。
また、FET2はFET1よりピンチオフ電圧Vpが大きいので、第2ゲート電極128を形成する位置を第1ゲート電極127の形成位置より上方に持っていく必要がある。つまり、第1ゲート電極127を形成する第1ノンドープ層41上に、AlGaAsとの選択エッチングが可能な第2ノンドープ層(InGaP層)42を所定の厚みに積層する。さらに、第2ノンドープ層42上にInGaP層との選択エッチングが可能な第3ノンドープ層43(AlGaAs層)を積層し、第3ノンドープ層43表面に第2ゲート電極128を形成する。
第2ノンドープ層42は第3ノンドープ層43をエッチングする際のエッチングストップ層である。また、第3ノンドープ層43は、第1ゲート電極127より高い位置に第2ゲート電極128を設けると共に、プラズマダメージを受けた安定層44を選択エッチングにより除去し、清浄なノンドープ層に第2ゲート電極128を形成するために設けられる。
更に、本実施形態ではチャネル層35の上下に電子供給層33を配置したダブルへテロ接合構造を採用しており、更に電子供給層33の上に第1ノンドープ層41〜第3ノンドープ層43が設けられる。
第2ゲート電極128は、第3ノンドープ層43上に形成するが、第2ゲート電極128から第2電子供給層33bに至るまでの間に不純物が添加された層が配置されず、実質的に電子供給層33に連続する第1ノンドープ層41内に、第2ゲート電極128が設けられたこととなる。
このように、ダブルへテロ接合構造で、電子供給層33に連続するノンドープ層にゲート電極が設けられた構造により、FET2は所定の耐圧を確保しながら非常に低いオン抵抗を実現することができる。すなわち10Vのゲート耐圧を有しながら、Pt埋め込みゲート構造、ダブルへテロ接合構造、電子供給層からゲート電極までをすべてノンドープ層とする構造、を採用することにより、電子供給層の濃度を3.3×1018cm−3まで上げることができる。この結果ピンチオフ電圧Vp=−2.2Vにおいてゲート幅1mmあたりのオン抵抗としてゲート電圧Vg=0Vでオン抵抗Ron=0.9Ω/mmを実現した。このオン抵抗の値はスイッチ用HEMTとしては極めて低いといえる。
一方、FET1においても、Ptを埋め込んだ埋め込みゲート構造を採用する。埋め込みゲート構造とすることでAlGaAs層表面に多く分布する表面欠陥準位の影響を大幅に減らすことができる。
更に本実施形態では、埋め込みゲート電極構造を採用し、PtはAlGaAs層のみに拡散させる。また安定層44をエッチングし、清浄なノンドープ層(第1ノンドープ層41または第3ノンドープ層43)にそれぞれ第1ゲート電極127、第2ゲート電極128を設ける。これにより耐圧を大幅に向上できる。
図4および図5を参照し、更に説明する。図4は、本実施形態との比較のために埋め込みゲート電極構造において、PtをInGaP層に拡散した場合を示す。また図5は、第2ゲート電極128部分の拡大図である。図5(A)は、本実施形態の場合を示し、図5(B)は比較のために第2ゲート電極128を安定層44上に設けた場合を示す。
図4を参照し、InGaP層に第2ゲート電極128の一部を埋め込む場合を示す。埋め込みゲート電極構造を採用する場合には、ゲート金属層120b(Pt/Mo)を、例えば第2ノンドープ層(InGaP層)42に蒸着し、Ptを拡散して第2埋め込み部128b’を形成する。埋め込み部128b’は拡散領域であるため、本来であれば半導体層表面から所定の曲率で外側に向かって湾曲した形状に形成され、耐圧の向上に寄与できるとされていた。
しかし、このようにInGaP層42表面にPtを拡散させたものを実際に観察すると、図4(A)の如くPtがInGaP層42表面で異常拡散し、端部(X点)が尖った形状となっていることが判明した。すなわち、第2埋め込み部128b’は、断面形状において外側に所定の曲率を有する湾曲形状とはならないことがわかった。
また、図4(B)には、第3ノンドープ層(AlGaAs層)43上に第2ゲート電極128を形成し、第2埋め込み部128b’を第1ノンドープ層(AlGaAs層)41まで拡散する場合を示す。このように、InGaP層42に直接第2ゲート電極128がコンタクトしない場合であっても、AlGaAs層43を貫通して拡散したPtがInGaP層42に到達すると、その表面で異常拡散を起こすことがわかった。すなわち、InGaP層42の表面ではPtが異常拡散するため、何れの場合もX点で電界集中が発生し、所定の耐圧を確保することができない問題となる。
そこで本実施形態では、図5(A)の如く、ゲート金属層120bを第3ノンドープ層43表面に蒸着、リフトオフしてゲート電極128を形成する。そして最下層金属のPtを第3ノンドープ層43中に拡散し、第2埋め込み部128bを形成している。これにより、PtのInGaP層への拡散を回避できる。すなわち、第2埋め込み部128bは、半導体層表面から所定の曲率で外側に向かって湾曲した形状に形成され、耐圧の向上に寄与できる。
第2埋め込み部128bの深さは、FET2のピンチオフ電圧Vpの要求値により決定するので、これに応じて、第2ゲート電極128を構成するPtの蒸着膜厚と、第3ノンドープ層43の厚みを決定する。具体的には、Ptの蒸着膜厚を50Åとし、第2埋め込み部128b深さを120Åとする。そして第3ノンドープ層43の厚みは、第2ノンドープ層42および安定層44の何れの厚みより厚く、130Åとする。
第1ノンドープ層41〜第3ノンドープ層の具体的な厚みは上記の通りであるが、それぞれの半導体層の厚みの設計の一例について更に説明する。
既述の如く、第2電子供給層33bはFET2が最大限の特性が得られるよう設計され、本実施形態では第2電子供給層33bの不純物濃度は3.3×1018cm−3とする。
まずFET1を設計し、第1ノンドープ層41の厚みを決定する。FET1のピンチオフ電圧Vpは−1.1Vとする。このとき第1ゲート電極127の底部が第1ノンドープ層中で第2電子供給層33b表面から160Å上方に位置する必要がある。第1ゲート電極127のPt蒸着厚みを50Åとすると、第1埋め込み部127bの深さはPt蒸着厚みの2.4倍、すなわち120Åである。従って第1ノンドープ層41の厚みは第1埋め込み部127bの深さ120Åに160Åを加えた値となる280Åに決定される。
次にFET2を設計し、第2ノンドープ層42および第3ノンドープ層43の厚みを決定する。FET2のピンチオフ電圧Vpは−2.2Vとする。このとき第2ゲート電極128の底部から第2電子供給層33b表面までの距離を300Åにする必要がある。第2ゲート電極128のPtの蒸着厚みを50Åとすると、第2埋め込み部128bの深さはPt蒸着厚みの2.4倍、すなわち120Åである。従って第1ノンドープ層41〜第3ノンドープ層43の厚みのトータルは、第2ゲート電極128の底部から第2電子供給層33bまでの距離(300Å)に第2埋め込み部128bの深さ(120Å)を加えた厚みである420Åに決定される。ここで、Ptの異常拡散防止のため、ゲート電極128の底部を第3ノンドープ層43中に留める必要がある。従って、第3ノンドープ層43の厚みはPtの埋め込み深さ(第2埋め込み部128bの深さ)である120Åより大きくする必要がある。すなわち第3ノンドープ層43の厚みはPtの蒸着厚みのばらつきなどを考慮して10Åの余裕を持って130Åとする。
従って第2ノンドープ層42の厚みは第1ノンドープ層41〜第3ノンドープ層43のトータルの厚み(420Å)から第1ノンドープ層41の厚み(280Å)と第3ノンドープ層43の厚み(130Å)を減じた10Åに決定される。第2ノンドープ層(InGaP層)42の厚みは、10Åあればエッチングストップ層として十分機能する。
ここで、上記の値は一例である。すなわち、所定のピンチオフ電圧を得るために、FET1の場合は第1埋め込み部127bの底部から第2電子供給層33b表面までの距離を160Åにする必要がある。またFET2の場合は第2埋め込み部128bの底から第2電子供給層33b表面までの距離を300Åにする必要がある。この160Åおよび300Åを実現するためのPtの蒸着膜厚と、Pt蒸着膜厚に応じた第1ノンドープ層41〜第3ノンドープ層43のトータル厚みは、適宜設定可能である。これは既述の如くPtの蒸着膜厚が40〜60Åの範囲で設定可能だからである。さらに、Ptの蒸着膜厚を決定することにより、それに応じた第1ノンドープ層41〜第3ノンドープ層43のトータル厚みを一義的に決定した場合であっても、トータル厚みさえ設定値に合致すればよい。
つまり、第1ノンドープ層41〜第3ノンドープ層43のそれぞれの厚みは、上記の値に限らず適宜設定可能である。但し、本実施形態では、トータル厚みが設定値に合致することに加えて、異常拡散を防止するために、第2埋め込み部128bがInGaP層(第2ノンドープ層42)に達しないことが必要である。すなわち、以上のすべての条件を満たす範囲内で、第1ノンドープ層41〜第3ノンドープ層の厚みを適宜設定することができる。
更に、第2ゲート電極128を清浄な第3ノンドープ層43表面に形成できる。製造工程は後に詳述するが、第2ゲート電極128の形成前に、キャップ層37のエッチングマスクとなった窒化膜51の一部を、プラズマエッチングにより除去する工程がある。従って、本実施形態では、動作領域100をプラズマダメージから保護するため、およびキャップ層37との選択エッチングを可能にするため、キャップ層37の下層に安定層として化学的に安定なInGaP層を配置する。
プラズマエッチングは、安定層44の一部が露出した状態で行う。すなわち安定層44表面はプラズマエッチングのダメージを受けている。
ここで、図5(B)のように、安定層44上に第2ゲート電極128(ゲート金属層120b)を蒸着し、第2埋め込み部128b’を形成すると、第2ゲート電極128の最下層のPtを埋め込む熱処理を行う際、安定したピンチオフ電圧Vpを得るためのPtの埋め込み時間が40分と非常に長くかかってしまう。これはプラズマダメージにより結晶性が悪くなった安定層(InGaP層)44表面にPtが埋め込まれるため、Pt埋め込みが終了するのに非常に時間がかかるためである。つまりPt埋め込みは40分経った時点で終了し、それ以上熱処理を続行してもピンチオフ電圧Vpの値が変化することはない。
また図4(A)および(B)と同様に、安定層(InGaP層)44にPtが拡散するため、安定層44表面において横方向(基板水平方向)の拡散が異常に速くなり、第2埋め込み部128b’の端部の形状は所定の曲率半径を持つ外側に湾曲した形状にならず、表面において尖った形状となってしまう。
埋め込み部を設けない場合(埋め込みゲート構造でない場合)、第2ゲート電極128と基板表面の界面の端部(Y点)に電界集中が発生する。一方、埋め込みゲート構造の埋め込み部は、本来その端部の形状が所定の曲率半径を有し外側に湾曲した形状となり、第2ゲート電極128に逆バイアスが印加される際、電界強度が分散される。つまり、電界強度が集中することなく緩和されるため最大電界強度が弱まり、大きな耐圧を得ることができる。
しかし、第2埋め込み部128b’の端部が所定の曲率半径を持つ曲線でなく表面において尖った形状となってしまうと、その尖った部分(Z点)に電界が集中しゲート耐圧が劣化してしまう問題がある。
そこで、本実施形態では図5(A)の如く、プラズマダメージを受けた安定層44を除去することとした。
安定層44は塩酸でウエットエッチングされる。またその下層の第3ノンドープ層43はAlGaAs層であり、塩酸ではエッチングされない。従って、ウェットエッチングで容易に、清浄なAlGaAs層を露出させることができる。
この状態で、第2ゲート電極128(ゲート金属層120b)を蒸着し、Ptを埋め込む熱処理を施す。第3ノンドープ層43はプラズマダメージを受けていないため、Ptは均一に(正常に)拡散し、Pt埋め込みのための熱処理に要する時間を5分と短くできる。つまり、Pt埋め込みは5分経った時点で終了し、それ以上熱処理を続行してもピンチオフ電圧Vpの値が変化することはない。第2埋め込み部128bは図の如く所定の曲率半径を連続して有し外側に湾曲した形状となるため、第2埋め込み部128bにより電界集中を抑制できる。これにより、所定のゲート耐圧を確保することができる。
具体的には、図5(B)の場合6.5Vであったゲート耐圧が、図5(A)の構造にすることにより10Vとなり、大幅に向上した。
また、第2ゲート電極128をAlGaAs層に形成(蒸着)できる。AlGaAs層はInGaP層と比較して結晶成長が安定しており、HEMTの特性の再現性が良好となる効果もある。
尚、図示は省略するが、第1ゲート電極127および第1埋め込み部127bについても同様である。すなわち、第1ゲート電極127を構成するPtは、InGaP層に拡散することなく埋め込み部127bを形成できる。また、第1ゲート電極127の蒸着直前まで第1ノンドープ層41は上層のノンドープ層により保護されているので、清浄な第1ノンドープ層41に第1ゲート電極127を形成できる。
次に、本実施形態の窒化膜について説明する。
再び図3を参照し、第2ゲート電極128、第1ゲート電極127、第1ソース電極115および第2ソース電極135、第1ドレイン電極116および第2ドレイン電極136は、その周囲に密着する窒化膜51で被覆される。本実施形態の窒化膜51は第1窒化膜511、第2窒化膜512、第3窒化膜513からなるが、窒化膜51の構成内容の種類は部分的に異なり、これら3層がすべて存在する個所もあるが、これらのいずれか2層の組み合わせの個所、あるいはこれらのうち1つの窒化膜から構成される個所もある。
第1窒化膜511は、ソース領域37sおよび第1ソース電極115上を連続して覆う。また、ドレイン領域37dおよび第1ドレイン電極116上を連続して覆う。これにより、ソース領域37sと第1ソース電極115の段差および、ドレイン領域37dと第1ドレイン電極116の段差は、第1窒化膜511により完全に被覆され、第1ソース電極115(第1ドレイン電極116も同様)の端部は、第1窒化膜511と密着している。また、第1窒化膜511の端部は、ソース領域37sおよびドレイン領域37dとなるキャップ層37の端部と一致している。また、FET1の場合は、第1窒化膜511の端部が、安定層44、第3ノンドープ層43および第2ノンドープ層42の端部とも一致している。さらにFET2の場合は、第1窒化膜511の端部が、安定層44の端部とも一致している。以下、ソース側とドレイン側は同様であるので、ソース側について説明する。
オーミック電極である第1ソース電極115等の金属電極が半導体に接している場所において、製造プロセス中の水分または薬剤がこれらの間に滲入することによりガルバニック効果が発生する。すなわち、水分または薬剤などによりオーミック電極の端部でオーミック電極と半導体の間に電流が発生し、半導体が電気化学的腐食を起こす。半導体の不純物濃度が高いなど、導電性が増せば増すほど大きな電流が流れるためガルバニック効果が激しくなり、その部分の半導体が大きくエッチングされてしまう。つまり、キャップ層がエッチングされることによりHEMTのソース−ドレイン間の電流経路が狭められ、オン抵抗Ronが増大してしまう問題がある。
そこで、本実施形態では、ソース領域37sとなるキャップ層37と第1ソース電極115の段差に密着し、連続して完全に被覆する第1窒化膜511を設け、これらの間に水分又は薬剤が滲入することを防止している。
また、第1窒化膜511および第2窒化膜512はそれぞれ500Å、1500Å程度で、ほぼ均一な厚みで、第1ソース電極115およびキャップ層37をまんべんなく覆っている。これらの窒化膜はCVDにより堆積を行う。CVDにおいては装置のチャンバー内において雪が降り積もる如く窒化膜が堆積されていく。つまり、キャップ層37がエッチングされない本実施形態では第1ソース電極115の側面でも上面(平面)の70%程度以上の膜厚が確保できる。従って、ウェハ完成後においても水分や薬剤などの滲入を完全に保護することができ、ガルバニック効果の発生を防止できる。
尚、FET2の第2ゲート電極128とその周囲に露出した第3ノンドープ層43は、第3窒化膜513で被覆される。一方、FET1の第1ゲート電極127およびその周囲に露出した第1ノンドープ層41は、第2窒化膜512および第3窒化膜513で被覆される。
次に、FET1、FET2をそれぞれ受信側スイッチング素子、送信側スイッチング素子とした場合の特性について説明する。
まず、本実施形態のスイッチMMICにおいてはいずれかのFETがオン状態の場合に他方のFETがオフ状態であるので、オン側とオフ側のそれぞれのFETについて説明する。
FETがオンのとき、通過させることができる最大通過電力Ponと、FETがオフの時遮断するとことができる最大遮断電力Poffは、スイッチング回路の重要な性能指標の1つである。そして、最大通過電力Ponと、最大遮断電力Poffは、それぞれ以下の式1、式2で表わされる。
Pon=10log(((2R×Idss/1.3)/8R)×1000)[dBm] (式1)
Poff=10log((((|Vr|−|Vp|)×4)/8R)×1000)+3.0[dBm] (式2)
ここで、R:入力端子および出力端子のインピーダンス、Idss:FETの飽和ドレイン電流、Vr:ゲートショットキー接合に印加される逆バイアス電圧、Vp:FETのピンチオフ電圧である。マイクロ波では特性インピーダンス50Ωを基準としており、すなわち、R=50[Ω]である。
式1より、Idssの大きいFETほど、最大通過電力Ponが大きくなる。また、式2において、HEMTはゲートショットキー接合の作りつけ電圧(ビルトイン電圧)が0.6Vである。従って、第1制御端子Ctl1および第2制御端子Ctl2が0Vおよび3Vで制御されている場合、ゲートショットキー接合に印加される逆バイアス電圧の絶対値|Vr|=3−0.6=2.4[V]となる。従って(|Vr|−|Vp|)の値が大きいほど、すなわちVpが小さいほど最大遮断電力Poffが大きくなる。スイッチング素子としてのFETは一般にディプレッション型であり、ピンチオフ電圧Vpはマイナスである。従ってピンチオフ電圧Vpが小さいとは、ピンチオフ電圧Vpの絶対値が小さいということであり、ピンチオフ電圧Vpが大きいとは、ピンチオフ電圧Vpの絶対値が大きいということである。
ここで、図6に本実施形態のFET1およびFET2において、式1および式2により最大通過電力Ponと最大遮断電力Poffを計算した結果を示す。図6(A)が、FET1(ピンチオフ電圧Vp=−1.1V)の場合であり、図6(B)がFET2(ピンチオフ電圧Vp=−2.2V)の場合である。尚、最大通過電力Ponについては、ゲート幅Wgと飽和ドレイン電流Idssを併記し、ゲート幅Wgについては100μm、200μm、300μmについて計算した。
図6(A)を参照し、受信側スイッチング素子SW1(FET1)がオフのときは大きな電力レベルの送信信号を遮断する必要があるので、FET1のピンチオフ電圧Vpを小さくする。これはFET1がオフのときに第1ゲート電極127に印加される逆バイアス電圧Vrと、ピンチオフ電圧Vpとの差を大きくする必要があるためである。具体的にはFET1のピンチオフ電圧Vpを−1.1Vとする。式2の計算によりVp=−1.1Vであれば最大遮断電力Poffは21.3dBmとなる。Bluetoothや無線LANでは送信側スイッチング素子SW2(FET2)に最大で20dBmの電力が通過するため、そのとき受信側スイッチング素子SW1(FET1)では20dBmの電力を遮断する必要があるが、上記の値であれば十分である。また受信側スイッチング素子SW1(FET1)はピンチオフ電圧Vpが小さい分、Idssも小さくなる。しかしFET1がオンのときFET1を通過する受信信号は微弱であり、流れる電流もわずかなためFET1のIdssが小さくても問題ない。具体的には受信信号は0dBm以下である。FET1は、ゲート幅Wgが100μmの場合、0.033AのIdssが得られる。ゲート幅Wgが200μmでは0.066AのIdssが得られる。従って式1によりゲート幅Wgが100μmの場合に12.1dBm、ゲート幅Wgが200μmの場合に18.1dBm、ゲート幅Wgが300μmの場合に21.6dBm電力を通過させることができる。通過電力としては、ゲート幅Wgが100μmあれば十分であり、インサーションロスを考慮する場合はゲート幅Wgが200μmの方がオン抵抗が小さく好適となる。
次に、図6(B)を参照し、送信側スイッチング素子SW2(FET2)は大きな電力を通過できるよう大きな電流を流す必要があるため、ピンチオフ電圧Vpを大きくしてIdssを大きくする必要がある。具体的にはピンチオフ電圧Vpを−2.2Vとすることによりゲート幅Wgが100μmあたりのIdssは0.045Aとなり、ピンチオフ電圧Vpが低い(−1.1V)場合より大きくすることができる。Bluetoothや無線LANでは送信側スイッチング素子SW2(FET2)に最大で20dBmの電力を通過させる必要がある。20dBmの電力を通過させるには式1により0.09A程度のIdssが必要となる。しかしピンチオフ電圧Vpを−2.2Vとすることによりわずか200μmのゲート幅Wgで0.09AのIdssを確保することができる。
そしてFET2がオフのときは小さい電力レベルの受信信号を遮断できれば良いので、FET2のピンチオフ電圧Vpを大きくしておいても問題はない。これはFET2がオフのときに第2ゲート電極128に印加される逆バイアス電圧Vrとピンチオフ電圧Vpの差が小さくても良いためである。具体的には受信信号は0dBm以下であり、式2によりVp=−2.2VのFET2の最大遮断電力Poffは5dBmあるので十分である。
尚、特性上ゲート幅Wgが300μmでも問題はないが、チップサイズが大きくなる。つまり、十分な特性が確保できる場合にはゲート幅Wgはなるべく小さい方が望ましい。
そこで、本実施形態のSPDTでは、FET1およびFET2のゲート幅Wgをともに200μmとし、受信側スイッチング素子SW1であるFET1のピンチオフ電圧Vp=−1.1V、送信側スイッチング素子SW2であるFET2のピンチオフ電圧Vp=−2.2Vとした。この場合FET1のオン抵抗Ronは5.5Ωであり、FET2のオン抵抗Ronは4.5Ωである。また、送信側スイッチング素子SW2(FET2)がオン、受信側スイッチング素子SW1(FET1)がオフの場合、2.4GHzのインサーションロスは0.35dB、アイソレーションは21dBとなる。一方送信側スイッチング素子SW2(FET2)がオフ、受信側スイッチング素子SW1(FET1)がオンの場合、2.4GHzのインサーションロスは0.40dB、アイソレーションは21dBとなる。
これにより、SPDTスイッチMMICのチップサイズは0.31×0.25mmとなり、大幅な小型化が可能となる。
尚、制御抵抗R1、R2はそれぞれ5KΩ〜10KΩである。この制御抵抗R1、R2は、高抵抗体で形成されている。
図7を参照し高抵抗体R1について説明する。図7は、図2のc−c線断面である。高抵抗体R1は、絶縁化領域により他の構成要素と分離される。また図7の如くキャップ層37および安定層44をエッチングしたリセス部111に、キャップ層37より下層の半導体層を露出させた構造である。この構造によりキャップ層37より下層の半導体層(第3ノンドープ層43以下の層)が実質的な抵抗層となる。高抵抗体R1のシート抵抗は数百Ω/□であるため、短い距離で抵抗値を高めることができる。従って、制御抵抗R1を高抵抗体とすることにより、短距離で所望の抵抗値が得られ、これによってもチップの小型化に寄与している。尚、制御抵抗(高抵抗体)R2も同様である。
また、受信側スイッチング素子SW1を構成するFET1の第1ゲート電極127は、埋め込み電極構造でなくてもよい。受信側スイッチング素子SW1ではピンチオフ電圧Vpが小さいため、比較的耐圧が大きく確保できるためである。その場合、ゲート金属層120aは例えばTi/Pt/Auなどが採用できる。またその場合第1ノンドープ層41〜第3ノンドープ層43の厚みを変更する。具体的には、まず第1ノンドープ層41の厚みを第1埋め込み部127bが無くなる分だけ薄くし、160Åとする。そして第1〜第3ノンドープ層の厚みのトータルを維持するため、例えば、第2ノンドープ層42の厚みを50Å、第3ノンドープ層43の厚みを210Åとする。また安定層44は100Å、キャップ層37の厚みは1000Å程度とする。
図8から図12は、他の実施形態を示す回路図である。本実施形態は、上記のSPDTスイッチMMICに限らず、他の受信側スイッチング素子SW1を備えるスイッチMMICや、受信側スイッチング素子SW1がFETの多段接続により構成される場合などにも適用できる。
以下の回路図で、受信側スイッチング素子SW1を構成する各FETの構造およびピンチオフ電圧Vpは、第1の実施形態のFET1と同様である。また送信側スイッチング素子SW2を構成する各FETの構造およびピンチオフ電圧Vpは、第1の実施形態のFET2と同様である。従って、構造についての詳細な説明は省略する。
図8は、第2の実施形態であり、受信側スイッチング素子SW1が3つあるSP4T(Single Pole Four Throw)である。3つの受信側スイッチング素子SW1は、それぞれ3つの受信側FET(FET1−1、FET1−2、FET1−3)により構成され、送信側スイッチング素子SW2は1つの送信側FET2により構成される。尚、第1の実施形態の共通入力端子IN、第1出力端子OUT1、第2出力端子OUT2は、アンテナ端子ANT、受信端子Rx、送信端子Txに置き換えることが可能である。すなわち、第1の実施形態の共通入力端子INが、第2の実施形態以降のアンテナ端子ANTに相当する。共通入力端子INとアンテナ端子ANTは等価であり、アンテナ端子ANTはアンテナを意味する。また第1の実施形態の第1出力端子OUT1および第2出力端子OUT2が、それぞれ第2の実施形態以降の受信端子Rxおよび送信端子Txに相当する。
受信側FET1−1、FET1−2、FET1−3はそれぞれ1段のFETが並列に接続し、それらのソース電極と、送信側スイッチング素子SW2を構成するFET2のソース電極が共通でアンテナ端子ANTに接続する。また受信側FET1−1、FET1−2、FET1−3のドレイン電極がそれぞれ第1受信端子Rx1、第2受信端子Rx2、第3受信端子Rx3を介して受信回路RC1〜3に接続する。更に、送信側FET2のドレイン電極が送信端子Txを介して送信回路TCに接続する。
更に、受信側FET1−1、FET1−2、FET1−3のそれぞれのゲート電極が第1〜3受信側制御端子Ctl−Rx1、Ctl−Rx2、Ctl−Rx3に接続し、送信側FET2のゲート電極が送信側制御端子Ctl−Txに接続する。
受信側FET1−1、FET1−2、FET1−3は、図3(A)に示すFET1と同様であり、ピンチオフ電圧Vpが小さいFETである。ここで、受信側FET1−1、FET1−2、FET1−3のそれぞれのピンチオフ電圧Vpはすべて同じ値である。受信側FET1−1、FET1−2、FET1−3のピンチオフ電圧Vpの値で、送信側FET2を伝搬するパワーが決定する。従って送信側FET2を所定のパワーが伝搬できるように、いずれの受信側FETにおいても、十分ピンチオフ電圧Vpを小さくする必要がある。
一方送信側FET2は図3(B)に示すFET2と同様であり、ピンチオフ電圧Vpが大きいFETである。この回路において送信側制御端子Ctl−Tx、第1〜3受信側制御端子Ctl−Rx1、Ctl−Rx2、Ctl−Rx3のいずれか1つにHレベルの信号が印加され、残りの3つにLレベルの信号が印加される。そしてHレベルの信号が印加されたFETがON、Lレベルの信号が印加されたFETがOFFすることにより、アンテナ端子−送信端子Txおよびアンテナ端子−第1〜3受信端子Rx1〜3のいずれかに高周波信号経路を形成する。
図9は、第3の実施形態であり、受信側スイッチング素子SW1がn−1個あるSPnT(Single Pole n Throw)である。n−1個の受信側スイッチング素子SW1はn−1個の受信側FET1−1、FET1−2・・FET1−n−1により構成され、送信側スイッチング素子SW2は1つの送信側FET2で構成される。第2の実施形態における受信側スイッチング素子SW1の数が増えたものである。すなわち受信側FET1−1、1−2・・・FET1−n−1は何れも、図3(A)のFET1と同様の構成であり、送信側のFET2(図3(B)のFET2と同様)よりもピンチオフ電圧Vpが小さい。また回路動作は第2の実施形態と同様であるので説明は省略する。
図10は、第4の実施形態であり、第1の実施形態のSPDTにロジック回路を接続した回路である。ロジック回路は、負荷抵抗Rとエンハンスメント型FET(E−FET)を直列に接続した回路であり、E−FETのドレイン電極とゲート電極にそれぞれFET1、FET2のゲート電極が接続する。これにより、受信側スイッチング素子SW1(FET1)、送信側スイッチング素子SW2(FET2)に制御信号を印加する制御端子Ctlを1つにすることができる。FET1、FET2はいずれもディプレッション型FET(D−FET)である。FET1は、FET2よりもピンチオフ電圧Vpが小さい。
図11は、第5の実施形態であり、2つの受信側スイッチング素子SW1がそれぞれFETの多段接続により構成されるSP3Tの場合である。図では、多段接続された2つの受信側FET群F1−1およびF1−2が並列に接続した場合を示すが、受信側FET群は単数でも複数の並列接続でも良い。
受信側FET群F1−1は、FET1−1−1、FET1−1−2、FET1−1−3を直列に多段接続したFET群である。FET群の一端のソース電極がアンテナ端子ANTに接続し、FET群の他端のドレイン電極が第1受信端子Rx1を介して受信回路RC1に接続する。また各FETのゲート電極が共通で第1受信側制御端子Ctl−Rx1に接続する。受信側FET群F1−2は、FET1−2−1、FET1−2−2、FET1−2−3を直列に多段接続したFET群である。FET群の一端のソース電極がアンテナ端子ANTに接続し、FET群の他端のドレイン電極が第2受信端子Rx2を介して受信回路RC2に接続する。また各FETのゲート電極が共通で第2受信側制御端子Ctl−Rx2に接続する。
一方、送信側スイッチング素子SW2は1つのFET2より構成され、ソース電極がアンテナ端子ANTに接続し、ドレイン電極が送信端子Txを介して送信回路TCに接続し、ゲート電極が送信側制御端子Ctl−Txに接続する。また、受信側FET群F1−1、F1−2を構成するいずれのFETも、FET2よりピンチオフ電圧Vpが小さい。
このように、受信側スイッチング素子SW1においてFETを多段接続させる必要があるのは、送信側スイッチング素子SW2に非常に大きな電力が伝搬する場合である。送信側スイッチング素子SW2がオンで受信側スイッチング素子SW1がオフのとき、ピンチオフ電圧Vpの小さい1段のFETのみで受信側スイッチング素子SW1を構成すると、送信側に伝搬する非常に大きな振幅の送信信号を遮断しきれない場合がある。その場合は、図11の如く受信側スイッチング素子SW1をFETを多段接続したFET群で構成するとよい。また回路動作は第2の実施形態と同様である。
図12は、第6の実施形態であり、シャントFETを接続したSPDTである。受信側スイッチング素子SW1はFET1であり、送信側スイッチング素子SW2はFET2である。FET1のピンチオフ電圧Vpは、FET2のピンチオフ電圧Vpより小さい。FET1のソース電極およびFET2のソース電極は共通でアンテナ端子ANTに接続する。また、FET1のドレイン電極は、受信端子Rxを介して受信回路RCに接続し、FET2のドレイン電極は送信端子Txを介して送信回路TCに接続する。FET1のゲート電極は受信側制御端子Ctl−Rxに接続し、FET2のゲート電極は送信側制御端子Ctl−Txに接続する。
更に、受信側スイッチング素子SW1であるFET1のドレイン電極、送信側スイッチング素子SW2であるFET2のドレイン電極にそれぞれ直列に、分離素子S−FET1、S−FET2が接続する。分離素子S−FET1、S−FET2はシャントFETである。つまり分離素子S−FET1のソース電極はFET1のドレイン電極および受信端子Rxに接続し、分離素子S−FET1のドレイン電極は、容量Cを介して接地(GND)され、ゲート電極は送信側の制御端子Ctl−Txに接続する。一方、分離素子S−FET2のソース電極はFET2のドレイン電極および送信端子Txに接続し、分離素子S−FET2のドレイン電極は、容量Cを介して接地(GND)され、ゲート電極は受信側の制御端子Ctl−Rxに接続する。
シャントFETの役割は、オフ側のスイッチング素子をわずかに漏れて通過した高周波信号を、オンとなっているシャントFETから容量を介してGNDに逃がすことにある。このことによりオフ側のスイッチング素子から漏れた高周波信号が、オフ側の高周波端子に出力されないようにすることができ、シャントFETが無い場合に比べてアイソレーションを大幅に向上させることができる。
そして、受信側スイッチング素子SW1に接続する分離素子S−FET1のピンチオフ電圧Vpは、送信側スイッチング素子SW1を構成する送信側FET2のピンチオフ電圧Vpと同じく大きい。つまり分離素子S−FET1の断面構造は送信側FET2の断面構造と同じである。
一方送信側スイッチング素子SW2に接続する分離素子S−FET2のピンチオフ電圧Vpは、受信側スイッチング素子SW2を構成する受信側FET1のピンチオフ電圧Vpと同じく小さい。つまり分離素子S−FET2の断面構造は受信側FET1の断面構造と同じである。
例えば送信側制御端子Ctl−TxにHレベルの信号が印加され、受信側制御端子Ctl−RxにLレベルの信号が印加される場合、送信側FET2および分離素子S−FET1がオンとなり、受信側FET1および分離素子S−FET2がオフとなる。このとき送信端子Txから入力された高周波信号が、オンとなっている送信側FET2を介してアンテナ端子ANTから空中へと伝搬する。送信端子Txに接続する分離素子S−FET2はオフとなっているため、送信端子Txから入力した高周波信号が分離素子S−FET2を介してGNDへ漏れることはない。
分離素子S−FET2のピンチオフ電圧Vpは小さいため、振幅の大きい送信信号に対して、分離素子S−FET2のチャネル(電流パス)の遮断が破れることはなく、送信信号が分離素子S−FET2を介してGNDに漏れることを十分阻止することができる。
また受信側FET1のピンチオフ電圧Vpは小さいため、アンテナ端子端子ANTを伝搬する振幅の大きい送信信号に対して、受信側FET1のチャネルの遮断が破れることはなく、送信信号が受信側FET1を介して受信端子Rxに漏れることを十分阻止することができる。
但し受信側FET1のチャネルにおいて直流電流は空乏層により十分遮断できているが、空乏層の寄生容量によりわずかではあるが高周波信号が受信端子Rxに漏れている。そこで受信端子Rxに接続するオン状態の分離素子S−FET1を介して、その漏れたわずかな高周波信号をもGNDに逃がす。このことにより、受信端子Rxから外部に高周波信号が漏れることを阻止できるのでアイソレーションを大幅に向上させることができる。分離素子S−FET1のピンチオフ電圧Vpは大きいので大きな高周波信号を通過させることができ、アイソレーション向上効果が大きい。
受信端子Rxには受信回路RCが接続されている。受信回路RCは通常ローノイズアンプ(以下LNA)である。LNAは微弱な高周波信号を大きく増幅する働きがある。受信端子Rxから漏れた高周波信号がLNAに入力されると大きく増幅されてしまう。しかし上記の分離素子S−FET1の働きによりLNAにはほとんど高周波信号が入力されないような回路となっている。
逆に送信側制御端子Ctl−TxにLレベルの信号が印加され、受信側制御端子Ctl−RxにHレベルの信号が印加される場合、送信側FET2および分離素子S−FET1がオフとなり、受信側FET1および分離素子S−FET2がオンとなる。このとき空中からアンテナ端子ANTに入力した高周波信号は、オンとなっている受信側FET1を介して受信端子Rxから受信回路RCに伝搬する。受信端子Rxに接続する分離素子S−FET1はオフとなっているため受信端子Rxに達した高周波信号が分離素子S−FET1を介してGNDへ漏れることはない。
また分離素子S−FET1のピンチオフ電圧Vpは大きいが、空中からアンテナ端子ANTに入力され受信端子Rxに達する高周波信号は微弱であるため振幅が小さく、分離素子S−FET1のチャネルの遮断が破れることはない。
また送信側FET2のピンチオフ電圧Vpは大きいが、空中からアンテナ端子ANTに入力される高周波信号は微弱であるため振幅が小さく、送信側FET2のチャネルの遮断が破れることはない。すなわちアンテナ端子ANTに入力された高周波信号が送信側FET2を介して出力端子Txに漏れることを十分阻止することができる。
但し送信側FET2のチャネルにおいて直流電流は空乏層により十分遮断できているが、空乏層の寄生容量によりわずかではあるが高周波信号が送信端子Txに漏れてきている。そこで送信端子Txに接続するオン状態の分離素子S−FET2を介して、その漏れたわずかな高周波信号をもGNDに逃がす。このことにより、送信端子Txから外部に高周波信号が漏れることを阻止できるのでアイソレーションを大幅に向上することができる。このとき分離素子S−FET2のピンチオフ電圧Vpは小さく、大きな高周波信号を通過させることができない。しかし元々の信号が空中より入力された微弱な信号であり、さらにオフとなっている送信側FET2を介して十分減衰した信号であるため、分離素子S−FET2を十分通過させることができる。
尚、Hレベルの信号が3V、Lレベルの信号が0V、FETのゲートショットキー接合の作りつけ電圧が0.6Vの場合、容量Cと接続する分離素子S−FET1のドレイン電極および分離素子S−FET2のドレイン電極の直流電位は、2.4Vである。分離素子S−FET1のドレイン電極または分離素子S−FET2のドレイン電極から、漏れた高周波信号をGNDに逃がす場合、この2.4VとGND(=0V)という異なる直流電位間に高周波信号を通過させる必要がある。容量Cは、2.4Vの電位を持つ分離素子S−FET1のドレイン電極および分離素子S−FET2のドレイン電極からGNDに直流電流が流れないように阻止する(直流カット)ために設けられる。
次に、図13から図26を参照して、本発明の実施形態に採用されるFET1およびFET2の製造方法を説明する。尚、以下の断面図は図2のd−d線断面図である。
第1工程(図5):ノンドープのバッファ層32は、不純物が添加されていない高抵抗層であり、その厚みは、数千Å程度で、複数の層で形成される場合が多い。
バッファ層32上に、第1電子供給層のn+型AlGaAs層33a、スペーサ層34、チャネル層のノンドープInGaAs層35、スペーサ層34、第2電子供給層のn+型AlGaAs層33bを順次形成する。第1および第2電子供給層33a、33bは、チャネル層35よりバンドギャップが大きい材料が用いられ、n型不純物(例えばSi)が2×1018cm−3〜4×1018cm−3程度(例えば3.3×1018cm−3)に添加されている。
第1ノンドープ層41は、所定の耐圧とピンチオフ電圧を確保するため、電子供給層33a上に積層され、電子供給層33aと格子整合するノンドープAlGaAs層である。その上層に第1ノンドープ層41と格子整合する第2ノンドープ層42を設ける。第2ノンドープ層42は、ノンドープInGaP層である。更に第2ノンドープ層42と格子整合する第3ノンドープ層43、第3ノンドープ層43と格子整合する安定層44を順次積層する。第3ノンドープ層43はノンドープAlGaAs層であり、安定層44はドープドまたはノンドープInGaP層である。
InGaP層は、酸化しにくいため外部からの化学的ストレスに強く信頼性上安定な層であり、AlGaAs層またはGaAs層とのエッチング選択比が高いためエッチングストップ層としても機能する。
更にキャップ層となるn+型GaAs層37を最上層に積層する。安定層44はキャップ層37とも格子整合する。キャップ層37は、1000Åであり、不純物濃度は、3×1018cm−3以上である。
第1ノンドープ層41の厚みは280Åである。第2ノンドープ層42の厚みは10Åであり、第3ノンドープ層43の厚みは130Åである。また安定層44は100Åの厚みである。後に詳述するが、安定44は製造工程におけるプラズマ処理の工程において、動作領域上の保護膜として設けられる。安定層44は100Åの厚みがあればプラズマダメージから動作領域を十分保護することができる。
そして、基板全面に、初期窒化膜50を堆積する。初期窒化膜50は、ウェハ投入後の基板表面の保護膜となる。または、後の工程で絶縁化領域を形成する際に注入される不純物の活性化アニールの保護膜となる。あるいは、これらの両方に共用される。
レジスト(不図示)を設けてフォトリソグラフィプロセスによりアライメントマークのパターンが開口されたマスクを形成する。このマスクにより初期窒化膜50およびキャップ層37の一部をエッチングしてアライメントマーク(不図示)を形成する。
レジスト除去後新たなレジスト(不図示)を設けてフォトリソグラフィプロセスにより絶縁化領域を形成するためのマスクを形成する。初期窒化膜50上からボロン(B+)をイオン注入し、レジストを除去した後、500℃、30秒程度のアニールを行う。これにより、バッファ層32に達する絶縁化領域(ここでは不図示)が形成される。絶縁化領域は、電気的に完全な絶縁ではなく、不純物(B+)をイオン注入することによりエピタキシャル層にキャリアトラップを設け、絶縁化した領域である。つまり、絶縁化領域60にもエピタキシャル層として不純物は存在しているが、絶縁化のためのB+注入により不活性化されている。
すなわち、所定のパターンに絶縁化領域60を形成することにより、HEMTの動作領域100と制御抵抗R1、R2などを他の構成要素と分離する(図2参照)。
ここで、動作領域100とは、絶縁化領域60で分離され、HEMTの第1ソース電極115、第2ソース電極135、第1ドレイン電極116、第2ドレイン電極136およびゲート電極128、127が配置される領域の半導体層をいう。第1ソース電極115および第1ドレイン電極116がコンタクトするキャップ層37は、後の工程で分離されてソース領域37s、ドレイン領域37dとなる。
すなわち電子供給層33、チャネル(電子走行)層35、スペーサ層34、第1ノンドープ層41〜安定層44、キャップ層37などのHEMTを構成する各半導体層をすべて含んだトータルとしての領域を動作領域100とする(図13(A))。
その後、全面の初期窒化膜50を除去する。表面には、キャップ層37が露出する。本工程で、ウェハ投入後表面の保護のために堆積した初期窒化膜50および/又は絶縁化領域のイオン注入の活性化アニールの際の保護膜として堆積した初期窒化膜50が除去される。従来は、この窒化膜をゲート電極形成のマスクとして利用していたが、本実施形態では後の工程で新たにゲートのリセスエッチングのためのマスクとなる窒化膜を堆積する。本工程で初期窒化膜50を全面除去することにより、後の窒化膜を均一な膜厚に形成することができる(図13(B))。
第2工程(図14):新たなレジストPRを全面に塗布し、フォトリソグラフィプロセスによりオーミック電極を形成するためのマスクを形成する。そして全面にオーミック金属層110(AuGe/Ni/Au)を蒸着する。
その後、リフトオフし、アロイする。これにより、HEMTの動作領域100の一部にコンタクトする第1ソース電極115および第1ドレイン電極116が形成される。
第3工程(図15から図17):全面に、第1窒化膜511を形成する。この第1窒化膜511は、ゲートのリセスエッチングのマスクとなる。第1窒化膜511は、ほぼ均一な膜厚および膜質で、第1ソース電極115および第1ドレイン電極116の表面および側面と、これらの付近のキャップ層37に密着して被覆する。すなわち第1ソース電極115(第1ドレイン電極116も同様)とキャップ層37の段差はまんべんなく覆われる。 従来は初期窒化膜50をそのままゲートのリセスエッチングのためのマスクとして使用していた。すなわちオーミック電極を形成するためのレジストパターンで初期窒化膜50をエッチングし、その後オーミック金属層110(AuGe/Ni/Au)を蒸着、リフトオフしていた。そのため、初期窒化膜50と第1ソース電極(または第1ドレイン電極)間に隙間が形成されていた。そして、その隙間の上にパッシベーション窒化膜を形成しても隙間部分は膜厚が不均一となり、隙間を完全に覆うことができず、ガルバニック効果が発生していた。しかし本実施形態では初期窒化膜50を一旦除去した後、オーミック電極を形成し、新たに第1窒化膜511を形成するため、従来のような隙間が形成されることを完全に防止できる。
従って、以降の製造工程中、またはウェハ完成後において薬液及び水分から、第1ソース電極115および第1ドレイン電極116電極の付近のキャップ層37表面を完全に保護することができる。これによりガルバニック効果の発生を防止できる。
また、第1窒化膜511は、最終構造(図3)において第1ソース電極115および第2ソース電極135(ドレイン電極も同様)の周囲を被覆する窒化膜51を構成する(図15)。
FET(HEMT)1の第1ゲート電極形成のために新たなレジストPRを設ける。フォトリソグラフィプロセスにより第1ゲート電極の形成領域がパターンニングされたマスクを形成する。そして、マスクの開口部分に露出した第1窒化膜511を除去して開口部OPを形成する。この開口部OPの開口幅がゲート長Lgとなる(図16(A))。
その後、第1ゲート電極の形成領域のリセスエッチングを行う。すなわち第1窒化膜511の開口部OPに露出したキャップ層37を更にウェットエッチングにより除去する。開口部OPには安定層であるノンドープInGaP層44が露出する。
また、キャップ層37は耐圧を確保するため、開口部OPより大きい所定の寸法にサイドエッチングされる。所定の寸法とは、例えば後に形成されるゲート電極から0.3μmの距離である。このときキャップ層37のGaAs層とその下の安定層44のInGaP層とは選択エッチングされるため、サイドエッチングの際にInGaP層44がエッチングされることは無い。キャップ層37のエッチングにより動作領域100のキャップ層37が分離される。また、キャップ層37のサイドエッチングにより、キャップ層37の端部から張り出した開口部OP付近の第1窒化膜511は、ひさし部Eとなる(図16(B))。
キャップ層37から張り出した第1窒化膜511のひさし部Eは表面にレジストが密着しているため、裏側からプラズマエッチングにより除去する。すなわち、サイドエッチにより第1窒化膜511の開口部OPより後退したキャップ層37、安定層44、第1窒化膜511、およびレジストにより形成される袋状の部分にフッ素ラジカルを滞留させることにより、ひさし部Eを裏側からプラズマエッチングし、これを除去する(図17(A))。
ひさし部を除去する際ドライエッチングのプラズマにさらされる動作領域100表面は安定なInGaP層44で覆われているため、動作領域100にダメージを与えずに、エッチングができる。また、ドライエッチングであるので、ひさし部Eのみ除去することができ、第1窒化膜511がオーバエッチングされることはない。
その後、レジストPRをそのままに、プラズマのダメージを受けた安定層44を塩酸によりウェットエッチングする。これにより第3ノンドープ層43が露出する。更に、第3ノンドープ層43(AlGaAs層)をリン酸でエッチングし、引き続き第2ノンドープ層42(InGaP層)を塩酸でエッチングして、第1ゲート電極形成領域の第1ノンドープ層41を露出させる。
このとき、InGaP層と、AlGaAs層は、エッチングの選択性がよい。従来ではFET1の第1ゲート電極を形成するため、ノンドープAlGaAs層を所定の深さまでエッチングしていたが、これは数nmの精度を必要とするため非常に難しく、歩留りが悪かった。しかし本実施形態では選択エッチングにより第1ノンドープ層41を再現性よく露出させることができる(図17(B))。
第4工程(図18):次に、全面にゲート金属層120aを蒸着する。ゲート金属層120aは、例えばPt/Moであり、蒸着膜厚は、Ptが50Å、Moが50Åである(図18(A))。
その後、リフトオフし、電子供給層33に連続する清浄な第1ノンドープ層41表面にFET1を構成する第1ゲート電極127を形成する(図18(B))。
第5工程(図19):第1ゲート電極127の最下層金属のPtを埋め込む熱処理を施す。これにより、第1ゲート電極127のPtは第1ノンドープ層41とショットキー接合を保ったまま一部が動作領域100に埋め込まれ、第1埋め込み部127bが形成される。
ここで、既述の如くPtの蒸着膜厚が約110Å以下の場合、埋め込み部の深さは常に蒸着膜厚の2.4倍とリニアな関係を保つ。従って、第1ゲート電極127の第1埋め込み部127b深さは120Åとなる。そして第1埋め込み部127bの底部は第1ノンドープ層41内に位置する。
第6工程(図20):全面に第2窒化膜512を堆積し、第1ゲート電極127とその周囲に露出した第1ノンドープ層41を保護する。FET1の第1ゲート電極127が設けられる第1ノンドープ層41はAlGaAs層であるため、酸化されやすく後の工程の影響を受けやすい。従って、第1ゲート電極127および第1埋め込み部127b形成直後に第2絶縁膜512で覆い、第1ゲート電極127周囲に露出した第1ノンドープ層41を保護する。
このとき、第1窒化膜511はほぼ均一な厚みで、第1ソース電極115(第1ドレイン電極116)とその端部周辺のキャップ層37を覆っている。従って、第1窒化膜511上層に形成する第2窒化膜512も、成膜の密度が均一となり、これらをまんべんなく被覆することができる。これにより、ウェハ完成後においても水分または薬剤などの滲入を防ぎ、ガルバニック効果を防止できる。また、第2窒化膜512も、最終構造(図3)で、各電極周囲を被覆する窒化膜51を構成する。
第7工程(図21および図22):FET(HEMT)2の第2ゲート電極形成のために新たなレジストPRを設ける。フォトリソグラフィプロセスにより第2ゲート電極の形成領域がパターンニングされたマスクを形成する。そして、マスクの開口部分に露出した第2窒化膜512および第1窒化膜511を除去して開口部OPを形成する。開口部OPの開口幅がゲート長Lgとなる(図21(A))。
その後、第2ゲート電極の形成領域のリセスエッチングを行う。すなわち開口部OPに露出したキャップ層37を更にウェットエッチングにより除去する。開口部OPには安定層44が露出する。
また、キャップ層37は耐圧を確保するため、開口部OPより大きい所定の寸法にサイドエッチングされる。所定の寸法とは、例えば後に形成されるゲート電極から0.3μmの距離である。このときキャップ層のGaAs層とその下のInGaP層とは選択エッチングされるため、サイドエッチングの際InGaP層がエッチングされることは無い。キャップ層37のエッチングにより動作領域100のキャップ層37が分離され、第1ソース電極115にコンタクトするソース領域37s、および第1ドレイン電極116にコンタクトするドレイン領域37dとなる。また、キャップ層37のサイドエッチングにより、キャップ層37の端部から張り出した開口部OP付近の第1窒化膜511および第2窒化膜512は、ひさし部Eとなる(図21(B))。
更に、キャップ層37から張り出した第1窒化膜511および第2窒化膜512のひさし部Eを、裏側からプラズマエッチングにより除去する(図21(C))。ひさし部Eを除去する際ドライエッチングのプラズマにさらされる動作領域100表面は安定なInGaP層44で覆われている。従って、動作領域100にダメージを与えずに、エッチングができ、またドライエッチングであるため第1窒化膜511および第2窒化膜512がオーバエッチングされることはない。
その後、レジスト膜によるマスクをそのままに、塩酸によるウェットエッチングを行う。これにより、プラズマダメージを受けた安定層44が除去され、第2ゲート電極の形成領域に清浄な第3ノンドープ層(AlGaAs層)43が露出する(図22)。InGaP層は化学的に安定した層であり、動作領域100をプラズマエッチングのダメージから保護している。しかし、InGaP層自体はダメージを受けており、その表面の結晶性は悪化している。
そこに、第2ゲート電極となるゲート金属層を形成し、第2ゲート電極の最下層のPtを埋め込む熱処理を行う際、安定したピンチオフ電圧Vpを得るためのPtの埋め込み時間が40分と非常に長くかかってしまう。また安定層(InGaP層)44にPtが拡散するため、安定層44表面において横方向(基板水平方向)の拡散が異常に速くなる。このため、埋め込み部の形状は所定の曲率半径を持つ外側に湾曲した曲線にならず、表面において尖った形状となり、埋め込みゲート構造の本来の目的である耐圧の向上が達成できない。
そこで、本実施形態ではダメージを受けた安定層(InGaP層)44を除去することとした。
第8工程(図23):次に、全面にゲート金属層120bを蒸着する。ゲート金属層120bは、例えばPt/Moであり、蒸着膜厚は、Ptが50Å、Moが50Åである(図23(A))。
その後、リフトオフし、動作領域100の第2電子供給層33bに当接して複数のノンドープ層が連続するが、そのうち第3ノンドープ層43表面にFET2を構成する第2ゲート電極128を形成する(図23(B))。
第9工程(図24参照):第2ゲート電極128の最下層金属のPtを埋め込む熱処理を施す。これにより、第2ゲート電極128のPtは、第3ノンドープ層43とショットキー接合を保ったまま一部が動作領域100に埋め込まれ、第2埋め込み部128bが形成される。
ここで、既述の如くPtの蒸着膜厚が約110Å以下の場合、埋め込み部の深さは常に蒸着膜厚の2.4倍とリニアな関係を保つ。従って、本工程によって第2ゲート電極128の埋め込まれたPt(第2埋め込み部128b)深さは120Åとなり、底部は第3ノンドープ層43内に位置する。これにより、InGaP層表面でのPtの異常拡散(図4参照)を防止した埋め込みゲート電極構造が実現し、耐圧の向上に大きく寄与する。
また、第7工程(図21(C))の、第1窒化膜511および第2窒化膜512のプラズマエッチングにより安定層44表面はダメージを受ける。前述の如く結晶性が悪化した安定層44上に第2ゲート電極128を形成し、第2ゲート電極128の最下層のPtを埋め込む熱処理を行った場合、安定したピンチオフ電圧Vpを得るためのPtの埋め込み時間が40分と非常に長くかかってしまう。また安定層(InGaP層)44にPtが拡散すると、安定層44表面において横方向(基板水平方向)の拡散が異常に速くなり、第2埋め込み部128bの形状が所定の曲率半径を持つ外側に湾曲した曲線にならず、表面において尖った形状となる(図5(B)参照)。
しかし、本実施形態では安定層44を除去した清浄な第3ノンドープ層43にゲート金属層120bを蒸着して熱処理を施すため、Ptは第3ノンドープ層43内で均一に(正常に)拡散し、第2埋め込み部128bが形成される(図5(A)参照)。
従って、第2埋め込み部128bの端部の形状は外側に湾曲し所定の曲率半径を有する連続した曲線形状となり、電界集中を緩和できる。これにより所定のゲート耐圧(例えば10V)を確保できる。
第10工程(図25参照):全面に第3窒化膜513を堆積する。これにより、第2ゲート電極128と、第2ゲート電極128周囲に露出した第3ノンドープ層43が第3窒化膜513で被覆される。また、第1ゲート電極127上は第2窒化膜512および第3窒化膜513で被覆される。
更に、第1ソース電極115および第1ドレイン電極116は、第1窒化膜511、第2窒化膜512、第3窒化膜513の3層で被覆される。また、第3窒化膜513も、最終構造(図3(B))で、各電極周囲を被覆する窒化膜51を構成する。
第11工程(図26参照):その後、新たなレジスト(不図示)を設けてコンタクトホール形成のためのマスクを形成し、第1ソース電極115、第1ドレイン電極116上の第1窒化膜511、第2窒化膜512、第3窒化膜513をエッチングする。これにより、第1ソース電極115、第2ドレイン電極116(および他の所定の領域)上にコンタクトホールCHが形成される(図26)。
新たなレジスト(不図示)を設けてマスクを形成し、パッド金属層(Ti/Pt/Au)130を蒸着、リフトオフする。これにより、第1ソース電極115および第1ドレイン電極116にそれぞれコンタクトし、また一部が第3窒化膜513上に配置される第2ソース電極135および第2ドレイン電極136を形成する。また、スイッチ回路装置の配線や電極パッドなどもパッド金属層130により所望のパターンに形成される。
これにより、第1ゲート電極127とその両側の第1ソース電極115、第2ソース電極135および第1ドレイン電極116、第2ドレイン電極136によりFET1が構成される。また第2ゲート電極128とその両側の第1ソース電極115、第2ソース電極135および第1ドレイン電極116、第2ドレイン電極136によりFET2が構成される(図3)。
上記の如く本実施形態では、まずFET1の第1ゲート電極127を形成し、次にFET2の第2ゲート電極128を形成する。また第1ゲート電極127の形成直後にPt埋め込みの熱処理を行い、第2窒化膜512で第1ゲート電極127とその周囲を被覆する。その後、第2ゲート電極128を形成するためのフォトリソグラフィプロセスを行う。
FET2は、電子供給層33の不純物濃度設定において、耐圧とオン抵抗Ronのトレードオフがある。すなわち所定の耐圧が得られる範囲で最小のオン抵抗Ronを得るため、電子供給層33の不純物濃度を最大に設定する。一方、FET1はインバーターが動作しさえすれば良く、耐圧に大きな余裕がある。
FET1の第1ゲート電極127とFET2の第2ゲート電極128を比較した場合、先に形成した方が後のゲート形成プロセスの影響を受けてそのFET特性が劣化しやすい。従って、本実施形態では特性の極限を追求するため、より精密さが求められるFET2の第2ゲート電極128の形成は、特性に余裕のあるFET1の第1ゲート電極127を形成した後に行うこととした。
また第1ゲート電極127は第1ノンドープ層41(AlGaAs層)に形成するため、第1ゲート電極127の両脇のAlGaAs層表面が酸化されやすく後の工程の影響を受けやすい。従って、第1ゲート電極127を形成後、Pt埋め込みの熱処理と、保護用の第2窒化膜512を形成した後、第2ゲート電極128を形成するためのフォトリソグラフィプロセスを行うこととした。

本発明を説明するための回路図である。 本発明を説明するための平面図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための特性図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための回路図である。 本発明を説明するための回路図である。 本発明を説明するための回路図である。 本発明を説明するための回路図である。 本発明を説明するための回路図である。 本発明の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の製造方法を説明するための断面図である。
符号の説明
30 基板
31 GaAs基板
32 バッファ層
33 電子供給層
33a 第1電子供給層
33b 第2電子供給層
34 スペーサ層
35 電子走行層
37 キャップ層
37s ソース領域
37d ドレイン領域
41 第1ノンドープ層
42 第2ノンドープ層
43 第3ノンドープ層
44 安定層
60 絶縁化領域
50 初期窒化膜
51 窒化膜
511 第1窒化膜
512 第2窒化膜
513 第3窒化膜
100 動作領域
111 リセス部
110 オーミック金属層
115、135 ソース電極
116、136 ドレイン電極
120、120b、120a ゲート金属層
127 第1ゲート電極
127b 第1埋め込み部
128 第2ゲート電極
128b、128b’ 第2埋め込み部
130 パッド金属層
OP 開口部
CH コンタクトホール
E ひさし部
PR レジスト
IN 共通入力端子
Ctl、Ctl1、Ctl2 制御端子
R1、R2 制御抵抗
OUT1、OUT2 出力端子
RC、RC1、RC2・・・ 受信回路
TC 送信回路
SW1 受信側スイッチング素子
SW2 送信側スイッチング素子
ANT アンテナ端子
Tx 送信端子
Rx、Rx1、Rx2・・・ 受信端子
Ctl−Rx、Ctl−Rx1、Ctl−Rx2・・・ 受信側制御端子
Ctl−Tx 送信側制御端子
S−FET1、S−FET2 分離素子

Claims (9)

  1. 半絶縁性半導体基板と、該半導体基板上に積層された、バッファ層、第1電子供給層、チャネル層、第2電子供給層、第1ノンドープ層、第2ノンドープ層、第3ノンドープ層、安定層、キャップ層を含む複数の半導体層と、
    前記半導体層に設けられた動作領域と、
    前記動作領域上に設けられ、それぞれソース電極およびドレイン電極を有する第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子と、を具備し、
    前記第1スイッチング素子の第1ゲート電極は、前記動作領域の前記第1ノンドープ層の表面に設けられ、
    前記第2スイッチング素子の第2ゲート電極は、前記動作領域の前記第3ノンドープ層の表面に設けられて一部が該第3ノンドープ層内に埋め込まれ、
    前記第2スイッチング素子は、前記第1スイッチング素子より大きいピンチオフ電圧を有することを特徴とする化合物半導体スイッチ回路装置。
  2. 前記第3ノンドープ層は、前記第2ノンドープ層、前記安定層のいずれよりも厚みが厚いことを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  3. 前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子の前記ソース電極が共通で接続する入力端子と、前記第1および第2スイッチング素子の前記ドレイン電極がそれぞれ接続する第1出力端子および第2出力端子と、を有し、
    前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極に印加する制御信号により、前記入力端子および前記第1出力端子間、または前記入力端子および第2出力端子間のいずれかに信号経路を形成することを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  4. 前記第1スイッチング素子を受信側スイッチング素子とし、前記第2スイッチング素子を送信側スイッチング素子とすることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  5. 前記第1スイッチング素子は、FETを多段接続してなることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  6. 前記第1スイッチング素子は複数並列接続されることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  7. 前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子のゲート幅はいずれも300μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  8. 前記第2スイッチング素子のIdssは前記第1スイッチング素子のIdssより大きいことを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
  9. 前記第2スイッチング素子に所定の必要最大電力を通過させる際、該所定の必要最大電力に耐えられる程度に前記第1スイッチング素子に印加される逆バイアス電圧と該第1スイッチング素子の前記ピンチオフ電圧との差が大きいことを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体スイッチ回路装置。
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