JP2007192376A - 転がり軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストな方法で運転中の転がり軸受の内外輪の温度差を低く抑え、熱膨張による軸受予圧過大を防止できる転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】内輪3a、外輪3b、およびこれら内外輪の軌道面間に介在した複数の転動体を有し、上記内輪3aが回転側、外輪3が固定側となる転がり軸受装置であって、締まりばめされた内輪内径と軸外径との間隙および外輪外径とハウジング内径との間隙から選ばれた少なくとも一つの間隙に、高熱伝導性媒体を配合したグリースを介入させ、上記熱伝導性の高い媒体はグラファイト、銅、銀、およびアルミニウムの中から選ばれた少なくとも一つの粉末である。
【選択図】図1
【解決手段】内輪3a、外輪3b、およびこれら内外輪の軌道面間に介在した複数の転動体を有し、上記内輪3aが回転側、外輪3が固定側となる転がり軸受装置であって、締まりばめされた内輪内径と軸外径との間隙および外輪外径とハウジング内径との間隙から選ばれた少なくとも一つの間隙に、高熱伝導性媒体を配合したグリースを介入させ、上記熱伝導性の高い媒体はグラファイト、銅、銀、およびアルミニウムの中から選ばれた少なくとも一つの粉末である。
【選択図】図1
Description
本発明は、工作機械主軸用の定位置予圧等で使用される転がり軸受装置に関する。
工作機械主軸用の転がり軸受には、軸の回転精度を高め工作物の加工品位を向上させるために、高い剛性が要求される。そのために軸受に予圧を与えるが、予圧方法には定圧予圧と定位置予圧とがある。定圧予圧ではコイルばねや皿ばね等、転がり軸受の内部接触剛性よりも十分小さな剛性を有するばねを用いて常にほぼ一定の予圧を与えることができるが、軸受の相対位置は変化して軸受剛性増加に対する効果は小さい。定位置予圧は間座やシム、あるいは締め付け量の調整により予圧された軸受間の相対的な位置が運転中に一定となるようにし、軸受剛性増加に対する効果は大きい。
一方、最近の工作機械の主軸の駆動にはビルトインモータが使用される場合が大半であり、発熱の影響があるため、モータハウジングおよび軸受外周部に冷却用の螺旋溝を設け、冷却液を通して冷却を行なっている(外筒冷却)。したがって、軸受の転動体と内外輪との間の転がり・すべり等で発生した熱による軸受全体の温度上昇は抑えることができても、内輪の温度が外輪よりも相対的に高くなる。
一方、最近の工作機械の主軸の駆動にはビルトインモータが使用される場合が大半であり、発熱の影響があるため、モータハウジングおよび軸受外周部に冷却用の螺旋溝を設け、冷却液を通して冷却を行なっている(外筒冷却)。したがって、軸受の転動体と内外輪との間の転がり・すべり等で発生した熱による軸受全体の温度上昇は抑えることができても、内輪の温度が外輪よりも相対的に高くなる。
そのため、定位置予圧の場合、高速回転下では内輪の熱膨張が外輪のそれに対して大きくなりすぎて、予圧が過大となり、寿命低下・異常発熱等を招く危険がある。したがって、想定される最高回転条件で適切な予圧となるように定位置予圧量を設定すると、比較的回転数が低く熱膨張量の少ない運転条件下では予圧が過小となり、軸受剛性が不足する。逆に低回転数下での予圧を適正化すれば、高回転数下で過大予圧となる。そのため、油圧を利用して任意の主軸回転数で定位置予圧を切り替える予圧切替機構が知られている(特許文献1参照)。
このように、上記の定位置予圧に伴う問題は、主に軸受内外輪の温度差に起因するものである。予圧の適正化を狙った技術ではないが、軸受系内部の熱のこもりを防ぐ技術として、内輪に、外輪又はハウジングに近接する熱伝導部材を設け、この熱伝導部材とその近接相手(外輪又はハウジング)との間に熱伝導性の高い媒体を充填したグリース等の熱伝導媒体を介入する技術が知られている(特許文献2参照)。
このように、上記の定位置予圧に伴う問題は、主に軸受内外輪の温度差に起因するものである。予圧の適正化を狙った技術ではないが、軸受系内部の熱のこもりを防ぐ技術として、内輪に、外輪又はハウジングに近接する熱伝導部材を設け、この熱伝導部材とその近接相手(外輪又はハウジング)との間に熱伝導性の高い媒体を充填したグリース等の熱伝導媒体を介入する技術が知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1では、油圧を利用して任意の主軸回転数で定位置予圧を切り替える予圧切替機構が必要で軸受ユニットの構造が複雑となり、設置費用がかかることに加えて、運転操作や設備管理、品質管理等に労力を要するという問題がある。このような予圧切替機構を使用せずに低コストな方法で定位置与圧量を広い回転数の範囲で適正に保つには、結局内外輪の温度差を小さくする、すなわち、内輪の温度を下げる簡易な方法が必要である。
特許文献2では、内輪の温度を下げることが可能であるが、熱伝導部材を設けるという構造的な改良が必要であり、十分に簡素な方法とは言えない。また、特許文献2の図1の構造ではスピンドル系の軸方向長さも増大するため回転軸の曲げ剛性も低下し、好ましくない。
特許第2602325号
実開平05−025025号公報
特許文献2では、内輪の温度を下げることが可能であるが、熱伝導部材を設けるという構造的な改良が必要であり、十分に簡素な方法とは言えない。また、特許文献2の図1の構造ではスピンドル系の軸方向長さも増大するため回転軸の曲げ剛性も低下し、好ましくない。
本発明はこのような問題に対処するためになされたもので、低コストな方法で運転中の転がり軸受の内外輪の温度差を低く抑え、熱膨張による軸受予圧過大を防止できる転がり軸受装置を提供することを目的とする。
本発明の転がり軸受装置は、内輪、外輪、およびこれら内外輪の軌道面間に介在した複数の転動体を有し、上記内輪が回転側、外輪が固定側となる転がり軸受装置であって、締まりばめされた内輪内径と軸外径との間隙、および、外輪外径とハウジング内径との間隙から選ばれた少なくとも一つの間隙に、高熱伝導性媒体を配合したグリースを介入させたことを特徴とする。
上記高熱伝導性媒体の粒径を、嵌め合い面粗さの大きさに対応させて、実接触面積を大きくしたことを特徴とする。ここで、「高熱伝導性媒体の粒径を、嵌め合い面粗さの大きさに対応させて」とは、内輪内径と軸外径との嵌め合い面、または、外輪外径とハウジング内径との嵌め合い面において、グリースが溜まる表面粗さの個々の凹部に、熱伝導性媒体を、該熱伝導性媒体と嵌め合い面との接触面積が可能な限り大きくなるように粒径を調整して介入させることをいう。
上記高熱伝導性媒体の粒径を、嵌め合い面粗さの大きさに対応させて、実接触面積を大きくしたことを特徴とする。ここで、「高熱伝導性媒体の粒径を、嵌め合い面粗さの大きさに対応させて」とは、内輪内径と軸外径との嵌め合い面、または、外輪外径とハウジング内径との嵌め合い面において、グリースが溜まる表面粗さの個々の凹部に、熱伝導性媒体を、該熱伝導性媒体と嵌め合い面との接触面積が可能な限り大きくなるように粒径を調整して介入させることをいう。
上記高熱伝導性媒体は、グラファイト、銅、銀、およびアルミニウムの中から選ばれた少なくとも一つの粉末であることを特徴とする。
上記転がり軸受装置は、工作機械の主軸の支持に用いられることを特徴とする。
上記転がり軸受装置は、工作機械の主軸の支持に用いられることを特徴とする。
本発明の転がり軸受装置は、締まりばめされた内輪内径と軸外径との間隙および外輪外径とハウジング内径との間隙から選ばれた少なくとも一つの間隙に、高熱伝導性媒体を配合したグリースを介入させるので、グリースに高い熱伝導度を与えて軸受の内外輪の熱のこもりを防ぐことができ、特に定位置予圧での内外輪温度差に起因する予圧の過大または過小を抑えることができる。
上記転がり軸受装置を工作機械の主軸の支持に用いることで、工作機械主軸用の定位置予圧切替機構を設けずに、低コストで定位置予圧量を広い回転数の範囲で適正に保つことができる。
上記転がり軸受装置を工作機械の主軸の支持に用いることで、工作機械主軸用の定位置予圧切替機構を設けずに、低コストで定位置予圧量を広い回転数の範囲で適正に保つことができる。
工作機械に転がり軸受装置を適用する場合に、焼きばめ等で内輪と回転軸を嵌め合わせる作業には、軸受装置を分解する時のために嵌め合い面にグリースを塗布することが通常である。この嵌め合い面は微視的にみると、表面粗さの影響で局所的に突起同士が接触し、その他の部分はグリース膜を介して間接的に接している。したがって、このグリースに高熱伝導度を与えることで、内輪の熱を回転軸に効率的に逃がすことができ、内輪の温度を低下させ、内外輪の温度差を小さくすることができる。このとき、嵌め合い面においてグリースが溜まる表面粗さの個々の凹部に、できるだけ熱伝導性媒体の内輪または回転軸との接触面積が大きくなるように熱伝導性媒体を介入させることができれば、より効率的に熱を逃がすことができる。本発明は、上記のようにグリースとして高熱伝導性媒体を配合したものを使用するだけで実施できるので、軸受の構造的な改良や、通常行なわれる作業を変更する等の必要がなく低コストである。
本発明の転がり軸受装置は、内輪、外輪、およびこれら内外輪の軌道面間に介在した複数の転動体を有し、上記内輪が回転側、外輪が固定側となる転がり軸受装置であって、締まりばめされた内輪内径と軸外径との間隙に、高熱伝導性媒体を配合したグリースを介入させたものである。
また、本発明は内輪内径と軸外径との間隙に限定されず、外輪の温度を低下させたい場合は、外輪外径とハウジング内径との間隙に同様の処置を施してもよい。
また、本発明は内輪内径と軸外径との間隙に限定されず、外輪の温度を低下させたい場合は、外輪外径とハウジング内径との間隙に同様の処置を施してもよい。
本発明において内輪内径と軸外径との間隙、または、外輪外径とハウジング内径との間隙に介入させるグリースは、任意のグリースを使用でき、例えば後述する軸受封入グリース等を使用できる。介入用のグリースの具体例としては、ダウコーニング社製:モリコート(登録商標)等が挙げられる。
高熱伝導性媒体を配合した上記グリースを介入させることにより、グリースに高い熱伝導度を与えて内輪の熱を回転軸に効率的に逃がすことができ、内輪の温度を低下させ、内外輪の温度差を小さくすることができる。
高熱伝導媒体としては、グリースへ配合可能な任意の熱伝導性媒体を使用できる。高い熱伝導性を有し、環境面への悪影響も無いことから、グラファイト、銅、銀またはアルミニウム等の微細粉末が好ましい。
一般にこれら固体の熱伝導率はグリース単体のそれよりもオーダ的に 100 倍〜1000 倍大きい。これらの熱伝導媒体は1種類単独で用いても2種類以上組み合わせて用いてもよい。
高熱伝導媒体としては、グリースへ配合可能な任意の熱伝導性媒体を使用できる。高い熱伝導性を有し、環境面への悪影響も無いことから、グラファイト、銅、銀またはアルミニウム等の微細粉末が好ましい。
一般にこれら固体の熱伝導率はグリース単体のそれよりもオーダ的に 100 倍〜1000 倍大きい。これらの熱伝導媒体は1種類単独で用いても2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の転がり軸受装置は、その転動体周囲に軸受封入用グリースが封入されている。
本発明における軸受封入用グリースに使用できる基油としては、スピンドル油、冷凍機油、タービン油、マシン油、ダイナモ油等の鉱油、高精製度鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、ポリ-α-オレフィン油、アルキルナフタレン、脂環式化合物等の炭化水素系合成油、または、天然油脂、ポリオールエステル油、リン酸エステル油、ポリマーエステル油、芳香族エステル油、炭酸エステル油、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、アルキルベンゼン油、フッ素化油等の非炭化水素系合成油等が挙げられる。
これらの中で、耐熱性と潤滑性に優れたアルキルジフェニルエーテル油、ポリ-α-オレフィン油を用いることが好ましい。
本発明における軸受封入用グリースに使用できる基油としては、スピンドル油、冷凍機油、タービン油、マシン油、ダイナモ油等の鉱油、高精製度鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、ポリ-α-オレフィン油、アルキルナフタレン、脂環式化合物等の炭化水素系合成油、または、天然油脂、ポリオールエステル油、リン酸エステル油、ポリマーエステル油、芳香族エステル油、炭酸エステル油、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、アルキルベンゼン油、フッ素化油等の非炭化水素系合成油等が挙げられる。
これらの中で、耐熱性と潤滑性に優れたアルキルジフェニルエーテル油、ポリ-α-オレフィン油を用いることが好ましい。
本発明における軸受封入用グリースに使用できる増ちょう剤としては、ベントン、シリカゲル、フッ素化合物、リチウム石けん、リチウムコンプレックス石けん、力ルシウム石けん、カルシウムコンプレックス石けん、アルミニウム石けん、アルミニウムコンプレックス石けん等の石けん類、ジウレア化合物、ポリウレア化合物等のウレア系化合物が挙げられる。
これらの中で、耐熱性、コスト等を考慮するとウレア系化合物が望ましい。
これらの中で、耐熱性、コスト等を考慮するとウレア系化合物が望ましい。
ウレア系化合物は、イソシアネート化合物とアミン化合物とを反応させることにより得られる。反応性のある遊離基を残さないため、イソシアネート化合物のイソシアネート基とアミン化合物のアミノ基とは略当量となるように配合することが好ましい。
ウレア系化合物は、ジウレア化合物、ポリウレア化合物が挙げられる。ジウレア化合物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミンとの反応で得られる。ジイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、オクタデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネー卜等が挙げられ、モノアミンとしては、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アニリン、p-トルイジン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。ポリウレア化合物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミン、ジアミンとの反応で得られる。ジイソシアネート、モノアミンとしては、ジウレア化合物の生成に用いられるものと同様のものが挙げられ、ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサンジアミン、オクタンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
ウレア系化合物は、ジウレア化合物、ポリウレア化合物が挙げられる。ジウレア化合物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミンとの反応で得られる。ジイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、オクタデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネー卜等が挙げられ、モノアミンとしては、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アニリン、p-トルイジン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。ポリウレア化合物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミン、ジアミンとの反応で得られる。ジイソシアネート、モノアミンとしては、ジウレア化合物の生成に用いられるものと同様のものが挙げられ、ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサンジアミン、オクタンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
軸受封入用グリース中に占める増ちょう剤の配合割合は、増ちょう剤が 1 重量%〜40 重量%、好ましくは 3 重量%〜25 重量%配合される。増ちょう剤の含有量が 1 重量%未満では、増ちょう効果が少なくなり、グリース化が困難となり、40 重量%をこえると得られたグリースが硬くなりすぎ、所期の効果が得られ難くなる。
また、必要に応じて公知のグリース用添加剤を含有させることができる。この添加剤としては、例えば、有機亜鉛化合物、アミン系、フェノール系化合物等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾールなどの金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリスチレン等の粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤、金属スルホネート、多価アルコールエステルなどの防錆剤、有機モリブデンなどの摩擦低減剤、エステル、アルコールなどの油性剤、リン系化合物などの摩耗防止剤等が挙げられる。これらを単独または 2 種類以上組み合せて添加できる。
本発明の転がり軸受装置は、工作機械の主軸の支持に用いることができる。工作機械主軸は、加工効率向上のために高速回転と、加工精度確保のための軸受発熱防止と、稼働停止時間短縮による生産性向上等のためのメンテナンスフリー化が強く望まれる。そのため、本発明を適用することで、高速化と長寿命化、メンテナンスフリー化を達成できるという利点が効果的に発揮される。
図1を用いて本発明の実施例を説明する。図1は本発明の転がり軸受装置を工作機械主軸に取り付けたスピンドルユニットを示す図である。図1において定位置予圧で予圧した背面取り付けのアンギュラ玉軸受1で主軸2を支持している。2個のアンギュラ玉軸受1は、内輪側と外輪側とに、それぞれ介在する内輪間座7と外輪間座8とによって位置決めされている。またスピンドルユニットの外筒4には冷却液通路5を設け、運転時のユニットの過度の温度上昇を防止している。
図1において、それぞれの軸受内輪3aは回転軸2に焼きばめで締まりばめされる際に、内輪内径と軸外径との間隙に、グラファイト微細粉末を配合したグリース(ダウコーニング社製:モリコート)を全周面に介在させた転がり軸受装置をスピンドルユニットに適用した。軸受部は主に転動体(玉)と内外輪軌道面の転がり・滑り運動に伴い発熱源となる。外筒4が冷却されるため外輪3bよりも内輪3aが相対的に高温となり、一般に予圧過多となるが、本グリースが熱伝導媒体となり、内輪3aの熱が回転軸2に放熱され、内外輪の温度差を小さく抑制することができる。
図1において、それぞれの軸受内輪3aは回転軸2に焼きばめで締まりばめされる際に、内輪内径と軸外径との間隙に、グラファイト微細粉末を配合したグリース(ダウコーニング社製:モリコート)を全周面に介在させた転がり軸受装置をスピンドルユニットに適用した。軸受部は主に転動体(玉)と内外輪軌道面の転がり・滑り運動に伴い発熱源となる。外筒4が冷却されるため外輪3bよりも内輪3aが相対的に高温となり、一般に予圧過多となるが、本グリースが熱伝導媒体となり、内輪3aの熱が回転軸2に放熱され、内外輪の温度差を小さく抑制することができる。
本発明の転がり軸受装置は、締まりばめされた内輪内径と軸外径との間隙および外輪外径とハウジング内径との間隙から選ばれた少なくとも一つの間隙に、高熱伝導性媒体を配合したグリースを介入させたので、グリースに高い熱伝導度を与えて内輪の熱を回転軸に効率的に逃がすことができ、内輪の温度を低下させ、内外輪の温度差を小さくすることができる。このため、耐熱性、耐高温高速性に優れるので、工作機械の主軸の支持や自動車電装補機、鉄道車両用転がり軸受装置およびロールネック用転がり軸受装置等に好適に用いることができる。
1 アンギュラ玉軸受
2 主軸
3a 内輪
3b 外輪
4 スピンドルユニット外筒
5 冷却液通路
6 スピンドルユニット内筒
7 内輪間座
8 外輪間座
2 主軸
3a 内輪
3b 外輪
4 スピンドルユニット外筒
5 冷却液通路
6 スピンドルユニット内筒
7 内輪間座
8 外輪間座
Claims (4)
- 内輪、外輪、およびこれら内外輪の軌道面間に介在した複数の転動体を有し、前記内輪が回転側、外輪が固定側となる転がり軸受装置であって、
締まりばめされた内輪内径と軸外径との間隙、および、外輪外径とハウジング内径との間隙から選ばれた少なくとも一つの間隙に、高熱伝導性媒体を配合したグリースを介入させたことを特徴とする転がり軸受装置。 - 前記高熱伝導性媒体の粒径を、嵌め合い面粗さの大きさに対応させて、実接触面積を大きくしたことを特徴とする請求項1記載の転がり軸受装置。
- 前記高熱伝導性媒体は、グラファイト、銅、銀、およびアルミニウムの中から選ばれた少なくとも一つの粉末であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の転がり軸受装置。
- 前記転がり軸受装置は、工作機械の主軸の支持に用いられることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の転がり軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006013064A JP2007192376A (ja) | 2006-01-20 | 2006-01-20 | 転がり軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006013064A JP2007192376A (ja) | 2006-01-20 | 2006-01-20 | 転がり軸受装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=38448235
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006013064A Pending JP2007192376A (ja) | 2006-01-20 | 2006-01-20 | 転がり軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007192376A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014506981A (ja) * | 2011-02-16 | 2014-03-20 | オーリコン レイボルド バキューム ゲーエムベーハー | 真空ポンプの軸を高速に回転するための軸受構造 |
CN112983977A (zh) * | 2020-07-29 | 2021-06-18 | 苏州大贝岩电子科技有限公司 | 一种内外圈与滚珠游隙自适应消除的端补偿滚动轴承 |
CN115106357A (zh) * | 2022-06-21 | 2022-09-27 | 首钢智新迁安电磁材料有限公司 | 一种延长轧机厚壁套筒使用寿命的方法 |
-
2006
- 2006-01-20 JP JP2006013064A patent/JP2007192376A/ja active Pending
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