JP2007191935A - 透湿性と高断熱性を有した壁構造および壁の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】壁内結露を解消するための壁構造と施工方法を提供する。
【解決手段】外側から順に、外壁仕上材1、ラスモルタル材2、ラス網3、防水シート4、柱9の外側に間隙を有したラス下木ズリ板5、発泡ウレタン6、石膏プラスター7、内壁仕上材8の各層が隙間なく形成されていることを特徴とする。各層とも湿気をとおし、外壁仕上材1と内壁仕上材8は調湿性も有している。柱9をラス下木ズリ板5の内側に配し、柱9の表面が内壁仕上材8の表面から突出した形にできる。施工方法は外側は柱9にラス下木ズリ板5を取付け、防水シート4とラス網3をステンレス製足長19mmステープル10でエアー打ちし、ラスモルタル材2と外壁仕上材1の層を形成し、内側は発泡ウレタン6と石膏プラスター7と内壁仕上材8の層を形成する。壁内部に隙間はない。
【選択図】図3
【解決手段】外側から順に、外壁仕上材1、ラスモルタル材2、ラス網3、防水シート4、柱9の外側に間隙を有したラス下木ズリ板5、発泡ウレタン6、石膏プラスター7、内壁仕上材8の各層が隙間なく形成されていることを特徴とする。各層とも湿気をとおし、外壁仕上材1と内壁仕上材8は調湿性も有している。柱9をラス下木ズリ板5の内側に配し、柱9の表面が内壁仕上材8の表面から突出した形にできる。施工方法は外側は柱9にラス下木ズリ板5を取付け、防水シート4とラス網3をステンレス製足長19mmステープル10でエアー打ちし、ラスモルタル材2と外壁仕上材1の層を形成し、内側は発泡ウレタン6と石膏プラスター7と内壁仕上材8の層を形成する。壁内部に隙間はない。
【選択図】図3
Description
この発明は、木造軸組在来工法建築物において、壁内部結露を防止し、夏の冷房時と冬の暖房時の両方に対応して快適な室内環境を実現でき、第4地域の次世代省エネ基準に適合できる透湿性と高断熱性を有した壁構造および壁の施工方法に関するものである。
ここまでわが国の住宅建築は高気密・高断熱住宅を目指して進んできた。契機は1973年のオイルショックで、北海道では灯油節約を余儀なくされたため、断熱材として使用されてきたグラスウールをこれまでの50mmから100mmに変えた住宅が多数建築された。結果はあまり灯油節約にならなかった。それどころか、グラスウールの断熱層は大量の空気を含んでいるため、壁内で結露した湿気は水滴となってグラスウールを濡らし、キノコ(ナミダダケ)が発生するまでにいたる、いわゆる、「壁内結露」が生じていたが、しばらくの間は社会問題に発展することはなかった。結露を繰り返すと乾きにくく濡れたままの状態が続くようになり、壁だけでなく柱が傷み釘も錆びる。日本建築学会北海道支部は、1978年、北方圏寒地住宅視察団を北欧に派遣した。報告書は、高断熱住宅には、防湿・気密層、透湿層、通気層が必要であると結論。1980年になるとテレビでナミダダケ事件を報じた事で社会の関心が向けられるようになり、北海道議会でも取り上げられた。当然、一般ユーザーの住宅の断熱方法に対する関心も高まった。1981年、室蘭大学・鎌田研究室が通気層工法による高気密・高断熱住宅を提案した。1982〜1985頃、テレビでマンションの結露とカビによる喘息やアトピーなどの問題を放送したため、マンションの居室や戸建住宅の断熱と結露についての関心が全国的に高まった。1987年頃から様々な形の高気密・高断熱の住宅が作られ始め、全国的に住宅の高気密・高断熱化の競争が始まった。
主な高気密・高断熱方法として、壁内にグラスウールといった断熱材を入れ外側の壁に構造用合板とターフェルトなど湿気を通しにくい防湿性を有した防水シートを配し内側の壁に石膏ボードを用いる断熱工法(図4参照。)と、断熱材の室内側の壁にターフェルトなど湿気を通さない防湿性を有した防水シートを防湿層として設ける防湿層工法(図5、図6参照。)と、断熱材と外装材の間に空気層を設ける通気層工法(図7、図8参照。)がある。防湿工法によるものとして、たとえば、特開平11−324178号公報(外壁パネルおよび外壁構造)の図2、図4に示されたものがある(特許文献1)。通気層工法によるものとして、たとえば、特開平11−324178号広報(外壁パネルおよび外壁構造)の図1、図2に示されたものがある(特許文献2)。
特開2002−21211号公報
特開2002−21211号公報
上記した従来のガス用紫外線照射装置および表面処理装置に関する問題点について述べる。
壁内結露は、壁内に湿気が溜まることと、室内と室外の温度差とによって引き起こされる。住環境を快適に保つためには冷房や暖房によって外気と室内の温度差が生じることはやむをえない。したがって、問題解決は壁内の湿気をいかに処理するかの一点に絞られているといっても過言ではない。壁を高断熱にするために高気密化するだけでは、室内で発生した湿気の逃げ場がなくなり、湿気が壁内部の断熱材の中に入り壁内結露を起こすことになる。
前記した断熱工法による壁の場合、最も問題なのが冬季の壁内結露である(図4参照。)。外気は低温・乾燥であるのにたいし、室内は高温・多湿の状態となっている。冬に暖房をして室内側の水蒸気圧が高くなると、水蒸気は低温低湿の外気に向かって出て行こうとする。室内の湿気(水蒸気)は内壁を通って断熱材がつまった壁内部に入る。水蒸気は室内側のクロスやボードを簡単に通過し、断熱材の中を構造用合板の裏まで達する。湿気は湿度の高いところから低いところへ移動し、たとえば室内が湿度60%で外気が25%であれば、室内の湿気は自然に壁内部に入っていく。室内側の暖かい熱は断熱材に遮られてしまうために、断熱材の内部には室内温度から外気温までの温度勾配ができる。壁内部の温度は室内側が高くて外側が低く外壁裏面が最も低温であるため、水蒸気は断熱材内部の露点温度以下の部分と外壁の裏側で結露を起こし、断熱材であるグラスウールが結露した水を大量に吸ってしまう。室内から壁内に入った湿気が外壁の透湿性の低い防水シートに阻まれ、露点温度以下に冷却されて断熱材と外壁裏側で結露をおこし、断熱材が水を吸う。大量に水を吸った断熱材は断熱性を低下させ、室内の湿度を高め、柱の腐食を進行させ、場合によってはカビが発生して健康を損なう恐ろしい結果となる。断熱工法では断熱層を厚くとるため柱を壁の中に入れて壁を厚くする大壁方式となることが多い(図4参照。)。大壁の柱は室内の湿気を吸ったり吐いたりする調湿作用は働かない。柱が水気で腐食すると壁との密着性が失われ強度が低下する。
前記した防湿層工法による壁の場合、上記の断熱工法における問題点を解決するために、断熱材と室内側の内装材(内壁)の間に防湿層(ベイパーバリア)を設けて、湿気が断熱材の中に侵入するのを防ぐことを主眼としている(図5参照。)。断熱材の内部に湿気が入り込まないようにするには、各職方の工事に細心の注意が必要になります。どこかに不備が一箇所でもあれば、そこから湿気が断熱材の中に入り込んでしまい、結局上記断熱工法と同じ壁内結露を生じる結果になってしまいます。また、防湿層工法で第4地域の次世代省エネ基準に適合する断熱性能をもった真壁を作ろうとすれば、各職方の工事にはさらに細心の注意が必要となります。断熱材の中に湿気を入れない方法として防湿層は有効なのですが、実際にはなかなかそうならない。建物内の水蒸気の動きは複雑であり、防湿性防水シートを一面に張ったからといって、断熱材に湿気が入り込むのを防ぐことは容易ではない。夏になるとクーラーの使用により、冬とは違う問題が生じてくる。室内が低温・低湿乾燥状態となるため、外気の高温・多湿の空気が断熱材の中に侵入する。壁内の温度は、冷房の影響により、外側が高温で内側にいくほど低温となる。壁の内部に入った湿気は内壁側に防湿層があるため断熱材の中で堰き止められ、露点温度以下となっている室内側の断熱材内部と防湿層の外気側表面で結露が起こる(図6参照。)。防湿層工法では防湿防水シートを柱の室内側の壁全体に張るため大壁方式となる(図5、図6参照。)。大壁の柱は室内の湿気を吸ったり吐いたりする調湿作用は働かない。柱が水気で腐食すると壁との密着性が失われ強度が低下する。
前記した通気層工法による壁の場合、室内の湿気を壁から断熱材の中に入れ、断熱材と外装材(外壁)の間の通気層を通って流れる外気と一緒に屋外に排出して、壁内結露の解決を図っている(図7参照。)。この外断熱・通気工法はドイツやスウェーデンなどにおいて結露防止に功を奏している住宅工法です。外断熱・通気層工法の推進論者は、ドイツやスウェーデンなどで壁内結露を解決した方法を、そのまま日本の住宅に導入しました。日本の壁内結露とドイツやスウェーデンなどの壁内結露には、共通する点と異なる点があります。通気層工法の壁が日本の住宅に適さない理由を述べます。まず、この工法では外気を直接壁内に通すわけですが、日本には朝霧や朝露という気象現象があり、このような非常に湿気を含んだ外気を壁内の通気層に通すと、断熱材や柱等の建材が外気の湿気にさらされることになる。断熱材は朝霧や朝露の湿気をどんどん吸収して濡れしまう。これは壁内で結露を起こすというのではなく、外気の空気中ですでに結露した水分を壁の中に取り込んでしまっているのです。壁の通気層は、室内が高湿、外気が低湿、という条件でなければ、湿気対策には逆効果です。外気が高湿になると、通気層によりかえって建物の湿気が増えてしまうことになるのです。つぎに、気候と衛生面の問題です。カビ・ダニは、湿度65%以上温度22℃以上で繁殖域に入ると言われています。ドイツのベルリンとスウェーデンのストックフォルムでは年間を通じてカビ・ダニの繁殖域に入ることはありませんが、日本(東京)では3ヶ月半もカビ・ダニの繁殖域に入ります。通気層に湿度65%以上温度22℃以上の外気を入れると、高温多湿の環境の中で断熱材など壁の中にカビ・ダニを繁殖させることになる。つぎに、夏季の逆転結露の問題です。冬季は暖房をつけるので外気が低温低湿で室内が高温多湿となりますが、夏は冷房をつけるため外気が高温多湿で室内が低温低湿となる。そのため、湿気が冬とは逆に流れる。高温多湿の外気が壁の通気層に入り、湿気は断熱材を通って内装壁で遮られ、露点温度以下の断熱材と内装壁の部分で結露するおそれがある(図8参照。)。つぎに、通気層に取り入れた外気の排気に関する問題である。排気の方法として一般に用いられているのは、空気が温まると上昇する自然通気である。日光の当たる外壁は通気層の空気を温めて上昇させ、新たな外気を取り込むことができる。しかしながら、日当たりの悪い壁や陽の射さない天候のときは通気層の空気を温められないし、雪が積もれば下からの吸気が妨げられる。雪の日の北側の壁などは特に通気層からの空気の排気量は激減する。通気層は排気量が不足すると、そこに壁内結露が発生する恐れがある。通気量が減ると湿気は通気層の下に溜まって結露する。つぎに、壁の強度の問題である。通気工法が外断熱と併用されると、外壁仕上材と柱の間の距離が長くなり、外壁仕上下地材の支持力が弱まるため、地震に弱くなる。つぎに、通気層工法では通気層を確保する必要があるため柱を壁の中に入れて壁を厚くする大壁方式となる(図7、図8参照。)。大壁の柱は室内の湿気を吸ったり吐いたりする調湿作用は働かない。柱が水気で腐食すると壁との密着性が失われ強度が低下する。
本発明は、上記した従来の問題点を解決することのできる、透湿性と高断熱性を有する壁構造およびその施工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1の透湿性と高断熱性を有した壁構造は、木造軸組在来工法建築物において、少なくとも外側から順に、漆喰や珪藻土などの透湿性と調湿性を有した外壁仕上材、透湿性を有したラスモルタル材、ラス網、透湿性を有した防水シート、通気性を有する間隙を持たせたラス下木ズリ板、ラス下木ズリ板の間隙を充填しラス下木ズリ板のさらに内側にも断熱層を形成した透湿性を有する発泡ウレタン、透湿性を有した石膏プラスター、漆喰や珪藻土や京壁などの透湿性と調湿性を有した内壁仕上材の各層が形成されており、壁内部の各層に隙間がないことを特徴とする。
また、本発明の請求項2の透湿性と高断熱性を有した壁構造は、木造軸組在来工法建築物において、少なくとも外側から順に、漆喰や珪藻土などの透湿性と調湿性を有した外壁仕上材、透湿性を有したラスモルタル材、ラス網、透湿性を有した防水シート、柱や間の柱等の外側に取り付け通気性を有する間隙を持たせた複数のラス下木ズリ板、ラス下木ズリ板の間隙を充填しラス下木ズリ板のさらに内側にも断熱層を形成した透湿性を有する発泡ウレタン、透湿性を有した石膏プラスター、漆喰や珪藻土や京壁などの透湿性と調湿性を有した内壁仕上材の各層が形成されており、壁内部の各層に隙間がなく、建物の柱をラス下木ズリ板の内側に配し、柱の表面が内壁仕上材の表面より内側に突出していることを特徴とする。
また、本発明の請求項3の透湿性と高断熱性を有した壁の施工方法は、木造軸組在来工法建築物において、通気性を有する間隙を持たせて柱や間の柱等の外側にラス下木ズリ板を取付け、ラス下木ズリ板より外側の壁は、ラス下木ズリ板の外側に透湿性を有した防水シートとラス網をステンレス製足長19mmステープルでエアー打ちして足先をラス下木ズリ板の内側に出して固定し、透湿性を有した防水シートの外側にラス網の上から透湿性を有したラスモルタル材の層を形成し、ラスモルタル材の外側に漆喰や珪藻土などの透湿性と調湿性を有した外壁仕上材の層を形成して外側の表面を完成させ、ラス下木ズリ板より内側の壁は、室内側から現場発泡の発泡ウレタンを吹き付けてラス下木ズリ板の間隙と内側に透湿性を有した断熱層を形成し、発泡ウレタンの内側に透湿性を有した石膏プラスターの層を形成し、石膏プラスターの内側に漆喰や珪藻土や京壁などの透湿性と調湿性を有した内壁仕上材の層を形成して内側の表面を完成させ、壁内部の各層に隙間がないことを特徴とする。
請求項1に記載された透湿性と高断熱性を有した壁構造によれば、冬に暖房している室内から外気に向かって流れる湿気に対して遮るものが何もなく、夏に外気が冷房している室内に向かって流れる湿気に対しても遮るものが何もないため、壁内結露も逆転結露も発生しない。壁内部には湿気を遮るものも湿気が溜まる隙間もないため、湿気はどこにも溜まることができない。本願のいう隙間とは通気層なども含む空気の存在する空間である。壁は湿気だけは通すが、室内の暖房の熱や、冷房の冷気は、発泡ウレタンの断熱材で逃がさない。壁内部は透湿性があり断熱性で熱が遮られているので湿度65%以上温度22℃以上の高温多湿にはならないので、カビ・ダニの繁殖はない。外気が朝霧や朝露といった大量の水分を含んだ状態になっても、壁内の断熱層に外気は入らないので、濡れることはない。調湿や透湿は空気の流れによるものではなく、壁自体の透湿・調湿作用によるものであり、それは日差しや天候などに左右されて機能したりしなかったりするようなものではなく、つねに壁内結露を起こさない。外壁仕上材と内壁仕上材は透湿性と調湿性を有しているため、壁内部の湿度環境の調整や、室内の湿度を調整する働きがあり、健康のためにも極めて有益な環境作りができる。壁内部に通気層がなく、壁の強度は、外壁仕上げ材とラスモルタル材は柱との距離が短く、ラス網をとめたステンレス製足長19mmのステープルの足先がラス下木ズリ板の内側に出るため、その足先とそれに吹き付けた現場発泡ウレタンのスキン層が密着し、ステープルが抜けにくくなるため、外壁仕上げ材・ラスモルタル材の支持力が強まり、地震で外壁が落ちるようなことがなくなる。柱は透湿性を有して結露を起こさない壁の内部環境に守られているため傷まないため、壁との密着性は長期に保たれ強度が持続する。通気層が不要な分、壁を薄くすることができる。
請求項2に記載された透湿性と高断熱性を有した壁構造によれば、上記請求項1と同じ効果を有し、加えて、和室風の落ち着いた美しい真壁を提供できる。これは、通気層が不要な分、壁を薄くして、柱表面を室内に出すことが可能となったためである。柱は透湿性を有して結露を起こさない壁の内部環境に守られているため傷まないため、壁との密着性は長期に保たれ強度が持続し、真壁の柱は室内と壁内部で呼吸して湿気を調節する作用を発揮することができる。柱と柱の間に壁を塗る真壁方式で第4地域の次世代省エネ基準に適合できる壁構造はこれまでなかったが、この透湿性と高断熱性を有する壁構造の真壁によれば十分クリアすることが可能である。
請求項3に記載された透湿性と高断熱性を有した壁の施工方法によれば、上記請求項1と2で述べた作用効果を有する壁を建造することができる。柱と柱の間に壁を塗る真壁方式で第4地域の次世代省エネ基準に適合できる壁の施工方法はこれまでなかったが、この透湿性と高断熱性を有する真壁の施工方法によれば十分クリアすることが可能である。
以下、本発明に係わる透湿性と高断熱性を有した壁構造および壁の施工方法を実施するための最良の形態について説明するが、本発明がこれらの形態にのみ限定されるべきものでないことはいうまでもない。
木造軸組在来工法建築物の壁の施工はつぎのように進められる。まず、柱9や間柱9等に通気性を有する間隙を持たせたラス下木ズリ板5を取付ける。つぎに、ラス下木ズリ板5の外側に透湿防水シート4と図示しないラス網3を図示しないステンレス製足長19mmステープル10でエアー打ちで固定し、そのラス網3に透水性を有したラスモルタル材2の層を形成し、ラスモルタル材2の外側に漆喰や珪藻土などの透湿性と調湿性を有した外壁仕上材1の層を形成して外側の表面を完成させる。つぎに、ラス下木ズリ板5より内側の壁は、室内側から現場発泡の発泡ウレタン6を吹き付けてラス下木ズリ板5の間隙と内側に透湿性を有した断熱層を形成し、発泡ウレタン6の内側に透湿性を有した石膏プラスター7の層を形成し、石膏プラスター7の内側に漆喰や珪藻土や京壁などの透湿性と調湿性を有した内壁仕上材8の層を形成して内側の表面を完成させる。現場発泡の発泡ウレタン6をラス下木ズリ板5の内側から吹き付けることにより、発泡ウレタン6で室内を隙間なく壁で外気から密閉することが可能となる。ラス下木ズリ板5の板と板の間隙は発泡ウレタン6によって充填され、ラス下木ズリ板5の内側とそこから突き出したステープル10の針先にも発泡ウレタン6が吹き付けられるので、ラス下木ズリ板5と発泡ウレタン6の密着性が強化されており、内壁が落ちることを防止する構造となっている。壁内部の各層に隙間がないのが特徴である。隙間とは通気層なども含む空気の存在する空間である。
上記の方法で施工された壁構造は、少なくとも外側から順に、漆喰や珪藻土などの透湿性と調湿性を有した外壁仕上材1、透湿性を有したラスモルタル材2、ラス網3、透湿性を有した防水シート4、通気性を有する間隙を持たせたラス下木ズリ板5、ラス下木ズリ板5の間隙を充填しラス下木ズリ板5のさらに内側にも断熱層を形成した透湿性を有する発泡ウレタン6、透湿性を有した石膏プラスター7、漆喰や珪藻土や京壁などの透湿性と調湿性を有した内壁仕上材8の各層が形成されている。壁の内部の各層に隙間がなく空気が入り込むような場所はないため、壁内部で空気中の蒸気が結露するような問題は発生しない。外壁仕上材1は透湿性と調湿性を有し、ラスモルタル材2は透湿性を有し、防水シート4は透湿性を有し、ラス下木ズリ板5は湿気が通ることができる間隙を有し、発泡ウレタン6は透湿性と断熱性を有し、石膏プラスター7は透湿性を有し、内壁仕上材8は透湿性と調湿性を有している。したがって、湿気は室内と外を移動することができ、しかも壁内の湿気は調湿作用を受ける。各透湿率の一例をあげると、外壁仕上材1とラスモルタル材2を合わせた透湿率が約30ng/m2・s・Pa、発泡ウレタン6の透湿率が約6〜7ng/m2・s・Pa、石膏プラスター7と内壁仕上材8を合わせた透湿率が約35〜40 ng/m2・s・Pa。壁全体で高断熱作用を有するが、特に壁内部の発泡ウレタン6の層は熱の移動を遮断する高断熱性を有している。真壁は、建物の柱9がラス下木ズリ板5の内側にあり、柱9の表面を内壁仕上材8の表面から突出させた構造となっている。ステープル10は、防水シート4とラス網3をラス下木ズリ板5にはり付けて固定し、ラス下木ズリ板5を突き抜けた足先に発泡ウレタン6が密着固定されるが、湿気や温度などの壁内環境にステープル10はほとんど関与していない。
1 外壁仕上材
2 ラスモルタル材
3 ラス網
4 透湿性を有した防水シート
5 ラス下木ズリ板
6 発泡ウレタン
7 石膏プラスター
8 内壁仕上材
9 柱
10 ステンレス製足長19mmステープル
2 ラスモルタル材
3 ラス網
4 透湿性を有した防水シート
5 ラス下木ズリ板
6 発泡ウレタン
7 石膏プラスター
8 内壁仕上材
9 柱
10 ステンレス製足長19mmステープル
Claims (3)
- 木造軸組在来工法建築物において、少なくとも外側から順に、漆喰や珪藻土などの透湿性と調湿性を有した外壁仕上材(1)、透湿性を有したラスモルタル材(2)、ラス網(3)、透湿性を有した防水シート(4)、通気性を有する間隙を持たせた複数のラス下木ズリ板(5)、ラス下木ズリ板(5)の間隙を充填しラス下木ズリ板(5)のさらに内側にも断熱層を形成した透湿性を有する発泡ウレタン(6)、透湿性を有した石膏プラスター(7)、漆喰や珪藻土や京壁などの透湿性と調湿性を有した内壁仕上材(8)の各層が形成されており、壁内部の各層に隙間がないことを特徴とする透湿性と高断熱性を有した壁構造。
- 木造軸組在来工法建築物において、少なくとも外側から順に、漆喰や珪藻土などの透湿性と調湿性を有した外壁仕上材(1)、透湿性を有したラスモルタル材(2)、ラス網(3)、透湿性を有した防水シート(4)、柱(9)や間の柱(9)等の外側に取り付け通気性を有する間隙を持たせた複数のラス下木ズリ板(5)、ラス下木ズリ板(5)の間隙を充填しラス下木ズリ板(5)のさらに内側にも断熱層を形成した透湿性を有する発泡ウレタン(6)、透湿性を有した石膏プラスター(7)、漆喰や珪藻土や京壁などの透湿性と調湿性を有した内壁仕上材(8)の各層が形成されており、壁内部の各層に隙間がなく、建物の柱(9)をラス下木ズリ板(5)の内側に配し、柱(9)の表面が内壁仕上材(8)の表面より内側に突出していることを特徴とする透湿性と高断熱性を有した壁構造。
- 木造軸組在来工法建築物において、通気性を有する間隙を持たせて柱(9)や間の柱(9)等の外側にラス下木ズリ板(5)を取付け、ラス下木ズリ板(5)より外側の壁は、ラス下木ズリ板(5)の外側に透湿性を有した防水シート(4)とラス網(3)をステンレス製足長19mmステープル(10)でエアー打ちして足先をラス下木ズリ板(5)の内側に出して固定し、透湿性を有した防水シート(4)の外側にラス網(3)の上から透湿性を有したラスモルタル材(2)の層を形成し、ラスモルタル材(2)の外側に漆喰や珪藻土などの透湿性と調湿性を有した外壁仕上材(1)の層を形成して外側の表面を完成させ、ラス下木ズリ板(5)より内側の壁は、室内側から現場発泡の発泡ウレタン(6)を吹き付けてラス下木ズリ板(5)の間隙と内側に透湿性を有した断熱層を形成し、発泡ウレタン(6)の内側に透湿性を有した石膏プラスター(7)の層を形成し、石膏プラスター(7)の内側に漆喰や珪藻土や京壁などの透湿性と調湿性を有した内壁仕上材(8)の層を形成して内側の表面を完成させ、壁内部の各層に隙間がないことを特徴とする透湿性と高断熱性を有した壁の施工方法。
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