JP2007191648A - 高分子多相系材料の製造方法および高分子多相系材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モノマーおよび/またはポリマーからなる群から選ばれる二種類以上の化合物に対して光を照射して、上記化合物を反応および相分離させることにより、第一の相分離材料を得る第一工程と、上記光を遮断して、上記反応を停止させるとともに第一の相分離材料の相分離をさらに進行させることにより、第二の相分離材料を得る第二工程と、上記第二の相分離材料に対して光を照射して、上記第二の相分離材料を反応および相分離させることにより、高分子多相系材料を得る第三工程と、を備える。その結果、階層構造を有する高分子多相系材料を得ることができた。
【選択図】図4
Description
Xiaolin Tang, Linxia Zhang, Tao Wang, Yingfeng Yu, Wenjun Gan, Shanjun Li., Macromolecular rapid communications, 25, 1419-1424、2004
一実施形態において、本発明に係る高分子多相系材料の製造方法は、モノマーおよび/またはポリマーからなる群から選ばれる二種類以上の化合物に対して光を照射して、上記化合物を重合および/または架橋させ、かつ、上記重合および/または架橋した化合物を相分離させることにより、第一の相分離材料を得る第一工程と、上記光を遮断して、上記重合および架橋を停止させ、かつ、第一の相分離材料の相分離をさらに進行させることにより、第二の相分離材料を得る第二工程と、上記第二の相分離材料に対して光を照射して、上記第二の相分離材料を重合および/または架橋させ、かつ、上記重合および/または架橋した第二の相分離材料をさらに相分離させることにより、高分子多相系材料を得る第三工程と、を備える。
一実施形態において、本発明の高分子多相系材料は、モノマーおよび/またはポリマーからなる群から選ばれる二種類以上の化合物を、光を用いて重合および/または架橋させてなり、かつ、上記重合および/または架橋した化合物が相分離した構造を備え、上記相分離した構造が、さらに階層構造を備えている。係る高分子多相系材料は、既に説明した本発明に係る高分子多相系材料の製造方法によって製造することができる。
本発明の製造方法によって製造された高分子多相系材料および本発明の高分子多相系材料は、階層構造を備えるものであるため、自然界において生物が有する筋肉や軟骨等の階層構造に類似した構造を高分子化合物に持たせることができると考えられる。したがって、階層構造を持たない高分子材料と比較すると、同じ化合物から得られたものであっても機械的な強度が高い材料にすることができると考えられる。
ポリマーとしては、PSAFを用い、モノマーとしてはメチルメタクリレート(以下「MMA」と称する。分子量100、和光純薬製)を用いた。PSAFのポリスチレンの重合度は2700である。また、光反応の開始剤としてルシリンTPO(分子量307、BASF製)を用い、架橋剤としてエチレングリコールジメタクリレート(以下「EGDMA」と称する。分子量198、Sigma-Aldrich製)を用いた。まず、MMAにPSAFを重量比で95:5となるように溶解させ、ルシリンTPO、EGDMAを溶解させて、均一な反応液を調製した。反応液の液温は30℃であった。ルシリンTPOとEGDMAは、MMAとPSAFとを混合して調製した溶液に対して、それぞれ2重量%、4重量%となるように添加した。
ζ=2π/qmax・・・式1
すなわち、qmaxが相分離時間t−t0(図3(g)において双方とも対数で表示)とともに減少している様子は、相分離構造が粗大化していることを表している(ζはqmaxの逆数なので、ζは大きくなる)。そのとき、図3(g)には−1/3と示したが、相分離がどのように成長しているかは、一般的にqmax〜(t−t0)αの指数αによって判別される。αは図3(g)に示される直線の傾きである。
反応液の調製法、反応液の液温、ルシリンTPOとEGDMAの添加量は、実施例1と同じである。本実施例では、反応液に0.01mw/cm2の紫外光(波長365nm)を625秒間照射して、重合と架橋とを同時に誘発して、IPNを合成し(第一工程)、625秒間照射後60分間遮断した(第二工程)。次に、上記反応液に0.75mw/cm2の紫外光(波長365nm)を120分間照射した(第三工程)。図6は、本実施例における紫外光の照射時間と強度との関係を示すグラフである。
次に、光反応の開始剤および架橋剤の濃度を変更し、第一工程および第三工程の光の強度が等しい場合における高分子多相系材料の製造方法について説明する。まずMMAにPSAFを重量比で95:5となるように溶解させ、ルシリンTPO、EGDMAを溶解させて、均一な反応液を調製した。反応液の液温は30℃であった。ルシリンTPOとEGDMAは、MMAとPSAFとを混合して調製した溶液に対して、それぞれ10重量%、2重量%となるように添加した。
までは共連続構造が維持され、図9(f)以降は共連続構造が失われているのは、第二工程において反応が停止しているため、相分離が進行し、相平衡に達しているからである。
MMAにPSAFを重量比で95:5となるように溶解させ、ルシリンTPO、EGDMAを溶解させて、均一な反応液を調製した。反応液の液温は30℃であった。ルシリンTPOは、MMAとPSAFとを混合して調製した溶液に対して2重量%となるように添加し、EGDMAは2重量%、4重量%、6重量%、8重量%、10重量%となるように添加した。
Claims (10)
- モノマーおよび/またはポリマーからなる群から選ばれる二種類以上の化合物に対して光を照射して、上記化合物を重合および/または架橋させ、かつ、上記重合および/または架橋した化合物を相分離させることにより、第一の相分離材料を得る第一工程と、
上記光を遮断して、上記重合および架橋を停止させ、かつ、第一の相分離材料の相分離をさらに進行させることにより、第二の相分離材料を得る第二工程と、
上記第二の相分離材料に対して光を照射して、上記第二の相分離材料を重合および/または架橋させ、かつ、上記重合および/または架橋した第二の相分離材料をさらに相分離させることにより、高分子多相系材料を得る第三工程と、を備えることを特徴とする高分子多相系材料の製造方法。 - 上記二種類以上の化合物が、スチレンおよびメチルメタクリレートもしくはポリメチルメタクリレート、または、ポリスチレンおよびメチルメタクリレートもしくはポリメチルメタクリレートであることを特徴とする請求項1に記載の高分子多相系材料の製造方法。
- 上記第一工程における光の強度と、上記第三工程における光の強度とが等しいことを特徴とする請求項1または2に記載の高分子多相系材料の製造方法。
- 上記光の強度が0.01mW/cm2以上0.5mW/cm2以下であることを特徴とする請求項3に記載の高分子多相系材料の製造方法。
- 上記第三工程における光の強度が、上記第一工程における光の強度より強いことを特徴とする請求項1または2に記載の高分子多相系材料の製造方法。
- 上記第一工程における光の強度が0.01mW/cm2以上0.5mW/cm2以下であり、上記第三工程における光の強度が0.5mW/cm2より大きく10mW/cm2以下であることを特徴とする請求項5に記載の高分子多相系材料の製造方法。
- 上記第二工程における光の遮断時間が、上記重合および/または架橋した化合物の相分離が開始した時から、第一の相分離材料の相分離速度が減少し始めた時までの時間であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の高分子多相系材料の製造方法。
- モノマーおよび/またはポリマーからなる群から選ばれる二種類以上の化合物を、光を用いて重合および/または架橋させてなり、かつ、上記重合および/または架橋した化合物が相分離した構造を備え、
上記相分離した構造が、さらに階層構造を備えていることを特徴とする高分子多相系材料。 - 上記二種類以上の化合物が、スチレンおよびメチルメタクリレートもしくはポリメチルメタクリレート、または、ポリスチレンおよびメチルメタクリレートもしくはポリメチルメタクリレートであることを特徴とする請求項8に記載の高分子多相系材料。
- さらに共連続構造を備えることを特徴とする請求項8または9に記載の高分子多相系材料。
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