JP2007194186A - 多心ケーブルの接続構造、多心ケーブル及び多心ケーブル接続構造体の製造方法 - Google Patents

多心ケーブルの接続構造、多心ケーブル及び多心ケーブル接続構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数本の極細同軸ケーブルを備えた多心ケーブルの外部導体を、該外部導体を接地させるためのグランドバーに接続するに際し、半田付け接続により生じる不都合を回避することができるとともに、極細同軸ケーブルを容易に接続できる多心ケーブルの接続構造、多心ケーブル及び多心ケーブル接続構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】多心ケーブル1は、中心導体3と、中心導体3の外周を被覆する絶縁体4と、絶縁体4の外周を被覆する外部導体5を有する極細同軸ケーブル2を複数本備えている。そして、外部導体5とグランドバー7が、導電性の接着剤8により接続されている。導電性の接着剤8は、絶縁性の樹脂中に、導電性物質が分散されたものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子機器等に用いられ、複数本の極細同軸ケーブルを備えた多心ケーブルの接続構造、多心ケーブル及び多心ケーブル接続構造体の製造方法に関する。
近年、電子機器分野においては、例えば、ノートパソコン、携帯電話等の普及で、これらの情報通信機器の小型化、軽量化が求められている。そのため、機器本体と液晶表示部の接続や機器内の配線等に、極めて細い同軸ケーブルが用いられ、また、これらの複数本の極細同軸ケーブルを集合一体化させた多心ケーブルの形態で配線が行なわれるようになっている。
また、多心ケーブルの接続作業を行う際には、多心ケーブルを構成する各極細同軸ケーブルにおいて、外部導体を確実にアース接続するとともに、中心導体を所定のパターンを有する導体パターン部(または、回路パターン部)が形成された回路基板等の被接続部材に接続する必要がある。
ここで、従来、これらの接続を半田付けにより行う技術が知られている。より具体的には、例えば、中心導体と、当該中心導体の外周を被覆する絶縁体と、当該絶縁体の外周を被覆する外部導体と、当該外部導体の外周を被覆するジャケット層とを有する極細同軸ケーブルを複数本備える多心ケーブルにおいて、外部導体を露出させるとともに、当該外部導体を上下方向からグランドバーで挟み、半田付けを行うことにより、外部導体とグランドバーを接続する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、これらの接続を異方導電性接着剤で行う技術が開示されている。より具体的には、まず、多心ケーブルを構成する複数の極細同軸ケーブルの各々を、エッチング等により基台に形成された配列溝内に配列させて接着剤により固定する。次いで、極細同軸ケーブルを基台ごと研磨することにより、各極細同軸ケーブルの中心導体と外部導体を露出させる。そして、当該中心導体と外部導体の露出面に異方導電性接着剤を貼り付けて、所定のパターンを有する信号導体パターン部とグランド導体パターン部が形成されたプリント基板等の回路基板を熱圧着して基台に固定することにより、中心導体と信号導体パターン部、および外部導体とグランド導体パターン部を接続する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3371797号公報 特開2003−143728号公報
しかし、上記特許文献1に記載の半田による接続においては、外部導体が露出された極細同軸ケーブルを一本ずつグランドバーに接続しなければならないため、接続作業が煩雑になるという問題があった。また、一般に、半田の表面張力を小さくして、外部導体やグランドバーに対する半田の付着力を向上させるために、半田付けを施す部分にフラックスを塗布するが、半田付けを行う際の加熱により、当該フラックスが、中心導体が接続される導体パターン部等に飛散してしまい、導通不良を引き起こすという問題があった。さらに、外部導体と接続されたグランドバーを、半田付けにより、回路基板に設けられた接地部と接続する際に、当該半田付けの際の加熱により、外部導体とグランドバーの接続に使用された半田が再溶融して漏れ出してしまうという不都合があった。
また、上記特許文献2に記載の異方導電性接着剤による接続においては、上述のごとく、基台の配列溝を形成するためのエッチングや、中心導体と外部導体を露出させるための研磨等の加工作業が必要になるため、接続作業が煩雑になるとともに、接続構造が複雑になるという問題があった。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、複数本の極細同軸ケーブルを備えた多心ケーブルの外部導体を、該外部導体を接地させるためのグランドバーに接続するに際し、半田付け接続により生じる不都合を回避することができるとともに、極細同軸ケーブルを容易に接続できる多心ケーブルの接続構造、多心ケーブル及び多心ケーブル接続構造体の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、中心導体と、中心導体の外周を被覆する絶縁体と、絶縁体の外周を被覆する外部導体とを有する極細同軸ケーブルを複数本備えた多心ケーブルの、外部導体を、外部導体を接地させるためのグランドバーに接続するとともに、中心導体を被接続部材の導体パターン部に接続する多心ケーブルの接続構造において、外部導体とグランドバーが、導電性接着剤により接続されていることを特徴とする。
同構成によれば、極細同軸ケーブルの外部導体とグランドバーの接続構造において、導電性接着剤を使用することにより、半田による接続と異なり、各極細同軸ケーブルの外部導体とグランドバーの間を一度に導電接続することが可能になる。従って、各極細同軸ケーブルとグランドバーの接続構造が簡素化されるとともに接続作業が容易になる。また、外部導体とグランドバーの接続の際に、フラックスを使用する必要がなくなるため、当該フラックスの、中心導体が接続される導体パターン部等への飛散に基づく、導通不良の発生を回避することができる。さらに、外部導体とグランドバーの接続に導電性接着剤を使用し、半田を使用していないため、外部導体と接続されたグランドバーを、半田付けにより、回路基板に設けられた接地部に接続する際に、当該半田付けの際の加熱により、半田が再溶融して漏れ出してしまうという不都合を回避することができる。また、導電性接着剤は、再溶融することがないので、外部導体とグランドバーの接続に半田を使用した場合の、極細同軸ケーブルにおける、再溶融した半田が硬化する部分の断線等の不都合を回避することが可能となる。
また、外部導体とグランドバーの接続構造において、上述の従来技術のごとく、基台の配列溝を形成するためのエッチングや、外部導体を露出させるための研磨等の加工作業を施す必要がなくなる。従って、簡単な構成で、極細同軸ケーブルの外部導体を、グランドバーに接続でき、接続作業が容易になる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多心ケーブルの接続構造であって、導電性接着剤が、針形状、または微細な粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する導電性微粒子が、絶縁性の樹脂中に分散された異方導電性接着剤であることを特徴とする。
同構成によれば、特に、極細同軸ケーブルを狭ピッチで配列した場合においても、上述の従来技術のごとく、基台の配列溝を形成するためのエッチングや、外部導体を露出させるための研磨等の加工作業を施す必要がなくなる。従って、簡単な構成で、狭ピッチで配列された極細同軸ケーブルの外部導体を、グランドバーに接続でき、接続作業が容易になる。また、グランドバーに接続される各外部導体の高さにバラツキがある場合であっても、外部導体−グランドバー間を確実に接続することが可能になる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の多心ケーブルの接続構造であって、導電性微粒子が、異方導電性接着剤の厚み方向に配向していることを特徴とする。同構成によれば、異方導電性接着剤の厚み方向の導電性が高まるため、導電性微粒子の数を少なくしても、外部導体−グランドバー間を確実に接続することが可能になる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の多心ケーブルの接続構造であって、導電性接着剤が、複数の分岐を有する鎖状粒子からなる導電性微粒子が、絶縁性の樹脂中に分散された異方導電性接着剤であることを特徴とする。
同構成によれば、特に、極細同軸ケーブルを狭ピッチで配列した場合においても、上述の従来技術のごとく、基台の配列溝を形成するためのエッチングや、外部導体を露出させるための研磨等の加工作業を施す必要がなくなる。従って、簡単な構成で、狭ピッチで配列された極細同軸ケーブルの外部導体を、グランドバーに接続でき、接続作業が容易になる。また、グランドバーに接続される各外部導体の高さのバラツキが大きい場合であっても、極細同軸ケーブルの絶縁部分を変形させることなく、絶縁耐圧を維持した状態で、外部導体−グランドバー間を確実に接続することが可能になる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の多心ケーブルの接続構造であって、極細同軸ケーブルの外径が0.5mm以下であることを特徴とする。同構成によれば、中心導体と接続される導体パターン部を狭ピッチで配列することが可能になるため、被接続部材に、多数の導体パターン部を設けることが可能になる。
また、請求項6に記載のように、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の多心ケーブルの接続構造において、中心導体と導体パターン部の接続に、外部導体とグランドバーの接続に使用される異方導電性接着剤を使用する構成としても良い。
同構成によれば、中心導体と導体パターン部の接続構造において、半田を使用する際に生じる半田ブリッジの発生を回避でき、極細同軸ケーブル間の絶縁性を良好に維持することが可能になる。また、上述の従来技術において説明した、基台の配列溝を形成するためのエッチングや、中心導体を露出させるための研磨等の加工作業を施す必要がなくなる。従って、簡単な構成で、狭ピッチで配列された極細同軸ケーブルを、被接続部材に設けられた導体パターン部に接続でき、接続作業が容易になる。また、導体パターン部に接続される各中心導体の高さにバラツキがある場合であっても、中心導体−導体パターン部間を確実に接続することが可能になる。特に、複数の分岐を有する鎖状粒子からなる導電性微粒子が、絶縁性の樹脂中に分散された異方導電性接着剤を使用することにより、導体パターン部に接続される各中心導体の高さのバラツキが大きい場合であっても、中心導体−導体パターン部間を確実に接続することが可能になる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の多心ケーブルの接続構造を有する多心ケーブルである。同構成によれば、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の多心ケーブルの接続構造を備える構成としているため、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の多心ケーブルの接続構造と同じ効果を有する多心ケーブルを得ることが可能になる。
請求項8に記載の発明は、中心導体と、中心導体の外周を被覆する絶縁体と、絶縁体の外周を被覆する外部導体と、外部導体の外周を被覆する外皮とを有する極細同軸ケーブルを複数本備えた多心ケーブルの、外部導体が、外部導体を接地させるためのグランドバーに接続されるとともに、中心導体が被接続部材の導体パターン部に接続された多心ケーブル接続構造体の製造方法であって、複数本の極細同軸ケーブルの各々を切断して所定の長さに揃える工程と、複数本の極細同軸ケーブルの各々の端部において、外皮を切断する工程と、外部導体を切断する工程と、切断した外皮と外部導体を除去する工程と、グランドバーに、針形状、または微細な粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する導電性微粒子が、絶縁性の樹脂中に分散された異方導電性接着剤を仮接着する工程と、露出した外部導体とグランドバーを、加熱加圧処理を行うことにより、異方導電性接着剤を介して接続する工程と、端部において、絶縁体を除去することにより、中心導体の、導体パターン部に接続される部分を露出させる工程と、グランドバーと被接続部材の接地部を接続する工程と、露出した中心導体と導体パターン部との位置合わせをし、露出した中心導体と導体パターン部との間に異方導電性接着剤を介在させる工程と、露出した中心導体と導体パターン部を、加熱加圧処理を行うことにより、異方導電性接着剤を介して、接続する工程とを含むことを特徴とする多心ケーブル接続構造体の製造方法である。
同構成によれば、極細同軸ケーブルの外部導体とグランドバーを接続する際に、針形状、または微細な粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する導電性微粒子が、絶縁性の樹脂中に分散された異方導電性接着剤を使用することにより、半田による接続と異なり、各極細同軸ケーブルの外部導体とグランドバーの間を一度に導電接続することが可能になる。従って、各極細同軸ケーブルとグランドバーの接続構造が簡素化されるとともに接続作業が容易になる。また、外部導体とグランドバーの接続の際に、フラックスを使用する必要がなくなるため、当該フラックスの、中心導体が接続される導体パターン部等への飛散に基づく、導通不良の発生を回避することができる。さらに、外部導体とグランドバーの接続に異方導電性接着剤を使用し、半田を使用していないため、外部導体と接続されたグランドバーを、半田付けにより、回路基板に設けられた接地部に接続する際に、当該半田付けの際の加熱により、半田が再溶融して漏れ出してしまうという不都合を回避することができる。また、異方導電性接着剤は、再溶融することがないので、外部導体とグランドバーの接続に半田を使用した場合の、極細同軸ケーブルにおける、再溶融した半田が硬化する部分の断線等の不都合を回避することが可能となる。
また、特に、極細同軸ケーブルを狭ピッチで配列した場合においても、外部導体とグランドバーの接続する際に、上述の従来技術のごとく、基台の配列溝を形成するためのエッチングや、外部導体を露出させるための研磨等の加工作業を施す必要がなくなる。従って、簡単な構成で、極細同軸ケーブルを、グランドバーに接続でき、接続作業が容易になる。また、グランドバーに接続される各外部導体の高さにバラツキがある場合であっても、外部導体−グランドバー間を確実に接続することが可能になる。
また、中心導体と導体パターン部の接続する際に、針形状、または微細な粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する導電性微粒子が、絶縁性の樹脂中に分散された異方導電性接着剤を使用することにより、半田を使用する際に生じる半田ブリッジの発生を回避でき、極細同軸ケーブル間の絶縁性を良好に維持することが可能になる。また、上述の従来技術において説明した、基台の配列溝を形成するためのエッチングや、中心導体を露出させるための研磨等の加工作業を施す必要がなくなる。従って、簡単な構成で、狭ピッチで配列された極細同軸ケーブルを、被接続部材に設けられた導体パターン部に接続でき、接続作業が容易になる。また、導体パターン部に接続される各中心導体の高さにバラツキがある場合であっても、中心導体−導体パターン部間を確実に接続することが可能になる。
本発明によれば、複数本の極細同軸ケーブルを備えた多心ケーブルの、外部導体を、グランドバーに接続するに際し、半田付け接続により生じる不都合を回避することができる。また、簡単な構成で、極細同軸ケーブルの外部導体を、グランドバーに接続でき、接続作業が容易になる。
以下に、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る多心ケーブルの接続構造を説明するための上面図であり、図2は、図1のA−A断面図である。また、図3は、本発明の実施形態に係る多心ケーブルを構成する極細同軸ケーブルを説明するための断面図であり、図4は、図1のB−B断面図、図5は、図1のC−C断面図である。
図1に示すように、多心ケーブル1は、極細同軸ケーブル2を複数本(本実施形態においては、4本)備えており、当該極細同軸ケーブル2を束ねることにより構成されている。また、この極細同軸ケーブル2は、図1〜図3に示すように、中心導体3と、当該中心導体3の外周を被覆する絶縁体4と、当該絶縁体4の外周を被覆する外部導体5と、当該外部導体5の外周を被覆する外皮であるジャケット層6とから構成されている。
より具体的には、この多心ケーブル1は、例えば、銀めっき銅合金線等により形成された外径0.021mmの導体7本を撚った、外径0.063mmの中心導体3の外周に、肉厚0.05mmの四フッ化エチレンパーフロロアルキルビニルエーテル樹脂等により形成された絶縁体4を設けるとともに、当該絶縁体4の外周に、外径0.025mmの錫めっき銅合金線等により形成された導体を横巻きシールドした外部導体5を設け、さらに、当該外部導体5の外周に、四フッ化エチレンパーフロロアルキルビニルエーテル樹脂等により形成した肉厚0.03mmのジャケット層6を設けた、外径を0.26mmとした極細同軸ケーブル2を、例えば、0.3mmの狭ピッチで平行に並べたものである。
なお、図2に示すように、極細同軸ケーブル2の端部20において、所定の長さのジャケット層6を除去することにより、外部導体5の一部が露出している。また、露出した外部導体5の一部を除去することにより、絶縁体4の一部が露出するとともに、露出した絶縁体4の一部を除去することにより、中心導体3の一部が露出する構成となっている。
また、図1、図2に示すように、各極細同軸ケーブル2の端部20において露出した外部導体5には、当該外部導体5をアース接続するためのグランドバー7が接続されている。より具体的には、図4に示すように、外部導体5を、接着剤8を介して、上下方向からグランドバー7で挟み込むことにより、外部導体5とグランドバー7が接続される構成となっている。
このグランドバー7は、金属性のプレート(例えば、金属箔)を加工したものからなり、各極細同軸ケーブル2の機械的な固定を行うとともに、外部導体5との導通を得ている。また、図1に示すように、グランドバー7は、複数本の極細同軸ケーブル2の配列方向(図中の矢印Xの方向)に沿って一体的に形成されており、当該グランドバー7に複数本の極細同軸ケーブル2を接続することにより、極細同軸ケーブル2の外部導体5をまとめてアースする構成となっている。
また、図1に示すように、極細同軸ケーブル2が接続される被接続部材である回路基板9には、上述の露出された中心導体3との接続部である所定のパターンを有する導体パターン部(または、回路パターン部)10が形成されている。この導体パターン部10は、絶縁性の回路基板9の表面において、例えば、銅等の導電性の金属上に金めっきされて形成されている。また、導体パターン部10は、その幅Dが0.2mmで形成されるとともに、当該導体パターン部10間の間隔(即ち、導体パターン部10間の絶縁部13の幅)Eが、例えば、0.1mmとなるように設けられている。そして、図2、図5に示すように、中心導体3と導体パターン部10は、接着剤11を介して接続される構成となっている。
また、図2、図4に示すように、回路基板9には、接地部12が設けられており、各極細同軸ケーブル2が接続されたグランドバー7が当該接地部12と接触するように構成されている。より具体的には、外部導体5と接続されたグランドバー7を、半田付けにより、回路基板9に設けられた接地部12に接続することにより、各極細同軸ケーブル2の外部導体5を、グランドバー7を介して、回路基板9の接地部12と導通させ、当該外部導体5をアース接続する構成となっている。
このように、多心ケーブル1を構成する極細同軸ケーブル2の外部導体5が接続されたグランドバー7を回路基板9の接地部12に接続するとともに、中心導体3を回路基板9の導体パターン部10に接続することにより、図1に示す多心ケーブルの接続構造体50が形成される構成となっている。
ここで、本実施形態においては、上述の外部導体5とグランドバー7を接続する接着剤8に、導電性接着剤を使用する点に特徴がある。この導電性接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂等の絶縁性の熱硬化性樹脂を主成分とし、当該樹脂中に導電性物質が分散されたものが使用できる。例えば、エポキシ樹脂に、銅、銀あるいは黒鉛等の導電性物質の粉末が分散されたものが挙げられる。
このような導電性接着剤を使用することにより、上述の半田による接続と異なり、各極細同軸ケーブル2の外部導体5とグランドバー7の間を一度に導電接続することが可能になる。従って、各極細同軸ケーブル2とグランドバー7の接続構造が簡素化されるとともに接続作業が容易になる。また、外部導体5とグランドバー7の接続の際に、フラックスを使用する必要がなくなるため、当該フラックスの、中心導体3が接続される導体パターン部10等への飛散に基づく、導通不良の発生を回避することができる。さらに、外部導体5とグランドバー7の接続に導電性接着剤を使用し、半田を使用していないため、外部導体5と接続されたグランドバー7を、半田付けにより、回路基板9に設けられた接地部12に接続する際に、当該半田付けの際の加熱により、半田が再溶融して漏れ出してしまうという不都合を回避することができる。また、導電性接着剤は、再溶融することがないので、外部導体5とグランドバー7の接続に半田を使用した場合の、極細同軸ケーブル2における、再溶融した半田が硬化する部分の断線等の不都合を回避することが可能となる。
また、外部導体5とグランドバー7の接続構造において、上述の従来技術のごとく、基台の配列溝を形成するためのエッチングや、外部導体5を露出させるための研磨等の加工作業を施す必要がなくなる。従って、簡単な構成で、極細同軸ケーブル2の外部導体5を、グランドバー7に接続でき、接続作業が容易になる。
また、導電性接着剤に使用される樹脂は、特に制限はないが、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用することにより、フィルム形成性、耐熱性、および接着力に優れた接着剤8を作製することが可能になる。
このエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、F型、S型、またはAD型のエポキシ樹脂や、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等を使用することができる。また、高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂を用いることもできる。
また、エポキシ樹脂の分子量は、適宜選択することができるが、高分子量のエポキシ樹脂を使用すると、フィルム形成性が高く、また、接続温度における樹脂の溶解粘度を高くでき、導電性物質の配向を乱すことなく接続できる効果がある。一方、低分子量のエポキシ樹脂を使用すると、架橋密度が高まって耐熱性が向上するとともに、樹脂の凝集力が高まるため、接着力が高くなるという効果が得られる。従って、分子量が15000以上の高分子量エポキシ樹脂と分子量が2000以下の低分子量エポキシ樹脂とを組み合わせて使用することにより、性能のバランスが取れるため、好ましい。なお、高分子量エポキシ樹脂と低分子量エポキシ樹脂の配合量は、適宜、選択することができる。
また、潜在性硬化剤を含有する接着剤8も使用できる。この潜在性硬化剤としては、例えば、低温での貯蔵安定性に優れ、室温では殆ど硬化反応を起こさないが、熱や光等により、速やかに硬化反応を行う硬化剤が使用できる。より具体的には、例えば、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、アミンイミド、ポリアミン系、第3級アミン、アルキル尿素系等のアミン系、ジシアンジアミド系、および、これらの変性物が挙げられ、これらは単独または2種以上の混合物として使用できる。
なお、外部導体5とグランドバー7を接続する接着剤8に、導電性微粒子を含む異方導電性接着剤を使用する構成としても良い。より具体的には、当該異方導電性接着剤として、例えば、上述のエポキシ樹脂等の絶縁性の熱硬化性樹脂を主成分とし、当該樹脂中に、針形状、または微細な粒子(例えば、球状の金属微粒子や金属でメッキされた球状の樹脂粒子からなる金属微粒子)が多数、直鎖状に繋がった形状を有する、所謂アスペクト比が大きい形状を有する導電性微粒子が分散されたものを使用する構成としている。なお、ここで言うアスペクト比とは、導電性微粒子の短径(導電性微粒子の断面の長さ)と長径(導電性微粒子の長さ)の比のことを言う。
このような異方導電性接着剤を使用することにより、特に、極細同軸ケーブル2を狭ピッチで配列した場合においても、外部導体5とグランドバー7の接続構造において、上述の従来技術のごとく、基台の配列溝を形成するためのエッチングや、外部導体5を露出させるための研磨等の加工作業を施す必要がなくなる。従って、簡単な構成で、狭ピッチで配列された極細同軸ケーブル2の外部導体5を、グランドバー7に接続でき、接続作業が容易になる。また、グランドバー7に接続される各外部導体5の高さにバラツキがある場合であっても、外部導体5−グランドバー7間を確実に接続することが可能になる。
なお、異方導電性接着剤において、針形状、または微細な粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する導電性微粒子を使用する場合、当該導電性微粒子を、異方導電性の接着剤を形成する時点で異方導電性接着剤の厚み方向にかけた磁場の中を通過させることにより、厚み方向(磁場方向であって、図4の矢印Yの方向)に配向させて用いるのが好ましい。このような配向にすることにより、異方導電性接着剤の厚み方向(上述の矢印Yの方向)の導電性が高まるため、導電性微粒子の数を少なくしても、外部導体5−グランドバー7間を確実に接続することが可能になる。
また、本発明に使用される微細な粒子は、その一部に強磁性体が含まれるものが良く、強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種類以上の合金、強磁性を有する金属と他の金属との合金、および強磁性を有する金属を含む複合体のいずれかであることが好ましい。これは、強磁性を有する金属を使用することにより、金属自体が有する磁性により、磁場を用いて導電性微粒子を配向させることが可能になるからである。例えば、ニッケル、鉄、コバルトおよびこれらのうち2種類以上の合金等を挙げることができる。
また、導電性微粒子のアスペクト比が10以上であることが好ましい。このような導電性微粒子を使用することにより、接着剤8として、異方導電性接着剤を使用する場合に、導電性微粒子間の接触確率が高くなる。従って、導電性微粒子の配合量を増やすことなく、外部導体5とグランドバー7を接続することが可能になる。
なお、導電性微粒子のアスペクト比は、CCD顕微鏡観察等の方法により直接測定するが、断面が円でない導電性微粒子の場合は、断面の最大長さを短径としてアスペクト比を求める。また、導電性微粒子は、必ずしもまっすぐな形状を有している必要はなく、多少の曲がりや枝分かれがあっても、問題なく使用できる。この場合、導電性微粒子の最大長さを長径としてアスペクト比を求める。
また、導電性微粒子の短径が1μm以下であることが望ましい。このような導電性微粒子を使用することにより、接着剤8として、異方導電性接着剤を使用する場合に、導電性微粒子間の接触確率が更に高くなるため、更に少ない導電性微粒子の配合量で、外部導体5とグランドバー7を接続することが可能になる。
また、本実施形態においては、上述のごとく、極細同軸ケーブル2の外径を0.5mm以下(0.26mm)としている。従って、回路基板9において、中心導体3と接続される導体パターン部10を狭ピッチで配列することが可能になり、結果として、回路基板9の表面に、多数の導体パターン部10を設けることが可能になる。
また、本実施形態においては、中心導体3と導体パターン部10を接続する接着剤11に、異方導電性接着剤を使用することが好ましい。この異方導電性接着剤としては、例えば、上述の、外部導体5とグランドバー7を接続する接着剤8として使用する、エポキシ樹脂等の絶縁性の熱硬化性樹脂を主成分とし、当該樹脂中に、針形状、または微細な粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する導電性微粒子が分散された異方導電性接着剤が使用できる。
一般に、中心導体3と導体パターン部10を接続する方法として、露出した中心導体3と導体パターン部10に、接合部材として半田を施し、当該半田を加熱することにより、中心導体3と導体パターン部10を接続する方法が行われている。また、近年、電子機器の小型化、軽量化に伴い、極細同軸ケーブル2の狭ピッチ化の要請が高まっている。しかし、このような半田による接続においては、狭ピッチで配列された極細同軸ケーブル2の中心導体3を回路基板9に形成された導体パターン部10に接続する際に、半田ブリッジが起こり、極細同軸ケーブル2間の絶縁性を維持するのが困難になるという問題があった。
一方、本実施形態のごとく、中心導体3と導体パターン部10を接続する接着剤11として、上述の異方導電性接着剤を使用することにより、中心導体3と導体パターン部10の接続構造において、上述の半田を使用する際に生じる半田ブリッジの発生を回避でき、極細同軸ケーブル間の絶縁性を良好に維持することが可能になる。また、上述の従来技術において説明した、基台の配列溝を形成するためのエッチングや、中心導体を露出させるための研磨等の加工作業を施す必要がなくなる。従って、簡単な構成で、狭ピッチで配列された極細同軸ケーブル2を、回路基板9に設けられた導体パターン部10に接続でき、接続作業が容易になる。また、導体パターン部10に接続される各中心導体3の高さにバラツキがある場合であっても、中心導体3−導体パターン部10間を確実に接続することが可能になる。
また、中心導体3と導体パターン部10の接続構造において、上述の半田による接続では、導体パターン部10間の間隔Eが狭くなると、狭ピッチで配列された中心導体3と導体パターン部10を接続する際に、半田ブリッジがより一層起こりやすくなり、極細同軸ケーブル2間の絶縁性を維持することがより一層困難になるという問題があった。一方、本実施形態における多心ケーブルの接続構造においては、上述のごとく、中心導体3と導体パターン部10を接続する接着剤11に、針形状、または微細な粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する導電性微粒子が、絶縁性の樹脂中に分散された異方導電性接着剤を使用することにより、半田を使用する際に生じる半田ブリッジの発生を回避でき、極細同軸ケーブル2間の絶縁性を良好に維持した状態で、狭ピッチで配列された中心導体3と導体パターン部10の接続ができるという優れた特性を備えている。従って、本実施形態における多心ケーブルの接続構造は、特に、導体パターン部10間の間隔E(本実施形態においては、上述のごとく、0.1mm)が、導体パターン部10の幅D(本実施形態においては、上述のごとく、0.2mm)以下の(即ち、E≦D)構成の場合に、好適に使用でき、導体パターン部10間の間隔Eが、導体パターン部10の幅D以下の場合であっても、極細同軸ケーブル2間の絶縁性を確実に維持した状態で、狭ピッチで配列された中心導体3と導体パターン部10の接続ができる。また、導体パターン部10間の間隔Eを、導体パターン部10の幅D以下にすることにより、中心導体3を導体パターン部10に接続する際の、導体パターン部10に対する中心導体3の位置合わせを容易にすることができる。
次に、本発明の実施形態に係る多心ケーブルの接続構造による接続方法を説明する。まず、多心ケーブル1を構成する複数本の極細同軸ケーブル2の各々を一括して切断して所定の長さに揃える。次いで、複数本の極細同軸ケーブル2の各々の端部20において、所定の長さのジャケット層6を切断する。次いで、所定の長さの外部導体5を切断し、切断したジャケット層6と外部導体5を除去する。次いで、グランドバー7に上述の接着剤8である異方導電性接着剤を仮接着し、露出した外部導体5を、上述の接着剤8である異方導電性接着剤が仮接着されたグランドバー7により、上下方向から挟み込み、外部導体5の露出面に、異方導電性接着剤を貼り付ける。そして、加熱加圧処理を行うことにより、異方導電性接着剤を介して、外部導体5とグランドバー7を接続する。
次に、複数本の極細同軸ケーブル2の各々の端部20において、グランドバー7が接続された部分より先端側(即ち、図1、図2の矢印W側)の外部導体5に、例えば、回転ブラシ等を接触させて、外部導体5の巻きを緩めてほぐし、ほぐされた外部導体5を引っ張って、その一部を除去し、絶縁体4を露出させる。次いで、端部20において、絶縁体4の一部を除去することにより、中心導体3の、回路基板9の導体パターン部10に接続される部分を露出させる。次いで、外部導体5が接続されたグランドバー7を、半田付け、または導電性接着剤により、回路基板9に設けられた接地部12と接続することにより、多心ケーブル1を構成する各極細同軸ケーブル2について、外部導体5が接地部12にアース接続されることになる。なお、導電性接着剤により接続する場合は、加熱加圧処理を行うことにより、導電性接着剤を介して、グランドバー7と接地部12を接続する。
そして、回路基板9の導体パターン部10上に、上述の接着剤11である異方導電性接着剤を載置し、露出した中心導体3と導体パターン部10との位置合わせをしながら、中心導体3を異方導電性接着剤上に載置し、中心導体3と導体パターン部10との間に異方導電性接着剤を介在させる。そして、加熱加圧処理を行うことにより、異方導電性接着剤を介して、中心導体3と導体パターン部10を接続する。以上の方法により、多心ケーブルの接続構造体50が製造されることになる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の設計変更をすることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
例えば、外部導体5とグランドバー7を接続する接着剤8に、導電性微粒子を含む異方導電性接着剤を使用する場合、当該導電性微粒子として、図6に示す、複数の分岐を有する鎖状粒子14からなる導電性微粒子を使用する構成としても良い。なお、ここでいう「鎖状粒子」とは、三次元的に広がりを有する粒子であって、成長方向を制御していない粒子をいう。
より具体的には、当該異方導電性接着剤として、例えば、上述のエポキシ樹脂等の絶縁性の熱硬化性樹脂を主成分とし、当該樹脂中に、微細な粒子(例えば、球状の金属微粒子や金属でメッキされた球状の樹脂粒子からなる金属微粒子)が、三次元方向に多数、繋がった形状を有し、複数の分岐を有する鎖状粒子14からなる導電性微粒子が分散されたものを使用する構成としている。
上述の針形状、または微細な粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する導電性微粒子を使用する場合は、針形状、または微細な粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する導電性微粒子の長径が約3μmであるため、グランドバー7に接続される各外部導体5の高さのバラツキが大きい場合(例えば、各外部導体5の高さのバラツキが20μm程度の場合)、異方導電性接着剤を介して、外部導体5−グランドバー7間を接続する際に、上述の加熱加圧処理を行う際に、押し込み量を大きくして、外部導体5とグランドバー7間の距離を3μm以下にする必要がある。
即ち、図7に示すように、例えば、20μmの高さのバラツキHを有する外部導体5(即ち、導体15からなる外部導体5と、導体15より大きな径を有する導体16からなる外部導体5)を、接着剤8である針形状、または微細な粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する導電性微粒子17を有する異方導電性接着剤を介して、上述の加熱加圧処理により、外部導体5とグランドバー7を接続する際に、外部導体5の高さのバラツキHが、導電性微粒子17の長径よりも大きいため、高さのバラツキHを吸収して、小さな径を有する導体15からなる外部導体5とグランドバー7の接続を確実に行うべく、図7に示す、異方導電性接着剤の厚み方向Yに当該異方導電性接着剤を押し込み、図8に示すように、グランドバー7と導体15の間の距離を、導電性微粒子17の長径以下にする必要がある。
しかし、この場合、図8に示すように、径の大きな導体16からなる外部導体5が、上述の押し込み処理により変形し、導体16の配列が乱れる場合がある。そうすると、例えば、図8に示すように、径の大きな導体16からなる外部導体5において、配列が乱れた導体16が重なって、絶縁体4の内部へ押し込まれて、中心導体3と導体16が接近し、結果として、極細同軸ケーブル2の絶縁部分が変形し、絶縁耐圧を維持できないという不都合が生じる場合がある。
一方、接着剤8として、複数の分岐を有する鎖状粒子14からなる導電性微粒子18が絶縁性の樹脂中に分散された異方導電性接着剤を使用することにより、上述のごとく、鎖状粒子14は、三次元的に広がりを有する粒子であるため、例えば、高さのバラツキHよりも大きな径(例えば、20μm以上の径)を有する鎖状粒子14からなる導電性微粒子18を使用することにより、図9に示すように、加熱加圧処理の際の押し込み量が小さくても、導電性微粒子18を、グランドバー7、および導体15と接触させることができる。従って、グランドバー7に接続される各外部導体5の高さのバラツキHが大きい場合であっても、極細同軸ケーブル2の絶縁部分を変形させることなく、絶縁耐圧を維持した状態で、外部導体5−グランドバー7間を確実に接続することが可能になる。
また、針形状、または微細な粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する導電性微粒子を使用する場合と同様に、簡単な構成で、狭ピッチで配列された極細同軸ケーブル2の外部導体5を、グランドバー7に接続でき、接続作業が容易になる。
なお、上述の針形状、または微細な粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する導電性微粒子を使用する場合は、厚み方向Yの導電性を高めるため、当該導電性微粒子を、異方導電性接着剤の厚み方向Yに配向させる構成としたが、鎖状粒子14からなる導電性微粒子18を使用する場合は、複数の分岐を有し、三次元的な広がりを持つ等方的な粒子であるため、粒子の配向を制御しない構成としている。
この鎖状粒子14の具体的な作製方法としては、例えば、まず、三塩化チタンとクエン酸三ナトリウムを混合した溶液に、アンモニア水を加えてpHを9〜10に調整する。次いで、pH調整後の混合溶液に、還元させる金属イオンを含有する溶液を加えて、金属粒子を析出させる。その後、洗浄回収することにより、複数の分岐を有する鎖状粒子14を得ることができる。なお、使用される鎖状粒子14としては、上述の微細な粒子と同様に、例えば、ニッケル、鉄、コバルトおよびこれらのうち単体、または2種類以上の合金等を挙げることができる。
また、中心導体3と導体パターン部10を接続する接着剤11に、複数の分岐を有する鎖状粒子14からなる導電性微粒子が、絶縁性の樹脂中に分散された異方導電性接着剤を使用する構成としても良い。このような構成により、接着剤11に、針形状、または微細な粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する導電性微粒子を含む異方導電性接着剤を使用する場合と同様に、半田を使用する際に生じる半田ブリッジの発生を回避でき、極細同軸ケーブル間の絶縁性を良好に維持することが可能になる。また、簡単な構成で、狭ピッチで配列された極細同軸ケーブル2を、回路基板9に設けられた導体パターン部10に接続でき、接続作業が容易になる。また、導体パターン部10に接続される各中心導体3の高さにバラツキがある場合、特に、各中心導体3の高さのバラツキが大きい場合であっても、中心導体3−導体パターン部10間を確実に接続することが可能になる。
また、中心導体3と導体パターン部10を接続する接着剤11に、上述の針形状、または微細な粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する導電性微粒子を含む異方導電性接着剤を使用する場合は、上述の外部導体5とグランドバー7を接続する接着剤8に、異方導電性接着剤を使用する場合と同様に、導電性微粒子を、異方導電性の接着剤を形成する時点で異方導電性接着剤の厚み方向に配向させて用いるのが好ましい。また、使用される粒子は、その一部に強磁性体が含まれるものが良く、強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種類以上の合金、強磁性を有する金属と他の金属との合金、および強磁性を有する金属を含む複合体のいずれかであることが好ましい。さらに、導電性微粒子のアスペクト比が10以上であることが好ましく、導電性微粒子の短径が1μm以下であることが好ましい。このような構成とすることにより、中心導体3と導体パターン部10の接続において、上記実施形態において説明した、接着剤8に、針形状、または微細な粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する異方導電性接着剤を使用して、外部導体5とグランドバー7を接続する場合の効果と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、接着剤11により、中心導体3と導体パターン部10を接続する構成としたが、例えば、中心導体3と導体パターン部10を、半田により接続する構成としてもよい。
本発明の活用例としては、電子機器等に用いられ、複数本の極細同軸ケーブルを備えた多心ケーブルの接続構造、多心ケーブル及び多心ケーブル接続構造体の製造方法が挙げられる。
本発明の実施形態に係る多心ケーブルの接続構造を説明するための上面図である。 図1のA−A断面図である。 本発明の実施形態に係る多心ケーブルを構成する極細同軸ケーブルを説明するための断面図である。 図1のB−B断面図である。 図1のC−C断面図である。 異方導電性接着剤に使用される鎖状粒子の概略構成を示す模式図である。 外部導体の高さのバラツキを説明するための断面図である。 外部導体の高さにバラツキがある場合の、異方導電性接着剤の押し込み処理を説明するための断面図である。 鎖状粒子からなる導電性微粒子を使用した場合の、外部導体とグランドバーの接続状態を説明するための断面図である。
符号の説明
1…多心ケーブル、2…極細同軸ケーブル、3…中心導体、4…絶縁体、5…外部導体、6…ジャケット層、7…グランドバー、8…接着剤(異方導電性接着剤)、9…回路基板、10…導体パターン部、11…接着剤(異方導電性接着剤)、12…接地部、14…鎖状粒子、17…針形状、または微細な粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する導電性微粒子、18…鎖状粒子からなる導電性微粒子、20…極細同軸ケーブルの端部、50…多心ケーブルの接続構造体、D…導体パターン部の幅、E…導体パターン部間の間隔、Y…異方導電性接着剤の厚み方向

Claims (8)

  1. 中心導体と、該中心導体の外周を被覆する絶縁体と、該絶縁体の外周を被覆する外部導体とを有する極細同軸ケーブルを複数本備えた多心ケーブルの、前記外部導体を、該外部導体を接地させるためのグランドバーに接続するとともに、前記中心導体を被接続部材の導体パターン部に接続する多心ケーブルの接続構造において、
    前記外部導体と前記グランドバーが、導電性接着剤により接続されていることを特徴とする多心ケーブルの接続構造。
  2. 前記導電性接着剤が、針形状、または微細な粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する導電性微粒子が、絶縁性の樹脂中に分散された異方導電性接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の多心ケーブルの接続構造。
  3. 前記導電性微粒子が、前記異方導電性接着剤の厚み方向に配向していることを特徴とする請求項2に記載の多心ケーブルの接続構造。
  4. 前記導電性接着剤が、複数の分岐を有する鎖状粒子からなる導電性微粒子が、絶縁性の樹脂中に分散された異方導電性接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の多心ケーブルの接続構造。
  5. 前記極細同軸ケーブルの外径が0.5mm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の多心ケーブルの接続構造。
  6. 前記中心導体と前記導体パターン部が、前記異方導電性接着剤により接続されていることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の多心ケーブルの接続構造。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の多心ケーブルの接続構造を備える多心ケーブル。
  8. 中心導体と、該中心導体の外周を被覆する絶縁体と、該絶縁体の外周を被覆する外部導体と、該外部導体の外周を被覆する外皮とを有する極細同軸ケーブルを複数本備えた多心ケーブルの、前記外部導体が、該外部導体を接地させるためのグランドバーに接続されるとともに、前記中心導体が被接続部材の導体パターン部に接続された多心ケーブル接続構造体の製造方法であって、
    前記複数本の極細同軸ケーブルの各々を切断して所定の長さに揃える工程と、
    前記複数本の極細同軸ケーブルの各々の端部において、前記外皮を切断する工程と、
    前記外部導体を切断する工程と、
    切断した前記外皮と前記外部導体を除去する工程と、
    前記グランドバーに、針形状、または微細な粒子が多数、直鎖状に繋がった形状を有する導電性微粒子が、絶縁性の樹脂中に分散された異方導電性接着剤を仮接着する工程と、
    露出した前記外部導体と前記グランドバーを、加熱加圧処理を行うことにより、前記異方導電性接着剤を介して接続する工程と、
    前記端部において、前記絶縁体を除去することにより、前記中心導体の、前記導体パターン部に接続される部分を露出させる工程と、
    前記グランドバーと前記被接続部材の接地部を接続する工程と、
    露出した前記中心導体と前記導体パターン部との位置合わせをし、露出した前記中心導体と前記導体パターン部との間に前記異方導電性接着剤を介在させる工程と、
    露出した前記中心導体と前記導体パターン部を、加熱加圧処理を行うことにより、前記異方導電性接着剤を介して、接続する工程とを含むことを特徴とする多心ケーブル接続構造体の製造方法。
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